映画『誰も知らない(2004)』の口コミ・レビュー

誰も知らない(2004)

[ダレモシラナイ]
Nobody Knows
2004年上映時間:141分
平均点:6.94 / 10(Review 196人) (点数分布表示)
公開開始日(2004-08-07)
ドラマ犯罪もの実話もの
新規登録(2004-05-28)【こじ老】さん
タイトル情報更新(2021-07-09)【イニシャルK】さん
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監督是枝裕和
キャスト柳楽優弥(男優)
北浦愛(女優)京子
木村飛影(男優)
清水萌々子(女優)ゆき
韓英恵(女優)紗希
YOU(女優)母・福島けい子
串田和美(男優)大家・吉永忠志
岡元夕紀子(女優)大家の妻・吉永江里子
平泉成(男優)コンビニの店長・中延司
加瀬亮(男優)コンビニの店員・広山潤
タテタカコ(女優)コンビニの店員・宮嶋さなえ
木村祐一(男優)タクシーの運転手・杉原
遠藤憲一(男優)パチンコ屋の店員・京橋
寺島進(男優)少年野球の監督
ささの翔太(男優)
脚本是枝裕和
音楽ゴンチチ
作詞タテタカコ「宝石」
作曲タテタカコ「宝石」
挿入曲タテタカコ「宝石」
撮影山崎裕
池内義浩(撮影助手)
製作バンダイビジュアル(「誰も知らない」製作委員会)
シネカノン(「誰も知らない」製作委員会)
テレビマンユニオン(「誰も知らない」製作委員会/製作プロダクション)
企画李鳳宇(企画協力)
プロデューサー是枝裕和
浦谷年良(アソシエイトプロデューサー)
川城和実(ゼネラルプロデューサー)
制作テレビマンユニオン(制作プロダクション)
配給シネカノン
美術磯見俊裕
三ツ松けいこ
編集是枝裕和
録音高橋義照(録音応援)
照明佐藤譲(照明応援)
その他シネカノン(宣伝)
あらすじ
福島けい子は、父親の異なる四人の子を持つシングルマザー。しかし子供たちを学校へは通わせておらず、彼らが近所の人に見つからないように気をつけながら暮らしていた。 実際にあった出来事をもとに、閉鎖的な状況下で生きる子供たちの姿を、生き生きと描く。
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💬口コミ一覧

196.ネタバレ この年齢この瞬間の男の子にしかできない素晴らしい表情でした。悲しい結末もありましたが、この家族(サキちゃんも家族です。お母さんは除く)は幸せだったように思われます。エンディングの歌もよかったです。
yanasanさん [CS・衛星(邦画)] 10点(2016-08-11 01:06:13)
195.ネタバレ この監督はただ者じゃないと映画からビリビリと伝わってくる感覚。これ以降の映画のクオリティを見てもその感覚に間違いはなかったと思う。
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 10点(2014-08-05 00:18:54)
194.ネタバレ 『誰も知らない』は、登場人物達の絶対的などうしようもなさを残酷なまでにリアルに描ききった作品である。親たちは何の悪気もなく、子供を突き放し、結果的に彼らを疎外する。そのどうしようもなさ。その衝撃。そして、子供たちは何の屈託もなく、親たちを赦し、結果的にそういう社会を自明のものと受け入れる。そのどうしようもなさ。その衝撃。

カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』や『日の名残り』の主人公たちを思い出す。彼らは自らの運命を受け入れ、そこから決して逸脱することがない、限定された世界の住人たちである。彼らの独白は、限定された世界から決して外れない、彼らの世界観の中でこその語り、その絶対的な記憶であるが故に、僕らにある種の違和と共に欠落を想起させた。
それが『誰も知らない』の子供たちにも言える。諦念という言葉では当てはまらない現代的な心情、そのどうしようもない底の浅さと生来的な欠落を感じさせる。

