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1.  CASSHERN
とてつもなく長~い予告編、若しくはビデオ・クリップを見せられた感じ。監督自身が「皆さんが期待されている様な映画ではない」と断言されてますが、確かに私が期待したモノとは全く違ってました。賛否両論あるようですが、私には宇多田氏…もとい、紀里谷氏に映像センスやストーリー・テリングの才能があるとは思えなかった。スタジオ撮影した俳優に安っぽいCG背景を重ねただけで(本作は100%スタジオ撮影でしょう)、合成は大林宣彦の初期作品並の違和感だし、常にエフェクトのかかった画面は非常に鬱陶しい。それに監督のイメージは「カット」止まりで、「シーン」、ましてや「映画」全体のビジョンやオリジナリティがまるで感じられなかった。テロの時代に相応しく、憎悪の連鎖の断絶をテーマにしたのはタイムリーだし、暗いストーリーでも一向に構わないと思いますが、如何せん話がちっとも面白くない…、てか、面白い話をつまらなくしてると思う。とゆーことで、たった(月に)一度のサービス・デーを捨てて、これを選んだ映画鑑賞、こんな映画は叩いて砕く、俺が書かねば誰が書く! (↓)誰でも書いてるってか、…4点献上。
4点(2004-05-05 00:11:35)(笑:1票) (良:5票)
2.  ALWAYS 三丁目の夕日
(ちょい長め) 確かにエピソードがバラけてしまいオムニバス風になってしまってますけど、春夏秋冬それぞれに泣き所が用意してあって、これは見た目以上に巧みな構成だったと思います(これこそ「泣きのエンターテインメント」)。そして何よりも圧倒的なヴィジュアルの力。良く見れば意外と安っぽいCGなんですけど(これは多分DVD鑑賞の為。劇場ではそれほど目立たなかった筈)、映画である以上、見せないよりは見せてくれた方が絶対良いに決まってる。また、小雪や堀北真希さえも、ちゃんと昭和33年の人間に見える所こそ、最近の邦画としてはCGより凄い点かもしれない。デジタル技術を駆使して再現された当時の東京は、リアルでもファンタジーでもなく「記憶の中にある東京」。だからこそ多くの人が共感できたのでしょう(それに、現在の「ニーズ」にピタリと合致した)。そして私は、ハリウッド大作に影響されて「娯楽」と「特撮」にアレルギーを持つことなく育った日本の映画監督が、ようやく日本独自の「大作」を撮り始める時代になったことが感慨深いです。誰も見向きもしない様な作品を「芸術」と称して持て囃し、娯楽映画の作り手を育成してこなかったことによって誰も見向きもしなくなった「産業」が、いよいよ本格的に盛り返してきそうな予感を本作は抱かせてくれました、7点献上。
[DVD(邦画)] 7点(2006-06-28 00:04:26)(良:5票)
3.  バック・トゥ・ザ・フューチャー
これはSF映画ではありません、コメディ映画の最高峰なんです。全てのタイム・パラドックスが「笑い」の要素としてのみ存在し、ハラハラワクワクさせながらも全てちゃんと「笑い」で落としていきます。この考え抜かれた普遍的な「笑い」の前には、今のところどのコメディ映画も霞んで見えます。この映画のお陰で未だにカルバン・クラインのブリーフ履いてます。ただ、公開当時ラストシーンをCMに使った日本の配給会社の担当者の常軌を逸した馬鹿さ加減に-1点。9点献上。
9点(2001-11-06 20:09:49)(良:4票)
4.  千年の恋 ひかる源氏物語
邦画界に於いていつまでも浮世離れしてる東映作品らしい、本当にどーしょーもない駄大作。とにかく古臭い。このダメダメ感は30年前の感覚ですよ。(↓)「ロリコンが喜びそう」という意見もありますが、それよりもババ専が喜ぶんじゃないの? 当時37歳の高島礼子を始め、竹下景子48歳、岸田今日子71歳が濡れ場を演じ、40歳直前の松田聖子が歌って踊り、かたせ梨乃44歳が睨みをきかす。その上、紫式部が56歳の吉永小百合で、清少納言に至っては81歳の森光子かい! ファンタジーにも程があるゾ。そんなことで、三十路になった細川ふみえのバスト・トップに3点献上。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2006-01-19 00:04:15)(笑:3票) (良:1票)
