映画『バベル』の口コミ・レビュー(2ページ目)

バベル

[バベル]
Babel
2006年メキシコ上映時間:143分
平均点:5.41 / 10(Review 191人) (点数分布表示)
公開開始日(2007-04-28)
ドラマ
新規登録(2006-09-27)【TRUST NO ONE】さん
タイトル情報更新(2019-07-13)【イニシャルK】さん
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監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
キャストブラッド・ピット(男優)リチャード
ケイト・ブランシェット(女優)スーザン
ガエル・ガルシア・ベルナル(男優)サンチャゴ
役所広司(男優)ヤスジロー
菊地凛子(女優)チエコ
アドリアナ・バラザ(女優)アメリア
エル・ファニング(女優)デビー
クリフトン・コリンズ・Jr(男優)国境警備員
マイケル・ペーニャ(男優)ジョン(国境パトロール員)
二階堂智(男優)ケンジ
小木茂光(男優)歯科医
ネイサン・ギャンブル(男優)マイク
松本保典リチャード(日本語吹き替え版)
塩田朋子スーザン(日本語吹き替え版)
小森創介サンチャゴ(日本語吹き替え版)
磯辺万沙子アメリア(日本語吹き替え版)
川田妙子デビー(日本語吹き替え版)
木村良平(日本語吹き替え版)
原作ギジェルモ・アリアガ(原案)
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(原案)
脚本ギジェルモ・アリアガ
音楽グスターボ・サンタオラヤ
撮影ロドリゴ・プリエト
マサノブ・タカヤナギ(高柳雅暢)(カメラ・オペレーター:東京ロケ)
製作アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
スティーヴ・ゴリン
ジョン・キリク
配給ギャガ・コミュニケーションズ
特殊メイクグレッグ・キャノン(ノンクレジット)
美術ブリジット・ブロシュ(プロダクション・デザイン)
衣装マイケル・ウィルキンソン
編集スティーヴン・ミリオン
ダグラス・クライズ
字幕翻訳松浦美奈
その他ブラッド・グレイ(サンクス)
ショーン・ペン(スペシャル・サンクス)
ナオミ・ワッツ(スペシャル・サンクス)
ギレルモ・デル・トロ(スペシャル・サンクス)
アルフォンソ・キュアロン(スペシャル・サンクス)
奈良橋陽子(キャスティング)
あらすじ
モロッコの砂漠地帯。山羊飼いの少年が試し打ちで発射したライフル銃の弾が観光バスの中のアメリカ人女性を直撃し、事件は国際社会に思わぬ波紋を投げかける。「モロッコに反米テロ組織があるのでは?」「使用されたライフル銃の出所は?」等々が取りざたされ、肝心の被害者とその夫は砂漠地帯からの救出の遅延にいらつく。事件に遠くつらなる東京の父子家庭、そして狙撃された女性とその夫の留守を守るメキシコ人ベビーシッターなどがそれぞれに抱えるドラマが展開され、国際問題とはかけ離れた人間模様が明らかになっていく。
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💬口コミ一覧

171.ネタバレ 出演者は豪華だけど娯楽性は全く無し。
それぞれの登場人物の心情を表すかのような音楽とドキュメンタリータッチな映像。
一丁のライフルによって次々と国境を超えて発生する不幸の連鎖。
映画の流れに沿うと場所も時系列も全てがバラバラだけれども、それが最終的に絶望や孤独に打ちひしがれても、最後に人を救うのは家族の繋がりなんだと言うラストに結びつき、2時間半近くに渡るこの映画のメッセージを読み取ることが出来たような気がします。
途中何度か「え??」と思うような描写があったけれど(特に日本編で)特に気にすることなく最後までじっくりと鑑賞できました。
出番が少ないと観終わった直後に感じた役所広治の出番も、今思えばあれだけの出番だったからこそ最後の刑事との会話で言葉の重みが感じれたと思うし、ブラピも異国の地で信頼できる人が少なく妻の窮地に焦りを募らす姿がとてもリアルに伝わってきました。
