映画『悪い奴ほどよく眠る』の口コミ・レビュー

悪い奴ほどよく眠る

[ワルイヤツホドヨクネムル]
The Bad Sleep Well
1960年上映時間:150分
平均点:7.32 / 10(Review 72人) (点数分布表示)
公開開始日(1960-09-15)
ドラマサスペンスモノクロ映画犯罪もの
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2025-02-20)【Olias】さん
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監督黒澤明
助監督森谷司郎
坂野義光
西村潔
松江陽一
キャスト三船敏郎(男優)西幸一
森雅之(男優)岩淵
香川京子(女優)西佳子
三橋達也(男優)岩淵辰雄
加藤武(男優)板倉
西村晃(男優)白山
志村喬(男優)守山
藤原釜足(男優)和田
宮口精二(男優)岡倉
菅井きん(女優)和田友子
佐田豊(男優)接待係
中村伸郎(男優)建設会社顧問弁護士
賀原夏子(女優)古谷の妻
清水元(男優)三浦
土屋嘉男(男優)事務官
山茶花究(男優)金子
沢村いき雄(男優)運転手
田中邦衛(男優)殺し屋
南原宏治(男優)堀内
三井弘次(男優)新聞記者
田島義文(男優)新聞記者
藤田進(男優)刑事
笠智衆(男優)野中
松本染升(男優)波多野
三津田健(男優)有村
一の宮あつ子(女優)有村の妻
児玉清(男優)新聞記者
脚本黒澤明
橋本忍
小国英雄
菊島隆三
久板栄二郎
音楽佐藤勝
撮影逢沢譲
木村大作(撮影助手)
斎藤孝雄(撮影助手)
製作黒澤明
田中友幸
東宝
配給東宝
特撮東宝技術部(特殊技術)
美術村木与四郎
録音矢野口文雄
下永尚
その他キヌタ・ラボラトリー(現像)
あらすじ
西幸一は住宅公団の副総裁岩淵の秘書である。西は岩淵の娘佳子と結婚する。この披露宴のさなか、岩淵の過去の汚職とその隠蔽工作を仄めかす不吉な出来事が起きる。折りしも公団と建設会社の癒着に関して岩淵の部下和田が検察の取調べを受ける。和田は岩淵たち上司を守るために自殺を決意するが意外な人物に救われる。この人物には岩淵を破滅させようとする策略があるのだったが…。
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💬口コミ一覧

