1161. キング・コング(2005)
《ネタバレ》 観る前は、三時間もひたすらでっかい猿が暴れる映画なんて、いくらピーター・ジャクソンの作品とはいえ耐えられるのかなぁと半信半疑で鑑賞したのだけど、これが観てみたらちゃんと緩急良く出来たモンスターパニック映画の秀作でした。特に、前半の古代の島での凶暴な恐竜たちと超気持ち悪い虫たちとの追跡劇はぞくぞくするくらい秀逸の出来!後半の、キングコングの市街地での大暴れはさすがに既視感満載なんだけど前半とのメリハリが効いてて全体としては充分に面白かったなー。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-24 22:49:33)(良:1票) |
1162. ラブリーボーン
《ネタバレ》 愛すべき失敗作。14歳で殺された少女が死後の世界で、遺された家族を思いやり、そして好きだった少年のことを気にかけ、そして自分を殺した犯人が早く捕まり自分のような犠牲者を二度と出さないように心から願う少女がとってもキュート。確かにストーリーとしてはちょっと破綻しているのだけど、それでもこの少女の妄想世界って個人的に大好きです。それに犯人の変態野郎の身の毛がよだつくらい不気味なところもよく描けている。それだけに、最後はもっと盛り上がってくれたら傑作になれたと思うのに残念。でも、やはり主人公の「自分の死体が発見されるより、好きな人との一瞬のキスを選んだ方が幸せ」というラストのためにはこれで良かったのかなー。それでもこの映画、個人的に好きです。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-24 22:39:49) |
1163. スリーパーズ
《ネタバレ》 手がけた作品はだいたい観たのだけど、いまいち印象に残らない映画ばかりで「自分には合わない監督」の作品のなかでもこれだけは素直に面白かった。豪華な俳優陣が誰も必要以上に我を出さず、誰もが魅力溢れるキャラクターとして映画のなかに見事に調和している。ストーリーも、ちょっと大雑把なところもあるけれど、重厚で見応え充分だった。特に、ケビン・ベーコンの嫌らしい看守役がはまり役。余談だけど、一緒に観ていた当時の彼女がブラピを見て「うわぁー、無茶苦茶カッコいい」と隣でしみじみ言ったのを聞いて、まだ若かった自分はちょっぴりブラピにジェラシー感じたのを懐かしく覚えています。おれも若かったんだね(笑)。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-24 22:24:59) |
1164. ロミオ&ジュリエット
《ネタバレ》 シェイクスピアの古典的名作(あまりにも古典的過ぎて今さら普通に映画化するにはかなり勇気を要する)を、大胆にも徹底的にお下品で猥雑で野暮ったく、それでいてとってもエネルギッシュに映画化。もう、この濃ゆい世界観、好きです!ピストル片手にアロハシャツ姿で愛を語るロミオとか格好良すぎ!!今作のディカプリオは、びっくりするぐらい若いエネルギーが迸ってます。対するクレア・デーンズも恐らくこのころがピークだと思えるくらい可愛くてキュート!!そして脇を固める、これまたアクの強い脇役たちも痺れるくらい格好良い。そして、何よりシィクスピアが何世紀も前に描いた純愛をこうやって現代に(お下品に)甦らせた監督の手腕に拍手!何度、観てもテンション上がるっす!! [DVD(字幕)] 8点(2013-04-24 22:07:33) |
1165. ムーラン・ルージュ(2001)
《ネタバレ》 パリを舞台に男と女の金と嫉妬と愛にまみれたドロドロの愛憎劇を、豪華絢爛な舞台とバラエティ溢れる楽曲に乗せて、そして華のある俳優たちを使って、なんともエネルギッシュで猥雑でゴージャスに魅せるいかにもこの監督らしい映画。もう見ているだけで単純で楽しい!ちょっと濃ゆ過ぎて疲れる部分もありますけど……(笑)。個人的には、筋肉ムキムキなマッチョメンが椅子を片手に〝男の燃えるような嫉妬心〟を濃ゆく歌い上げるシーンが好きです(マジで!?笑)。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-24 20:55:40) |
1166. オーストラリア(2008)
《ネタバレ》 バズ・ラーマン監督、初めてはずしちゃいましたね。それまで『ロミオ&ジュリエット』や『ムーラン・ルージュ』と言ったエネルギッシュで猥雑で、それでいてとても純粋な愛を描いてきた監督の才が今回は見事に空回りしていて、最後まで冗長で退屈な映画となってしまいました。好きな監督だけに残念!次回作に期待ということで。 [DVD(字幕)] 4点(2013-04-24 20:46:14) |
1167. ライアー ライアー
