1081. テイク・シェルター
《ネタバレ》 統合失調症をテーマに、家族の絆を描いた作品。なのだけど、全く新味のない非常に退屈な作品だった。特に、何かが起こるわけでもない思わせ振りな映像が延々と続き、そして主人公がこれ以上ないというくらい魅力に欠けているせいで、見ていて本当にイライラさせられる。「ドニー・ダーゴ」やデビット・リンチ作品のような映画を目指して作られたのだろうけど、出来としては雲泥の差。そして、あのシェルターのドアを開ける開けないで家族と延々と葛藤したあのドラマはいったい何だったんだー!!と、思わず大声で突っ込みたくなるような最悪のオチ。久々に、こんなにつまらない映画を観てしまったわ。 [DVD(字幕)] 2点(2013-06-03 12:41:08) |
1082. ファミリー・ツリー
《ネタバレ》 事故で昏睡状態となった妻が余命幾ばくもないと知った夫に、さらに追い討ちをかけるような事実が知らされる。妻が浮気をしていて自分と別れてその男と結婚するつもりでいたらしい。夫は、娘たちを連れてその浮気相手に会いに、死にかけで昏睡状態の妻をほっぽり出してハワイ島を奔走する…。という「おいおい」って設定の映画なのだけど、ハワイの美しい情景と夫役のジョージ・クルーニーのダンディで大人な演技のおかげで、不思議と最後までほのぼの観れるロード・ムービーの佳品に仕上がっておりました。この「トホホ」な家族の雰囲気、僕は結構嫌いじゃないです。でも、これを大阪の岸和田あたりを舞台に岸部シロー主演とかでリメイクしたらとんでもなく鬱な映画になるんだろうな(笑)。 [DVD(字幕)] 7点(2013-05-30 14:58:12) |
1083. アンダーワールド 覚醒
《ネタバレ》 このシリーズってこんなに「バイオハザード」ちっくな感じでしたっけ?ってこのシリーズを全て観ているというのに、その内容はほとんど覚えていない僕が言うのもなんだけど。それでももっとスタイリッシュなアクション映画ってイメージがあったんですけど、今作は思いっ切りバイオハザード亜流としか感じられなかった。あと、続編ありきかどうか知らないけど、「これからさらなる強大な敵が待ち構えている……」的な、そんなジャンプで人気がでなかった漫画が打ち切りになって唐突に最終回を迎えてしまいました的なラストって最近多いけど、とっってもシラけるからもうやめて欲しい。 [DVD(字幕)] 4点(2013-05-28 11:39:54) |
1084. ファウンテン 永遠につづく愛
《ネタバレ》 不治の病にかかった妻を必死に救おうとする現代の学者と、女王のために生命の木を探索する中世の騎士のお話を交互に展開し、人間の生と死という深淵なテーマを圧倒的な映像美のなかに描き出した作品。デビュー以来、ずっと映像にこだわり続けてきた監督の作品だけにさすがにその映像は凄いのだけど、どうもそのこだわりが上手くストーリーとマッチしていないという印象が強かった。監督の才気が先走り過ぎていて、作品としてはいまいち纏まりに欠けているかなぁというのが正直な感想。好きな監督の作品だけにちょっと残念でした。 [DVD(字幕)] 5点(2013-05-27 10:18:07) |
1085. アメリカン・ヒストリーX
《ネタバレ》 アメリカ社会に根深く残る、人種差別という重いテーマを真正面から扱った社会派ドラマ。確かにこの重厚なテーマを、現代と過去を交互に語る構成で最後まで見せきったところは賞賛に値するけど、個人的にはちょっと甘いのじゃないかと思った。兄貴の説得にあんなに簡単に改心する弟って、人種差別の根深い闇を描く作品としては、やっぱり甘いと思う。それでも、狂気を抱え込んだ男を圧倒的な存在感で演じきったエドワード・ノートンはやっぱり凄い。というか、彼なしにはこの映画は成立しえなかったんじゃないかというくらいの熱演。そんな彼の見事な格好良さに+1点で。 [DVD(字幕)] 7点(2013-05-20 12:35:06) |
1086. デンジャラス・ラン
