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コメント数 644
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ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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121.  ショート・サーキット あら。いまふとここを見てみたら、続編の方がちょっと点数高いでわないの。オイラも同感です。本作のジョニー5も確かに可愛いけど、バダムの手の中ではまだ魅力全開とは行かないねえ。もち、バダム節も大好きなんだ (詳細はブログにて)[映画館(字幕)] 6点(2007-06-11 02:18:47)

122.  夜明け前(1953) 《ネタバレ》 戦中・戦後的な枠組では「神道=右翼」なワケですけど、神道が誕生した幕末時代には「自由主義思想」だったんすな。国学派がセッセと古文書なんかを紐解いちゃって古代へ、古代へと遡って行った結果、国学末期の平田 (詳細はブログにて)[映画館(邦画)] 7点(2007-06-09 23:45:54)

123.  明日へのチケット なんか、もっと各作品の人物が絡むのかと思ってたら、意外とアッサリ系な処理でしたな。 (詳細はブログにて)[映画館(字幕)] 7点(2007-06-08 19:30:36)(良:1票)

124.  頭山 初めてのブログ連係レビューなんだからと『話の話』や『道成寺』をレビューしてみようと思ったんだけど、一言も書けない。格が高すぎました(笑)。ちょっと敷居を下げてこのあたりで…以下はネタバレ含みで。ここが (詳細はブログにて)[DVD(邦画)] 7点(2007-06-08 00:52:01)

125.  ドッジボール 激しく困った。こんな映画でレビューに困るとは思わなかった(笑)。4±4点って事で。もしかしたら8点かもしれないし、0点かもしれない。深い意味があるのかもしれないし、ないのかもしれない。オーディオコメンタリーでさえも本音を出さないので、製作意図を図りかねる(しかも2バージョンもありやがる! …隠しバージョンは疲れて聞いてない…)。こんなに煙に巻かれた映画は初めて。ある非常に限られた意味で、本作はミヒャエル・ハネケ作品を超えたのかも知れん…いやいやそんなバカな(笑)…あああああ~頭痛が~! ●2007/6/3 追記: あれからもう十数回観返した。なので、そろそろここで断定する事にします。本作は10点! この、ギャグのバランス感覚と密度、夫婦の配役、キャラクターの巧さ…完璧です。 オイラが一番好きな、笑うに笑えないコメディーのド真中。[DVD(吹替)] 10点(2007-06-03 21:42:15)《改行有》

126.  あるいは裏切りという名の犬 相変わらずというかいつも通りというか、映画館であんまり画は観ない。代わりに音楽を聴く。 本作では冒頭の音楽のミスリードぶりにヤラレて、最初の1時間はほとんど音楽のみに集中してしまった(まあ主演二人の鼻は別として)。この映画の音は甘い。とてつもなく甘い。普通この手の作品でリズムを刻まない音楽を入れないわけがないのだ。なのに、こんな甘いメロディに耳を委ねる心地よさが、フランスらしいドライで残酷な物語を中和させ、観る者の心を最後まで引っ張って行ってくれる。本作はストーリーや宣伝のターゲットと違って、女性の観客にもオススメだろう。劇伴としてとてもいい仕事だと思う。 というワケで、宣言したい。 この作品は『東京ゾンビ』と志を同じくした音楽哲学で綴られている! …あっそこ石投げない![映画館(字幕)] 7点(2007-05-23 18:30:38)《改行有》