《ネタバレ》 アメリカのコメディ映画ってやっぱり日本人とはセンスが合わないのか、これまで心の底から笑えた作品ってほとんどないのだけど、この映画はそのなかでも僕が〝心の底から笑えた〟数少ない稀有な作品。普段は嘘ばっかり吐いてテキトーに人生を生きている弁護士が子供の誕生日の願い事によって、ある日突然嘘が吐けなくなってしまう。そんなベタなお話のなかで、ジム・キャリーがやりたい放題しててそれが見事に笑えるのだけど、ちゃんと映画という枠内に収まっているから凄い。アメリカのコメディ俳優って得てしてやり過ぎちゃって映画のなかでその存在が浮いてしまっているもんだけど、ジム・キャリーってちゃんと映画のなかの因果律に含まれているんだよね。とか、そんな理屈とか抜きにして文句なしに面白いです!頭、空っぽにして最後まで大笑いしちゃいましたー。おばちゃん上司にセックスの後、「どうだった?」って訊かれて「うーん、いまいち」って答えるトコとかサイコー! [DVD(字幕)] 8点(2013-04-24 20:06:05) |
1168. 悪魔のいけにえ
《ネタバレ》 スプラッター・ホラー・ムービーの基礎を作り上げた記念碑的カルト作品。なんだけど、その後の同様の作品など色褪せてしまうくらいに、なかなかぶっ壊れた登場人物たちと訳の分からないストーリー展開、そして最後は気が狂っているとしか思えない女の絶叫を心底悔しがってチェーンソーを振り回すレザーフェイス……。常人には到底考え付けない、さすが〝伝説〟の名にふさわしい唯一無二のカルト映画です。自分は、とても常識をわきまえた礼儀礼節を常に大切にするいつでも子供の見本となれるような、そんな自称・立派な社会人の方には、とうていお薦めできません。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-24 19:48:19) |
1169. トゥルー・ロマンス
《ネタバレ》 クエンティン・タランティーノの濃ゆい脚本を、中身のない映画を撮らせたら右に出るものの居ないトニー・スコットが映画化!おかげでタランティーノらしいクールな会話や魅力的でアクの強い脇役たち、そしてスピーディーなストーリー展開と相変わらずの暴力描写が良い感じに薄まって、とても万人受けするような作品に仕上がっています。その分、長く人の記憶に留まるほど印象的なシーンもなく、良くも悪くもちょっと変わった普通の映画どまりですね。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-24 19:32:27)(笑:1票) (良:1票) |
1170. ドミノ(2005)
《ネタバレ》 実在の女賞金稼ぎたちをモデルにしたアクション映画。俳優陣もなかなか豪華なのに、どうしてこのトニー・スコット監督は普通に演出しようとしないんだろう。はっきりいってそんなにセンスあるとは言い難いのに、無理してセンスあるような映像を撮ろうとしてものの見事に失敗している。はっきり言って見辛いだけ。もっと普通に撮ってくれれば、まだ面白くなったかも知れないのに。 [DVD(字幕)] 4点(2013-04-24 19:20:37) |
1171. アンストッパブル(2010)
《ネタバレ》 最近は、ずっと奇をてらっただけのつまらない映画ばかり撮ってきたトニー・スコット監督作品のなかでは、久々にちゃんと見れる普通のアクション映画に仕上がっている。ベタではあるけど、スピードを増していく無人電車とともに次第に混乱していく周りの人々、そしてそれに振り回される主人公たちの活躍、よく出来た脚本のおかげでなかなか気分爽快な映画でした。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-24 19:13:05) |
1172. フィクサー(2007)
《ネタバレ》 アメリカ大企業の暗部をテーマにした社会派サスペンス。無論、派手なアクションとかもなく淡々とストーリーは進んでいくのだけど、それでも練られた脚本のおかげで最後まで飽きさせずに観ることが出来た。そして、最後、家族の幸せをとるか、それとも正義をとるか、主人公は重たい選択を迫られる。そして、恐らく、極限まで思い悩んだだろうジョージ・クルーニー扮する主人公が、それでも自分の下した結論にむしろ満足気な晴々とした表情を見せるラストはとても感動的だった。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-24 19:01:54) |
1173. ブラザーズ・グリム
《ネタバレ》 鬼才テリー・ギリアムが恐らく初めて撮っただろう、ビックバジェットのハリウッド超大作。それもマッド・デイモンとヒース・レジャーという人気俳優を主演に迎えてのことだから、たぶん色々な制約がくわわって彼の持ち味が十全には活かされ切れなかったような印象の強い作品です。確かに随所にギリアムっぽさの片鱗のようなものは感じますが、良くも悪くも普通の映画に仕上がっていてちょっと残念。でも、そんな映画としてみれば充分によく出来ています。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-21 20:17:15) |
