461. 死の谷間
《ネタバレ》 核戦争後の荒廃した近未来。数少ない生存者である若い女性アンは、唯一核汚染を免れた小さな谷間で独りぼっちで暮らしていた。大自然に囲まれ、心の拠り所は父が遺していった小さな教会で毎日神に祈りを捧げること。今日も彼女はたった一人、一匹の老犬とともに誰も居ないコンビニから生きてゆくための食糧を調達してくる。そんなある日、唐突にその狭い谷間に防護服を着た黒人の男がやってくる――。誰も居ない世界で孤独に押し潰されそうになりながら暮らしていたアンは、久しぶりに交わす人との会話に喜びを隠せない。彼と一緒に暮らすことになったアンは、自然と心を許してゆくのだった。次第に惹かれ合っていく二人。だが、そこに新たに白人の若い男がやって来たことで、彼らの関係は微妙に壊れ始めてゆく……。絶望的なディストピア世界で揺れ動く男女の心の機微を淡々と描いた心理ドラマ。なんですけど、見事なまでにつまんない作品でしたね、これ。予算の関係なのか、ディストピア映画なのに、こんなに終末感のない映画も珍しい。なんか近場のキャンプ場で撮ったんじゃないかってくらい未来描写が皆無でした。当然ずっと山の中で物語が進行してゆくわけですが、これがただでさえ絵面が変わらないのに、肝心の物語がまあつまんないせいで最後まで観るのが苦痛で仕方なかったです。人類の危機なのに、やってることは終始まどるっこしい三角関係で深みも何もあったものではありません。また、信仰心に篤いヒロイン役をやったマーゴット・ロビーも全然役柄に合っておらずミスキャストもいいところ。最後のオチにいたっては、「こうやって思わせ振りのまま終わらせたら芸術っぽくなるんでしょ」という監督の浅はかな狙いが透けて見えて、もう腹立ってきましたわ。いやー、久しぶりにこんなつまらない映画を観てしまいました。 [DVD(字幕)] 2点(2019-09-20 20:36:00) |
462. ローガン・ラッキー
《ネタバレ》 家族全員が何らかの不幸を抱え込んでいる、自称・呪われた家族、ローガン一家。そんな自らの呪われた人生に一発逆転を図るため、レース会場の地下に隠された金庫の強奪を計画したローガン家の兄弟と彼らの仲間たちの活躍をサスペンスフルに描いたクライム・アクション。監督はこの手の分野を得意とする、『オーシャンズ11』などで有名なスティーブン・ソダーバーグ。主演はチャニング・テイタムをはじめとした若手陣に加え、ダニエル・グレイグやヒラリー・スワンクといったベテランが脇を固めております。まあ事前の予想通りの超ベタベタな内容ではありましたけれど、エンタメ映画としてのツボは押さえられていたので僕はぼちぼち楽しめました。脚本は突っ込みどころ満載ですが、華のある役者たちと終始流れるノリのいい音楽、サクサク進むストーリー展開のおかげで最後までストレスなく観ることが出来ます。まあ三日後には完全に内容を忘れてしまいそうな作品ではありますけど、ヒマつぶしで観る分にはちょうどいいんじゃないですかね。 [DVD(字幕)] 6点(2019-09-15 22:59:47) |
463. ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ
《ネタバレ》 パキスタンからアメリカへと渡ってきた移民の青年、クメイル。故郷とは何もかも違うこの自由な地でコメディアンを志した彼は、シカゴの小劇場で地道な下積み生活を続けていた。そんなある日、いつものように舞台で故郷のパキスタンを揶揄するようなネタを披露していたクメイルに、客席から若い女性が野次を飛ばしてくる。その場は軽くやり過ごしたものの、動揺を隠せないクメイルは舞台の後に彼女に文句を言いに行くのだった。彼女の名は、エミリー。成り行きで何故か一緒に酒を飲むことになった彼らは予想外に意気投合し、そのままクメイルの家で一線を越えてしまう――。一夜限りの関係で終わるはずだった。だが、クメイルはその後、何度も彼女と会い、数か月後にはすっかり彼氏彼女の関係になってしまっていた。そろそろお互いの家族に紹介するタイミング。でもクメイルには一つの悩みの種があった。彼の家族は皆敬虔なイスラム教徒で白人のアメリカ人など到底認めてもらえないだろうということ。そのことが原因で次第にギクシャクしていく二人。そんな折、エミリーが原因不明の謎の難病を発症し昏睡状態へと陥ってしまう…。文化の違いを乗り越えて愛を育もうとする若い恋人たちを襲った突然の悲劇を、実話を基にして描いたラブ・ストーリー。自らの体験を本人自らが演じていることでも話題となった本作、アカデミー脚本賞ノミネートということで今回鑑賞してみました。うーん、正直僕の好みとは合わない作風でしたね、これ。