127.  スパイダーマン3 『神童』の2回目を観るつもりだったけど、時間が合わず渋々コレに。アゴを外しました。ブルース・キャンベルには「ジョン・クリーズの跡目を継ぐ気か?」と苦笑い。一番凄かったのは画面の中ではなく、画面の外の戦い。ソニーの製作陣と監督との突っ張りあいの傷跡が凄い。サム・ライミはかけがえのない、骨のあるバカだぜ。 ちょっと別の話をしよう。 1991年、リーナス・トーバルズが Linux カーネルの最初のコードをネットへ投稿した時、それは邪道の塊だった。UNIX の掟を破ってアセンブラを埋め込みまくり、もちろんネット上では「論外」の烙印を押された。だがこれは世界で初めて実用になる可能性を持った、386 系 MMU の力を引き出せるフリーソフトなのだ! このコードを OS へ発展させるため、ギークたちが群がった。開発は爆発的に進み、2年後には実用になる UNIX モドキが生まれて、これがカーネル 0.9 と呼ばれるバージョンだ。カーネル 2.0 で elf を、その後ルーティングから USB 対応まで様々な先進機能が盛り込まれる。この時点では既に大手企業やNSAが動き出しており、ページング効率化や、フック利用のセキュリティ等が巨大組織の手で実装され始めた。世間では Windows 98 が売れに売れていたが、現在の逆転の構図は、既にこの時期に仕掛けられていた。 この頃からリーナスは「奥の院」へ入るようになる。コメンテーターとしてマスコミの前へは出るが、開発にタッチするには利害関係や動く金額が巨大で、複雑になりすぎていた。彼の言葉ひとつで、とてつもない額が世界中で動き回るからだ。彼は現在、「"NO" を言うのが主な仕事だ」と言っている。利害が膠着した開発サイドの最終的な「神の声」という事だ。実際、彼の言葉で「学者や企業の玩具」になるのを何度も免れている。Linux は政治的に灰色のOSに近づきながらも、個人ユーザから離れていく事はなさそうだ。 チープな巻末1ページの掲載から始まったスパイダーマン。ソニーの押し付ける《A》シナリオに対し、ライミは頑固に安っぽいコミックへの愛を叫ぶ。画は固定したコマの、ギトギトのメロドラマ、頭の中で台詞をフキダシに置き換えて観てほしい。台詞の長さ、フレームの空き具合…バッチリだ。流星が Veeem! って叫んで落ちてるしな。ここまで映画を捨てたのは凄い。 そもそもマンガってのは安っぽくなきゃイカンのヨ。-6点はコロンビアに。[映画館(字幕)] 4点(2007-05-21 21:02:29)《改行有》

128.  ディープ・インパクト(1998) 《ネタバレ》 本当は小ネタ欄でいい話だが、知らない人が多いようなので、ちょっと書いておきますか。 本作は2つの原作を強引に接着して製作した、SFに対するレイプのような映画。 片方は50年代の古典的名作『地球最後の日』。原作者はスーパーマンの元ネタ『闘士』の作者として知られるフィリップ・ワイリー。この原作では、太陽系重力圏に捕らえられ刻々と地球へ迫ってくる遊星の恐怖が丁寧に描かれている。本作の地上パートと思えばいい。 もう片方はSF界の御三家の一角、アーサー・C・クラークの90年代作品『神の鉄槌』。三体問題の当然の帰結として地球へ衝突する運命にある小惑星をぶっとばそうという、英国流破滅SFの流れも汲んだ紳士のアルマゲドン。本作の宇宙パート。 で、思いっきり並行して描かれる地上と宇宙が、まったく別の物語になってて、これ凄すぎです。シュールすぎます。元々が木に竹を接いでるわけで、その合わない継ぎ目のガタガタした感じがたまらなく変(というか…やっぱり凄い)。 だって違う小説を、しかも戦後直後の大らかなSFと90年代のハードSFを、1章づつ交互に読んでるのと同じなんだよ! これで両者に通じる何かが見えてくれば話は別なんだが…まあ一応、人類愛というくくりはあるね。 この映画、地上パートと宇宙パートの連携があまりに粗雑なので、異なる映画のツギハギだと思って観る事ができてしまうし、一度そう思ってしまうと「映像モンタージュの力ってすげえや」と思わないワケにはいかないね。 フィリップ・ワイリーはコミック『スーパーマン』にネタをパクられた上に内容まで改変されて(ワイリーの描いたのは、どれだけ善行を重ねても世間に理解されず、神に幸福を乞いながら消滅していく超人の姿でっせ)、作家としてかなり悲しい目に逢ったわけだけど、死後も第2の代表作でこんな扱いされるなんてなあ…報われないお方です。[映画館(字幕)] 3点(2007-05-19 19:48:15)(良:2票) 《改行有》