1174. ラスベガスをやっつけろ
《ネタバレ》 テリー・ギリアム監督が裸のランチを撮ったらこんなんなりましたって感じでしょうか。ぶっ壊れたジャンキー二人のどうしようもない旅の道程を幻覚・妄想まみれたサイケでエキセントリックな映像で描いていきます。若干、いつものギリアムらしいダークさが欠けているので物足りない印象もありますが、それでもジョニー・デップとベニチオ・デル・トロという個性派俳優のやりたい放題な演技とも相俟って見応え充分な作品に仕上がっております。もう、ジョニー・デップを横山ノック禿げ(古い?笑)にさせた時点で監督の勝ちです! [DVD(字幕)] 7点(2013-04-21 20:09:01) |
1175. 12モンキーズ
《ネタバレ》 『未来世紀ブラジル』で悪夢のような未来社会を見せてくれたテリー・ギリアム監督が、その路線を踏襲しつつちゃんと一般的な娯楽性も手にすることが出来た記念碑的名作。もう、冒頭のあの独特の12匹の猿マークがフォークダンスを踊るように回転する映像に、不気味にかぶさってくる音楽が見事過ぎてそれでもうハート鷲掴みです!そして話が進むに連れてどんどんと深まっていく謎、ぶっ壊れたブラット・ピット、相変わらず救いようのないオチ。どれもこれもが斬新で唯一無二なギリアム監督の傑作の一つ。大好き。 [DVD(字幕)] 9点(2013-04-21 19:58:36) |
1176. フィッシャー・キング
《ネタバレ》 鬼才テリー・ギリアム監督が撮ったまさかの普通の映画。おかげで初めて万人受けするような作品に仕上がってしまいました。それでも随所にギリアムらしいシュール世界が散見されるのだけど(狂気に取り憑かれたロビン・ウィリアムスの妄想世界とかね)、最後は意外にもほのぼのさせてくれる。こんな映画も撮れるのだとギリアムの多才さに改めて感心させられた作品。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-21 19:45:34)(良:1票) |
1177. 未来世紀ブラジル
《ネタバレ》 悪夢のような未来社会の描写、意味不明な登場人物、徹底的に救いようのないオチ。もうテリー・ギリアムの魅力全開です。まるでサルバドール・ダリの絵画のなかに迷い込んだかのような強烈な超現実世界。そこでは意味なんか無意味です。二時間強の映画が終わるころには、目くるめく悪夢にうなされたような心地良い疲労感を味わえます。まぁ、「そんな体験味わいたくないわ!」っていう人には理解不能だろうけど(笑)。 [DVD(字幕)] 9点(2013-04-21 19:36:09) |
1178. ブロウ
《ネタバレ》 実在の麻薬王のその生い立ちから成り上がり、そして栄光の頂点へと上りつめたあと、栄華衰勢、転落して刑務所に入り全てを失っていく姿をジョニー・デップが好演。確かに新味はないけど、安定した演出で最後まで興味深く観れる。最後、ジョニー・デップがムッシュかまやつになってしまいましたね(笑)。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-21 19:18:45) |
1179. インランド・エンパイア
《ネタバレ》 前作『マルホランド・ドライブ』で、それまでずっと合わない監督と思っていたデビット・リンチの新たな魅力を発見して「彼はもしかしたら天才なのかもしれない」と思いながら、この作品も鑑賞。うーん、前作が奇跡だったのですかね。またいつもの雰囲気ごり押しの単なる思わせ振り映画に戻ってしまいました。それでも三時間もある長い映画を最後まで飽きさせずに見せる監督の手腕は見事ですけど。 [DVD(字幕)] 5点(2013-04-21 19:08:44) |
1180. マルホランド・ドライブ
《ネタバレ》 ずっと自分とは合わないと思っていたデビット・リンチ監督。でも、この作品だけはかなり嵌まった。それまで雰囲気ごり押しの思わせ振り映像だと思っていたものが、この作品では見事に全てが意味を得ている。当然、1回観終わったときは意味も分からず「なんだか知らんが凄いものを観たかも」と興奮で胸が震えたことを今でも覚えている。そして2回目いろいろと予備知識を仕入れて観れば、ナオミ・ワッツの体当たりの熱演も相俟って、とても切ない少女の願望と挫折が難解な映像とストーリーの間に垣間見えてまた胸が打ち震えた。そして、いつかもし3回目観たとき、今度はどんな発見をさせてくれるのだろうと思えるリンチ監督の奇跡の傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2013-04-21 18:57:29) |