261. シークレット ウインドウ
《ネタバレ》 ホントに最近はこの手のオチが多い。もうミステリーやサスペンスのアイデアは枯渇してしまったのだろうか?原作がいつ書かれたものかは知らないけど、ここまでストレートな「多重人格・妄想ネタ」はさすがに食傷気味。もはや現代では、この手のジャンルをあまり見慣れていない人でも、この程度の「オチ」は予測の範囲に入っているでしょう。 結局、脳内妄想ならどんな不可解な謎を出しても、あっさり片がつけられるからと言う、安易な感覚で採用されてしまっているような気がする。 途中までの追い詰められていく雰囲気は良く出ているし、安易に恋人が助けに来てハッピーエンドとしなかった点などは評価できるが、やはり「脳内妄想」という、ありがちなオチで妥協してしまったのは残念。 [DVD(字幕)] 5点(2006-01-10 16:11:14) |
262. スーパーサイズ・ミー
《ネタバレ》 いくらドキュメンタリーとは言え、映画として作っているのだから、もう少し芸のある作り方は出来なかったのかな。 まあ、この体当たりの検証法は「ココリコ黄金伝説」みたいでバカっぽくて良いが、他の方も書いているように、そりゃハンバーガーに限らず、同じものを食べ続けてれば健康に良くないのは当然で、ましてファーストフードのメニューなんて、どれも高カロリー・高脂肪である事は、今や誰でも知っていること。それに加え、マクドナルドのように調理法がシステム化されていて、おまけに低価格となれば、その煽りが材料の品質や味に跳ね返るのは当然のこと。 それでも食べ続けたいなら食べればいいし、それで健康を害したとしても、それは自己責任。世の中、食べ物はハンバーガーしか無い訳じゃない。 もちろん、色々な意味でアメリカそのものを象徴するかのようなマクドナルドのビジネス戦略を肯定するつもりはまるっきり無いけど、それを選択する「自由」もアメリカの文化のはず。 [DVD(字幕)] 4点(2006-01-08 18:55:49) |
263. コラテラル
《ネタバレ》 色々な意味で安っぽいシナリオ。 何週間か前に見たが、単純な割りに内容をほとんど覚えていない(w。 トムは非情の殺し屋に見えないし、やる事なす事マヌケ過ぎ。ストーリー展開も、トンデモご都合主義の連続。ラストも何でプロの殺し屋がタクシーの運転手に撃ち負けるのか?はっきり言って、突っ込まれている部分は、本来なら突っ込まれていてはいけない基本的な設定部分。もっとシナリオを練り込まなくてはならないのに、映画作りにおける丁寧さに欠けている。 [DVD(字幕)] 3点(2005-12-31 01:56:59) |
264. THE JUON/呪怨
《ネタバレ》 シリーズの中で唯一の成功作品と言えるビデオ版1作目のリメイクなのだから、邦画のへっぽこ劇場版よりは見れるものになっている。 ただ、他の方の指摘にある通り、わざわざ外国向けにリメイクされているのに、何故か日本が舞台。内容を見ても、まるっきり主人公が外人である必然性が感じられないアレンジの仕方には疑問。 どうせなら、ビデオ版を見た事のある人も楽しめるように、別物とするくらいの変更が欲しかった。 [DVD(字幕)] 5点(2005-12-31 00:08:05) |
265. サウンド・オブ・サイレンス(2001)
《ネタバレ》 まさに凡作。何もかもが中途半端。どんでん返しや凝ったトリックがあれば良いと言う訳ではないが、この手のジャンルは、今や見る側にもかなり耐性がついているので、やはりここまで工夫や盛り上がりが無い作品は、どうしても評価が下がらざるを得ない。 少女の封印された記憶という謎にも何の意外性も無いし、家族愛というお涙テーマも陳腐。もっと精神科医にしか出来ない心理的な駆け引きでもあれば面白かったかもしれないが、あまりにも謎解き部分に工夫が無い。 おまけに、とても肉体派とは言えない精神科医や「足を骨折している奥さん」にまでやられる悪党たちの体たらくぶりには笑うしかない。 少女の相手をしていた悪人も、後々改心しそうな伏線を張っておきながら、結局、悪人のまま。どうせ予定調和のハッピーエンド話なんだから、死ぬにしても最後くらい主人公を助けて死ぬくらいの使い方をしてやれって。 [地上波(吹替)] 3点(2005-12-30 18:02:01) |
266. えじき
