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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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421.  SPACE BATTLESHIP ヤマト 《ネタバレ》 
こんなん早いモン勝ち。長文注意。これからいっぱい批判が出てくるでしょうが、かつてアニメ映画版の初日に徹夜して並んだモロなヤマト世代な私から言わせて貰うと、元々『ヤマト』なんてこんなモン。こんなモンに熱狂してたんですよ。原作を冒涜してるとかいう評もありますが、そもそも当時からみんなその内容にツッコミ入れながら見てたっての。ここがキャラ弄りなアニパロの起源なんだし。『惑星大戦争』から『宇宙からのメッセージ』を経て『さよならジュピター』でトドメを刺された国産SF大作映画が、ここに久しぶりに甦ったって悦びをさ、ゴチャゴチャとウザい事言ってわざわざ貶めたくもないしねぇ。確かに沖田艦長を始めとして、島とか徳川機関長とか真田さんとか斉藤とかドラマのワリにキャラが弱いし、佐渡先生とか相原とか性別を変更した必然性はなかったし。一作目に『さらば』をブレンドしちゃう事によって、ボヤけた部分もありますよ。ワリと簡単にイスカンダルまで到達しちゃって、旅が短か過ぎな感じがしますし。つーかワープあっさりし過ぎ。この一作だけで簡単に完全に終わらせちゃうなよ!とも言いたい。でも、日本映画特撮史におけるお笑いポイントな色塗りなりきり外国人を避けるためとしか思えないデスラーとスターシャ(テレサブレンド)の描き方はあれで仕方ないと言えますし、声でちゃんとリスペクトしてるし、ヤマトはやっぱり左向きに旅立って左向きに波動砲撃つモンだし、第三艦橋は壊れてナンボだし・・・って結局ウザい事言ってますな・・・。でもね、ヤマトで特撮映画で育ってきた私が、これを否定する理由なんてのが見つからないんですよ。映像で音楽で、あの感覚を甦らせてくれる高揚感溢れる瞬間が訪れるたび、もう全肯定!って。ここは素直にヤマトの実写映画化、国産SF大作を甦らせてくれた事を喜ばせて頂きましょう。今回はもう、人の事は知らん。
[映画館(邦画)] 9点(2010-12-05 08:21:28)(良:12票)
422.  おまえうまそうだな 《ネタバレ》 
予想していた映画とはかなり違っていて(そもそも「おまえ、うまそうだな」って部分がそう大きな比重を占めていないです)、相当にシビアな物語。肉食竜と草食竜との決定付けられた運命に対して、じゃあ、その主流から外れてしまった者がいかなる生存の道を選択できるのか?っていう時に、この映画はやはりとても日本的な道を歩むのですよね。同じようなテーマを抱えたアメリカ産の『マダガスカル』の安直な解決法や『ヒックとドラゴン』の痛みを伴う変革の道とは違って、国産の『もののけ姫』や『あらしのよるに』に類似した、あくまで日本的な方向性。それがこの作品の魅力でも、そして限界でもあると思います。安易な共存の道を選択する事はありませんが、ラストシーンの二人の姿に、輝かしい未来など見出す事はできない訳で、それが子供向けの映画にとって相応しい落としどころなのかどうかに関しては、やや疑問が残ります。ですが、一方で「情」を軸とした物語は大変に感動的で、よくできています。徹底して描かれる他者との関係性の物語は恐竜という存在にはおよそ似つかわしくなさそうですが、『ダイナソー』に感じたリアルな恐竜が語るドラマの違和感に比べたら、そこは国産アニメのお家芸とも言えるキャラへの命の吹き込み方でまるで問題なし、という感じで。ウマソウの声が、どうにもこうにもこども店長まんまで終始現実に繋がるイメージがつきまとってしまうのが残念なものの、シンプルなデザインのキャラが語るドラマと、ふんだんに盛り込まれたアクションとサスペンスとスペクタクル(ここもワリと重要)、意外な程に娯楽映画としての満足度は高い作品なのでした。
[映画館(邦画)] 7点(2010-11-28 22:44:07)(良:1票)
423.  宇宙からのメッセージ 《ネタバレ》 
