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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2013
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  トイ・ストーリー3 《ネタバレ》 
愛しいオモチャたちがストレートにメッセージを伝えてくる、カラフルでPOP,ハートウォーミングなワンダフルワールド!何言ってんだ。乏しい語彙を振り絞って絶賛したくなる、素晴らしき世界。オモチャを必要とする心へバトンタッチされたラスト、決断したのがウッディ自身だというのが泣かせる。ロッツォ、あいつもまたちょっと荒っぽいけど必要としてくれる持ち主のもとで新しい世界が広がるだろう。ワタクシ今まさにアンディのママと同じ立場にいて、子供らのオモチャをなんとか片付けようとしていた矢先に観てしまったこの映画。もう処分できないではないかウチのこの大量のぬいぐるみたち。頭をよぎる焼却炉の場面、ああ無理無理無理。
[DVD(字幕)] 10点(2012-07-14 17:08:13)(笑:2票) (良:3票)
2.  突破口! 《ネタバレ》 
これ、面白いですね!現在みたいに派手なカー・アクションやくどいくらいの銃撃戦が無くても脚本の力でぐいぐい引っ張る。70年代に多く見るシナリオライティング力を今の制作陣もちょっと見習ってほしいもんです。主人公はもっさりでも、実にすっきり爽快なクライム・ムービーです。 チャーリー、なんて頭の切れる奴なんだ。使うつもりのさらさら無かったパスポート、大金を持っているとの‶匂わせ”、花束の使い方。動きは見えるけど会話や細かいニュアンスまでは伝わらない500ヤードという絶妙な距離。 後から思い返すと行間に込められた「意味」にうわあ、となります。わりと非情な展開も70年映画の特徴といいますか、あっさりと殺されてしまうんですよね。W・マッソー扮する主人公も生き残った仲間を切るのがとても早い。歯医者のカルテすり替えの場面は、まだまだ計画の序盤ですもんね。この辺の冷酷さ、ドライさは今観るととても新鮮に感じます。 あとコンテナハウスの隣人であるちょっと妄想気味の婆ちゃん、脇ながらいい仕事しますね笑。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2022-07-14 18:41:37)(良:1票)
3.  トランス・ワールド
これ好き!ほんと面白かった。台詞に込められた数々の伏線にも一切気付かなかったし、ロケットを皮切りに一気呵成に明かされてゆく全貌には圧倒されて口が開きっぱなしでした。 映画に求めるものは映像の凄さより話の面白さ。ストーリーテリング重視派を自認する身にとって、こういう脚本一本で勝負してくる野心作は心底シビれます。 きりっと短くまとめたセンス、その切れ味まるでサキの短編のよう。お見事でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-12-14 00:24:34)
4.  12モンキーズ 《ネタバレ》 
これぞタイムパラドックスの醍醐味、観進むにつれてB・ウィリスの未来話がかちりかちりとはまって“おお本当のことなんだ!”と明かされてゆく構成が面白い。こういうのは二度三度見返しても新しい発見があるから楽しいですよね。私はデパートの売り場に設置された天使像を廃墟に見つけて一人喜びました。あまりに精度の低いタイムマシンに呆気にとられます。「君を96年秋に送る」って次の瞬間どかーん、ばしーんと戦場真っ只中。“これ絶対96年じゃないよね?またやりやがったか”とモーレツに突っ込んでしまうのですが、この時の写真で後にM・ストーが確信を得るわけで、ここもタイムトリップの妙が効いてます。結局ただの扇動者だったブラピの横をするりとすり抜けるようにして現れた真のテロリスト。ブラピがあまりにうるさく自己主張してるからうまいことプロットの陰に隠れることができてます。ラストも秀逸、B・ウィリス任務完遂です。泣けました。サスペンス感たっぷりのかっこいい音楽も印象的。