《ネタバレ》 とても手堅いアクション映画。ツボを押さえた演出とデンゼル・ワシントンの熟練の演技とで、単純に最後まで楽しめました。冴えない主人公と伝説の元CIA職員との逃避行は観ていて普通に楽しい。ただ、新しいところは一切なく最初から最後までどこかで見たことあるような場面ばかりなので、すぐに忘れてしまいそうな作品だけどね。 [DVD(字幕)] 6点(2013-05-17 15:02:19) |
1087. レクイエム・フォー・ドリーム
《ネタバレ》 『ブラックスワン』で僕の心をすっかり鷲掴みにした監督の初期の代表作。ずっと観たかったのだけど、何故か近所のビデオ屋さんには全然なくて、この前、遠出した先のツタヤでようやく発見してこのたび無事に鑑賞。って、なにこれ!かなり凄い映画だったんですけど。いままで観てこなかったことを激しく後悔。ひたすら麻薬によって破滅へと向かっていく4人の姿を、まるで重厚なカルテットのように疾走感溢れる映像で見せきる手腕は本当に鳥肌がたった。特に、畳み掛けるように展開する後半の怒涛の展開は圧巻の一言。そして、孤独を埋めるために覚醒剤に手を出したあのお母さんの哀れな末路が観ていて本当に切ない。ここまで人間の弱さや人生の負の側面を徹底的に描き出すこの情熱、やっぱりダーレン・アロノフスキーって(人間的には問題があるかもしれないけれど笑)天才だ! [DVD(字幕)] 9点(2013-05-15 18:28:03) |
1088. ビューティフル・マインド
《ネタバレ》 何の前知識もなく「とある数学者のよくある伝記映画じゃろう」くらいの感覚で観たものだから、途中のあのあっと驚く衝撃の展開にはかなりびっくりさせられちゃいました。テレビの前で「えぇー!!」と、食べていたポテチを撒き散らしそうになったくらい。そして、統合失調症からくる幻覚に悩まされる主人公のお話にどんどんとのめり込んでしまって、最後は素直に感動。それにこういった何が現実で何が幻覚なのかという、自分のアイデンティティが根底から揺らいでしまうような映画が個人的に大好きなもので。特に、主人公が嵌り込む不毛な妄想の世界がリアルで不気味に陰鬱に、そしてときには妖艶に描かれているのも良い感じ。でも、これって実話なんですよねー、もし自分がこんな世界に嵌り込むことを思うととっても怖いです。ナッシュがノーベル賞を取れて本当に良かった。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-13 20:26:42) |
1089. スタンド・バイ・ミー
《ネタバレ》 初めてこの映画を観たのは、中学生になってしばらく経ったころ。なので、この主人公たちの年代と思いっ切りかぶってしまい、思わず感情移入して泣いてしまったのを覚えている。少年たちが思春期に入って大人への階段の一歩目を踏み出すときに、誰もが感じるあの普遍的な切なさが胸に染みる。世界が自分が思っていたより圧倒的に広く、そして自分ではどうしようも出来ない理不尽な現実があることを身を持って知ってしまったあと、今まで何も悩むことなく皆で楽しく遊んでいられた昨日の世界にはもう帰ることが出来ないんだ。僕たちは、これから嫌でも大人になっていくしかないんだ。タイトルにもなっている楽曲がそんなテーマととてもよくマッチしていて、その郷愁感がとっても切なくて、大人になった今でも、好きです、この作品。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-13 19:30:00) |
1090. ミザリー
《ネタバレ》 誰もが楽しめるエンタメ映画の優等生監督ロブ・ライナーが作った、誰もが楽しめる優等生エンタメスリラー映画。それはそれで魅力的だと思うのだけど、僕にはちょっと物足りなかったのも事実。だって同じスティーブン・キング原作で、密室劇の古典的名作『シャイニング』に比べたら(ってそんな作品と比べるのがそもそも間違いかもだけど)、明らかに薄味だし。本当は原作では、アニーが斧で主人公の足を切り落とすことになっているのだけど、それがハンマーでただ折るだけに変更されていたのも、やっぱり僕には物足りない。それでも、キャシー・ベイツ演じるアニーの狂気だけは迫力があったので7点。 [DVD(字幕)] 7点(2013-05-13 19:16:06) |
