Menu
 > レビュワー
 > ゆき さんの口コミ一覧。7ページ目
ゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 615
性別 男性
自己紹介  洋画は字幕版も吹き替え版も両方観た上で感想を書くようにしています。
 ネタバレが多い為、未見映画の情報集めには役立てないかも知れませんが……
 自分と好みが合う人がいたら、点数などを基準に映画選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
21
投稿日付順1234567891011121314151617181920
21
変更日付順1234567891011121314151617181920
21
>> カレンダー表示
>> 通常表示
121.  48時間 《ネタバレ》 
 此度再見してみて、エディ・マーフィ演じるレジーの登場が結構遅かった事に驚きました。  全編出ずっぱりのような印象があったのですが、それだけ彼のキャラクター性が際立っていたという事なのでしょうね。  彼のデビュー作であると同時に、出世作となったのも納得。   相棒であり、本作のメイン主人公となるニック・ノルティ演じるジャックも、これまた良い味を出しているんですよね。  陽気な黒人に対する無骨な白人という組み合わせであり、如何にもな強面なのですが、恋人である女性には押しが弱く、情けない姿を見せたりするのが憎めない。  バディムービーのお約束として、本作にも「いがみ合っていた二人が仲良くなった事を示す場面」が存在する訳ですが、その際のカタルシスも大きかったです。  「あの」気難しくて頑固な警官のジャックがレジーを庇ってくれた、という形だからこそ心に響いてくる訳であり、その辺りは上手い。   一方(そこまで心を開くほどの交流があったかな?)と思わせる面もあったりして、そこは残念。  当時は未だ「白人と黒人によるバディムービー」というジャンルが確立されていなかったがゆえの未成熟さというか、ぎこちなさのような物があるんですよね。  敵方にもインディアンというマイノリティを配し、主人公コンビと対にしているのですが、その事を劇中で活かせていない感じなのも、ちょっと勿体無い。   最後に大金をせしめるエンドに関しては、ジャックも模範的な警官ではなく、清濁併せ呑むタイプとして描かれていただけに「まぁ、良いか」と納得出来る範囲内。  レジーが終始「ずっと刑務所にいたんだから、女を抱きたい」と訴えるも、お預けを食らい続け、最後の最後で本懐を遂げられた形なのも、後味の良さに繋がっていたと思います。   期待通りの楽しさを提供してくれた、良い映画でした。
[DVD(吹替)] 7点(2021-12-03 20:14:13)(良:1票)
122.  ユーロトリップ 《ネタバレ》 
 旅映画としても、青春映画としても楽しい一品ですね。  国から国へと移動する際の演出も凝ってて飽きないし、観光地としての欧州の魅力を感じられる内容だったと思います。   ただし、この場合の「欧州の魅力」というのは、非常に漫画的というか……  あくまでも「アメリカの若者が思い描くような欧州」って事なので、注意が必要ですね。  さながら「忍者や芸者が一杯いる日本」のような、色々と強調された欧州の国々が描かれており、ちょっと不謹慎かも知れないけど、つい笑っちゃいます。  この辺りのバランス感覚が絶妙で、たとえば「5セントもあればホテルが買えちゃう国」なんかが登場するもんだから、観ている側としても「完全なフィクション、映画という名のファンタジー」として、割り切って楽しめちゃうんですよね。  巷に溢れる「頓珍漢な日本を描いた映画」の数々も、外国の方が観たらこんな感じなのかも……って思えたりして、不思議な可笑しさがありました。   旅先で遭遇したフーリガンすらも「なんだかんだで良い人達」だったりして、最後まで明るく陽気に仕上げてある点も良い。  「アメリカでは違法」「旅先では合法」というドラッグ入りケーキや、幻覚を見る酒に挑戦する姿が描かれているのも、程好いドキドキ感がありましたね。  「俺達は違う大学に進むんだから、四人でツルめるチャンスはコレが最後かも知れない」  という台詞が象徴するように「仲間と一緒の旅」が強調されており、途中で失敗してもあまり落ち込まずに「皆でいれば何とかなるさ」とばかりに、前向きな姿勢のまま旅を続けていくのも、凄く好みでした。   そんな本作の欠点は何かと考えてみると……  割と根本的な部分に関する事なんだけど「主人公のスコットに対する違和感」ってのが大きいでしょうか。  いくら泥酔してたとはいえ、結果的に「男に迫られたら怒って罵倒するけど、美女と知った途端に態度を変えて会いに行こうとする」って姿が描かれてる訳で、どうも彼の恋路を応援する気になれないんです。  その後になって「見た目じゃなくて、中身が好き」的な事を言われても、全然説得力が無かったし……  ここは変に良い子ぶって「彼女の中身が好きなんだ」なんてフォローを入れたりせず「男だと思ってたけど、本当は美女だった。美女だから好きになった」って流れにした方が、スッキリした気持ちで観れた気がします。   でもまぁ、そんなスコットも、お調子者な悪友のクーパーも、基本的には「良い奴」じゃないかと感じさせる作風でしたし……  彼らに恋人が出来るハッピーエンドには、こちらまで嬉しくなっちゃいましたね。   観終わった後は、主人公達と「旅の思い出」を共有したような気持ちになれる。  彼らと、仲間になれたような気持ちになる。  良い映画でした。
[DVD(吹替)] 7点(2021-12-02 08:12:30)(良:1票)
123.  ソルト 《ネタバレ》 
 「主人公の身辺に、もう一人ロシア側のスパイがいる」という事は、途中で察しが付くように作られていますね。  自分は彼女の夫を疑っていた為、あっさりと死亡したのに驚き「何かと主人公を庇ってくれていた同僚がスパイ」というオチには、素直に騙される事が出来ました。  予想が外れて悔しい思いもありますが、映画を楽しめたという意味では、こちらの方が正解だったと自分を慰めたいところです。   それと、この手の「続編を意識したような終わり」って、どうも印象は良くないのですが、本作は何となく毛色が違うようにも思えました。  続編を作るつもりなら「主人公の夫」「スパイとして育てた師」「同僚」と、続編に活かせそうな重要人物を三人も殺しているのが不自然というか、如何にも勿体無いのですよね。  インタビュー動画などによると、どうやら監督さんも続編には気が乗らないみたいで、これはあくまでも「主人公にとっての始まりの物語」として完結させたようです。  自分としては、上記の「重要人物でも必要なら殺す」という思い切りの良さが、続編の可能性を薄めた代わりに、本作の完成度を高めていると感じられましたね。   しかしまぁ、アンジェリーナ・ジョリーという女優さんは本当に身体を張る人なんだなぁ……と、今更ながらに驚嘆です。  映画本編を観た限りでも「これってスタントマンじゃないよね?」と思えるアクションでしたが、特典映像をチェックしたら、やっぱり本人だったみたいで、大いに納得。  高層マンションの窓を伝い歩くシーンの迫力も凄かったですが「手錠をはめられたままで相手を絞殺してみせる姿」が、アクロバティックで恰好良くて、特にお気に入り。  どちらかといえば、男性がアクションをこなす映画の方が好みだったりもするのですが、彼女くらいの根性を見せられると、もう「参りました」と脱帽する他ありませんね。   脚本の細部が気になったりもしたけれど、素直に面白いと思えた映画でした。
