映画『チョコレート(2001)』の口コミ・レビュー

チョコレート(2001)

[チョコレート]
Monster's Ball
2001年カナダ上映時間:111分
平均点:6.33 / 10(Review 178人) (点数分布表示)
公開開始日(2002-07-20)
ドラマロマンス
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2025-02-20)【イニシャルK】さん
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監督マーク・フォースター
キャストビリー・ボブ・ソーントン(男優)ハンク・グロトウスキ
ハル・ベリー(女優)レティシア・マスグローヴ
ピーター・ボイル〔男優〕(男優)バック・グロトウスキ
ヒース・レジャー(男優)ソニー・グロトウスキ
モス・デフ(男優)ライラス・クーパー
ミロ・アディカ(男優)トミー
ジェームズ・ヘヴン〔男優〕(男優)病院の守衛
マーカス・ライル・ブラウン(男優)
磯部勉ハンク・グロトウスキ(日本語吹き替え版)
安藤麻吹レティシア・マスグローヴ(日本語吹き替え版)
大塚周夫バック・グロトウスキ(日本語吹き替え版)
平田広明ソニー・グロトウスキ(日本語吹き替え版)
亀井芳子タイレル・マスグローヴ(日本語吹き替え版)
諸角憲一(日本語吹き替え版)
脚本ミロ・アディカ
挿入曲ボブ・ディラン"License to Kill"
撮影ロベルト・シェイファー
製作ライオンズ・ゲート・フィルムズ
ミロ・アディカ(共同製作)
エリック・コペロフ(共同製作 / ライン・プロデューサー)
リー・ダニエルズ[監督]
製作総指揮マイケル・パセオネック
配給ギャガ・コミュニケーションズ
編集マット・チェシー
字幕翻訳松浦美奈
あらすじ
息子を自殺に追い込んでしまったショックから、孤独な思いを知ってしまった白人男性と、刑務所に服役中だった夫を死刑で亡くしてしまって同じく心に喪失感を持ってしまった黒人女性が出会って、お互いに人生を取り戻そうとするラヴ・ストーリーで、出会いは、レティシア(H・ベリー)が勤めるレストランで、ハンク(B・B・ソーントン)がチョコレート・アイスクリームを注文 したところから始まって・・・
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💬口コミ一覧

178.「愛してるから~」という台詞は用途が広いが、遣い方は難しい。誰もが「自分は愛されているのか」と不安になることがあると思うのだが、そんな時でさえ、「愛してるよ」と言われても、満たされないこともある。かえって、疑念や孤独感が大きくなることさえある。それを体験した人の中には、惰性のままに生きていけたらいいと思う人もいるのではないだろうか。この作品の登場人物たちは、まさしく、惰性で生きている。愛を受けたり与えたりした瞬間もあったのだろうが、それを思い出せば辛くなるだけだ。それを思い出せば、惰性で生きてはこれなかったのだ。それぞれに息子を失った二人は、喪失感によって息子への愛情を再認識したかというと、そうではないと思う。愛せなかった自分を認識しただけだ。そんな二人が結びつく。二人の間で、「愛してる」という言葉が交わされるようになった時、二人の結びつきは壊れているだろう。それでも、二人は生きていけると思う。チョコレートをほおばるような瞬間さえあれば、二人は生きていけるのだ。自分が今手にしている愛は、偽者かもしれないと怯えている人は、その不確かさを確認する必要もないし、わざわざ捨てることも無い。愛されていない人は、生きる意味を考える必要も無い。「愛」を重要視しなくていいのだ。この作品は、尊いとされている「愛」を、チョコレートという代用品で補ってしまうことをヨシとしている。人間に対して、とっても優しい作品だと思う。
日雀さん 10点(2004-06-20 09:55:00)
177.出来すぎた偶然と見るか、究極のリアリズムと捉えるか、いずれにしても現代のアメリカが心の底から飢えている癒しがこれなのだろう。不幸は振り重なるものだし、孤独な魂は惹かれ合うもの。「アフリクション」がダイレクトに攻め込み過ぎて今ひとつ余韻を残せなかったACの苦悩と再生への過程が、黒人としてのハリー・ベリーを抱え込んだことで物語に新しい世代に与えられた選択肢の広がりという奥行きと広がりを見せた。ここに描かれるのは二世代に跨る二組の父と息子、その支配の連鎖と一つの時代の終わりである。アメリカ社会最大のタブーと言われた異人種間セックスを扱った問題作「ジャングル・フィーバー」で脚光を浴びたハリー・ベリーがここではその当事者として登場しているのも興味深い。人種を超え、肉親のしがらみを断ち切って剥き出しの魂のみで生きて行くことを決意するビリー・ボブ・ソーントンの姿は、決して声高に叫ばれることのないこの物語の最大のテーマを余すことなく語っている。彼の孤独、彼の絶望、彼の惨めな人生は貧しい黒人の寡婦に跪き愛を乞わせる。聖女レティシアは受け取り手のなくなった溢れ出る愛情を彼に与える機会を得、非現実的な絶望感の中で二人はそれぞれにとって必要としている「愛の代用品」を見つけるのである。黒人で初めてのオスカー主演女優賞に加え、ここまで激しいファックシーンでオスカーを手にしたのも彼女が初めてではないかと思われるが、ここはひとつ最後まで涙を流す素振りさえ許されなかったビリー・ボブ・ソーントンの抑えの演技に手放しの拍手を贈りたい。関係ないけどヒース・レジャーってグレン・クローズの息子じゃないかと本気で思うほど似てますね。ホントに何の関係もないんですか?