1091. パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉
《ネタバレ》 けっこう好きな映画シリーズの最新作。なのだけど、これはちょっといただけない。ジョニー・デップ演じるキャプテン・ジャック・スパロゥを主人公にしてしまったのは、明らかに失敗。これまでの『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの魅力って、オーランド・ブルーム演じる正統派の主人公に茶々を入れるジョニー・デップっていう画が面白かったのだけど、それを崩してしまっているから面白さが大幅に半減してしまった。だって、スパロゥってあまりに奇人変人過ぎて感情移入できないんだもの。それなのにどんどんと進んでいくストーリーに完全に置いてけぼり……。人魚のシーンだけは不気味で幻想的で良かったけど。 [DVD(字幕)] 4点(2013-05-13 18:57:02) |
1092. SAYURI
《ネタバレ》 大好きな映画『シカゴ』の監督の最新作ということで、うきうきしながら映画館まで観に行った作品。でも、期待が高すぎたのかちょっと残念な作品だった。さゆりという女性が女性美だけが価値観の全てという芸者の世界でその美貌を武器にのし上がっていく、というストーリーを聞けば誰でもあの『シカゴ』の二人の主人公たちのエネルギー爆発な姿を思い浮かべるだろうけど、今作の女たちは彼女たちに比べて少々地味。それに、日本でもかなり特殊な世界である芸妓たちの姿を、アメリカ目線でエキゾチックに描くという狙いは良いと思うのだけど、ちょっとその狙いがうまく効いてないかなぁー。映像は相変わらず美しかったけど。 [DVD(字幕)] 5点(2013-05-13 18:42:21)(良:1票) |
1093. シカゴ(2002)
《ネタバレ》 もうゴージャスでエネルギッシュで猥雑で胡散臭くて下品で、そして最高に面白いミュージカル映画の傑作。もともとミュージカルがあんまり好きじゃないのだけど、これだけは別格です。もう女の武器をこれでもかと最大限に駆使して成り上がっていく二人の女の姿はそれだけで魅力的!下品な弁護士を演じたリチャード・ギアもそれっぽくて最高だ。最後まで、徹底的にアンモラルを貫いた、その製作姿勢にも素直に拍手!理屈抜きの生きるエネルギーに満ち溢れていて、本当に大好きな作品。 [DVD(字幕)] 9点(2013-05-13 18:25:14) |
1094. タクシードライバー(1976)
《ネタバレ》 マーティン・スコセッシもロバート・デ・ニーロも大好きで、そんな二人がタッグを組んだ幾多の作品のなかでも、恐らくもっとも有名だろう本作。だけど、この作品だけは、(他の彼らの作りあげた良作群に比べて)僕は昔からそんなに魅力を感じなかった。初めて観たのはまだ十代のころだったから、もしかしたらそのころには感じられなかった魅力が今になって分かるかもしれないと、この度、約20年ぶりに再見。うーん、やっぱり僕にはその魅力がどうにも分からない。若いデ・ニーロもジョディも魅力的だけど、もっと都会の片隅に生きる男の狂気をもっと濃密に描いて欲しかったかなー。雰囲気は良いけどね。 [DVD(字幕)] 6点(2013-05-13 18:02:43) |
1095. フロム・ダスク・ティル・ドーン
