映画『モンスター(2003)』の口コミ・レビュー(2ページ目)

モンスター(2003)

[モンスター]
Monster
2003年上映時間:109分
平均点:6.92 / 10(Review 183人) (点数分布表示)
公開開始日(2004-09-25)
ドラマサスペンス犯罪もの実話もの伝記もの同性愛もの
新規登録(2004-03-17)【スルフィスタ】さん
タイトル情報更新(2019-08-12)【Olias】さん
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監督パティ・ジェンキンス
キャストシャーリーズ・セロン(女優)アイリーン・ウォーノス
クリスティーナ・リッチ(女優)セルビー・ウォール
ブルース・ダーン(男優)トーマス
リー・ターゲセン(男優)ビンセント・コーリー
アニー・コーレイ(女優)ドナ
プルイット・テイラー・ヴィンス(男優)ジーン
マルコ・セント・ジョン(男優)エヴァン
マーク・マコーレイ(男優)ウィル
スコット・ウィルソン(男優)ホートン
ラス・ブラックウェル(男優)警官
ティム・ウェア(男優)チャック
ステファン・ジョーンズ(男優)弁護士
ブレット・ライス(男優)チャールズ
ケイトリン・ライリー(女優)10代のアイリーン
ケイン・ホッダー(男優)囮捜査の警官
高乃麗アイリーン・ウォーノス(日本語吹き替え版)
小林沙苗セルビー・ウォール(日本語吹き替え版)
西田健トーマス(日本語吹き替え版)
塩田朋子(日本語吹き替え版)
星野充昭(日本語吹き替え版)
木村雅史(日本語吹き替え版)
手塚秀彰(日本語吹き替え版)
田原アルノ(日本語吹き替え版)
桜井敏治(日本語吹き替え版)
稲葉実(日本語吹き替え版)
西村知道(日本語吹き替え版)
石住昭彦(日本語吹き替え版)
浅野まゆみ(日本語吹き替え版)
魚建(日本語吹き替え版)
脚本パティ・ジェンキンス
音楽BT
挿入曲デュラン・デュラン"All She Wants Is"
INXS"What You Need"
ジャーニー"Don't Stop Believin'"
ジョーン・ジェット"Do You Wanna Touch Me (Oh Yeah)"
撮影スティーヴン・バーンスタイン〔撮影〕
製作マーク・ダモン
ドナルド・カシュナー
クラーク・ピーターソン
シャーリーズ・セロン
ブラッド・ワイマン
製作総指揮アンドレアス・グロッシュ
配給ギャガ・コミュニケーションズ
編集アーサー・コバーン
字幕翻訳松浦美奈
その他ベニー・メディナ[製作](プロダクション・コンサルタント)
あらすじ
幼い頃から不遇な環境にありながらも、夢見る少女であったアイリーン、通称リーは、売春婦として生計を立てていた。しかし自殺を考えるが、その直前に同性愛者のセルビーに出会う。2人は互いに愛し合い、リーはセルビーと人生を共にすることを決めるがいつものように客となるはずの男に、リーは殺されそうになる。とっさに持ち合わせていた銃でその男を殺す。それから男たちへの復讐の為、不安がるセルビーをよそに男たちを銃殺していく。実話であり、シャーリーズセロンの犯人のアイリーンに基づいた体重増量&特殊メイクは見ものです。
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💬口コミ一覧

