映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六―太平洋戦争70年目の真実―』の口コミ・レビュー

聯合艦隊司令長官 山本五十六―太平洋戦争70年目の真実―

[レンゴウカンタイシレイチョウカンヤマモトイソロクタイヘイヨウセンソウナナジュウネンメノシンジツ]
ISOROKU
2011年上映時間:140分
平均点:6.02 / 10(Review 42人) (点数分布表示)
公開開始日(2011-12-23)
ドラマ戦争もの歴史もの伝記もの
新規登録(2011-12-03)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2025-04-08)【イニシャルK】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督成島出
半藤一利(監修)
キャスト役所広司(男優)山本五十六(聨合艦隊司令長官)
玉木宏(男優)真藤利一(東京日報記者)
柄本明(男優)米内光政(海軍大臣)
柳葉敏郎(男優)井上成美(海軍省軍務局長)
阿部寛(男優)山口多聞(第二航空戦隊司令官)
吉田栄作(男優)三宅義勇(聯合艦隊作戦参謀)
椎名桔平(男優)黒島亀人(聯合艦隊先任参謀)
益岡徹(男優)草野嗣郎(東京日報編集長)
袴田吉彦(男優)秋山裕作(東京日報記者)
五十嵐隼士(男優)牧野幸一(零戦パイロット)
佐々木勝彦(男優)
北条隆博(男優)
碓井将大(男優)佐伯隆
柳浩太郎(男優)
岸博之(男優)
坂東三津五郎(十代目)(男優)堀悌吉(元海軍中将)
原田美枝子(女優)山本禮子(五十六の妻)
瀬戸朝香(女優)谷口志津(小料理屋「志津」の女将)
田中麗奈(女優)神埼芳江(小料理屋「志津」の客・ダンサー)
中原丈雄(男優)南雲忠一(第一航空艦隊司令長官 兼 第一航空戦隊司令官)
中村育二(男優)宇垣纏(聯合艦隊参謀長)
伊武雅刀(男優)永野修身(軍令部総長)
宮本信子(女優)高橋嘉寿子(五十六の姉)
香川照之(男優)宗像景清(東京日報主幹)
橋爪淳(男優)
伊藤洋三郎(男優)
大方斐紗子(女優)
井上肇(男優)
脚本長谷川康夫
飯田健三郎
音楽岩代太郎
作詞小椋佳「眦(まなじり)」
主題歌小椋佳「眦(まなじり)」
撮影柴主高秀
製作平城隆司
東映(「山本五十六」製作委員会)
テレビ朝日(「山本五十六」製作委員会)
バンダイビジュアル(「山本五十六」製作委員会)
アサツー ディ・ケイ(「山本五十六」製作委員会)
木下グループ(「山本五十六」製作委員会)
東映ビデオ(「山本五十六」製作委員会)
読売新聞社(「山本五十六」製作委員会)
配給東映
特撮佛田洋(特撮監督)
浅野秀二(VFXプロデューサー)
美術金田克美
録音橋本文雄
照明長田達也
スポンサーリンク

💬口コミ一覧

42.今年初めての映画鑑賞を終えて映画館を出た。映画館の屋上の駐車場から沈み始めたばかりの夕日が見え、その輝きの思わぬ美しさにしばし見入った。
様々な価値観はあろうが、僕自身のこの人生が、同じようにこの国に生きた数多くの生命の上に成り立っていることは疑いの無いことで、こうやって美しい夕日が見られるのも、彼らの生命のおかげだと思った。

伝記映画として、戦争映画として、この映画に目新しいドラマ性は殆どない。
逆に言うと、世間一般の知識が乏しい山本五十六という人物の人間性を真正面からきちんと描いている映画だと言えると思う。
実在の人物や歴史を描いた数多の映画と同様に、今作が総てにおいて真実を描いているとは思わない。
しかし、たとえ一側面であったとしても、山本五十六の人間ドラマは充分に感じることができたし、それに伴う歴史の無情さや愚かさも深く感じることができた。

