1101. シカゴ(2002)
ミュージカルが苦手な向きには鬼門の映画。これ映画というよりもろにショーだった。私は物語が好きなのでやはり楽しめなかった。レニーをマリリンのオマージュに使うには役足らずすぎる。ちょっと怒った。キャサリンのことは初めて魅力的な女優さんだと思った。これだけかな収穫は。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-05-09 00:49:23) |
1102. フィラデルフィア
トム・ハンクスの演技が凄すぎて、ただただ胸が痛い。こういう話は、なんかもうぐうの音が出ないほど「ごもっとも」なので特に感想もわかない。バンデラスが立派に(?)ゲイに見える!大した役者魂だ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-09 00:33:28) |
1103. ミッドナイト・エクスプレス(1978)
《ネタバレ》 ひぃー、これは“ミッシング”と並ぶ、“外国で捕まっちまったらエライことになるんだぞ”映画でした。これまた実話というのが恐怖二倍増し。主人公はたしかに馬鹿で愚かなアメリカ人の若者だけれども、当初の懲役で罪は償ったと思うよ。なにも見せしめに終身塀の中でいじめ続けられなきゃならないことはない。彼女との面会の場面は“囚われることの非情”がピークに達して印象強烈。アルバムに「実弾」、このくだりはおお、と思ったものです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2013-05-09 00:22:03) |
1104. マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
マイケル・ジャクソン最後の姿、最後のダンスシーン。バック・ダンサー達が筋肉隆々なのに比べて、彼はなんて華奢なのか。あの細い線の身体。だからこそマイケルの動きは他のダンサー達より優雅さもオーラもある。もの凄い才能を目にしている、という恍惚感をもたらしてくれる。巨大な才能を同時代に目にすることができて幸せだったなあ、とも思う。自らの芸術に埋没してゆくかのような後半生の彼に、傷ついた小さな男の子が見えて仕方なかったものだった。米国のマスコミが「マイケルは緩やかに自殺した」と表現したのが妙に心に残る。ご冥福を祈ります。きっと夜空に輝く巨大な一等星であってくれるでしょう。 [映画館(字幕)] 8点(2013-05-08 23:56:56)(良:1票) |
1105. シャッター アイランド
《ネタバレ》 真実が明かされてからもやけに引っ張るなあ “エンゼルハート”ならとっくに終わってんのにな、と思ったらラスト2分でディカプリオがまさかの決断。ほう。この驚きと哀しみに1点プラスして差し上げます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-02 00:24:52) |
1106. チャンプ(1979)
お涙頂戴映画を作るぞー、とハリウッドが全力を傾注して作り上げた家族愛物語。わかってはいたけど、ここまでやるかと思うほどにべた。作中子供にやたらチャンプ、チャンプと呼ばせてラストなんざ絶叫だ。わかっちゃいるんだけど、それが上手いんですよ、ノセ方が。ノセられて何度も途中鼻すすってしまうんだ。この子役が初めの方で「アンは分かっていないんだ。賭けに負けたらあきらめないと」と気を揉んでいる。チキショー、上手いなあ。これ一発でもうこの子を嫌えない。でも散々泣いたわりに時間がたつとやっぱりそんなに“残らない”んですな こういうのは。あとこの当時のセレブ服であろうひらひらAラインドレスがF・ダナウェイに激しく似合ってなかった。 [地上波(字幕)] 5点(2013-04-27 00:55:27) |
1107. 永遠に美しく・・・
当時映像はここまでいじれるようになったんだぞー、とお披露目したいがために作ったみたいな映画だけど、無茶な話に大女優二人がきちんと乗ってお芝居してるし、翻弄されっぱなしのB・ウィリスのダメっぷりも好感度大。(?)わー腹に穴開いてるー、と気楽にびっくりしたり、イザベラ・ロッセリーニの変な格好に呆気にとられたりできる罪の無い娯楽作です。 [ビデオ(字幕)] 6点(2013-04-27 00:41:33) |
1108. ブラックホーク・ダウン
「ブラックホークダウン!ブラックホークダウン!」「RPG!RPG!」等の叫びが頭にこびりつく悪夢のソマリア市街戦。たくさんスター俳優が出てるのだけど、個々人のドラマに焦点を当てるということが無いので、誰が誰だか分からない。皆一兵士となって戦火のなかで阿鼻叫喚である。酷い。映像はドキュメンタリーの如く極めて冷静でクリア。140分の長きにわたって生き延びるのに必死な様子を見せられていると本当に疲労困憊。この映画を観て素直に反戦を叫ぶべきなのかアメリカも大変ねえ、と思うのが正解なのか、もおよくわからない。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-27 00:27:31) |