163.もし神なるものがあるとするならば、自ら死に向かおうとする“彼女”を留め、哀し過ぎる狂気へと突き進む“愛”へと導いた理由は何だったのだろう?言葉にならない苦しみを一人の女性の運命に詰め込み、それを歩ませた意味は何だったのだろう?果たして、彼女の真の罪は何だと言うのか?渦巻く人間の業についての疑問が永遠につきまといそうで、とても苦しい。でも、結局、その答えは、“たった一つの愛”なのだと思う。苦しみと屈辱の中で生きてきた女に訪れた、とても小さな愛。その結末さえ、あまりに悲劇的な愛。その一瞬の安らぎと許しのために、彼女の生はあったのだろう。とても不条理すぎて理解さえ及ばないが、それでもそこに一寸の救いがあったことを僕は信じたい。彼女のモノローグのように、そんなものさえ罵声ともに一蹴されるのかもしれない。でも振り返った彼女の最後の瞳は、そうは言っていなかったと思う。
“最高女優”の称号を得たセロンの演技は、何の余地も無く圧倒的だ。そして、“アイリーン唯一の愛”を演じたクリスティーナ・リッチも素晴らしい。この映画はこの二人の女優の存在が無ければ成立しなかっただろう。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 9点(2004-12-01 16:53:25)
👍 1
162.ネタバレ 僕の記憶の中に、アイリーンがまるでカビのように深く根をはった。カビと例えた理由(わけ)は、この映画はやはり精神的に結構辛くて、空しさが深く残ったからです。正直言ってこの映画の映像だとかセロンの演技とかが記憶に残り続けるのは、正直苦痛です。それだけ、この映画の中のS・セロン演じるアイリーンは、とてもインパクトのある存在だったと言えます。そのインパクトはS・セロンの演技に対してでもありますが、やはり本当にインパクトを受けたのは、アイリーンの人生そのものに対してだった気がします。そして彼女の存在自体もある意味とても衝撃的でした。この映画で見たかぎり、幼い頃のアイリーンはふつうの子供と同じようにキラキラと輝いた目で将来を見据え、夢を抱いていたのでしょう。しかしいつの頃からか、その夢は果てしなく遠く、空しいものへと変わっていった。そしてふと気付けば、アイリーンは生きる為に身体を売り、生き続ける為に人を殺していた。そして夢を無くしたアイリーンは愛を強く求め、愛を手離さない為に男を殺し続けた。結局最後には夢だけでなく、愛さえ消え、何もなくなってしまったアイリーンは、死刑と言う名のもとにこの世から葬り去られた。そんなアイリーに僕は強く同情してしまう。きっと連続殺人鬼のアイリーンに同情するのは社会的にも人道的にも間違っている事だと思う。だけど同情せずにはいられない。それに今はもうこの世にいないアイリーン自身も同情される事は望んでいないと思う。だけど、可哀相だ。辛過ぎる。汚れきったアメリカの社会が生んだ“モンスター”、アイリーン・ウォーノス。いま、僕の心にはアイリーンが強く残っている。
ボビーさん 9点(2004-11-22 21:33:31)
👍 1
161.ネタバレ 形は違うけれど愛に飢えていた女2人。この出会いがそもそもの間違いだったのかも知れない。
与える事で愛を持続させようとする女、甘える事で愛を確認しようとする女。
どっちもどっちです。 だけど与える女は、時には恋人のように、母のように、姉のように
自分が出来る事を与えてあげようとします。それがとても悲しい。 売春婦と言う事で世間からも差別・見下され、愛する人からも少なからずともそのように見られていたと思います。
何人も人を殺すシーンでは「もう、いいから!殺さなくて良いから」って何度も思いました。
女が人を殺して車を奪ってくるのを知りながら「車を持って来い」と言う恋人。本当に憎らしかった。 見終わった後もなかなか席を立つことが出来ませんでした。
無感動の私をここまでさせたのだから、この映画、今年一番!
