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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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341.  映画 ゆるキャン△ 《ネタバレ》 
 テレビシリーズでは2期25話かけて女子高生たちの晩秋から初春までのほんの4~5か月の出来事を描いていたのね。描かれたのは数回のキャンプ。それもみんながひとまとまりになって、ではなくてソロだったり特定の人数だったりとわりとバラバラ。何か大きな出来事がある訳でもなく(軽装備過ぎて凍死の危機!っていうのは大きな事件だったかな)、ただキャンプを楽しむ姿をじっくりと(特に料理の描写には拘って)見せていたわ。   で、いきなりそこから10年くらい経過しちゃってるのが今回の映画版。みんな社会人になってあちこちで一人暮らしして車持っててお酒飲んで。正直なハナシ、飛躍し過ぎでしょ!って思ったわ。あのゆるキャンの世界にはもう戻らないの?って喪失感みたいなの抱いて。  それに今回は大きな目標が設定されて途中で障害や挫折があって山あり谷ありのドラマティックな展開、そこからはかなり『ゆるキャン』の持っていたユルいのんびりとした感覚がスポイルされてしまったわ(一切、ではないけれども)。  放置された公有地をキャンプ場として再生する、そのために休みを利用して遠方メンバーは名古屋や昭島から山梨まで通う、のだけれどもボランティアで多分ガソリン代も自費だわよね。どうしたってやりがい搾取感が漂ってしまうわ。キャンプが大好きだから、って大前提があるにしてもそこはキチンと筋が通されるべきじゃないかしら。なんか自治体の方は計画にGOを出しながら具体的な予算や資材人材なんかまるっきり放置って感じに見えるのだけど。  その上で遺跡が見つかって計画が白紙に戻って、って波乱万丈状態になるあたりでどんどん「らしさ」から遠ざかってゆくわねぇ、って感じちゃって。   ただ、だから駄目、とは言い切れないのよね。高校時代とは違ってそれぞれ社会人になって社会との接点が出来て立場が生まれて責任も生じて。成長した中で趣味に向き合う、変わらなくちゃならないもの、変わらないもの変えないもの、そんなことを描いていて。世界を先に進めました、という映画なのね。テレビシリーズが過去になってしまうのは淋しいのだけれども、それもまたあり方の1つね。  もう少し各キャラのゆるく明るい時間を見ていたかったのがホンネではあるのだけど(「ウソやで~」がどうにも不発だったのがなんとも)・・・
[映画館(邦画)] 6点(2022-07-03 18:30:55)
342.  ハケンアニメ! 《ネタバレ》 
 2つのアニメ番組の制作に携わる人々の姿を通じて、作品を創造してゆく動機、意志、苦悩、スタッフ間の摩擦、調和、制作にまつわる現実的な障害、問題、組織のあり様を面白く、そして感動的に描いているわ。  創作意欲に突き動かされればそれで作品が成立するワケじゃなくて、1つの作品が世に送り出されるまでにとても多くの人手と手順を踏む事になる、それが生々しい混乱劇となって興味深く見られるの。   個性的な登場人物に揉まれながら成長してゆく新人監督を吉岡里帆さんが好演。最初から最後まで飾り気のない地味なキャラなのだけれど、だからこその存在感があって。  そして彼女が(一方的に?)反目する事になるプロデューサーの柄本佑さんは淡々としながら要所要所でインパクトを与えるおいしい役どころ。個人的にはこちらの『サウンドバック』組を中心に見てたカンジで中村倫也さん&尾野真千子さんの『運命戦線リデルライト』組にはそんなには気持ちが動かなかったかも。   映画は2つのアニメが競いあって放送開始から最終話まで駆け抜ける様を描いているのだけど、その期間の設定ゆえ、ちょっとエピソードが足らない感もありつつ長さを感じさせもして。いきなり全てが進行中な状態から始まって大勢の人達、多くの舞台、多くのセリフが駆け抜けて、それでも監督の自宅やお風呂屋さんのシーンで緩急付けてるつもり、なのでしょうけれどゴチャゴチャした印象とテンポ悪くなってる印象とが混在しちゃってるカンジね。  2つのアニメの映像がかなり挿入される事で更にゴチャついた感が無きにしもあらずなのだけど、でもその2つのアニメはしっかりと設定、デザインされて、よく動いてちゃんと世界が確立している状態は見事だわ。   あと、大事なところがパロディなのはむしろ残念。『ライトスタッフ』や『アルマゲドン』や『モンスターズ・インク』やアレやコレやでお馴染みの横並びスローモーとか、エンドロール後のラストカットとか、この映画オリジナルな映像ではないって印象になっちゃって。   そしてどうしても気になってしまうやりがい搾取感。この映画はアニメ業界の実態を色々と描きつつも現場の闇からは目を逸らしている感じね。熱意にほだされて動く下請のアニメーターたち、だけど下請スタジオの多くのアニメーターがいくら働いても残業手当も受け取れず10万円未満の固定給で生きている現実があって、でもこの映画は現場の上の人達の熱意は描いても、それを支える下の方の人達の問題は語らない、そこが「あくまで娯楽映画として見てください」っていう、本編で描かれていたしがらみを突破してゆく意志に反してるこの映画の皮肉な限界。  今、映画の製作現場でのセクハラやパワハラ、違法な労働体制が白日の下に晒されている中、この映画はひと昔前の作品って感じがしないでもないわ。