この重たいテーマを最後まで軽くライトに描くという狙いはいいと思うのですが、なんだか物語のテーマがいまいち絞り切れていない印象。難病に犯されてしまった彼女との関係を深く見つめ直す青年の恋物語とパキスタンとアメリカの文化の違いに自我を引き裂かれていく青年の自立の物語が最後までうまく絡み合っていないように感じました。その証拠に、クメイルの家族とエミリーが顔を合わせることは最後までほとんどありません。この両者の葛藤を描いてこそ、このテーマはより活きてくるように思うのですが。本人が自ら演じていることもあり、なんだか終わってみれば結婚式のよくある新郎新婦の馴れ初め再現映像ロング・バージョンのように思ってしまいました。ただ、エミリーの両親を演じたベテラン勢二人はなかなかのいい仕事ぶり。最後まで興味を失わずに観られたのは、この二人の魅力によるところが大きい。 [DVD(字幕)] 5点(2019-09-14 23:51:04) |
464. NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム
《ネタバレ》 ナーヴ(勇気)――。それはネット上で展開されるアンダーグラウンドな挑戦型リアル・ゲーム。登録したユーザーは、視聴者と挑戦者に分かれ、前者はそれぞれのプレイヤーに無理難題を吹っ掛け、後者はそれらのお題をクリアできればその難易度に見合った賞金を得られるのだ。見知らぬ他人とキス、高級デパートで高価な服を試着といった簡単なお題から挑戦は始まり、下着姿で街の中を歩く、警官の銃を盗むといった過激なものへと徐々にエスカレートしてゆく。貧しい母子家庭に育った女子高生ヴィーは、大学費用を稼ぐために挑戦者となることを決意するのだった。偶然知り合ったイアンという同じくナーヴの挑戦者と協力して資金を稼いでゆくヴィー。だが、どんどんと挑戦は過激さを増していき、やがて目隠しをしてバイクを猛スピードで運転するという犯罪すれすれのものに……。果たしてヴィーは無事にゲームをクリアし賞金をゲットすることは出来るのか?それとも失敗し命を落としてしまうのか?ネット上で盛り上がる超過激なゲーム「ナーヴ」、平凡なティーンエイジャーがその挑戦者となって次第に名声を得ていく姿をスピード感あふれる展開で見せるサスペンス・スリラー。現代的なテーマをあくまで軽くポップに描いたそんな本作、まあ冒頭から摑みはばっちりで、ライトな青春スリラーとしてはまあまあ良く出来ていたと思います。挑戦者としてゲームをクリアしてゆき、どんどんと人気を獲得してゆく主人公を演じたエマ・ロバーツも華があって大変グッド。彼女が下着姿で街を走るというサービスシーンなど、お洒落でスピード感もあって健康的お色気がぴちぴちで非常にナイスでした。詳しくは分かりませんが、きっとこの監督はもともと音楽畑出身なんじゃないですかね。それくらい全編を彩る映像表現がポップ&カラフルでなかなかにセンスがいい。ただ、内容が内容だけに出てくる登場人物がどいつもこいつも感情移入しにくいのが本作の評価の分かれ目。というか、主人公含めどいつもこいつもアホばっかりでさすがに後半ちょっと腹立ってきましたわ。それに拍車を掛けるのが、クライマックスのグダグダ具合。もう展開がご都合主義すぎてさすがに僕も我慢の限界が…。そして最後は誰もがハッピーになってめでたしめでたし…。お前ら、汗水たらしてちゃんと働けっつーの(笑)。5点! [DVD(字幕)] 5点(2019-09-09 22:20:42) |
465. 海底47m
《ネタバレ》 メキシコへとバカンスで訪れた若く美しい二人の姉妹。現地で知り合った男たちに誘われるまま、彼女たちは鮫が目の前で見られるというアクティビティを楽しむことに。船で沖合へとやって来た彼女たちは、その強固な檻の中に入り、凶悪な鮫がうじゃうじゃいるという海中へと沈めてもらうのだった。間近にまで迫って来る強大な鮫の姿に興奮を隠せない二人。だが、その直後にあり得ないような悲劇が二人を襲う。船の上で檻を支えていたワイヤーが折れ、彼女たちを閉じ込めていた檻が暗い海の底へと瞬く間に落ちてしまったのだ。辿り着いたのは、海底47メートル――。そこは凶悪な鮫が縦横無尽に暴れ回り、助けてくれる者は誰も居ない、海上の光すら届かない暗黒の世界だった。ボンベの酸素も残り僅か。果たして彼女たちは無事にまた日の光を見ることが出来るのか?海底に取り残された姉妹の究極の恐怖を、ワンアイデア・ワンシュチュエーションで描いたパニック・スリラー。まあいかにも低予算で撮られたであろうそんな本作、これがなかなか演出のキレが良いエンタメ映画の佳品に仕上がっていたと思います。事前の想像通り、お話の7、8割方は海の中で展開されるのですが、このブルーを基調とした映像がキレイ過ぎず汚過ぎないちょうどいい見やすさでした。