《ネタバレ》 僕はこれまで数々の映画を観てきたのだけど、ここまで馬鹿馬鹿しくて、そしてここまでカッチョ良い映画を観たことがありません。若いころにロドリゲスがさんざん観てきたであろうZ級映画(その場のノリで途中から全く違う映画になっちゃったけど、まぁいいかぁな作品とかね)への深いリスペクトが最高です!これまでの展開はいったいなんだったんだ!な、あの有名な突然のバンパイア襲撃とか、もう何も知らない友達たちに見せて、そのびっくり具合を隣で何度も楽しませてもらいました。この猥雑で下世話でエロくってグロくって、それでも最高にクールな映画、大好き!ジョージ・クルーニーも若くてワイルドで最高だぜ! [DVD(字幕)] 9点(2013-05-09 17:20:31) |
1096. シン・シティ
《ネタバレ》 マニアック(?)なアメコミが原作の、中身よりも徹底的に雰囲気に拘ったロドリゲス印の娯楽作。確かにここで展開される三つの主なお話は、はっきり言ってもろに漫画。まともな大人なら始めの五分で失笑するような、そんなお下品でグロくて馬鹿馬鹿しいお話をここまで美しい映像でとってもスピーディーに展開されるともうそれだけで圧倒されます。そしてそんな独特の映像のなかに見事に嵌っているそうそうたる役者陣も見応え充分!もうちょっとロドリゲスっぽく無茶苦茶してくれても良かったかなぁとも思うけど、それでも彼の才気が迸っているスーパー・クール・ムービー!!良いね。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-09 17:04:39) |
1097. プラネット・テラー in グラインドハウス
《ネタバレ》 もう馬鹿馬鹿しい。ゾンビが大量発生して、それを主人公たちが無茶苦茶に倒して殺してグチャグチャにするだけのお話。でも、ロドリゲスにかかるとこれが最高にカッチョ良い映画になるんだから不思議だぜ。もうお下品で猥雑でエロエロでグログロで、そして最高にクール!!片脚マシンガンの少女がガンガンぶっ放す姿はもうそれだけで見てて快感だわー。ブルース・ウィリスの顔のぶつぶつがむっちゃキモく膨れていったり、フィルムが途中で燃えちゃうとかの演出もかなりツボだぜ。ロドリゲス、サイコー! [DVD(字幕)] 8点(2013-05-09 16:50:29) |
1098. マチェーテ
《ネタバレ》 グラインドハウスという優れた企画映画のなかで恐らくしゃれで作られたであろう、架空映画の予告編を本当に大真面目に一本の映画に仕上げてしまいましたな作品。僕は昔からこのロドリゲスのいかにもお下品で猥雑でお馬鹿でエロくって、それでも最高にクールな映画が大好きなのだけど、さすがにマチェーテを主人公に一本の映画にするには無理があったのではないか。途中までは確かに無茶苦茶面白いのだけど、後半はちょっと失速気味。それにマチェーテのキャラが濃すぎて、ちょっと周りのキャラがかすんでしまったのも残念なところ。 [DVD(字幕)] 5点(2013-05-09 16:39:13) |
1099. フォレスト・ガンプ/一期一会
《ネタバレ》 現代アメリカの歴史を、ある一人の純粋な男を主人公に振り返る多分に郷愁的な映画。このほのぼのとした雰囲気と美しい映像と、そしてトム・ハンクスの良い意味で透明感ある演技は確かに魅力的だと思うのだけど、僕が日本人だからだろうけど、最後までピンと来なかった。それに、これってアメリカ人にとっての『三丁目の夕陽』みたいな映画なんだろうね。こういう〝昔は良かったよ映画〟って個人的にあまり好きじゃないので5点。 [DVD(字幕)] 5点(2013-05-09 13:42:36) |
1100. コンタクト
《ネタバレ》 無限大の宇宙に対する、ちっぽけな人間の畏怖と、それでもロマンを追い続ける主人公たちの情熱を、徹底的に科学的に考察された設定と美麗なCG技術で魅せる壮大なSFドラマ。この全編をおおう知的で上品な雰囲気は大好きです。そしてそんな主人公を演じるジョディ・フォスターもとっても魅力的。ちょっと最後に宗教色が強くなり過ぎたところは残念だけど、この科学者たちのあくなきロマンは何度観ても面白いです。同時期に撮られた、ローランド・エメリッヒのお馬鹿SF作品とは好対照だね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-05-09 13:34:02) |