太平洋戦争勃発時の司令長官として、戦中戦後に渡り山本五十六に対する世間の風評は大いに揺れ動いたように思う。時には過剰すぎる程に神格化され、時には諸悪の源として蔑まれていたことだろう。
実際にこの人物がどういった人間だったのかは、タイムマシンでもない限り知る由もない。が、少なくともこの映画を観た限りでは、そういった世間の盲目的で安定しない風評に反するかのように、自分の目で世情を見据え揺るぎない信念を持ち続けた人間だったのだなと素直に感じた。

混沌とする世界の中で、一国の重圧と期待と悲しみを一身に背負い生き抜いた一人の人間の姿を見ることができた。
同時に、戦争とそれに伴う悲しみは、“誰か”のせいで生まれるのではなく、その国全体の“愚かさ”によって生まれるのだとういことを思った。

役所広司の演技にも目新しさは決してないが、安定しており、何よりも“説得力”が備わっていた。
主演俳優の演技に呼応するように、作品全体に安定した説得力のある良い映画だったと思う。

「歴史」を描いている以上、あらゆる価値観から賛否は渦巻くのだろうけれど、少なくとも今現在この国で生きている自分は、より責任を持って今この時を生きていかなければならない。

そして、今この国に生きる人々の多くは、太平洋戦争から70年を経た今だからこそもっとこの戦争の事実を知らなければならない。

そういったことを何よりも強く感じた。
鉄腕麗人さん [映画館(邦画)] 8点(2012-01-08 22:51:01)
👍 2
41.ネタバレ 正直に良作だと感じました。五十六の人物像、対米戦への思い、そして辛苦と覚悟。文章で五十六に関する資料、小説などは読んでいましたが、上手く映像で肉付けされています。CGは生々しさを敢えて出さず、お涙頂戴に偏らず淡々とした表現に納めていたのが好印象です。連合艦隊司令長官の背負っていた大きなものが初めて分かりました。日本では軍人を肯定する映画はタブーになりがちかと思いますが、やっと納得できる作品に出会えました。減点要因。存在しない将官を登場させています。
プライベートTTさん [映画館(邦画)] 8点(2012-01-06 22:17:28)
40.ネタバレ 史実そのものがもう十分劇的な展開の太平洋戦争、真珠湾攻撃と山本五十六の葛藤、それを主軸に「静」を置いて描いた五十六像にまず好感を持った。
部下を失っては悔しさに泣き、真珠湾攻撃の通達が遅れたことに激怒し、というシーンさえ極力抑えて、「やらねばならぬ」という状況に押し流されるリーダーの無念を裏から描く。それはとりもなおさず、現実を見ずに〝こうあるべきだ、あってほしい″という姿を追い求めた挙句、理想の残骸に誰一人責任を取ろうとしない国民一人一人の罪を背負わされたリーダーの姿でもある。
理性的に見て勝てるわけもない戦に、勝機はないと言いたてることが許されなかった空気と時代。それは今の日本に置き換えて考える価値のあるテーマではないかと思う。
近代史に疎い向きにもわかるよう最小限の説明を新聞記者にかぶせたのは苦肉の策としてまああり。「どれだけ史実に忠実か」という点よりも、あくまで映画としてドラマとして山本五十六という「流れの中で最善の策を探し続けた」男の在り方を、ひとつのかたちとしてクリエイトして観客に見せたその切り口は、寡黙にして誠実という印象を受けた。
今の日本において、改めて見直してみたい映画だと思う。
役所広司の五十六のテイストそのものがこの映画の魅力ともいえる、名演。でもラストの歌はいただけない。
あにさきすRさん [映画館(邦画)] 8点(2011-12-25 03:30:12)
👍 1
39.ネタバレ 良かった! 山本五十六という人の人柄や開戦に至る過程が丁寧に描かれ 総じて上質な印象を受けました  役所さんを始め日本の名優たちによる 過度な演出をさけた  シンプルな構成は大いに評価できると思います  &作中の零戦…実物作成したのでしょう(スゴイ!) さぞ大変であったかと  いろいろな人の想い  何かそんな気持ちを感じることがデキマシタ
Kanameさん [映画館(邦画)] 8点(2011-12-23 23:24:32)
38.ネタバレ 家族でご飯を食べることのありがたみをつくづく感じさせてくれた映画でした。最後、亡くなってしまうシーンでは涙ほちょり。
ゆみっきぃ♪さん [映画館(邦画)] 7点(2014-02-09 05:18:06)
37.山本五十六については、色々な見解があるとは思いますが、こう言う戦争について考えることの出来る映画は大切。当時の世相をしっかり写し、今主流となっている、反戦!反戦!じゃないのも、良し。あと、最近の邦画は、やたら画質だけ綺麗でいらない所まで見え過ぎて、嫌だったけど、この映画は、適度に画質を落としており、CGも嘘くさくない程度になっており(あくまで邦画の中で)、好感が持てました。
はりねずみさん [DVD(邦画)] 7点(2013-09-03 20:08:25)
36.ネタバレ  この映画で興味深かったところは、山本五十六という人物の考え・行動よりも、大本営発表をそのまま載せ、国民を煽りつづけたマスコミと、その報道を受けて心理的に勢いづく多くの国民の姿を描いているところですね。

