映画『容疑者Xの献身』の口コミ・レビュー(9ページ目)

容疑者Xの献身

[ヨウギシャエックスノケンシン]
Suspect X
2008年上映時間:128分
平均点:6.68 / 10(Review 189人) (点数分布表示)
公開開始日(2008-10-04)
ドラマサスペンスシリーズもの犯罪ものミステリー刑事もの小説の映画化TVの映画化
新規登録(2008-07-24)【マーク・ハント】さん
タイトル情報更新(2025-05-20)【イニシャルK】さん
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監督西谷弘
助監督池上純哉(監督補)
キャスト福山雅治(男優)湯川学
柴咲コウ(女優)内海薫
堤真一(男優)石神哲哉
松雪泰子(女優)花岡靖子
金澤美穂(女優)花岡美里
北村一輝(男優)草薙俊平
益岡徹(男優)葛木修一郎
林泰文(男優)柿本純一
渡辺いっけい(男優)栗林宏美
長塚圭史(男優)富樫慎二
品川祐(男優)弓削志郎
ダンカン(男優)工藤邦明
真矢みき(女優)城之内桜子
鈴木卓爾(男優)
三浦誠己(男優)
八木亜希子(女優)キャスター
リリー・フランキー(男優)草野球の監督(友情出演)
石坂浩二(男優)コメンテーター・有薗文雄(特別出演)
林剛史(男優)村瀬健介
伊藤隆大(男優)森英太
桐本琢也(男優)
小松彩夏(女優)平原瑤子
天田益男(男優)
原作東野圭吾「容疑者Xの献身」(文藝春秋刊)
脚本福田靖
音楽福山雅治
菅野祐悟
作詞福山雅治「最愛」/「99」
作曲福山雅治「最愛」/「99」/「vs.~知覚と快楽の螺旋~」
編曲福山雅治「最愛」/「99」/「vs.~知覚と快楽の螺旋~」
井上鑑「最愛」/「99」
主題歌KOH+「最愛」
挿入曲福山雅治「99」
撮影山本英夫〔撮影〕
さのてつろう(撮影応援)
製作亀山千広
フジテレビ(「容疑者Xの献身」製作委員会)
S・D・P(スターダストピクチャーズ)(「容疑者Xの献身」製作委員会)
企画大多亮
プロデューサー清水賢治(エグゼクティブプロデューサー)
細野義朗(エグゼクティブプロデューサー)
臼井裕詞
配給東宝
特撮大屋哲男(VFXコーディネーター)
美術部谷京子
録音藤丸和徳
西尾昇(デジタル光学録音)(光学録音アドバイザー)
照明小野晃
あらすじ
愛では物理現象は説明できない。だから物理学者の湯川は愛には興味がない。しかし大学の同期で二流高校で教鞭をとりながら数学理論に挑み続ける石神に再会した時、湯川は感じた。「石神は恋をしている。」石神は不可解な殺人事件の被疑者となった美人女性で弁当屋に勤める靖子とその娘の隣に住んでいた。そして天才数学者には完全犯罪など容易なのだ。人は愛のためにどこまで自分を犠牲にできるのか。天才物理学者と愛を抱いた天才数学者の知恵比べ。
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💬口コミ一覧