しかし、全く救いのない物語の中に、子供たちの生き生きとした姿を感じてしまう(『空気人形』の人形と同じに)、そこで描かれる救いとは一体何だったのだろう。彼らが否応もなく受け入れた世界。それを自明のものとして引き受ける逞しさとアカルさに現代的な救いと希望を感じてしまう。ある種の恐ろしさをセットにして。。。
onomichiさん [DVD(邦画)] 10点(2010-04-03 09:16:44)
193.ネタバレ 大抵の重い映画に対して、自分は免疫が付いていると思っていたのだが・・・・本作は重すぎる。鑑賞に耐えられなくなり、観るのを途中で止めようかとまで思った初めての映画。子供たちの無垢な演技に胸が潰れそうになった。 ここまで後を引いた映画は初めてだし、今後も出会いそうに無い。点数を付けること自体ためらうような映画だが、ここまで心を揺さぶられたこと、悲しい気持ちにさせられた映画は今まで無かったので、10点献上。
おーるさん [DVD(邦画)] 10点(2009-01-17 11:50:17)
192.親になっちゃいけない人が多すぎます、無関心な人、想像力の無い人も多すぎます。こんな事件は二度と起きて欲しくないですね。見終わって、未だに自分を子ども扱いする母親と、喧嘩して出て行っても一時間後には戻ってきてくれる女房に感謝しました。
まんせるさん [DVD(邦画)] 10点(2006-03-09 19:32:44)
191.痩せた上半身と鋭い目。あの年代の男の子にしかない入り組んでいる純真な心。主役の男の子の存在感は圧倒的で、彼が画面にうつるだけで心をえぐられる感じがした。
すばらしい映画に会ってしまった。
監督のうまいところは、母親を鬼と描いていないところだ。
母親を一方的に悪と決めていないからこそ、兄弟姉妹のつらさ苦しさが強調されていた。
私は映画の中にすーっと入ってしまい、心の中で自分の感情を確認しないまま泣き、エンドロール後もしばらく呆然となり、その日の夜は眠れなくなって、脇で寝ている7才の娘の顔をわけもなく眺め、うちの電気ガス水道は止まっていないな、と確認した。
しょりちゃんさん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-04-18 12:26:12)
👍 1
190.実際の事件に基づいた映画です。でもあくまで、事件の「外面」をキッカケとし、「内面」を創作によって構築していく「フィクション」であります。特にここでは、実際の事件(としてマスコミが報道したもの)に対し重要な変更が為されています、それは「冷酷な人間が一人も登場しない事」。ここに本作の問いかけがあります。「実際の事件と異なり、冷酷な人間さえいなければ、彼らは救われたのですか?」答えは本作を観ての通り。事実通りの映画なら、観客は「義憤」を安心してぶちまけられる。「世の中ヒドイ奴がいるもんだね、信じられないね、許せないね(まあ我々には直接関係ないけどね)。」これじゃまるで「お昼のワイドショー」。本作は当事者を糾弾するのではなく、社会、そして社会に属する我々一人ひとりを問い詰める。「あなたは彼らを救うために具体的に何ができますか?何もしない傍観者ですか?ではあなた(=社会)も事件に『間接的に』荷担した当事者と言えませんか?」。ここに事件の奥に潜む本質を見抜いた本作の凄みがあると言えるのではないでしょうか。・・・などと言いつつ、実は私は全く別の意味で、観てて本当にたまらない気持ちになりました。むしろ彼らの立場、つまり彼らと同じ「現代を漂流する孤独な存在として」観てしまったのでした。確かに僕は定職につき、少ないながら一応給料をもらってる。でも? 金なんか幾ら貯めたってタカが知れてる。そもそも収入自体、明日にでも体壊したら、どうなる? 僕らもまた何の拠り所もないまま現代を彷徨する、名も無き漂流者だ。僕の事なんて、身近な人間を除けば結局「誰も知らない」んじゃないか。この映画の子供達に感じたのは「共感」、いや、そう呼ぶにはあまりに切実なものでした。リアルに描きこまれた、ひとつの小宇宙。やがては上映時間が終わり、彼らと別れねばならぬ、その事が辛くて、観ながら息苦しい思いにさいなまれました。それは「一期一会」という言葉がぴったりの貴重な時間でもありました。そして帰途、当時神経症気味だった私は、激しい吐き気に襲われたのでした。 <附記>しかし、本作のように、モデルとなった事件と我々の距離が、時間的にも感覚的にも近いケースでは、そこにある種の不快感を感ずる人がいるのも尤もな事なのでしょう。事件当事者も恐らくは存命であり、この映画が彼らを傷つけるのではないか。常に考えていかねばならぬ問題でしょう。
鱗歌さん 10点(2004-11-07 01:00:11)
👍 5
189.ネタバレ 配役がベスト!YOUが母親役をやることで、また帰ってきそうな感じがして、ほのぼのとしたムードがあった。
そして、タテタカコの「宝石」が、この映画にベストマッチしている。
あとは、カメラワーク。いろいろあるカメラワークの中から、一番貧乏くさく映る撮り方で撮っているのではないだろうか?と感じた。