[DVD(吹替)] 7点(2021-12-01 19:40:01)(良:1票)
124.  シックスヘッド・ジョーズ<TVM> 《ネタバレ》 
 まず、ヒトデのような六つ首鮫のデザインは面白いです。  死んだ頭を他の頭が食い千切り、それを投げつけて攻撃するって場面もあるし、呆気に取られるような「地上歩行シーン」もあるしで、奇抜なデザインをきちんと作中で活かしてる点も好印象。  前作の不満点だった「せっかく良いデザインなのに、それを活かせず普通のサメ映画になってる」って部分を克服しているし、これに関しては見事だったと思います。   ただ、映画全体の面白さって意味では……  残念ながら、傑作とも良作とも呼べない感じ。   上述のサメ描写はコミカルだし、カップルセラピーキャンプって設定もラブコメ的だしで、如何にも「明るく楽しいノリ」が似合いそうなのに、何故か「ヘッド・ジョーズ」シリーズの中でも一番シリアスってくらいのストーリーなんですよね、これ。  主人公もムサい髭面のオジサンで、過去作に比べると一気に年齢上がってると思いますし、良くも悪くも「真面目」で「大人向け」って感じ。  人が死ぬ場面で感動的な音楽を流し、悲劇を煽ってみせる演出もクドい感じがして、ノリ切れませんでした。   「問題のあるカップルが命の危機に瀕し、絆を取り戻していく」っていう王道ストーリーを扱ってるにも拘らず「カップルの絆が蘇った途端にサメに喰われてしまう」ってのをお約束にしてる辺りも、何とも悪趣味。  結局、作中で復縁した上で生き残ったカップルは一組も無く、生き残った主人公とヒロインも、本来の恋人と呼べる存在は殺された後なので、どうもハッピーエンド感が薄いんですよね。   そもそも主人公グループが全然「良い人達」に思えないんだから、これはモンスターパニック物として、致命的な欠点。  主人公のウィルも「嵐が来るのを承知の上で、それを客に隠してた」とか、流石にそれはどうなのって設定のせいで感情移入出来ないし、客の皆も「アンタを訴える」ってウィルを責めてる連中ばかりだしで、観ていて「生き残って欲しい」って思えるキャラがいないんです。  なので、どんな展開になろうとも「どうでもいいや」って心境になっちゃう訳で……  良い部分も色々ある映画なんですけど、そういう根本的な部分が拙かった気がします。   六つ首サメを生み出したはずのラボが、どう見ても「海に浮かぶバラック小屋」程度の規模なのも笑っちゃったし、あからさまな低予算映画なので、あんまり厳しい目で見るのも可哀想なんですけどね。  「水に入ると危険(=水に入らなければ安全)」というイメージを与えておいた上で、サメが地上を歩いて襲ってくるという場面に繋げるのには感心させられたし、頑張って「良い映画」「面白い映画」を撮ろうという、スタッフの意気込みは伝わってきました。   そんなこんなで、総合的に評価するなら5点くらいになっちゃう訳ですが……  「サメ映画を観たい」って気持ちには、しっかり応えてくれる内容だった為、満足度としては悪くないですね。  ちゃんとサメが暴れて、退治されてと、ツボは押さえた作りでしたし。  鑑賞後に残念な気持ちになるのまで含めて「サメ映画の醍醐味」と言えない事も無いですし。   色んな意味で、サメ映画らしいサメ映画だったと思います。
[ブルーレイ(吹替)] 5点(2021-11-30 20:02:01)(良:1票)
125.  最凶女装計画 《ネタバレ》 
 明らかに「バッドボーイズ」(1995年)が元ネタであり、途中までは「最終絶叫計画」のようなパロディ映画かと思っていたのですが……  終わってみれば、しっかりとオリジナルの魅力を備えた映画でしたね。   刑事物のバディムービーとして考えても、女装ネタのコメディ映画として考えても、充分に楽しめる出来栄えでした。   前者に関しては「主人公達が喧嘩して仲直りし、絆が深まる」というお約束の魅力を描いているし、銃撃戦の際には、意外とシリアスで恰好良い雰囲気になったりもするんですよね。  この辺の「切り替えの上手さ」って、コメディタッチの刑事物では凄く重要ですし。  そこがしっかりしているというだけでも、もう拍手を送りたくなっちゃいます。   後者に関しても、女装ネタならではの可笑しみを感じる部分が色々あって、大いに満足。  「女装した主人公が男に迫られ、窮地に追い込まれる」っていうお約束ネタも、しっかり描いてあるし……  本物のウィルソン姉妹の方を「女装した男」だと思って取り調べする場面なんか、特に可笑しかったですね。  ここ、普通ならウィルソン姉妹が可哀想で笑えなくなりそうなんだけど、序盤にて彼女達の「嫌な女」っぷりを描いてたから、素直に楽しめちゃうんです。  この辺りのバランス感覚は、本当に見事でした。   女装して女の子達と仲良くしている内に、何時しか性別を越えた友情が生まれていく流れも、凄く好み。  最後に正体を明かした後も、彼らの友情はずっと続いていくって示すハッピーエンドであり、後味爽やかなんですよね。  彼らには性別以外にも、年齢やら人種やら、色んな壁があるはずなのに……  そんなの関係無いとばかりに「仲間」として笑い合う姿が、とても眩しく思えました。   一応、欠点も挙げておくなら、女装したマーカスに迫るラトレルが色々頑張ってて、憎めないキャラだったのに「結局は嫌な奴だった」ってオチになるのが、微妙に思えた事。  女装した二人が周りから「美女」と認識されてるのに違和感を覚えた事。  後は……女子トイレでの一幕とか、下品で笑えないネタも幾つかあった事くらいかな?  でも、こうして色々振り返ってみても「ダンス対決が面白かった」とか「喧嘩ばかりしてた同僚と、土壇場では熱いやり取り交わすのが良い」とか、長所の方が数多く浮かんできちゃいますね。   ウェイアンズ監督の代表作といえば、世間的には「最終絶叫計画」となるんだろうけど……  個人的には、こちらをオススメしたいです。
[DVD(吹替)] 7点(2021-11-28 18:44:24)
126.  ショーガール 《ネタバレ》 
 何処となく「イヴの総て」(1950年)や「哀愁の花びら」(1967年)を連想させる内容。  女性のショービジネスにおける若手とベテランの確執を描いており、既視感は否めないんだけど、その分だけ王道の魅力もあるって感じですね。  上記二作に比べると女優陣が露出度高めで、エロティックな要素濃い目なのも、結果的には程好い「個性」になってた気がします。   それと、主人公ノエミ(=若手)とクリスタル(=ベテラン)の関係に、何やらレズビアンな匂いが漂ってるのも、興味深いポイント。  別れのキスの場面なんて、明らかに友情を越えた愛情というか「性愛」の匂いが感じられますし。  しかもノエミが出会う男は最低な奴ばかりで、女性にだけ優しい眼差しが注がれてる作りなんですよね。  この辺りの歪さは、オタク女子が描く「美男子だらけの同性愛世界」の性別逆転バージョンって感じにも思えました。  本作に不思議な魅力を感じてしまうのって、案外この「男にとって都合の良いレズビアン世界」っぽさにあるのかも知れません。   