当時リアルタイムで見ていたら、どう思ったか判ったモンじゃありませんが、今となっては逆にかなり楽しめるステキな作品。「『スター・ウォーズ』を東映&深作監督でやろうとしたら、時代劇とやくざ映画とJACのエキスが大量に混入してカオスになっちゃいました」っていう、「そりゃそうでしょうよ!」と楽しくツッコめる作品です。リアベの実がそこら辺の連中をてっとり早くテキトーに選んだみたいなお手軽な脚本とか、宇宙カンカン帽や宇宙ちゃぶ台や宇宙関西人の味わいとか、そこだけは映画史から抹殺した方がいいんじゃないかってくらいの宇宙ホタルのシーンとか、チバちゃんやタンバや成田三樹夫の定番ポジションっぷりとか、お姫様まで血が騒いだのかクライマックスで大暴れとか、あれこれ計画したワリに最後は勢いだけで勝利とか、色々とお楽しみツッコミポイントに溢れております。私と違ってまだ汚れていないキレイな瞳には悪夢に映るかもしれませんけど・・・。でも、操演を駆使したミニチュア特撮はなかなかに素晴らしくて、ラストのガバナス戦艦が炎上しながら落ちてくる画などは特撮屋の気概を感じさせてくれました。ミニチュア特撮部分に関しては神格化されてる本家の方も実はショボい画が多かったりしますしね。リアベの実が映されるたびに流れるテーマ曲とスターデストロイヤーを意識し過ぎなガバナス戦艦の底面ゴーッっていうのがクドいのが難点ですが、今となっては貴重な東映オールスター超大作っぷりを堪能させて頂きました。ありがとう、iTunes Store(コレ、近くのレンタルDVD屋に置いてなくて)。でも、せっかくHDの方をダウンロードしたのに画質荒いぞ。
[インターネット(字幕)] 7点(2010-11-17 15:34:09)
424.  マザーウォーター 《ネタバレ》 
コーヒー店、ウィスキーだけの店、豆腐店、銭湯。この水に関連する4つの店を、ただ登場人物がお互い行き来するだけの映画。それだけ。あまりに何もなさ過ぎ。いや、あるにはあるのですが。水に誘われるように川の町に集った人々(三人の女店主が当初それぞれ面識はなく地元の人々との関係も薄い状態から見て、他所から最近やって来た事を匂わせます)が、そのひとときを共有し、またやがては別の時を生きてゆく、生生流転、と。その各人の居場所のモチーフとして沢山登場する椅子がキーになっています。だけど、固定もしくはゆっくりとした移動の長回しでその時を観客に共有させようって映画にしてはあまりに撮り方が雑。たとえば豆腐屋の店先が描かれるのは大抵朝なのですが、太陽の影がもうバラバラ。せめて店の表は朝は日なたなのか日陰なのかくらいは統一すべきなのに、それすらできていません。椅子を外に出してから豆腐を手に取るまでの間の、手を洗う描写を長回しゆえに映像に収めてなかったりしますし。風呂屋では飲み物をケースから出して冷蔵庫の手前に並べてしまっていますし。奥から入れなきゃぬるいの売っちゃいます。また、タイアップゆえでしょうが、具体的な商品が登場します。ウィスキーはまだしも、ラストの方で登場するビールはそれまで空想させていた数々の料理の味とは異なり、ハッキリと味が判るモノで空想もへったくれもなく、私自身がその銘柄をあまり好きでない事も手伝って(酸味が強すぎて。個人的には同じブランドでも無印の方ならばまだ良かったのですが)興ざめしてしまうのですね。このテのリアリティのない映画だからこそのデリカシーというものが必要だと思うのですが、そこが雑ゆえになんだか映画全体が繊細なフリをしながら随分と雑な生き方をしている人々の物語に思えてしまいました。
[映画館(邦画)] 4点(2010-11-08 21:06:26)(良:1票)
425.  ガメラ対宇宙怪獣バイラス 《ネタバレ》 
