映画『スポットライト 世紀のスクープ』の口コミ・レビュー

スポットライト 世紀のスクープ

[スポットライトセイキノスクープ]
Spotlight
2015年上映時間:129分
平均点:6.76 / 10(Review 51人) (点数分布表示)
公開開始日(2016-04-15)
ドラマ犯罪もの実話もの
新規登録(2016-02-10)【DAIMETAL】さん
タイトル情報更新(2024-08-14)【にじばぶ】さん
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監督トーマス・マッカーシー
キャストマーク・ラファロ(男優)マイク・レゼンデス
マイケル・キートン(男優)ウォルター・“ロビー”・ロビンソン
レイチェル・マクアダムス(女優)サーシャ・ファイファー
リーヴ・シュレイバー(男優)マーティ・バロン
ジョン・スラッテリー(男優)ベン・ブラッドリー・Jr.
ブライアン・ダーシー・ジェームズ(男優)マット・キャロル
スタンリー・トゥッチ(男優)ミッチェル・ギャラベディアン
ジェイミー・シェリダン(男優)ジム・サリヴァン
ビリー・クラダップ(男優)エリック・マクリーシュ
ポール・ギルフォイル[1949年生](男優)ピーター・コンリー
マーティン・ローチ(男優)コーヒーショップにいる警官
レン・キャリオー(男優)ロウ枢機卿
リチャード・フィッツパトリック(男優)司祭
リチャード・ジェンキンス〔男優・1947年生〕リチャード・サイプ(ノンクレジット)
宮内敦士マイク・レゼンデス(日本語吹き替え版)
牛山茂ウォルター・“ロビー”・ロビンソン(日本語吹き替え版)
森なな子サーシャ・ファイファー(日本語吹き替え版)
大塚明夫マーティ・バロン(日本語吹き替え版)
仲野裕ベン・ブラッドリー・Jr.(日本語吹き替え版)
岩崎ひろしミッチェル・ギャラベディアン(日本語吹き替え版)
脚本トーマス・マッカーシー
ジョシュ・シンガー
音楽ハワード・ショア
撮影マサノブ・タカヤナギ(高柳雅暢)
製作スティーヴ・ゴリン
製作総指揮ジェフ・スコール
ジョシュ・シンガー
配給ロングライド
衣装ウェンディ・チャック
編集トム・マカードル
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💬口コミ一覧