「トリコロールに燃えて」も見た私としては・・・・ギャップにビックリ。
あずきさん 9点(2004-11-19 18:03:13)
👍 1
160.凄いねぇ。アイリーン・ウォルノスの記録映像見たことあるけど、かなり忠実に真似してる。
相手を威嚇する時の表情とか、目を剥いて相手を見る表情とかは完全にアイリーンなんですよ。
但し、これは意図的なのかも知れないけど、所々でヘンな美しさを見せてしまって、これが残念かなぁ。多分、女性にしか表現出来ない部分というのを上手く見せているのだけど、かなり哲学的な表現がされてるので物凄く重く出来てしまっていて、それが評価を上げる働きと下げる働きをしてると思います。良い映画であるのは間違いないのだけど、この映画が、アイリーンの供述調書、裁判記録、本人からの聞き取りからシナリオが起されている居る事に注意しなくてはいけないでしょう。彼女は虚言癖があったし、人格障害が見られた事も事実で、その意味ではかなり美化されている個所があると思われます。この映画でシンパシィを感じてしまうというのは危険だと思います。ふと、気が付いたのだけど、この映画、「俺たちに明日はない」に非常に似てるよね。傍観者として見るのが一番良いみたい。
奥州亭三景さん 9点(2004-11-04 21:10:34)
👍 1
159.ホントに神がかり的なS・セロン渾身の演技。まるでアイリーンが乗り移ったかのような迫力にただただ圧倒された。
彼女が顔や体型まで変えて挑んだのは見て納得した。あの美しいセロンのままではアイリーンになり切れなかっただろう。
辛かった子供の頃からいろんな夢を見ていたアイリーン。現実が辛く酷いものであればあるほど、楽しい夢の世界で幸せな自分を想像するしか希望はなかったのかもしれない。不幸な生い立ちの少女が大人になってもやはり現実は厳しく辛いものでしかなかった。
絶望のどん底で見つけた唯一の希望がセルビーだったのにこの出会いが彼女の転落に拍車をかけてしまう。
恵まれない人生で堅気の暮らしを望んでも叶わない、抜け出そうにも抜け出せない、染み付いてしまって今更変えようもない粗野な言葉や仕草のすべて、それまで生きてきたようにしか生きられなかったアイリーン。彼女のやったことは許されるべくもないが、こんなふうに転がってしまった彼女の絶望的な人生の悲しさ、やるせなさは痛烈に伝わってくる。
彼女に対する共感とか同情ではなく、そもそも一人の女性がなぜこういう犯罪を犯すに至ったかという所にやるせなさや怒り、痛ましさを感じる。女性や幼い子供にまで加えられる性的暴力、子供が健全に育つべき家庭や肉親の愛情に恵まれないといった社会的病理が犯罪の背景にあるということも重く訴えかけてくる。
キリコさん 9点(2004-10-28 20:40:11)
👍 2
158.アイリーンのおかした罪は、けして許されるものではない。ただ、あまりにも純粋な彼女には、他の選択肢は用意されていなかったんだと思う。アイリーンの愛・苦悩・後悔に胸が締め付けられ、最後の強がりにはただ言葉を失った。
Andy17さん 9点(2004-10-27 22:47:00)
157.シャ~リーズセロン化けたな~!あの綺麗なお姉さんがこの作品では醜いオバハンです…。女って怖いな。街行く可愛いオネエさんたちもスッピンなったり年取ったら化けるんだろな。。
くまさんさん [ビデオ(字幕)] 9点(2004-10-25 23:23:48)
156.ネタバレ 不幸な境遇の為、娼婦として生きていかざるを得なくなるアイリーン。劇中でも語られていたが、彼女にとって社会は「戦場」であり、男たちは「敵(もしくは“獲物”」でしかなかった。客観的に見れば身分不相応に思える典型的「アメリカン・ドリーム」を抱き、教育を十分に受けられなかったため娼婦以外の生き方が出来ず(彼女が弁護士の秘書の面接に行くシーンは、とてつもなく滑稽で、残酷だ)、やがて連続殺人という「魔道」に堕ちてゆく彼女の人生は痛ましい。しかしもっとも悲痛なのは恋人セルビーとの関係。アイリーンは「自分を必要とする人間」が必要で、それはセルビー以外にありえなかったし、なおかつ彼女には自分の存在以外に失うものは何もなかった。一方のセルビーは、「自分を認め、庇護する存在」を必要としていたが、それはアイリーンでなくても良かった。そして彼女はアイリーンと違い、(同性愛には無理解であるにせよ)両親がいたし、それなりの将来性があった。最終的にはその違いが二人を分かつことになる。この、埋めがたい断絶、それがこの上なく哀しい。劇中でアイリーンが好きだといっていた曲がエンドロールで流れるが、それがまるで彼女に対する鎮魂歌のように思えた。なんだかいかにも80年代的な軽いノリのヒットソングという感じではあるのだけれど、彼女の哀し過ぎる一生には妙に似つかわしい。
