映画『月に囚われた男』の口コミ・レビュー

月に囚われた男

[ツキニトラワレタオトコ]
Moon
2009年上映時間:97分
平均点:6.91 / 10(Review 104人) (点数分布表示)
公開開始日(2010-04-10)
公開終了日(2010-08-11)
ドラマサスペンスSFミステリー
新規登録(2010-04-12)【M・R・サイケデリコン】さん
タイトル情報更新(2023-03-15)【イニシャルK】さん
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監督ダンカン・ジョーンズ〔監督〕
キャストサム・ロックウェル(男優)サム・ベル
カヤ・スコデラーリオ(女優)イヴ・ベル
ベネディクト・ウォン(男優)トンプソン
ケヴィン・スペイシーガーティ
平田広明サム・ベル(日本語吹き替え版)
石塚運昇ガーティ(日本語吹き替え版)
嶋村侑イヴ・ベル(日本語吹き替え版)
原作ダンカン・ジョーンズ〔監督〕(原案)
音楽クリント・マンセル
製作トルーディ・スタイラー
配給ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
特撮シネサイト社(視覚効果)
あらすじ
未来の地球。月は重要な資源の供給源であった。資源調達のため、3年契約で独り資源採掘の任務に就いているサム。あと2週間で地球に帰れる、愛妻と愛娘の元に帰れる、そんなある日、サムは採掘現場で事故を起こしてしまう。そして気がつけば、彼は基地のベッドの上に。しかし彼の傍らには信じられない光景があった。自分と瓜二つの男。一体その男はどこから来たのか?そして誰なのか?
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💬口コミ一覧

104.ネタバレ 冒頭でサムベルがルームランナーでカラダを鍛えているときのTシャツの文字が

「WAKE ME UP WHEN IT'S QUITING TIME」

(やめるときに、私を起こして)

って書いてあるのが、わかりやすくて最高ですw

これは映画「トライアングル」で主人公の女性が車でビーチ方向に走っているときに
海沿いの看板に「さようなら、また会いましょう」って書かれていたのと同じくらいわかりやすいですw

あと、基地には「SARANG」ってハングル語で「愛」って文字が書かれてて、あと採掘場にいく車も「SARANG ROVER」って書いてあって、おそらくこの映画のテーマはやっぱり「愛」(主人公の妻や娘に対する)であることを示してるのかな~なんて思ったり。

あと、後半でサムベルが、採掘場のコントロール部屋みたいなロフトみたいなところのハシゴに腰掛けながら、人工知能のガーティに「ボクは昔妻に乱暴だった。だから彼女は出ていった。僕は変わろうとした。そして変わった」的なことを長々と話すんだけど、

あんなことがあって、こんなことがあって、そして僕は悔い改めて変わったんだ

っていう話の内容と、彼の右背後に見える「MIND STEP」っていう文字が

なんかつながってるように深読みしてしまった。

MIND(こころ)のSTEP(昇段、ステップ)

のように読めるなと。 (本来は「足元に注意」っていう慣用句なんだけど。)

それにしても人工知能のガーティは、会社が用意した会社のためのものなんだけど、かなりガーティをかばうサムベル寄りのキャラになっている。
2度目に見たときは「こんな現地のクローンをかばいまくりの人工知能じゃ会社の利益にならないリコールものだわ」と一瞬思ったんだけど、ふと気づいた。

3年も月でたった一人で、さらに人間と生の会話ができない環境下であると、ウツになったり半狂乱になって逆に正常な作業が滞るクローンも現れていたかもしれない。人工知能だから、これまで何十体ものサムを相手にしていくうちに、サムが心穏やかでいられるにはどういう言動をとればいいかを次第に学習し、ついに何十代目かのサム(この映画の中のサム)の頃には、「大変そうだね、わかった、会社にはちょっとナイショにしておいてあげるよ」くらいの人間的な判断をとれる発達をとげたのではあるまいか?