 報道は事実を冷静に伝えるのが本筋であり、そこに思想や思いを付け加えることがいかに危険であるのか良くわかります。

TMさん [地上波(邦画)] 7点(2013-01-19 09:36:14)
35.ネタバレ 戦後70年近く経過した今日、当時を知る人が次第に少なくなっているなかで、山本五十六という人物の真実(事実と真実は必ずしも同じではない)を語り残しておこう、との製作者の意志を感じた。それは、原作者の半藤一利氏が玉木宏演じる新聞記者として登場していることからも伺いしれる。あれほど三国同盟や米英との戦争を煽りまくったマスコミが、終戦後鮮やかな変わり身でアメリカ民主主義に習えと標榜する姿が象徴的に描かれているが、現代においても3年前にあれほど政権交代を煽ったマスコミが、今は現政権をこき下ろしまくる姿にも重なってしまう。戦後70年近く経ってもこんな調子だからこそ、本作のような映画も必要なのだろう。
田吾作さん [DVD(邦画)] 7点(2012-10-29 13:51:31)
34.ネタバレ 私も戦争の知識に乏しく、かつ山本五十六さんのことはその名前ぐらいしか知らなかったので、鑑賞して色々と勉強になりました。日本はアメリカに燃料資源を頼っており、国力も10倍。そのアメリカと戦争したらどういうことになるか、五十六さんにはわかってたんでしょうねぇ。日清日露と勝利をしていて浮かれていたというのもあるし、ドイツが躍進していたのでその勢いで三国同盟を結んでしまった。五十六さんの論理的な指摘に対し「多数の方が支持しているので、、、」とか「戦争はやってみなけりゃわかりませんから」とか、全く論理的でない言葉が出てくる。そしてまた、マスコミの責任もある。事実をそのまま伝えるのでなく、単に国民を扇動するだけだった。なにが正しいかではなく、その時の空気で決め、国民が望むものを書くだけ。そういう一つの教訓が、この作品にはきちんと込められていました。まぁ、五十六さんの「奇襲したあとに講和」とか、あのへんは立場上のこともあり、なかなか難しい判断だったのでしょう。CGの全景や戦闘シーンなどもそれなりによく出来てました。個人的に印象深かったのは、「水まんじゅう」でしょうか(笑)。まんじゅうを水につけて、砂糖かけて食べるというのは初めて見たので驚きでした。
あろえりーなさん [DVD(邦画)] 7点(2012-08-22 22:22:47)
33. 山本五十六の物語は、昔からよく物語の中で語られてきた。非戦論者で、開戦に強く反対した人で、早期講和以外に太平洋戦争の望ましい終結はない、と主張した人格者だと。
 隣の国が、いたずらにナショナリズムを煽って、日本にちょっかいを出し始めてきて、かなり苛ついている今、こういう人の話をもう一度映画で観るのは、意味の有ることかもしれない。クールダウンである。
 旧海軍の司令長官の物語が、そういう役割を担い得るというのは、ある意味面白い事で、それだけ傑出した人物だったのかもな、なんて思う。
 欲を言うと、そういう人物であったけれども、また同時に、確かに軍人でもあったわけで、そこのトコロの整合、戦う軍人としての側面の同居具合なんかが、ちょっと見てみたかった。
Tolbieさん [DVD(邦画)] 7点(2012-08-15 06:58:54)
スポンサーリンク
32.長期間の戦争は軍隊だけではできない。世論の後押しが必要であり、それを煽るのはマスコミ。現代にも通じる図式。山本五十六の動向よりそちらの印象が強かった。
次郎丸三郎さん [DVD(邦画)] 7点(2012-08-12 22:54:40)
31.ネタバレ 山本五十六という人物像に焦点をあてつつ、リーダーシップ、組織論や意思決定、あとはマスコミ批判等々を織り込んで、ステレオタイプではあるが、まあそれなりに上手くまとまっているという印象。戦争には詳しくないが、大まかなアラスジはもう周知の事実なので、細かな台詞が史実としてどうなのかな?とやや疑問もあるが。印象に残ったのは、新聞記者とのやりとりで「世論がどうであろうとこの国を守る」というような台詞かな。マスコミが作るものかどうかはわからないが、世論はムードに流されるし、間違える。今の政治家は選挙が怖くて、世論を気にしすぎ。当落に関係なく、空気に流されず、信念を持って行動して欲しいと思った。