特筆すべきはやはり菊池凛子の演技。耳が聞こえず、健常者の人に言いたいこと、気持ちを伝えることが出来ずに胸の内にあるもどかしさや焦燥感を見事に表現できていたと思います。
オスカー受賞はなりませんでしたが、ハリウッドが国籍に関係なく彼女をキチンと評価したことは素晴らしいことだと思いました。今作の菊池凛子や「ラスト・サムライ」の渡辺謙のように国境を超えて活躍できる日本人の俳優がもっと増えてくれたらいいですね。
同じような複数の物語が展開する映画では「クラッシュ」の方が個人的には好きですが、観た後の味わい深さはこの作品の方が上だと感じました。
エージェント スミスさん [DVD(吹替)] 8点(2008-02-06 18:26:22)
👍 1
170.ネタバレ まさか泣けるとは思わなかった。チエコが裸になって求めるシーン、兄を撃たれた弟、父親、不法侵入者とされた乳母、苦しい感情が自分の胸の奥に突き刺さった。こんなにも、分かりたいのに、分かって欲しいのに、分かり合えない。菊池凛子演じるチエコのもどかしさが素晴らしかった。
おっちょさん [DVD(字幕)] 8点(2008-01-20 22:51:07)
169.ネタバレ やはり元になる旧約聖書の「バベルの塔」が頭に入っていないと、理解できない映画。
元はひとつの言語を話し、一緒に暮らしていた人類が神に挑戦した末に、言語を分けられバラバラの文化・生活を地上でおくる様になる。
しかし人々の持つ「共通の部分」がよく描かれていると思います。神が分けた文化・言語の壁によって「伝えたいが、伝わらない」が「元の部分は同じであるはずなのに・・」というもどかしさが全般を通じて伝わる作品。
盲学校の女子高生は同じ国の中で、自分が属する聾唖文化と大多数を占める健常文化との壁の前でもがき、
家族同然のメキシコ人シッターは、国境・国籍・就労・主従・貧富の差の前に苦しむ。
しかし同文化のはずの観光バスの同乗者たちに見捨てられるアメリカ人夫妻が見つける別文化の中の「同じ部分」。
「現代社会に汚染されていない」とファンタジーを持って観光される砂漠の家族の中にもある「家族の秘密」。
ワクワクして観る娯楽映画ではないけれど、観る価値のある映画。
グレースさん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-06 08:14:59)
👍 2
168.ネタバレ おんや?おかしいな、評価が低い、、、。間違いなく傑作だと思いますよ。確かに後味は悪いですけどね。これは「絶望から希望を見いだす」っていうタイプの作品ですから。皆さん言うように、日本を舞台にした話が他とつながりが弱い。その点は確かにそうですけど、しかし最も印象深く、「映画的」だったのは日本での話だと思います。あれはほとんど台詞がない、画と音と雰囲気と表情。膨大な台詞が当たり前の今の映画群の中で、ああいう原点的な作品を見ると結構新鮮に感じたりしますね。言葉、人種、宗教、身体、個人と集団、個人と国家、いろんな対立軸を持ってしてスケール大きく描いてますけど、でもこの作品に出てくる一人一人は、ほんとにごく普通の人たち、誰一人悪い人は出てこない。皆が「誤解」によって孤独と不幸を味わっていく。「バベル」という障壁は、実を言うと外的な要因ではなくて、一人一人が心の中に作っている壁の事なんですね。それはつまり逆に言えば、立場も環境も信念も違うけど、実はみんな同じ人間、みんなつながっているんだということです。ですからバラバラの孤独を描く事でみんな実はつながっているんだということを表す、「絶望から希望を見いだす」作品なんですね。
あろえりーなさん [映画館(字幕)] 8点(2007-08-18 00:44:43)
167.ネタバレ 同じ人間であるけれど、環境や生まれもった特質によって生きかたや感じ方が違う。
みんな生きているから、人の数だけ悩みがあり葛藤があり、そこにはリアリティがある。
「その多彩さを、不思議さを、妙を、無常を描きたい」。
自分が生まれ育った環境にはじまり、成人してあるいは監督として活躍するようになって色々な世界を知り、イニャリトゥ監督は純粋にそう思ったのじゃないだろうか。
だから、ドラマチックなストーリー性はないといっても過言ではなく、部分的に関係を持つ事象の断片が、つなぎあわされていく。ストーリー性を期待してみると、肩透かしを食らった気になるのかもしれない。