カメラワークの専門的なことは分かりませんが、この映像技術はなかなかのものなんじゃないですかね。そんなリアルな海の中に取り残される姉妹も、姉は冷静沈着だが臆病、妹は行動的で活発だが少々無計画と各々のキャラがちゃんと立っているのもポイント高い。そしてもちろん最後までナイスな水着姿なのも大変グッドです(笑)。この手の作品に必ず必要な適度なグロ描写も抑制が効いていて良かったと思います。まあシュチュエーションがこれだけなんで、途中で若干ダレてしまうとこはあるものの僕は最後までそこそこ楽しめました。もっと鮫さんたちに活躍してもらってもよかったような気がしなくもないですが、そこは予算の関係なのかな。ただ、ラストの展開には僕は少々否の立場。努力の末、主人公たちは助かった→と思ったら実は主人公の幻覚でした。バッドエンドか→と思ったらやっぱり救出部隊がやってきて……ってちょっとクドいよ!!そこらへんがイマイチでしたけれど、真夏の熱帯夜にビールでも飲みながら観るには最適な映画でありました。 [DVD(字幕)] 6点(2019-09-05 20:15:21) |
466. タリーと私の秘密の時間
《ネタバレ》 二人の子供の母として日々子育てに追われる中年女性、マーロ。長女はそこまで手はかからないものの長男は情緒障害からか問題行動が多く、一時たりとも目が離せず気が休まる暇がない。そんな折、彼女に予期せぬ妊娠が発覚するのだった――。無事に次女が誕生したものの、肝心の夫はそこまで積極的に育児に関わろとせず、マーロのストレスは頂点に。このままでは身も心もパンクしてしまいかねない。仕方なく、彼女は兄夫婦の勧めで夜間だけ働きに来てくれるベビーシッターを雇うことを決意する。やって来たタリーと名乗る彼女は想定外に若く、最初は戸惑いを隠せないマーロだったが、その見た目と違うタリーの極め細やかな仕事ぶりに彼女は次第に心を許してゆく。子育てやそれまでの恋愛経験、そればかりか現代の夫との性生活にいたるまで何でも話せる関係へと発展してゆく二人。今にも底が抜けそうな橋の上を恐々と歩き続けるようなマーロの生活は、どんどんと潤いに満ちたものになるのだった。だが、彼女たちのそんな濃密な関係はやがてすぐに終わりを迎えることになって…。三人の子供の子育てに翻弄される母親と自由奔放な若いベビーシッター、彼女たちの友情と再生を温かな目線で見つめたヒューマン・ドラマ。監督はこの手のジャンルを得意とするジェイソン・ライトマン。本作の見どころはやはり、主演を務めた人気女優シャーリーズ・セロンのその真に迫った熱演ぶりでしょう。本作の撮影のために30キロも太っただけあって、終わりの見えない子育てに追い詰められた母親を実にリアルに演じていて、もう見ていて息苦しくさえありました。そんな彼女に訪れる心のオアシス。夜間だけのベビーシッターであるタリーがとても魅力的で、彼女がマーロの心の支えとなってゆくのが実に自然に丁寧に描かれていて好感度は高い。「カップケーキも作れない」と嘆くマーロのためにタリーがした行動は本当に微笑ましかったですね。だけど、急にタリーがウェイトレスの制服を着ておかしな行動を取る辺りから徐々に違和感が。「あれ、どういうこと?」と思っていたら、最後に驚きの種明かし。うーん、ちょっとこれはどうなんですかね。ホラーやサスペンスの分野ではよくあるオチなのですが、こういう地味なヒューマンドラマでこのネタは確かに新しいと言えば新しい。でも、さすがにちょっと無理があるような気が。僕は素直に受け入れることが出来ませんでした。でも、それは好みの問題。賛否は各々で判断してもらうとしても、現在、子育てに悩んでいる母親の皆様に是非観てもらいたい作品でありました。 [DVD(字幕)] 6点(2019-09-04 01:26:32) |
467. バトル・オブ・ザ・セクシーズ
《ネタバレ》 男女差別が公然とまかり通っていた時代に、それぞれの立場を代表して一大試合を決行した世界トップクラスのテニス選手の男女。自らの信念を守るために男と女の垣根を越えて戦った彼らの生き様を実話を基にして描いた社会派スポーツ・ドラマ。うーん、なんか個人的に合わない作品でしたね、これ。そう思ってこの監督の過去の作品を調べてみて納得。僕の大嫌いな『リトル・ミス・サンシャイン』の監督の作品だったのですね。この人のまるで道徳の教科書のような枠に嵌まった倫理観が僕は昔からどうにも苦手で、今回も全く受け入れられませんでした。「男女差別は止めましょう」「社会的弱者をいたわりましょう」「お互いの個性を尊重しましょう」みたいな、そんな当たり前の薄っぺらい価値基準をこうまで正々堂々と押し付けてくるこの人たちの作風が、本当に嫌い。これはもう好みの問題なので如何ともしがたい。 [DVD(字幕)] 4点(2019-09-02 14:24:43) |
