81. キック・アス ジャスティス・フォーエバー
《ネタバレ》 この映画には賛否両論あったのでちょっと不安でしたが、大変楽しめました。でも、当方のこの点数は信用しないほうが良いです。ストーリーなど無視して、この映画からミンディ=ヒット・ガールが出てこないシーンを一切カットしたとしても、このままの点数ですから! [映画館(字幕)] 7点(2014-03-05 21:47:16) |
82. キャプテン・フィリップス
《ネタバレ》 実際の事件のことは全く覚えていないので間違っているのかもしれないが、おそらくはこの映画はなるべく事実に忠実に描いたのではないだろうか?そのためと思われるが、アメリカの貨物船をソマリアの海賊が襲うという、いかにも社会派的な映画の題材になりそうな事件を描いておきながら、この映画からはそのようなメッセージはほとんど発せられない。完全なフィクションなら、ラストにはフィリップスと逮捕された海賊との会話のシーンなどが入ったのでしょうが、さすがにそれは無し。逆に、貨物船が襲われるシーン、人質交換のシーン、海賊射殺のシーンなどは、ほとんど正統派のハリウッドアクション映画のようで、これが本当にあったことなのかと思うと怖くなります。映画全体の出来は良いのですが、アクションあるいはスリラー、犯罪ものとして楽しんでしまうのは違うと思うし、かといって前述のように社会派の映画でもなく、評価しづらいですね。 [映画館(字幕)] 7点(2013-12-21 22:44:08) |
83. キック・アス
《ネタバレ》 本サイトで高評価のこの作品、たまたま近所の店でDVDを売っているのを発見し、今時珍しく定価で購入。残酷描写は確かに気になりますが、ヒットガールの可愛さと残酷さとの対がこの作品の売りなのではないかと思います。映画の設定には、いろいろひねりが入ってますが、終盤に向かってのストーリーの盛り上がりは、王道のスーパーヒーローものと変わらないものがあり、特に敵アジトにヒットガールが単身乗り込むマカロニウエスタン調のシーンは最高です。一旦全部見た後で、ヒットガールが出てくるシーンだけ再度見直してしまうほどの中毒性がありました。 [DVD(字幕)] 7点(2013-08-05 23:58:52) |
84. L.A. ギャング ストーリー
《ネタバレ》 あまり多くを望まずに見に行ったのですが、正直予想以上の面白さでした。ギャングモノといってもそれほどシリアスなわけではなく、アクション映画と紙一重のところはあるのですが、ショーン・ペンをはじめとする俳優陣の渋さによってかろうじて実録モノの雰囲気を保っています。 実話に基づく(based on)ではなくinspiredだったので、いったいどこまでほんとの話なのかわかりませんが、ギャングのマシンガンに対し、なんの策もなく拳銃で勝ってしまうのはさすがに説得力がないです。そのあたりはマイナス評価なのですが、逆に、実際にあった出来事であるならば、+1点したいところです。 [映画館(字幕)] 7点(2013-05-11 21:41:42) |
85. アイアンマン3
《ネタバレ》 私にとってのこのシリーズの魅力が、主人公トニー・スタークのキャラクターに多くを負っていたことを認識させられた一作でした。まったく男の目から見て、彼ほどカッコイイやつはいない。彼が実在の人物であれば、私が世界で最も尊敬する人になっていたはずです。そんな彼が人並みに悩んでしまう本作は、ちょっと肩透かし気味でした。トニーのアイアンマンからの精神的な分離を図る今回は、だからスーツを使わないトニーの生身のアクションが多用され、せっかくアイアンマンになったとしても、過去2作ほどの圧倒的な力は発揮せずじまい。シリーズの転換点としての本作の出来の良さは理解できるけれど、いつものはじけたトニーを観たかった気持もいっぱいでした。仕方がないので、ホームズの次回作に期待しよう。 [映画館(字幕)] 7点(2013-04-28 22:54:30) |
86. リンカーン
リンカーンの映像や動画が残っているわけではないので、いくらダニエル・デイ・ルイスが似ているといわれても、正直判断のしようがない。が、この映画は、似ている似ていないはどうでもよく、ひたすらダニエルのモノローグが素晴らしい。ただ、それだけで映画全編を引っ張っている。スピルバーグも本作はずいぶん大人しい演出ぶりで、特に奇をてらったような場面はなかったように思います。 [映画館(字幕)] 7点(2013-04-20 19:36:35) |