5.  フォレスト・ガンプ/一期一会
アメリカ戦後史の陰と陽、表と裏を淡々と描いていく。ガンプが歴史の表舞台を歩き続けるのに対し、ジェニーはHIVで死ぬまで裏街道を歩き続ける。ただ一瞬のみ、お互いの愛情を確認した陰と陽、表と裏が交わったときに誕生したのがジュニア。そんな非常に切ない物語を、感動させるように作っているのがズルイ。でも感動しちゃいました。だから9点献上。
9点(2001-07-03 13:30:40)(良:4票)
6.  アイ,ロボット
アイザック・アシモフの「ロボット3原則」小説は、ミステリー仕立ての作品が多かったように記憶しています。そんな地味な題材をどのように「SFアクション大作」に仕立てるのか不安もありましたが、アシモフの小説らしいたった一人の自殺に関する捜査から、ウィル・スミスが本領を発揮する「アクション大作」の部分まで、中々巧くまとめてあったので安心しました。事件の真相に意外性はありませんし、ラスト・シーンの意味も良く解りませんが、緻密に描かれた未来のシカゴの描写もあり、私は最後まで充分楽しめました。それにしてもクライマックスの、被写体の周りを縦にグルングルン回るカメラ・ワークは「あずみ」の影響でしょうか? 観辛いだけで、演出上の効果があったとはとても思えないんですけど…。ということで、6点献上。
6点(2004-09-03 00:07:24)(良:4票)
7.  未来世紀ブラジル
ファンタジックでダークなテリー・ギリアム独特のアイロニーより、一見オーソドックスな全体主義的世界観に見えながら、実は「マイノリティ・リポート」以上の正確さで未来を予見した(現在で言えば現実的な)背景描写に驚かされた。ボトックス注射等で既に一般化している若返り施術(とそれに殺到するハイソなマダム)、一人一台に普及した端末で上司の目を盗んで行われるネット・サーフィン(劇中では映画鑑賞)、極端に進んだセクショナリズム、融通の利かないマニュアル化されたサービス業(とモグリの仕事)、日常的なテロ活動、etc.…。正直、初見時は大して印象に残らなかった(てか、理解できなかった)んですけど、再見して本当に驚きました。これは21世紀の今観てこそ真価の解る作品じゃないでしょうか、8点献上。
8点(2004-08-19 19:39:41)(良:3票)
8.  PROMISE プロミス
(ちょっと長めに監督、心の声) 李安の野郎、地味なホームドラマばかり撮ってたのに、「臥虎藏龍」たった一本でハリウッドの巨匠の仲間入りかよ。蒋介石の落人のくせにアカデミー賞候補にまでなって、うまいことやりやがったなー。畜生、「温柔殺手」なんか引き受けるんじゃなかったぜ…。こうなったら俺も武侠映画を撮ってやる。うかうかしてたら張藝謀に美味しい所を持ってかれちまいそうだからな。そういや、奴の「十面埋伏」は香港スターと日本人を使ってたな。だったら俺は韓国人も使って、東アジアを制覇してやるぜ。そうだ、「武士」に出てた奴隷をそのままパクって使おう。名前は知らんが人気はあるらしいからな。ヒロインだって章子怡よりずっと美人の張柏芝を、更に美人に撮ってやる。ついでにダミ声も矯正してやる。それに、李や藝謀みたいに芸術振ったアクション映画も流石に飽きられてるだろうから、俺は心の師・徐克を目指すんだ。伝統ある本物の武侠映画スタイルを世界に示してやるぜ。どんなに馬鹿馬鹿しい映画になろうと、俳優を火達磨にしようと構うもんか。俺はカンヌのパルムドールを獲った陳凱歌なんだ! …3点献上。
[DVD(字幕)] 3点(2006-09-01 00:06:09)(笑:2票) (良:1票)
9.  セクレタリー