[映画館(邦画)] 6点(2022-05-26 15:53:05)(良:1票)
343.  大怪獣のあとしまつ 《ネタバレ》 
 6点だと『シン・ゴジラ』より点数上だわね・・・   ネットではかなり騒がれてるけれど大袈裟過ぎるわね。悪いクセよ。コレ、いつもの三木聡監督作品。それ以上でもそれ以下でもなくて。マトモじゃないヘンな人達が出てきてユルい物語を展開する毎度のアレ。ふせえりさんと岩松了さんが出てきてわちゃわちゃするヤツ。  最大の問題は怪獣をモチーフにして大作然として作られた事でいつもの三木聡作品よりもずっと広い層、特に五月蠅い層にアピールしちゃった、ってところかしらねぇ。こんなのホントはテアトル新宿あたりで上映して判ってるお客さんだけで「あーやっぱり」って感覚を共有してればいいようなモノなのに新宿ピカデリーの1番スクリーンにかけるようなマネするから。前作『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』あたりから作品の内容と製作・公開規模との間に齟齬が生じてるカンジね。   川の上に横たわる大怪獣の死体をどうするか、それぞれの思惑で動く政府の人々とそれに振り回される現場。シリアスほぼ無し、くだらない笑いと下ネタで繰り広げられる混乱劇。三木聡監督のセンスに慣れてなければ地獄かもしれないわ。慣れていてもシンドい部分が無きにしもあらずだけれど。  特に終盤のガス放出を巡ってのアクションからラストのオチまでのグダグダな展開は見ていてツラいわ。盛り上げるためのテンポの悪いタメ、結局は無駄になる部分にやたらに時間をかけて肝心なところで思いきり失速するの、三木監督のよろしくない点ね。   でもまあアタシはそういう三木監督らしさを楽しめもしたし、『シン・ゴジラ』や『パシフィック・リム』『クローバーフィールド』『バトルシップ』あたりを思いきりダメにしたような感じとかもそれはそれで楽しいし。一方で震災、原発事故やコロナ禍を映して皮肉った、悲観的な視点も感じられて。ちょっとネトウヨ的視点があったりしない?とも思ったけれど。   『亀は意外と速く泳ぐ』で蒼井優さんに「〇ンコ」言わせちゃうような監督だからシチュエーション的に土屋大鳳ちゃんにも「ウ〇コ」言わせそうだったけど言わなかったわね「ウン〇」。でも蒼井優さんが感電して頭チリチリになるような映画撮ってる監督の映画なので、そういうモンだって覚悟しなくちゃだわ。これでも『大日本人』や『ギャラクシー街道』なんかに比べたら全然フツーよ? 『デビルマン』は元からそこまで酷いと思ってないので基準にならないけど。
[映画館(邦画)] 6点(2022-02-08 15:45:54)(良:2票)
344.  ソニック・ザ・ムービー 《ネタバレ》 
 最初にハッキリ言っちゃうと往年のセガオタクなアタシにコレはヌルいわ。ヌルゲーよ。なんなの?ソニックのあのガキっぽい淋しがり屋のエイリアンって設定は。ソニックっていったらもっと尖っててクールでカッコいいハリネズミでしょ?  ってアタシの中のソニックはメガドラの『1』『2』『3』とメガ-CDの『ソニックCD』、サターンは飛び越して(何しろ『ソニック』、サターンじゃ格闘ゲーくらいしか出てない)、ドリキャスの『アドベンチャー』『2』くらいまでなのよね。それ以降の、敵だったハズの京都のヒゲ親父と慣れ合うようになってからのソニックはもうどうでもいいので知らないのよね。って、つまりこのソニックってお子ちゃまに媚びまくり出してからのそっちに寄ってるのかしら?   大体ソニックはスピード命ではあるのだけど、この映画じゃそれ通り越して超高速、DCコミックのフラッシュかマーベルのクイックシルバー状態だわよ。つまりその能力の見せ方自体も何番煎じか、ってカンジよね。  そのクセ、弱いわ。具合悪くなっちゃうソニックって、なんなんでしょ?  せめてファンサービスでゲーム版の音楽を流してくれてもいいのに、そこもほんのちょっとだけ。ちなみにアタシが好きなのは『1』のスターライトゾーンの曲ね。あそこ、前の面の水中でさんざん窒息しそうになった後での高速面で一気に解放感、星空の多重スクロールがキモチいいの。ってどうでもいいわね。   全体的にB級、ジム・キャリーもなんだかB級役者みたいに見えて可哀想ねぇ、ってカンジなのよね。  ただ、つまんなくはないの。娯楽映画としてはそれなりよ。コレがソニックでござい、って言われると「はぁああ?」ってカンジではあるのだけど、元気な青いETです、みたいな視点で見れば悪くないわ。安っぽいなりに色々とアクションの形を見せてくれるし。カーチェイスシーンなんか頑張ってます、みたいなカンジよね。大変さが見えちゃうのもどうかとは思うけど。  リングの扱いはもう少しなんとかして欲しかったケド(アレ、機能としては面クリ後のボーナスステージ行きのリングだわね)。もっといっぱい出してハデにばら撒いてよ!みたいな。   ラストに至ってエッグマン誕生、テイルス登場で、ああここからが『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の世界?ってカンジで実は前日譚?みたいな、でもじゃあここから尖ってクールでカッコいいハリネズミになってくれるのかしらねぇ?