《ネタバレ》 序盤、盗賊の一味が廃屋に逃げ込むまでは期待させるが、その後が陳腐で、後半に行くに従って底の浅さが露呈する。 家人に取り付く死霊のデザインはなかなかインパクトがあるし、服装や小道具なども丁寧に作りこんであって、全体の雰囲気は悪くないだけに、「家主が禁断の儀式でもって、地獄(魔界?)の扉を開いてしまった」という設定がありがちすぎて、ホラーとしての意外性や面白味に欠けている。 殺されていく人間も、強盗殺人を平気でやる悪人なので、たいして感情移入もできない。 [DVD(字幕)] 4点(2005-12-29 21:26:00) |
267. ラッシュアワー
アクションとしてもコメディとしても中途半端。娯楽作品とは思えないほどのテンポの悪さ。早送りしながら見てもまったく問題ないほどの薄っぺらいシナリオ。 ジャッキーのカンフーアクションを楽しもうにも、さすがに食傷気味。動きに昔のようなキレも無いし、露骨に笑わせようとするコントっぽいアクションが狙いすぎで見ていて白ける(私も壷のシーンには苦笑した)。 クリス・タッカーとのかけ合いも、ただ罵り合っているだけで面白くないし、お互いの存在を際立たせるような脚本構成になっていない。クリス・タッカーのハイテンションなだけの演技に緩急が無いから、見ていて疲れる。 PS.相変わらず彼の目玉が「ぶりんっ」と飛び出そうで、そっちの方が本編よりもハラハラする。 [ビデオ(字幕)] 3点(2005-12-10 19:22:27) |
268. ドメスティック・フィアー
《ネタバレ》 「家庭内の恐怖」。そのまんまのタイトルに、最終的なテーマも家族愛という安易さ。 何から何まで予想通りで、最後の戦いのシーンに至るまで、台本に則った起承転結がきちんと行儀よ~く展開されていく。戦いの途中で破壊された配電盤を見て、「あー、どうせ、ここに突っ込んで感電死だな」と思ったら、まさにそのまんま(笑)。お約束とご都合主義の連続には正直ウンザリ。 [ビデオ(字幕)] 3点(2005-11-29 23:35:51) |
269. エルム街の悪夢3/惨劇の館
ここで言われているほど、ひどい内容ではない。 まず、きちんとホラーエンターティメントとして、それなりに丁寧に作ってある事に好感が持てる。手間を掛けるところは掛けているし、ストーリー展開にも緩急があって、退屈する部分も少ない。 この作品を「おバカホラー」と捉える人がいるみたいだけど、「現実と夢の境界が曖昧になる」という恐怖は正統なもの。 一応シリーズとして、「まともな作り方をしてある」最後の続編。さすがに、これ以降は、ちょっと…。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-23 18:05:44) |
270. KEN PARK ケン パーク
中途半端。 かなりインモラルな作品かと思って、かなり覚悟して見始めたが、その「現代の病理」を象徴したような家族像と事件の数々は、今となってはどこでも起こり得る危険性を内包している普遍的なもので、そこに目新しい視点や切り口は見られなかった。 また、家族の日常をあえて淡々と描く事によって、より強烈にテーマ性を浮かび上げようという狙いが露骨に見えて冷める。着眼点同様、その手法が安易。 拳銃自殺した少年のプロローグとエピローグで本編を挟むという構成は非常に象徴的ながら、少年がメイン登場人物ではないので、いまいち感情移入や訴求力に欠ける。 また「家族の意味」や「個の浮遊」と言ったテーマなら、今や「新世紀エヴァンゲリオン」のようなアニメ作品の方が、娯楽性を保ちつつ、はるかに真摯に、かつ深く追求している。 何にでも言える事だけど、やるならもっと徹底すべき。中途半端なリアリティなんて、完全な虚構よりも性質が悪いと思う。 [ビデオ(字幕)] 3点(2005-11-13 20:02:51) |
271. ペット・セメタリー(1989)
《ネタバレ》 意外と評価が高いのが分からないなあ~。 ミクマク・インディアンという実在の部族の墓地に死者を埋めると怪物として甦るなんて、あまりにも失礼でしょう。神社に死者を埋めたら、ゾンビになって甦ると言われたらハラ立つでしょ?こういう「怪しげな現象」は異文化、異民族のものとしてしまうアメリカ人の発想の偏狭さに呆れる。 そういう部分には目を瞑るとしても、普通にホラーとして見ても、まったく予想通りの悲劇的展開には意外性が無く、演出も安っぽく底が浅い。復活した死者の描写も小奇麗過ぎて、身の毛のよだつような「おぞましさ」がまるで感じられないし、愛する者を手にかける際の葛藤や後悔も薄い。幽霊の存在もストーリー構成上必要なのか疑問。 またラストも殺された奥さんを墓場に運んでいくシーンですっぱりと終わらせるべき。余韻もクソも無い、甦った奥さんとキスさせるオチなんて完全に蛇足。 [ビデオ(字幕)] 3点(2005-10-21 10:22:20) |