自虐趣味の女性が秘書として勤め始めた事務所で加虐趣味の弁護士と出会い、自虐を被虐と愛情へと昇華させて幸せを掴むという純愛ストーリー。女性が虐められる事でどんどん美しくなり強くなり、また、自らの性的嗜好を積極的に受け入れていくのに対し、男の方は自らの性的嗜好が後ろめたいのか、ここでも今一つ煮え切らない(怒り=加虐欲求=性的欲求が頂点に達した時のジェームズ・スペイダーの演技が爆笑もの)。見方によっては、男の方が女によって解放される物語とも取れます。美人秘書が卑猥な調教をされてしまうのではないかという勝手な期待は少し裏切られましたが、好きです、こーゆー話。で、6点献上。
6点(2003-12-29 21:58:21)(良:3票)
10.  電車男
(ちょい長め) 「奇跡のラブストーリー」という謳い文句でしたけど、テレビ局のやっつけ仕事的便乗企画作品としては、正に奇跡的に面白く仕上がってると思います。叩かれても叩かれても、ひるむことなく映画製作に投資してきたフジテレビには(ま、叩かれて当然の作品ばかりでしたが…)、現在に至り、並の「映画会社」が足元にも及ばない才能やノウハウが蓄積されているのでしょう(更にはドラマ制作やマーケティング等の力もある)。撮影がどうとか演出がどうだとかは、所詮、一般からズレた「映画ヲタク」の戯言でしかなく、本作はそんな「ニッチ市場」に向けて作られた訳じゃない。誰も本作をベルリン映画祭に出品するつもりなんか無いのです。それにラヴ・コメディは、多かれ少なかれ全て妄想系(「ブリジット・ジョーンズの日記」の方が電波度高し!)。デートの途中で映画館に入り、笑って泣いて、出てきた時に二人が暖かい気持ちになってれば、それで3,600円分の使命を果たしたことになる。そういう意味で、この映画は十二分に成功作と言えるでしょう、6点献上。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-06-09 00:03:02)(良:3票)
11.  ヒトラー 最期の12日間
邦題では「ヒトラー」を前面に打ち出してますが、内容は「第三帝国最期の12日間」。敗色濃厚な軍事政権がどういう末路を辿るのかを、淡々としたドキュメンタリー・タッチで見せてくれます。私が感銘を受けたのは映画本編よりも、ラストに登場するトラウドゥル・ユンゲ本人のインタヴュー。とかく我が国では戦時下を描く場合、「大空襲の悲惨さ」「被爆の悲劇」「横暴な憲兵や軍人」等を取り上げ、「一般国民は戦争の被害者である」ことを強調する場合が多いと思う。本作を観れば被爆を除いて、ナチス・ドイツも同じだったことが良く解る。しかしユンゲは語る、「私にも責任がある」と。その通り。ヒトラー一人では決して戦争は起こせません。国民一人々々の支持があってヒトラーも戦争が起こせたのであり、それは我が国も同じこと。もちろん多くの日本人が戦争被害者であったことに変わりありませんが、同時に加害者でもあったという視点も忘れるべきではありません、7点献上。
[映画館(字幕)] 7点(2005-08-26 00:10:10)(良:3票)
12.  活きる
ぐうたらな主人公が生きてこれたのも、ぐうたらであるが故。破産したお陰で命拾いし、主義主張が無い所為で命拾いし、良い仕事を求めなかったので命拾いする。逆に借金の形で家を得た者は死に、共産主義に傾倒した者は自己批判させられ、党で出世した者は破滅する。これは勤勉を是とする共産革命に対する最大の皮肉。そして主人公夫婦から子供を奪うのも共産革命。大躍進政策が無ければ息子は死なず、文化大革命が無ければ娘も死ななかった。町並みはその間一切変わらず、変わるのは壁に貼られるポスターだけ。共産革命と共産政権は市井に生きる人々に何ももたらさず、ただ奪うのみ。それでも主人公は最後に言う、「これからもっと良くなるさ」と。その通り。そう思うことが「活きる」秘訣なのです、8点献上。
8点(2004-07-29 11:15:35)(良:3票)
13.  シベリア超特急