129.  ナビゲーター ある鉄道員の物語 偽りようのない技術の真実を、ユーモアに包んでソッと差し出す。ジャズがとても心地よかった。 これに10点をつけずにどうする! …て気がするけど、とりあえず9点。 色のバランスがイギリス風にメカニカルな映画だ。画面の中で、常に白と青とオレンジがせめぎ合う。そして白い部分が、クライマックスでは全て闇に。この画面設計の意味がまだわからない。オレンジを赤に変えれば、この3色はユニオンジャックの構成要素。そして赤は血の色だ…ここまでは気付いているんだが。とにかく画面を圧迫する青が圧倒的で、美しい。ちょっとハネケ風の解釈をしたくなるかな。 内容はもう、技術的に足腰の弱っている現代社会の裏側、どうして病巣が広がったかというメカニズムを切り出した「再現ドラマ」だと言っていい。 福知山線の事故に留まらず、佐世保造船の大火災、福井原発・もんじゅの事故、北見のガス漏れ…全て源泉はここにあって、我々は安全な社会に住んでいるわけではなく、安全と報告されている社会に住んでいる事がよくわかる。社会インフラの保全技術はもう崩壊寸前で、あと1世代保てばいい方じゃないだろうか。 ケン・ローチはこの世界同時多発現象の根に、「連帯の崩壊」を置いた。 新人だった頃、とあるシステムに参加した事がある。こいつが10年後に事故った。もう独立して全然違う仕事をしていたが、原因がわかるまで飯が喉を通らなかった。3日くらいだったと思う。以来、人の命を預かるモノをやる時は、納得が行くまで上部組織に噛み付き続けるようになった。もちろん事故があって電話が来たら、何をしていても即座に飛べるよう日々覚悟をしている。でも結局、何かあっても個人にやれる事なんてたかが知れてるのだ。疲労困憊して、いつの間にか人情をなくし、自己保身に走っている自分に気付くのがオチだ。 ローチは人が人でなくなっていく、白が暗黒に塗り込められていく過程を批判的に描いているが、時代はまた巡るだろう。誰もが責任を持っている。それが「仕事」に対してではなく、「社会」に対してだと、再びみんなが気付く日が来るのを信じて、今も生きている。ちょっと愚かになってしまったシステムだが、捨てたもんじゃない。設計を見直せばまだまだイケる。 ●追記: 調査不足でした。この映画、凄いわ! 詳しくは小ネタ欄に…。[映画館(字幕)] 9点(2007-05-18 20:03:23)(良:1票) 《改行有》

130.  ルナシー これ以下はビタ一文まからん。 これじゃ現実の方が虚構だ。 いやま、チェコにとってはそうだろう。今のご時世、ヤンは乾いた笑いが止まらないに違いない。 ●追記: ああっもうダメ! サド侯爵がひょうきん族時代のビートたけしにしか見えない! (^^、 「哲学的ホラー」が、脳内で「バラエティ番組のコント」に自動変換されてしまう![映画館(字幕)] 10点(2007-05-16 22:28:31)《改行有》

131.  急げ! 若者 TOMORROW NEVER WAITS 《ネタバレ》 映画製作当時に観ていたら「てやんでェばっきゃろう!」となっていたはずの70年代アイドル映画も、これだけの歳月が過ぎれば冷静に評価できる。 この話は凄い。若大将シリーズの脚本家・田波靖男が製作/脚本というのが既にトリックのようなモノで、「こうあってほしいアイドル映画」をどんどんずらして行く。 孤児院を巣立った4人の若者が、それぞれに夢を見ながら厳しい社会で働き、歌を録音してはレコード会社へ送って…となると、その先の展開は決まりのはず。なのに、既に冒頭シーンから始まっていた微小な揺らぎが次第に大きくなり、サクセスストーリーと並行して不和・盗難・暴力団・ゆすり…と、無視できない規模になってフォーリーブスへまとわりつく。こんなアイドル映画はありえない。 大団円を期待する観客の心理を巧みに誘導する確信犯ぶりが素晴らしい。ラストでは見事に「歌手」と「歌」の相互に見つめ合う関係を絵に納めている。 シンデレラ物のお約束として、名のある人に認められるキッカケが必ずある。いわゆる現実とファンタジーの境界線を越えるエピソードだ。本作では自作のテープの放送を強行するため、ラジオ局に忍び込むシーンがそれで、ラジオパーソナリティとして二瓶正也が本人役で登場。この配役が絶妙で、「ウルトラマン」で誰もが知っている二瓶正也のマヌケぶりが見事にかぶり、ファンタジーへの境界線を知らぬ間に越えている。このラジオ放送を聞いてコンタクトして来る芸能プロ社長が、岡田真澄。真顔の濃い演技で、コミカルな色合いは消え、フォーリーブスの仮想空間は見事に確定する。 途中の展開で凄いナと思ったのは、疾走したメンバーを発見した感動の場面が、ミュージック・クリップ風に描かれて、ストーリーが消え去ってしまう部分。おなじみの手法だが、本作のは半端じゃない。歌と踊りに混じって撮影の合間のオフショットを入れる、練習風景を入れる、つまり物語は消滅して、この映画自身のメイキングフィルムに変わる。虚構の破れ目が覗くメタフィクションだ(このパートに対してもオチが用意されているのが凄い)。 アイドルを餌に、かなりの実験をブチ込んだ本作。実際のフォーリーブスの軌跡をたどると、あながちウソとも言い切れない部分があるのが、また恐ろしい。[映画館(邦画)] 8点(2007-05-16 14:22:52)《改行有》