1109. パーマネント・バケーション
「家が戦争で中国人に爆撃された」と不可解なことを口走る主人公の青年。ほんとに爆撃されたかのような朽ちた廃屋のようなビルと生い茂る雑草。川向こうには高層ビルが密集している摩天楼。N.Yとは一見思えない奇妙な街を主人公とただただ彷徨うはめになる映画。当時あまりの起承転結の無さに衝撃を受けたものでしたが、独特の突き放したようなからからに乾いた孤独な映像が、青春を生きてた心のどこかにぴったりと合わさったような気持ちがしたのも事実。 [映画館(字幕)] 6点(2013-04-27 00:14:52) |
1110. ソルト
ああそうか、アンジーのスーパーアクションヒロインぶりを堪能するための映画かあ、と気づいたのは中盤くらい。初めから知ってれば良かったな。アクションメインに作られてると分かってればなー。シュワルツェネッガーの映画を観るような心持ちで観るのが正解だったんだろうな。ヒロインの思惑が分からないうえ、二転三転と話がどんでん返しするたび「ええっ?!(驚)」ではなく「ええ~・・??(脱力)」となってしまうのは脚本としていかがなものか。アンジーのアクションが全部が全部吹き替えでなさそうなのは評価しますが三角跳びはやんない方がいいよね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-26 00:36:20)(良:3票) |
1111. フォー・ルームス
どの話もそれほど面白くは無い。一話めが最低につまらない。ティム・ロスの浮いてる演技がこれまた鼻につく。やりすぎ、作りすぎ。ぬう、と立ってるだけでなんとなくやばい雰囲気のバンデラスのみ良かった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-26 00:09:09) |
1112. パブリック・エネミーズ
J.デップとC.ベールか・・皆さんご指摘の通り、かのヒートのデ・ニーロとパチーノの存在感の十分の一位でしたな。全体的に薄味な出来・・。特にC・ベールには覚悟とか気合とか、峻烈な覇気が感じられなくって、こいつに捕まってたまるか的な弱さがダメだと思った。それに比べればデップの方が人物造形に奥行きを持たせた描写があってまだしも。というかラストで第三の男である捜査官があんなに鮮やかではやっぱり作品としてバランスが悪いでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-25 00:30:30) |
1113. エネミー・オブ・アメリカ
《ネタバレ》 久しぶりに観たG・ハックマン、すっかり老けてて眼鏡かけてて誰だか初めはわかんなかった。分かんなかったけど、なんか存在に華があるというか、オジサンなのにW・スミスを食ってるなあと思った。いやあジーン・ハックマンでしたか、そうでしたか。ハリウッドベテランのオーラって凄いなあ。もんのすごく頭の良いハイテク合戦だったのが、フィナーレが最新機器と無縁の差し向かい銃撃戦だったのには笑った。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-23 23:53:29) |
1114. アマデウス
《ネタバレ》 ああー、サリエリ、貴方の心のありようが私にも手に取るようにわかるよ。嫉妬と、一方でモーツァルトの芸術を完全に理解できるのは自分だけという強烈な自負心。神は残酷なものだなあ。創り出せはしないけど、理解できる能力だけを与えるなんて。皇帝には“聴く耳”が無かった。完璧なオペラを前に欠伸をする皇帝を見て、うすく微笑むサリエリの暗い喜び。モーツァルトとの作曲に精魂を傾ける姿からもわかる倒錯した愛情。光り輝く稀代の天才の傍らにいたばかりに、その影となってしまった男。悪魔と取引したばかりに代償を晩年に支払うこととなってしまった。美術も演技も脚本も音楽も全てが濃厚で、息もつけないくらい。完璧。 [映画館(字幕)] 10点(2013-04-19 00:44:51) |
1115. ブーリン家の姉妹
映画の感想で、歴史上の人物の悪口を言うのはなんか違う、とはわかっているのだけどヘンリー王ってやっぱどうかしてるわあ。ほいほい貴族の首がとぶ時代とはいえ、6人も王妃を娶ってうち2人の首を斬るって・・ああ猜疑心が渦巻く王宮の凄まじいこと。エリック・バナが肖像画と違いすぎる。あんな気弱なイケメンなんかじゃなかったはずだー絶対。いかにして娘を王に差し出すか、という節操の無さがお話の大勢を占めているのだけど美術は完璧だし、王妃役のアナ・トレントがひとり凛として美しくて私は完全に王妃派でした、はい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-04-18 17:55:31) |