≪コンプリート・シベリアン・エクスプレスPart 1≫ 興行されてはいますが、これは商業映画ではなく、完全な自主映画。その時点で「北京原人」や話題沸騰の「デビルマン」等とは根本的に違う。しかも、これをここまで駄作たらしめてるのは、全て「映画」を作ろうとする熱意。同じ自主映画でも、未だにヌーベル・バーグを気取った「ビデオ映画」を撮ってる馬鹿者共に比べれば、遥かに素晴らしいことです。この映画が(↓)こんなに愛される理由も、ここにあるのだと思います。ところで私が観たのは、本編が「劇中劇中劇(?)」となるバージョン。驚きよりも脱力感を醸し出す二重のどんでん返しには、あきれるよりも、何か嬉しくなっちゃいました。戦争とは全然関係の無い、個人的日常会話で締められたのも良かったです、5点献上。
5点(2004-11-12 00:51:35)(笑:1票) (良:2票)
14.  スパイダーマン2
(ちょっと長文) 前作をコミック化したタイトル・バックからパワー全開。サム・ライミも超大作に慣れた所為か、彼独特のダイナミックさを残しつつも前作のB級的演出は少し影を潜め、より堂々とした風格を作品に与えています。今作で特筆すべきは脚本だと思う。大義と愛情、欲望と自己犠牲、そして現実と理想の間に苦しむ極普通の青年の物語を基本に、ストーリーはピーターとMJ、そしてハリーの三人の間だけで進んでいく(Dr.オクトパスは完全に物語の外)。この暗く小さな青春映画は、しかし「CASSHERN」の様にはならない。シリアスなシーンをダラダラ見せる愚は犯さず、絶妙なタイミングでアクションやユーモア溢れるシーンに切り替え、よりテーマを浮かび上がらせることに成功している見事な脚本です(と同時に、物語が完結していないにも関わらず、ちゃんと一本のヒーロー映画になっている!)。本作で一気に核心へと迫った三人の関係に、次作ではいよいよ決着がつきそうな予感。その期待値も含めて、8点献上。
8点(2004-07-03 22:41:51)(良:3票)
15.  ラスト サムライ
物語としての出来は本国での比較的芳しく無い評価に現れていると思います。私も「ラストサムライ」はトム・クルーズの事を指しているのだとばかり思ってたので、彼が単なる狂言回しで終わってしまった事には、私以上にアメリカの方々は拍子抜けされた事でしょう。では、何故日本でここまで評判が良いのかと言うと、テーマが日本人の超大好きな「忠臣蔵」と同じだからです。ここまでまざまざと(日本の)観客自身を日本人と意識させる映画がハリウッドからやって来たというのにも驚きましたが、当時の日本の孤立主義・軍国主義へと繋がっていく「武士道」なる物を、アメリカ人の視点から「肯定的」に描いたという事にも大変驚きました。と同時に、アメリカ製の戦争映画というだけで拒否反応を示し、ほんの少し散りの美学を描いたというだけで本作を礼賛してしまう様な、思考停止状態の論調の台頭には少し危険も感じます。ま、なんだかんだ言っても、一日本人の私にとっても今迄の所、本作が2003年度No.1映画であることには違いありませんけどネ、8点献上。
8点(2003-12-29 22:03:20)(良:3票)
16.  EUREKA ユリイカ
217分という長尺やセピア調のモノクロ映像を鑑みると、作家の方が観客を拒否しているようにしか思えない。映画芸術は作家性と娯楽が融合した時にこそ「傑作」足り得ると考えている私は、逆に勿体ない映画だなぁと思ってしまう。妙な緊張感が映画を支配しているので、私の嫌いな遠景長回しの連続でも決して退屈はしませんが、この内容ならば無理矢理カットしなくとも150分以内に抑えることができた筈。PTSDからの再生の物語にしても中途半端にファンタジックで中途半端にリアル。ということで、ちょっと厳しいかもしれませんが6点献上。
6点(2002-03-17 13:15:24)(良:3票)
17.  コンスタンティン 《ネタバレ》 