anemoneさん 10点(2004-03-20 03:19:02)
👍 1
176.観終わった後に思わず「深いねえ~」とうなっらずにはいられなかった。物凄く濃厚で潔いラブ・ストーリーだ。そろそろもう一度見たいところです。ハル・ベリーも良かったけど、賞賛すべきはビリー・ボブ・ソーントンだと確信する。見事だった。
スマイル・ペコさん 10点(2003-05-24 19:03:32)
175.黒人女性レティシアは死刑囚の夫ローレンスを失い、その悲しみも癒えぬ間に息子タイレルを事故で失うことになる。その事故の現場に通りかかり、彼女の助けになってゆくのが、皮肉にも彼女の夫の刑の立会人で看守のハンクであった。ハンクは差別主義者の元看守の父と、やはり同刑務所で働くソニーと共に暮らしていた。が、ローレンスの刑の当日、ミスを犯した息子と口論になる。ハンクの容赦ない叱責に、ソニーは「父さんは俺が憎いだろう?でも俺は父さんを愛してた」と自分に向け引き金を引いた。人生のすべてを他人の手により消去されたレティシアと、自らの過ちにより大切なものを失ったハンク。黒人女性と白人男性。すべてが正反対の二人は、この不幸な出来事さえなければ惹かれあう事の無かった二人は、悲しみのなか出会うことになる。お互いがお互いの存在を知らぬまま、お互いの人生の最悪の時のなかで・・・。新鋭監督マーク・フォスターは、観客にある一定の距離をつくり、このサディスティックな愛の物語を撮りあげている。観客に涙させるのでなく、冷静に運命の結末を見守らせ、あえてレティシアを孤高の女性に仕立て上げた。だからこそ、運命の残酷さより、彼女の孤独感に感情が震え、失う痛みより、手にする痛みに不安感を抱かせることに成功したのであろう。そして注目すべきは、レティシアに命を与えたハル・ベリーの全身をかけた演技。息子タイレルを失い泣き崩れる彼女の演技には、身体中を電撃ににた衝撃を受けるにとに違いない。これは失う以上の痛みを伴う愛の物語。レティシアが最後に手にするのは果たして幸せなのだろうか?彼女自身は答えを見つけた。あなたはどんな答えを見つけるのであろう。
L.b.さん 10点(2002-11-09 23:30:20)
174.ネタバレ 運命というのは皮肉なものです。ハル・ベリーはもちろんの事、競演のビリー、そしてヒースの演技力も素晴らしい。お互いに深い悲しみと大切な人を失った喪失感を共有する二人は激しく体を求め合うようになるが、そこには肌の色なんて関係ない。衝撃のラスト。真実を知ったハルのビリーに対し憎しみから愛情に変わる表情。このわずかな5分で、彼女はアカデミー賞を獲得したのだと確信した。登場人物それぞれに感情移入してしまい、観ていてとても辛かった。海外映画って、不必要にヌードになるシーンが多いと思うけど、この役のハル・ベリーのヌードは必要だったと思う。アタシ、こういう映画の始まり方に弱いんだよなぁ。
アンナさん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-10-16 16:08:02)
👍 1
173.ネタバレ 静かに進むストーリーだけど内容はキツイ。七転び八起きの人生。ハル・ベリーとのセックスシーンは衝撃的(ほんとにやってるかのよう)。ハル・ベリーやっぱ綺麗だ。
最後、苦しんだけど受け入れた彼女。とてもいい映画でした。
さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-07-09 17:17:22)
172.ネタバレ これはね、決してテーマは、ラブストーリーでも人種差別でも死刑制度でもないと思うんです。そういう頭で観てしまうと、いろいろ文句のつけどころがいっぱいあるような気がします、確かに。だからこんなに評価が割れるんでしょう。“たかが愛の代用品”って最近じゃ珍しく、見事なコピーだと思いましたよ、観終わって。配給元に、そうはいってもちゃんと映画を観れてる人がいるんだな、って。つまりそういう映画なんですよ。失いたくないのに不意に失ってしまうもの。失ってしまってはじめて気付く絶対的な喪失感。失ってからようやく、それを本当に本当に愛おしいと思っていたのかどうかの疑念に苛まれる罪悪感。死刑になった夫。目の前で自殺した、同じひとりの娼婦を呼んでいた気弱な息子。目の前で事故で死んだ、愛情の欠落を埋めるようにチョコバーを隠れてむさぼる息子。愛した妻で息子の母親である女性を蔑む独善的な差別主義の父親。