東京50km圏道路地図さん [映画館(邦画)] 7点(2012-02-05 20:57:19)
30.ネタバレ 歴史をたどるというより、危急存亡の時にいかなる合理的判断が必要なのか、意に沿わぬ時にいかなる態度で望むべきかのお手本映画です。これは戦記映画ではありません。
広く、大きな視点で言うなら、原発などいらないし、それがかなわぬともあせらず、鷹揚にかまえる。
そう、原発村はまさに陸軍中央の発想です。個々の指揮官は中央にお伺いを立てながら、全力で職務に臨み、裏目となる結果となる。
マスコミはスポンサーにお伺いを立てながら右往左往。
焼け野原の風景はまさに・・・!!
宣伝は実に安直に某ヒット映画の二番煎でありますが、中身は「今」の現状で描かれています。
だから戦闘の悲惨さや、空襲の悲惨さという具体的な描写は極力省かれ、山本五十六という「個」のディティールと大局で描かれているのだと思います。
結局。この映画から感じるのは「我慢」で「我慢」でしかこの先乗り切るしかない世の中だと思います。
この監督特有の浪花節的な思想を感じます。
どっぐすさん [映画館(邦画)] 7点(2012-01-05 01:58:53)
29.ネタバレ 山本五十六の人物を描いた映画としては以前に大河内伝次郎主演の「太平洋の鷲」がありましたが、この映画もそれに近いものです。半藤氏監修とあるのでかなり真実に近いものでしょう。護衛戦闘機が6機いながら多数の高速戦闘機の前にはどうしようもなかった事実は吉村氏だったかの小説によって明らかにされていますが情報と暗号が漏れているのでは仕方なかったでしょう。海軍にとっては石油の備蓄や航空機燃料などの肝心の部分が米国依存だったので陸軍とは対米関係で温度差があったのは当然で、国民に多大な負担を強いて揃えた艦隊も最後は国内の軍港でスクラップになってしまいました。銃後の国民が事実を知らされなかったことには報道関係者の責任も決して少なくないのですが、これは記者への召集令状の話(これは陸軍の専権事項)や敗戦によりガラリと模様替えした編集室の壁などで皮肉っぽく表現されています。この映画では長岡藩の家老だった河合継之助(戊辰戦争で長岡藩を指揮し、一度は城を奪還するが戦死)とその長岡藩の藩士の子供で没落した家から海軍を目指した山本を対比させていますが、それに零戦パイロットまで絡めるのは少し行き過ぎの感があります。山本が日露戦争で指を負傷したのは良く知られていますが、お汁粉屋の娘にとっては当時はそんなに驚くようなこととは思えません。現代の感覚と戦争が日常化しておりまた工場や農林漁業でも負傷者が決して少なくない時代の感覚の落差は決して小さくありません。
たいほうさん [映画館(邦画)] 7点(2012-01-01 00:56:41)
28.ネタバレ 太平洋戦争を扱った映画を観るたびに、常に不満がありました。「戦争責任の総括」と言ったら大袈裟ですが、なぜ戦局の末期に「特攻」や「玉砕」という大日本帝国軍だけに固有のアクションが存在したのか。それを、兵士の哀しさとして扱った映画はあっても、根本に戻って描いている映画は実は無い。本作には「特攻」や「玉砕」の描写はありませんが、間接的にはその問いに回答していると思いました。軍隊の意思決定機関と前線の感覚が乖離しているのはよく聞く話ですが、本作は軍の中枢にいる連合艦隊司令長官が戦争反対派だったという内容。大本営の思惑と山本五十六の感覚は正反対に違っていました。彼が開戦すべきではないと唱えたのは勝てると思えないから。彼にとっての真珠湾攻撃は戦争に勝つためでは無く、早期講和に持ち込むための作戦でした。