そんなこんなで、自分としては「女優陣の性的な魅力」「レズ要素」を好意的に捉えた訳だけど、それがそのまま「下品で低俗」「あざとくて幼稚」と欠点に感じる人もいるでしょうし、評価が分かれやすい映画だと思います。  正直言って、脚本の筋運びも雑であり(女友達のモリーがノエミを許す流れが唐突、など)完成度という意味では、決して高くないですからね。  ノエミが麻薬に手を出す場面や、クリスタルを階段で突き落とす場面を妙にアッサリ描いたりとか、監督の手腕にも疑問を抱いちゃう場面が多いです。   それでも、自分としては「好き」か「嫌い」かと考えたら前者になっちゃうというか……  なんか憎めない映画なんですよね。  観客どころか、脚本家のジョー・エスターハスにすら自虐ネタにされ「アラン・スミシー・フィルム」(1998年)で笑いものにされてるのを観た時も(もっと自分の作品に愛情持ってやれよ)って思えて、寂しくなっちゃったくらい。   その他にも、色んな映画で「最低の出来」と揶揄されてるし「ショーガール」ならどれだけ馬鹿にして笑っても構わないって扱い受けてるけど、ちゃんと良い所もあると思うんですよね。  終盤、モリーを傷付けた男に復讐するノエミの姿には、スッとしたし……  階段で突き落とされたクリスタルが、ノエミを責めようとせず「私も昔、同じ事をしたから」と淡々と語るのも、彼女が背負ってきたドラマを窺わせるものがあり、味わい深い場面でした。  ヒッチハイクで始まり、ヒッチハイクで終わる構成も、綺麗でしたね。  ノエミが出会った男の中では、この最初と最後に出会う「スーツケースを盗んだ男」が一番マシだったんじゃないかと思えちゃうのも、皮肉な魅力があって良かったです。   本作を世間が絶賛してたら(そうかぁ?)とは思うけど、まぁ反発はしないだろうし、逆に嘲笑の対象にされてたら「そこまで悪くないだろ」と庇いたくなる。  そんな距離感の、不思議な映画です。
[DVD(吹替)] 6点(2021-11-25 22:55:14)(良:1票)
127.  最凶赤ちゃん計画 《ネタバレ》 
 これは……面白いんだけど、最後で台無しってタイプの映画ですね。   途中まで、というかラストのオチ以外は良い感じなんです。  「最凶女装計画」では女装ネタの王道を描いたウェイアンズ監督が、今度は赤ちゃんに成り済ますネタの王道を描いており、どこか既視感を覚える展開ながらも、面白可笑しく纏めてる。  無邪気な赤ん坊の振りして美女に授乳をせがんだり、子供達に悪い遊びを教えたりと、こういうネタなら外して欲しくないって部分を、ちゃんと押さえた作りになってると思います。   脇役にも良いキャラが揃っており「幼稚園への送り迎えを仕事にしてるママさん」なんて、特に良かったですね。  彼女が車を暴走させる場面が、本作のピークだったんじゃないかと思えたくらいです。  赤ん坊に成り済ましたキャルを疑うのが年老いた父親という事で、本当の事を言ってるのに「とうとう呆けてしまった」と思われ信じてもらえない流れなんかも、上手かったですね。  主人公のキャルもダリルも、子供時代に問題があったようなのですが、それをクドクド語る真似はせず「生まれて初めての誕生日会で、感激して泣いちゃうキャル」という描写や「俺、父親業が好きだ。凄く楽しい」「自分の父親とやれなかった事がやれるんだから」と語るダリルの場面などで、サラッと描いている辺りも良かったです。   でも、やっぱり最後が……  「ダリルの妻が産んだのは、実はキャルの子」としか思えないオチであり、流石にブラック過ぎるんですよね。  今回の事件を通し、ダリルとキャルの二人には友情が芽生えていただけに、余計にやり切れない結末。  ここの部分をカットしておいてくれたら……と思わずにはいられないです。   ちなみに本作はラジー賞を幾つか受賞しており、バックス・バニーのエピソードを盗作したとの声もあるようですが、個人的にはこのくらいなら「パロディ」の範疇じゃないかと思えましたね。  盗作と言うなら「最終絶叫計画」の方がよっぽど「スクリーム」そのまんまな訳だし「最凶女装計画」も「バッドボーイズ」(1995年)の盗作って事になっちゃいますし。  本作だけ殊更に騒ぐのは不自然というか、不適切なんじゃないかと。   冒頭にて述べた通り、最後のオチだけは褒める気になれないけど……  それ以外は、かなり良く出来てる。  「ラジー賞を取った映画は、意外と面白い」法則に当てはまる一本として、カウントしたくなる映画です。
[DVD(吹替)] 6点(2021-11-18 18:22:35)
128.  デスバーガー 《ネタバレ》 
 テンポが良くて、音楽もキマっていて、楽しく観賞出来る映画です。   この手のティーンズホラーだと、リアリティレベルというか「主人公達が見舞われる災難は、どれくらい非現実的な物なのか」が途中で気になってしまう事が多いのですけど、本作は早い段階で、それに対する答えを示しているのですよね。  始まって十分程で「この殺人鬼は超常的な力を持っている。何でもありのタイプだよ」と教えてくれるので、観ている側としても受け入れやすいし、何でもこいという気分になれる。  この辺りのバランスが、結構絶妙でした。  例えば、もう十分遅れるだけでも「えぇ……現実的な殺人鬼かと思ったのに、何でもありのタイプだったのかよ」と落胆していた可能性がありますからね。   殺害シーンをスタイリッシュに編集して、素早く流し、死に様をしつこく見せず、サラッと済ませる辺りも好印象。  ディープな方には物足りなく思えるかも知れませんが、自分のように「怖いのは好きだけど、残酷なのは苦手」というタイプにとっては、程好い感じでした。   日本の怪獣映画風のヘラバーガーのCMも、実に馬鹿々々しくて良い。  「さぁ、行こう」と「最高」を掛けたと思しき「へら~ば~が~だ、さ~いこ~う」というCM音声も、作中で何度も流されるせいか、クセになっちゃうものがありました。  子供が遊ぶ為のプレイスペースにて、ゴムボールの海の中から、ピエロ顔の殺人鬼がゆっくりと起き上がり、店内の壁に描かれたピエロの絵とシルエットが重なるシーンなんかも(上手いなぁ)と素直に感心。   ヒロインが「ヴァージンを捨てる」という死亡フラグを立てた上で、ちゃっかり生き残る結末なのも面白かったですね。  一種の定石破りであり、それと察した観客に対して、シンプルな結末で煙に巻いてくれるという形。  この辺り(ホラー映画好きなら、説明しなくても分かるよね?)と作り手は思っていたのかも知れませんが……  もうちょっと分かり易く、作中の人物に「こういう場合って、生き残るのは処女だけのはず」くらい言わせてみても良かったかも。   その他、不満点としては「蝋燭を持った殺人鬼にアルコールを噴き掛けて、火達磨にする」というクライマックスにて、炎のエフェクトが微妙に感じられたくらいでしょうか。  元々期待せずに「楽しい暇潰し」とも言うべき時間を求めて観賞したせいか、満足度は高かったですね。   スラッシャー映画ではあんまり見かけない「NG集」が収録されているのも嬉しい。  劇中で無残に殺された女性が、死体メイクのままで元気に笑っていたりするのを見ると、ほのぼのしちゃいました。   こういう映画を好きって言うのは、ちょっと勇気が要りますけど、やっぱり好きです。
[DVD(吹替)] 6点(2021-11-14 02:50:47)(良:1票)
129.  ミスト 《ネタバレ》 