468. マイノリティ・リポート
《ネタバレ》 スピルバーグ監督&トム・クルーズ主演、フィリップ・K・ディック原作による知的仕掛けに満ちたSFエンタメ作品。ずっと前に観た記憶のある本作なのですが、細部の記憶がすっかり抜け落ちてしまっていたので、今回改めて鑑賞してみました。確かに僕の大好物であるタイム・パラドックスネタで、しかも映像的にもかなり斬新な表現が多く(特にあの人間の網膜を調べて回る蜘蛛型ロボットはナイス造形!)、けっこう面白かった。なのですが、やはり惜しいのは脚本。途中まで、何故自分が殺人を犯してしまうと予知されたのかを巡るサスペンスがかなりよく出来ていたので、真相が明らかにされた後の蛇足感が凄い。あのままバッド・エンドでもいいので、主人公が結局殺人者になって終わる展開でも良かったのでは?でもまあそこまでの当時のCG技術の粋を極めたであろうアクションシーンはかなりの迫力だったし、トム・クルーズも若くて格好良いし、プルコギの神秘的な描写もエキゾチックで大変良いし、ピーター・ストーメアをはじめとする脇役陣もいい仕事をしていたし、単純にエンタメ映画として僕はなかなか楽しめました。 [DVD(字幕)] 7点(2019-09-01 01:15:46) |
469. サバービコン 仮面を被った街
《ネタバレ》 ようこそ、心躍る町サバービコンへ――。そこは、アメリカ郊外にある典型的な中産階級の町だ。誰もが同じような家に住み、誰もが同じような生活レベルを維持し、誰もが同じような宗教を信じ、そして誰もが白人だ。そんな平和だが閉鎖的な町にある日、黒人の家族が越してくることに。白人たちの小さなざわめきは瞬く間に町の隅々にまで拡がり、芽生えた悪意はやがて剥き出しの憎悪となって人々の生活を侵食してゆく。そんな折、その黒人家族の隣に住むロッジ家に、二人組の泥棒が入る。一家の大黒柱であるガードナー、一人息子のニッキーと事故で下半身が不自由となった妻、そんな平凡なロッジ家の生活はその日を境に一変してしまうのだった。妻は殺され、犯人は逃亡、遺された家族も心に深い傷を負ってしまった。どこにであるような平凡な悲劇。だが、息子のニッキーだけは気付いてしまう。自分の父親が重大な嘘を吐いていることに…。果たして事件の真相とは?小さな町で起こった平凡な強盗殺人事件、その背後に隠された秘密を巡り、どんどんと追い詰められてゆく一家族の騒動をスラップスティックに描いたブラック・コメディ。監督はハリウッドの人気俳優ジョージ・クルーニー、脚本はこれまたハリウッドを代表する実力派のコーエン兄弟。主演には、マッド・デイモンをはじめ、一流どころが名を連ねております。この布陣が示す通り、抜群の安定度が光るクライム・ドラマの佳品に仕上がっていましたね、これ。社会の不条理を子供の目で風刺する、コーエン兄弟のその目線の鋭さは相変わらず健在。悪意の連鎖がどんどんと拡がり、やがて破滅が破滅を呼ぶさまは観ていて心苦しくもあるのですが、誰もが心に持っているだろう残酷さを良い感じで刺激してくるので、最後まで惹き込まれて観ることが出来ました。特に、邪魔になった保険調査員を殺してしまい、その死体を車で遠くへと捨ててきたマッド・デイモンが血だらけのまま、チャリンコでふらふらと帰るとこは思わず笑っちゃいました。子供が隠れたベッドの上で、犯人と助けに来た伯父さんが揉み合いになるシーンはサスペンスフルで大変いい(蛇の扱い方が巧い!)。人種差別の扱いが本筋といまいち絡まずちょっと中途半端なところは残念でしたが、総じて僕は満足でした。うん、けっこう面白かったです。7点! [DVD(字幕)] 7点(2019-08-30 06:34:14) |
470. ザ・シークレットマン
《ネタバレ》 アメリカ史上初めて、大統領を辞任に追い込んだニクソン大統領による民主党本部盗聴事件。いわゆるウォーターゲート事件。長年の謎とされていた、この事件の密告者である通称〝ディープスロート〟は最近になって元FBI副長官であったマーク・フェルトであると明らかにされたが、本作はその事実を基に決して権力に屈しなかった男たちの熱いドラマを静かに描いたポリティカル・サスペンスだ。物語の焦点となるマーク・フェルト役を人気俳優リーアム・ニーソンが演じている。何十年にもわたり、この組織のトップに立ち続けてきたフーバー長官の突然の死(そう言えば、過去にクリント・イーストウッド監督作でレオナルド・ディカプリオが彼を演じていた)から、この重厚なドラマは幕を開ける。