[映画館(吹替)] 6点(2021-04-08 21:41:05)(良:1票)
345.  シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 《ネタバレ》 
 『惑星大戦争』?『惑星大戦争』なの?と思ったそばから『さよならジュピター』で「やりやがったな」みたいな。   それはともかく、期待したほどではなく、でも危惧したほどでもなくて、まあこんなモンでしょう、みたいなカンジで。『Q』であそこまで違った道を進んだのだから、そこから続く今作はもっともっと違ったモノを見せてくれると思ったのだけど、『THE END~』のクライマックスの存在がやっぱり影を落としてるし、だけどアレほどにはポカーンって状態ではなくて、それなりの結末を見せてくれて。前作ほどには突き放してなくて、もっとずっと人に寄っていて。  でもまあ『まどマギ』みたいな『エヴァ』よね・・・   ゲンドウのクライマックスの自分語りがまー超ウザくってさ、だけどアレがある意味エヴァって事象に対する監督の言い訳というか紆余曲折した上での今の心境みたいなモノなのね、と思うと、んー、まあどうでもいいわ。はいはいそうですね、くらいなモンだわ。あそこ、長さの原因になってる感じだけど、もっと削って欲しかったくらい。ダレたわ。   気合いの入った、パワフルな絵創りは良かったわ。シネスコの画角いっぱいに横倒し状態で人物入れるのが頻出するのはちょっとやり過ぎな気もしたけど。   エヴァの時代っていうのがもう時代遅れで恥ずかしい世界になるギリギリのところでエヴァに完全にケリ付けて、俺らはここに残るのでお前ら若者達は先へ進め!みたいなカンジになってる気もしたのね。冒頭に書いた映画群とか『さらば宇宙戦艦ヤマト』とかの露骨な引用もオールドタイプの自認みたいなモノで。それを自覚してるあたりは潔いのかもしれないわ。だけどカヲルくんがあんなだから第4、第5のエヴァが現れる危険性もないことはないのかもしれないわね・・・  【追記】  気になったところ。男をしょうもないダメな生き物として描きつつ、最後にはそういう男を女に受容させるっていうのは男目線の甘えよね。何十年も生きて表現してきた上でなお男のだらしの無さを女に許容させるって、それはアニメ界に巣食う病みたいなモノかしら。パヤオも御大もそういうところあるでしょ。細田監督もそう。そろそろ業界全体でアップデートしたらどうかしら?
[映画館(邦画)] 6点(2021-03-08 20:03:30)(良:2票)
346.  魔女見習いをさがして 《ネタバレ》 
 『おジャ魔女どれみ』シリーズを見て育った世代を通して(アタシはその時点で十分に育ちきってたけど)、子供の頃から今まで経てきた時間、そしてこれから生きてゆく時間について描いた映画。主役は3人の魔法の無いリアルを生きる女性で、作品世界としては『どれみ』と直接的な繋がりはほぼナシね。  まだ若いけれども人生どんづまり気味の3人が『どれみ』を通じて知り合って、意気投合して、でもケンカしたりもして、お互いが大切な存在になってゆく姿は感動的だし、『どれみ』に思い入れがあればその感動は更に大きなものになるわ。   ただし問題はいっぱい。これって「あー感動した」で済ませていいの?っていう。  まず、3人以外の登場人物が3人のドラマを描くためのダシでしかないのよね。レイカのクソ野郎な彼氏にしろ、ミレの会社のバカ達にしろ、ソラが告白する男にしろ、きちっとハナシにケリを付けずにほっぽりだすだけなのよね。それがたとえロクでもない存在であってもドラマとして雑だわ。  でも、いくらなんでもレイカのお父さん周りの描写に関しては雑過ぎるでしょ。お父さん、もう余命幾ばくもないのは明らかよね。再婚相手とまだ幼い娘がいて、当然そこにはレイカと母親の姿を投影していいハズなのよ。なのにそこはドラマにはせずにほったらかしで終了。あの母娘は映画の中で全く救われないの。  レイカはクソ野郎を捨てた直後にほいほいと東京のミレの元に行ってしまうけれど、いきなり辞められたバイト先のお好み焼き屋はどうなったのかしら?  ミレも会社をさっくり辞めたけれど、なんで前の上司に辞表出したの? 彼女の役職だと辞表じゃなくて退職願じゃなくて? レイカ同様いきなり辞めちゃえるモノ?   そして、そういう雑さの上で彼女達の選択って、過去の嫌なしがらみは全部切り捨てて、好きな者同士だけで閉ざされた世界を作ってそこで生きていきましょう、って結論なのよね。それでいいのかしら? 飛び立ってゆくどれみ達の姿とは裏腹に随分と内向きじゃなくて?   このところ、海外アニメーションの名作、傑作が次々と公開されて、それらに慣れた目にこの映画は良くも悪くも「アニメねぇ」って感じなのだけど、そしてその記号的アニメ表現は『どれみ』準拠なのは当たり前なのでしょうけれど、未来を指向する作品なのに先に進めてない、むしろ後退してると思うの。『どれみ』ノスタルジーならばそれでもいいのかもしれない、でも2020年という今にアニメという日本独自の文化がどういう道を選択すべきなのか、って点に関して、ちょっと無自覚過ぎる気がするのよね。御大やパヤオの嘆きも判んないコトもないわね。
[映画館(邦画)] 6点(2020-11-20 15:57:27)(良:1票)
347.  映像研には手を出すな! 《ネタバレ》 