「コンスタンティン・エピソードⅠ/禁煙」って感じでしょうか(禁欲は既に実践してる様なので、次回は多分「エピソードⅡ/禁酒」。回を追う毎に戒律が厳しくなっていきそうな気がする…)。原作に拠る所が大だとは思いますが、悪魔への脅迫が贖罪だったり、地獄にも聖書(この場合、邦訳は「悪書」か?)があったり、最終的にサタンが救世主になったりと、中々面白い設定をしっかり物語にしてる良作だと思います(しかも、意外にも演出が控え目なのです)。一番の設定は、多かれ少なかれ宗教の基本的考え方ではありますが、この世が苦役であるという点。その苦役、つまり人生を全うした者だけに天国の門は開かれ、誘惑に負けたり逃げ出したりした者は地獄に堕ちる。そこに現世利益などあり得ない(現世利益を約束する新興宗教には気をつけましょうネ。正に「悪魔の囁き」かもしれません)。サタンもコンスタンティンの命を救うのではなく、天国に渡したくないのと同時に、苦役を長引かせる為に生かすのです。それを極端化したのがガブリエルの思想。だから彼(彼女?)も単純な悪ではなく、あながち間違ってもいない。次回はまた新たなヒロインが登場し、恐らくパートナーはガブリエルになるのでしょう。また、エンド・ロールの終わりまで観てないと、次回で少し戸惑うことになるかもしれませんね。そういうことで、長くなりましたが、7点献上。
[映画館(字幕)] 7点(2005-04-19 00:10:28)(良:3票)
18.  スモーク(1995)
ロバート・アルトマンのような辛辣な視線も、ポール・トーマス・アンダーソンのような溢れる激情もない、例えて言えば近所のスナックに来る常連客のような連中が織りなす日常の群像劇。なのに登場人物達それぞれのエピソードと人となりが脳細胞の一つ一つに染み入って、深く静かに感動させてくれる名作。ポール・オースターの生活者への愛情溢れる脚本とウェイン・ワンのオーソドックスで暖かみのある演出と映像、うまい役者達の、そこにいれば声をかけたくなるような演技。雑踏の効果音等もブルックリンの街角にいるような気にさせてくれる程のこだわり。人と人との繋がりの大切さを教えてくれる素晴らしき日常生活に、10点献上。
10点(2001-10-14 16:52:24)(良:3票)
19.  告発の行方
例えば飲み会で、酔った男が場を盛り上げようと裸踊りをしてもレイプされることはない。では、場を盛り上げようと酔った勢いでセクシーダンスを踊った女性はどうなるのか? レイプという究極のセクハラで判りにくくなってしまっていますが、この状況は、飲み会で場の雰囲気に合わせて身体を寄せてお酌してくれた女性に気を良くした男が、ついその女性のお尻を触ってしまうことと、そう遠くはない。この場合、「酌をした女性の方が悪い」とは誰も言えないでしょう。この映画のジョディ・フォスターについても同じことです。どんな状況であってもレイプはされた方ではなく、した方が100%以上悪いのです。映画は、題材の割りにそんなに優れているとは思えない並の法廷劇ってことで、6点献上。
6点(2002-07-19 18:47:39)(良:3票)
20.  永遠<とわ>の語らい 《ネタバレ》 
(私もちょい長め) これ、ラストが無かったらホントに唯の(しかも少々退屈な)地中海クルーズ映画。比べるのも何だけど、作品の印象としては「DEAD OR ALIVE/犯罪者」に近い感じか。マノエル・デ・オリヴェイラとしては、確かに「世界情勢」のメタファーも意図したんでしょうけど、私自身はもっとドメスティックな皮肉(もちろんポルトガルにとって)を感じました。この母娘の史跡巡りは、言い換えれば戦場跡地巡り。未来を担う子供は、その地を踏む度に教訓を得ようとしてるのに、インテリで能天気な大人は「それは遠い過去のこと」と繰り返すばかり。自国の国力や文化の自慢大会と化している「西側クラブ」への入会も、一旦は辞退するものの“captain”のプレゼントに抗しきれず、半ば強制的に参加させられてしまう(この時、ポルトガル語だけが放棄させられる)。そしてポルトガルは「アメリカからの贈り物」によって危機に見舞われ、初めて「それは遠い過去のこと」ではなく、「今現在も続いていること」であると悟るのです。しかし、全ては遅きに失する。エンドロールが終わるまで映し出されるジョン・マルコヴィッチの表情こそ、目の前で起こってしまったことを理解できない「善意のアメリカ人」の顔なのです、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-05-13 00:04:16)(良:3票)

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