独立した機関として長い間、絶大な権力を有してきたこの組織に何らかの楔を打ち込みたいとホワイトハウス側が画策し、今度はそれに反発したFBI側が徐々に態度を硬化させて両者の対立が表面化し始めたそんな折にその疑惑が明るみに出るのだった。現役の大統領による重大な不正疑惑――。お互いの権益を守るために、ニクソン大統領(そう言えば、オリバー・ストーン監督作でも名優アンソニー・ホプキンスが彼を演じていた。やはりこの事件は多くのアメリカ人にとって非常に重要な意味を有しているのだろう)との権坊術数渦巻く政治劇が展開される。この徹底的な事実考証に基づいたであろう丁寧な演出は、事実の重みとも相俟ってなかなか見応えがあった。民主主義の正義を建前に、自らの立場やプライドを賭けた男たちの闘いはきっと今も権力中枢で繰り返されているのだろう。そう思うと物語の発端となるフーバー長官の突然の死も本当に病死だったのかと疑いたくなってくる。権力の正体というものを改めて分からせてくれる佳品に仕上がっていたと言っていいだろう。ただ、自分には不満な点も多々。ストーリー展開が事実を追うことに焦点を絞るあまり、少々ドラマ性に欠けているのだ。このマーク・フェルトという人物の人間的な側面をもっと見たかったような気がしなくもない。失踪した彼の娘の存在など、そのための格好の材料となりそうなものなのにその部分は意外にあっさりと流してしまっているのが惜しい。 [DVD(字幕)] 6点(2019-08-30 00:40:43) |
471. スカイスクレイパー
《ネタバレ》 香港に建つ超高層ビル。そこで突如として巻き起こった大火災へと、家族を救うために立ち向かったお父さんの大活躍を描いたエンタメ・アクション。主演は人気アクション俳優、ドウェイン・ジョンソン。観る前から分かってはいましたが、まあベタベタな内容でしたね、これ。『タワーリング・インフェルノ』と『ダイハード』のいいところを掻い摘んで一緒にしてみましたって感じ。ただ、内容は超絶薄っぺらい。別にエンタメ映画なんでそれでもいいのですが、なんか脚本と演出がいまいちなせいで最後まで盛り上がりに欠けるのが本作の残念なところ。「そこ、もっと盛り上げるとこっしょ」といった部分をあっさり流しちゃうのがほんと勿体ない。また、この薄い内容でやたら人が死ぬのもちょっとどうかと思います。うーん、感想を訊かれると「なんか、微妙…」というのが一番しっくりくる作品でありました。 [DVD(字幕)] 5点(2019-08-26 23:03:08) |
472. ミスター・ガラス
《ネタバレ》 『アンブレイカブル』『スプリット』に続く、M・ナイト・シャマラン監督による三部作の最終章。はっきり言って別に好きでもなんでもないシリーズなんですけど、何故か前二作を観てしまったので、もう仕方なしに今回鑑賞してみました。まあ前二作よりは良かったとは言え、自分にとってはやはり面白くない。最終章なのに、なんか地味でこじんまりと纏まってしまってるような。最後、オオサカ・ビルに皆が集まって世間が見守る中、三人の一大決戦が始まるのかと思いきや、そうはならず。「え、ここまで引っ張といて、結局行かんのかい!」とずっこけそうになりました。前作に引き続き、ジェームズ・マカヴォイもとても幾つもの人格をちゃんと演じわけてるとは到底思えません。うーん、やはり自分には何が良いのかさっぱり分かりませんでした。 [DVD(字幕)] 4点(2019-08-26 22:43:09) |
473. アナイアレイション -全滅領域-
《ネタバレ》 アメリカの国立公園の海岸沿いに建つ小さな灯台。この何の変哲もない小さな建物にある日突然、不可解な謎の現象が発生する。光輝く空間が灯台を中心に現れ、やがてゆっくりと周りを呑み込み始めたのだ。中で何が起こっているのか、最新の機器を使っても皆目分からなかった。幾つもの調査隊が組まれ、その「シマー」と名付けられた光の中へと送り込まれる。だが、誰一人として帰ってくることはなく、「シマー」はますますその範囲を拡大し続けるのだった――。何の進展もないまま三年もの月日が過ぎたころ、生物学者として大学で教鞭をとっていたレナの元に、海兵隊員で一年前にシマーへと送り込まれたまま音信不通となっていた夫が急に帰宅する。彼は「シマー」の中での記憶を完全に失っていたばかりか、内臓に重度の損傷を負っていてすぐに昏睡状態へと陥ってしまうのだった。動揺を隠せないレナ。新たに調査隊が組まれることを知った彼女は夫の身に何が起こったのか確かめるべく、無謀にも入隊することを決意する。これまでと違い、学者だけでしかも皆が女性という五人の調査隊の一員となったレナは、その光り輝く「シマー」の中へと足を踏み入れるのだったが…。果たしてこの「シマー」には何があるのか?