1116. 奥さまは魔女(2005)
N・キッドマンは「オファーが来ないかもしれない強迫症候群」なのかしら。来る仕事は拒まず、あっぱれな姿勢かもしれないけどこの映画でこの相手役でサマンサをやりませんかって、これは新進女優のための席じゃない?ダーリン役のウィル・フェレルと釣り合いが取れなさすぎで画面がめちゃめちゃです。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2013-04-13 23:23:16)(良:1票) |
1117. サイン
《ネタバレ》 ・・私これけっこう気に入ったんですが・・みんな厳しいなあ。私も初めは予告のミステリーサークルの画からしてうさんくさいなあと警戒してたのですが、しかしテーマは一人の男の魂の再生の物語だったですよ。たぶん監督、予兆と何をリンクさせようかなあと考えて、幽霊は使っちゃったからよし、宇宙に担ってもらおう、としちゃったもんだから客の耳目がそっちに行っちゃったうえにエイリアンの造形がちと陳腐で評価散々の憂き目に。いや抑えに抑えたメル・ギブソンの演技、P・フェニックスの大真面目っぷり、良いじゃないですか。映画の質感も抑制が効いて上品。亡き妻の部屋から、不穏な電話を受けるメルを撮る場面や包丁に写し出された“何か”の影、ブラウン管に映る“例のもの”。ひっそりとして研ぎ澄まされたようなカメラワーク。うるさい音楽に耳を煩わされることのない静けさ。電話の音には飛び上がった。所々にはさまるユーモアも好き。ああー消されちゃった叔父さんの“水着特集”、メルも絶句するぺかぺかのアルミ帽子。“ムー”みたいな本を三人で拝読、ちゃかすメルと怒る息子が可愛い。みんなばかにするけど、現実にあんな報道があったら誰でもホアキンになると思うよ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-12 01:28:42) |
1118. マリー・アントワネット(2006)
ソフィア・コッポラのしたかったことがストレートに伝わるポップでキュート、少女趣味爆裂のブルボン絵巻。舞い散るフリルとレースの層に目がちかちか。ピンクでゴールドな小物の数々、可憐なお菓子。気合てんこもりの美術に目くらましをかけられそうになるけれど、K・ダンストのマリーは無邪気な女子高生みたいで、いやあだって当時14才で嫁いだという史実を思えば実際ほんとにこんなお嬢さんだったのじゃないかしらと思わせて好演だったと思う。後半の暗さは物語のボルテージを一気に下げてしまって、中途半端。マリーアントワネットをポップアイドル仕立てにしたかったのなら、あの革命をも軽やかに生き抜いたくらいの創作をしても良かったのかも。ソフィア・コッポラにタランティーノばりの胆力が無かったのは残念だ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-04-12 00:40:14) |
1119. セルピコ
アル・パチーノは反社会の象徴みたいな役以外にも、こんな真逆なキャラクターも上手いんだあ、と唸る一作。汚職を糾弾する役回りですもん、人はそれを“正義”と呼んだり、立場が違えば“変人”であったり。一人きりで闘うことのなんと孤独で困難なこと。作中ずうっと思いつめたようなパチーノの瞳が印象的。考えさせられることは多い映画だったけれど、なんかこうお尻がもぞもぞして居ずまいが悪いのは、もしも組織の中にいたら自分も賄賂を断る勇気なんか無いのではないかと自問してしまうからなのかしら。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-11 00:12:42) |
1120. オール・ザ・キングスメン(2006)
《ネタバレ》 あれー、これって権力を得たために、当初の清廉な志から変容してゆくペンの人生を描くのではなかったのですかね。なんにもしてないJ・ロウの人間関係ばかり熱心に描写するけども、ふくらましが足りなくってすっかすか。ペンに至っては徐々に変わってゆくどころか、一こまで机に足をどかーんとのせる横柄なクソおやじに変貌。早っ。ペンの人生なんてテーマじゃないんだよ、ということか?いやそれにしたってJ・ロウの人生だって描けてないって。あと、台詞がなんかいちいち哲学ぶっているというか詩的というか、気取っているというか。やだったなー。うるせえと思ったなー。 [CS・衛星(吹替)] 3点(2013-04-04 17:45:18) |