えーと、ブルーレイ版は81分で、そのうち過去作からの流用部分は18分です。それはともかく。子供がグループで出てきて舌っ足らずな演技で子供騙しなドタバタを繰り広げるのが映画の核というフォーマットはここからですね。これ以降の昭和ガメラは全てこの作品のリメイクみたいなもので。でも、子供の頃はコレが好きだったワケでしてねぇ。そりゃ、今の子供は騙せないかもしれませんが、製作当時の子供だった私はコロッと騙されてたワケですよ、コレに。今見ると、相当に粗悪なシロモノなのですが、駄菓子屋のお菓子喜んでた、白黒テレビで怪獣見てた頃、これは間違いなくご馳走だったワケで。リアルにその時代を生きていた昔を回顧するとあーんまり悪くは言えませんねぇ。いやいや、宇宙船の内部の状況も判らないのにメカニズムのプラスとマイナスを逆にしろと子供に指示しちゃう無茶な大人とか、GPSも真っ青なメカを発明した子供とか(方角はともかく距離が判るの)、子供二人の命と全人類の命を引き換えにする国連とか、色々スゲーなこりゃ、って映画ではあるのですが、秀逸な宇宙船のデザインとか、光る眼とか、アレはアレでキュートなバイラスとか、完全否定するには忍びないワケです。良し悪しはともかくとして、コレも幼い頃の私の心に刻まれたものの一つですからねぇ。チクロ入りのお菓子を食べちゃってた身としては、あの味を今になって完全否定できるか?っていうと無理、みたいなモンで。ええ。
[ブルーレイ(邦画)] 4点(2010-11-02 17:03:48)
426.  大奥(2010) 《ネタバレ》 
最後まで見終わって「よく耐えた、頑張ったよ、俺」って思いました。何度途中で見るのやめて外に出ようと思った事か。もう元が馬鹿馬鹿しいじゃないですか、大奥の男女逆転って。お笑いにしかならないネタをそれなりに地位のある役者達がマジメにやってる状態が、非常に居心地が悪いというか、キモチ悪いというか。基本があり得ないんですよ。男が少ない世界で、なんで将軍が女で大奥が男だらけになるのか?というのが説明されてはいても全く納得できるものではありませんし、女が男らしく、男が女らしくなってゆく理由も理解できません。なんで大奥の男共がオネエ状態であらねばならないのか、と。そういうおかし味を「おかしいね」って楽しませて貰いたいところなのに、一体何をトチ狂ったのか、阿部サダヲがあくまでシリアスだったりするのを始めとして、いちいちマジで(しかも演技も殺陣もCGもギクシャクと)展開してゆくワケで、すっげー居心地悪い映画。せめて、そのネタ世界を煌びやかに、ゴージャスに美しく飾ってみせるならば、まだ納得もゆくのですが、ここに登場する男達、あんまり美しくないし。最初の方で、主人公が唐突に大奥に行く!と決めるあたり(大奥と主人公の接点がその決意までに一切描かれてないの)で「この映画、ヤバい」と思ったのですが、大奥内部のドロドロさ加減とか、独自のしきたりとか、オチとか、何から何まで「ネーヨ」としか思えず、笑う事すらできず。「こんなの見にきちゃってどうしよう」って感じで。腐女子って男ヲタに比べたらなんだかんだ大っぴら状態で市民権得てるのが不思議だよねー、とか思いながら呆然と眺める以外になす術はなかったのでした。
[映画館(邦画)] 2点(2010-11-01 19:05:44)
427.  スープ・オペラ 《ネタバレ》 
人と繋がっている状態はいいね、という事を語りつつ、その実、孤独もいいんじゃない?というのがこの映画のポイントなんじゃないかと思いました。孤独になった主人公の元に人が集ってきて、心地良いひとときを送る事になる。でも、人と人との関係が、ある線を越えてしまうと、その心地良さは失われてしまう。ちょうどいいヌルさは、そう長くは続かないと。坂井真紀の、あまり前に飛び出さない程度の存在感が映画のトーンにぴったりとハマっています。正直なところ、スイーツ版『上海バンスキング』ですが。心地良さは感じられたけれど、一連の去勢されたようなスイーツ系映画から一歩抜きん出たようなところは何もなく、毎度のリアリティーのカケラもないファンタジー。それでいいんですけどね。だけど、人と繋がってゆくたびにバンドが組み上がってゆくとか、最後の夢のシーンとかは、さすがに見てる方が恥ずかしく感じちゃうなぁ。
[映画館(邦画)] 6点(2010-10-27 17:04:14)
428.  大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス 《ネタバレ》 