132.  神童 《ネタバレ》 原作知らない、って以前にもう、何がなんだかわからない意味不明世界に翻弄され、気がつけば終わっていた。心の中で評価がどう変化していったかというと、3点→0点→マイナス5点→0点→5点。とにかく、音楽映画としてはまるで「なってない」。本作をドイツとオーストリアへ持っていけば、間違いなく嘲笑・黙殺・非難・悪魔祓いの憂き目に会うだろう。予言する。 カメラが演奏中のピアノをナメる。白と黒の鍵盤の上を踊る指が画面の下側に、そして中央にはフタの裏側に刻印された「YAMAHA」の文字が映り込むよう、何度も、何度も…その時点で「もうダメだ」と思ったんだが、それを遥かに下回る知能の低さなのだ。凄いのだ。仮にもヤマハの名が出る以上はキープしているであろう音楽的な演出がゼロで、ピアノのBGMであるべきトコロが弦で、縦糸はあっても横糸は無く、頑張っても四重奏がせいぜいで、従ってテクスチュアなんぞあろうはずもなく、テーマが力強く現れる事もなく、最後の演奏会にもつれ込み、そこで、そこで椅子の高さのエピソードが出てきてやっと気がつくという始末。 彼女はグレン・グールドだったのだ。当然というかオイラはミカラ・ペトリやアンネ・ゾフィー・ムターを想像していた。だがそうでもあり、やっぱりそうじゃなかった。グールドだったのだ。 だったらそこはバッハでなければならない、と当然のようにオイラの中の音楽が囁く。だがそうではない。ここはモーツアルトが正しい。これは音楽の話ではなく、ピアニストの話ではなく、夭折したグールドの物語なんだ。音楽を切り取って外側から描いた、例えばそう、「エッシャーの絵」がそこにあるんだろう。 これは日本の演奏界の袋小路を描いているかもしれないし、単にノーセンスでヤマハを糞まみれにして葬る映画かもしれない。そんな事は、どうでもいい。音楽になっていない映像の中に、確かに音楽を聞いた。監督の意図なんてどうでもいい。屑の塊が音楽になっている。それを聴いた。幻聴と言うなら言え。 それにしても、ホント村治佳織に似てるわ…。[映画館(邦画)] 7点(2007-05-14 20:31:46)《改行有》

133.  ウェイキング・ライフ 《ネタバレ》 『スキャナー・ダークリー』を観逃しちゃってガッカリしてた矢先、中古ショップで720円の『ウェイキング・ライフ』を発見! ウハウハしながらレジに駆けたという…ちなみに、一緒に買った『ツイスター』は580円でした。世の中って素晴らしい。 本作は実験作だし、失敗してるシーンも多いので点は上げられないですが、好き・嫌いの別で言うと猛烈に好き。言葉で埋め尽くされた世界が、何ともエキサイティングだ。 技法的には単純に映画へデジタルペイントしただけ、と思ってたのに、様々な技法を使って手の込んだ絵を見せてくれる。絵のレイヤを全部揺らしながら進行する場面なんかは、普通動かないモノが動くのでかなーりクラクラ。 だが大ざっぱなアメリカのアニメだから、こういう状況下で平気でカメラをパンさせたりしてスムーズなアニメーションを壊してしまう。コマの繋ぎがわかってしまったら、こういうアニメは醒めてしまう。動画をスムーズに動かすノウハウに関してはまだ日本が先を行ってるだろうな(『スキャダー』観るまで結論出すのを保留しますが)。 ストーリー的にはコレでいいんじゃないすかね。一般人狙ってないし。キルケゴールやサルトルが何者か知ってる人限定、『わが涙流れよ、と警官は言った』の名が出てパッとキャラクターが思い出せる人限定。 つまり…よく日本でDVD出せたなコレ。日本語吹き替えまで付けちゃって。こういうバカも尊敬に値します。[DVD(吹替)] 6点(2007-05-12 12:41:09)《改行有》