静かに始まった人類の危機へと立ち向かう女性たちの驚愕の体験をスタイリッシュな映像で描くSFスリラー。監督は前作『エクス・マキナ』でスマッシュヒットを飛ばしたアレックス・ガーランド。主演はオスカー俳優でもある人気女優ナタリー・ポートマン。この監督らしい知的センスに溢れた世界観とシャープでスタイリッシュな映像美はなかなか見応えありました。この謎の現象の中心に近づくと全ての生物のDNAがどんどんと掻き乱されてゆき、やがて突然変異した異形の生き物が幾つも現れるというのはベタですけどけっこう面白かった。グロテスクな映像もそこまでショッキングなものにならず、全体的に何処か気品のようなものを感じさせるのもこの監督のセンスがなせる技なんでしょう。ただ、惜しいのはラストの展開。謎を謎のまま終わらせるのはもちろんいいのですが、いまいちテーマの掘り下げが足らない印象。同じような内容のドニ・ヴェルヌ―ヴ監督の重厚なSFドラマ『メッセージ』などと比べるとやはり深みが足らないように思う。だからと言ってエンタメ作品として捉えると、やはり刺激に欠ける。うーん、なんとも中途半端。映像や世界観は非常に良かっただけに、ちょっと物足りない作品でありました。 [DVD(字幕)] 6点(2019-08-20 13:59:59) |
474. スイス・アーミー・マン
《ネタバレ》 たった独りで無人島に漂流した若い男と、腹に溜まった腐敗ガスによって常に〝おなら〟が止まらない一体の水死体。あろうことか、男はその水死体に跨ると腐敗ガスを動力として島からの脱出を図る。その「水死体ボート」の力で何処かの海岸へと辿り着いた男は、その命の恩人である水死体を担ぎ、人の姿を求めて深い森の中へと分け入ってゆく。すると、死んでいたはずのその水死体が何故か彼に話しかけてくるのだった――。心に闇を抱えた孤独な男と喋る水死体との決死のサバイバルを不条理な展開で見せるシュール・コメディ。という設定だけ聞くと超おバカな映画のように聞こえるし、実際海の上をおならの力で疾走する冒頭のシーンから下ネタ全開でけっこう振り切れたそのエピソードに摑みはばっちりでした。でも、この映画のピークはその冒頭10分のみ。その後は中途半端に哲学的かつシュルレアリスムな展開になるのですが、これがまあ独り善がりもいいところ。正直言って監督やスタッフ、俳優たちが内輪のみでこの悪ノリを楽しんでるだけで、映画としては非常に出来が悪いとしか言いようがありません。もう完全なる出オチ映画でしたね、これ。見事なまでに全部のネタがすべっちゃってます。率直に言って、この作品は映画としての枠組み(主題)が全く固まっていないので、その中で何をやられてもまるでノートに書かれた落書きを見せられているようなもので面白くもなんともありません。死体役を演じたダニエル・ラドクリフ君も「どうだい?ハリー・ポッターイメージからの脱却に苦しむ僕が迷走の末、こんなキワモノ役を演じちゃってるぜ。どうぞ、みんなで笑っちゃってくれ」という自虐的な思惑が透けて見え、なんか痛々しくて逆に笑えないんですけど!まあ時間が短かったのと、つまらないけれどそこまで腹立つほどでもなかったので、ぎり2点で。 [DVD(字幕)] 2点(2019-08-18 00:10:12) |
475. ブレイン・ゲーム
《ネタバレ》 夜の街で多発する猟奇的な連続殺人事件。全く関連のなさそうな様々な人物が、鋭利な刃物で頚椎を一突きにされるという残忍な手法によって命を奪われていた。捜査を担当するFBI捜査官ジョーの懸命な捜査にも関わらず、いまだ犯人の痕跡すら発見できずにいた。業を煮やしたジョーは、今はもう引退したもののその超科学的な予知能力によって数々の難事件を解決してきたクランスキー博士に協力を依頼する――。そう、彼は誰であろうとその手に触れることによってその人の過去やそう遠くない未来を読み取ることが出来るのだ。彼に懐疑的な若い女性捜査官とともに現場へと赴いたクランスキー博士は、そこに残された犯人の全てを見透かしたようなメッセージに愕然とする。「犯人は、自分と同じ能力を持っている」。人智を超えた予知能力を備えたFBI捜査官と冷酷な猟奇殺人鬼。彼らの命を懸けた頭脳戦が今、幕を開ける…。アンソニー・ホプキンスとコリン・ファレルの豪華共演でおくる、そんな特殊能力を持った二人の男たちによる極限の頭脳戦をスタイリッシュかつグロテスクに描いたサイコ・スリラー。まあ一言で言ってしまうと既視感バリバリのよくある作品でしたね、これ。と言うか、アンソニー・ホプキンスが過去に主演したあのサイコサスペンスの古典的名作『羊たちの沈黙』とほとんど同じシーンがあるんですけど、これってどうなんですかね。こういうのを典型的なパクリと言うのでは?まあそういうのを抜きにしても、全体的にテンポが悪く、また思わせぶりな展開が多いので途中でだれてしまうのが本作の残念なところ。コリン・ファレル演じる真犯人が登場するのがかなり遅いので、見せ場となる彼らの神経戦がいまいち盛り上がりに欠けるんですよね、これ。ただ、時間が停止した電車内をカメラが自由自在に移動するシーンは、マトリックス以来何度も目にしてきましたが、それでもなんかワクワクしますね。そのシーンや、博士が侵入する犯人や被害者の精神世界の描写にときおり目を見張るような印象的なシーンがあっただけに、なんとも残念な作品でありました。 [DVD(字幕)] 5点(2019-08-17 00:01:34) |