72.「悪い奴ほどよく眠る」といい題名と脚本が凄い。
ハムレット的復讐劇を社会派サスペンスドラマとして魅せる
計算されつくした脚本と演出にうなった。本当に悪い奴は、顔すらださない。
サラウンダーさん 10点(2004-01-11 00:56:16)
71.悪人が骨の隋まで悪人ではなく、家庭に戻ればどこにでもいる普通の父親である、というのがなんとも感慨深い。
のほほん息子さん 10点(2003-10-31 04:28:27)
70.すばらしく最高に後味が悪く大傑作です。このようなラストであまりにあっけない死があるからこそ、映画がよりいそうリアリティが出て尚且つ痛烈な社会風刺となり心に響きます。
亜流派 十五郎さん 10点(2003-06-19 21:40:47)
69.黒澤の最高傑作はこれだと思います。何度かの転回がある筋の運び、三船の現代人としても真似してみたいサラリーマンとしてのカッコよさ、予想外なやるせない結末。それから、黒澤映画はみんなそうですが、脇役たちの鬼気迫る演技力。下っぱたちが精神的に追いつめられて狂気へ至る迫真の演技もみものです。西の正体がばれるシーンはぞくぞくします。
エンボさん 10点(2003-05-04 03:08:55)
68.三船敏郎のつらそうな顔を見れる唯一の映画ではないかと思います。ホントに彼はこの映画で可哀想な死に方をします
セクシーさん 10点(2003-02-11 02:18:43)
67.ネタバレ 「悪を憎むのは難しいよ。憎しみをかき立てて、俺自身悪にならなきゃできない」。今も、いや永遠に無くならないであろうテーマを直球勝負。んでもって切ない。サスペンスや夫婦の悲哀も相俟って、「世界のクロサワここにあり」です。完璧に近いんだけど希望がなさすぎなのでマイナス1点。
すたーちゃいるどさん [DVD(邦画)] 9点(2011-04-23 18:51:56)
66.「汚職」という一見硬いテーマを、「復讐劇」というサスペンス仕立てにすることによって娯楽性豊かに描く大作。多少強引な設定や展開はあるものの、序盤から見る者を引きずり込む演出の力強さがある。汚職にからむ腹黒い幹部も家庭では良き父親という人間の二面性をうまく映し出している。意外なラストがこの犯罪への憎しみを増幅させる。
きーとんさん [ビデオ(邦画)] 9点(2010-09-05 15:53:38)
65.ネタバレ 志村喬が三船の手がかりを掴むきっかけとなった父親の葬式での写真のとてもつもなくわかり易い顔。あれはギャグなんでしょうか?・・。/本作はとにかく悪への憤りがすごく伝わってきます。監督は公務員に恨みでもあるのか「生きる」でもしつこくなされる小役人根性批判も気合入ってます。まさに「これでいいのかー!」です。検察や警察はほとんど絶対善みたいですが、こんな映画があって、何十年も経って、もう実際何人あんなふうに自殺(他殺?)してるかわからないくらいなのに何も変わってない(何も!。そうでしょ?。ニュースになってる事件を見ても。)ので捜査機関すら疑いたくなるのですが・・警察の方すいません。どうか悪い奴を眠らせないようがんばってください。恥ずかしげもなく正義ヅラした自己陶酔レビューしてますが、私はこういった超単純な正義感好きです。主人公のように自ら悪となって身を捨てる覚悟の復讐じゃないと人間悪には立ち向かわないかもしれませんが、せめて自分の身を犠牲にしてまで悪をかばう人に翻意を促すのが監督の意図ではないでしょうか?。最近のいろんな汚職や企業事件なんかは内部告発から明るみに出るのがほとんどだそうで、他人事じゃない人結構いるんじゃないですか?。自分がやってることはおかしい、ウチの組織はおかしいって思ってる人。疑問をもつ方が青い未熟者なんでしょうか?。この映画をもっとたくさんの人が観れば世の中変えるパワーがあるかも?っていうのは夢想でしょうか?。そんなふうに思えば、救いがない後味悪い内容でも夢があります。
しったか偽善者さん 9点(2004-07-21 22:04:54)
👍 1
64.黒澤映画の中でもこのタイトルのセンスはバツグンでしょう。内容的には無理があるって突っ込まれそうだけど、良いたいことはいたいほど伝わった。
ボーリックさん 9点(2004-02-07 01:47:47)
63.「これでいいのかー!」っていう最後のセリフに心底共感した。このやるせない気持ち、確かに受け取ったよ。悪魔のような森雅之もいいなー。
たましろさん 9点(2003-09-26 23:22:58)
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62.ネタバレ エンタメとして良く出来ている
前半は西が汚職当事者をじわじわ追い詰めていく緊迫感、後半は西の正体がばれ立場が逆転ハラハラする緊張感
黒澤が描く時代劇のようなスカッとする勧善懲悪ではなく、主人公は目的を達成するためにダークサイドにも手を染めていく
ラストの終わり方は、現代社会の闇に対するメッセージが感じられる
とれびやんさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2025-03-30 18:45:39)
61.何十年ぶりかの再鑑賞。前はラストシーンしか頭に残っていなかったが、改めて見ると、やはり凄い映画だった。ただ、主人公の身元がばれてからは、テンポが少し冗長になったような気がして、残念。豪華な役者陣(誰かなこのカッコイイ検事と思ったら、悪代官の南原宏治さんだったり、さりげなく顔だけ出演で児玉清さんでてたり)も見どころ多し。
代書屋さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-06-23 16:13:51)
60.ネタバレ いやあ、久しぶりに黒澤映画を観て、根幹的な映画づくりの巧さに冒頭から感嘆した。
オープニング、本作の登場人物が一堂に会する結婚披露宴のシーンが先ず白眉だ。
贈収賄が疑われる土地開発公団組織内の人間関係やパワーバランス、主要登場人物一人ひとりのキャラクター性が、披露宴が進行する中で実に分かりやすく映し出される。それと同時に、過去の事件のあらましや、渦中の人間たちの不安や焦燥感も如実に表されており、実にすんなりと映画世界内の“状況”を理解できる。
そこには当然ながら、世界の巨匠・黒澤明の卓越した映画術が張り巡らされていて、俳優一人ひとりへの演出、ドラマチックかつ効率よく映し出される画面構図など、素人目にも「ああ、上手い」と感じ取れる映画表現が見事だった。