描かれるのは、その場で起こったエピソードと関わる人々の動きだけ。我々はそれを見ながら、自分の出自や文化的背景にとらわれながらも、立場や環境の異なる登場人物たちの心の動きやその背景を追うことになる。
各エピソードでリアリティを描くことに成功したとは、少なくとも私には断言できないが、監督の野心的で素朴な姿勢と、かつ情緒的に過ぎない視点が印象に残った。
余談だが、お手伝いさんと村の中年男のラヴ・シーン、あれは冒険ですね。
男女のむつみあいに美も若さもへったくれもないのだ! 美しいハリウッド・スターの夢のようなラヴ・シーンと、彼らのそれのどこが違う!思わず微笑んでしまうとともに、それを描いた心意気が気持ちよかった。
nadiendさん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-18 15:48:26)
166.イリャニトゥ作品では"業"を感じさせますが、この映画もそうでした。国や人種が違っていても、天に背くようなことをすれば、報いがあるということなのです。人類普遍のテーマを綴った見事な映画だと思います。
shoukanさん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-12 00:10:11)
165.ネタバレ 言語の壁、民族の壁、宗教の壁。「ことば」の伝わらぬ虚しさと「ことば」がなくても繋がる人間の絆。
一発の銃弾から始まる4つのストーリー展開は非常に強引ではあるが、それを微妙な時間軸のズレによって描写し、随所に「壁と絆」を織り込んでいます。イデオロギーの戦いから宗教戦争へと変遷した21世紀の世界紛争の火種とかすかな解決への希望を暗示しているような気がします。それは家族愛であり、民族を超えた人を慈しむ心なのでしょうか。パニック状態のスーザンにモロッコ人通訳の母親が、鎮静剤がわりに煙草(大麻)を吸わせるシーンは強烈な希望の光です。
我々が観賞後に感じる一種の不快感は、いわゆる無宗教の頽廃した平和日本人の尺度では、現代の世界標準の現実を直視できないもどかしさからか?これも一種の「壁」(だからあえて東京が舞台に選ばれた?)なのでしょうね。
エンドロールのギターの咽びが、なぜか無性に心に染み渡りました。
つむじ風さん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-09 03:10:46)
👍 2
164.結構評判よくないみたいですが僕はかなり見入ってしまいました。皆さんご指摘の通り、4箇所で展開されるストーリーをライフル1本で(しかも日本人ハンターのもので)つなぎ合わせるというのにはちょっと強引な気がしました。しかし、この話は伝えたいことが伝わらないことの悲しさと、空しさとやるせなさの話ではなく、そうした人間が人間であるが故の障害みたいなものを「愛」などと称されるいわゆる人を思う気持ちによって乗り越えることが出来るというメッセージを込めた、非常に力強い作品だと感じました。それは、兄のために銃を捨てた弟の「愛」であったり、妻を思う夫の「愛」であったり、他人の子供のために必死に車を探しに行くベビーシッターの「愛」であったり、その彼女を抱きしめ、受け止める息子の「愛」であったり、父をかばおうとして刑事に嘘を付いた娘の「愛」であったりするわけです。そうした描写がただただ問題を丸投げするに留まらない、見事なたくましさをこの映画に与えていて、鑑賞後には何故か涙を流してしまいました。ただし、21グラムよりはよくなかったし、前年のアカデミー賞作品賞受賞作「クラッシュ」に似た部分が多々あったことから、やはり作品賞の受賞はありえなかったのではないかと感じました。でも、まぁ駄作「ディパーテッド」よりはかなりいい作品であることは確かです。それにしても、菊池凛子の演技がそれほどまでに素晴しいとは思えなかったのは気のせいでしょうか??確かにブラット・ピットを食っていましたけれども、それはあくまでも役柄の強烈さに由来するものであるのではないかと思いました。ということで、彼女の助演女優賞受賞がかなわなかったのも納得でした。