人工知能の声はケビンスペイシー。これもすごくよく合っている。静かで、感情のないかんじの、敵か味方か、何考えてるかわかんないような、いい声質。
フィンセントさん [地上波(字幕)] 10点(2014-04-16 16:52:49)
👍 2
103.たまげました、カルチャーショックです。しばらく頭の中が月の引力くらいしかないような感じです(笑)賛否あるようですが私は減点要素がみつからず、満点にさせていただきました。時間が許すことなら2度3度続けて観たいほどです。いやー、しかし切ない。3年勤務がいろんな意味で限界だったんですね(涙。。。
HRM36さん [DVD(字幕)] 10点(2011-10-05 10:34:06)
102.ネタバレ アイデア勝負に成功しているSF映画。登場人物わずか一人(!)というコンパクトな出来。短編ながら印象的なシーンも多く、予想以上の面白さだった。

■最初から使い捨てられている運命。ニセの記憶。自分があの状況に置かれたら一体どう思うだろうか・・・・・・人間が道具として使い捨てられていく場の恐怖を思い知らされた。

■しかし、最後の救いのある株価云々以降の話は蛇足だなぁ、と思った。ああいうのはわざわざ言わずにハッピーエンドを想起させておくのが粋というものじゃないかなぁ。
θさん [DVD(字幕)] 10点(2010-08-23 01:33:04)
👍 1
101.ネタバレ クローンでなくても、任務遂行は出来そうでしたが、滞在期間短くして頻繁に
交代要員を送迎するより低コストなの?クローン設備の方が掛かりそうだなあ。
いろいろ都合のいい設定があるが、それでもクローン同士の友情物語は響きました。
全く情報無しに見てしまい、最初の幻覚のシーンでホラーなのかと勘違い。
途中から引き込まれて最後まで見入ってしまいました。舞台セットも素晴らしい。
クローンに、記憶を移植して、事実は秘密にして3年間の安定運用を目指した形。
でも本人にバレちゃったというお話。
記憶が完璧であるほど、偽物と気づいた時のショックはデカイよねえ。
コスト削減だからって、長期間のワンオペは辛過ぎる。それを耐える為の
地球で待つ家族との微妙な設定を構成して記憶の移植。なるほどねえ。
映像は社会派スペースドラマですが、お話の根底は薄気味悪いモノでした。
でも、ラストで一矢報いたのがわかるエンディングで、少しだけ救われました。
記憶の移植は、前人格の殺害に等しいというテーマは、ゴーストインザシェルとかでも
出てきます。SF映画の定番素材になってきましたね。
グルコサミンSさん [DVD(字幕)] 9点(2017-04-16 00:17:59)
👍 1
100.ネタバレ 序盤は有り勝ちな近未来SF。
ヘリウム3とかの設定はいろんなSF作品に登場するので、斬新さは感じないけど、嘘臭さも無くて物語に現実味を与えてると思う。
唯一気になったのが、流石に1人で勤務はさせないだろうという点だったけど、まさかそれがシナリオの本筋だったとは驚きです。
1人で勤務してる理由にきちんとした説得力を持たせる構成に感服しました。
中盤もう1人のサムが登場して多少混乱したけど、真相が明らかになってから一気に話が面白くなった。
この作品はSFの設定を借りた友情物語だったんですね。
実はちょっとガーティのことを疑ってたんだけど、サムとガーティの友情がさり気なく描かれていて、ちょっと泣きそうになる。
返事に困ったら食事を勧めるガーティがとても愛らしくて、疑ったりしてごめんよって反省しました。
そして、終盤はサムとサムの友情物語というSFならではの展開。
最終的にはサムとガーティの友情もサムとサムの友情も自己犠牲という形で昇華していて、とても感動的でした。
派手さはないけど、自分とは何なのかってちょっと哲学的なことも考えさせられてしまい、しみじみと切なさの漂う良作だと感じました。
あと、もう一度見直してみたら、細かい伏線がきちんと散りばめられており、丁寧な作品作りに感心しました。
かなり低予算で制作されたらしいけど、映像にそれほど陳腐さはなく、味わい深い作品に仕上がっていると思います。