私が映画館で見た映画の中で記憶に残る最も古い映画。映画館の暗がりの中の、暗い画面に輝くガメラのジェット噴射とギャオスの超音波メス。かなり怖かった印象があるのですが、今見るとワリとヌルい感じです。『バルゴン』で大きく進歩したと思ったら、またちょっと一作目のノリに戻りましたって感じの作品。トンデモ博士の怪獣退治作戦映画ノリが戻ってきましたよって状態で。まあ、少年は一作目の少年に比べたら結果的にタナボタ式とは言え役に立ってますし、ドラマも強欲爺さんが改心する話って事で、なーんにもなかった一作目よりは楽しめます。ギャオスの超音波メスによるヘリコプター真っ二つ、タクシー真っ二つは実寸でのライブの見せ場(ドリフっぽいですが)。でも、大がかりなミニチュアセットは怪獣映画でお馴染みな山中以外は名古屋のみと淋しく、ガメラシリーズの宿命と言えるスケール感のなさがここで決定付けられているようで。怪獣同士がモタモタと、闘っているんだかもつれてるんだかって状態もガメラの負の伝統芸みたいな感じで表れてますし。だけど、こんなガメラでもゴジラよりずっと好きだったんですよね。ガメラはもしかすると予算の関係で弱かったのかもしれないけれど、弱さを見せ、血を流し、ボロボロになりつつ、ギリギリのところで奮闘する姿は応援のしがいがあったのでしょう。ガメラって目に力がないの。どこ見てるかよく判らないような目で。その曖昧な視線が自信のなさみたいに見えて、とてもじゃないけれど強そうには見えなくて(子供を背中に乗せてる時だって目が泳いでるし)、そんなぼやーっとした弱さこそがガメラの魅力、って言ったら言い過ぎかしら? 言い過ぎです。はい。
[ブルーレイ(邦画)] 6点(2010-10-26 22:17:51)(良:1票)
429.  酔いがさめたら、うちに帰ろう。 《ネタバレ》 
東京国際映画祭で鑑賞。鴨志田穣、西原理恵子の著書の数々をがっつり読んでいるため、逆にこの映画をなかなか客観的に捉える事ができないのですが、至極真っ当な映画化という感じで、それは決して褒め言葉じゃなく。妙にマイルドな、薄い仕上がりになってしまったような気がしてなりません。アルコール依存症になった男。その影響で離婚し、けれどそこから再生を目指す家族。それぞれが当事者でありながら何か達観したような、他人事のような視点で進んでゆく・・・。実のところ原作及び西原側の視点から描かれた諸作からしてそんな感覚があった訳ですが、それはエッセイという、自らの体験を一度客観視して人に向かって発信するための課程を踏む、そしてそこに作家の独自性を盛り込むゆえのもので、映画はそこを汲む必要があるのだろうか?という。あまりにも波乱に富んだ実話に対して、いかにその特異さを抑え込むかに腐心したような映画とも言えます。確かにアルコール依存症は監督がティーチインで語ったように、特殊な人の特殊な病ではなく、日常の中から生じてゆくものでしょう。でも、結果的に妙に軽い病に見えてしまい。1つの家族を崩壊に追いやろうとしたものとの闘争、そこにもう少し重きを置いても良かったのではないかな。主人公の過去の行状があまり明らかにならないゆえ、彼の母や元妻が彼に対して軽々しく発する「死」がどうも残酷に響いてしまうのは、この映画の本意ではないハズですし。それでも浅野忠信が表現した渇望は上手く伝わってきたと言えるのかな。今日は思わずシーフードカレー食べちゃったし。
[試写会(邦画)] 6点(2010-10-26 21:42:16)
430.  大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン 《ネタバレ》 
ブルーレイの映像ってペカペカしてデジタル臭くてイマイチ好きになれないのですが、この映画で鮮やかに大映ブルーが甦っている状態は、子供の頃のトキメキを思い出させてくれて感動しました。殊に闇に映えるガメラのジェット噴射のまばゆいブルー。平成ガメラはあの色を再現しようとしてなかったのが不満だったんですよね。さて、このシリーズ二作目、一作目とは比較にならないほどに贅沢に、そして丁寧に作られています。東宝特撮ものに引けを取らない程にスタジオセット、ミニチュアセットが存分に組まれているあたり、とても予算がかかっている事が伺えるのですが、際立つのはドラマ部分と特撮部分、どちらも同様に照明と色彩設計がとても凝っていて丁寧だという事。琴を弾く和装の人々や、原住民の民族衣装など、ドラマシーンでの煌びやかさと、怪獣シーンでのモノトーンとが対比されていて唸らせます。