[DVD(字幕)] 9点(2013-10-01 00:46:34)
5.  扉をたたく人 《ネタバレ》 
地味で控えめだけど、いつまでも心が共鳴するような良作。人生に厭いた大学教授の出会う、予期せぬ扉。人と出会い、繋がることの幸福感と、そんな一市民のささやかなつながりすら絶つ9・11後のアメリカの現実。ドラマチックに盛り上げるような演出を控えたドキュメントタッチでまとめているけれども、唯一教授が感情を昂ぶらせるのは願いが叶わなくなったと知る移民局での場面。小役人相手に、どうにもならないことだけど、彼の叫び、憤怒は観る者すべての思いを代弁するように感じた。個人的に好きな場面は教授がストリートショップで店番をせざるを得なくなっちゃうトコ。「手作りです」って。こういう、ふっと笑みがもれるようなシーンを挿入してくる映画がほんと好き。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-09-19 23:54:46)(良:1票)
6.  トラフィック(2000) 《ネタバレ》 
頭は疲れたけれど、‘映画見たー!’という充足感でいっぱいになる。麻薬を巡る三組のドラマそれぞれがずっしりと見応えあり。特に画面が黄色く切り換わると‘デル・トロの組’だ!とわくわくする。根深い社会問題だけに重たいのだけど、時折笑える演出が粋なのもこの映画の魅力。ハビエールが米側から「どこならいいんだ」と問われて選んだ場所には大笑い。屈強な男3人がファミリー向けレジャープールかいな。(しかもちゃんと遊ぶんだ。まじめな顔して。)麻薬取締局の捜査官2人の勤務中トークもじわっと面白い。ヘレーナがレモネード持ってやってくるときのおたおたぶりは みもの。各組が自分たちの問題にとりあえず答えを出して話は一旦終わる。ハビエールの出した答が力強く、希望にあふれて素晴らしい。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-07-25 01:17:41)(良:1票)
7.  ドミノ(2023) 《ネタバレ》 
これ面白かったですよ。邦題がぱっと見意味分かんないのも、話を予想できなくて良かった。 序盤~中盤までの流れからは全然思ってたんと違う所へ着地。この驚きが快感なタイプ(わたしです)は必見。 プロットの全体像(国家VS個人の超能力バトル)は昔っからよくあるものだけど、見せ方がぐっと洗練されて巧い。画像加工の技術はもちろん、逃走劇を引っ張って引っ張って、ついに主人公が気づいた場面はその鮮やかさに「えええ」と声が出そうになりました。 配役も良かった。ベン・アフレックは安定感あるし、敵方W・フォクナーは風貌からして手強いし、娘ちゃんハラ・フィンリーもラスボス感漂ってて頼もしい。 尺が短いので頭も疲れない。ノーランが畳みに畳んだ何層もの折りパイだとしたら、こちらは手軽な練りパイといった感じ。どっちも好きです。
[映画館(字幕)] 8点(2023-11-10 21:17:12)
8.  飛べ!フェニックス
面白かったです。タイトルから受ける爽やか青春モノのイメージとは地球半周くらい遠い、武骨な男達のサバイバルストーリーでした。ほんと、邦題もう少し重厚なものになんなかったかな。 突然の事故、生命の危機、錯綜する人間ドラマが次々と畳み掛けるように展開し、見てるこちらは身を乗り出しっぱなしでした。 「デキる」名優らを勢揃いさせ、惜しみなくストーリーから消してゆく。こういう怜悧な演出は印象も強烈に残り、このへん「大脱走」が頭をよぎります。アッテンボローもいるしで。(ちなみに彼は今作では副官に甘んじておるのですが、常にJ・スチュワートの意見を伺う自信の無さがかの脱出隊長とは間逆のキャラクターで、もうつくづく演技達者です) 命の瀬戸際にやられた時に露見する人間性。卑怯者もいれば崇高な者も、尊大な者も愚か者もいる。砂漠の中での人間模様に加え、”外部の敵”まで抜かりなく用意されてまったく息が抜けません。技術の低いCGに頼ったりしていない分、映像も製作年から想像されるほど古臭くなくリアリティを保っています。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-04-14 01:08:52)(良:1票)