もとやさん [DVD(字幕)] 9点(2015-01-17 15:52:12)
99.これは面白かった。孤独な環境で仕事をする主人公の姿を見ているうちに、だんだん感情移入してくるんだけど、話がすごく切なくて不思議な展開をしていく。淡々とした話なのに、のめりこんで見た。ガーティとか自分とのやりとりは良かったなあ。最近見た映画の中じゃ一番印象に残ったと思う。
54dayoさん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-09-30 18:40:04)
98.ネタバレ とてもよかった。孤独感を期待したがその上を行かれました。孤独でありながら二人のクローンの存在でわかりやすく自分自身と向き合う展開に脱帽です、とても悲しくもあり、クローン同士思い出を共有しあうところなど、単にクローン、命の尊厳という表面的なメッセージで語ってほしくない内容です。序盤ではありますが、クローンであることの説明をしたときのガーティがの泣き顔のところだけでもかなりぐっときました。そして最後まで裏切らなかったガーティに感謝。あぁでも、僕には地球到着後の告訴のアナウンスは聞きたくなかった、もっと視聴者にクローンがその後どうなるか想像させて欲しかった。
はんにまるさん [DVD(字幕)] 9点(2011-12-13 03:11:24)
97.ネタバレ 人間の代役はロボッットではなくクローンだった! 何とも斬新なストーリーだが、正直切ない。。。これまでのSFと違いガーティ(ロボット?)の人間的なところが救い。低予算を逆手に取った良品。 ただルナ産業は韓国との共同事業のようで、将来日本は取り残されるのかなと、、、切ない。
kaaazさん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2010-08-13 22:42:00)
96.ネタバレ なにもかも古臭く30年くらい前のSF映画を観ている印象。映画館で見たほうが良いとまでは言いませんがレンタルするときに「たしか点数よかったなコレ」と手に取ってもらいたいので9点。手塚治虫作品(火の鳥、アトム)を思い出します。
かのっささん [映画館(字幕)] 9点(2010-07-03 20:12:40)
👍 2
95.ネタバレ 2009年の映画を全部見たわけではないが、これよりは第9地区のほうが上だと思ってはしまうが、
それでも第二位にはこの作品は来るだろう。
また、第9地区が低予算(今見たらMOONの6倍)とはいえ、CGバリバリだったのに対して、これのCGはオープニングのテロップ表示など
ごくごく小さな部分に抑えられている。
つまり超超低予算の本格SFというわけだ。
SFはリアリティを出すために金をかけねばならんが、これは月の密室であるという舞台、
また月を走る車をラジコンにする(これはこれで重力の軽い月ではリアリティがある)など工夫が見られる。

何より、登場人物が少ない。
メインは主人公、あとロボット、その他いくつかのナレーションの声や家族の声、これのみである。
最初のプロモーションビデオや家族のビデオを除いて主人公以外に動いてるキャラはいない。
いや、人物の人数と面白さは関係ないのは当然で、最低二人いればいい、いや一人でもいいはず。
この作品はロボットと「主人公」の「二人」だけしか出てこない。
その中でこれだけの話が作れるのである。

なんだかネタバレなしレビューっぽくなるが、
状況としては月にあるヘリウム3の採掘に成功した会社が、
人を一人送り込んでヘリウム3を採掘させる、退屈させない、不自由させないためにロボットを置く、というもの。
SFファンにとってヘリウム3はメタンハイドレート以上に夢の気体であることはわかるはず。
簡単にいえばヘリウム3かメタンが自由に取り出せれば石油社会は終了するってことです。
そんな重大ながらも孤独な仕事に疲れている彼はある日休憩所から採掘所まで行く間に事故を起こし怪我をし、、、