ジャザガダ~ンさん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-08 02:28:37)
163.ネタバレ 大変面白く鑑賞できました。1発の銃弾の波紋が広がるように展開する4つのストーリー。それぞれの時間のずれは無視して同時進行で描くことにより物語に引き込まれた。アメリカの夫婦・モロッコの兄弟・日本の親子。異なる言語を持つこれらの人々が最終的に心を通わせる。人と人を結びつけるのは言葉ではなく心なのだと伝わってくる。特にほとんど台詞をもたない菊池凛子の演技は圧巻で、時に無邪気に時に妖艶にチエコを演じきり、その心の叫びが痛いほど伝わってきた。最後の手紙には何が書いてあったのか、知りたい。
ふじもさん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-02 12:29:20)
162.ネタバレ その昔、バビロニアの人たちが人間の実力を誇るために天まで届く塔を建てようとしたのを見てびっくりした神様が造りかけの塔をこわし、各民族が違う言葉を話すようにしたそうで、「バベルの塔」とは混沌と人類の不和の象徴のはずなのですが・・・この作品では巻頭から観光バス狙撃事件の経緯は明らかで、ブラッド・ピットが演じる被害者の夫がいくらうろたえたところで、見る側としては冷めて眺めてしまいます。作品の面白さはむしろ、メキシコ、日本などで展開されるストーリーとモロッコでの事件との関りを解きほどくことにあります。それにしても、国際テロ事件の解明を手がける日本のどこにでもいそうな刑事、終わり近くで「あのモロッコの事件の結末は・・・。」と報道する東京の場末の飲み屋のテレビ、高層住宅の上階で父娘が愛情を確認するラストシーンなどから感じられるのは「バベルの塔」からはほど遠い調和の世界でした。メキシコ人ベビーシッターのおばちゃん、普通のおじさんとガキどもといった感じのモロッコ人の羊飼い役、どれをとっても俳優さんの演技は見事でしたが、「やはり何と言ってもアカデミー賞にノミネートされた菊池凛子さん!」なんて日本人としてナショナリズムを感じたりして・・・。後ろの席に座っていたアラブ系の人たちがモロッコ・シーンになると英語と私にはわからないアラビア語で茶々を入れるのも聞いていて楽しかったです。神様が言葉を乱してくれたせいで、人類は戦争もしたけれどオリンピックや万国博覧会みたいな楽しいお祭りをやって神様に舌を出しているわけで、製作者が同時多発テロ以降のテロへの過剰反応に対抗して「バベル」という題名で調和や国際協調を描きたかったのなら舌を出してもいいけれど・・・でなければ作品が醸す調和の雰囲気と砂漠の雄大な景観、東京の夜景、各国俳優の競演などに敬意を表して超甘の点数を献上。(拙投稿の小ネタもご覧下さい。)
かわまりさん [映画館(字幕)] 8点(2007-03-06 11:56:28)
👍 1
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161.ネタバレ ものすごく見応えのある1作。環境が環境だったので英字幕追うのが大変だったけど、各シーンの継ぎ接ぎ程度がうまいので、間延びもせずただただ緊張感。その分疲れるけど。  
まったくハッピーエンドではないので(それどころか絶望的なエンディングも)、観るときのコンディションは選んだ方がいいかも。  
さてさて色んなところで話題になっている日本パート。設定的には非常にキーポイントとされているような感じ。他の場所、メキシコとかモロッコのシーンと比べるとまるで異世界。親娘の住む高層マンションはまさしく「バベルの塔」。(アメリカ人であるブラッドとケイトがモロッコにいるのは、日本サイド世界からモロッコサイド世界に紛れ込んだ人間としての描写だと思う)  
その中でも更にキーポイントとなるのが菊地凛子の役どころなんでしょうが、聾唖の演技はともかくとして、あの性衝動に至るまでの心情がまったく読めないんですが(汗)。あとで公式サイトのキャラ紹介ページ見て「あーそういうコト?」と思ったんですが(大汗)。疎外感を持っているというのはわかるんだけどね・・・それは演技でじゃなくてシナリオ上でわかること。・・・よく脱いだで賞50%?  