29.この映画で初めて松雪泰子好きになった。弁当屋の美しい店長さん、過去もありげで惚れるキャラだった。しかしなんといっても堤の演技は秀逸。

ミステリーとしての魅力もあるが、物語の魅力にひきつけられた。主要登場人物の活躍だけに頼らない良質邦画。映画化したスタッフに感謝。
JFさん [地上波(邦画)] 8点(2014-06-17 16:06:21)
28.ネタバレ なんと言っても堤さんの好演。実写版を観た後に原作を読んだが、すんなり石神=堤さんで脳内再生された。観ている側は殆ど気づくことは出来ないトリックだと思うけど、よくこういう設定が思いつくなーと感心した。タイトル内の「献身」と言う単語が良い。実写版を観終わった後も原作を読み終わった後も、「献身」という言葉が沁みてきた。
ネフェルタリさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-06-18 14:22:10)
27.ネタバレ 皆さんの倫理観の高さに驚き。「愛の為に人は罪を犯す」がテーマなのでホームレス殺しが許せない事に関心がいってしまう人は作品との相性が悪いんだろうな。
突っ込み所満載の安っぽい謎解きミステリーがメインになってしまって、人間ドラマが希薄になってしまったのが難点か。石神の献身も独りよがりなものでしかないし、湯川が暴露するとか、花岡靖子が白状するとか、「人の心は計算できない」という事がわかってない事が、石神の最大の問題点ではあるのだが。その割には人生に絶望とかしてるわけで、「人の心は計算できない」事に気がついての自殺未遂ではないのか?その辺の絶望の背景や石神の挫折や屈折等々の心情・人間性がよくわからなかったのでモヤモヤしたかな。
東京50km圏道路地図さん [地上波(邦画)] 6点(2014-07-07 13:44:11)
26.絶対面白くないと思って見たから以外だった。
2時間のテレビドラマではなく、ちゃんと映画だった。
aimihcimuimさん [DVD(邦画)] 7点(2014-08-13 23:02:59)
25.ネタバレ 石神哲哉を演じる堤真一の演技が染みる作品。孤独しかなかった男が、最後は感情を爆発させてむせび泣くラストはしびれる。冒頭の事件シーンが甘っちょろいものではなくリアル志向で良かった。ホームレスが消えていることに気付かなかったので、まだまだ伏線を読み取るのはこれからのようです。
カジノ愛さん [映画館(邦画)] 8点(2014-12-07 18:50:36)
24.これこそが日本映画として世界に出しても劣らない名作でした。
白い男さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2015-01-02 11:46:56)
23.「石神は人を殺さない。殺す前に殺さなくてもいいように解決策を見つけるだろう。」という湯川。一見幾何の問題に見える関数の問題にはまってしまったんですね。全編を通じて堤真一の演じる不器用な数学者の演技にはまってしまいました。でももし石神が数学者ではなく、昨今の法律家大量生産のせいで仕事にあぶれて安アパートに住むしかない弁護士だったら落ち着いて「靖子さん。あなたがやったことは正当防衛。それが立証されれば無罪。悪く転んでも過剰防衛で微罪ですよ。」とアドバイスしたはずなんですけれどね。こんなこと法律の素人のわたしでも言えるけれど数学者には言えないのでしょうか?どんなに好きな相手でも正当防衛以外で人殺しをしたら百年の恋も冷めるし、逆を言えば恋が冷めないのなら優秀な弁護士に依頼して無罪を勝ち取る余地が十分にあるはずです。最初のニュースと爆発現象を説明する湯川のかっこよさ、雪山から見る広大なパノラマ、そして堤真一の好演のせいで点数は甘めです。
かわまりさん [DVD(邦画)] 8点(2015-06-22 07:02:47)
22.ネタバレ 「好きな人を助けるための殺人」を美談にした物語ではない。これは、「好きな人を助けるための殺人」をしてしまった男の悲劇の物語であることを見逃してはいけない。     石神は合理的思考を持った天才数学者。普段の彼なら、もし知り合いが殺人を犯してしまったら迷わず「キミの場合自己防衛で無罪になる確率~%だ。もし有罪でも懲役~年の確率が~%だと思われる」と冷静沈着に判断していただろう。しかし相手は片思いの女性。しかも、自殺をおもいとどまらせてくれた恩人とまで思っている相手。どんなに合理的思考を持った石神も、”恋する女性”を前にすれば、非合理的手段にすら出てしまう・・・そう、この映画は、どんな者でも”恋に落ちてしまった人間”は、倫理的に、あるいは法律的に、軌道を外れた行動に突っ走る可能性を秘めていることをこの作品で伝えているのだ。”恋に落ちてしまった人間”の愚かさを、描ききっているのだ。       湯川は「彼は合理的に考えるひとだから殺人は犯さない」と当初言っていた。しかし湯川は石神の恋心を察知する。湯川は、石神と一緒に靖子の弁当屋さんに立ち寄った際、靖子のキャバ嬢時代のお客のオッサンが入ってきて靖子となれなれしく話している時に、石神が「なんだよなんだよ・・・親しげに。どこの男だ・・・」と、いたたまれないようなイジケ顔をしていたのが鏡越しに見て「あれ?」と思うのだ。そのとき、湯川は「いつもの石神なら殺人などありえない。しかし恋をしてしまってる石神なら・・・」と思ったに違いない。  ホームレス殺人については、それを肯定するものでも否定するものでもなく、ただ、合理的思考の石神が”恋”をしてしまったために、犯さないはずの殺人をしてしまった、ということであり、それ以上でもそれ以下でもないのである。そして、”恋”をしていたがために、ルートを誤った(自首をすすめず、罪を隠すほうを選んだ)ものの、その誤ったルートにおいて一番”合理的”な隠蔽工作を画策し、それを実行するにあたってホームレスが一番適当(消えても誰も探さない上に、カネを出せば言うことを聞いてくれる)だったからホームレスを殺害したということであり、それ以上でもそれ以下でもない。 恋してしまった石神の”誤ったルート”によって、「罪をかぶせてしまった」と靖子も不幸になった。無関係なのに殺されちゃったホームレスも不幸になった。この事件を解明した湯川も「靖子を守りたかった石神の気持ちを、すくいとってあげるわけにはいかない・・・」という、葛藤と自責の念にかられ不幸になった。そして何より、自分が罪をかぶることで靖子の幸せな人生を守れると思っていた願いも崩れ去り彼自身も不幸になった。 不幸な悲劇の歯車がグ~ルグル・・・なのである。    そして「隣あう色はけして交わってはならない」という4色配列は、まるでアパートの隣同士である石神と靖子は、この殺人隠蔽作戦によって、どんなに密接に関わりあえる関係になったとしても、けしてそれ以上に交わり結ばれることはない・・・ということを象徴しているのだろう。逮捕された石神が靖子の登場で「ふぁぁ・・・どうして!?どうして・・どうして!?むぁああああ~~ああああああ!」と号泣県議並みのガチ泣きする場面はこちらまでもらい泣きしてしまった。
フィンセントさん [CS・衛星(邦画)] 9点(2015-11-02 13:49:57)
21.ネタバレ 思ってたほど面白くなかった、かな? 異様にテンションの低い堤さん、役柄とはいえ暗~い堤さんは違和感あるな~。確かに献身っぷりはすごいけどちょっと気持ち悪いレベルかも、とか思ったり。ホームレスの人たちを軽視してるところもどうなんでしょ? まぁ独特の雰囲気はあったかとはオモイマス
Kanameさん [DVD(字幕)] 3点(2016-02-01 12:37:08)
👍 2
20.ネタバレ 天才数学者の絶望とか希望の思いがイマイチ分かりませんが、すり替えトリックの違和感以上に献身レベルが凄すぎです。ラストのクライマックスもとても切ないですが、変な雪山シーンのない原作の方が深みがありました。
ProPaceさん [地上波(邦画)] 8点(2016-03-20 00:26:35)
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19.私は推理小説ファンで、いつも原作を先に読んでから映画版を観るわけですが、そうなるとほとんど「原作の方が良かった」という感想になってしまうわけです。それはミステリーというジャンルの宿命というべきもので、いままで何十本もみた推理小説原作の映画で、これは原作を越えたと思ったのは「砂の器」くらいなものです。で、この作品ですが、やっぱり原作の方が深みがあって良い。が、原作と違うところも多少はあるもののかなり忠実に映像化されており、ミステリー原作の映画としてはかなりの高水準だと思います。特に堤真一の存在感が映画としてのクオリティを上げている。原作を読んだ者にはちょっと男前過ぎるんじゃないかと感じますが、演技力でそこらへんをカバーしているところはさすが。
すらりんさん [地上波(邦画)] 7点(2016-03-21 09:28:09)
18.ネタバレ これは原作が駄目です。
好意の対象としての女性で、DV被害者を助けるために、出来る事いっぱいあるのに・・
この天才?は、無関係のホームレスに嘘のアリバイ工作を指示した挙句、殺して身代わりに
するという暴挙に出ました。
どこに、こんなアホな事する天才が居るかって、爆笑しました。
単に死体を完璧に処理すれば、事件が無かったことに出来るのに、もう一人殺すという選択。
原作がアホだと、どんなにいい映画を造ろうとしても結果は同じです。