 ドラマ版「ザ・ミスト」(2017年)を一気見した勢いで、久々に本作も観賞。   後味が悪いというか、趣味が悪いというか、とにかく強烈なバッドエンドの映画なのですが、途中までは「スーパーに籠城するモンスターパニック映画」としても楽しめるようになっている辺りが嬉しいですね。  自分のようにラストが苦手な人間でも「中盤までの籠城戦は楽しめた」と評価出来るし、上手い作りだったと思います。   「主人公を臆病者と罵っていた強面のオジサンが、いざモンスターが現れると怯えるばかりで役に立たない」「如何にも頼りない副店長のモリーが、実は射撃の名手で大活躍する」とか、お約束を押さえた脚本になっている点も良い。  決死隊となって外に飛び出す男に対し、武器として小さなナイフを渡そうとしたら、もっと大きなナイフを既に持っていると返される場面なんかも小気味良くて(流石はフランク・ダラボン監督)と感心させられるものがありましたね。  店の外で男が襲われた事を、命綱の動きだけで表現してみせる件なんて、特に素晴らしい。   そういった面白い場面が要所要所に配されているので退屈しないし、監督としても脚本家としても優秀な人なんだなと、今更のように思ったりしました。   その一方で、そんな「上手さ」が悪い印象に繋がってしまった部分もあったりして……それは終盤の車中での射殺シーン。  ここ、せめて息子が眠っている内に済ませてやれば良いのに、わざわざ起きるシーンを挟んだ後に父親が撃つ流れになっていて、これにはもう(そこまでやるか)と呆れちゃいました。  確かに、そうした方がより衝撃的で後味も悪くなるし、効果的な演出だって事は分かるんです。  でも、流石に悪趣味過ぎる気がして、ノリ切れませんでした。   ノリ切れないといえば、主人公達が拳銃による死を選ぶのも納得いかなくて、説得力に欠けていた気がしちゃうんですよね。  妻の死が主人公にとってショッキングだったのは分かるけど、他の面子まで揃って絶望するっていうのは(なんか急に悲観的になったなぁ……)と違和感を抱いちゃう。  そもそも「絶望して一思いに家族を射殺しようとする父親」という展開自体は「アメリカを震撼させた夜」(1975年)でも描かれており、その際には間一髪で真相を知って皆救われる結末だったりするんです。  恐らく本作のラストも元ネタはそれであり「真相を知る数秒前に射殺していたら、どうなっていたか」を描いたって事なんでしょうね。  その結果、歪みが生じたというか……  原作小説では最後まで主人公は希望を失わずにいる話なのに「アメリカを震撼させた夜のオチを剽窃して、更に衝撃的なラストにしたい」っていう意図ゆえに結末を変えたせいで、こんな不自然な形になったんじゃないでしょうか。  元ネタの「アメリカを震撼させた夜」では「心中を提案したのは絶望した母親。幼い子供達は歩き疲れて泣くばかり。父親はそんな妻や子供達を哀れんで心中を図る」という形だから、ちゃんと説得力がある展開だったのに、本作は「安易に他の作品を剽窃した結果、それまでの話の流れと合ってないし説得力も無い結末になった」としか思えない形であり、凄く恰好悪い。  全体の完成度という点を考えても、この「無理矢理バッドエンドにした」感じは、どうも好きになれないです。   その他にも、序盤に話題になった「歩くタブロイド紙」ことエドナが登場しないまま終わるのは寂しいとか、最初に店を飛び出したオバサンが無事だった理由が明かされず仕舞いでスッキリしないとか、細かい不満点もあったりするんですよね。  自分はバッドエンドが苦手ではありますが「それでもなお、この映画は素晴らしい」と認めざるをえなかった傑作も一杯ある訳だし、どうも本作はそれに該当しなかった気がします。   「ザ・フォッグ」(1980年)との類似性、後の「ウォーキング・デッド」(2010年)にも通じる作風、霧が出現する前は平和な日常だった映画版と日常の時点で化け物が身近にいたドラマ版との対比など、語りたい事は他にも色々あるのですが……  結局、この映画に関しては終わり方が衝撃的過ぎて、それを好きか嫌いかどうかという話に落ち付いちゃう気がしますね。  自分としては「嫌いな終わり方」だったのですが、それなりには楽しめたし、色んな客層を配慮して作られた、出来の良い映画だったと思います。
[DVD(吹替)] 5点(2021-11-10 04:19:04)(良:2票)
130.  最終絶叫計画 《ネタバレ》 
 「スクリーム」の殺人鬼が「ラストサマー」の鉤爪を武器にしてるという、そんな絵面を拝めただけで得した気分になれますね。   基本的なストーリーも上記二作に準じている為、安心して楽しめる作りなのですが……  それだけに、最後の最後でオチが「ユージュアル・サスペクツ」になっちゃうのが、違和感あって仕方無かったです。  「スクリーム」でのデューイに相当するキャラが全ての黒幕ってネタ自体は悪くなかったし、出来れば徹底して「スクリーム」もしくは「ラストサマー」のテイストのまま終わって欲しかったですね。  途中で別の映画のネタ挟むくらいなら構わないんだけど、本作は文字通り「最後に別の映画になってしまう」って形な訳で、観た後モヤモヤが残っちゃいました。   「スクリーム」作中にも他の映画を馬鹿にする場面があるとはいえ、これだけ「スクリーム」と「ラストサマー」に乗っかった映画でありながら、その二作を作中で貶してるのも気になる部分。  オチが「ユージュアル・サスペクツ」になっちゃう点といい、作り手側に「スクリーム」と「ラストサマー」への愛情が感じられないのは、この手のパロディ映画としては致命的だと思います。   一応、良かった点も挙げておくなら「武器ではなくバナナを手にする女」とか「同性愛者かと思ったら、実はそうじゃなかった男」とか、笑える場面もキチンとあった事。  あと、音楽やカメラワークなどは意外と洗練されていたって事が挙げられそうですね。  予想以上にクオリティが高くて、面白いとか面白くないとか以前に、まず「出来の良さ」に驚かされましたし。   本作は同年公開の「スクリーム3」に匹敵するか、あるいはそれ以上のヒットを記録してるんですが、それも納得です。  この後、ウェイアンズ監督は「最凶女装計画」などの佳作も手掛けていますし、ちゃんと映画作りの才能はある人なんだと思います。
[DVD(吹替)] 5点(2021-11-06 11:31:48)
131.  SHRIEK(シュリーク) 最低絶叫計画 !? 《ネタバレ》 
 同じパロディ映画の「最終絶叫計画」では「スクリーム」を「最低」と貶して笑いを取ろうとしていたのに対し、本作では「最高」と絶賛してるのが印象的。   だからって訳じゃないけど、同じ「スクリーム」好きとしては好感を抱いちゃう作りでしたね。  最初から最後まで「スクリーム」をなぞる作りだから、話の芯がブレておらず、落ち着いて楽しめるのも嬉しい。   矢継ぎ早に色んな小ネタを挟み「質より量」ってスタイルにしたのも、正解だったんじゃないかと。  たとえ打率は低くても、とにかく打席数が多いもんだから、ヒットの数もそれなりになってるんですよね。  個人的には「メンタルズ」の歌や、クライマックスの追いかけっこで「ドーソン役は高所恐怖症」「監督は酒を飲ませてやらせた」などの注釈を挟むネタが、特にお気に入りです。   「去年の夏」に関しても、思い出す人によって情景が全く違う辺りには感心しちゃったし、他のネタに比べ「グリース」だけ(やたら古い作品を引っ張ってきたな……)と思っていたら、ちゃんとその後に「登場人物が元ネタを分からず、白ける」ってオチが付く辺りも、何か気持ち良かったですね。  「クリスティーン」もパロってみせてるし、作り手側と自分とで「好きな映画」が同じなんだなって思えて、嬉しくなっちゃいました。  序盤に出てきた「チャイルド・プレイ」のチャッキーも、やたら可愛いコスプレだったりして、その後に出てこないのが勿体無く思えたくらいです。   恐らくは予算でも、監督の才気という意味でも「最終絶叫計画」には及ばないのでしょうが……  個人的には、結構好きな映画でした。