51.ネタバレ カソリック教会での児童虐待。私が初めて知ったのは、CBSドキュメントによってだったと思う。恐らく十年以上も前だろう。現在ではほぼ『常識』として認知されているが、そうなるまでには当然何らかのきっかけがあったわけだ。この記事がそうだったんですね。性欲すなわち『種の保存』本能は、人間にとって最も根源的で強力な欲求なので、何らかの手段によって解消しないと、必ずゆがんだ形で暴発する。中世以来の魔女狩りなども、明らかに性的倒錯の発露だと思う。それにしてもこの規模と人数には驚かされる。最初は地味だなあと思って見ていたが、被害者の話を聞いているうちに、こちらまで心を動かされた。そこから話に引き込まれていく。うまい構成だ。カソリック教会、日本だと創○学会や解○に喧嘩を売るようなものだろうか。記者たちのプレッシャーは想像を絶するものがある。いやいや、教会の方がまだ良心的かも。決して他人事ではない。彼らのようなジャーナリストは日本に存在するのか。やっぱり文春?ネットの普及によって、既存メディアには逆風が吹いている。しかしネット自体が新聞やテレビにかなり依存している。誠実さに心打たれる良作。
わいえすさん [映画館(字幕)] 10点(2017-01-12 01:39:08)
50.これこそ本来の新聞記者や弁護士の仕事という感じ。まったく地味だし、まさに「闇の中を歩き回る」ような不安な日々だろうし、場合によっては多くの敵を作ることにもなります。特に最終盤、マイケル・キートンの「俺たちはどうなんだ?」以降のやりとりにはシビれました。こういう真摯な姿勢から良質な記事は生まれるんだろうなという気がします。憶測やイデオロギーありきだったり、取材対象者の発言の意図を捻じ曲げたり、まして間違いを指摘されてもロクに訂正も反省もしないような新聞では、読者の信頼を失うだけですよね。どこのこととは言いませんが。
まったく余談ながら、スタンリー・トゥッチに髪の毛があることに驚き。ジェイソン・ステイサムに次ぐ「世界で2番目にカッコいいハゲ」と思っていたのですが。もともと生えてたんでしょうか、それともズラ? 全編にわたって地味な作品ですが、彼の初登場シーンには衝撃を受けました。
眉山さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-05-16 07:00:43)
49.ネタバレ オーソドックスな手法で真面目にしっかり作ったという印象の良作。「世紀のスクープ」というタイトルではあるものの、この映画が描いたスキャンダルは、「誰も知らなかった真実!」ではなく、実はボストンの人たちの多くが知っていて、でも言えないと思っていた事実。人々の日常生活の支えとなっている教会が舞台だったからこそ起きる隠蔽。1つ1つの事件ではなく、そのシステム、構造を暴かないと意味がないという編集長の言葉は、ジャーナリズムというものの役割を再発見させるものでした。そして、そのための記者たちの作戦とは、どこかに「真実」を暴く「驚きの大逆転」があるのではなく、1人1人の関係者の話を聞き、事件や関係者の数を数え、それを裏付ける文書を探し出し(その開示を裁判所に要求し)、そしてそれを裏付ける証言を得ること。どこまでも地道で気が遠くなるような作業ではあるものの、そのプロセスを飽きさせずに見せた点は、この作品の質の高さを示していると思います。ある事件があり、その全容を描こうとすること、そこから自分たちが生きる社会のあり方を問うこと。この作品が描いているのは、そういうシンプルなことであり、「宗教」や「教会」の闇というような表面的なことではなかったと思います。誰かがもの凄い演技を披露するわけでもなく(もちろん俳優の演技はどれも素晴らしいですが)、どこかに斬新な演出や画があるわけではないので、地味さは拭えませんが、これがオスカー作品賞(と脚本賞)を取ったというのは、個人的には十分に納得できるものでした。
ころりさんさん [映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2016-05-17 14:51:11)
48.ネタバレ 地味な展開ながらテンポよく進むストーリーにどんどん引き込まれる。わが国では理解しがたいキリスト教のお話。日本ならば、なまぐさ坊主がお縄になって三面記事で終わりそうな話だが、キリスト教が生活や信条に深く寄り添っているために事件が闇に飲まれタブーとなり蔓延させた。なんとも「信仰」というものは厄介ですな。
kaaazさん [映画館(字幕)] 9点(2016-04-23 20:08:13)
47.ネタバレ 真実で誠実とはこの事と胸を打たれました。
泣き寝入りしていた弱者、強者によって虐待は無かった話にさせられていました。
相手は教会、大きすぎて勝負を諦める人もありました。
悔しいけどもみ消されてしまいう事世の中には、まま有ります。
そこをどうにかしようと挑戦するって凄いと思いました。

この作品の素晴らしい所は、順をおって分かりやすくお話が進み、丁寧に粘り強く取材していく。
そして大げさに騒がず、記者たちは目的の為に感情をぐっとこらえて仕事している。
そこに好感が持てました。

フラッシュバックとか一切無かったところも記者たちに集中して観られたので良かった。
アカデミー賞という事で難しいかな?と不安でしたが、日本人には共感できる真面目さが素晴らしい。