9.  ドーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
ゾンビ、走っちゃった。禁じ手だったのに。「遅い」から怖くない、ということには皆気づいてはいたんだけど。おかげでサバイバル数値が一気にUP。“速さ”と“数量”で今作のゾンビは相当手ごわい。生き延びるための必死感、切迫感が実に上手く演出されている。向かいのビルの男性を救出すべく行った犬作戦の顛末や最終脱出のトラックを囲む信じ難い数のゾンビ。この圧倒的な画面でああーこのトラックの中にいたらワタシはきっと正気の栓が抜けるだろうなあと絶望的な気分になる。正攻法で怖がらせようという制作側の術中にすっぽりとはまってしまっている。 おまけに自死を選んだ彼を映すラストシーンたら悲愴な上に美しい。オレンジの陽に包まれて小さくなって遠ざかる彼、遠くから迫る奴ら、響く銃声。ああ、“ゾンビ”で感涙しているってどうなんだワタシは。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-11-24 01:04:27)
10.  トイ・ストーリー2 《ネタバレ》 
前作のキャラクターたちが再登場、ペットのわんことも仲良くなってるオモチャたちの冒険譚第二弾。いつお払い箱になるかと常々キンチョーをはらんで彼らの日常はあるのですが、今回はウッディの腕が壊れてしまうわママさんがヤード・セールを行って彼らの恐怖心を煽るわで、相変わらずオモチャの世界も大変だ。今回はウッディに“オモチャ以外としての価値”が提示されます。まさに人生の一大事。予想もしない展開に、「え、それで?」と大人でも魅了されます。いやあ、それにしてもスタッフ、STAR WARS好きねえ。全世界の三十代以上がこの遊び心に胸くすぐられたことでしょう。NGシーンにもたまげました。作り手の、キャラクター達に対する愛情がみなぎっていて、とても良いと思う。
[DVD(吹替)] 8点(2013-08-04 00:21:59)
11.  トゥルー・ロマンス 《ネタバレ》 
90年代に、燦然と輝く青春映画の金字塔。始まって五分でもう面白い。基本バイオレンスものは苦手なのだけど、それでもこれは終始びびりながらも目を離さずにいられなかった凄い吸引力だった。C・ウォーケンの離れ気味の冷めた目が、D・ホッパーの腹をくくった様相が、こわいこわい。息もできない。キレ芸がすでに確立しているG・オールドマンや、「何者でもない」チョイ役ながら、ミョーな脱力チャラ男ぶりで知らずに危機を何度も回避するブラッド・ピットも見逃せない。血まみれになりながらきっぷの良さのみでバイオレンスに対抗するP・アークエットに魂を抜かれてしまったワタクシ、このお馬鹿で安いけど純なカップルになんとか幸せを成就してもらいたいと願った。ラストはご都合主義にならずにすんだ稀有なハッピーエンドだと思う。私の中ではボニーとクライドを抜いた。
[映画館(字幕)] 8点(2012-02-16 00:46:14)(良:1票)
12.  遠い空の向こうに 《ネタバレ》 
このお話今の中学生の英語の教科書に載ってるんですよね。でちょっと興味が。こんな映画の入り方は人生初。10代必見の夢と力に満ちた良いお話でした。人生への不安や親との葛藤、夢に恋に友情にとコンパクトにまとまってとてもわかりやすい。頑固で人情に厚い親父さんにもほろりとさせられる。手を上げないとこが良い。大事です。応援し続けてくれる先生も素敵。彼女の名を冠した最後のロケットに落涙。おりこうさんすぎる出来な気もしますが、線路をはがして資金集めするシーンがすごく好きなので、1点プラスです。よくやった、BOYS!