原作はミステリーの何かを受賞してますが、その時の審査員がこう言ってます。
「指摘はあるが、推理小説は、道徳的である必要は無い」
ミステリー読むのが恥ずかしくなるエピソードでしたね
グルコサミンSさん [DVD(邦画)] 3点(2016-04-04 21:59:28)
👍 6 😂 1
17.ネタバレ この作品の争点は石神が取ったトリックが本当に意味があったのか?と言う点。
まず正当防衛について。遺体の状況からコードで首を絞められている事に娘が荷担していることが明らかなことから
明確な意思がないと難しい犯行に殺意があったと思われても仕方なく正当防衛を主張するのは難しかったと思います。
加えて、親子共に逮捕される事になれば仮に正当防衛が認められても開放されるには数年がかかるでしょう
裁判費用、あらぬ噂により親子は今まで通りの生活を送る事は困難と思います。
また他の犯罪を犯さずとも"現時点"でバレてないじゃないか
シンプルに最初の遺体をバレないように処理した方が早いとの考え方もありますが
確かに犯罪組織のように完全に遺体の出ないやり方があり確実でしょうがそれ言ったら物語になりません。
処理をする特別な環境を持たない一般人が短時間に、かつ自分一人の力で遺体を処理できる方法考えるなら
遺体をバラバラにし海や山に捨て時間稼ぎをするぐらいが落とし所でしょう。
時が流れ遺体が発見された時、腐敗が進んで居れば殺害日や殺害方法は判別できない可能性が高い。
しかし科学捜査から遺体の身元が割れる可能性は否定できず、もし身元が判明すれば
交友関係や行方不明当日前後の行動からいつか、あの親子に捜査の手が忍び寄る可能性は完全に否定出来ない。
そうなれば意思が弱く自供するかもしれない、それではあの親子を守る事ができない。
だからこそ石神は、あえて新たな殺人を犯し"最初から"自分が出頭する事で完全にあの親子を守る策を練ったって事です。
つまり親子には一定期間捜査追及から逃れるだけのアリバイを与え、その間に自分は計画通りに出頭して
罪を認め裁判の一審で上告せず罪を受け入れ一事不再理により、あの事件で親子が法で裁かれる
可能性を完全に無くす事ができる。一度死んだも同然の命。残りの命をあの親子の為に捧げる決意の犯行。