この映画、確かに万人受けはしない映画だと思う。
でも俺は、観て本当によかったと思ってる。
色んな考えさせられる映画を観てきたけど、この作品は、「かわいそう」だとか「悲惨」だとかいう言葉で片付けられる映画じゃない。
実際の事件とは違う、フィクションで作られているし、実際の事件とは違う結末があるから。

一番印象に残ってるのは、ゆきが死んで、埋めた後、またいつものように生活をはじめた兄弟たちの後姿。(ラストシーン)
やっぱり無邪気な子供だっていうことを、最後に忘れさせないでくれる。

柳楽くんが、外で友達をつくったり、ゲームを買ってしまったり。やはり子供だということをしっかり細部まで描いているところに、監督の15年間の苦労が見えました。
よい作品でした。
Takuchiさん 10点(2004-09-25 21:05:28)
188.ネタバレ 途中、コンクリートの川辺の壁に頭をちょこんと出してる明のカットがあります。あのカットを思い出すたび明が何を思っていたかを想像してしまいます。「おかあさん、いつ帰ってくるのかな」「お金、どうしよう」「学校行きたいな」「家に帰りたくないな」「茂、にんじん食うかな」「またあの人にお金をもらいに行くのいやだな」「サンタはいるよ」「遊びたいな」「アポロチョコ、あの時から買ってないな」「キャッチボールしたいな」。そういう内側の声が聞こえてくるカットがたくさん出てくる映画でした。
解放軍2003さん 10点(2004-09-20 00:47:26)
👍 2
187.ネタバレ GYAOの無料動画で視聴。すごい映画でした。劇映画の極限的な表現に達している。カンヌは「万引き」よりも、こちらをパルムドールにしておくべきでしたね。
これまで是枝作品を3~4本見てきて、何故そんなに評価が高いのか理解できなかったけど、この作品でようやく理解できた!これがおそらく彼の最高傑作なのだろうし、これなくしては、その後の作品もほとんど評価されなかったかもしれません。
いわば野坂昭如の「火垂るの墓」と同様の悲劇が現代にも存在しうる…という話ですね。どちらの場合も、たんに「個人の責任」を論じるだけでは済まされません。たんなる「虐待」だと解釈すれば、個人の「犯罪」の話で終わってしまうけど、これを社会的な「貧困」に付随する事象だと解釈すれば、その背後にある構造的な問題を考えざるを得ない。「家の結婚」が消滅して「個人の結婚」が全面化した結果、「老・老」「子・子」「子・老」などで構成された世帯が置き去りにされ、そこでは「共同体・セーフティーネットの不在」の問題や、行政・学校、コンビニ・不動産管理者、ガス・水道・電気など「社会インフラ事業者」の役割の問題など、この映画ひとつを見ても様々な問題が浮かび上がってきます。
一般に、こうした問題は「ブルジョワの良識」をもってでなければ構造的な批判が出来ません。なぜなら、貧困層に属する当事者は目先のことに精一杯で、社会構造の問題にまで考えが及ばないから。それどころか、貧困であればあるほど、権威に取り入って生き延びるほうが合理的になってしまうから、そこから権力批判や構造批判の話はけっして出てきません。中流層もまた、こうした末端の問題には無関心だし、さらに日本の場合は、バブル以降の成り上がりが多いので、ブルジョワ層にさえ良識が欠如しています。その意味で、この映画が2004年に国際的な評価を得た意義は大きいのだと思う。いまの若い世代には「ブルジョワの良識」も復活しているように見えます。
ちなみに是枝作品は、作品ごとに映画の文体がまったく異なるのですね。同じカメラマンでも文体が違う。率直にいって、こちらの初期の文体のほうが説得力があると思います。プロの俳優を起用した予算規模の大きい作品では、かえって文体を制御できなくなっているように見えるし、この映画だけを見ても、プロの俳優の演技よりもアマチュア同然の子供たちの動きのほうがはるかに説得力がある。もちろん本作にかんしていえば、柳楽優弥の存在なしに成立しなかっただろうし、アマチュア俳優を起用すればつねに成功するとも言えませんが。
カンヌの審査員長だったタランティーノは「柳楽優弥の顔が忘れられない」と言ったらしいけど、おそらくすべての観客が同じ感想をもつでしょうね。
まいかさん [インターネット(邦画)] 9点(2022-04-21 03:19:45)
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186.ネタバレ 実在の事件の再現映画ではない。でなければ、携帯電話も最新型マーチ(当時)もワンピの食玩も画面に写さないだろう。現在でも都会のジャングルで"誰も知らない"無戸籍児が存在する、その生存証明を描いているに過ぎない。電気も水道も止まる、髪は伸び、服も汚れてみずぼらしくなる、末っ子の娘が死んでも彼らを捨てた母親が知ることもない。誰かに知られたら、児童保護施設関係者によって引き離される。それでも今日生きなければ明日がない。そんな心情を挿入歌が代弁していた。"宝石"という生存証明は誰によってもたらされるのか? 孤立死が当たり前になっていく現在、過去の無名の個人に関心を持たないように、無責任に叩くだけで何もしないように、誰も自分のことで手一杯でいつの世も無常だ。
Cinecdockeさん [DVD(邦画)] 9点(2016-06-16 21:29:27)
185.ネタバレ 人によっては「歩いても 歩いても」や「空気人形」の是枝裕和を選ぶ人も多いかと思う。だが、俺はこの映画の異様さにこそ惹かれる。