[DVD(吹替)] 6点(2021-11-05 02:28:33)
132.  スクリーム3 《ネタバレ》 
 全四作の中で、3だけ犯人が誰だったか思い出せない……という状況のまま再鑑賞。   観終わってみれば「主人公シドニーの兄」であり「シドニーの母を殺した黒幕」という凄い犯人だった訳ですが(いやぁ、これは憶えてなくても仕方無いよ)って、何か開き直る気持ちになっちゃいましたね。  とにかく印象に残らないというか、犯人が明かされた時に(……えっ、誰?)と戸惑ってしまう度合いの高さでは、間違い無くシリーズ随一。  何せ顔を明かされた時は本当に誰だか分からなくて、犯人自ら「監督のローマン・ブリッジャー」と自己紹介した事で、ようやく(あぁ、いたなぁ、そんな奴)と納得出来たくらいですし。  これって「観客は決して犯人を当てられない」って意味では凄いのかも知れませんけど……正直、感心するより呆れる気持ちが強いです。   例えば、途中までミスリードしていた通りに、キンケイド刑事が犯人というのであれば「主人公シドニーに親身に付き合い、ロマンスの匂いも漂わせた好人物が犯人」って事で、ベタではあるけど「意外な犯人」と呼べたはずなんですよね。  でも主人公と全然絡まず、出番も少なく、観客の印象にも残ってないローマン監督が犯人とか言われても、それは「意外な犯人」ではなく「地味で目立たない奴が犯人」ってだけであり、本末転倒。  スクリームの中で、この「3」だけ脚本がケヴィン・ウィリアムソンではないって事も大きいんでしょうけど……  本筋には全然関係無いレイア姫ネタを挟んだりとか、どうもシナリオに引っ掛かる点が多いです。   その他にも「便利過ぎる変声機が登場するのに、何故そんな凄い代物を犯人が持ってるのか、説明が一切無い」「シドニーがトラウマを克服したのを示す為、ラストシーンにて家のドアを開けっ放しにしてるけど、流石に不用心過ぎるとしか思えない」といった具合に、不満点を挙げ出したらキリが無いんですが……  一応、良い所も色々あったりして、総合的に考えると「それなりに楽しめた」って結論になるのが不思議ですね。  監督は変わらずウェス・クレイヴンなので演出は手堅いし、ちゃんと「スクリームらしい魅力」を感じられたのが大きかったのかな、と思えます。   犯人の正体はスッカリ忘れてた自分でも、鮮明に憶えていた場面が二箇所あり、その「ランディからのビデオレター」「シドニーが映画の撮影現場に迷い込み、1の頃を思い出す件」の二つに関しては、文句無しで良かったです。  デューイとゲイルも相変わらずイチャイチャしていてラブコメ的な魅力があったし、最後にデューイが求婚して終わるというのも、グッと来る結末。  「エルム街の悪夢」さながら、シドニーが母親の悪夢を見る場面も、監督繋がりの遊び心が感じられて、クスッとさせられました。   それと、派手な爆破シーンもあったりして、ちゃんと観客を楽しませようという気持ちが伝わってくるのも嬉しい。  こういう「映画としての優しさ」のようなものが感じられる作品って、不満点はあっても嫌いにはなれないです。   そんなこんなで、シリーズ四作の中で評価するなら、残念ながら最下位になってしまうかも知れませんけど……  それでも一定のクオリティは保っていた辺り、流石だなって思えましたね。  有名ホラー映画のシリーズって、長く続いた分だけトンデモない代物が混ざっていたりするものですし。  一番微妙な品でも、これだけ面白いんだなって考えると「スクリーム」シリーズの地力の高さのようなものが感じられました。
[DVD(吹替)] 5点(2021-11-04 01:46:55)(良:2票)
133.  スクリーム2 《ネタバレ》 
 作中の台詞にある通り「続編はオリジナルを超えられない」を体現しちゃってるとしか思えない仕上がり。   初代より面白い続編も色々あるのは間違い無いんですけど、残念ながら本作は該当しなかった気がしますね。  一応、良い所も幾つかあるんだけど、それらは大体「1」の時点で存在してた要素だったりするので(映画オタク的な続編論議の面白さとか)目新しさが無いんですよね。  冒頭の映画館での殺人も中々ショッキングなんですが「1」の冒頭に比べると見劣りしちゃうなって、つい思っちゃいました。   それでもあえて「2独特の魅力」を探すとすれば……前作で投げっ放しだった要素を色々拾って、決着を付けている点が挙げられそうかな?  「冤罪をかけられたコットン」が、その後どうなったか描いたり、デューイとゲイルのロマンスの続きを描いたりしてるので、観ている側としては(そうそう、そこが気になってたんだよ)って、嬉しい気持ちになれるんです。  それでいて、新たに消化不良な要素を生み出すような真似はしてないし、その辺りは「1」より綺麗な作りだったと思います。   前作で描かれた「現実」に比べると「スタブ」ではシャワーシーンが追加されてるのもニヤリとしちゃったし、作中映画の「スタブ」の使い方も上手かったですね。  「この話が映画になったら、シドニー役はトリ・スペリング」という会話が前作にて行われてましたが、それが実現している辺りも面白い。  また、今回の黒幕となる「ビリーの母親」の存在は前作の時点で示唆されてたんですが、その場面を「スタブ」で再現し、自然にヒントを与える形になってるのも良かったです。   で、悪かった点はというと……やっぱり、観終わった後にスッキリしない点が挙げられそうですね。  ラストにて、主人公シドニーを救ってくれるコットンが嫌な奴なので、どうも爽快感に欠けるんです。  しかも彼がヒーローとして祭り上げられる事を示唆して終わるもんだから、折角のハッピーエンドに水を差された形。  シドニーの新しい彼氏であるデレクは良い人だったのに、犯人と疑われつつ死んでしまったって件も、後味の悪さを倍増させてた気がします。   作中にて「ショーガール」を揶揄するような台詞がありましたが、正直これも大差無い出来栄えというか……  個人的には「ショーガール」の方が面白かったくらいなので、なんか凄く恰好悪かったですね。  やっぱり、映画の中で他の映画を否定的に語るのって、あんまり好きになれないです。
[DVD(吹替)] 5点(2021-11-03 09:00:58)(良:2票)
134.  スクリーム(1996) 《ネタバレ》 