愛したかったのに全身で愛しきらなかった愛おしい人々。喪失感、ってもしかしたら、もともと持っていないのにずっと持ってるって勘違いしていたものを、自分が本当は持っていないんだって事実に気付かされた時に感じる感情なんだろう、そう思いました。でも、それでも、絶望的な事実に気付いてしまった後でなお、もし、そばにいてくれる同じ喪失感を抱えた人が一匙の甘くて冷たいチョコレートアイスを無邪気に差し出してくれたら。にっこり笑って、いや、なんとか笑顔を作って、差し出してくれた優しさにそうっと寄り添うようにスプーンの上の生温く解けた甘いものを受け止めるんでしょうか。もしそれを受け止めてくれたら、無邪気な喪失感を抱えた哀れな男は、もう一度、ゆっくりと、生きていくことにむかっていく、なんだか勇気に似たものを自分のなかに持てるのかもしれません。男って常にバカ。女の人って常に現実的。何一つわかりません。でも。その瞬間に二人に通う優しい想いと、馬鹿みたいに綺麗な星空はきっと、その瞬間だけの真実なんです。きっとこの二人はうまく行かないんです。この先は。そんなの関係ないんです。訪れる優しい瞬間の素晴らしさ。生きてる意味の向こう側で輝くなにかをなんとか閉じ込めようとして、半ば成功していると思うんです。すごく好きです。そして痛々しい。あんなに興奮しないベッドシーンって。あんなに美しい人が演じてるのに。だから素晴らしいんでしょう。
amさん 9点(2004-04-14 03:02:46)
👍 3
171.パソコンがこわれかけていた(自力で必死にリカバリしたら何とか復活しました!)ので、再開1作品目のレビューです。まず言いたいのは、ここまでひどい邦題は見たことがないということ。許しがたい。配給会社は観客を見くびりすぎているのでは? 題名に神経を遣っているはずの監督や製作者、製作会社を冒涜していると思う。いつまでこんなことが続くのか。本当に腹立たしい思いです。映画の持っている個性とメッセージに共感したからこそ、その思いが強いのかもしれません。雰囲気はまるでアジア映画のようだと感じました。騒々しくないアメリカ映画もあるということ、またいわゆる大作ではないこういう映画にスポットを当てようというアカデミー賞選考委員も少なくないということに、とても好感を持ちます。男と女を描いた作品としても、まれに見る秀作。今若い世代でこの映画と出会えた人たちに少しばかりのジェラシーも感じます。ビリー演じるハンクに共感した男性は、女性とのあいだにきっとよいパートナーシップをつくっていける人でしょう、と思います。本作は確かに重いし苦いけれど、この歳になって思うのは、人生というのはそういうもんよ、ということ。でも生きることには価値がある。監督の価値観に共鳴します。「人生、やり直せるよ」と囁いてくれているようで、それもうれしい。ラストで何らかのどんでん返しがあるのかと思ったらなかったことに、心底ホッとしました。別の意味で驚かされました。パターン化した映画に、私自身も毒されすぎているのかもしれませんね。
おばちゃんさん 9点(2004-03-03 18:43:20)
👍 2
170.非常にテーマ性の深い濃密なドラマであり、同時に極めて濃厚なラブストーリーであるということをまず断言したい。恋、焦がれ~の模様を描く一般的なラブストーリーとは明らかに一線を画すが、ここまで真摯に人間自体の奥深さを描き出したラブストーリーは他にない。淡々と心を通わせ、濃厚に絡み合う途方もなく傷ついた二人の男女の極めて本能的な恋模様に息を呑む。アカデミー主演女優賞を受賞したハル・ベリーの熱情的でシリアスな眼差しは印象深く素晴らしかった。しかしそれ以上に、ビリー・ボブ・ソーントンの自然な存在感が圧巻だった。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 9点(2004-01-18 01:50:44)
169.ワウワウで、やっていたので、なにげに見てしまいました、ハルベリーは素敵です。ビリーボブソーントーンに、似てるな、とか想いつつ、男優を、見ていました。アルマゲドンにも出ていた役者なので、ビリーなのだ、と思いました、それに、時々、見せる、癖のような、独特の動きが、アルマゲドンの時にも、チョコレートの時にも、見て取れました。素晴らしい役者です。
yasutoさん 9点(2003-12-03 23:47:20)