[DVD(字幕)] 8点(2011-09-06 00:21:00)
13.  トプカピ
泥棒映画の基本のキともいえる楽しさ。後の、一体いくつの作品がこの映画にインスパイアされたことか。 ちょっとずつ修正を余儀なくされる計画、間抜けな新入り、追う警察はピント外れ。計画の山場は堂々たる緊張感。あまりのズッコケなオチも含めて面白いなあと感心。 当時の異国情緒たっぷりなトルコ市街の映像も新鮮でした。屋外での大レスリング大会って、あんなに油でヌラヌラになるんだ・・。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-07-02 22:46:24)
14.  トレマーズ 《ネタバレ》 
のどかでちょっと安い感じが真正B級作の佇まい。B級だからこそ発揮できるアイデア勝負の脚本がけっこう秀逸なんですな。 怪獣を4体用意してそれぞれ別のやり方でやっつけるんですが、4通りも考えるのって大変だと思うのよ。エライです。それにこの怪獣、人間の武器の使いようでちゃんと死んでくれるのがミソ。よし、やった、あと3体!という手応えがあって嬉しいです。こういうの珍しくないですか。超絶に強いのが一体で、そいつ相手に難儀するパターンが多い気がする。調べたわけではないけど。 「怪物の名前を何にするか」で議論するのんき描写のかたわら、電柱の上で発見される死体とか、老夫婦が地中に引きずり込まれる場面などは本当に怖い。何だこれ?って土をよけていったら車のフロント部がヘッドライトも煌々と現れて言葉を失う。やー、ここも巧いなあ。 必死のはずがなんかユルイ。この独特な空気。若きケビン・ベーコンがきっちりハマっています。 ハナからA級を目指さずにちゃんと低予算で作り上げようという気概の感じる快作です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-06-29 23:28:30)
15.  透明人間(2020) 《ネタバレ》 
わたしこれけっこう楽しく観られました。透明人間という古からの王道SFに臨む果敢さが評価できますし、ちゃんと脚本も練っていてホラーぽいカメラワークも良いです。かのケビン・ベーコン版透明人間に酷い目に遭わされた記憶があるので、トラウマ払拭できて良かったです。 透明になったら無敵ですやん。こんな奴に付け狙われたら反撃のしようもない。少なくともわたしの貧弱な発想力では何も思いつかないまま、ヒロインや周囲の人間がバタバタとやられる様を呆然と見守ることになる前半であります。あまりに絶望的なのでバッドエンドもの(最近多い)だったら嫌だなあと覚悟もしたのだけど、その分ヒロインの逆襲は大いにカタルシスを伴うものでした。なるほどアイツは「見えない」けど車を運転させたら補足可能、と。ペンキや消火器も大層有効ですね。覚えておこう。 エンドを迎えてやれやれ、と思っていたらもう一ひねり入れてきます。やり過ぎが興ざめになることもあるけど、基本的にこういう一生懸命考えた脚本は歓迎します。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-03 17:26:13)
16.  ドニー・ダーコ 《ネタバレ》 
十代の生き辛さ全開のドニー君。ジェイク・ギレンホールが天才的な仕事をしてる。彼はドニー・ダーコそのもの。常に不機嫌な鬱屈を抱えた顔で、やや猫背気味に歩く。ドニー君は受難だもんなあ。ちょっと逸脱したら無駄なカウンセラーに付き合わされ、秀才の姉とアイドル気取りの妹はどう見てもリア充だし。 世界の終わりを予告するウサギ、アイツはティーンエイジャーの心象風景の一つと思う。自分だけが見られる絶対的な存在、ハタチを過ぎたらもう見られない。 ドニー君の通う私立高(制服なんだよね アメリカにも増えてきてるとか)は妙なスピリチュアルな道徳授業を強制する、変な学校。ドニー君ははっきり言ってしまうんだ教師や外部講師に、その欺瞞と自己陶酔を。図星ゆえにニラまれる。おかしな犬の銅像、そりゃ斧をぶっ刺したくもなるよね。ウサギは背を押しただけ。 暴走気味のもやもやを抱えて生きる本人だってつらい。終盤、ドニー君が笑顔を見せるのはやるべきことを発見したからかな。恋すら霧消する切ない青春奇譚でありました。ちょっと忘れ難い一本です。
[DVD(字幕)] 7点(2023-01-13 17:53:05)
17.  ドリーム 《ネタバレ》 