 嫌な予感はしてたわ。  監督は『トリガール!』『3D彼女 リアルガール』と「オタクを題材にしながらオタクを見下した視点」で映画を撮る人だから。その不安はこの映画でも解消されてない。  メイン以外の様々な面倒なオタクを笑いモノにしてみせるし、メインにしたところで、その情熱のカタチの表層を描くことはしても、その対象への姿勢、そして努力の末に結実したものをキチンと見せる事はしないわ。ゴチャゴチャと盛り込んだ(多くはただ映画を賑やかすための)要素によって掻き消されてしまったモノも少なくないのね。  『映像研に手を出すな!』が描いたものは、こんなガチャガチャとしたバカ騒ぎ(オタクには厳しいクセに一方で『踊る大捜査線』のパロディの、お決まりのセリフの脇で室井さんのモノマネしてるなんてところまで拘るのよね)じゃなくって、アニメーション(アニメでなく。この映画はその違いすら理解できないままに描かれるんじゃない?と思っていたけれど、それ以前の問題だったわ)についての真っ直ぐな情熱を描いた物語なハズじゃ?って。   それでもコレを酷い映画と切り捨てる事ができないのは、乃木坂46のメイン3人が、ちゃんと浅草氏、金森氏、水崎氏に見えたから。っていうか、それ以外の何者でもない、そこに3人がいたから。再現度とかなんとかってレベルじゃなくて、今のアイドルに疎いアタシにはその3人が映像研の3人としか思えてなくて、生きた彼女達の姿を見ているコトが単純に嬉しかったのね。斎藤飛鳥氏、梅澤美波氏、山下美月氏の功績は大きいわ。   あと、音響部が繰り出す音、アレは映画館って環境があればこそ。5.1chをガンガンと鳴らしてみせて、少なくともそこには映画化の意味があった感じね。   彼女達がアニメーションに向ける情熱と、その結果としての作品の全貌は、アニメ版を見て補完するのが吉ね。『未来少年コナン』の再現も含めて湯浅政明監督のアニメーションに向ける情熱がシンクロして映像研の目指したモノが完璧なカタチで見られるから。
[映画館(邦画)] 6点(2020-09-29 20:40:18)(良:1票)
348.  思い、思われ、ふり、ふられ(アニメ映画版) 《ネタバレ》 
 実写版は三木孝浩監督と浜辺美波、北村匠海って鉄板の布陣で爽やかな良い青春映画となったけれど、このアニメ版もコレはコレで。日本のアニメの良さが実写版とは全く違った魅力を放ってるわ。  基本的な物語こそ一緒だけれど、全くの別物と言っていいレベル。実写では不可能なデフォルメを多用してキャラに魅力を持たせてるし(ここら辺は原作準拠なのかな?)、ラブラブな展開に突入すると共に突如入るキラキラエフェクトは見ていて恥ずかしかったりもするけれど、それもアニメならではの魅力ね。   ただ、終盤になって失速してしまうのがなんだかもったいなくて残念。実写版ではそれぞれの家庭環境や現実的な問題、将来の夢や目標も盛り込んでいたのに対して、こちらはラブラブメインの展開で、だけど終盤になって家庭や将来がのしかかってくるので、そこでスローダウンしてテンションダダ下がりになっちゃうのよね。せっかくテンポ良く(良過ぎて移り気で恋多き面々になっちゃってる感はあったけれど)ラブラブほんわかワールドだったのに。そのまま上がりきらずにエンドロールになっちゃう感じで、ちょっと画竜点睛を欠く感は否めないのね。もっとあっさりすっきりまとめちゃって良かったんじゃないかなぁ。  高台から眺める風景なんか、実写版に比べるとあまり重要視されてなかったりして、何かキーになる映像なりアイテムなりがあれば、って思ったわ。その役割を果たしそうだったハズの朱里のジュエルケースはちょっと全体のトーンから浮いた感じの存在だったし。   でも、こういうアニメはやっぱりキャラクターデザインと作画が命なので、その点、魅力的な絵を見せてくれたところは評価したいわ。
[映画館(邦画)] 6点(2020-09-19 23:57:43)
349.  青くて痛くて脆い 《ネタバレ》 
 かなりアンフェアなミスリードよね。真実が明らかになるまではサスペンス映画のごとく見せてゆくものだから、ずーっと不安感と緊張感に支配された状態が続くのだけれど、明らかになった瞬間にタイトルの意味が判って、思っていたような映画じゃないことが判って、あー、そういうコト・・・って肩透かし、脱力感に襲われて。  キモチは判る、理解できるのだけど、その極端な行動は一貫して「なんなのよ?」ってカンジ。でもあの瞬間からカレの見え方がガラリと変化してしまうっていうのは面白かったわ。   大量に配された登場人物の、でも多くがそんなに物語に対して有機的に機能している存在には思えなくて、世界を構成する要素です、くらいな。この映画の知識が全然ないままに見たので「あ、松本穂香出てる、森七菜も出てる」みたいな楽しみ方はあったけれど。にしても森七菜の学校の先生に対して物語として特に何もしないカンジなのはモヤるわね。   ラストの選べなかったルート、生きられなかったルートは切なくて、だけど最後にヤツに与えられたチャンスはそれでも甘すぎやしませんか?と思ってしまったり。いや、若ければ人生はまだまだ選べる道はあるのでしょうけれど、でも、ヤツには壊してしまったものの大きさに対する自覚はあんまりないような気がしてしまうわ。  失ったもの、失われた時間の大きさ、その痛みをガッツリ描く、ってほどに残酷にはなれないでしょうけどね。
[映画館(邦画)] 6点(2020-09-14 21:58:25)
350.  一度死んでみた 《ネタバレ》 
 豪華なチョイ役の人々、ペラペラな内容、尺もテレビの2時間枠にぴったり収まるように作られた典型的なフジテレビ映画。   冒頭からしばしはテンポ良く進むので、あ、コレは無駄なくスッキリと作られて好感持てるかも、と思ったものの中盤以降はダラダラ。元々、大して容量のある物語ではないので、90分ちょっとでも尺を持て余してるカンジがするわ。クライマックスの棺桶争奪からのチェイスなんか構成からしたら無駄な展開よね。あの歌がクライマックスでいいハズなのだから。火葬場まで到達しないとせっかくの伏線がキモチ良く回収できないってコトなのでしょうけど(回収した伏線をわざわざセリフで説明しちゃうのマジ不粋)。  チェイス以降はその後の遺言のやりとり部分も含めて展開が弛緩しちゃったわ。   ただ、そういうバカっぽい、バラエティノリの映画で広瀬すずがバカっぽい演技をしている、って状況の面白さはあるのね。  それに冒頭の(予告編でもさんざん聴かされた)「デスデスデスデス!」ってアレは正直なところ聴いてらんないレベルの酷さで、だから彼女に歌わせるのって酷じゃね?とか思ってたんだけど、クライマックスでの歌でしっかと聴かせるところまで持っていってるので、ああ、なんだ、そんな実力もあったんだ、ってキッチリ納得させてくれて。   映画を堪能した、って感覚は全く薄いけれど、広瀬すず主演のバラエティドラマをなんとなく楽しんじゃったって程度の感じね。   ところでエンディング後の1シーンはあれ、余計だったんじゃない? そこまでになってたかしら?