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168.ネタバレ なんだか恐い。息子の死に二人は何を感じたのか?闇、光差し、または違うモノが見えたのかもしれない。瞬間すべてを忘れさせてくれる
麻薬チョコレート。とても面白い。だけど恐い。
venomさん 9点(2003-11-08 14:05:16)
167.いい雰囲気。暗くて(笑)。全体的にいい味出してると思う。好みの映画。でもなんかセックスシーンがリアル。まあそれもあり。
Sleepingビリ-さん [映画館(字幕)] 9点(2003-10-31 03:00:54)
166.子供役は救いようが無い。ハルベリーはあいかわらず、毅然とした表情を携えながら、時に情けないほど惨めな表情を見せたりするところが、つい応援したくなるところであり、彼女がこの映画で大きなものを掴んだことにかんしては素直に嬉しいと思う。
花守湖さん 9点(2003-10-15 21:23:15)
165.年取ったせいでしょうか、2人の中年男女の関係がとても自然で共感出来て良かったです。悪く言えばあたりまえ過ぎというか平凡過ぎってなるんでしょうけど、わたしは十分楽しめましたし、なかなか良い気分にさせてもらった感じです。ちょっと不満だったのはラストですかね。出来ればもうちょっと先まで見せてほしかった。わたし的には後1時間でも見れる感じでしたし。とにかくこの作品のハリー・ベリーはとても綺麗なのでそれだけでも見る価値あると思います。これでわたしは完全なハリー・ベリーファンになりましたし。
カズゥー柔術さん 9点(2003-09-29 11:59:12)
164.見終わった後も、ずっと余韻に浸っていたい、そう思わせる映画だ。父親譲りの人種差別を持つ看守ハンクと彼が刑を執行した死刑囚ローレンスの妻レティシアの恋はいささか偶然が重なりすぎている感は否めないが、微妙な距離感が見事に描かれていて、それだけでも十分楽しめる。それと議論の的である官能的な場面についてだが、お互い息子を失った孤独感を表現するといった意味でも必要と考える。それとハンクの多くを語らない人物設定が良い、物語に深みを、彼の言葉に重みを増している。だからこそ、レティシアは彼の言葉を信じたんだろうし、最後のシーンでハンクの素性を知っても、笑顔で返すことができたのだろう。
ゆたKINGさん 9点(2003-03-09 17:34:55)
163.ネタバレ 自分が頼りにした男が、夫の死刑執行に関わっていた。それを知ったレティシアの表情を観て、バッドエンドを想像した。そりゃ、そうだよね。
でも、「私は大切にされたいの」と訴える彼女の選択はそうじゃなかった。
チョコレートアイスを買ってきた男を迎える彼女の表情は、そりゃあ複雑だったけど、受け入れようとしたんだろうな。
階段に腰かけてアイスを食べる、そんな普通の幸せが二人に訪れることが予感されるラストでよかった。
roadster316さん [DVD(字幕)] 8点(2018-03-23 11:08:24)
162.ネタバレ 父にとって良い息子にも、子にとって良い父親にもなれなかった主人公、何だかんだ言って父親を愛した息子、夫と息子に亡くなられた母親。色んな悲しみが複雑に絡まり合いつつもラストには希望を感じさせられた。ただ、この映画を観ている間に親だけには部屋に入ってもらいたくなかった・・・・・・・
たいがーさん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-07 22:30:43)
161.ネタバレ 嫌いでわない。あのどんよりとした雰囲気のまま、どんよりと最後も終わるんかと思ったけど、なかなか落ち着いた、あったかい雰囲気で終わったから、小星も見ててあったかくなれました。
小星さん 8点(2005-03-17 02:43:48)
160.何といっても凝った映像や独特のカメラの構図などが良いと思う。
決して奇をてらったわけではなく、技巧に酔っているわけでもない、余韻を感じさせるというか、心の内面を描くというか、何かを語っているような映像だと思う。
特にセリフがないシーンや、誰も映っていないシーンにも何かを感じずにはいられない。
こういった撮り方にした理由の一つとして、本作のテーマにも関係している気がする。
「孤独」「疲れ」「苦しみ」「悲しみ」を描いているから、何もないシーンでも何かを訴えくるのではないだろうか。
そしてそれらの感情から逃れる方法が、人と人との結びつきなのだろうと感じる。