餓鬼が嫌いって奴は、テメエが小さい餓鬼だった頃も忘れちまう。この映画は、それをすっかり忘れた大人たちに振り回される子供たちの生き残りをかけた姿を追っていく。

冒頭からこの映画の異様さを目の当たりにする。
電車、夜、車内の椅子に座る虚ろな眼の少年。ボロボロの爪と服、夜の町。

そこからアパートを仲良く歩いてくる“影”に切り替わり、少年の過程を描き始める。
家族はバラバラのルートで来る。荷物を人のように撫で、カバンの鍵を外すと中から子供が笑顔で出てくるのである。
せまい鞄に押し込められ、まるでペットのように。
階段を走る姿の“元気”さ。この頃は荷物を一緒に運ぶほど仲も悪くなかった、髪をとかす親娘。そういやYOUってマジで歌手だったね。

ただ、子供とはいえ女の一人旅。再会するまでずっと一人で来た。娘の、家族の疲れた表情を少年は見る。

アップの食事場面、子供一人一人に語りかけるような、別れでも言うような視線。
ああ、この女を子供たちを見捨てる。そういう嫌な予感が、緊張が最後まで張り詰める。孕ませた張本人の父親はどっかに行っちまい、母親は一人で子供を育ててきた。この女のストレスも限界だ。
子供のために働いてきた仕事は、唯一子供の面倒を見なくてもいい捌け口・快楽にもなっていたのだろう。