[映画館(邦画)] 6点(2020-06-25 21:12:12)
351.  男はつらいよ お帰り 寅さん 《ネタバレ》 
 アタシにはこれ、ひたすらツラい映画だったわ。   元々寅さんってスクリーンでは一度も見た事がなくて、今回が初めて。父親がテレビで放送されるたびにチャンネルを合わせるのを仕方なく眺めてた程度。あとバス旅行の時にバスのテレビで見たとか、BSでなんとなく途中から見て途中でやめたりとか、特に思い入れは無くて。  でも、映画を見始めた頃からずっと近くに存在していて(松竹系の映画館に行けば予告編は見るワケだし、日テレ年末の恒例番組だった『お正月映画全部見せます』ではお目当ての洋画枠はごくごく短くて、多くを大手邦画会社の目玉映画の紹介に割いてて、そこで毎回寅さんの撮影現場が映し出されていたワケで)、だから寅さんと言えば昭和の映画の記憶、みたいな存在だったのね。   これは、そんな寅さんが久しぶりにスクリーンに帰ってくる映画、だったのかしらねぇ? むしろ本当のタイトルは『さよなら 寅さん』だったんじゃないかしら。寅さんが生きた時代、輝いた時代がかつてあって、満男はそんな過去を回想してゆくけれど、満男の現在、社会の現在、世の中の現実は、寅さんが生きた時代とは遠く離れてしまっていて、それが遠い記憶、思い出として描かれているようなカンジ。映画は、もう寅さんが居ない世界で、今のこのリアルを生きるしかないんだよ、みたいなことを言っているみたいに思えたのよね。  すっかり歳を重ねた人々、回想の中に登場するキラキラ輝いたヒロイン達の、でも多くの、もうこの世に居ない人々。過ぎ去って戻らない時間の、その残酷さ。   映画としては物語がほぼ流れてない(状況と回想ばかりが羅列される状態)のと、満男役の吉岡秀隆が何故かいちいち目をひんむくのでなんかびっくりしてるの?ってのが気になったわ。   泉の存在は今の現実世界を映す鏡のようで、その仕事は国連の難民支援、疎遠な父母は未来の無い状態。寅さんの居ない世界では、そこに奇跡は存在しなくて。まるで寅さんは今や記憶の中のファンタジーでしかないと言っているみたいで、寅さんと共に生きた人々はそろそろ思い出をまとめて、そうでない(もう少し若い)人々はこれから先の厳しい現実を生きてね、みたいに受け取ってしまって。   1974年の大晦日に映画好きになったアタシは45年後の大晦日にこの映画を見たのだけれど、45年前のその日をハッキリ思い出せるだけに(日比谷で映画を見たあと、今はもういないおばあちゃんの、今はもう無い目黒・三田の実家に行って出前ののびたラーメンを食べて)、その時間の重さ、残酷さをこの映画に思い知らされて、結構ショックが大きかったわ。
[映画館(邦画)] 6点(2020-01-04 15:02:01)
352.  町田くんの世界 《ネタバレ》 
 前田あっちゃんのキャラが最高ね。彼女が全編に渡って映画を引っ張ってくれたならば、どんなにか楽しい映画になっていたことか・・・   映画は、前半はとても楽しめたわ。町田くんと接した人びとに訪れる変化の物語は、なんだか心がほわほわして。  だけど、後半になって町田くん自身の物語に移行すると、歯切れの悪い、テンポの悪い状態になってしまって、映画に対する興味も半減してしまった感があって。町田くんってキャラ自体は必ずしもキモチのイイ存在じゃないもの。あくまで彼の行為によって影響を受ける人の姿、っていうのが気持ちいいワケで。  元々、それぞれのキャラの描写が弱い感じだったので、クライマックスのノリは盛り上がるよりもご都合主義的な、それってわざとらしくてちょっと恥ずかしいわ、ってカンジになっちゃって。あの記者というかライター、彼なんかはあそこまで必死になれるほど町田くんとのエピソード重ねてないし。   それに、安易にスマホを悪いモノとして記号的に描くのもどうなのよ?って。今時スマホを悪意の象徴として描くとか、無理あるのよ。今の時代にそこを避けたり排除したりしてそれで通用しないでしょ? そこら辺はちょっともう古い感覚になっちゃってるわよね。古びたシネフィル的思考よ。  モデル青年がプレゼントを棄てる件は最近実際に炎上した動画にピッタリ符合してて、時代を映してる感があったけれど。   オーディションで選ばれたメインの2人はとても良かったわ。脇をベテランな人びとに固めて貰って、初々しい爽やかさを放って。   あと、クライマックスでいきなり「え?」って展開になるんだけど、アタシはその展開そのものよりも、かなり微妙なデジタル合成っぷりにハラハラしちゃって。ぎこちない画が延々と続くので、ミョーな不安感に包まれるハメになっちゃって。観客が合成のクオリティの心配しちゃう、っていうのは邦画独特の残念な特徴よね。洋画だとそういうコトってあんまりないもの。   映画そのものは期待したほどじゃなくて、結論としてはあっちゃん最高!!というところが最大のポイントね。
[映画館(邦画)] 6点(2019-06-11 19:57:37)
353.  君は月夜に光り輝く 《ネタバレ》 