という話。ここからネタバレ。
要するに彼はコピー、「主人公」が死ねば次の同じ人間が同じ記憶でまたはじめる繰り返しを
主人公のオリジナルの人間が会社と契約を交わした。
この映画の「主人公」が何代目かはわからないが、少なくとも彼のコピーは何十体も仕舞われていたし、
ビデオでは3歳くらいに見える娘は少なくとも成人はしているだろう。
20年として「主人公」一体の契約が最大3年として7代目ソウルブラザーズ以上であることは間違いない。

というところが途中経過。
そこから怪我をした「主人公」と「次の主人公」二人のバディものになっていく。
さらにはいかにもそんなことをしたらこちらを攻撃してきそうなロボットはロボット三原則に忠実なのかこちらの良き理解者になるのもものすごくいい。
話は最後、ニュースのナレーションだけで終わるが、それだけで何が起きたかわかるし、
オリジナルが今何歳でどういう状況かとか、「主人公」が地球でどんな扱われ方をされるか、とか
そんな内容ははっきりいってヤボすぎるだろってもんで、書いててめちゃめちゃ傑作だよこれと思ったが
それでも第9地区と比べると第9地区のほうが上であちらが9点か10点なのでこれは8点。
9点あげてもいい8点と思ってください。

あと日本語タイトルは「月に囚われた男」、原題は「MOON」。
英語を少したしなんでるんでMOONも悪くはないですが、いかにもやぼったい古き良きSF的タイトルのこれは好きです。
にんじんさん [DVD(吹替)] 8点(2019-11-29 13:15:46)
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94.ネタバレ イギリス映画なんですね、イギリス映画はそれがSFでも風刺とユーモアとペーソスに溢れた映画になるんですね、SFは好まないけどすんなり観られました。邦題がサエてると感じたのも本当に久しぶりです。
別にクローンに作業させることはいいんですよ、でもなぜあのような記憶を?なにかとても残酷じゃないですか?ひとりめのサムが「帰りたい」といって泣くシーンは切なすぎてもらい泣きしそうでした。
宇宙飛行士ではなく、月で採掘作業をする労働者階級なんですよね。こんなところもイギリスらしいです。音楽も好みでした。
ラストは企業が告発されるんですが少々ストレートすぎかな、もうひと捻りあるとよかったです。
ガーティは通り一遍じゃない泣かせるいいヤツでした、声はケヴィン・スペイシーなんですね。
コレいい映画だと思います。
envyさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-05-18 21:47:40)
93.ネタバレ ●物語進行の舞台はずっと月。地球の場面は小さなモニターに映されるときだけ。主人公が帰りたいのに帰れない場所という感覚が伝わりました。●ばれたらまずいらしいクローン技術など使わず、普通に人員交代したらいいのでは?と疑問に思います。●ロボット、絶対裏切るだろうと身構えていましたが、案外いい奴でした。心が温まる気分です。
次郎丸三郎さん [DVD(吹替)] 8点(2018-05-20 22:38:20)
92.プロット・展開・表現(見せ方)・監督の価値観、どれも素晴らしいものでしたが、、なんだか地味。派手なだけのバカ映画が氾濫する昨今、本作のような大人向け映画は非常に貴重で、確かにホンモノの香りがする作品なのは事実ですがやはり多少の派手さも必要なんだなと改めて感じました。馬鹿っぽさとは違う、何かこう、ワクワクさせる派手なシーンが一つでも差し込まれていたらもっと高得点だったかもしれません。
ストーリー自体はかなりよく練られていて、目立った破綻はありません。”設定がザル”という意見も見られますが、確かにルナ産業的には完全犯罪を行うならもっと月を完全隔離するくらいの勢いで周到に周りを固めるべきでしたが、まあ周到に固めたとしてもほころびは出るもんです。