476. ブロークン・フラワーズ
《ネタバレ》 かつて様々な女性たちと浮名を流し、名うてのプレイボーイとして名を馳せたドン・ジョンストン。そんな彼も寄る年波には勝てず、同棲していた女性にも振られ、いまや自由気儘な独り身として空しい毎日を過ごしている。そんなジョンの元にある日、ピンクの封筒に入った差出人不明の手紙が届くのだった。「あれから20年経った今、あなたに伝えておきたいことがあるの。あなたと別れてから私は妊娠に気付いた。あなたには知らせず、私はその子を産んだわ。そして一人で育ててきた。そう、あなたには今年20歳になる息子が居るのよ」――。当然、寝耳に水のドンは、にわかにはとても信じられなかった。真相を確かめるため、ドンは20年前に付き合っていた心当たりのある女性たちを今さらながら訪ねて回ることに。小綺麗なスーツに身を包み、ゆく先々でレンタカーを調達し、彼は当時付き合っていた5人の女性たちの元へと旅立つのだった。その手に毎回ピンクの花束を握りしめて…。インディペンデント映画界の巨匠ジム・ジャームッシュ監督のカンヌ映画祭グランプリ受賞作。いかにも彼らしい、このトホホな親父のゆる~い一人旅を描いた本作、なかなか味わい深いロードムービーの佳品に仕上がっていましたね。20年前に付き合っていた元カノたち4人(5人のうち1人は亡くなっている)に、自分の息子を勝手に産んでいないか確かめるために旅に出るというこの設定がまず秀逸。男って、何年経ってもかつての恋人たちには自分を愛したことを今でも覚えていてほしいと思うバカな生き物なんで、「あぁなんか分かるわ~」と苦笑交じりに共感しちゃいました。そして相手の元カノたちもそれぞれ四者四様の人生を歩んできたことがしみじみと分かるなかなか個性豊かな面々で、なんだか凄く良かったです。最初の酒に酔ってすぐに身体を許しちゃう軽ーいノリの元カノ(その娘もね!)から、見栄っ張りな経営者、スピリチュアルにいっちゃったアニマル・セラピスト、そして現在とても幸せとは言えない境遇に居る元カノまで、なんだか人生の哀歓を感じさせてじんわりと切なさがこみ上げてきますね。これぞ、ジム・ジャームッシュ節!ただ、惜しむらくは肝心のことの真相。きっと、敢えて真相を謎のままにして終わらせたんだと思うんですけど、さすがにここまで引っ張といてこれはないですわ~。手紙の送り主や息子の真偽など、もっとすっきりとさせて終わって欲しかったです。それまではすこぶる良かっただけに、ラストだけがなんとも惜しい。 [DVD(字幕)] 6点(2019-08-16 23:09:54) |
477. ダウンサイズ
《ネタバレ》 いまや危機的状況にある環境汚染を劇的に改善させるために編み出された、究極の手段。それは人間の身体を10センチ程度のミニサイズに縮めてしまうこと。そうすれば人口爆発も食糧危機も地球温暖化も全て根本的に解決されるはず!そんな理想(妄想?)を掲げた科学者が、研究に研究を重ね、ついにその方法を実現したのだった。主人公であるポールは経済的な理由もあって、妻とともにそんなミニサイズ化を決断する。だが、無事に施術が終わりミニ人間となって目覚めてみるとそこに妻の姿はなく…。文字通り小人サイズとなってしまった人々が巻き起こす様々なドラマを軽妙に描いたヒューマン・コメディ。前半、ミニサイズとなってしまった人々が直面するであろう様々な問題をあくまで科学的経済的な視点でリアルに描いた部分は、全体的にクスリとさせられるユーモアもあってなかなか面白かったですね。全身の毛を抜いたり、歯を抜いたりしてようやく小さくなった人々を大きいままの人間がスコップみたいなものですくっていくとこなんて思わず笑っちゃいました。そして、髪の毛全そり眉毛が片方だけしかない妻からの電話で彼女の裏切りを知った主人公の半狂乱ぶりなんて凄く面白かったです。このまま「ミニサイズになった夫とでかいままの妻の痴話げんか」とか、なかなか面白そうな展開になりそうじゃん!とワクワクしながら観ていたのですが、本作の残念なのはここから大幅に迷走しちゃうところ。