134.  麦の穂をゆらす風 《ネタバレ》 イギリスのジョークで「英国人は座って考える。フランス人は立って、アメリカ人は歩きながら、アイルランド人は後から」というのがある。そういうアイルランドの国民性は随所にあったと思う。 んが、ほぼ終わりの方まで「こりゃ4点だね4点」と思いながら観てた。 歴史のお勉強に近いし、このあたりはとりあえず高校の授業でもやってる内容。むしろ第一次大戦に勝ったのに敗戦に近いダメージを被った英軍の兵士とか、そういう「敵」の顔が見えないのが嫌だったかな。 石壁を背に若者を立たせ、見せしめでその中の数人を殺しておく「間引き」なんかは小説にはよく出てくる光景。街区でのお隣さん同士の銃撃戦も、アイルランドのトレードマーク。これに黒ビールと長い議論が加わればほら! IRA歴史映画の出来上がりじゃん! …そんな感じがするんですよね。後の北アイルランド解放テロに結びついていく「頑固なアイリッシュ魂」は感じた。 ところが、終わり近くでダミアンを説得する兄の言葉から、それまでの思考の流れが見えてきて、ビデオを巻き戻すみたいにガーッと兄テディの主要シーンが蘇ってきた。弟がロンドンに行く時、一人止めなかったテディ。弟がレジスタンスに加わった時、一人黙って臍を噛み続けたテディ。拷問の痛みに耐え、それから言動が変化していくテディ。 痛みを知った者と、知らない者の差がこれほどまで大きいのは…当然かな。オイラは兄貴に感情移入せざるを得ない。嫌な奴だが、それが人間だ。 「兄弟の相克」という内容から、『ケス』のテーマの発展形だとも言える。そういう観方でも、充実した面白いものがあったと思う。歴史映画としては平凡だと思うけどね。 ●追記: ウィキペディアで調べて、テディの顔がマイケル・コリンズにソックリだったのを知る。なるほどね! 他のキャラもモデルがいるんだろうな…。[映画館(字幕)] 7点(2007-05-11 17:45:00)(良:1票) 《改行有》

135.  硫黄島からの手紙 こりゃわかんねーなあ。本当に。 米国の観客に、イラクと重ねて観る事を強要してるとしか思えなかった。とりあえずは『星条旗』と同じ点数。でも、DVDで見直してもっと下がるかもしれない。 ナチ側だけから見た『パリは燃えているか?』みたいな感じもするし、何度も広瀬正の『マイナス・ゼロ』を思い浮かべた。戦前文化の最後のともし火というか、そんなものは感じる。 でもこれ、イラクと重ねる以外にどういう観方があるの? …と問いたくなる。[映画館(字幕)] 3点(2007-05-10 22:33:36)(良:1票) 《改行有》

136.  ケス 《ネタバレ》 主人公ビル・キャスパーの生き生きした表情、子供っぽい思考。それが微妙に変化していくのが見もの。彼を認めた教師は、最後はほとんど同業者としての対等な立場で彼と話している。 ケスとの出会いが、少年を《親》にし、次に《教師》にする。 最後に苦いラストへ持っていくのはディナーの皿に残ったパセリみたいなモンで、あんまり気にならなかった。 んが! マンチェスター・ユナイテッドのサッカーは、ありゃ何だ(笑)。全体の硬質でクリスタルな感じの展開より、ケン・ローチのユーモアセンスの方が衝撃でした。ローチも結局はモンティ・パイソンの国の人間ですなあァ。[映画館(字幕)] 8点(2007-05-10 22:14:24)《改行有》