マーク ラファロさんのぼくとつな記者の演技が心に残りました。
レイチェル マクアダムズさんの人の話しを真剣に聞く姿にも感動しました。
たんぽぽさん [映画館(字幕)] 9点(2016-04-17 21:52:42)
👍 1
46.ネタバレ センセーショナルなテーマですが、淡々と物語は進んでいきます。
ゆっきーさん [DVD(字幕)] 8点(2018-04-29 17:28:17)
45.カトリック教会を攻撃するような反カトリック作品では無くて、自らを戒めるような構成になっているのが興味深い。
自分は何故動かなかったのか、自分は間違った道を来たのではないか、真摯に悔いる姿勢に感銘を受けました。
もとやさん [DVD(吹替)] 8点(2018-01-30 17:01:06)
44.ネタバレ カトリック教会の神父による児童への性的虐待事件――。疑惑を摑んだボストングローブ紙の記者ロビーは独自に調査を開始する。事件に関わった弁護士、金銭的リスクを恐れてやむなく示談に応じた被害者たち、地道な活動を続ける被害者支援団体、多くの関係者に取材を重ねていくうちにやがて、とても信じられないような驚愕の事実が明らかとなってくる。児童への性的虐待を繰り返していた神父の数はボストンだけで約90人にものぼり、この教区を統括していた枢機卿も事実を把握していながら黙殺していたかもしれないのだ。「この件は必ず公にしなければならない。被害者のためにも…」。ロビーをはじめとするグローブ紙の4人の記者たちは、自らの生活を犠牲にして追及の手を深めていくのだったが…。強大な権力を有するカトリック教会内で明らかにされた一大スキャンダル。本作は、そんな忌まわしい事件の真相を決死の覚悟で追った記者たちの姿を実話を基にして描いた社会派ドラマだ。非常に地味な作品である。扱っている事件こそスキャンダラスではあるものの、ドラマの焦点はそこに絞られることなく、あくまでその後に起こった出来事をただ淡々と描写してゆくのみ。主人公をはじめとする記者たちにも特別な個性があるわけでもなく、魂を揺さぶるようなドラマティックな出来事が起こるわけでもない。ただひたすら地道に取材を重ね、隠された真実を明らかにしようという記者たちの姿がそこにあるだけだ。だが、これこそがより多くの人に伝えるべき本当の真実ではなかろうか。世の中には理不尽な出来事や人間の強欲や悪意が満ち溢れ、その陰で犠牲とならざるを得ない社会的弱者が大勢いる。でも、それだけではない。彼らのような人間もまた社会には――少数かもしれないが――存在するのだ。社会の片隅で誰にも気づかれず声にならない声で泣き続けている人々。そして見返りなど何も期待せず彼らを救おうとあらゆる手段を講じようとする人々。彼らの声に耳を澄ませることもまた映画の役割の一つだろう。なかなかの力作と言っていい。地味な作品ながら本作にアカデミー作品賞を与えたハリウッドもまだまだ捨てたもんじゃない。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 8点(2017-06-30 00:20:39)
👍 1
43.「カトリック教会神父の6%が子どもに性的いたずらをしている」という衝撃的な事実が作中で明らかになり、追求される。
その時点で、この映画が描く問題の本質は、一部の“糞神父”の存在を明らかにすることではなく、長い長い時間に渡ってそういった輩を生み出し続けてきた「教会」のシステムそのものの在り方であることを突きつけてくる。
問題の“根”はあまりにも深く蔓延り、果てしない。それ故に、「真実」の追求に果敢に挑んだ新聞記者たちの魂が、闇の中で輝いて見えた。

第88回アカデミー作品賞を掴み取った今作は、決して華美ではない地味な映画ではあったけれど、秋の夜長に腰を据えて観るに相応しい映画だった。
そして、他のどの作品よりも「強い」映画なのだろうと思えた。

この映画は、如何なる時も「真実」の追求には覚悟が必要だということ。そして、得られた「真実」にもまた別の側面があり、それを決して忘れてはならないということを、奮闘する新聞記者たちの様を通じて伝えている。
ある意味での「大帝国」であった「バチカン」の盤石を揺るがしたのが、地方紙のたった数人の記者たちだったということは、世界中に衝撃と勇気を与えたことだろう。
「ペンは剣よりも強し」という格言をこれ程までに事実として表した出来事も無かったのではないか。

新聞記者たちの功績は、勿論賞賛に値する。彼らの姿勢こそ、今世界中のメディアが見失っている「伝える者」としての在り方だと思う。
「情報」が、消費社会における思考停止の権化になり下げってしまっている現代社会の危うさは極まっている。
「伝える者」と「伝えられる者」の在り方を、真剣に見直さなければ、世界中の混沌は益々歯止めがかからなくなるだろう。

今作でも垣間見えるように、「真実」には、あらゆる意味で危険がつきまとう。
しかし、その危険を回避するばかりで、安直で軽薄な情報ばかりが蔓延し、あたかもそれらが「真実」であるかのごとく消費し、垂れ流すこの社会は、危険そのものだ。

「教会神父の6%が小児性愛者である」という事実は、限りなく真実に近いのかもしれない。
しかし、それまで無知だった人間が、この映画を観たからと言って、それをそのまま鵜呑みにすることも、それはまたあまりにも危険で、愚かなことだと思う。
重要なことは、ある情報を伝えられ、それが正しいのか間違っているのか、伝えられた側の一人ひとりが真剣に考え、更なる情報を追求していく姿勢だと思う。