こんなに面白そうな素材なのに、どうしてこんな展開にしちゃったんでしょう。正直、ベトナム人女性とのラブロマンスやカルトと化したノルウェー人のコロニーでの話なんて興味ないですって!『アントマン』みたいなハチャメチャな展開にしろとまでは言わないですけどさ、このミニサイズ人間という設定をもっとこう活かせなかったんでしょうか。ミニ夫とデカ妻の泥沼離婚裁判劇とかにしてくれたら絶対面白くなったはずなのに、後半の展開があまりにも勿体ない。あと、全体的に長すぎ!さすがのこのお話で二時間越えは途中でダレます。うーん、前半がすこぶる良かっただけに残念! [DVD(字幕)] 5点(2019-08-13 23:30:39) |
478. 女王陛下のお気に入り
《ネタバレ》 18世紀、フランスとの泥沼の戦争を続けていたイングランド。当時この国を治めていたのは、横柄で気まぐれな人格的にかなり問題を抱えていたアン王女だった。そんな彼女に長年側近として仕え、宮廷内で絶大な権力を誇っていたレディ・サラの元に、従妹にあたる没落貴族の娘アビゲイルがやって来るところから物語は始まる。その時その時の感情の赴くままに行動し、国民を翻弄するアン王女。彼女を陰で支配し、自らの思い通りの宮廷を築き上げてきた冷酷無比なサラ。人生このままでは終われないと、なんとかしてのし上がろうともがくアビゲイル。女王陛下の“お気に入り”となって何もかもを手に入れようとする女たちの醜い戦いが、いま幕を上げる――。絢爛豪華な女王陛下の宮殿内で繰り広げられる、そんな魑魅魍魎の女たちの駆け引きを濃密に描いた醜悪な宮廷絵巻。監督は、独自の作風で世界から今最も注目を浴びるギリシャの鬼才、ヨルゴス・ランティモス。彼のこれまでの気持ち悪い変態路線が今回はハリウッド資本の影響か良い感じで薄まって、なかなかバランスのいい作品に仕上がってましたね、これ。オリヴィア・コールマン、レイチェル・ワイズ、エマ・ストーンという三世代の実力派女優が繰り広げる情念の応酬とも言うべき演技合戦はなかなかの迫力。もう女の嫌らしい醜い戦いが終始どろどろに繰り広げられ、見応えばっちりでした。何食わぬ顔で可愛いウサギを踏みつぶそうとするエマ・ストーンの性格の悪さったらないし、プライドだけは膨大に膨らんだレイチェル・ワイズの自業自得の凋落ぶりもなかなか良かった。でもやっぱり一番素晴らしかったのは、もはや性欲だけが心の慰めの醜いオバはんをいやらしーく演じたオリヴィア・コールマンの鬼気迫る表情!いやー、こんな世界には一生関わりたくないですね(笑)。それに周りを固める男たちもみな自分のことしか考えていないバカばっかりで、こんな貴族のために戦場で命を懸けて戦っている兵士たちのことを思うと不憫としか言いようがありませんわ。うん、なかなか面白かったです。まぁ女性に多大な幻想を抱いているであろう童貞男子諸君は観ない方が賢明だろうけど(笑)。 [DVD(字幕)] 7点(2019-08-06 23:52:41) |
479. いつか晴れた日に
《ネタバレ》 僕の大好きなアン・リー監督の初期の代表作ということで、何の予備知識もないままに今回鑑賞してみました。するとオープニング・クレジットで原作者にジェーン・オースティンの名が…。「あぁ、この原作者、俺の苦手な人じゃん~」と一抹の不安を感じながら観続けること30分。案の定、僕の不安は見事に的中してしまいました。イギリスののどかな田舎町に暮らす姉妹たちの惚れたり冷めたりくっついたり離れたりの婚活話が延々と続き、僕は正直一ミリたりとも興味を持つことが出来ませんでした。アン・リー監督らしい映像美や華のある役者陣の豪華共演など画的にはいい部分もたくさんあったのですが、僕はやはりこのオースティンていう人の作風は苦手ですわ~。 [DVD(字幕)] 5点(2019-08-03 22:35:45) |
480. ブルース・ブラザース
《ネタバレ》 刑務所から出所したばかりの元バンドマン兄弟、その名もブルース・ブラザーズ。子供のころに恩になった教会を救うため、再び音楽活動を始めた彼らの波乱万丈の活躍をコミカルかつダイナミックに綴ったミュージカル・エンターテイメント。何かと有名な本作を今さらながら鑑賞してみました。うーん、時代のせいなのか僕はそこまでのれなかったですね、これ。確かに面白い部分もいくつかあったのですが、全体的にはそこまでって感じでした。余談だけど、タモリ倶楽部の空耳アワーで何度も取り上げられた有名な曲は、リメイク版で使われてたみたいですね。原曲を普通に聴いてみたかったのに、ちょっと残念でした。まあ本当に余談ですけど(笑)。 [DVD(字幕)] 6点(2019-08-02 23:48:23) |