特にバルゴンを殆どモノクロに近い色彩で描いて、倉庫の上に浮かび上がらせたり、紫色の血を流したり、夜のシーンばかりのモノトーンにして、そこに光源や鮮烈な色を置くというビジュアルのインパクトは素晴らしく。ドラマシーンでも洞窟での灯光の変化や、店での格闘シーンでの室内照明の乱れなど、映像テクニックの見どころが沢山。まあ、ガメラの出番が少なすぎるとか、バルゴンと殆ど闘ってないとかいう部分は不満ですけれど。でも、バルゴンの生物的描写が秀逸で、むしろバルゴンが可哀想と思ってしまうくらいの存在感があって。人間のドロドロとした欲望をテーマにした、とても子供向けとは言えない映画なものの、あの一作目からよくもここまでレベルアップしたものだという感じのしっかりと作られた怪獣映画でした。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2010-10-24 22:00:31)(良:1票)
431.  雷桜 《ネタバレ》 
ハンパな映画。J-POP流れちゃうようなスイーツ時代劇でも、それはそれでいいんですよ。もうベタベタにスイーツに徹すれば。自信がないからヘボい殺陣入れたり、カメラをガタガタ動かしたり、血飛沫のCG入れたりしちゃう。そんなもん排除して、もっとキレイキレイに撮ればいいのに。みんなどうせ、とてもあの時代の人々にはみえないツルンとした顔してるんだから、中盤の狐の面を取る大切なシーン、あそこでお面の下から出てくる蒼井優の顔はウソっぽいキレイさでいいんです。なのに思ったのは「ん?イモトアヤコ?」って。いや、イモトはイモトでいいんですが。ヘンに甘いんで、おかしなところいっぱいですし。バカ殿はいちいち一人で外に出ちゃうし(全員切腹モノじゃね?)、切腹してる人間をこと切れるまでみんなでぼーっと鑑賞してるし(惨いなぁ、ちゃんと介錯してやれよ!)。そうでなくて烈しい愛を描きたいというのなら、あまりにヌル過ぎな映像ばかりですしねぇ。タメにタメたクサい演技満載ですが、そういういらんトコ全部カットしたら、1時間そこそこになるんじゃないかという。タメまくったので上映時間長くなりました、みたいなダレダレ映画でした。
[映画館(邦画)] 3点(2010-10-24 14:35:26)
432.  大怪獣ガメラ 《ネタバレ》 
「理由なんてない、ただそこにガメラがいるから。」そんな映画です。博士を始めとするプロの人々と少年とガメラとが、それぞれに好き勝手に思い込みや屁理屈や意味不明な行動を暴走させ、しかしお膳立ては偶然によってどんどん整ってゆき、最終的には1つの形を成す。安易な流れに囚われない、整合性のないエピソードの羅列によって混沌を極めながらガメラという芯によって瓦解せずに作品が成立するという、ヌーヴェルヴァーグの影響を色濃く映した映画と言えます。勿論、こじつけですが。子供の頃、日テレの日曜午後によく放映されていたこの作品、当時は楽しんで見ていた記憶があるのですが、今見るとぎこちない部分ばかりが目立ってしまって。主役のいない群像劇は結局誰にも気持ちを向ける事ができず、ガメラをいかに退治するかのみに絞られた主旋律は面白味に欠け、ガメラのスケールが不明なカットが多いのが怪獣映画としては痛い、と。その分、散りばめられたツッコミネタは楽しめますけど。安易な現場での核攻撃判断とか、人為的海洋汚染とか、それはないわ!ってネタがたっぷり。でも子供の頃から大好きなガメラですからねぇ。この作品では怖くもカッコ良くもないけれど愛は感じます。坂を上がってゆく四足歩きのガメラはキュートでいいわぁ。大々的に人殺しをするガメラって、これと平成ガメラの3作目だけなので、最初の作品でありながらシリーズの中でも異質ではありますけど。お腹減ったから人を殺すという理不尽な凶暴っぷりは、以降の作品ではあり得ないですからねぇ。最終的にドラマが何一つ転がらないという理不尽が常識な世界ではガメラもまた当然のように理不尽な存在でしたという、ちょっとシュールな映画でした。
[ブルーレイ(邦画)] 5点(2010-10-23 22:28:54)(良:1票)
433.  REDLINE(2010) 《ネタバレ》 
