201. COWBOY BEBOP カウボーイビバップ 天国の扉
テレビシリーズの面白さには遠く至らないと思います。もともと30分の小粋なハードボイルド物を、無理に2時間の長尺にしたのが原因かと。下手な続編にしなかった事や、純粋にあの4人と1匹をもう一度見れた楽しさ、テレビシリーズから続くアニメーションの質の高さ等、ファンとしては楽しめる内容ですが、それ以外の人には全くお勧めできない代物かと思われます。 [DVD(邦画)] 4点(2010-09-09 00:40:21) |
202. 借りぐらしのアリエッティ
《ネタバレ》 ジブリならではのアニメーションの質や、小人たちの世界の設定の緻密さは一見の価値があると思います。序盤の小人たちの狩りのシーンは、人間たちの世界が彼らから見ればどんな風なのかが上手く描写され、観ていて純粋にワクワクし楽しかったです。しかし小人が主人公の話なので、物語のスケールが小さく纏まってしまった事が残念でした。多少物語に無理が生じてでも、何か大変な事態が起きて心底ハラハラする展開が欲しかったかもしれません。 [映画館(邦画)] 7点(2010-08-08 18:32:13) |
203. ゲド戦記
《ネタバレ》 なんじゃこりゃ。映画全体が酷いのですが、特にキャラクター造型の基本が出来ていないのが、最も気に障りました。アレンの影に怯える過去をすっ飛ばしているので、アレンが只の中二病患者にしか見えない。テルーは最初のヒス女からアレンに心を開いたのか良く分からない。映画作りの才能って遺伝しないんですね。 [DVD(邦画)] 2点(2010-08-07 22:07:07) |
204. RETURNER リターナー
マトリックス、ET、レオン等の有名作品をパクッている事には文句は言いません(インスパイアされたって言葉もありますし)。でもパクリ元への愛が全く感じられないのは見ていて不快でした。なんか駄作のリメイク作品を見ている感じ。 [地上波(邦画)] 3点(2010-07-20 23:06:15) |
205. 時をかける少女(2006)
《ネタバレ》 何より細田守監督の演出力に恐れ入りました。画面中を動き回るキャラクター(てんぷらを揚げるだけで魅力的)と線路前でのストップモーションの対比はアニメの快感に溢れています。ジブリ映画の様な大きな口を開けガハガハと笑う真琴は見ていてとても楽しい。動画としてのレベルが兎に角高いと感じました。しかし中盤までが単なる日常系の学園ドラマになっているのは個人的に辛かった。この日常の部分が、終盤で千昭が真琴の前から姿を消してしまう時への布石になっている事は十分理解出来るのですが、やはり単なる日常では少し詰まらない。何かしら中盤まで興味を引っ張る様な展開が欲しかった。ともあれ多少の不満はありましたが、昨今の邦画の青春映画の中では群を抜いた出来だと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2010-07-13 23:48:18)(良:1票) |
206. 鉄男 THE BULLET MAN
《ネタバレ》 鉄男の造型は前作同様に狂っていてカッコいいのですが、ストーリーが全く狂っていないのが残念でした。鉄男の出自や"Bullet Man"を作り上げる実験内容は入れなかったほうがいいんじゃないでしょうか。友人と「鉄男がフツーのアンチヒーロー物になっちゃったな」と話しながら映画館を後にしました。 [映画館(邦画)] 5点(2010-07-07 08:09:33) |
207. トゥームレイダー2
少し流行った映画の続編を作って碌な事にならなかった典型。ラストのカオスっ振りは一周して凄いとも思える。 [地上波(吹替)] 3点(2010-07-06 23:19:09) |
208. HANA-BI
