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141.  裏切りのサーカス 《ネタバレ》 
よく言えば重厚、悪く言えば退屈。「陰謀」や「真相」が鍵の映画ではなく、イギリス諜報局(サーカス)のなかの人間関係の機微を楽しむ映画だということがわかってくると、楽しくなってくる。そこで描かれるのは、、カーチェイスも銃撃戦もなく、黒いスーツを着てなかなか本音を見せないイギリスのおっさんたちの人間関係なので、そんなのに興味がない人にとっては退屈でしかないのだろうけれど、1回目に「退屈」に見えたシーンも、2回目を見れば、そこにさまざまな意味が込められていることがわかり、全く別物に見えるのが面白い。罠にかかっているのに気づかずドヤ顔してしまう人、「同性愛」だと思った瞬間に全く意味が変わってしまう台詞、そしてどんな哲学的なことを考えているのかと思いきや実は奥さんのことしか考えてなかったという顔など、背景が分かると英国紳士たちの「演技」の奥深さを楽しめる。そして、ラストに人間関係がつながったところで再生されるパーティ・シーン(これは音楽も含めて本当に名シーン!)。このカタルシスは、結局この映画がスパイ陰謀モノではなく、組織のなかの人間関係モノだったことを如実に表しています。ただ。そう考えると、キャストのバランスの悪さは気になる。基本的には、主人公スマイリーと、ボスのコントロール、主要な幹部4人(ティンカー、テイラー、ソルジャー、プアマン)に加えて、その部下2人(ギラムとブリドー)のあいだの人間関係を描くのだけれど、やっぱりコリン・ファースのオーラというか存在感ありすぎなので、ほかがかすんでしまう(ブリドー役はとてもがんばっていたけど)。そのアンバランスがけっこう、そのまま本編のストーリーにも絡んできてしまうので、それがよかったのか、悪かったのか。「難解」というよりは、ほとんどの台詞やシーンが多義的なので、それを楽しむための映画といったところでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-08-06 09:42:09)
142.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス 《ネタバレ》 
母の日に見に行ったけど、父の日にみるべき映画だった。だいたい、これだけの超大作でデビッド・ハッセルホフとナイトライダーでこんなに引っ張って大丈夫かと思うけど、世代的にストライクなので大笑いできました(ただ、日曜午前の劇場はおっさんと中高生男子だらけ。日本ではニッチ映画と化しているよう)。あと、Zuneも。300曲っていう今となっては微妙な容量も味があっていいです。音楽のチョイスも今回は前作以上にマニアック。今回は下ネタも多く、なのに泣かせる話でまとめてくるあたり、ジェームス・ガン監督が好きにやってる感じが伝わってきたのはよかったです。お話的には、家庭内の内輪もめ系の話にいってしまったのと、相変わらず5人のガーディアンズがあんまり悪党に見えないのは残念だけど、ヨンドゥの活躍も見られたし、新キャラのマンティスもなかなか面白くて、総じて満足でした。
[映画館(字幕)] 7点(2017-05-15 15:24:35)
143.  ザ・マスター 《ネタバレ》 
PTA監督、またまた恐ろしい映画を作ったなあ。新興宗教モノの定番で主人公が教祖にハマっていく展開かと思いきや、ホアキン・フェニックス扮するフレディは、フィリップ・シーモア・ホフマン扮する「マスター」のランカスターに心酔してるようでいても、彼自身の根本的なキャラは最後までブレないまま終幕。ある意味、これまで完全な社会不適応者だったフレディに唯一向き合うことで、これまでの思想や理論を、よりトンデモな方向へと深めて、変わっていくのはランカスターのほうだ。「深く関わっているのに平行線」という数学的にはあり得ないのだけれど、人間関係においては、ある種の「本質」を突いている。それにしても、PTAの作風は、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』以来、変わってしまったなあ。個人的には、カタルシスもドラマもある『マグノリア』風のほうが好きだけれど、こうゆう重厚で演技も映像もキレまくっているのも、なんだか脳のいつもと違うところが刺激されるようで悪くない。贅沢をいえば、いまの「一見さんお断り」な雰囲気は少し和らげてほしいなあとは思うけど。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-04-02 23:23:05)
144.  モアナと伝説の海 《ネタバレ》 