あと日本パートに関してどうしてもこらえきれないツッコミ。
今時診療中にマスクをしない歯科医などおらん。今時診療中に、スカートの患者の脚にタオルをかぶせておかない歯科医などおらん。  
個人的にはブラッド&ケイト夫妻という組み合わせが新鮮でしタ。
通りすがりのクラゲさん [映画館(字幕)] 8点(2007-02-10 15:48:25)
👍 1
160.ネタバレ 手持ちカメラの多用による臨場感と、超ロングショットの効果が素晴らしい。心の声が相手に届くのかというテーマが全編をつらにいていて素晴らしい。期待せずに見たら思っていた以上に良かった。映画館で観たらまた違う印象になったかもしれない。
ブッキングパパさん [インターネット(字幕)] 7点(2020-12-29 18:40:13)
159.ネタバレ ラストにオチがあるのかもと期待していたのですが、普通の終わり方で残念。結局4つのストーリーの繋がりはほんの僅かでした。ですが全編を通じてハイレベルに感じましたし、描写のリアルさは見ていて惹きつけられます。不幸になった人達は自業自得な面もあるのですが、そこがまたリアルに感じられました。考えさせられる映画でした。
もんでんどんさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-16 13:59:30)
158.ネタバレ 同監督の「アモーレス・ペロス」は観ていましたが、こんな作品を撮っていたとは・・・。この映画の存在自体は知っていましたが、どんな話か全く知らない状態で鑑賞しました。1丁の猟銃から全てが始まり、そこから登場人物たちの悲劇の連鎖が展開される。ちょっとした判断の過ちで、人はここまでひどい目に逢うのか・・・。そんな恐ろしさを感じながら観ていました。これほど「助かってほしい」と願いながら鑑賞した作品は、そう多くないです。ただ、チエコのエピソードだけは不可解でした。そのせいで、作品全体のバランスが崩れてしまったという印象が残ります。そして、ブランコと点滅のシーンは、気分悪くなりそうで直視できなかったです・・・。こんなにインパクトのある良い作品なのに、もったいないです・・・。
たけたんさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-04 06:56:47)
157.ネタバレ  評価の分かれる作品じゃないかなぁ、と思いましたが案の定でした。好意的に解釈すれば、過剰演出ともとれるチエコも、少し無責任に見えるメキシコ人ベビーシッターも、身勝手なリチャードも、正体不明のヤスジローも、全てがほんの少しずれながら、意味あってつながっている何かに見えてきます。私はいい作品だと思いましたが、ともかく万人受けはしないと思います。
海牛大夫さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-16 12:31:11)
156.ネタバレ アメリカ、モロッコ、メキシコ、日本の4つの世界が「つながり」を持っているということよりも、そこに存在する「断絶」のほうが印象的でした。アメリカ人夫婦のためには政府が動き、メディアが動き、(多少遅れてブラピが焦ったとしても)ヘリが飛ぶ。日本の女子高生がいくら暴走しても「君は悪くない」と言ってくれる人がいる。でもアメリカの子どもの親代わりを真面目に勤めてきたメキシコ人のメイドは、自分の息子の結婚式に出たかったばっかりに仕事と住む場所を失い、モロッコの子どものちょっとしたいたずら心が、家族の破滅を招く。因果応報とはいいますが、小さな過ちから立ち直るチャンスを与えてもらえるのかどうか、それが私たちが生きる世界の「不平等」なのだと痛感しました。
ころりさんさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-08-30 15:21:27)
👍 2
155.ネタバレ ■バベルの塔の逸話を念頭にメッセージを探ると、どうもピタッとハマらない。あの程度のコミュニケーションの不通と快復などありふれた物語だし、バベルの塔なんてわざわざいわなくても、本作以上にそれを描き出すことに成功した映画作品なんて山ほどある。だから、『バベル』というタイトルそのものがミスリーディング、あるいは後付けだと仮定して観ると、そっちの方が僕には理解がいく。じゃあどういう作品なのかというと、平たい表現で恐縮だけれど、「悲しみの連鎖」とか、そいうことについての作品だと思う。■我々は間違いなく連鎖している。ことに悲しみは、連鎖のネットワークの中でいろいろに形や姿を変え、いともたやすく伝播する。本作の場合、一丁のライフルがその媒介を果たした。日本の狩猟趣味の男の妻を自ら殺めさせ、モロッコの幼い兄弟の悪戯を誘発し、米国人夫妻を命のトラブルに巻き込み、彼らの子らを世話する家政婦の生活を奪った。と、そういう話である。