137.  ゲゲゲの鬼太郎(2007) 蛇口故障。自分でも呆れるほど泣いて、終わりの方では嗚咽も漏らしちゃって…子供がいっぱい観に来てた中で、猛烈に恥ずかしかったというか。 予告で「泣くかもなあ」という予感はあった。 ちゃんとした鬼太郎の物語としてこなれてはいるんだが、今回の鬼太郎は、舞台がちょっと違うのだ。作中で明示はされないしロケ地は全国あちこちに散らばっているんだが、間違いなく東京の霊山・高尾の話。 森・霊園・土地開発・団地・列車の車庫・天狗と狐と烏・トンネル・そしてあの土地独特の霊気に満ちた空気(要するに湿度が高くて霧が出やすいだけなんだが)、そんな高尾周辺のアイテムで覆い尽くされていた。冒頭の森の、あの空気を観ただけで泣くやつは泣くだろう。オイラは1カット目で既に涙が出ていた。 あの特殊な空間と土地の精神を、よくここまで統合して映画に放り込めたモンだと思う。あそこに住んでない人は、映画を観てから一度訪ねてみて頂きたい。本作の空気からすると、桜の咲く頃から梅雨明けの時期までがいいだろう。多分、風景は全く似てないのに、空気だけが激似で驚くと思う。あと、ゲゲゲの森は黒部湖のあたりと見た。ちょっと東京からは離れた感じだ。 小雪はもう少し頑張れないものか。田中麗奈は芸達者に囲まれ、緊張しまくりなのが見えて、逆に楽しい。中村獅童はヤケクソな腹の据わり方がムチャおかしい(ま、いつも通りなんだが)。「獅童さん、大テング役をオネガイしますよ! これができるのは日本中で獅童さんしかいませんよ!」と言われた瞬間の顔を見てみたくなった(笑)。妖狐たちのマトリックスぶりは、CG使ってないんで本家より燃えたかも。西田敏行・谷啓は完璧な出オチですね。 できれば高尾在住の楳図かずお先生にもカメオで御登場頂きたかったが…水木しげる作品に出てもらうのは厳しいだろうからなあ…惜しい![映画館(邦画)] 9点(2007-05-10 00:51:19)(良:1票) 《改行有》

138.  ツイスター 《ネタバレ》 『秒速5センチメートル』を観てて、いまだ未見だった本作の空気の表現を観たくなった。 元々ハリウッドゴジラの没シナリオ(つまんないんじゃなく制作費がかかりすぎるので、という理由らしい)だったのをクライトンが拾い上げた…というエピソードも以前から気にかかっていた。 まさに怪獣映画だった。 演技は物足りない。ヘレン・ハントとビル・パクストンの掛け合いは、もう少しテレビドラマっぽさが欲しくなったが…いやストレートに行くならジェームズ・ウッズとデミ・ムーア呼んできてトルネードな怪演させるとかした方がよかったかもしれない。ともかく台本の狙いは《過激なスクリューボール・アクションコメディ》。頭の中で補完してやる事で、何とかこの路線の完全版を観れるようになる。男の愛情の、あの《急激な進路の変え方》はニヤニヤものだ。 映像面では、90年代に大活躍だった3Dソフト・プリズム(現在はフーディニだっけ?)がSGI機の上で所狭しと暴れる、フラッグシップ的な作品。この技術が後に『タイタニック』を生む礎石となるワケね。ジェームズ・クラークありがとう。この文もいま Mozilla で書いてるよ(意味不明)! ちょっと力不足の役者陣に比べ、雲の演技はナカナカ。『秒速5センチメートル』以降、空を観なければ気が済まなくなったオイラですが、大気の織り成す様々なドラマが鑑賞できて本当に楽しかった(実際のオクラホマの空がどうなのかはまた別だけど…行ってみたいねー)。 この二つの平面、天界と地上を繋ぐ橋として作用する竜巻ですが、そういう宗教的でシンボリックな面も「生死」「運命」などの面でしっかり織り込まれていて、物語がシンボライズするスケールは非常にデカい(つまり主人公から観れば個人的な愛の物語だが、ヒロイン側から観ると人類愛の物語に早変わり)。 そしてそれが、つまり竜巻の実体がゴジラだと思うと…怪獣映画最強の規模じゃないですか! ゴジラ、大天使級だよ! 東宝褒めすぎてるよ(笑)。エメリッヒ版くらいでちょうどいいって(再笑)。[DVD(吹替)] 8点(2007-05-08 17:14:35)《改行有》