連休に娘を連れて字幕版で鑑賞。みながらふと気づいたけど、そういえばこれって『アナと雪の女王』以来のディズニー・ミュージカルアニメだったのだね。今回も音楽は秀逸。とくに「How Far I'll Go」の使い方は絶妙。1回目、2回目、3回目とそれぞれ違うシチュエーションで流れるのだけれど、ちゃんとそれぞれのシーンに説得力を与えてて、とくに3回目のサビでドーンときたときは、わかってても泣いてる。こういう演出は、やっぱりディズニー映画は三歩も四歩も先行ってるなあと素直に感心。あと、クレジットから察するに、サモアやハワイなどの島嶼地域の専門家集めて錬ったと思われる設定も(宮崎駿っぽいといえばそうだけれど)なかなか独創的。とくにマウイの設定(外見や声を含め)はよかった。ただ、あの変身技がもう少し効果的に使えたように思う。そして、映像は本当に素晴らしい。海の表現は、『ファインディング・ドリー』でも感心したけど、なめらかさやつややかさはさらに先に進んだ感じ。そして、ラストの海と空の青、島の緑、そしてそこに散らばる色とりどりの花の美しさ。これはやっぱり映画館で観て欲しい。テーマ的にはド直球の成長物語かつ冒険譚で芯がしっかり通っているし、十分すぎるほど感動的なんだけど、がっつり社会問題も絡めてきた『ズートピア』と比べると、設定や表現の新奇さほど、ストーリーに新しさは感じなかったかも。とはいえ、それも最近のディズニー映画のクオリティのインフレ状態ゆえだとは思いますが。
[映画館(字幕)] 7点(2017-03-20 22:59:57)
145.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 
まさに佳作。面白かった。見所はやはりエニグマ解読後の葛藤。非情な決断の背景にある、自分の計算でより多くの人を救えるという天才ならではの自信と、少しずつ人間味を増しつつあった主人公のエモーションのあいだの揺らぎをしっかりと演じたカンバーバッチに拍手。3つの時間軸が交差する展開を混乱なく見せる脚本と演出も、派手さはないけどとてもよかったと思います。ラストシーンで資料を燃やす暗号解読チームの姿をバックに、チューリングは「自殺した」との字幕が流れますが、その前のホルモン剤投与によって、身体的・精神的な安定だけでなく、天才的な頭脳のひらめきも失っていたこともしっかりと描かれていて、「国家」によって彼は「抹殺」されたと言ってもいい。それはナチスの同性愛者への迫害に等しい、国家の罪であるという怒りとメッセージも明確に伝わりました。ただ、難点は解読までのプロセス。やはり暗号解読の「ロジック」、なぜクロスワード・パズル名人が暗号解読に向いているのか、といった部分の論理的な裏付けや説明が端折られていて、何が困難で、チューリングのチームの発見の何が凄かったのか、がわかりにくかったところでしょうか。そういう論理的な面白さを期待して見たら、セクシュアリティ描写も含めて、思ったよりもエモーショナルな映画であった、という感じです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-05 17:44:57)
146.  俺たちニュースキャスター 《ネタバレ》 
コメディにしては、1970年代のサンディエゴというマニアックな舞台設定だけど、男性中心の職場にやってきたキャリア志向美女をめぐるあれこれという展開はこの設定だからこそ笑えた(現代でやったら寒すぎる)。ラストのクレジット後のシーンが象徴するように「こんな時代があったんだよね」というちょっとほろ苦い絶妙の雰囲気で包まれた、でも徹底的にバカな映画。出色は、各放送局のアンカーたちのバトルロイヤル!これぞカメオ出演の手本というべき、思わずニヤリとしてしまう大物俳優の使い方が素敵! ルーク・ウィルソンも、ベン・スティラーも、ティム・ロビンスも楽しそう。燃える男、駆ける馬、ふっとぶ腕など演出もぶっ飛んでます。そして動物園のシーン、政治的に「リベラル派」として知られるティム・ロビンス演じる、これまたリベラルな志向の公共放送局PBSのアンカーにあんなことを言わせる&やらせるなんて! 風刺とおバカが絶妙にミックスしたSNL出身のアダム・マッケイ監督とウィル・フェレルのコンビだからこその楽しい90分でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-01-28 21:09:45)
147.  007/スペクター 《ネタバレ》 