1960年公開の作品であることをあまり意識せず観始めたので、キャスティングされている錚々たる名優たちが、これまでの鑑賞作のイメージと比べて随分若かったことも新鮮だった。
西村晃、志村喬、笠智衆ら、“老優”の印象が強い俳優たちが、まだそれぞれ若々しくエネルギッシュな演技を見せてくれる。

中でも印象的だったのはやはり西村晃の怪演だろう。晩年こそ水戸黄門役などで好好爺のイメージも強いが、若い頃の西村晃はクセの強い悪役が多く、本作でも次第に精神を病んでいく気の弱い中間管理職の男をあの独特な顔つきで演じきっていた。
また志村喬が悪役を演じている映画も初めて観たのでとてもフレッシュだった。

そしてもちろん、主演の三船敏郎のスター俳優としての存在感も言わずもがな。
恨みを秘め、復讐劇を果たそうとする主人公を熱演している。冷徹な復讐者の仮面を被りつつも、元来の人間性が顔を出し苦悩するさまが印象的だった。

60年以上前の古い映画でありながら、150分間興味をそぐことなく観客を引き込むサスペンスフルな娯楽性が凄い。
ストーリーの顛末に対する情報をまったく知らなかったので、ラストの展開には驚いたし、釈然としない思いも一寸生じたけれど、この映画においてあれ以上に相応しいラストも無いと思える。

森雅之演じる公団副総裁は、物語の佳境で自分の娘すらも騙して保身のための悪意と悪行を貫く。そしてその自分自身の様が映る鏡を見て、思わず目を伏せ、脂汗を拭う。
本作は勧善懲悪の分かりやすいカタルシスを与えてくれずに、痛烈なバッドエンドをもたらす。
現実社会の陰謀や巨悪がそうであるように、本当の悪人に対しては裁きも無ければ、贖罪や処罰の機会すら与えられない。
只々、罪を抱えて孤独に生き続け、そして一人眠るのだ。

まさに、“悪い奴ほどよく眠る”を雄弁に物語るラストシーンの皮肉が痛烈。
60年の歳月を経ても、その社会の仕組みに大差はない。
どの時代も、悪意は、よく眠り、よく育つ。
鉄腕麗人さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-02-03 00:41:15)
59.痛烈な批判をこめられた作品だった。
ホットチョコレートさん [DVD(字幕)] 8点(2019-08-29 06:15:10)
58.ネタバレ 本当に「悪い奴」は、電話の向こうで高いびき