 明らかに『キミスイ』の柳の下のドジョウを狙ってるのが見え見えで(監督と主演が一緒だし)、だけどそれでも映画に酔えればいいのだけれど、『キミスイ』には及んでないわ。かなり劣るカンジ。   この映画の最大の欠点は永野芽郁を病院の外に出せないこと。その分、北村匠海が動いてゆくことになるのだけれども、彼の単独行動じゃどうしたって映画のキモチは永野芽郁から離れていっちゃう。永野芽郁も一緒に連れ出さないといけなかったハズなのね。それはもちろん病院から連れ出せないっていう基本設定は守った上で、彼女のキモチとか想いとかを連れてゆく、という。だけど、ソレをクライマックスの感動的な見せ場の仕掛けとして設定しちゃったものだから、そのテを使えず、永野芽郁はコマ切れで登場する状態になっちゃった。   その上、エピソードがいちいち単発状態で繋がりがちゃんとしてないので(もう娘に会わないで→間無し→会いに行っても平気、もう来ないで→間無し→会いたい)流れが生まれず、話が盛り上がってゆかないの。エピソードのコラージュ状態で描いてゆこうとするならば、もっともっとエピソードを重ねるべきだったのかもしれないわ。   架空の病気はあんまりな合成状態でヘンだし。っていうか、二度目の発光はアレ、匠海はもう彼女を逝かせてあげたいと思ったワケ? 屋上出るとヤバいってのを承知の上で光らせたみたいなカンジなんだけど。   それでも見られる映画だったのは北村匠海と永野芽郁って二人の実力、それ以外の何物でもないわ。北村クンは『キミスイ』とキャラカブり過ぎだろ!って状態ではあったのだけどさ。
[映画館(邦画)] 6点(2019-06-06 21:30:22)
354.  プロメア 《ネタバレ》 
 映像は良かったわ。  スクリーンいっぱいに色とカタチが乱舞する世界。炎側を三角、水(氷)側を四角でシンボライズして、三角と四角の戦いの世界にしてみせてるのが楽しくて。ちょっと『スパイダーバース』みもあって。  それに故・金田伊功氏の精神を受け継いだかのような、『幻魔大戦』クライマックスを思わせる炎の龍の乱舞も気持ち良く。  ハイテンションな映像の暴走ワールドを堪能させて貰ったわ。   だけど物語や設定はありがち(『バーニングレンジャー』で『ヴァレリアン』してみました、みたいなハナシよ)で楽しめたとは言い難いのよね。  なんと言っても設定が劇場用アニメのカサじゃないのよ。1クールとか2クールとかあるテレビアニメ用のソレみたいな状態で。キャラは多いし、メカいっぱいだし。それを無理矢理2時間弱の映画に詰め込んでる感じで、いっぱい出てくるクルーの殆どが描写不足。「こういうデザインでこういう喋り方なんで、これまでの既成作品の類型キャラから連想して察してくださいね」って状態になっちゃってるのよね。もう記号でアニメ作っちゃってるの。最近のアニメの悪癖そのまま出てるわけ。   あと声、松ケンは見事ね。もうそのまま洋画の吹替えとかアニメ声優とかで十分通用するわよ。一方、堺雅人は聴き取りづらくてちょっと困っちゃった。セリフの端々で発声せずに息だけで喋るのよ。それで良しとしちゃったのが意味不明だわ。   勢い、テンションだけで突っ切ってゆけると思ってる?ってカンジの映画で、実際、突っ切れてないこともないかなぁ?とは思うのだけれども、どうしてもひっかかるところは色々あるのよね。
[映画館(邦画)] 6点(2019-06-06 20:25:47)
355.  バースデー・ワンダーランド 《ネタバレ》 
 原恵一監督作品ということで期待しちゃったけれど、フツーのよくあるファンタジーね。『ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~』や『ポッピンQ』『ひるね姫~知らないワタシの物語~』なんかと明らかに違った突き抜けた個性みたいなのは無かったかな、って。   こんな世界なんですよ、ってばーって見せるような圧倒感とか高揚感とかって無くて、たとえばハエになっちゃったヒポクラテスが城に向かうシーンなんかはCGで1カットで飛び回って世界を見せてくれたりするといいんだけどって思ったけど、数カットの背景のみ、ってジミさ加減で。でもあくまでCG使わない、ってワケでもないしねぇ。美術設定はちゃんとしてても、それをこれ見よがしに披露する気はないみたい。でも、ファンタジーってそこで魅せてこそ、って気もするのだけどねぇ。   あと、ベテランで実写映画までこなしている原監督なワリにカットの繋がりがおかしかったりぎこちなかったりする箇所があったりして。崖の道で石が落ちてくるカット、クルマはそのカットでは停止する表現がないけれど、次のカットでは既に停止してるわよね? アタシの見間違え?   それでもキャラは魅力的だったわ。主人公のアカネが小学生には見えなくて、冒頭すぐのランドセル背負ってるシーンはかなり前の回想?とか思っちゃったけど、でも、全く性格の異なる叔母のチィとのコンビ、そのかけあいが楽しくて(既に声優として数こなしてきてる安定の松岡茉優と、チィの雑な性格に合ってる杏と)、そこだけで最後まで見られるモノになってたカンジ。逆に言うとソコがダメだとシンドくて仕方なかったでしょうね、って状態ではあるのだけど。   世界の危機と言いながら、実は極端にスケールが小さいというか、ごくごくパーソナルな理由で危機が起きてる、悪の組織かなんかが存在してるのかと思ったら、それだけかい、っていうのは肩透かし感ハンパないのだけど、コレって『不思議な国のアリス』から綿々と継がれた系譜、少女の通過儀礼なオハナシ、アカネの辿る成長の道はあったか~く見ていられたわ。ちょっと能動的に動き出すのが遅すぎな気はしたけど。城に着くまではチィの方が主役っぽかったものねぇ。   色々と惜しいカンジの映画、ラストなんかも読めまくっちゃうのだけど、でも、そこをクドクドと説明しない、コッテリと押しつけない美徳、それが原恵一監督なのかもしれないわねぇ。