本作が製作発表されて次は「スペクター」と知ったとき、「スカイフォール」のクオリティと従来の007の娯楽路線が混ざったらどんな凄い映画になるか、期待値MAXでした。ところが公開後、あまり芳しくないレビューをあちこちで見かけ、なんとなく見られないまま公開終了。で、やっと鑑賞したわけですが、期待値が下がってた分もあって、感想は思ったよりは悪くない。旧作同様に、ボンドがあちこちうろうろして、女の人と会って、アクションして、の繰り返しなのですが、シーンの見せ方はサム・メンデスらしい凝った構図がいっぱいで楽しいです。ただ、アクションにはあまりキレがなく、サスペンス感もクレイグ・ボンド4作のなかでは一番低い。2時間半が長く感じました。一方で、良かった点は、みなさん同様、メキシコのお祭りからタイトルまで、スペクターの会議、砂漠を走る列車の遠景、Qがちょっと活躍するあたりくらい。ただ、ラスボスを身内にする必要は全く感じないし、ネコがぜんぜん活きてないし、アクション映画としてはあまりにも安易なボートからのヘリ攻撃、伏線回収の快感不足もマイナス。期待値MAX状態で見れば、これは消化不良感大きかっただろうなあと思いました。まあ、「スカイフォール」でちょっとアナザーワールドにいってしまったボンドが、また「いつもの大味なボンド映画」に帰ってきたと思えば、これはこれでありかもという意味では、なんだかんだで嫌いではないなあというところです。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2016-07-21 12:27:22)
148.  ボーダーライン(2015) 《ネタバレ》 
メキシコ国境地帯の麻薬モノは、TVドラマやドキュメンタリーでも良作揃いだけれど、映画でも『トラフィック』以来の良作が登場! 『トラフィック』でも印象的な役回りだったベニチオ・デル・トロがここでは謎めいた捜査官として、前作とは違った強烈な印象を残す。ひたすら振りまわされる主人公エミリー=ブラントもいい。そして、意外と好演なのが、主人公ケイトの相棒ジェシー。ケイト以上に物事の真相もつかめないまま振りまわされる姿はユーモラスですらあり、緊張感が張り詰める本作のなかで、ちょうどいい緩和剤となっていて、単調になりがちな場面にメリハリを与えている。デル=トロの正体は、設定から考えれば当然ありえるもので、そこまで意外ではなかったので、サスペンス的な楽しみはそこまでではないけれど、丁寧に描き混まれる捜索・捜査・掃討シーンはどれも印象的で、監督ドゥニ=ヴィルヌーヴの才気をとにかく感じる。今後要チェックの監督がまた1人増えた。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2016-04-22 18:09:42)(良:1票)
149.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 
ポール・トーマス・アンダーソン監督の怪作。やっぱりこの監督は凄い。全体的には『マグノリア』などのやや過剰気味の演出から一転して静かで淡々としているけれど、そこはダニエル・デイ・ルイスの強烈すぎる存在感で十分におなかいっぱい(+ポール・ダノの「怪演」も満腹感を増幅させる)。このあたりは好みは分かれるところで、個人的には「やりすぎ」感のほうが先に来たかな。ただ、映画としての「力」は十分伝わる。これって「アメリカとは何か」を語る壮大な叙事詩だと思います。アメリカン・ドリームと資本の象徴としてのプレインビュー、土俗的で原理主義的な教会の象徴としてのイーライ。そして「血」では繋がらない息子との関係は、「血」ではなく「理念」で無理矢理「国」を作ろうとしてきたアメリカの理念そのもののよう。この3者の関係は、複雑に入り組みながら、結局は資本主義の強烈な欲望の前にどんどん破滅へと向かっていく。最後の「終わった」は、何の終わりを意味しているのだろうか。いろんな解釈ができるけれど、あれこれ考えるだけでも結構楽しい。
[DVD(字幕)] 7点(2016-03-19 11:23:09)(良:1票)
150.  アウトロー(2012) 《ネタバレ》 
『ミッション・インポッシブル:ローグ・ネーション』がよかったので、同じ監督&トム・クルーズ作品ということで鑑賞。これは、掘り出し物。好みは分かれると思うけど、最初の銃撃シーンからサスペンスの持たせ方がうまい。派手さはないけど構成がしっかりしてて目が離せない。あと、主人公リーチャーのキャラがいい。車乗れない(っていっても免許がないから、という理由はちょっと笑える)、武器も持ってない、クレジット・カードも使えない。で、バスで移動っていうのが、何だか笑える。序盤の弁護士ヘレンとのやりとりもちょいコメディ入ってる。律儀にチンピラやら弁護士に車を借りてやっと移動手段ができたり、武器がないから射撃場の親父(ロバート・デュバル!)を呼び出したりとか、真面目にやってるのにどこか笑えてしまう。その意味では、トムの現実離れした「スター」感がうまくハマってるのかも。よく見てみると、なんでチンピラの仲間に簡単に頭、殴られちゃうのか(痛そうだからわざとではなさそうだし)とか、凄腕の敵のはずなのにラストの銃撃ではなぜ1発も当たらないのかとか、詰めの甘さはあるけど、シリアスなのにちょいクスッとくる新しいハードボイルドものとして、楽しめる1作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-01-22 11:08:54)