ココロの隙間を埋める方法として、チョコレートを用いられていたが、それこそやはり代用品でしかなかっただろう。
デブの坊やにとっては父親のいない家庭の寂しさを埋めるものとして、ハンクにとっては家族がバラバラで黒人に対して偏見を持ち、恐らく職場での人間関係が上手くいっていないような寂しい心を埋めるものとしての逃避的な役割でしかない。
デブの坊やにとって必要なのは父親であり、母親の愛情だったし、ハンクにとっては本当は亡くした妻や息子だったのだろう。
息子を憎んでいたようにみえて、いなくなってから本当は非常に愛していたことに気付くとは遅すぎた。
しかし息子の死によって、彼の心は変わり、黒人であるレティシアを助ける気になった。
二人の偶然の出会いが二人の孤独な人生を助けるものになっていく。
やはり、人間に必要なのはチョコレートではない、人間なんだろうなと思わせる。
まあ、ラストではチョコレートがハンクと秘密を知ったレティシアを繋ぐ役割を果たしているようにも見えたが。
本作でレティシアを演じたハルベリーがアカデミー主演女優賞を獲得したが、息子を亡くした後、自分を女に戻してとハンクに頼むシーンはかなりのものだった。
その他にも、息子のことをデブだと笑いながらも悲しむ姿やハンクの秘密を知った後の呆然とした姿やラストシーンなどなかなか評価できる演技は多かったように思える。
六本木ソルジャーさん 8点(2005-01-16 02:07:08)
159.ネタバレ 人種差別問題という重いテーマに男女の愛、親子の愛を重ねて丁寧に仕立てられた、とても奥の深い高尚な作品だと思います。ただのラヴストーリーとは一つか二つ次元が違います。オープニングのまだ暗い部屋でハンクが寝ている場面、上で回るローターの陰が彼の抱えている苦悩を既に暗示しています。ラヴシーンに挿入される鳥かごの中の鳥とそれをつかみ出そうとする腕。ハンクの閉ざされた心が解き放たれるのを暗示しているのでしょうか?ハル・ベリーは本当に素晴らしい演技をしました。酔っ払ってハンクに絡むシーンの迫力は凄い。さらに続くラヴシーンはもっと凄い!ラストの場面、チョコレートアイスを口に入れてもらった後のレティシアの表情の変化はもう見事というしかありません。初めはハンクが夫の死刑を執行した看守である事を知った(ハンクがそれを隠していた)明らかに険しい表情、その後次第に柔和な表情になって行くのですが、決して微笑んでいる訳ではないのに全てを許した女神のような、見ているこちらの心を和ませ、この作品の結末を暖かいものに変えていく、そんな重要な心の動きを、もうこれしかないっていう絶妙の表情で表現しています。オスカーはこのラストの表情に与えられたものと信じたい。観終わって暫く言葉が出せず呆然としてしまいました。惜しむらくは、あの素晴らしいラヴシーンのせいで、この作品は決してゴールデンタイムにTV放映はされないであろうということ。
Takさん 8点(2005-01-12 00:39:31)
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マーク説明
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《新規》:7日以内に新規投稿
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 178人
平均点数 6.33点
000.00%
110.56%
221.12%
373.93%
4116.18%
52614.61%
64625.84%
74826.97%
82212.36%
9116.18%
1042.25%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 3.61点 Review13人
2 ストーリー評価 6.00点 Review12人
3 鑑賞後の後味 6.36点 Review11人
4 音楽評価 6.11点 Review9人
5 感泣評価 4.83点 Review6人

【アカデミー賞 情報】

2001年 74回
主演女優賞ハル・ベリー受賞 
脚本賞ミロ・アディカ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2001年 59回
主演女優賞(ドラマ部門)ハル・ベリー候補(ノミネート) 

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