■この仮定と、「コミュニケーションの不通」を本作のテーマとして位置付ける試みを較べて、どちらが作品の理解を努める上で徒労感が少ないかといえば、前者だった、というのが僕なりの感想だ。どうしても比較してしまう作品に『マグノリア』があるが、『マグノリア』はカエルのカタルシスでもって、一気に塞がれていたコミュニケーションが流通しだす。その意味で、「コミュニケーションの不通と快復」をより意識して描いているのは『マグノリア』の方であって、本作はタイトルに似つかわしくないほどそれを描いていない。『マグノリア』のカエルに措定するものがあるとすれば、それはあのライフルなんだろうけど、結果的にあのライフルによって「救い」が起こったのはブラピ&ブランシェット夫妻のみで、その夫妻にしたって別にライフルで撃たれなくたって、例えば心臓発作とかでも良かったようなもんだ。■どなたかが書いてたが、連鎖の媒介役が武器であることは象徴的だと思う。武器が招いた悲劇の連鎖、とか、そういうシンプルなことを言いたいんじゃないか、この映画は。僕はそうだとして観たから、バベルの塔が林立する東京で、とある父娘が快復するエンディングは美しいと思った。
麦酒男爵さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-19 00:48:29)
154.子供の悪ふざけとは本当に恐ろしい。僕も小さい頃たくさんの悪ふざけをしてきました。
少し間違えれば人殺しにつながっていたと思う。本当に人事ではないと感じさせられる映画でした。
ケンジさん [DVD(字幕)] 7点(2009-01-12 23:24:26)
153.イニャリトゥ作品の中では、ちょっとおとなしい?と、感じた。

が、他者とのコミュニケイトすることの難しさ、大切さ、は十分に伝わった。

他者と100%分かり合えるのは不可能だ。不可能だが、諦めたり知ったかぶりするより、私は分かり合うためには色々と苦労したいと思う。そういうコミュニケイトを、面倒がるなっちゅう事ですかね。

しかし、相変わらず配役センスがイイ監督ですね。
aksweetさん [DVD(字幕)] 7点(2008-07-14 00:13:16)
152.なぜ日本?と言わざるを得ない。小さな出来事から発生した4カ国に関わる事件。各々の国の文化と繁栄と道徳観の違い。
日本が一番退廃した描き方に好感が持てないし、設定が無理すぎると思う。でも衝撃的出来上がり。 個人的には“たけし”と“ちえこ”の絡みの場面が面白い。
ご自由さんさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-03-06 18:02:14)
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【点数情報】

Review人数 191人
平均点数 5.41点
021.05%
121.05%
2115.76%
32211.52%
42110.99%
54020.94%
63819.90%
72412.57%
8199.95%
984.19%
1042.09%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.33点 Review21人
2 ストーリー評価 5.09点 Review31人
3 鑑賞後の後味 4.90点 Review31人
4 音楽評価 6.00点 Review31人
5 感泣評価 4.59点 Review27人

【アカデミー賞 情報】

2006年 79回
作品賞 候補(ノミネート) 
助演女優賞菊地凛子候補(ノミネート) 
助演女優賞アドリアナ・バラザ候補(ノミネート) 
監督賞アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ候補(ノミネート) 
脚本賞ギジェルモ・アリアガ候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)グスターボ・サンタオラヤ受賞 
編集賞スティーヴン・ミリオン候補(ノミネート) 
編集賞ダグラス・クライズ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2006年 64回
作品賞(ドラマ部門) 受賞 
助演女優賞菊地凛子候補(ノミネート) 
助演女優賞アドリアナ・バラザ候補(ノミネート) 
助演男優賞ブラッド・ピット候補(ノミネート) 
監督賞アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ候補(ノミネート) 
脚本賞ギジェルモ・アリアガ候補(ノミネート) 
作曲賞グスターボ・サンタオラヤ候補(ノミネート) 

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