ぐるぐるさん 9点(2004-10-24 18:52:19)
👍 4
155.ネタバレ …とにかくシャーリーズ・セロンにやられたわ。 アタシは個人的に「美人女優が美しさをかなぐり捨てて」ってこと自体を評価するつもりはあんまりないんだけど、昔はバレリーナを目指していたというシャーリーズ・セロンが、自分とはまったく違う境遇のアイリーンをここまで完璧に演じきったということは、そんな表面的な話題性をさしひいて考えたとしても十分評価に値すると思うわ。 バス停でセルビーに涙ながらに横隔膜痙攣させてまで伝えたあの言葉はもはや演技を超越してたし、アカデミー賞は納得よね。 内容については…これが実話だってとこがまたやるせないっていうか…殺人はいかなる理由があろうとも許されるものではないし、アイリーンの行為には同情しちゃいけないんだろうけど…13歳から客をとってて、おそらくその頃から精神的に成長できていないアイリーンが、セルビーとの出会いを経て、この最悪の状況から抜け出そうと彼女なりに必死でもがくのに、世間の人々が一切助けの手を差し伸べないどころか、むしろ蹴落とさんばかりだってのが…ほんとに切ないわ。 たとえば、もしもあの職業安定所(なのかしら?)の受付の黒人女性がもう少し彼女の話を親身に聞いてあげて、工場での仕事の一つでも世話してたとしたら、アイリーンの人生はまったく違うものになっていたかもしれないわけで…あの黒人女性が(感じは相当悪かったにせよ)なにか特別悪いことをしたわけではないんだけど、なんだかとっても罪深い気がして…いつ誰がどんな精神状態にあるかなんてわからないから、アタシもできるだけみんなにいつでも誠意を持って接するようにして、万が一アイリーンのような人がアタシの周りにいたとしても、助けてはあげられないにしろ、せめて気づかないうちに突き落としてしまうことのないようにしたいと心から思ったわ。 …ほかにもアイリーンとセルビーの関係のこととか売春や幼児虐待のこととか、映画が終わったあとずっと一人で悶々と考えてたんだけど、全部書いてたら本になりそうなんでこの辺でやめとくわ。 それにしても、わざわざ映画館まで行った甲斐があったわ。 重かったけど見て本当によかった、心の底からそう思うわ。
梅桃さん [映画館(字幕)] 9点(2004-10-15 23:11:26)
👍 5
154.あのセロンが犯人そっくりに大変身・・・で話題ですが、一応、この点では、「メイクバレバレやろー」です。増量で案外似るものねと驚きましたが。そんな事はどうでもいい世界が待っていました。監督は女性だそうですが、犯人の内面を知りたくて撮ったと言っているそうです。その答えがここにあります。きっとセロンも知りたかったに違いありません。思慮浅く愚かで一生懸命な、豊かな社会の谷間の犠牲者ウォーノス。無自覚な偽善愛で彼女をここまで追い込んでしまうセルビー。私もそうですがこの事件を知らなかった人が多いでしょうけれど、他国の事件がモチーフのものにこれほど心を動かされたのは、きっとどの社会にもいそうな、生まれそうなこのウォーノスを感じ取るからなんでしょう。私にはこの映画じたいがモンスターのようでした。
へろりうしオブトイジョイさん 9点(2004-10-04 22:44:36)
👍 1
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153.ネタバレ とても切ない映画としか言いようがない。
5ドル使い切ったら死ぬことを考えていた、そんな絶望と孤独の中に見出した一つの光。
それがセルビーとの愛。絶望の世界が大きく変わった瞬間、あのスケート場の描き方は特に良かった。
誰よりも愛や自分を信じることに飢えていたアイリーンだからこそ、セルビーとの会う約束が生きたいという思いに変わり、人殺しをするきっかけになったのだろう。
恐らくセルビーとの出会いがなければ、あのまま乱暴されて死んでいたはず。
ただ、その光が純粋すぎて、その光を守るために次々と悲劇が繰り返されることになる。
肉体的にも精神的にもボロボロになっていくアイリーンに比べて、セルビーの無邪気さが余計に引き立つ。
自分はモンスターはアイリーンではなくセルビーと思っている。
無垢な笑顔の下に潜む怪物、その怪物がアイリーンを犯罪へと導く、自分が言い出したこととも気づかずに。
中盤セルビーの描き方がイマイチはっきりせずよく分からないなと感じていたが、分からないからこそ逆に何を考えているか分からない、だからその分恐怖を感じた。
ただ、幸せに暮らしたかったその一言がセルビーの考えなんだろうが、怪物は犯罪の共犯にもならずに、当然のようにアイリーンを裏切る。