87. ジャンゴ 繋がれざる者
《ネタバレ》 いわゆるマカロニ(スパゲッティ)・ウエスタンへのオマージュが明らかな、痛快娯楽西部劇。ただ、タランティーノらしくホラーと見まがうかの銃撃戦や奴隷同士の戦い等での残酷描写は、ちょっときついと感じます。タランティーノの特徴といえばそうなんですが、必要かな?Dr.シュルツや悪役キャンディら、魅力的なキャラクターがクライマックス前にあっけなく死んでしまうのがちょっと残念でした。サミュエル・L・ジャクソンが最後の悪役として残りますが、彼では少し物足りない。映画としては、敵役にジャンゴのライバルとなるべき凄腕のガンマンが配置されているべきでは?それにしても、サミュエルはよくこんな極悪人役を受けたもんですね。 [映画館(字幕)] 7点(2013-03-03 10:01:55) |
88. アルゴ
《ネタバレ》 ベン・アフレックは、脚本家としても実績があり、とてもスマートな人のはずなのだが、彼の演じてきた役の多くがどうも「頭が弱く」「軽い」印象があって、これまではあまり好きになれませんでした。ところが今回の彼はなかなかの貫禄があり、いい年の取り方をしてきたのではないでしょうか?いまなら、ジャック・ライアンを演じてくれてもOKです。映画は緊迫感があってまずまず。できれば、スパイ活動のディテール(例えばパスポートの偽造のところのようなシーン)をもう少し詳しく描いて欲しかったところ。主人公が計画実行を決心した後の、上司の的確で素早い対応の場面はいかにもハリウッド映画的ではあるけれど、楽しめました。 [映画館(字幕)] 7点(2012-11-07 06:37:26)(良:1票) |
89. アベンジャーズ(2012)
《ネタバレ》 アクション映画としては十分及第点。ただ、基本的に過去の関連作品を全部見ておくことが前提の映画だったと思う。アイアンマンとハルクしか見ていなかったので、特にソーに関連するバックグラウンドがよく理解できなかった。何人かが指摘しているように、エンドロールはこの映画一番の出来でしたね。 [映画館(字幕)] 7点(2012-08-29 06:44:13) |
90. ザ・クリエイター/創造者
《ネタバレ》 よくある異文化共感もの(ダンスウィズウルブス・ラストサムライ・アバターetc.)でした。 SFかといわれると、まあハードSFでは全くなく、スターウォーズと同レベルのSF度というところでしょうか。 どうも、A.I.とロボティクスをごっちゃにしている感じで、それこそブレードランナーの問題提起にも及んでいない有様です。 この映画に出てくるA.I.はもはや人間と同化しすぎていて、やることなすこと人間そのまま(なにせA.I.が寝込みを襲われてスイッチ切られちゃうくらいですから)なので、主題がボケボケになってるんですよね。 監督の映画マニアっぷりがさく裂していて過去作のオマージュがてんこ盛りで、あまりにもそれが目立つから、「これは、どの映画のどのシーンからの引用だったかな?」って感じで思い出すことに集中力の半分くらい持っていかれてしまって、せっかく盛り上げようとしているストーリーに没頭できませんでした。 でも、映像にふんだんにお金をかけて、サービス精神満点でエンターテイメントを提供しようという監督の姿勢は十分伝わりましたし、嫌いじゃありません。 [映画館(字幕)] 6点(2023-11-02 00:35:57)(良:1票) |
91. AIR/エア
《ネタバレ》 確かに思い返してみれば、70年代、物心ついた時にはADIDASは既にあったし、少し遅れて仲間内ではPUMAの方が人気が出て、80年代半ばにはCONVERSEのバッシュがやたらと流行り、クラスの半分くらいの人がオールスターをはいていた覚えがある。NIKEはそのころは全く知名度がなく、90年代到来とともに急にNo.1スポーツブランドになったイメージで、ずいぶん唐突だという感じがありましたが、その背景にこういうことがあったのね、と勉強になりました。そういえば、BTTFでもマーティが50年代の不良に「靴にニケって書いてあるぜ」とか、馬鹿にされていたな。(映画だったかノベライズだったかは忘れましたが) 映画自体は、堅実な作りではありましたが、会社がつぶれそうだとか、主人公ソニーにジョーダンに人生を賭けるほどの何か切羽詰まった事情があったようにも見えないこともあり、盛り上がりはそれほどありませんでした。結論は皆が知っている話だしね。 マット・デイモンの役作りはなかなかです。本当にジェイソン・ボーンと同一人物ですか? [映画館(字幕)] 6点(2023-04-19 00:31:07)(良:1票) |