母がいなくても逞しく子供たちは家事をこなしていく。公園での洗濯、風呂、家事手伝い。

それでも中々整理されない箱に入れっぱなしの荷物など、子供たちは限界を目の当たりにして徐々に押しつぶされていく。
バイトやパチンコをしようにも年齢という壁が行く手を阻む。
窓の外の家族へのあこがれ、寂しさ。雨、帰らぬ者の存在、子供が見てしまったタクシー。

寂しさをまぎらわすように一人でキャッチボール、少年も他の兄妹も学校へ行きたい他の人と遊びたい、親に自分を見て欲しい。

生活力を身に着けていく子供たちのサバイバル、周りの人間はその逞しさを“嘲笑う”。直面しないと誰も解ってくれない。誰も知らないのだから。
警察に話してバラバラになる事への恐れ、引っ越しの時からバラバラできてるのだから。バラバラになって生きる可能性よりも、一緒に暮らして死んだ方がマシと思っていたのかも知れない。

大人たちは、犯罪を犯した子供を初めて“見る”。今まで無関心だったのに、監視カメラと子供の顔を覚えていた大人だけは“見ていた”。

時折聞こえるアニメの音声(「地球防衛企業ダイ・ガード」?詳細求む)、ゲーム(「ドラゴンボール」?)、少年たちが立ち読みする雑誌は何なのだろうか(「週刊少年ジャンプ」?)

10円の例に札束を無言で渡す優しさ。

迷う手、子供にすら打ち明けられない孤独、目と目で解り合う孤独な人々、請求書は絵を書く紙になっていく。見て見ぬフリ。

普通の子供たちは変わっていくが、彼等は変われずにいる。赤い血のような口紅。

冷麦、大量のカップ麺、おじやと同じような食事の繰り返し。部屋を綺麗にする気力もない。 

それでも食卓で夢を語り合う子供たちの眼にはわずかな光が残る。
階段を競争する元気、公園の遊具(グローブジャングル)を廻して遊ぶ元気、フラフラでも野球に参加してストレス発散。

冒頭で親と一緒に歩いた大きな影は、真実を知って独り寂しくトボトボ歩く小さな影になっていく。
飢え、とうとう電気も水道も来なくなる、TVの光は消えてラジオの音に、虚しい“お年玉”。

落ちる植木、カップ麺で菜園、流星のように連なるモノレールの光。

揺れる椅子の恐怖、初めて介入した第三者。興味本位か同情か。少年は彼女の姿に自分たちを捨てた母親の面影を思い出す。
軽蔑した筈の者と、優しくしてくれた者が重なる瞬間の戦慄。少年は彼女に母親と“同じ”になって欲しくなかった。

“ちゃん”と“へ”の違い、髪も伸び声も変わる、歩きながらゲームの真似。

少しずつ助けてくれる大人、とうとう大家も登場(でも登場するだけ)、“成長”した事に気付き震える泥まみれの手、泥だらけの服、涙。

ラストは彼等の眼に再び光が宿り、希望に向かって歩むような期待を抱かせる。だがモデルとなった実際の事件を知る者には、あの後姿に絶望を感じるのである。

どうでも良い話、ダイハツのCMで柳楽優弥とYOUが再共演したやつを思い出した。「誰も知らない」の事を思い出しちゃってかなり複雑だった(二人とも良い笑顔だこと)。
すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 9点(2015-06-08 19:32:56)
👍 2
184.ネタバレ この作品での柳楽優弥は、観賞している我々自身の姿そのものではないでしょうか・・・
身勝手な大人や社会の様々な理不尽さに怒りを抱きながらも、今の生活を失うことを恐れ何も出来ずにいる我々の姿を是枝監督は、「それでいいのか?」とあえて激しさを押し殺して静かに映し出しているように感じました。