139.  ジャンピング 内容については触れない。一言でも発しようモノなら観た時に大きく興を殺ぐ結果になるだろう。 評価について。 アヌシー審査員の「100 年間の映画 100 選」リストでは、本作は 58 番目で日本作品としては2位だ(1位は言わずと知れた喜八郎の『道成寺』、100 番中 45 番)。つまり、この百年に世界中で製作された短編アートアニメ作品の中で、58 番目と位置付けられている。当然、非商業分野での手塚アニメの、一番の業績となる。 個人的にはもっと上位に食い込んでもいいと思っているが、手塚治虫のカトゥーンなタッチが相当な違和感を醸しているのは否定しようがない。日本はともかく、アヌシー的に見ればこれじゃランクを上げ辛いだろう。自分の業績を確立した後でも、かたくなにフライシャー/ディズニーの追従者でいようとする手塚の頑迷さは、愛しさまで生まれるほど。 製作時期が問題だ。 本作は 84 年。第二次SFブームのまっただ中で、彼一人が沈没していた時期。本格SFを狙った『プライム・ローズ』は物語が手塚史上最悪のクラッシュを起こし、『ドン・ドラキュラ』の放映は伝説的な4回打ち切り。SF界での手塚治虫は、過去のブランドとして葬り去られようとしていた。 そのドン底(金もなかった)の時期に、本作の企画を立ち上げて、金にもならないアニメの作画をガリガリ 4000 枚もやってたというのが、「やはり神だな」と思わせる。同時代のサンライズ+『ガンダム』や、すぐ後のマッドハウス+『アキラ』の狂乱ぶりを考えれば、この時代にアートアニメへ目を向けていたアニメ界の巨匠(笑)がいた事自体が、信じ難い。 狙いについて。 言葉を持たない、文字も登場しない、まあ他にもいろいろあるが、本作は「世界の子供に見てもらう」事しか考えていない。この選択は、世界のアニメ市場でゼロから実績を積み直す覚悟だったような感触がある。この人の創作欲はどこまで罪深いんだと恐れ入る。 この試み自体の評価は置くとして、本作から始まった手塚の 80 年代作品群は、広島アニメ映画祭を発信の場とした。この映画祭が現在のアートアニメ層の母体になっているのは言うまでもない。同祭の看板、そしてアヌシー常連の、ノルシュテインやグリモー(あとラルー)などに並んで手塚治虫が存在している。58 番目として存在している。 手塚は結局、この作品を生むために生きたんじゃないかと思う。 [DVD(邦画)] 9点(2007-05-07 14:02:28)(良:1票) 《改行有》

140.  KUROMAME ~ the magic wand いやあ登録申請から半年近く過ぎたなあ…危うく『コンプリート・サンダーバード』の二の舞になるところでした(って、向こうもまだ諦めてませんが…)。 この作品は自主製作映画のため、まだDVD等が出ている状態ではありません。TOKYO MX テレビで5月3〜4日に放映されるようなので無理を言ってネジ込ませてもらった感じっす。 本作に出会ったのは昨年のアニメ自主上映会での事。去年は短編映画の魅力にドップリはまってしまったおかげで、タイミング的に『KUROMAME』に出会うのは不可避だったと言えます。 3年かかって撮り上げたという25分フィルムは、デジタルベースなのでシネコン以上の大スクリーンにかければ確実に荒れるし、映画的にもマニアックに凝ったところはない(断言)。ただ、このクレイアニメは、今までオイラが観て来た作品で換える事のできない価値が二つ、ありました。 ひとつは北海道の田舎町の風景が、街区ごとミニチュアセットで造られていたコト。別に写実的でも何でもないミニチュアですが、ありもしないその街へ、行った事があるかのような錯覚が起こるほど、北海道してた。クレイと言えば背景には凝らないのが相場ですから、これは盲点を突かれました。 もうひとつは、登場人物たちが服を着ていた事。ちゃんとした布地の服です。クレイアニメはハダカか粘土でおおざっぱな服を着せるか、ピングーみたいに動物にするか、くらいの選択ししかないですが、ちゃんとした服を着せた事でクレイがクレイではなくなり、別の新しいジャンルがスクリーンで繰り広げられていました。 粘土の大味な造形に、パジャマの生地なんかが違和感なくマッチして、オイラ的にはちょっとありえないほど可愛い。まあキャラ・街ごと「北海道3D版へなちょこムーミン谷」と言えば、近いかな。 人気が出て、2作目を撮れるだけの予算が確保できたら、しっかりとハイビジョンで製作して欲しいですとも。大画面でも楽しめる器とコンセプトを感じたクレイアニメは今のところ本作以外に知りません(えー、ここで「ヤン・シュワンクマイエルは?」とか突っ込まないように)。 …うーん。眠いのでレビューも大味…また書き直します。[映画館(邦画)] 8点(2007-05-03 15:19:25)《改行有》

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