[映画館(邦画)] 6点(2019-04-28 20:21:03)
356.  ファースト・マン 《ネタバレ》 
 アメリカの宇宙開発史を描いた一編ということで、『ライトスタッフ』『ドリーム』を見た後にこれを見て、さらにその後『アポロ13』を見たら完璧ね。  だけど残念ながらアタシには『ライトスタッフ』『ドリーム』ほどには響いてこなかったな。   この映画は宇宙開発そのものよりもニール・アームストロング船長のパーソナルな世界を描いていて、そこにある葛藤や喪失感、孤独感をいっぱい描いてるんだけど、個人的にはもっと客観的にその時代、その世界を見たかったカンジね。   映画はひたすらアップに頼るのね。顔の大アップが延々と重ねられ、まるでそうしないと人の心を捉えられない、伝えられない、みたいな強迫観念に駆られたような印象。っていうか、クライマックスをIMAXカメラで撮ってるくらいなんだから、当然IMAXでの上映を前提としてる映画でしょ? なのに、IMAXの大画面に頭とアゴが切れた大アップがドーン!って。  その上、臨場感!とばかりにカビの生えた(だから90年代に『ER』でさんざんやってるでしょ)手持ちカメラぶん回しまくりで、でもそれ、IMAXの視界いっぱいのスクリーンで見せるモノなワケ?って甚だ疑問に感じたわ。   だからクライマックス、月面での大切なシーンで、あえて顔を見せなかったとしたら、それは「ああ、そう来ましたか!」ポン!って手を叩いて腑に落ちたかもしれないけど、あらら、なんだ、やっぱり見せちゃうのね・・・って。  カメラはゴズリングにひたすらしがみついて、だけどそれで伝わってくるもの、そこに映像から見えるモノ以上のものはあったのかなぁ?   チャゼル監督、『セッション』『ラ ラ ランド』この映画と見てきて、意外と直接的、短絡的な人?とか考えてしまったり。『ラ ラ ランド』は良かったんだけどね。『セッション』はノイズの多い脚本なのでどーなの?って思ったけど。   アポロ計画より後を描いた映画はドキュメンタリーの『宇宙へ。』くらいで(それもBBC、イギリス産ね)、あとはフィクションの世界に突入するわけだけど(『スペースキャンプ』とか『アルマゲドン』とか『ディープ・インパクト』とか『ゼロ・グラビティ』とか)、それはやっぱりスペースシャトル計画の2つの大事故が影を落として、まだそこに向き合えるだけの状態にないのかもしれないわね。
[映画館(字幕)] 6点(2019-02-11 19:40:44)
357.  あの頃、君を追いかけた(2018) 《ネタバレ》 
 リメイクってコトで元は韓国映画?とか思ってたのね。だから誰かがドラマチックに死んじゃったり、奇跡とか超常現象とか起きたりするんだ、って身構えてたら何も起こらなくてビックリ・・・って元ネタは韓国映画じゃなくて台湾映画だったのね。   そう、等身大の青春映画で、大事件が起こったり、現実を超越した奇跡が起きたりする訳ではない、誰にも似たような記憶があるような、そんな若い頃のひとときを描いた映画。   お互いに気持ちを上手く伝えられなかったり、自分が何をやりたいのか、何になりたいのか判らなかったり、あー、わかるわ~、って。そんな時を過ごす姿が、なんだか可愛らしくすら思えてきて。   ただ、元の映画に忠実なのかなんか知らないけど、日本を舞台にしてるのに明らかにおかしな部分があって。  高校の卒業式の後に大学入試があって、入学は多分9月で。ってなんで? そういうのは日本に合わせようよ?  唐突に台湾ロケになる部分も物語の流れの中ではあまりに不自然だし、日本人が作っているのだけれど、なんとなく日本とちょっと違う感覚がしてしまう不思議さもあって。『僕の彼女はサイボーグ』の、日本を舞台にしてるのに日本じゃない感、アレに似てるかも。  細かいコト言うと(いや、結構重要かな)、青いインク痕のいっぱい付いたシャツ、アレが象徴的に飾られてるんだけど、ヒロインにボールペンでつつかれてる時に一度もインク付いてないのよね。あれヘン。   齋藤飛鳥は透き通るような澄んだ美しさで、この青春映画のキラキラしたイメージを支えてるわ。  山田裕貴はもう色々と体当たり状態で面白いキャラを創り上げてて、ただ、高校生には見えないなぁ・・・あの裸は既に大人のソレだわ。   大感動作!というわけではないけど、自分の記憶を刺激されてしみじみと過去を想う、そんなひとときをくれる映画だったわ。
[映画館(邦画)] 6点(2018-10-22 19:14:37)
358.  劇場版 フリクリ オルタナ 《ネタバレ》 
 新しい感覚のアニメ映画なのかな?って思ってたんだけど、どっちかっていうと懐かしい、ちょっと古い感覚のアニメね。なるほど、元のアニメってぎりぎり前世紀に作られたOVAで、18年経過しての続編というか新作というか派生、みたいな?   これ、1本でまとまってる映画じゃなくて、6話の連続アニメがひとかたまりになってる状態。その点では映画を見てる、って感覚は薄いかな。全体にかかってくる大きな流れと、1話ずつで完結のエピソードとの組み合わせで作品世界が創られてるのね。   その、1話ずつで語られてゆく女子高生の学園モノな青春物語は楽しく弾んでいて、いいカンジ。  一方、大きな流れの方はミステリアスで状況が徐々に変化してゆくのが恐ろしくて。   で、結局セカイ系なのね・・・というのがちょっと、あー・・・ってカンジ。  