意外なほどに刺激されるものが少ないアニメでした。兵器搭載型レースっていうのが題材的に古い上(映画やアニメやゲームにどれだけ存在している事やら)、そこに乗っかる設定やドラマも期待したクサいカッコ良さには程遠く、古典的なベタベタしたウェットさ。レースシーンでの極端にパースのついたメリハリのあるアニメートと、それに被さる音楽はなかなかステキでしたが、あの作画、金田伊功氏がまだご存命ならばなぁ、つくづく残念だなぁ、みたいな。正直なところ、似たような題材の『スピードレーサー』の個性に及んでないんですよね。実写がアニメをアニメ的表現で越えようって時に、アニメはもっとスゲー事しなくっちゃダメなんじゃね?みたいに思ったり。いや、これはそれなりにスゲー事をしようとしてるアニメではあるんですけども。でも、『ルパン三世』のパロディで笑わせる程度ならばともかく、『ナウシカ』や『アキラ』からの半端な引用やっちゃうようなのは作品のレベルを落としちゃうので、もっと突き抜けた独自性で勝負して欲しかったですね。それがたとえハッタリをカマす程度のものであっても。石井克人作品としては、これまでの実写作品の方がよっぽどハッタリ効いてますよね。
[映画館(邦画)] 6点(2010-10-17 21:51:25)
434.  BECK 《ネタバレ》 
例えば『神童』とか『ピアノの森』とか『のだめ』とか、マンガが映像化された際のその音は天才の音には聴こえないワケです。でも、そこをツッコむのはヤボというもの、受け手はそんな事は承知でそこに天才の音を聴いている訳です。でも、この映画は逃げてます。ヴォーカルの声を聴かせられないって、それは映画って表現媒体のすべき選択ではないでしょう。役者も観客も全く信用してないんだな、と。もっとも、それ以前に、この監督の映画の難点、全編フェイク丸出し。映画なんて元々全てがフェイク、だとしてもそれをもっともらしく見せて上手く観客を騙すのが送り手の仕事でしょう。ところが今回もまるでリアリティのない、嘘を嘘としてそのまま投げ出し、マンガ原作だから仕方ないと開き直っているかのような、最初から逃げる事を前提としたような作り。伝説のギターだの啓示だのアメリカンマフィアだの事務所の圧力だのっていうマンガ的要素を、説得力など無意味だとばかりに素材そのまま放り出してるだけ。主役や悪辣な連中はおろか、街行く人々、ライブ会場の人々まで全てがインチキ臭いと。観客との勝負を最初っから投げて逃げるような映画の作り方をするのはみんなに対して失礼でしょ。せっかく役者は頑張っているというのに。ついでに、この監督の映画っていつも異様なテンションで押し切ろうとしてる感がありますが、あのテンションは正直なところ、馬鹿みたいです。テレビ局が安易にこの監督を起用してメジャー公開するって図式は、色々な人や文化を不幸にしてる気がしてなりません。
[映画館(邦画)] 2点(2010-10-10 16:28:27)(良:3票)
435.  君に届け
まるで70年代の少女マンガのような物語世界で、映画は80年代のプログラムピクチャーのような世界。どんだけ古臭いセンスで成立してるのよ?って感じ。物語・脚本のツッコミどころは満載。翔太が学校の場所が判らずに迷うのは彼が転校生だから?と思ったのですが、そうではなくて高校一年初登校の日だから、と、でもそれが判るのはずっと後。桜が咲いてるので一学期だというのは判るにしても。でも、ヤツは自分が通う事になる学校を始業式の日に初めて訪れたんか? 爽子がああいう存在になってしまう経緯は安直過ぎるし、モノローグから始まる事で宣言される爽子視点の映画、なハズが唐突に翔太のモノローグが入り込んで視点ブレるし。担任とタメ口で話している経緯・理由は判らないし、爽子の二人の親友は絶対に高校生には見えないし、ライバルのコの感情のドロドロっぷりは今時コメディレベルだし。時代性とか今日性とかにまるで無頓着で、なんかもうめちゃくちゃ。マンガを起点とする映画の難点が網羅されているような作品、今の日本映画の問題点を露わにしてしまっている映画。で、だけどその問題は根が深く、簡単に改善される事はないだろうと思わせてしまうのは、これがそれでも楽しめてしまうからなのですよね。あり得なさ炸裂の甘酸っぱい恋愛友情ファンタジー世界に酔えてしまうワケです。セリフで安易に感情が語られる世界だからこそ判りやすくドラマが成立し、リアリティが欠如しているがゆえにクサさすらも許容できてしまう、と。日本人の脳と心にはマンガフィルターが存在していて、マンガ的なるものを安易に許容できてしまう、それは映画にとっては明らかに問題であると思うのですが、それが国民性であるとも、中身がどうであれ、その許容こそが時代性なのだとも言えてしまうのかもしれず。うーん。今回は未華子嬢のあり得なさっぷりを、つい思いっきり楽しんでしまった私の負け。