つまり最初の段階でどうにか隠せば逃げ切れる可能性が高かったねって話では無く
犯罪から逃げ切れる可能性の追及よりも、自ら罪をかぶり親子を完全に守ろうとする話なんです。
ただ、そこに湯川や花岡親子の心など微妙なバランスの上にしか成り立たないこのシナリオは最後に崩壊を迎える。
それがこの物語の大筋ではないでしょうか。

石神はなぜ人生に絶望していたか、それは具体的には語られて居ませんが華々しい活躍をする湯川とは対照に
好きだからやっていた数学とは言え有り余る才能を受け止められる受け皿はなく
誰にも才能を評価されず、誰も彼の本当に語りたい事に耳を傾けない環境は
孤独と絶望の灰色の世界で生きていたのだろうと容易に想像する事ができます。
人との繋がりが無い世界は自分の存在価値を消し去る理由になり得るでしょう。
そんな中、隣に引っ越して来てくれた親子が自分に少しだけ接してくれた。
弁当を買うとき不器用な自分に声をかけてくれる、屈託のない生活の物音が
それまで孤独で灰色だった世界に、ほんの少しの色を与えてくれた。
もちろん親子は石神に普通に接しただけで特別な事は何もしていない。だが、その事が生きる上でどれほど大きいことか…
そんな僅かな色を与えてくれた環境が、殺人により終わりを迎える事が解った時
せめて、この親子だけは色を失わずに居て欲しくて、自ら捕まる事で
自分一人が、また色のない環境に彼は戻って行く決意をしたのでしょう。
留置所の天井の傷やシミで四色問題を解くシーンは秀逸です。
もう親子と会うことは許されず、また色のない世界で孤独に色を付ける作業だったのではないでしょうか。

湯川は冒頭で愛などと言う非論理的な物は誰にも解けない。考えるだけ時間の無駄だと。
石神と再会した時、若々しさを羨ましがる彼は「恋をしている」そう導いたが求める答えにはほど遠い。
本来、犯罪動機に興味のない湯川が始めてそれに向き合い苦悩する。雪山で事件について石神に迫った時
「本当は最後まで証明できていないんじゃないか?」と問われ答えられない湯川。
後日、取調室で雪山で出来なかった話の続きを始めるが
「なぜそこまでして彼女を守る…」と問いかける湯川に石神は答えずドアを閉めて出て行く。
学者である湯川には非論理的難問を最後まで解くことが出来なかったように思える。
そして、それは石神もまた同じ。完璧だと思った計画は花岡の心によって破綻する…。