272. MAY -メイ-
《ネタバレ》 内容は典型的なサイコホラー。 「受け入れてもらえないなら殺してしまえ」という展開は、この手のサイコ物にはよく見られるパターンで、意外性は無い。 また、あそこまでメイが精神的に壊れていく展開にも説得力が足りない。異常人格者としての描写にも特に新鮮味やインパクトは無く、後発の作品としては少々お粗末。作品として決定的な「何か」が足りない印象。 PS.私もメイ役のアンジェラ・ベティスの演技力に敬意を表して、+1点。 [映画館(字幕)] 5点(2005-10-12 18:41:31) |
273. シュレック
カッツェンバーグとディズニーの確執についてはどうでもいいけど、本人曰く、「これまでのアニメ映画の常識をことごとく覆す作品」とまで公言しておきながら、結局、昔ながらのよくある「おとぎ話」の基本パターンから何も脱却しておらず、風刺や皮肉と言っても、お姫様がカンフーアクションをするという程度の「薬にもならない毒」なのだから、失礼ながら失笑を禁じ得ない。 海外でのアニメ・漫画文化の発展性、多様性の無さについて、色々な意味で納得しつつも考えさせられる内容だった。 [DVD(字幕)] 4点(2005-10-10 13:07:46) |
274. キャプテン・スーパーマーケット
前作までとは完全に別物。やはりどんな傑作も、続けば良いってもんじゃないね。 おバカ方面に行くのはいいけど、やる事が中途半端。金のかかる展開なのに、金が無いからなのか、全体的にすごくチープ。今までのシリーズはそのチープさがテイストに昇華していたが、こういう金のかかる展開とは相性が悪い。その煽りを食う形になった風車小屋での一人芝居は見ているのが辛かった。 やはりどんな作品でも、「やるならとことんやる」という姿勢が大事だと思う。ギャグもはじけっぷりも中途半端。個人的にはホラーとしてきちんと撮った続編を見たいんだけど、今さらリメイクされても、当時のテイストは出ないだろうしなあ。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-10-01 13:31:58)(良:1票) |
275. ドールズ(1986)
マイナーなB級作品とは言え、ストーリーや演出に関しては丁寧に作られていて、全体的にホラーとファンタジーのバランスが取れた佳作。 人形の人形らしいギクシャクした動きが、逆に人形特有の不気味さやリアリティを醸し出している。ラストも暖かみが感じられて良い。ある意味、勧善懲悪ものw。時間が短めでテンポも良い。 現代の御伽噺といった作品。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-09-19 00:30:20) |
276. ダークネス(2002)
《ネタバレ》 これまた陳腐&中途半端。序盤の雰囲気は悪くないので、いかに今までにないパターンを見せてくれるかと期待していたが、結局は「オカルト信奉者による血の儀式」みたいな、ホラーやサスペンスによくある凡庸な展開に脱力(「日蝕」とか「ウロボロスの蛇」とか「子供の生贄」とか「魔界との門を開く」とか、この手のジャンルによく使われるギミックが目白押しだし、「愛する者による~」というセリフで、犯人が身内だという見当もついてしまう)。 中盤までの展開もダラダラとしていて退屈だし、恐怖演出もワンパターン。キャラ描写も薄っぺらい(特に両親と医者のジジィ。特にジジィは何がやりたいのか分からない。ここまで周到に用意していながら、ラストは投げやり)。 後半のテンポの良さや、ストーリー以外の作り込みには好感が持てるだけに、こういう陳腐なストーリー展開には失望感も大きかった。もう少し工夫が欲しい。 [ビデオ(字幕)] 3点(2005-09-18 23:32:07) |
277. アサシン(1993)