[映画館(邦画)] 7点(2010-10-08 19:33:12)(良:2票)
436.  十三人の刺客(2010) 《ネタバレ》 
単純にカッコ良く面白いと思いました。三池監督のセンスって苦手で、この映画にしても三池ブランドの刻印のような映像が頻出する点はイヤな感じとしか言い様がないのですが、男達が命を賭して悪を叩く物語はシンプルにしてエキサイティング。まあ、十三人のうち、半分くらいは印象薄くてドラマもそんなに背負っていないので、絶命シーンに悲壮感がイマイチ生まれない感じはありましたけど、カッコ良く戦って、カッコ良く散る、それだけで充分な映画のように思えます。あまりウェットに走らず、飄々としながらアツい男達、その頂点に君臨する役所広司はさすがのハマリ具合。松方弘樹は刀を振り下ろすだけで待ってました!のスゴ味、そしてゴローちゃんのそこまでやるか?なぶっ飛んだ悪役っぷり。オシャレな映像にJーPOPが流れちゃうようなスイーツ時代劇とは一線を画する、泥と血に汚れてゴツゴツした、男の時代劇を堪能させて頂きました。
[映画館(邦画)] 7点(2010-10-06 19:58:36)(良:1票)
437.  THE LAST MESSAGE 海猿 《ネタバレ》 
サイテーな3D。立体の効果がちっともなくて、ただ見辛いだけ。振り回しまくりなカメラ、低コントラスト、暗い画面って3Dに不向きなんですが、ほぼ全編ソレですからねぇ。六本木ヒルズのスクリーン7にフルサイズで上映できないというマヌケな状態。最初から3Dで撮るつもりだったのならば仕事があまりに雑だし、後で3D化を目論んだのならば金儲けに走ったとしか言い様がなく。3D映画は入場料二割増しになりますからね。さて、これまで『海猿』なるものを全く見た事がないのですが、そんな人間はある程度無視して突き進みます。人間関係の説明なんかは無し。意味不明ハイテンション肉体誇示プロローグの後、唐突に物語は事故現場へ向かう状態から始まるので『海猿』って世界に入り込む糸口もなく、海洋パニック映画としての世界のみを楽しみましょう、って状態。で、パニックものとしてはワリと早い時点で「その程度か」って事になってしまうのがツラいんですよね。プラントに取り残された5人の人間の脱出の物語です、って相当限定されたモンだなぁ、と。パニック映像は頑張っておりますが、日本映画独特のクドいスローモーションと大変な状況でモタモタとクサいドラマ語り出すあたりに辟易。それでも回想映像入れて感動の押し付けしないだけマシか、と思ってたらクライマックスでこってり回想。最大の障害だったハズの台風はいつの間にか消えちゃうし。登場する人々のハイテンションっぷりも、この世界に慣れてないからか、奇異に映るばかり。更にはクドく何度も大写しになる「海上保安庁」の文字。なんだか、いろんなものを誇示したい広告みたいな映画でした。なんていうか、もう、さすがフジテレビ、としか・・・
[映画館(邦画)] 4点(2010-10-05 22:00:07)(良:2票)
438.  悪人 《ネタバレ》 
日常という道を外れる事が象徴的に描かれる国道。行き止まりの海。灯台の灯がその先、無限の航路を指し示す希望に象徴されつつ、背負った罪の前でそれは儚い刹那の光。と、そこら辺を純化して描いてりゃ良かったんですけどねぇ。最初に正しておかないといけない事。この映画で、ヘルパーを呼ぶとかなりお金がかかるという表現がありましたが、この映画のような、入浴や身の回りの世話には、そんなにかかりません。病院への付き添いですと、それなりにかかってしまう場合がありますが。介護サービスに誤解を与える表現はまずいでしょ。一方で、あんな高価な車にチューンナップまで施してる時点で、そこまで貧乏って訳ではないですし、なんだかチグハグな表現の映画。