「石神は罪を犯してしまうほど深く人を愛せた」と語る湯川に内海は「石神は花岡靖子に生かされていた」とそっと呟く。
それを聞いた湯川の表情は、ようやく真の答えに一歩迫る事が出来たように思えた…。
デミトリさん [DVD(邦画)] 10点(2016-05-30 16:51:22)
👍 3
16.「事実は小説より奇なり」と言うが、しかしながらありきたりの世間で言う真実の羅列のみでは「サスペンス映画としては面白味に欠ける」という矛盾が有るからある程度の味付けが入っていなければ「泣いて楽しめる悲劇の映画」にならない。

この映画はその映画的な味付もそうくどい訳でも無く良い感じに上がっていると思う。サスペンス映画の弱点は皆もご存じの通り「犯人は必ず描写されなければならない」という点である。映画の中で全く描かれない人間が急に犯人になるという事はあり得ないのであるからこの点はどうしようも無い。そういう点で良く出来たサスペンス映画だと思う。

だから意図的に監督はそういう点をさらりと流し、湯川と石神と人間的なやりとりに焦点を変えて心理的なやりとりや、石神の敷く附箋を湯川と共に一緒に観客に解き明かしていくという手法に切り替えた所がこの映画が結構高評価を得ている原因だと思う。

結局は映画は見ている人の大部分が求める結末になったが、これが一番妥当で納得し感激の涙を誘う事になるのだからコレで良いんじゃないのかなあ?
アマデウスga好きさん [地上波(吹替)] 8点(2016-09-21 21:35:56)
15.ネタバレ 何しろ原作は大ベストセラーですから、当然原作既読でこの映画を観る人も多いわけですが、そういう観客からすると原作の魅力をあまり損ねていない映画だったかと思います。
主演陣の演技には引き込まれるものがありましたし(特に石神役の堤真一)、個人的に「???」と思ったのは映画オリジナルの山登りシーンくらい。あれって必要性あったんでしょうか?

さてこの映画、内容以前に好き嫌いで語られる事がときどきあり、それは「愛する女性を守るために何の罪もない人を殺す」事の是非が理由です。
「どんなにかっこつけてても、その行為自体がそもそも許せないし嫌悪感しか抱かない」という意見ですね。

ここで面白いのは「同じことをしているにも関わらず原作小説においてはそういう批評はほとんどなかった」という点です。

これは原作はミステリというジャンルであり、ベストセラーとは言え、読んでいるのは主にそのジャンルを好きな人。
そういう人にとってはその行為自体には特に問題には感じないわけです。
なにしろこのジャンルにはこれよりひどい内容の小説なんかごまんとあるわけで、この程度でとやかく言っていてはミステリは読めないですから。

しかし映画化される事で、より広い客層の人が映画を観る事になり、結果としてミステリ慣れしてない人がそこに嫌悪感を抱くのではないかと思います。
特にこれは人気ドラマとなったガリレオシリーズの劇場版ですし、ガリレオシリーズはわりと軽めの話が多くこの原作が異質ですから、まぁ、これはなるべくしてそうなったと言えるでしょう。

さて私のこの映画に対する点数は低めなのですが、これは先に小説を読んでいてトリックとかを知っていたからです。
この映画、「替え玉殺人トリックだと思わせておいて実は時間差トリック」だという深い構成になっていて、そこがミステリとして高く評価されているゆえんなんですが、すでに小説を読んでいる人間からすると一番のキモであるそのトリックはすでに知っているわけで、映画で観ても「一番キモの部分に何の驚きもない」わけです。
これはある意味構造的な欠陥で、どうにも回避しようがない問題。
この映画には罪がない事ですし役者陣の演技も素晴らしかったのですが、しかし「オチを知ってて謎解きミステリを観る」以上、どうしても一定以上の面白さを得る事ができません。