この映画の「強さ」は、まさにその姿勢を貫くために必要なものだ。
そしてそれは、情報と消費の大波にただただ流されている我々一人一人に必要なものだと思う。

キレるマーク・ラファロが、いつ例の緑の男に変貌しないかと戦々恐々としつつ、そういうことを噛み締めた。
鉄腕麗人さん [DVD(字幕)] 8点(2016-10-09 00:15:12)
42.アカデミー作品賞、受賞作! 噂を聞き鑑賞..実話を基にした作品、アメリカの新聞社を舞台に、聖域とされてきたカトリック教会の闇に踏み込み、隠蔽され続けてきたスキャンダルを暴こうとする、ジャーナリストたちの物語..まず、役者陣の迫真の演技に 拍手!です、すばらしい~ 画面からにじみ出てくる、緊張感、切迫感、苦悩が、ひしひしと伝わってきます..新聞に記事を載せるということの、大変さ、覚悟、が、とても詳しく丁寧に描かれています(秀逸!)..新聞発売日の朝、事務所の電話が鳴り続けます..うんうん、そうなるよね、と思いながら観てるいと、その電話の内容を耳にした瞬間、、全身、鳥肌が立つような感覚に.. そうきたか! と、唸りましたね~ 間違いなく、良作です! ジャーナリストもの、実話もの、が好きな方、オススメ!!
コナンが一番さん [DVD(字幕)] 8点(2016-10-06 22:59:36)
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41.ネタバレ ○地道な取材から徐々に明らかになってくる事件の大きさ。これだけの事件を暴いたのに、最初のタイミングを逃したのがロビーだったのもつらいところ。○各登場人物に満遍なく見せ場があり、良いバランスであった。○そして各演者のすばらしさ。特にマーク・ラファロ。ここ数年話題作への出演が続いているが、これからも名優への道を着実に歩んでほしい。
TOSHIさん [映画館(字幕)] 8点(2016-05-11 20:25:34)
40.見応えがあって面白かったけど、こういう社会派の映画は抑えた演出の方がアカデミー会員には受けるのかね?とか思ってしまった
センブリーヌさん [インターネット(字幕)] 7点(2023-05-08 03:29:06)
39.ネタバレ 実話のため、盛り上がりシーンはなく、淡々とストーリーが進んでいきます。
抵抗勢力があっても黙秘や書類の隠匿 程度のため、余計に盛り上がりに欠けます。
自分に信仰心がないもので、途中の教会に対する思いみたいなところは全く感情移入できず