戦闘の最前線にいる指揮官が「勝利」を目指していないという態度が奇異にも映ります。それは明治維新以降、外国との戦争を無敗で歩んでいた日本の風潮やマスコミの論調にも逆らう姿勢でした。しかし、精神論に依らず国力と戦局をプレーンに見据えることは、最も指揮官に求められる資質だったはずです。「講和」を目指す山本五十六の精神に「特攻」「玉砕」「本土決戦」という言葉はありません。良くない例えかも知れないが、山本五十六は良識を持ったギャンブラーで、大本営は勝つまで博打を止めない質の悪いギャンブラーだった。負債を回収する為に釣り上げたレートが「特攻」や「玉砕」です。かなり話が横道に逸れましたが、本作は戦時にあるべき資質を山本五十六の良識と人柄で婉曲した作品です。ただし、少数の良識と人柄だけでは戦争は止められないし、戦闘は良識と人柄でやるものでもありません。この過去の現実が様々な悔しさを覚えさせてくれます。山本五十六が若手新聞記者に「目と耳と、心で物事を見ろ」と言ったことは映画なりの脚色だと思いますが、良い言葉でした。300万人に及んだ戦没者の9割が山本五十六の死後の戦死であることをナレーションが告げます。果たして、彼が存命だったならその数を減らすことはできたのだろうか? 最初の不満に話に戻りますが、私は大本営の「質の悪いギャンブラーぶり」を徹底的に描いた映画が観たいです。
アンドレ・タカシさん [映画館(邦画)] 7点(2011-12-31 18:21:47)
👍 3
27.ネタバレ 故郷を愛し反戦を主張するも、国を守るため戦争を終わらせようと自ら海軍の指揮を取った山本五十六。まさに責任感の固まりのような漢を役所広司が熱演。脇役に数々のドラマ・映画で活躍する名優たちを起用し、その固定イメージと重なってツッコミ所満載でした。海軍カドクラ氏の力説ぶりに映画館で思わず大爆笑するところでした。
獅子-平常心さん [映画館(邦画)] 7点(2011-12-30 00:35:41)
26.ネタバレ  戦史の知識は『ジパング』と『ウィキペディア』を流し見した程度しかなく史実との整合性はわかりませんでした、でも『映画』としては良く出来ていました。
 まず構成が上手く、大東亜戦争海戦前から戦死までをメインの山本五十六以外に戦闘機パイロットと新聞記者をサブに設け、さらに日常パートや作戦会議、戦闘等を間々に入れる(このタイミングも良い)ことで2時間以上の尺をダレずに見れた。
 戦闘シーンこそ流石にハリウッドには負けるが、挿入するタイミングや尺を短くしたりする(山崎ヤマト見たく艦橋グラグラばっかみたいな小細工も無かった)ことで、『邦画』にしては一定水準かそれ以上の質を保てた。違ってたらすみませんが、所々ミニチュアを使っており、チャチと言うよりは昔の特撮映画を思い出せましたし、CGとは違った邦画らしい雰囲気で良かった。
 後はBGM、最近の駄作みたくバンバン使用せず、基本は無音でここぞと言う所で挿入するので盛り上げ方が上手い。
 新聞記者の上司や南雲指令等主人公達とは異なる考えの者たちに対しても、部下の元に赤紙が届いたと知り泣き崩れたり、ミッドウェー海戦後山本にお茶漬けを薦められ、それを号泣しながら食べたりと、『主人公の敵対者』ではなく『彼らなりに一生懸命だった』と言う演出を入れたのはとても好感を持てた。
 ただ難点としては真珠湾攻撃の立案から決行までが凄く急過ぎ、できればパイロットの訓練や艦隊集結シーン等あと10分伸びても良いから入れて欲しかった。
 あと山本長官が『良い人過ぎる』とも思ったが、まぁ主人公ですし良しとしましょう。
 長官の乗った飛行機が墜落した後ゆっくりと画面が空に移り、再び地面を移すとそこは終戦直後の東京と言う展開は良く、その後のエピローグに上手く繋がり、ササッと終わらせるのも間延びせず○。
 アクションと言うには迫力が無く映像資料としては説明不足だが、クドさや過剰演出は無く戦争も変に美化せず(あくまで山本五十六を表現する舞台程度に留めている)、構成や演出等と言ったストーリー以外の技法が中々良かったので『2時間大河ドラマ』と思ってみれば十分『あり』です。