ガーディ役のケヴィン・スペイシーが作品の出来を見てから後半合流だったそうですが、声がアフレコで単独録りだったのかが気になりました。アフレコ&単独録りでこの雰囲気を醸し出していたとすれば、作品をかなり深く理解している証拠です。地味に凄い。また、特典映像で確認できますが、サム・ベル役のサム・ロックウェルの演技も何気に凄い。仕組みとしては一人二役を別撮りで合成している訳ですが、演技から合成した感じが全く感じ取れない。監督が凄いのか、撮影技術者が凄いのか、サムが凄いのかよく判らないくらいに凄いですが、おそらくサムがかなりシビアにタイミングを合わせながら演技したものと思われます。とにかく違和感が全くなくて自然なのは賞賛に値します。

救いのないストーリー展開と結末が許容できれば名作認定できると思いますが、、なかなか人には勧めにくい映画でもあります。二度目の鑑賞でより深く理解できましたので少し点数をアップすることにしました。
アラジン2014さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-01-02 13:45:52)
👍 1
91.ネタバレ サム・ロックウェルだから良く見れた映画になったのだと感じる。
♯34さん [DVD(字幕)] 8点(2014-12-18 01:05:10)
90.ネタバレ とても静かな展開のなかにさりげなく忍ばせている静寂・孤独・希望。ハリウッドビッグバジェット作品では絶対だせない「味」が全編に渡って漂う良質なSF映画ですね。無機質なコンピューター「ガーティ」がやはり某映画のHALを彷彿させますが、そこもいい意味での予想を覆してくれて・・・なんかとても良かった、あんなコンピューター欲しい(笑)。強いて言えば最後があっさりかな?とか思ったけどアレコレいうのもいらぬ世話ということで、8点!
Kanameさん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-25 09:44:46)
89.内容はSFにSFを重ねたかなり突拍子もない話なのですが、そのSF要素を総動員し、ひたすら一人の男の苦悩や感情・心の触れ合いを描いていて心に迫ります。感情移入しまくりでした。静かですが熱い映画です。『月に囚われた男』というタイトル、見る前はキャッチーな印象を与え、見た後にはこれしかないってくらいぴったりなタイトルだということがわかる、すばらしい邦題です。原題は『MOON』ですか。邦題つけた人いい仕事しすぎ!
デルモゾールG軟膏さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-10 01:57:00)
88.ネタバレ こういう映画、自分は好きですね~。月面を移動していく場面は、往年のSFTVドラマを見ているようで懐かしさがこみ上げてきます。基地内での出来事も、分からないことがテンポ良く段々と分かってきて飽きませんでした。クローンものであることは事前に分かっていましたが、クローンに頼っていないストーリーが良かったです。そしてヒューマンドラマに仕上げていたので、心に染み入ってきました。コンピューターの心変わりについては「謎」と言うことにしておきましょう。
Banjojoさん [映画館(字幕)] 8点(2012-09-30 16:07:49)
87.ネタバレ 先ほど観終わりました。かなり面白かったです。

この映画の秀逸な所は基本設定や場面設定
そしてプロットを徹底的に練り込んで有ると言う事です。

それでいて、作品の世界観や背景などは冒頭にザッと説明するのみで
殆ど明らかにされていない。

ある意味ではSFの定番で地味な話なのに
観ている者をこれだけグイグイと物語に引き込んで行くのは

上に書いた事柄(基本設定、場面設定、プロット)を
相当徹底的に練り込み、その過程で余計な物をそぎ落としたからこそ
全然違和感無く、これだけの作品に仕上がったのだと思いました。

私は昨今のド派手な演出ばかりで、粗を隠そうともしないハリウッド映画も
この作品を見習って欲しいと思いますね。

この作品もやはり、あのブレードランナーを手本に取って作ってある映画で
ある意味、レプリカント達が働いていたとされる
植民地星の実情に思いを馳せ、空想し、それを基にして1本の物語にしたかの様に