151.  ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション 《ネタバレ》 
冒頭の飛行機シーンから、オペラ、水のなかの侵入シーンからバイクチェイスまで、1つ1つのシーンが丁寧にとらえていて見応えあり。アヴァンタイトルやバイクシーンを除けば、実はあんまり派手なアクションもない。むしろ、見せ方のうまさ、演出力の確かさが際立つ。またストーリー的には、今回の映画はヒロイン役のレベッカ・ファーガソンがいい。最後まで味方か敵かわからないことで、話に締まりをもたせて、中だるみを防いでくれたし、スタイルも見栄えもいい(とくにオペラハウスのシーン)。敵役の迫力不足がやや残念で、ラストももう少し引っ張ってほしかったなという部分もあるけど、全体として娯楽映画に必要な要素が本当に詰まってて、シリーズ5作目なのにここまで高いレベルに仕上げた監督&トム・クルーズに拍手。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2016-01-20 15:26:58)
152.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 
上映中はしっかり楽しんだのだけれど、終わってみるとなんか釈然としない。一番の理由は、話自体がたいしたことないというか、ああまたスカイウォーカー家のゴタゴタで、ハン・ソロまでついにこれに巻き込まれてしまって最後は・・・・だし、EP4〜6の既視感を追いかけた2時間ちょいだったことが不満なんだと思う。とはいえ、レイとフィンをはじめ、新キャラの間のコミカルな掛け合いとか、いままでのスターウォーズではうまく描けてこなかった部分をしっかり描いてるっていう新しい魅力も感じたはずなんだけど、そこにそれほどワクワクできていない。で、結局なんだったのか1週間くらい考えた末、実はEP4〜6も映画としては「たいしたことなかった」ということに、ついにこの7で気づいてしまったというか、自分で認めざるをえなくなったことが原因なのかと思っています。EP1〜3のときは「自分が見たいスターウォーズはこれじゃない」観はずっとありました。でも、今回、JJは「俺たちが見たかったスターウォーズ」をこれでもかというサービス精神で作ってしまった。でも、その結果、昔好きだったバンドの再結成ライブ(しかもベスト選曲)を見たときに気づいてしまう、ある種の「閉塞」感を今回のEP7でも感じてしまった。僕にとって、EP7は、そういう悲しいリアリティを突きつけるものでした。JJは、「次」は完全に新しい世界を用意しているのかもしれませんが、今回のレイやカイロ=レンを取り巻く因縁を見た上では、それもあまり期待していないし、そもそも自分がそれをみたいと思っているのかどうかもわからなくなりました。まあ、そういうノスタルジーを取り込みつつ、うまく作品化していくのだとは思いますが、「その程度のシリーズ」として、今後もつきあっていくのがいいのかなあ、なんて思いはじめています。そういう意味で、自分が30年あまりのSWがらみの夢から「覚醒」をしてしまった気分です。
[映画館(字幕)] 7点(2016-01-05 23:32:14)(良:2票)
153.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 《ネタバレ》 
イニャリトゥ監督のコメディでしかもオスカー受賞ということもあって、やや期待値高めでの鑑賞でしたが、結果的にはうーん、という感じ。まず撮影についてはすごいです。劇場を中心とした密室劇的な構成なのもあるのですが、ワンカットでひたすら続くカメラワークには唸らされます。エマニュエル・ルベツキは、現在の撮影監督の最高峰といえるでしょう。そして、マイケル・キートン、エドワード・ノートン&ナオミ・ワッツのアテ書きっぽい設定だけでも楽しめるし、エマ・ストーンのちょっとスレた演技も印象的。全体に漂う皮肉っぽい独特のムードも好みです。ただ、ドタバタがドタバタしきれない消化不良な感じを終始感じていたのも確か。ちょっと捻りのきいた映像や台詞でごまかされるけど、よくよく考えてみれば、いかにもよくあるシチュエーション・コメディな展開で、そもそも「ブリーフでNYの町を歩く」って面白いのか?という気にさえなってくる。面白くはないのだけれど、人生の苦みを表現した一種の「雰囲気映画」と考えれば、まあ楽しめる作品に仕上がってると思います。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-03-11 15:11:04)