裏切られてもなお、セルビーを守ろうとする姿にアイリーンの絶望の淵から救ってくれた想い、愛の強さを感じる。
セロンの13キロ増の身体、汚い顔、滑稽な動き、全て頑張っている感じたが、それだけではアカデミー賞は獲れない。
暴力的な男を殺すことに対しては神にも正面から向き合えると言ったが、無実な男を殺す際の演技、そしてバス停での告白、あのシーンはとても素晴らしく胸を打つ。
夢を見ていた少女の現実は、結局はまた夢のような世界でしかなかったか。
六本木ソルジャーさん 9点(2004-09-26 03:25:35)
👍 2
152.シャーリーズ・セロン凄すぎます。
たまさん 9点(2004-09-25 18:33:01)
151.ネタバレ 2025.7.12観賞。
実話に基づいた犯罪サスペンス・ドラマ、同性愛ロマンス。アタシは生粋の娼婦。ガキの頃からカネのためなら体を売り、殺人さえも厭わねえ。こんなアタシの大切な人はオンナの恋人。同性愛描写はキビしいけど、オトコ同士よりはマシ。レズで娼婦で連続殺人鬼。眉毛無しのガサガサ肌のデブ女。シャーリーズ・セロンが体を削ったような怪演、というより醜演。米アカデミー最優秀主演女優賞受賞。この作品に全てを捧げて、全てを手に入れた。傑作。
獅子-平常心さん [DVD(字幕)] 8点(2025-07-12 21:41:54)《新規》
150.ネタバレ  ストーリー重視の私ですが、この作品にかんしてはストーリーより主演二人の演技に圧倒されます。
 特にシャーリーズ・セロン。
 『いったいいつ出てくるんだ、シャーリーズ・セロン。主役と思っていたのに、全然出てこないじゃないか。そしてやたらグイグイ出てくるこのゴリラみたいな女は誰だ?キャストを確認してみよう。ええ~と。うん?ええー!!』
 というわけで、シャーリーズ・セロン=アイリーンという事実にまず驚きます。
 家庭環境にめぐまれず、娼婦しかできなかったアイリーン。同性愛者のセルビー。共に世間から阻害されているという共通点でひかれあう二人。お互いがはじめて自分を必要としてくれる人間に出会ったわけですか。うーん。辛い。マイノリティの人間というのはかくも大変なものなのか。
 同じ境遇、同じ苦しみを知っている二人。その二人がそろう。二人のコミュニティが出来る。すると悲しいかな、微妙なパワーバランスというものがやはり出来てしまう。お互い依存しあっているようでいても、その依存の度合いにわずかな差が出来てしまうものなんですね。
 一見アイリーンのほうが優位に立っているように見えますが、実のところ支配権を握っているのはセルビーでしょう。アイリーンは確実にセルビーの精神的な支配下にあります。それは、ラストからもわかりますし、遊園地のエピソードからもわかります。バー、遊園地で、悪気も無く他の女性と仲良くしようとするセルビー。つまり、アイリーンには本当にセルビーしかいませんが、セルビーはアイリーンの代わりがいれば、それは誰でも良いわけです。
 ラストの電話で、自分だけ助かろうとするセルビー。かたや、セルビーだけは救おうとするアイリーン。皮肉にも一致してしまう利害。
 社会的にモンスターなのはまぎれもなくアイリーンですが、本当のモンスターは誰なのか。セルビーなのか、それともアイリーンのような人間を生み出してしまった社会なのか。
 アイリーンは善良な人間の命を、自分の都合で奪います。同情の余地はありません。ですが、アイリーンは事件の最悪の加害者であると同時に、最大の被害者でもあるかもしれません。
 だからなのか。見終わったとき、とにかく私は悲しかったです。そしてこんなに悲しいのに、この映画は泣くことさえ許してくれないのです。
 そしてこれだけ力の入ったレビューばかりだと、何を書いても誰かのパクリになってしまう現実がまた悲しい。
 この状況が一番のモンスター。
たきたてさん [DVD(字幕)] 8点(2016-06-10 13:12:21)
👍 1
149.ネタバレ 冤罪でもない死刑囚に感情移入させてしまうセロンの熱演に脱帽です。堅気になろうと就活の面接での場違いさを自覚できない主人公の姿や愛されて次第に増長していくレズのパートナーの態度は、主人公がひたむきなだけに切なくなります。心にズシンとくる映画です。
ProPaceさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-09-11 19:57:57)
148.ネタバレ もうぉとにかくシャーリーズ・セロンがすごいね。「えっ!この人が!?」全く別人だよ・・・やさぐれた感じ?も自然で賞受賞も納得。この内容が実話というのもすごいけど、これがアメリカの実情なのか(そんなに前の話しじゃないよ)。。。とても迫力の力作でゴザイマシタ
Kanameさん [DVD(字幕)] 8点(2014-05-02 09:43:06)