92. バビロン(2022)
《ネタバレ》 かなり見応えのある、大人向けドラマ。 微妙に絡み合う3つのストーリーが進行するが、その「絡み」が本当に微妙すぎて、あまり効果があったような気がしません。 ブラッド・ピットのパートは、彼の好演技もあって嫌いではないですが、この人いなくても映画は成立するよね。 マヌエルがネリーに告白したシーンはなかなか泣けたので、そのままハッピーエンドでもよかったのに。 最後のいろんな映画の名場面挿入シーンは、主人公の心象風景ではないので、ちょっと蛇足感ありでした。雨に唄えば、だけで十分なのに。 [映画館(字幕)] 6点(2023-02-23 19:15:15) |
93. ザ・メニュー
《ネタバレ》 以下、ネタバレあるので御注意を。 変形版の「そして誰もいなくなった」ってとこですかね。 尺もそう長くはないし、サスペンス・スリラーとしてはなかなか引き付けるところがあって飽きないのですけど、ミステリーとしては成立していないので、最後まで観てドッチラケという感じでした。 結局、シェフの病的な完ぺき主義が、この異常な話のすべての理由だったなんてちょっと説得力がなさすぎでしょ。 こういう話なら、「そして・・・」と同じように徐々に登場人物を退場させ、最後にシェフと一対一で対峙したマーゴが「お持ち帰り作戦」を発動させ、無事生き残る、というような筋のほうが盛り上がったろうに。 アニヤ・テイラー=ジョイがかなり魅力的で、多用される彼女のアップを見ているだけでも満足度高いのでプラス1点しときます。 [映画館(字幕)] 6点(2022-11-23 00:25:29) |
94. アムステルダム
《ネタバレ》 ちょっとクセが強すぎる感じで、素直にストーリーに乗れませんでした。 主人公演じるクリスチャン・ベールが、いきなりヤクで昏倒するわ、義眼を外しまくるわで、なんだか性格破綻者のごとく振る舞いますが、終わってみれば終始まじめな人物だったわけで。 ヒロインのヴァレリーも再登場後はやたらとふらついていて、精神的に不安定なのかと思わせるシーンがあったりで、このあたりがコメディとしての演出だったのかもしれませんが、全体的に、日本人にはハードル高すぎかな。 笑えたのは、やたらバードウォッチングにこだわる二人くらいだったなあ。 豪華俳優陣を楽しむことはできたけど、もっと面白くできたような気もします。 [映画館(字幕)] 6点(2022-11-01 00:33:46) |
95. ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
《ネタバレ》 どうやら、事前にweb配信ドラマを観ておかねばならない、とのことですが、当方そういうものにはお金は払っていないので、最初から「ストーリーはわかんなくても仕方なし。しかし、監督がサム・ライミとくれば、観逃すのはちょっと惜しい。」くらいの気持ちで観ました。まあ、ワンダの闇落ちについては、ちょっと想像力を働かせれば、補完はできましたよ。 ただね、魔法使いと超能力者の戦いでは、何ができて何ができないか、どんな方法で問題を解決しようとしているか、っていうのがほとんど想像できず、目の前をすごい勢いで通り過ぎていくにぎやかな映像を、ただ見ていただけのような感じになっちゃって、終わった直後にはもうストーリーを思い出せない状態。そもそも最初の目玉のお化けって、なんで出てきたんだっけ? サム・ライミのホラー演出は、さすがに上手ですね。死霊のはらわたのエッセンスを、ディズニー映画としてのぎりぎりのラインで表現する神業を見せてくれています。 プロフェッサーの登場など、ニヤリとするところはありましたが、どうせ異世界に行くのなら、ワンダがマグニートーとフェニックスがいる世界に飛んで行ったのなら、それこそとんでもない戦いになったんだろうに、と思いました。 [映画館(字幕)] 6点(2022-05-20 00:37:00) |
96. THE BATMAN-ザ・バットマン-