154.  恋はデジャ・ブ 《ネタバレ》 
公開当時から「隠れた名作」扱いされていた記憶があった本作、やっと見ました。2月2日を永遠に繰りかえすというファンタジー的なストーリーながら、そこで描かれるのは1人の人間の人生そのもの。何が人生を豊かにするのか? うまいことやって美女と付き合うこと?お金?名声?芸術? そういうテーマを、アメリカの田舎町のちょっとした1日のなかに落とし込んだ脚本は見事。最初の1日が終わったとき、え?これでどうやって映画にするの?と思ったけど杞憂でした。大きな事件が起こるわけでもなく、淡々と、でもどこか共感できる主人公の試行錯誤ぶりはとっても味がある。まわりを幸せにすることで自分も幸せになる、そういうベタなメッセージでもこういう変化球で伝えられるとジーンとなります。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2015-02-10 08:55:45)
155.  ネバーエンディング・ストーリー
小学生の時に映画館で観た本作。数十年ぶりに小学生になった娘と見る。いまさらながら、清く正しい?児童小説の世界観のうえに成立したメタな物語構造に感心する。子どもの想像力と対峙する「虚無(nothing)」という敵の本質は、今見てもなかなか深い。これを、1980年代前半という時代に、しかも「子ども」向けの映画で堂々とやってしまったというところはすごい。一方で、演出や編集では残念な部分も目立つ。ぶつ切りのエピソード、端折りすぎの前半、タメのない場面転換と音楽。これって、たぶんピーター・ジャクソンにリメイクさせたら、3部作くらいの、すごい物語になりそう。でも、あえて90分ちょいで映画化して、日本を含む世界中の子供たちが見たというところが、この映画のすばらしさなのだと思う。ちなみに、一緒にみた娘の感想は、「怖かった」。狼だけではなく、この映画全体のもってる雰囲気が怖かったという。ある意味、とてもまっとうで、この映画の本質をとらえた感想でちょっとうれしい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-04 23:58:54)(良:1票)
156.  キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー 《ネタバレ》 
これは最近の大作系の映画のなかでは、ひさびさにアクションに見応えがある良作。ノーラン以来、アメコミ大作でアクション系ではない監督を起用することが多くなっている分、アクションそのものの魅力で語られるものが少ないなか、この映画は、ジェイソン・ボーン的な迫力ある肉弾戦と壮快なスカイアクションの両方を楽しめる。スカーレット・ヨハンソンやサミュエル・L・ジャクソンらのサブキャラも魅力的で脇役まで丁寧に描いているのもいい。ただ、ストーリーは、「自由を制約するのではなく、自由を差し出させる」というあたりの狙いはいいけど、監視社会の倫理的問題そのものは、『ダークナイト』でも描かれているわけであまり新味はない。悪役の荒唐無稽さ(+キャプテン・アメリカの衣装のダサさ)と、リアルな物語展開のバランスの悪さも少し気になる。いずれにしても、最近のアメコミ系のなかでは魅力的なアクションのスピード感は一件の価値あり。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2014-08-31 10:56:27)(良:1票)
157.  ゼロ・ダーク・サーティ 《ネタバレ》 
いやあ、なんだろう、不思議な映画。主人公があれだけの執念を見せつけてるのに、どこか実在感がない。与えられた情報は「マヤ」という名前だけ。なぜ彼女が抜擢されたのか、何が彼女をそこまでさせるのかよくわからない。ラストで「名字は聞いてない」と言われ、一人だけで空っぽの輸送機に乗るときの空虚さ。まるで彼女自身が9.11以降のアメリカが陥った「狂気」を体現しているかのよう。テロから数年たって、国民の関心は薄れ、戦争や拷問への批判が巻き起こり、行き場を失いつつあった「狂気」は、ビンラディン追討への執念として生き延びた。この映画では、あの死体が本当にビンラディンだったのかどうかもわからない。そういうことにしなければならない空気だけは理解できた。そして少なくとも、あの時代の「狂気」をなかったことにはできない。そういうことは十分に伝わった。