ムランさん [映画館(邦画)] 7点(2011-12-24 13:14:43)
👍 2
25.ネタバレ 良い映画だとは思うが、もう少し山本五十六の描写に生々しさ・泥臭さが有っても良いと感じた。
偉人伝なので仕方が無いが、聖人君子的に描きすぎ。
日本が経験した戦争の殆どを実体験し、聨合艦隊司令長官にまで昇り詰めた人物を描くには映画では物足りない。
自分の目で改めてその人となりを確認してみたいと思う。
たくわんさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-04-27 15:07:18)
24.第三者が語る『真実』基づくとされる作品は苦手なんですが、太平洋戦争ものは興味があっていろいろ観ます、美談フィクションとして。山本五十六さんは人気のある軍人さんですが、当然賛否も分かれている方ですね。この映画では『賛』寄りでしたし、役所さんの演じる五十六さんは大変魅力的でした。でも映画として丁度いい尺にするには物語をブツ切りするしか無かったんでしょうね、残念。だいぶ語り足りてない気がしました。この頃の役所さんの演じる五十六さんなら大河ドラマにしてもいい尺くらいの面白みがありそうで勿体無い限り。物事は観る角度でどうにでも変わるから面白く作ったもん勝ちですよ。
movie海馬さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-04-28 19:25:06)
23.ネタバレ なぜ軍人の中で山本五十六だけが、戦後これだけ経ってもなお映画の主役を張れるほど人気があるのだろうか?
もちろん人間的魅力や味のある言葉などもあるが、個人的には「五十六」という名の抜群のインパクトと、終戦を待たずに戦死したという早世の感がかなり作用しているように思う。もし彼がありふれた名前で、終戦を迎え東京裁判において死刑に処されたなら(確実にそうなっただろう)、印象が変わりこの映画も生まれなかったであろう。まあ、それも無意味なifである。
それで映画の内容だが、当然山本ファンをアテにしているので、彼の愛人問題とかトンパチな部分は全て削除し、全面的に美化されている。「70年目の真実」と銘打っても、多分これは真実ではない。でもドキュメンタリーではないのでそれについては別にどうこう言いたくない。
ただ、真珠湾以前から戦死へ至るまでの出来事が総花的に流れているので、いまひとつメリハリがなかったようには感じた。真珠湾の準備とか、開戦に反対しているならその意志に反し先陣を切るその苦悩とかをもっと描き込んだ方が良かったのではないか。水饅頭とか細かいところには拘ったが、全体を支える序破急が見えなかった印象が残った。CGもあと一歩かな。しかし単に反戦とか平和を叫ぶようなあからさまなメッセージに逃げなかったのは評価したい。
次は是非、牟田口廉也を主人公にして人間と組織の醜さと浅ましさを描きまくったブラックな映画を作ってほしい。企画通らないか…誰も見ないか…私は見に行くが。
カツルギさん [DVD(邦画)] 6点(2014-09-20 21:32:39)
スポンサーリンク
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 42人
平均点数 6.02点
000.00%
100.00%
200.00%
337.14%
437.14%
5511.90%
61433.33%
71330.95%
849.52%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.66点 Review3人
2 ストーリー評価 4.71点 Review7人
3 鑑賞後の後味 5.00点 Review7人
4 音楽評価 4.80点 Review5人
5 感泣評価 5.16点 Review6人

■ ヘルプ