 2021年に鑑賞してみると「主演はドリューバリモアかと思ったのに、冒頭で殺されて吃驚」感が当時より高まってる気がしますね。   この「電話の向こうの殺人鬼に襲われる」導入部は秀逸であり、ウェス・クレイブン初期の秀作「鮮血の美学」に通じるような、陰鬱さと絶望感があったと思います。  此度再鑑賞してみて(ここだけクオリティ高過ぎて、浮いてるなぁ……)と感じちゃったくらい、見事な仕上がりでした。   作中で論理的な手掛かりが示された訳でもない為「犯人探しのミステリー」としては成立していないんじゃないかと思えますが……  それでも「犯人は二人組」「最初に犯人かと疑われた彼氏のビリーが、本当に犯人」ってのは意外性があって、良かったですね。  この辺りは、単なるスラッシャー映画の枠に留まらない魅力を感じます。  鑑賞後に「スクリームの犯人は誰か知ってる?」と周りに語りたくなっちゃいますし、本作が公開当時ヒットしたのも、大いに納得。  冒頭から「二つのドア、どっちにいるでしょう?」というクイズを出したり「ビリーは犯人ではない」と思わせるミスリードに貢献したりと「犯人が二人いる」事に、ちゃんと意味があるのも良かったです。   作中にて「ホラー映画の法則」を茶化す場面が挟まれているのも、特長の一つ。  「ヴァージンの特権」とか「すぐ戻るって台詞だけは言わない」とか、生き残るコツについて説明する件も面白かったけど、個人的に一番ツボだったのは「殺さないで」「続編にも出たい」と訴えてた女友達キャラが、本当に殺されちゃった場面ですね。  その後、殺人鬼達も「俺達は生き残って、続編を作ってやるんだ!」と言ってたのに死んじゃうし……  何とも皮肉で滑稽で、人死にが絡んでるのに、つい笑っちゃいました。   ホラー映画が嫌いなヴァージン少女のシドニーと、ホラー映画オタクな殺人鬼のビリーっていう主人公カップルの組み合わせも面白くって、真相を知った上で再見すると、序盤のやり取りが更に楽しめちゃう作りなのも良いですね。  ビリーは「エクソシスト」のテレビ放送版で、過激なシーンが省略されてる事に不満を示したりと、実は序盤からオタク的な一面を見せていたし、ビデオ店で働くランディに絡む場面では「主人公の彼氏」とは思えないくらいの「嫌な奴」っぷりを披露していたしで、その後の展開に自然に繋げてる辺りも上手い。  犯人の動機について「ホラー映画が原因じゃない」「両親が離婚したせい」「周りの期待がプレッシャーになったせい」とわざわざ語らせているのも、脚本家の「ホラー映画愛好家」としての譲れない一線のようなものが窺えて、面白かったです。   「怪しまれないように自分達も傷を負っておく」にしても、シドニーに止めを刺してからやるべきだろうに、勝手に自滅した犯人達が間抜け過ぎるとか、デューイとゲイルのロマンスなど、中途半端に終わった要素が多くて消化不良とか、不満点も色々あるんだけど……  まぁ、この映画の場合、作中でホラー映画を観て楽しんでる若者達同様、そういう部分にツッコミ入れつつ観るのが正しい作法なんでしょうね。  実際、誰かと一緒にコレ観た時は絶対「いや、先にシドニー殺せよ!」ってツッコんじゃいますし。  そういった諸々も計算して、意図的に「ツッコミ所」を用意した脚本だったのだとしたら、本当に見事だと思います。    あとは……「エルム街の悪夢」は1以外は最低と作中で言わせるのは、ちょっと大人げないって思えた事(ウェス・クレイヴン監督は初代「エルム街の悪夢」の監督&脚本担当)  それと「13日の金曜日」でジェイソンが出てくるのは二作目からってのは間違いでは?(一作目ラストの夢のシーンでも少年ジェイソンが出てくる)って事が気になったとか、そのくらいですね。   今回、スクリーム4まで一気に再見する予定なのですが、それによって「スクリームは1が一番面白い」っていう自分の固定観念が揺らぐかどうか、今から楽しみです。
[DVD(吹替)] 7点(2021-11-03 08:37:04)(良:3票)
135.  ラストサマー2 《ネタバレ》 
 前作ラストが「主人公ジュリーが見た夢」で片付けられる導入部にガッカリ。  でも結果的に、そこから尻上がりで面白くなったというか……  「序盤は面白いのに、中盤からつまらなくなる」っていう前作とは逆の「序盤は退屈で、途中から意外と面白い」って形になってるのが興味深かったですね。   クローズド・サークル物として「嵐に閉ざされた無人島」を舞台にしたのも正解だったと思います。  一応「優しいボーイフレンドと思われたウィルが、実は殺人鬼の仲間だった」というサプライズもありましたが、基本的にミステリー映画ではなく、スラッシャー映画として分かり易く舵取りしてるのも好印象。  「ミステリーなのかスラッシャーなのか分かり難く、どっち付かずな内容」という前作の不満点が、それなりに改善されてる形。  「如何にも怪しげな人物であるエステスが、ウィルに襲い掛かる」→「エステスは悪人? と思わせる」→「実はウィルが犯人の一人」って流れも面白くて、少なくとも脚本に関しては前作より洗練されてたんじゃないかと。  彼氏役であるレイが、プロポーズ用の指輪を質に入れて拳銃を買い、主人公ジュリーを救いに来るっていうのも、熱い展開で良かったです。   それと、前作でも「海に投げ入れようとした死体が、直前で蘇生する」という場面があり「犯人は、主人公達が殺したと思っていた死体」ってオチに自然と繋げていましたが、本作でもその辺は上手かったですね。  「ブラジルの首都はリオじゃないのに、何故かクイズに正解して旅行に招待される」って形で「この旅行自体が罠だった」ってオチに、きちんと繋げてる。  細部に不満やら矛盾点やらはありますが、こういう大事なとこはしっかりしている辺り、人気作としての背骨の太さのようなものを感じました。   そんな訳で、こうやって良い部分を挙げる限りでは「前作よりも面白い、正統進化版の続編」って言えそうなんですが……  残念な事に、前作の欠点が足を引っ張ってもいるんですよね。  2単体で評価すればカッコ良い彼氏役のレイに関しても(でもコイツ、前作ラストで罪を告白せずに逃げた卑怯者なんだよな……)って事が気になって、素直に応援出来ませんでしたし。  ラストの「殺人鬼は生きていた」オチに関しても、お約束の魅力を感じる以上に(またかよ)って呆れる気持ちが強かったです。   あと、フィッシャーマンが勢い余ってウィルを殺す場面は間抜け過ぎて笑っちゃったし、前作同様「脇役を活かしきれてない」って印象は拭えなかったのも難点。  「話の掴みが上手い」「青春映画としての切なさ」などの「1には有って、2には無い魅力」も色々ありますし……  総合的に評価すると、前作と同じくらいの面白さって感じに落ち着きそうですね。    以下は、映画の内容と直接関係無い余談。  今回再鑑賞して気付いたのですが、殺される端役として無名時代のジャック・ブラックが出演してるのも、中々興味深い符号だと思います。  それというのも「13日の金曜日」ではケヴィン・ベーコン「エルム街の悪夢」ではジョニー・デップという具合に「歴史的ホラー映画では、無名時代の大物俳優が殺されてる」っていうジンクスがあるんですよね。  本作は1ではなく2という形だし、個人的には大好きなジャック・ブラックも、上記二名ほど大物ではないかも知れませんが……  なんだかんだで「ラスト・サマー」シリーズも、歴史に残るホラー映画なんじゃないかなって、そう感じさせるエピソードでした。
[DVD(吹替)] 5点(2021-10-24 14:21:12)(良:1票)
136.  俺たちダンクシューター 《ネタバレ》 