公表して終了なら6点でしたが、ラストのロビーとの弁護士とのやり取り
その後の会議室でのロビーの葛藤 局長の男前なセリフで感動2割増しでした。
実際、ボストンという古く、教会信者が多い街で教会に対して、地方新聞が牙を向けるのは凄いことだと思います。
メメント66さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-10 18:02:09)
38.硬派な作りで、特に大きな見せ場はないけど、緊張感がずっと続く。それにしても異常な事態だな。
nojiさん [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-10 15:10:48)
37.実話というから恐ろしい。
誰かが本気になれないと暴けない。
誰かが執念を燃やさなければたどり着けない答え。
難解なタブーに挑むスポットライトチームに力強さを感じました。
社会の不祥事・隠蔽を明るみにするには報道の大切さを痛感。
mighty guardさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-06-11 00:01:11)
36.ネタバレ アカデミー会員が好きそうなごりごりに硬派な社会派映画でした。「映画」の文法に期待されるカタルシスとか、情感盛り上がり場面とかが無い、クソ真面目な作品です。
”神父による子供への性的虐待”、この文言のおぞましさはカソリックを信仰して生きるアメリカ人には我々の何倍も衝撃を伴うものなのでしょう。それこそ社会全体を根底から揺るがすほどに、信仰心とは根が深い。故に記者達への妨害も、教会はもとより、波風を立てたくない地元の名士らによる横やりの方がたちが悪いのです。
いろんな障害を乗り越えて世間に巨悪を暴いたBoston Globe紙の勇気に対しての、アカデミー賞授与というふうに感じました。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-01-25 00:24:28)
👍 2
35.地味。淡々としていて盛り上がりに欠ける。そういった演出の象徴でもあるようなリーヴ・シュレイバー演じる編集局長にはこの事件にこだわる理由、過去があるんだろうと思っていた。しかしこの映画はそうは来ない。闘争心を掻き立てるような悪役もいない。あえて盛り上げるための味付けは控えたという感じ。そこでスポットが当たるのはこのチームの原動力。正義感と使命感、言うなればジャーナリスト魂。これはアメリカに限らず現在奮闘している世界中の記者を励ますものだろう。なんだかんだで佳作、秀作の部類に入るか。
リーム555さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-03-25 19:50:07)
34.ネタバレ 実話ベースだけあって緊迫感が伝わってきて、細部も丁寧に作られている印象。信仰がある人からすれば相当衝撃的な事件だったでしょう。本当は自分が被害者だったかもしれない、だれもがそう思ってしまうことに根深さがある。1番怖いのは、何度も手掛かりがあったのに暴けなかった、暴こうとしなかった、恐れ多くてできなかったことだ。事件を追い求めていた記者自身が過去の日常の中でそれに加担していたというのはやるせない。まあ、無神論者の人間からすれば、ただの変態神父集団、いや犯罪神父集団です。ただただ胸糞悪い。枢機卿も追い詰めて欲しかった。
ラグさん [DVD(字幕)] 7点(2016-12-17 15:29:49)
👍 1
33.ネタバレ カトリック教会の性的スキャンダルというタブーと言える領域に切り込んだ、
ジャーナリストと事件の関係者達の姿を描いた、実話をベースにした作品。
地味に冷静に彼らの姿を追いながらも見応え十分、久々に硬派な社会派ドラマを見たという思いです。
次から次に神父や弁護士などの関係者の名前が出てくるのですが、
ボストンの新聞社の精鋭チームが丁寧に緻密に地味な作業を進めていくかのごとく、
緊張感を常に保ちながら、実に丁寧に緻密にストーリーが展開していく。
作品は当然ジャーナリストの側に立ちながらも、その過程の中でジャーナリストとしてのあり方にまで言及していく。
トム・マッカーシーは本作の前の2作はコメディを発表してきましたが、
その前の「扉をたたく人」や本作のように社会派の作品でも今後、期待したい人です。
とらやさん [DVD(字幕)] 7点(2016-12-11 16:07:04)
32.ネタバレ “生臭坊主”や“坊主丸儲け”という言葉の浸透が示す通り、日本人は宗教関係者に対する敬意をほとんど持っておらず、それどころか宗教家とか教師のような徳の高い職業においてこそモラルの崩壊が深刻であるということが日本人の肌感覚であるため、「なんと聖職者が性犯罪の常習者だったんですよ!」というスキャンダルには大した驚きがなく、社会派ドラマとしてはややパンチ不足に感じられました。
ただし、問題は教会に留まらず社会全体が無意識のうちにこれを許容していたという事実が示される後半の展開には意外性と普遍性があり、このパートには引き込まれました。”神父個人の性犯罪→カトリック教会全体で神父の罪を隠蔽していた→教会と法曹界が癒着関係にあり、尽く示談で終わらせることで事件化を防いでいた”と、取材を重ねれば重ねるほど問題の根深さが明らかになっていきます。そして、その過程では「かつて新聞社にネタを持ち込んだが相手にされなかった」という証言が相次ぎ、新聞社内部にも教会と内通して隠蔽に加担した者がいたのではないかという謎解きが始まるのですが、その結末は意外なものでした。
ネタが持ち込まれた先とはスポットライトチームを率いているウォルターその人であり、当時のウォルターは悪意なくネタを葬っていたことが判明するのです。これこそが本件の闇の正体であり、「神父は徳の高い人だ」という思い込みや、枢機卿という街の有力者に対する遠慮、ボストンというコミュニティ内の馴れ合いの中で街全体が問題を見て見ぬふりしていたのです。事件性に対して敏感であるはずのジャーナリストすらその例外ではなく、ウォルターも無自覚のうちに罪の隠蔽に加担していました。このオチは衝撃的だったと同時に、日本人にも大いに当てはまる問題であり、この点で作品のテーマをわが事として捉えることができました。
ザ・チャンバラさん [DVD(吹替)] 7点(2016-10-25 15:24:07)
👍 1
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 51人
平均点数 6.76点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
411.96%
5611.76%
61427.45%
71937.25%
8611.76%
947.84%
1011.96%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 6.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review2人
4 音楽評価 6.00点 Review1人
5 感泣評価 6.00点 Review1人

【アカデミー賞 情報】

2015年 88回
作品賞 受賞 
助演男優賞マーク・ラファロ候補(ノミネート) 
助演女優賞レイチェル・マクアダムス候補(ノミネート) 
監督賞トーマス・マッカーシー候補(ノミネート) 
脚本賞ジョシュ・シンガー受賞 
脚本賞トーマス・マッカーシー受賞 
編集賞トム・マカードル候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2015年 73回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
監督賞トーマス・マッカーシー候補(ノミネート) 
脚本賞トーマス・マッカーシー候補(ノミネート) 
脚本賞ジョシュ・シンガー候補(ノミネート) 

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