冒頭の結婚式の場面。
華やかな場面の裏で、マスコミの陰口が交錯するシーン。表と裏、光と影。
花婿を脅しにかかる兄貴も面白い。照れ隠しだね。
謎のウエディングケーキ。ここから「復讐者」と「悪い奴ら」の戦いが始まる。
それで結婚式が終わった直後に次々と起こる汚職事件の顛末。
新聞紙の山、警察に引っ張られる役人たち、ある者はおとなしく捕まり、ある者は車にと・・・凄いな。
だがこの中に「復讐者」はいない。
意外な人物がソイツだったとはビックリ(まああの貫禄じゃあ「ああコイツだな」と思うけど。予告編なんか余裕でネタバレだよw)
この映画は「復讐者」が誰か解らない所から始まるから面白いのに。
家庭では温厚な父親も、裏では悪事を引き受ける実行人だ。
互いの思い遣りが仇になっていく・・・残酷なもんだ。
ラストシーンは最高にバットエンドだが、何故だか納得してしまう。
やりきってるからな。
すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-14 21:30:09)
57.ネタバレ 高度成長期が始まった当時の日本において、市場原理主義から起こる社会の矛盾、事件を黒澤監督は危惧されていたのだろうと思える作品。
重厚なストーリー作りといいますか事件作りといいますか。
役者は佳子役の香川京子さんが素晴らしいですね。汚い意図が交錯した社会を描く作品の中で唯一の清純さを身を以て演じていると言いますかこんなにも清純無垢な役柄を演じられる人は少ないんではないかと思います。
三船敏郎さんについては、正直この作品の中ではあまり発揮しているようには思えません。むしろ三橋達也さんと役柄をチェンジした方が良かったのではないかと思えます。森雅之さんは完全に異なる人格にすっぽりとはまっていて名優ですね。
最後の電話でぺこぺこは黒澤の軽蔑が含まれているような気がしてなりません。
ところであのビルを模したケーキは食べられるんでしょうか。おいしそう。
大経師さん [DVD(邦画)] 8点(2014-09-13 17:36:11)
56.ネタバレ 何度か観たが、ラストを知っていても楽しめる。この時代の映画はハッピーエンドありきと勝手に思っていたからこのラストは衝撃だった。いろいろ突っ込める部分はある、まあ、そんなのをおいておいても本体はよかった。しかし、本当のラスト岩淵の上の奴らはなにもダメージ受けないのかとおもうとやりきれないね。
minさん [DVD(邦画)] 8点(2013-06-16 22:25:16)
55.冗長過ぎるきらいがあるし、首をかしげる所も無いでもないが、ラストの衝撃で全て吹き飛んだ。想像ほどのスケールは無かったが、重厚な出演陣の熱演もあり、なかなかいい映画だった。観て損無し、お勧め。
はあさん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-01-06 23:45:29)
54.三船演じる西が仕掛ける復讐の物語。「幽霊」を使ったりしてなかなかしゃれてる。ただの復讐劇ではなく、西にも迷いや後悔があり見応えは十分。森雅之さんはどこで出てくるんだ?と思ったら、岩淵役が森さんか・・・ 49歳であれは凄いな~。
リーム555さん [DVD(邦画)] 8点(2010-09-27 16:20:05)
53.ネタバレ  テーマは現実的な社会問題だがストーリーや演出が非現実的な展開という、あらすじを説明すると見たいとは思わなくなるかもしれず、平凡な監督が平凡な脚本で作るとメチャクチャ駄作になりそうなのに、この見応えはさすが世界のクロサワとしか言いようがない。

 2時間半の長尺も、最初のシーンでぐっと引き込み、途中の無理やり説明調シーンもダレる一歩手前で展開を変え、コミカルなテイストも織り交ぜつつ最後まで一気に見せてしまう。

 他の同時代のクロサワ映画に比べると一歩劣るかもしれないが、それでもこのレベルの高さは驚き。50年前の映画で歴史的な価値があるという観点を一切排除しても、これはA級作品です。
nobo7さん [DVD(邦画)] 8点(2010-07-01 01:47:20)
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 72人
平均点数 7.32点
000.00%
100.00%
200.00%
311.39%
434.17%
522.78%
61216.67%
71723.61%
82737.50%
956.94%
1056.94%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.33点 Review6人
2 ストーリー評価 7.77点 Review9人
3 鑑賞後の後味 5.90点 Review10人
4 音楽評価 7.14点 Review7人
5 感泣評価 6.60点 Review5人

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