《ネタバレ》 バットマンをリアル世界の出来事として表現しようというのは、既にダークナイトでやっちゃっているのですが、今回それと全く同じ路線で、ただし、さらにシリアス感を出すために、映像はセブンの雰囲気を取り入れたもの、という感じです。力作ですが、残念ながらダークナイトは超えていません。 重厚さを強調するあまり、画面はとにかく単調で、映画が長いのもあって、正直眠気を誘われます。 クライマックスのアクションでごまかされがちですが、結局バットマンはリドラーに全く勝てていません。と、いうか、このストーリーって結局、リドラーによるブルース・ウェインのサイコセラピーだったにすぎませんね。 [映画館(字幕)] 6点(2022-03-12 21:03:43)(良:1票) |
97. クライ・マッチョ
《ネタバレ》 もう90を超えた大巨匠の映画だけに、それほどシビアな内容はそもそも予想はしていませんでしたが、実際、悪人は出てくるのだけれどその追跡はゆるゆるだし、ラファエルも、母親のセリフから、どんな不良が出てくるのかと思いきやずいぶん素直な少年で、しかもマイクとすぐ仲良くなるし、マルタとの出会いや交流もとんとん拍子だし、という感じで、映画全体がとても“やさしく”、ほとんど童話のようでした。 イーストウッドは、確かに存在感あるのですが、さすがに歳を取りすぎていて、家族や仲間がいない偏屈な老人(まさに、グラン・トリノのコワルスキーのイメージのはずだったのだと思う)という雰囲気がまるでなく、ラファエルとの交流を通して、変わったという感じがしなかったです。 ラストシーンも、2度目となるダンス・シーンで終わるのでなく、ラファエルの後日譚であるべきだったのじゃないかなあ? [映画館(字幕)] 6点(2022-01-19 00:26:26) |
98. キングスマン: ファースト・エージェント
《ネタバレ》 この監督さんの作品は、そのぶっ飛んだ表現が楽しくもあり、しかしそのやりすぎ加減はちょっと苦手なところもあって、イケナイ映画を見に行く感覚でした。 しかし、これがまた意外なことに、実に“おとなしい”表現に収まっていました。 まだ序盤ともいえる、ラスプーチンとの絡みまでは、なるほど確かにキングスマンっぽかったのですが、それ以降はそれほど強烈な表現はなく、ごくまっとうな冒険活劇にとどまっていました。宣伝文句に偽りありです。 決してつまらない映画ではないのですが、期待したほどの内容ではなかったと思います。・・・期待してたんかい! [映画館(字幕)] 6点(2021-12-31 23:23:43) |
99. マトリックス レザレクションズ
《ネタバレ》 Ressurections 復活、ね。ふーん。 楽しみ半分、どころか楽しみ10%不安90%の心持ちで観に行きましたが・・・ なかなかしっかりした旧三部作の続編になってましたね。ロッキーでいうなら、5ではなくファイナルくらいの出来栄えはあったと思います。 序盤では旧作を主人公が開発したゲームの話に矮小化したり、2作目登場の下品なフランス人のスピンオフがどうたらというセリフ、さらにクレジット後の小話もあって、製作者サイドの、虚構と現実の境目をあいまいにしたいという狙いが感じられはするのですが、これらは完全に失敗していて、話を理解しづらくしているだけでした。そもそもタイトルに、ressurectionsってつけてるじゃん。 あと、映画におけるアクションの表現は、まさにこのシリーズが革命を起こしたものだけに期待してましたが、今作にも十分なほどの見せ場はあるものの、心に残るほどのシーンはなかった気がします。ちょっと演出面はヘタになった? でも、結局何を見せられたかわかんなかったレボリューションよりも、もう少し明快な完結編を見せてくれた、というところは高く評価したいと思います。 ああ、でも、まだ続編が作れそうな終わり方ではありましたね。 [映画館(字幕)] 6点(2021-12-18 17:05:02) |
100. ノマドランド
《ネタバレ》 合衆国では社会問題化しているのかもしれないノマドの生活を、ひたすら淡々と積み上げる映画で、それほど中心となるようなストーリーがあるわけでなく、なんとなく日本映画を見ているかのような感じがしました。 ノマドの存在を告発しているようでもなく、またその生活を否定しているわけでもなく、ではあるんですが、それでもひたすら寂しげなファーンの表情を見ていると、やっぱり肯定しているわけではないと感じてしまう。 社会とのつながりを喪失したアメリカ人たちの放浪を見ていて、昔読んだ「若き数学者のアメリカ」の一節を思い出した。アメリカ大陸の荒野は、ヨーロッパやアフリカからの移民の子孫たちにとって、故郷とはなりえないのかもしれない。 [映画館(字幕)] 6点(2021-05-05 14:24:32) |