淡々としたストーリー展開であるのに、緊張感に満ち溢れた2時間30分の観賞でした。見事な映画です。

TMさん [地上波(邦画)] 9点(2014-04-29 00:39:48)
183.《 誰も知らない 》 とは言えど、、、 そんなことはないのにという事実が悲しい。 うちらは観てる ずっと観てる 少なくとも自分は片時だって目を離すことなくずっと観ていたんだから あの子らの一つ一つの動きを その行動を。   でも観てるだけ  何も出来ない せめて生き延びてください 食い繋いでってください 悲しい結末だけにはならないでください  そう願いながらじっと観てるだけ   そして2時間半という一方的に決められた予定通りの時間を迎え、うちらはもう この子らとはお別れをしなければならないんですよね  エンドロール迎えてしまった瞬間がまた辛い。
3737さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-08-06 23:30:38)
👍 1
182.ネタバレ ホームレス中学生と同じく、リアリティを追求することにはあまり意味がないテーマ。誰も知らないわけないし、実際には確実にもっと悲惨な事態になるはずだろうが、そっちをリアルに描いちゃうと、下世話なグロ動画になりかねないだけに、物語を成立させるに必要なご都合主義というところか。まぁしょせん映画だからねーというお約束はおいといて、子役達のあまりにも自然な演技に驚愕。一方、YOUの演じた身勝手な母親はあまりにもリアルで薄ら寒い。気まぐれに母親らしさを見せたと思えば、翌日にはロクに罪悪感も感じずに平然と子供を捨てる女になる。子ども達はそんな母親に翻弄され、年長の者からだんだんと希望を持つことを諦めていく。それでも全ての子ども達が、最後まで母を慕い、心のどこかで母親の帰りを信じている。終盤、過酷な生活を強いられる明がつかのま味わった普通の子供の幸せな放課後…その直後、恐れていたどん底へと叩き落とされる非情な展開に涙。
lady wolfさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-08-10 17:21:41)
181.現代の日本をとてもよく描き出している映画だと思います。 もちろんごく限られた一部分を、ですが。 淡々とした、清涼だといってもいいほどの雰囲気や、 まったく日常のテンションでおこなう、リアルな演技など、 傑作だと思います。
チビすけさん [DVD(邦画)] 9点(2007-12-10 22:15:00)
180.とても悲しい物語。誰かを一方的に断罪するような過剰な説明を排除し、映像の積み重ねと登場人物達(子供達)の実際の成長・変化と役柄上の成長・変化を重ね合わせるというドキュメンタリー的な手法で確実に観る者の心に何かを与えてくれる。何かというのは人それぞれであり、映画とはそういうものだと思う。言葉で伝えられるような一言ではなく、観た者の心に残り続け、ことあるごとにそれを思い出し、人生を変える一つの要素になってくれるような映画。成長の早い子供達を描いているという点でこの作品は製作者の当初の狙い以上のデキになっている筈で、そういう意味で言えば、この作品は映画の神が降りた作品の一つ。子供虐待映画というジャンルがもしもあるとすれば、この作品はこれからずっと比較対象となって思い出される映画だと思う。
Seanさん [CS・衛星(邦画)] 9点(2007-09-14 19:01:19)
179.ネタバレ いま見終わりました。素晴らしい映画だと思います。
しかし同時に相当不快でもある。
私を含めて子を持つ親がこの作品を見て憤りを感じない人は居ないのでは無いでしょうか。

ですが口惜しくもこの監督さんは日本を そしてこの現代社会の本質を良く知っている。
親から見捨てられた子供がどう社会から孤立するか。またどうやって追い詰められて行くか。

鏡を見上げながら歯磨きをする子供。子供を見下ろしはしてもまるで無関心な大人。
冷たく事務的に催促してある日呆気なく止まるライフライン。
裕福で鷹揚な大家。ガサツで高圧的なコンビニ店長。
そして揃いも揃って無責任で甲斐性無しでどうにもならん親達。
確かに陳腐じゃない。リアリティーが有る。

だから非常に不愉快だが認めざろ得ない。
またこれだけ重い題材を普通にサラリと撮ってしまっている所に
作り手の非凡なセンスが光っていますね。

最後に死んだ妹の亡骸を飛行場に埋める明のシーンがこの作品の演出らしい演出でしょうか。
また説明がましいのはこの部分のみですが
明が「以前にも福祉事務所を頼ったらみんなバラバラに成って大変だったからもう嫌だ」
と、さりげなく言わせています。