147.ネタバレ タイトルからは想像できない、とても綺麗な映画だったと思います。
シャーリーズ・セロンって誰だっけっていうくらい顔が不細工になっていたのと(本当は美人!)、クリスティーナ・リッチがお相手だったのも後になって気づきました。
こういうのって本当の演技なんでしょうね。
主人公の犯した罪は本人にとっては罪とは言えず…、そりゃそうですよね。そういうふうに映画は撮っているんですから。「愛」を描ききっています。FU×Kという言葉が出てくるほど汚いものを感じさせないのは、二人が愛し合っているからでしょうね。その生末は主人公の尻拭いで終わるのは胸がつかえました。
二人がローラースケートを滑るシーンでジャーニーの曲が流れるのは印象的でしたが、エンディング・ロールでも使われていたのは、ちょっとやりすぎではないかと思いました。
彼女は死刑執行されたんですからね。
クロエさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-01-16 19:15:28)
146.ネタバレ シャーリーズ・セロンの役作りは圧巻。実年齢はクリスティーナ・リッチと5つくらいしか変わらないが映画の中では20くらい上に見えた。セルビーみたいな奴、結構身近にいる気がする。状況に応じて態度が180度変わるところや、相手の心情をくみ取れない鈍感さ。都合のいいところだけ自己主張。書いているだけでむかつく。アイリーンは不器用な生き方。根はいい奴だが、不器用なため事故を起こす。セルビーとアイリーンの描き方が個人的にはいいバランス。セルビーの小悪魔さをもう少し強調してしまうと、アイリーンが同情されてしまうし、セルビー性格を抑えてしまうと、アイリーンの独りよがりになってしまう。
たこちゅうさん [DVD(字幕)] 8点(2011-04-17 07:00:59)
👍 1
145.ネタバレ 公開当初、あのシャーリーズ・セロンが体重増量&特殊メイクをして、まったく似つかわしくない連続殺人犯を演じたと評判になったので、見たかったのですが、私自信、殺人やら銃やらの映像が怖くてあまり見れないので機会を作れずにいました。TVでやってたので、録画してみましたが、殺人鬼の怖い部分を全面に押し出してるのと思いきや、人間ドラマでした。一人の人間が殺人を起こしてしまうまでのドラマ。生きていくために選ぶしかなかった道を歩んでいたら、自分が殺されそうになったから、殺した。その時、愛した人を守りたかったから、お金がほしかった。一度目の犯行でうまく逃げとおせたので、次から次へと殺してしまう。自分の過去の経験からなる、男への復讐も相まって。殺人なんて許されることではないが、アイリーンの人生を見せられると、何とも言えない悲愴感に苛まれてしまった。シャーリーズセロン、ほんとにすばらしい演技でした。
リノさん [地上波(字幕)] 8点(2010-01-17 23:26:46)
144.作品タイトルと内容が、アジャ・コングとその本名くらいのギャップを感ずる作品。 重く切ない良作。
Keicyさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-02-11 04:24:20)
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マーク説明
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《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 183人
平均点数 6.92点
010.55%
110.55%
200.00%
331.64%
4116.01%
5158.20%
63921.31%
74424.04%
83720.22%
92111.48%
10116.01%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.25点 Review12人
2 ストーリー評価 7.65点 Review20人
3 鑑賞後の後味 5.91点 Review24人
4 音楽評価 7.41点 Review12人
5 感泣評価 6.70点 Review17人

【アカデミー賞 情報】

2003年 76回
主演女優賞シャーリーズ・セロン受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2003年 61回
主演女優賞(ドラマ部門)シャーリーズ・セロン受賞 

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