[DVD(字幕)] 7点(2014-07-24 16:19:21)(良:1票)
158.  大統領の執事の涙 《ネタバレ》 
主人公が大統領執事として仕えた大統領たちの個性も楽しめますが(しかし、スルーされたフォードとカーターは気の毒)、ドラマの軸は、「節度」を重んじる執事セシルと、「変革」のために身を投げ出す息子ルイスの関係。若さと理想で突っ走る息子は『フォレスト・ガンプ』のジェニーのように危なっかしく、そういう意味では『フォレスト・ガンプ』と構図も似ていますが、大きく異なるのは、この映画は、そんな息子の生き方の意味を、父親が理解し、それを認めるシーンがあること。このシーンこそ、この映画の白眉です。これがなかったら、次々出てくる大統領のモノマネショーを楽しむだけの映画になってたかもしれない。とはいえ、アラン・リックマンとジェーン・フォンダのやり過ぎカップルは笑える。これは必見。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2014-02-12 08:10:01)(良:1票)
159.  パシフィック・リム 《ネタバレ》 
はじめて日本語吹き替えで見なければと思った作品。某社の機内上映で吹き替え版放送があったので鑑賞。もちろん、3DでもIMAXでもないが、この映画の魅力は十分伝わった。最初の出撃まではダレダレで選んだのを後悔しかけたけど、後半のバトルに入ってからはもう楽しすぎ。幼少期に早起きして再放送のウルトラマン見てる気分で楽しめました。ただ、視聴環境のせいもあってか、怪獣バトルアクションの狭間に見え隠れするハリウッド的な要素がうざい。たとえば、主人公のマッチョな外見。やっぱり、この手のロボット・アクションの主人公は線の細い「少年」であってほしい。逆にヒロインは菊池凛子ではない。あのパワースーツみたいなのが似合う女優は他にもいるでしょう。ついでにラストの海上での抱擁もいらないなあ。怪獣の不満はみなさんの言うとおり。少なくとも最初から最後まで外見が同じなのは残念。ウルトラマンやエヴァもそうだったけど、怪獣の「個性」は、僕はこの手の作品にとってはとっても大事だと思う。外部の「敵」を均質なものにしたがるのはハリウッド映画(だけでなくアメリカ文化)の特徴だけど、敵の「個性」を(愛憎こめて)丁寧に描くのは怪獣映画やロボットアニメの美学のようなものだと思う。そこを落としてしまったこの作品は、怪獣バトル風味のハリウッド映画なんだなあと・・・。そういう意味ではラストの謝辞はちょっと残念な感じ。
[DVD(吹替)] 7点(2013-12-08 03:31:19)
160.  マイレージ、マイライフ 《ネタバレ》 
主人公のマイルを貯めるのが楽しみな気持ち、なんとなくわかる。いつも混雑して長蛇の列ができるカウンターやセキュリティ・チェックを、さっとスマートにカードをかざすだけでスムーズに通り過ぎる。スタッフが自分の名前を呼んでくれる。いや、冷静に考えれば「何でこんな事に」と思うようなことだが、自分の仕事や生活の「スタイル」の結果として積み上がるマイルという数字を眺めるのは、きっと快感なんだろうなと思う。そういう彼を揺さぶる2人の女性がいい。正論をぶつける部下と、同じ価値観を共有する(と思ってた)大人の女性。そこから浮き彫りになっていく、主人公の生活の「空虚」。そういう主人公の仕事がリストラ通告というのもいい。実際には、仕事で直面する人間や社会のもっともドロドロした部分と、空の上の世界とそこから眺める各都市の風景の対比。「空の上(Up in the Air)」の「空虚」に気づいてしまった主人公の今後は明確には示されないが、たぶん同じような生活を送りながら、彼のなかでは何かが決定的に変わっている、そんな生き方を彼は模索していくんだろうと思わせる。大きな展開や感動的なエピソードがなくても十分に楽しめる佳作。この映画の監督が映画公開時はまだ32歳で、しかもあのアイヴァン・ライトマンの息子だったというのに驚き・・・。さらに、この映画の「大人の女性」ヴェラ・ファーミガが、自分と同い年だったというのに、さらに驚愕・・。若い(と言っておきたい)スタッフが作り上げた大人の映画。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2013-09-16 22:59:38)(良:1票)
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