そういう意味で謎解き主体のミステリ映画の映画化は難しいのかな、と思います。
あばれて万歳さん [地上波(邦画)] 6点(2016-11-08 11:17:39)
👍 1
14.原作未読。とにかく、生活感や既視感あふれる舞台での、複数の人間の人生交差。重い氣分にはなりました。堤真一さんは現時点で、知的で重厚で高貴な志を持った狂人を演じさせれば右に出る者無し。
役者の魂さん [地上波(邦画)] 5点(2016-11-12 11:42:55)
13.おもしろいけど、原作には敵わない。
特にラスト。
へまちさん [DVD(邦画)] 8点(2017-12-01 23:38:20)
12.ネタバレ 石神の人となりが最もよく表れていたのは、湯川から託された問題を解くシーン。背中を丸めて一点に集中する姿は、逆に他のことは目に入らない、つまり極端に視野が狭いことを暗示しているよう。それでも旧友の寝姿にはちゃんと気づき、風邪をひかないか心配する優しさもある。不遇の親のため夢を諦めて仕事に就く孝行心もある。石神は、自分に少しでも関心を持ってくれる人間に対しては危害を加えることはできないが、自分に無関係な人間、例えば、数学に関心がない生徒たちやホームレスには、彼ら自身に五感があることすら忘れているようだ。このシーンには、ヒントになるメッセージがたくさん込められている。

花岡母子のために、明確な殺意をもって石神は湯川を冬山に誘った、にもかかわらず、旧友をどうしても殺せなかった。冬山のシーンはそう解釈したい。ホームレスの男性には容赦なく石で顔をつぶせたことの対比となって、石神の屈折した複雑な人間性が垣間見える。

もし、石神に柔軟なコミュニケーション能力があり、社会的に広い視野が効き、自分に自信のある人間だったら、隣室で乱闘の気配を察した時点で警察を呼ぶか、部屋へ飛び込み、被害者の蘇生をして救急車を呼び、母子を殺人者にしない配慮をしたはず。
それが最も正しく彼女たちを救う手段だ。なのに、数学には解答へのいくつもの道があると言いながら、事件に関して彼は選択肢を1つしか持たなかった。
なぜなら、彼女たちの悲劇のヒーローになりたかったから。
彼の犯行は、見た目には母子への捨て身の献身だが、私にはやはり相当歪んだエゴに見える。
自分の得意分野で、好きな女のヒーローになりたいというエゴがあるからこそ、彼女たちの正当防衛を証言する気はさらさらなく、目的のために無関係な人間も殺害できた。
ただ、巧妙にアリバイを作ることはできても、靖子が自分に無関係な死者を出されたことを知ればどんな気持ちになり、どういう行動に出るかという、いわゆる「人の心」が読めなかった。ひとえに、視野が狭かった。
また、自殺を厭わぬ者と、娘を守って生きねばならない者という、両者の生の執着の差も、齟齬の出た原因の一つだろう。
ラストで石神が号泣したのは、靖子が自分を救うために名乗り出てくれたことよりも、自分のひそかな誇りが台無しになってしまったからだ。
他者への優しさとそれ以上に自己犠牲の陶酔が混在した、そんな石神の涙と、石神を理解できないにもかかわらずむせび泣きながら謝罪する靖子の涙は、全く質が違う。

小説・映画は道徳的である必要はないと私も思う。石神のように、良かれと思ってしたことがただの偽善にすぎず、不条理な結果を生む事例は、現実にいくらでも転がっているし、悪人だけで成り立つ魅力的なドラマもたくさんある。
問題は、湯川が登場しているにもかかわらず、その不条理(特にホームレスの殺害)に充分な光が当てられていないこと。
湯川が石神を哀れむだけで激しい怒りを感じなければ、彼の正義など、何ほどのこともない(『相棒』右京のキャラクターと比較すれば一目瞭然)。
話は面白くて深いのに、小説も映画も、この辺がとても弱い。そのため、石神や母子の登場するシーンは強く惹きつけられたが、湯川や内海は、物語の進行を促す程度のキャラクターにしか見えなかった。
tonyさん [インターネット(邦画)] 7点(2018-05-13 22:26:09)
👍 5
11.ネタバレ 死体を消せばよいのに。同じ指摘をしてる人がいっぱいいるよね。
センブリーヌさん [インターネット(邦画)] 6点(2019-01-15 20:49:26)
10.ネタバレ 見ている間はそれなりに面白い。でも軽い。もう少しなんだがなあ。
にけさん [映画館(邦画)] 6点(2019-01-23 16:45:54)
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【点数情報】

Review人数 189人
平均点数 6.68点
021.06%
131.59%
231.59%
342.12%
442.12%
51910.05%
63116.40%
75931.22%
84825.40%
9136.88%
1031.59%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.06点 Review15人
2 ストーリー評価 7.13点 Review22人
3 鑑賞後の後味 6.40点 Review20人
4 音楽評価 5.85点 Review14人
5 感泣評価 6.11点 Review18人

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