 ウィル・フェレル主演作の中では本作が一番好き……と言いたいのですが、ウディ・ハレルソン演じるエドの方が実質的な主人公に思える内容な為、ちょっと困っちゃいますね。   とはいえ「途中で主役交代しちゃう出鱈目な映画」ではなく「ギャグパートの主人公はウィル演じるジャッキー・ムーンであり、シリアスパートの主人公はエドというダブル主人公物」だと解釈すれば、良く出来た品だと思います。  バスケシーンも意外と本格的だし「観客を増やす為に色んなショーを行う主人公達」という場面が、試合の合間の良いアクセントになってる。  チャンピオンリングを掴んだベテラン選手だけど、優勝の際にはずっとベンチウォーマーだったというエドの設定も良いですね。  彼が「試合に出てなくても、俺はプロとして戦った」と演説し、チームの意識改革を行うシーンはグッと来たし、完全なギャグ路線かと思って観ていた自分に、心地良い不意打ちを与えてくれました。   そんなエドと、チームで一番才能がある若者のクラレンスとの衝突と和解が描かれ、次第に二人が師弟関係のようになっていく展開も良い。  クライマックスではリーグの首位チームであるスパーズに勝利する訳だけど、当時は戦術として確立されていなかったであろうアリウープを駆使したお蔭で勝利出来たって形になっているのも、上手かったですね。  1970年代の世界を2000年代に描くという利点をフル活用している感じで、ちょっとズルいけど説得力がありました。   クラレンスがスパーズの誘いを振り切る形で、主人公チームのトロピックスを選ぶ場面を劇的に描いたのに、試合後には結局スパーズを選ぶのは拍子抜けとか「背の低い人々には、この世に生きてる理由がない」なんて曲を楽しそうに唄う場面は引いちゃったとか、欠点と呼べそうな場面もチラホラあるんだけど……  「おふざけギャグ映画かと思ったら、意外としっかりしたバスケ映画だった」というサプライズも含めて、満足度は高めでしたね。  劇中曲の「ラブ・ミー・セクシー」も、最初に聴いた時には何とも思わなかったはずなのに、エンドロールにて流れた際には(もしやコレって、名曲なのでは?)と思えたんだから、全くもって不思議。   それと、ラストの台詞「どこかな、クマちゃん?」は最初意味が分からなかったんだけど、今になって考えるに、あれは映画館だからこその「映画館の中に、劇中で逃げ出したクマがいるかも知れないよ」という、上映中の暗闇に包まれた観客に対しての、恍けたメッセージだったんでしょうね。  その辺も含めて(これは、出来れば映画館で観たかったなぁ……)と思えた、意外な掘り出し物の一本でした。
[DVD(吹替)] 7点(2021-10-15 14:25:04)(良:1票)
137.  ラストサマー 《ネタバレ》 
 「去年の夏」に関する手紙が届く序盤までは、かなり良い感じ。  これはヒット作となったのも納得だなと思えたのですが……   中盤以降は失速というか、どうも着地が拙かった気がしますね。  まず、ジャンルとして「犯人探しのミステリー物」とも「殺人鬼が暴れるスラッシャー物」とも言えないような、中途半端な内容だったのが痛い。  両方の魅力の良いとこ取りが出来ている訳でもないし、観ている間(……で、どっちにするの?)と、観客としてはもどかしく思えちゃうんですよね。  鑑賞後に結論を下すとすれば「スラッシャー物」って事になるんでしょうけど、それにしたって殺人鬼となるフィッシャーマンに魅力を感じなくて、ノリ切れないんです。  無関係の人間も色々殺しまくってるから「怒りに燃える復讐者」って感じもしないし「車のトランクにあった死体」が消えちゃう件とか(この殺人鬼は現実的な存在ではなく、ファンタジーで何でも出来ちゃう系なの?)と気になっちゃうのも難点。  話の主筋はシンプルで分かり易いのに、こういう細部が曖昧で分かり難いって形なのは、ちょっとチグハグでバランス悪いんじゃないかと。   あと、キャラの使い方も勿体無い感じなんですよね。  アン・ヘッシュ演じるミッシーとか「犯人候補であり、主人公カップルと三角関係に成り得る存在」なのに、途中から全然出てこなくなって戸惑いますし。  シバース姉妹の確執が伏線っぽく描かれていたのに、姉がアッサリ殺されて終わりってのも吃驚です。  ベタではありますが、姉が殺される直前に妹を庇い「逃げなさい!」と言ったりして、喧嘩しがちでも姉妹の絆は確かにあったって展開にしても良かったと思うんですよね。  魅惑的な要素が色々散りばめられていたのに、それらを活かしきれてない気がします。   無事に殺人鬼を撃退した後「命を狙われた原因に心当たりは無いか?」と問われて「いいえ」と答える展開にも、心底ガッカリ。  (こいつら結局、何も反省してねぇな!)と呆れちゃうし「比較的善人と思われた主人公カップルも、結局は嫌な奴らだった」ってオチになっちゃう訳で、凄く後味悪いんですよね。  「殺人鬼は、実は生きていた」というお約束エンド迎えるのも、好みとは言えないです。   冒頭にて述べた通り、序盤の展開というか「話の掴み」は上手いと思うし、カメラワークや音楽のチョイスなども良いので、観ていて退屈するって事は無いんですけどね。  夜の浜辺で「高校最後の夏」を楽しむ様には、青春映画としての魅力が確かにあったと思うし……  事件から一年後、かつて抱いていた夢が嘘のように冴えない日々を送ってる仲間達と再会する流れも、切なさがあって好きです。  エンディング曲もかなり良い感じで、映画本編に対する不満を忘れさせる効果がありましたね。   商業的に成功したのは納得だし、90年代を代表する品なのは間違いないと思いますが……  名作や傑作とは評し難い。  でも、粗削りな魅力は確かにあるという「青春映画」という以上に「若者映画」って感じの一品でした。
[DVD(吹替)] 5点(2021-10-14 07:33:31)(良:1票)
138.  鬼教師ミセス・ティングル 《ネタバレ》 
 最後がハッピーエンド過ぎて納得いかない映画ってのがありますが、これもそんな一本。  主人公のワトソン達と、ティングル先生。どっちが悪いかといえば「ワトソン達」で、どっちが被害者かといえば「ティングル先生」なのに「前者は無罪放免」「後者は教師をクビになる」って結末を迎えちゃいますからね。  最後は主人公三人で、笑顔の卒業式を迎えて終わる訳だけど (……それで良いのか?)  とツッコむしか無かったです。   「スクリーム」「ラストサマー」「パラサイト」と同じ脚本家(本作では監督も兼任)という事で、90年代のティーンズ映画らしい魅力が詰まってる事。  舞台の大半が「ティングル邸」に限定されている為、小さな世界の「舞台劇」めいた魅力を味わえる事など、良い点も色々あるんですけどね。  主人公ワトソンの犯行動機というか、ティングル先生と戦う主因が「ママと同じ人生は歩みたくない」っていう想いゆえなのも、非常に残酷で良い。  これ、ママさんが酷い母親って訳じゃなく、娘想いの優しいママさんだし、母娘仲も良いはずなのに、それでも尚そう思ってしまうというのが、何ともやるせないんですよね。 (たとえ夜勤で毎日大変でも、夫に逃げられようとも、娘に愛情注いで育ててる立派な母親じゃないか)  と、自分としてはそう感じる訳ですが、それでも娘側の「こうはなりたくない」って想いに、説得力があるよう描かれてる。  「親のようになりたくない」「自分が思い描く理想の大人になりたい」という感情のままに行動する主人公ってのは、等身大の若者らしくて、リアルだったと思います。   それと、悪役になるティングル先生が魅力的なのも良かったですね。  そりゃあ彼女は日頃から意地悪だし、不倫もしているしで「悪い人」なんだろうけど、作中で描かれている限りでは「監禁されている被害者」な訳で、どっちかというと彼女側を応援したくなりますし。  作中で何度か言及されている「エクソシスト」の悪魔のように、巧妙に話術を駆使して窮地を脱しようとする姿は、文句無しで主人公達より恰好良かったです。  