《ネタバレ》 絶望的な人生。特に老年に差し掛かった頃、どうしようもなく閉塞的な辛い状況に陥ってしまうのは、まだ20代前半の私も恐怖してしまう。しかしその辛い状況の中にも花火の様にポッと光る安らぎがある。それは花火の様に短く、儚いものかもしれないが……。 時折挿入される暴力描写、それを包み込むコメディタッチの演出と安らぎを感じる夫婦の会話なき会話の対比が美しかった。金獅子賞を受賞した事も頷ける出来なのですが、やや文芸映画よりになり過ぎた気もします。好みの問題ですが、個人的にはもう少しエンタメに寄った映画が好きです。 [地上波(邦画)] 7点(2010-07-06 22:04:38) |
209. HERO(2007)
法廷のシーンの緊張感の出し方がなってない。法廷劇が映画のハイライトとなる本作においてこれは致命的でしょう。法廷劇はキャラクターの論旨が画面の唯一のアクションとなるのだから、俳優がダラダラ話している様ではお話にならない。またゲストタレントを見せびらかすキャスティングもどうなんでしょう。韓国編なんて恐らくはイ・ビョンホン出演させたかっただけでしょう。こんなもん「車は遠く離れた沖で発見された」の一言で不要になってしまう。タモリもあれだけ溜めてゲスト出演したら最早ギャグに近い。 [映画館(邦画)] 5点(2010-07-01 20:48:29) |
210. ブラック・レイン
《ネタバレ》 松田優作が以外にハマる!様々な銃撃戦が暴力的では無く、美しい映像に見えるのは流石のリドリー・スコット。勘違い日本も何かカッコいいから許せます 笑。 [地上波(字幕)] 6点(2010-06-28 00:49:58) |
211. 仁義なき戦い 頂上作戦
《ネタバレ》 前作には見られなかった警察の要素が入り、山守組と打本勢と警察の三つ巴の抗争が面白い。打本と山守のクズッ振りに磨きがかかっている事も面白さの一つですね。長大な物語も遂に大佳境を迎え、広能達の世代交代を匂わせて映画は終わる。辛酸を嘗め続けている広能(と武田)だが最後には彼らに笑いを与えて終わって欲しいと思います。打本や山守の様な卑怯で小心のクズが直ぐに釈放され、広能や武田の様な仁義と度胸を携えた男が長期刑を受けている図は非常に辛い気持ちになりました。 [DVD(邦画)] 8点(2010-06-28 00:27:27) |
212. ソナチネ(1993)
《ネタバレ》 文句なしの傑作。暴力の世界に半ば絶望している主人公が、大自然そのものと云っていい沖縄の田舎で戯れる。生を実感しながらも、何処かゆっくりと死んでいく感覚もあるという心情を具体的な科白を言わさずに表現している事に驚嘆した。北野武らしい説明を排した演出ならではの画作りが見事だった。北野映画には頻出するテーマだが、暴力を描いている様で、実は反暴力を描いている点も素晴らしい。お世辞抜きで日本映画史に残る大傑作だと思う。現代のアメリカン・ニューシネマ(邦画だけれど)と思える映画を撮れる北野武監督は本当に貴重だ。 [DVD(邦画)] 9点(2010-06-27 01:11:04) |
213. 仁義なき戦い 代理戦争
《ネタバレ》 何といってもこの三作目の面白味は、ヤクザの抗争劇を冷戦の状況に照らし合わせた脚本の妙ですね。代理戦争が進み様々な策謀が行き交う中、その真っ只中に佇む仁義と理を兼ね備えた広能の何とカッコいいこと!その広能を立たせる為の脇役がまた魅力的です。 本編は「全面抗争はこれから」といった半端な所で終わりますが、映画の尺とスタンスを考えるとこれくらいが妥当なのかな。それでも少し物足りない気がしました。 [DVD(邦画)] 8点(2010-06-21 23:47:41) |
214. アウトレイジ(2010)
《ネタバレ》 バイオレンス描写の洪水!その波に呑まれて映画を観ている間、クラクラしっぱなしでした。久し振りに暴力をストレートに描いた北野武監督に出会えた気がします。彼の監督デビュー作「その男、凶暴につき」が好きな私にとってはど真ん中直球の映画でした。バイオレンス描写への異常なまでのこだわりと、最後に見える暴力へのアイロニーはいつもの北野武という所でしょうか。誰もが腹に一物抱えての抗争劇はとても面白いし、演技派の役者さん達の脅し文句や暴力はどこか非常にカッコいい。こんなヤクザ達を描いたエンターテイメントは個人的に大好きです。これからも暴力を描いた映画を撮って欲しい。 [映画館(邦画)] 9点(2010-06-21 17:40:43) |
215. その男、凶暴につき
《ネタバレ》 非常に面白い。最後の岸部一徳の部下が言う通り、全員がキチガイの大暴力劇。最初のオヤジ狩りをしていた少年宅に乗り込んでいくシーン。少年宅を遠くから淡々と映しているのだけれど、その中では少年相手に容赦ない暴力が振るわれている。また白竜演じるチンピラの清弘を拷問するシーン。ただ廊下を映しているだけなのだが、ロッカールームでどれだけ酷い拷問が行われているか容易に想像出来てしまう振動と音。これらの静と動、静観と暴力の差を使った演出が非常に巧みに感じました。これがデビュー作とは恐れ入ります。今の芸人が量産している初監督作品がゴミに感じるほど、この映画はすごい。 [DVD(邦画)] 8点(2010-06-21 17:32:03)(良:1票) |
216. ボックス!(2010)
テレビ局が制作した映画にしては、作り手が何とか凝った映像を見せようとしていた点には好感が持てました。まあ連続するスローモーションや、余り意味が無いスプリットスクリーンには少しイライラしましたけど。あと非常に駄目だと思ったのが、敵キャラである名門校ボクサーの強さを表すのに、鋭い眼光をいちいち見せる演出は余りにもダサい。ダサすぎて笑えます。 市原隼人と高良健吾の半裸体や彼らがイチャイチャしている所を観たいファンの為に作られたんでしょう。全編にわたってホモっぽい展開はキツかった(私見ですが友情を飛び越えている様なイチャつきっぷり)。 ストーリーですが、下手にステレオタイプの敵キャラを投入せずに、性格が正反対の主人公二人の関係をじっくりと描いてほしかったです。 [映画館(邦画)] 5点(2010-06-18 21:55:07) |
217. 告白(2010)
《ネタバレ》 アップとスローモーションの多用、不安を煽るCGの曇り空、松たか子の舞台的な芝居掛った演技、唐突に始まるクラスメイトのダンス、ステレオタイプに肉付けされた反抗的な中学生達。全体が「ああ、作り物の世界だな」と思える演出はいつもの中島哲也らしい。原作小説の中盤を一纏めにして描いた事はストーリーのテンポを考えると上手い選択ですし、観客の物語に対する関心をグイグイ引っ張っていく手際は流石だなと思えます。 ただこの映画(原作も)、観客が聖職者の生徒への復讐が成し遂げられ様を見てスカッとしてしまう所が最も怖く、最も面白い点だと思いましたので、前述した様な「作り物で~す」と思える舞台にしちゃったのは個人的に勿体無いなと。画作りをリアルにすればするほど松たか子に感情移入出来て、最後の復讐を目の当たりにした時、観客に恐ろしい爽快感が残ると思うのですが。でも何故か人が死ぬ所だけはやけにリアルなんですよねぇ。 [映画館(邦画)] 5点(2010-06-13 08:24:36) |
218. 獄に咲く花
《ネタバレ》 問題点は主人公である寅次郎が完全に狂人にしか見えない事、どんな理由であれ男の囚人の中に女の高須が一人混ざっているのに性描写が全く無いのはありえない事。 [映画館(邦画)] 3点(2010-06-10 07:24:19) |
219. ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記
《ネタバレ》 前半はまだ観れる面白さなのですが、後半は完全に尻すぼんだ印象。どんな巨匠でも晩年になると落ち込むものなんでしょうかね。 [地上波(邦画)] 3点(2010-05-29 22:02:01) |
220. TRICK トリック 劇場版2
《ネタバレ》 全編に渡り繰り返されるCGの連打とあざとい演出に飽き飽きしながらも、最後まで鑑賞しました。「新興宗教の教祖のイカサマを解き明かす」というストーリーをもっとホラーらしく、ペテン師に頼ってしまう人々の愚かさをキチンと描いたら、良作になっていたかもしれないと思いました。しかし、まあテレビ局が製作したドラマの映画化となると、これくらいコメディ寄りに成らざるを得ないのかな。残念です。 [地上波(邦画)] 2点(2010-05-09 08:44:56) |