ラストを見れば彼らはたぶん全員が窮して死んでも自ら警察や福祉事務所には助けを求めないのでしょう。
東アジア随一の先進国と言いながら内実は余りにも未熟で悲しいぐらい平和な日本。
しかしこの子達はこれで良いんだ。死んでもそれまでは自由である方が幸せだ。
だがそれなら最初に実際の事件をモチーフになんて言うな!
と、一喝して終わりに出来ない所がこの作品の憎い所であります。

逆にそういう反応が有るからこそあえて冒頭のテロップは入れたんでしょう。
入れる事により確かに注目度は大きく成り観る人間も多く成る。
しかし出来上がった作品が愚にも付かない駄作ならこの監督さんの評価は大きく下がりますよ。

つまりそこがこの監督さんの世間に向けて仕掛けた部分であり
カンヌをはじめとした多くの海外映画賞受賞に到った経緯でも有る。
そして低劣なマスコミネタで終わるはずだったこの事件をどういう形であれ当時大きく社会問題化させた。
その功績も含めて今回は9点献上します。
一般人さん [DVD(邦画)] 9点(2006-06-02 20:38:38)
178.事実をありのままに伝えるのがニュースの役割であり、事実を大げさに伝えるのがワイドショーの役割だと思います。 では映画の役割とは何でしょうか? 実際の長男の明は、かなり残酷な人間であったようですが、それをあえて善人に仕上げたことを、私は評価します。 現実には、非情な親が存在して、その親の子供たちは、同じく悪の道に進むか、それともトラウマを抱えて自殺するケースが多いのは事実です。 映画の役割とは、このような不幸な人々を、物語のなかで救うことだと思うのですね。 私はニュースには真実を求め、映画という物語には希望を求めたいのです。 監督が、この映画を作るきっかけとなったのは、救いがたい事実をニュースのように、ありのままに伝えるためではなく、不幸な人間たちを物語の中で再生させることだったのだと思いたいです。 つまり、監督はこう考えたのではないでしょうか? 実際の事件では、子供たちが悲惨な生活をしていることは、誰も知らなかったが、物語の中では、実は多くの人たちが知っていたことにしよう。それはあのコンビニの店員であったり、母親の昔の夫だったり、いじめを受けていた女の子たちです。 自分を守ることで精一杯である彼らは、明らかに社会的な弱者だと思います。そういう彼らが、戸惑いながらも、子供たちに救いの手を差し出します。 こういうのを、「捨てる神あれば、拾う神あり」というのかもしれません。 社会の底辺で必死に生きている弱者の温かいつながりが感じられました。 「誰も知らない」というタイトルには、誰もが知っていたという逆説的な意味が含まれていたのではないでしょうか。 監督が作りたかった映画は、厳しい現実の姿ではなく、絶望の中のひとすじの再生の物語だったと信じています。
花守湖さん [DVD(字幕)] 9点(2005-12-08 19:10:17)
👍 5
177.時の流れがとても印象的な作品!マニキュアのこぼし跡、部屋の汚れ具合、髪の伸び方、明の変化・・・・他にも色々とあるけど、この時の流れがある種のやるせなさを一回りも二回りも大きくさせてくれた。子育てにかかわらず、本当に無責任な大人が多い近頃。どうしたらよいか、問題はまだまだ続いて行っているんだという終わり方のようにも感じ、考えさせられますね。押し付けがましくもなく、物足りなくもない。人に何かを伝えるってのはこうやるんだな、としみじみ。うまい。本当にうまい。
とむさん [DVD(字幕)] 9点(2005-12-04 18:35:22)
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【点数情報】

Review人数 196人
平均点数 6.94点
021.02%
100.00%
242.04%
363.06%
4136.63%
5157.65%
62412.24%
74623.47%
84221.43%
93517.86%
1094.59%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.30点 Review13人
2 ストーリー評価 8.50点 Review16人
3 鑑賞後の後味 5.78点 Review19人
4 音楽評価 8.00点 Review20人
5 感泣評価 6.75点 Review16人

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