前世紀末によくあったアレ、アレを今見せられてる状態で、だから懐かしくて、そして古めかしくて。  元を見てないので、そこに言及することはできないんだけど、今、この時代にこういう作品である意味は、あーんまり、って気がしちゃったわ。結構、説明的な進行なのに、クライマックスからラストにかけてはキチンとしめてないカンジなのはどーなんでしょうねぇ?   ただ、普遍的な部分、日常が約束されたものではない、日常を侵蝕するモノから目を背けてしまうことの恐ろしさを描いた部分は良かったわ。そういう「日常を変えてしまおうとする存在」や、それに対して気付かないフリをして生きる状態って、今、この時にも感じるモノだったりするから。   でも、この作品のカナメ、核となる存在なハズのハルハラ・ハル子が、かなり鬱陶しい、あーんまり魅力を感じられないキャラなのが、ちょっとシンドかったなぁ。話ごとに役割を変えて出てくる面白さはいいのだけど、話し方がわざとらしいし、物語の進行に関係なく、むしろ物語を壊しにくるようなポジションだし。彼女がいてこその『フリクラ』なんでしょーけどさー。   テラフォーミングしまーす的な異星人のアイロン、それが象徴するものとか、それに抗ってゆこうとする意志とか、移住話とか、なんとなく意味ありげだけどちゃんとは語らなーい、判るヤツだけ判ればいいー、みたいなのが今の時代にはむしろダサくなっちゃってるのが、なんともねぇ。   ちなみに私としては前世紀末セカイ系アニメは『エヴァ』より『serial experiments lain』オススメ。関係ないけど。
[映画館(邦画)] 6点(2018-10-19 21:23:51)
359.  散り椿 《ネタバレ》 
 画面の中に更に障子や襖、あるいは並木や竹林でフレームを作って、そのフレームの中に風景が映える、そんな映像美が散りばめられて。  また、人物の姿をぴったりとフレームの中に収め、決して不安定に動かしたり、構図を崩したりしない、端正な様式美で貫かれてて。   そういう映像の作り方はいいのだけど、脚本はちょっとツラい感じ。  説明的な台詞がとても多くて、見てるこちらはそれを咀嚼するのが大変だし、それを言わなくちゃならない役者さん達も大変だなぁ、って。どうしても自然な演技ってワケにはいかなくなっちゃうものねぇ。特に若手の人達は台詞の消化感ハンパなくてねぇ。ただでさえ言いなれない言葉なのだし。   それに、なんか勧善懲悪。あーんなわかりやすい悪人が出てくる映画だとは思わなかったわ。なんかもうとにかく悪なんです、悪だから仕方ないんです、みたいな有無を言わさない状態なので、ドラマが単純化しちゃった感がするの。   その内側に流れる人の心の機微、それが大量の台詞とくっきり善悪とで薄まっちゃったように思うわ。ほら、もっと岡田と西島、麻生と黒木の中の細やかなキモチっていうか想い、そういうのがあったハズだと思うのね、でもそこを純化するには周囲がやかましくなりすぎちゃってて。悪役が悪丸出しの顔して演技して、それじゃあ世界が単細胞的になっちゃうって。   岡田准一がとてもストイックな役柄を演じていて、でもスタイルが三船敏郎なの。もう少し岡田准一オリジナルな魅力、個性があればねぇ。他の作品を見ても彼、ちょっと真面目すぎる気がするわ。もう少し余裕、ゆとり、遊びがあっていいんじゃない?
[映画館(邦画)] 6点(2018-10-11 20:14:10)
360.  累 -かさね- 《ネタバレ》 
 土屋太鳳と芳根京子が「顔が入れ替わる」役を演じて、それはそれぞれの演技、特徴を十分に理解して初めて成立するものだから、求められるものはかなり高度で複雑。  そしてその要求に見事に応えてみせる二人は本当に凄いわ。  その時、どちらがどちらの人格なのか、それが見ている人に瞬時に判るのだから。  その上、合成で継ぎ目のない入れ替わりまで見せてくれたりして、「本物」と「偽物」の世界が曖昧になってゆく恐ろしさがじわじわ伝わってきて。   「口紅を塗ってキスをすると顔が入れ替わる」っていう設定自体は荒唐無稽だけど、舞台女優という姿を通して、現実と嘘、表と裏、本物と偽物が対比されて、もの凄い層を重ねた「演技」を見せられてこちらは翻弄されることになるのね。  だからこれ、実際に女優が演じることによってマンガよりも更に映画というメディアでは構造が深くなると言えるわけで、とても映画向きな素材って言えるかも。   ただ、手放しで「素晴らしい!」って言いきれなかったりもして。  いちばん気になったのは心の声の多用。土屋、芳根、浅野忠信がそれぞれ心の声を聞かせるの。多過ぎね。  心の声を使わなくても「映画のやり方」で十分に表現できるはずだし、それだけの演技はできていたハズなのよね。それ、まるで映画の力と役者の力を信じてないみたい。  マンガは心の声を使いまくって当たり前なメディアだけど、映画でもそうすることになんの疑問を持たなくなってきてるとしたら、それはマンガの映画化天国状態な日本映画の弊害なのかもね。日本の映画はみーんなマンガ的表現に支配されました、みたいな?   演技がテーマですらある映画で、演技を信じきれてないという皮肉な状態に思えてしまうのは残念。  あんなに土屋太鳳と芳根京子が演技で魅せてくれているだけにね。
[映画館(邦画)] 6点(2018-10-08 18:28:55)
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