そう、この映画、全編チグハグ。キャラクター造形が徹底的につまらないっていう(そこら辺の兄ちゃん姉ちゃんの方がよっぽど面白いわ)大きな弱点の上に、根っからの悪人はおりません!と主張してくる一方で、被害者の女の子は殺されても仕方ないような描き方、大学生は単なる悪人。それでいいのか? 迫真の演技も、キャラが退屈なので空虚に映るばかりですが、その平板なステレオタイプの世界の裏に、いびつな悪意が潜んでいる気がしてならないのですよ。善人ヅラをしつつ、何か、色々な物を否定して切り捨てていないか?という。今のこの時代、この世界、そこに生きる人に対する愛はあるの? デリケートに、デリケートに描いているんですよー!と声高に主張してくる無神経な映画って印象でした。
[映画館(邦画)] 4点(2010-09-20 16:25:50)(良:1票)
439.  カラフル(2010) 《ネタバレ》 
あの馬鹿CMのせいで、映画が始まって数分でオチが判るという事態になってしまいましたが、それは映画のせいでなく。誠実な映画とか真摯な姿勢の映画とか言って褒めようと思えば褒められるんでしょうけど、ホンネで言うとタルい映画。ダラダラと説明的な映像を見せるの、まるで退屈な深夜アニメみたい。企画と脚本はいいとして、何故これがアニメで、そして原恵一監督なの? 物語は感心させられるところ、考えさせるところがあちこちにあります。割といい物語です。でも、このカタチで見るのがベストだとは到底思えません。もっといい映画にできる可能性はいっぱいあるのに、何故? 原監督の演出は前作の『河童のクゥと夏休み』同様、愚直で面白味に欠け、そここそを褒める人もいるでしょうが、自分はそんなモン褒めたくないですねぇ。もっと晒け出せよ!って。作品のキャラに求めながら自分じゃ隠してるじゃん! 作画もまた同様で、訪れるかどうかも微妙な一瞬の煌きのために延々耐えるような程度の水準のアニメートじゃ、なんのためのアニメよ? 私の地元に近い、馴染みのある世界を舞台にしていますが、その風景もアニメになる事によって生まれる魅力が感じられません。何故か『クゥ』同様、ラストで肝心なメッセージをキャラがセリフにして説明するし。アニメの殻に閉じこもるなら、それはそれでもう少し相応しい題材があるんじゃないかなぁ。アニメの可能性ってのは、こっち方向にはなくない?
[映画館(邦画)] 5点(2010-08-24 16:10:19)(笑:1票) (良:2票)
440.  私の優しくない先輩 《ネタバレ》 
見終わって、なんかどっかで見た事がある様な物語だなぁ、と思いましたが、韓国映画の『アメノナカノ青空』ですね。アレの超ハイテンション版、みたいな。負の感情もドロドロした気持ちも含めて生の実感を激しく謳う、メッセージ性の強い映画です。後半に主人公が見せる激しい感情の爆発が、先輩の真っ直ぐな熱さが、ガンガンとスクリーンに叩きつけられて見応えがあります。描かれるキャラ、エピソードが絞られているがゆえに雑味に惑わされる事なく映画を堪能できます。ただ、先輩が「ああいう先輩」な理由を説明してしまうのはメロドラマ的な矮小化になってしまいますし、前半のあれこれと作為的な映像を盛り込んでゆく部分はトーンがハンパ過ぎてしまって見ている方がちょっと恥ずかしく感じてしまいます。ああいうのは中島哲也監督くらい徹底的にやらないと。16mm撮り(だよね?)は後半の生々しいトーンには合ってますが、前半のガチャガチャした部分には発色の乏しさやディティール描写であまり適合しているとは言い難く。もっとも私にとってのこの作品最大の難点は、そういう終わりの映画なのね・・・ってところで。彼女にメッセージを負わせ過ぎだよ・・・と。いい映画だけど、好きにはなれないのね、このタイプ。エンドクレジット部分の凄さを見れば、この映画に賭けた人々の熱さっていうのはハッキリ判るんですけどね。エンドクレジット大賞っていうのがあったら、今年の大賞を受賞できるんじゃないかってくらいの凄さなんですが。
[映画館(邦画)] 7点(2010-08-05 15:51:13)
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