悲しく、重厚で、深いシナリオの中に
心洗われる余韻を残しつつ、最後まで痛快に見る事の出来た作品です。

作品の内容は
要するに莫大なエネルギーを生み出す月面の新エネルギーの採掘には
高レベルの放射能により、人間が重度の被爆に冒されてしまうというリスクが有った。

その為に採掘会社は違法なクローンを作り出し、偽の記憶を植え付けた上で
月の採掘基地に閉じ込め

3年の任期(実は重度の被爆により寿命が3年程度しか持たない)を課して
偽りのローテーションを繰り返させていた。

つまり、3年でクローンを廃棄処分にしてまた新しいクローンに交換し
採掘業務を延々と継続させ、金儲けしていた。

この映画の新しい所は作品に登場する会社側の管理AI
つまり、会社が騙しているクローンを監視し管理するコンピューターに
性格や許容性、そしてある種の感情を持たせている所です。

結果的にこのAIが主人公達を助けた事で、物語が大きく展開して行く。

惜しい所は時間の関係なのか、予算の関係か分かりませんが
クローンである主人公が脱出ポッドで脱出した後の話が
非常に駆け足で、ちょっと尻切れトンボに終わっている事です。

この最後をキッチリ落とせていれば
私は10点でも足りないぐらいの作品だと思いました。
8点と付けましたが、限りなく9点に近い。

どちらにせよ、1度見て損は無い作品です。


一般人さん [DVD(字幕)] 8点(2012-08-16 19:34:33)
👍 1
86.ネタバレ 予告ではホラー映画かと思っていたが、久しぶりにSFらしいSF映画を見た。
SFの衣を着た戦争映画やホラー映画も悪くないが、この映画は本当の意味でのサイエンス・フィクションだ。
観念的になりすぎず、不可解になりすぎず、一人(二人?)の人間の悲しさ、自問もじっくり描かれ、ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。そのサジ加減が実にバランス良くできてます。
サイエンスとして突っ込みたいのは重力が明らかに1Gであることぐらいか。(1/6の重力のピンポンを観たいという興味もあるが、映画の筋と関係ないので)
マニアックに感動したのは特撮。全CGではなく、ミニチュアをCGで補完するという古き良き特撮の使い方が味を出してます。あの車の微妙な揺れやタイヤのたるみ加減が出す重量感、砂塵の立ち方はどんなにCGで計算して作っても出せない味です。サンダーバードを生んだイギリス人ならではのアプローチです。
日本でもこういう映画を作る才能がいるはずなのに、決して日本の映画界では作れない悔しさも感じてしまいました。この映画の黒幕が韓国(北ではなかろう)というのも時代を感じます。経済大国のメタファーとしても今や日本は認められていないのです。
「少し先にはこういうことがありうるんではないか?」自分にとってこれがSFです。
「少し先には宇宙人が侵略してくるんではないか?」というのはSFではありません。
久しぶりに本当のSF映画を楽しめました。



どっぐすさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-05-10 23:24:34)
👍 1
85.ネタバレ SFをほぼ見ない自分でも思いだしたのは「ガタカ」。受け手への自分とは何か、という疑問の投げ方がうまい。もう一点思ったのは3.11後の原発処理。単純に自分がコントロール出来ない環境へ身を置くということがどういうことなのか、ということへの恐怖を想起させられた。最後の地球での報道は蛇足だと思うが迷っての8点
楊秀清さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-17 18:46:29)
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マーク説明
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 104人
平均点数 6.91点
000.00%
100.00%
200.00%
310.96%
421.92%
51211.54%
61918.27%
73836.54%
82322.12%
965.77%
1032.88%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.21点 Review14人
2 ストーリー評価 7.43点 Review16人
3 鑑賞後の後味 7.26点 Review15人
4 音楽評価 7.36点 Review11人
5 感泣評価 6.63点 Review11人

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