無難に出来ている作品ではあるけど、「存在を抹消された人間が、裏の世界で殺し屋としての第二の人生を歩む」とか、「その任務の過程で恋に落ちる」とか、「愛する人と任務のどちらを選択するのか」とか、どこかで一度は見たような、よくある設定。良くも悪くも、始まりから終わりまで、すべてがお約束と予定調和の集合作品。 それが悪いとは言わないけど、全体的にやっている事が生温く、表沙汰に出来ない危険な任務に携わっているという緊張感や、組織の非情さが描かれていないので、普通の女性としての束の間の幸せと、それを失わなければならなくなった時の辛さや悲しみがイマイチ伝わって来ない。 恋人役の男にも何か秘密があるのかと思えば、本当にただの一般人で、ラストなんて完全にほったらかし。別れた後も、「何だったんだよ、あの女。トラブルに巻き込まれなかったから、まあいいか」みたいなノリで淡白すぎる。 お目付け役の男のラストシーンも、組織の掟と愛の狭間で、去っていく彼女を殺すかどうかの苦悩や葛藤をもっと描いて欲しい。一度は背中に銃口を向けるが、やはり撃てずに銃を収めた上で「彼女は死にました」と報告させないと。 もう少しキャラ描写とストーリー展開に深みが欲しい。 [地上波(字幕)] 4点(2005-09-12 03:15:00) |
278. キャットウーマン
私も髪を切って仮面を被ったキャットウーマンは研ナオコにしか見えませんでした。一度刷り込みが出来ると、もう研ナオコウーマンにしか見えません。無論、研ナオコはウーマンですが。 本題。女のダークヒーローは意外にいないので目新しさはあるけど、やっぱり他のアメコミヒーローものと同様、基本的にストーリーやキャラデザが稚拙すぎる。「バットマン」もそうだけど、ただのコスプレだもんなあ。好きな人には申し訳ないけれど、やっぱりこのアメコミ特有のセンスは受け付けない。 アクション演出も地味だし、特殊能力といっても、「ちょっと素早く動ける」とか、「暗闇でも目が見える」ってだけで、ほとんど普通の人間と一緒。そこが良いとも言えるけど、さすがに映画として見ると、それだけのキャラ設定で二時間近く持たせるには無理がある。ラストの対決も、普通の人間である社長婦人に苦戦してどうすんねん。 もう少しアクションシーンを派手にして、猫ゆえの気まぐれから、敵も味方も構わず、周囲を大騒動に巻き込んでいくという展開にしたら、少しは面白くなってたかも。 [ビデオ(字幕)] 3点(2005-08-28 22:38:10)(笑:2票) (良:1票) |
279. ゴシカ
《ネタバレ》 「13ゴースト」や「ゴーストシップ」みたいな駄作に比べたら多少マシ(監督は違うけど)。ただ、今度は逆にあまりにも普通過ぎると言うか、良く言えば「オーソドックス」、悪く言えば「模倣」、はっきり言えば「パクリ」。 特に最近のサスペンス映画は、もうどれがどれやら区別がつかないくらい、演出やシナリオが似通っている。 今作もどこかで見たような設定・演出のオンパレードで、オリジナリティは皆無(特に「リング」「シックスセンス」「羊」あたりの設定拝借劣化コピー品)。驚かせるポイントも見え見えで、変化をつけようという工夫の跡もない。 「犯人がふたりいる」というオチもまったく必然性が無いし、エレガントさにも欠ける(そもそも「刑務所内でのレイプ事件」という地点で、自動的に男の看守くらいしか犯人いない)。 幽霊少女も、犯人を知ってるなら、直接犯人を呪い殺せばいいじゃん。関係無い人間を巻き込むなっつーの。あと、殺されたり、無念の思いを残して死んだ人間はいっぱいいるはずなのに、少女とラストの少年の霊しか見えないというのも、ずいぶんご都合主義。 とにかく最近の観客は目が肥えてるから、この手のジャンルを作るのも大変だとは思うけど、こんな既存作品の設定や演出の「良いとこ取り」をしただけのような作品には、今後も遠慮なく突っ込ませてもらいます。 [ビデオ(字幕)] 3点(2005-08-26 17:43:32) |
280. メメント
こういうアイデアは思いついても、実際に作品としてまとめ上げるのは至難の業でしょう。確かに初見では分かりにくいものの、まず、それをやり遂げたことを評価。 脚本構成も単に時間軸をバラバラにしただけではなく、その謎解きと「記憶を改竄してでも自分の生きる目的を探し続ける」という哀しくも深い含みを持ったテーマが直結していて、色々と考えさせられる。 惜しむらくはストーリーの全容が分かってしまうと、何度も見れるタイプの映画ではない点。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-26 17:28:55)(良:1票) |