まだまだ黒人差別が色濃い60年代にNASAのプロジェクトに貢献した3人の黒人女性のお話。偏差値が超高い人たちの社会であっても道徳的価値観は知性とはまた別なモノなのね、と戦慄すら覚えました。 黒人専用のトイレに毎度800mも走るなんて。「自分たちの」コーヒーサーバーから彼女がカップに注いだ時の白い目。データを黒塗りする同僚。働きづらいことこの上ない環境下でも、彼女らは街中で暴徒と化す同胞らと違い、黙々と自分の成すべき業務をこなすのですね。悔しいったら。でもその分、ついに上司にブチ切れた場面が活きました。「考えてもみなかった」彼女らの被差別環境にようやく気付いて呆然とするケビン・コスナーの表情が良いです。コスナーはこのところ良い仕事をもらえているようで。演技幅の広い人ではないけれど、今作の”リーダーシップのある上司”像は彼にとっては十八番といっていいほどのハマり役ですから、とても説得力のある存在でした。 原題(Hidden Figures)の指す通り、NASAにこんな切れ者の黒人女性技術者がいたとは全く知らずにいて驚きました。でもこの驚きの中身って「黒人の、それも女性が活躍していたとは」に他ならない。キルスティン・ダンスト扮する上司に投げかけられた言葉「貴女が偏見などないと思い込んでいることは知っている」これはそのまま私にも当てはまるのだと気づいて、うっ、となりました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-11 23:16:28)(良:1票)
18.  トーチソング・トリロジー 《ネタバレ》 
ゲイの人たちの「生き辛さ物語」はたくさんあるのですが、本作はご本人が脚本を手掛け、出演もしているだけあって当事者の持つリアルに厚みがあります。 心が血を流していても湿っぽくならないタフさ、ユーモアの感覚がアーノルドの特筆すべき個性。とはいっても、いくら早口のマシンガン・トークで彼がやり過ごしても「ああ傷ついているなあ」と痛いほどこちらに伝わるものですね。 友人や恋人については良き人らに恵まれているアーノルドのネックは母親。こんなに激しい言葉をぶつけ合っても人間関係を続けられるものだろうか。ワタシは無理だな。母親は変わらない。でも母だから捨てられない。結局アーノルドはどこまでも優しい人だなあと思う。こんなに優しい性根の人がもう傷つくことのない社会であってほしい、つくづく思いました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-22 17:36:15)
19.  ドクター・スリープ 《ネタバレ》 
この映画を観たいと思う人って、大方が”シャイニング”を鑑賞済みであると思うんですよね。となると、あの独特の、精神に異常をきたしそうなキューブリック流の「美」を期待したのは私だけではありますまい。 ところが、なかなかそんな感じにならない。アル中に悩む大人になったダニーと超能力少女と人外サイコ集団がESP対決を繰り広げる前段はまるでアメコミのサイキックバトルのようで、シャイニングファンの思いから大きく外れたものになっています。正直戸惑いました。 しかし、ここからです。ちゃんと監督はシャイニング派に向けて怒涛の巻き返しを用意してくれていました。 ついにあの超陰気な短調の調べにのって山道をよろよろ登ってゆくクルマの画がスクリーンに広がった時は、感激で肌が粟立ってしまいました。そしてオーバールックホテル!時間の経過も合わせて良く再現してくれたものです。  ローズの憎ったらしいことは野球少年のくだりで怒り心頭でしたから、ホテル先輩やっちゃってくださいよ的な気分にもなります。懐かしの亡霊フルメンバーも嬉しい(?)。けど、肝心のジャック・トランスがオリジナルニコルソンの風貌が強烈なためにそっくりというわけにもいかず、ちょっと残念ではありました。 残酷場面はほんとに残酷なだけで、キューブリックの毒々しい美的感覚は無く、やっぱり前作とは別物。だけどダニーが何故あの忌まわしいホテルへ戻らねばならなかったのかその辺の理由付けに無理のない脚本は技巧的に優れています。 バッドエンドにしなかったラストも、良い後味が残りました。
[映画館(字幕)] 7点(2019-12-29 23:59:13)(笑:1票) (良:1票)
20.  動物と子供たちの詩 《ネタバレ》 
いつの時代にもいる”生きづらさ”を抱える子供たち。うん、みんなクラスカーストの下の方にいそうだもんなあ。私もそうだったよ。ほんと、キミらには共感する。だって正しい感性ではないか。撃たれるがままのバッファローに心を痛めるのはまっとうな人間性の証。キミらを否定する大人がいても気にするな。向こうが間違っている。 救いの無いラストはいかにも70年代の作品ぽい。ドライな描き方はニューシネマの定番だ。 今ならばおそらく死者は出さないだろうな。その代わり、逃がしたバッファローが大人によってまたあっさりと柵の中に収められて、自分らの非力を痛感するといったオチが用意されそう。だって生き抜いてほしい。彼らには。いつかその非力を克服できるように。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-12-26 00:46:51)
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