あと、不倫相手のウェンチェルコーチが、彼女との逢引では「従順な奴隷」となっちゃうのは、如何にもって感じで笑っちゃいましたけど……  個人的には、日頃偉そうな態度のティングル先生の方が「奴隷」になっちゃう関係性の方が、ギャップがあって可愛く思えたかも。   脇役&女友達枠のジョー・リンの描写も面白くって、主人公のワトソンより華やかなルックスなのに「私は脇役じゃないわ」って劇中で言わされちゃうのが、実に皮肉が効いてましたね。  「女優の才能が無い」と言われた仕返しのように、ティングル先生を騙すのに成功するのも痛快でしたし……  三角関係の泥沼を乗り越え、主人公ワトソンとの友情を選ぶ展開になったのも、嬉しかったです。  こういう「報われない女友達」枠が好きな自分としては、とても好みのキャラクターでした。   ただ、唯一のメイン男性キャラであるルークについては不満があるというか……正直言って、魅力を感じない存在でしたね。  そもそもの発端というか、諸悪の根源と言えるのは「答案を盗んだルーク」のはずなのに、なんか「優しい王子様」みたいな扱いを受けてて、違和感が拭えなかったです。  成績の書き換えを提案したのも彼だし、作中で一番「悪魔」と呼ぶに相応しいのはワトソンでもティングル先生でもなく、ルークじゃないかと思えました。   ……とまぁ、そんなこんなで、劇中では散々な目に遭ったティングル先生だけど、生徒のワトソンに「皮肉」の意味を教える事が出来たって意味では、少しだけ報われたのかも知れませんね。  クビになった後の彼女については一切描かれていないけど、何とか立ち直って欲しいものです。
[DVD(吹替)] 6点(2021-10-09 03:06:55)(良:1票)
139.  ドメスティック・フィアー 《ネタバレ》 
 実に豪華な俳優陣。  メイン三人の「濃い顔」を見てるだけでもワクワクしちゃいましたね。   今となってはコメディ映画のイメージが強いヴィンス・ヴォーンが、悪人を演じているのも新鮮。  当時は「サイコ」(1998年)の印象が色濃く残っていたがゆえの配役かとも思えますが、元々彼って「エリートな気品」「どこか不気味で冷たい顔立ち」を備え持ってる人でもありますし、本作についても適役だったと思います。  スティーヴ・ブシェミも胡散臭くて、妙に憎めない「殺され役」を演じているし、ジョン・トラヴォルタ演じる「頼れるパパさん」っぷりも、文句無し。   子役のマット・オリアリーも可愛らしく、守ってあげたいと思えるような息子のダニーを好演してましたね。  こういったストーリーの場合、演じる「子供」の魅力如何で評価が変わってきますし、そこは文句無しに合格だったんじゃないかと。  BGMも雰囲気があって良かったし、89分と短く纏まってるのも好印象でした。   ……ただ、脚本と演出は凡庸としか思えず、褒めるのが難しいです。  一応良い所もあって「ダニーは不良少年なので、周りが中々『殺人の目撃』を信じてくれない」って展開には説得力ありましたし、そんな中で、真っ先に信じてくれたのが父親のフランクっていうのも、グッと来るものはあったんですけどね。  父子の逃亡劇になるのかと思いきや、親権争いの裁判になったりするのも、意外な展開ではありました。   でも正直、それ以上に粗が目についちゃって……  「脚本と演出の不備を、演者の力で誤魔化してるだけ」って印象は拭えないです。  そもそもダニーから「人殺しが同じ家に住んでる」「しかもそれが、義理の父である」っていう恐怖や、緊迫感が伝わってこないのが致命的。  これに関しては、いくら子役が怖がった演技をしても「何も対抗手段を取らず義父の言いなりになってるだけのキャラクター」「だから追い詰められてる感じがしないし、恐怖が窺えない」って形になってる訳だから、脚本の責任だと思います。  フランクの現在の妻であるダイアンの影が薄いのや、ダニーの母が妊娠したのを活かせてない辺りも不満。  恐らくは「フランクの孤立感を高める」「ダニーの疎外感を強める」為の要素だったんでしょうけど、ダイアンは途中から出てこなくなるし、妊娠についても言及されなくなっちゃいますからね(一応、最後に流産したのが示唆されるけど、後味が悪くなっただけ)  この手の「必要無い人物、要素が多い脚本」って、どうしても評価が低くなっちゃいます。   極め付けは終盤における「ライター自爆着火」の間抜けさで、これには本当ガッカリしちゃいました。  ダニーの母が夫を疑うキッカケにしても「夫の衣類からガソリンの匂いがするのに気付き、彼が犯人と疑う」って流れでも成立したと思うし、もっと脚本を煮詰めて欲しかったですね。   たとえシンプルなストーリーでも、細部を丁寧に作れば良作、あるいは傑作と呼べる品に仕上がったのでしょうが……  残念ながら本作は、それに当てはまらない例に思えました。
[ブルーレイ(吹替)] 5点(2021-09-23 16:18:07)(良:1票)
140.  カニング・キラー 殺戮の沼 《ネタバレ》 
 ドミニク・パーセルが主演のワニ映画だなんて、それだけでワクワクします。  男臭くて恰好良いパーセルが、アフリカの巨大ワニと戦い、見事仕留めてくれるのを期待して鑑賞した訳ですが……   色んな意味で、予想も期待も外れちゃう内容でしたね。  まず、思った以上に社会派というか、ワニよりも人間同士の争いにスポットを当てた作りなんです。  この場合の争いっていうのは「自分だけが助かろうと、遭難者グループ内で醜い争いが起こる」って代物じゃなく、文字通りの戦争であり、民族間の内戦。  そもそも巨大ワニのグスタヴが人喰いの味に目覚めたのは「内戦や虐殺で多くの遺体が河に捨てられた為」というのだから、云わばワニなんて内戦の副産物に過ぎない訳です。  映画の半分が過ぎても、パーセル演じる主人公は「俺はワニになんか興味無いんだ」って断言してるし、ヒロインも「ワニなんかより、ここで行われてる虐殺を世界に伝えるべきよ」と言い出すしで、作り手としてもワニより内戦にスポットを当てていたのは明白。  それが失敗だったとは言わないし、斬殺シーンや射殺シーンなどには(確かに、ワニなんかより人間の方が怖い)と感じさせる力がありましたけど……  やっぱり、普通の、王道のワニ映画が観たかったなぁって、つい思っちゃいました。   第一、社会派な内容にするのであれば、もっと事実に即した作りにすべきだったと思うんですよね。  「人喰いワニであるグスタヴ」以外は全て架空の人物ってのが、何とも中途半端。  そんな架空のドラマ部分は悪くなく「友人を失った代わりに、彼が救おうとした現地の若者を保護する事が出来たハッピーエンド」ってのは納得なんですけど、実話に即した「結局グスタヴを退治する事は出来なかった」ってオチまで付くのが、足を引っ張ってる形。  いっそワニの存在も架空にして「今回遭遇した個体は倒したけど、まだまだアフリカには巨大な人食いワニが残ってる」みたいな形にしても良かったんじゃないでしょうか。   ジャーナリストで知性派なパーセルってのも意外性があって良かったですし、カメラワークや演出なども洗練されていたのですが……  何とも勿体無い、もうちょっとで傑作に化けてくれそうな一品でした。
[ブルーレイ(吹替)] 5点(2021-09-22 19:25:17)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS