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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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61.  輪廻(2005) 《ネタバレ》 
すごく惜しい作品だと思う。  プロットとしては陳腐になりがちな上に、ホラーやミステリーの中で使うと意外に扱いにくい「生まれ変わり」というネタ。  その難しい題材を上手く料理して、シンプルながらも、なかなか見応えのある作品に仕上げてあるのには感心した。「前世と現世の魂が別々のように表現されている」とか、「現世でもう一度殺される事と、復讐する事がどう繋がるのか」とか、「映画を撮影していた監督はどうなったんだ」とか、色々と突っ込みどころはあるけど、ホラーのストーリーとしてはしっかりしている。特に「前世での加害者が、現世での被害者」というようなミステリー仕立てのドンデン返しには見事に騙された。渚の最後の笑みも色々と深読みができて良い(単に恐怖で自我崩壊しただけなのかも知れないが、自分の仮説が証明できた事に対する喜びの笑みとも取れる。ラストシーンとして秀逸)。  ただ残念なのは、肝心のホラーとしての恐怖演出にセンスを感じないところ。  まず典型的なのが人形の存在。デザインからして不気味さを強調し過ぎで返って興ざめだし、早い段階から少女と共に目立ち過ぎている。表情や動かし方なども「チャイルドプレイ」辺りのパロディだし、ホラー映画に対するオマージュと称してお遊びを入れるのは素人くさいから止めて欲しい。そもそも「人形+少女=不気味」という設定がワンパターン。  その他、被害者の方々も顔を出し過ぎだし、「幽霊」を「ゾンビ」のように表現する見せ方にもセンスが無い。CGによるモーフィングも、観客に対して「作り事」である事を意識させるだけなので、表現としては正しくても、恐怖演出としては使用すべきでないと思う。  また、静かなところで急に音を出すという安易な驚かせ方もそろそろ卒業してくれ。言うまでもないけど、ビックリさせる事と怖がらせる事は別。目の肥えた現代の観客に安易な事をやっても、シラけさせるだけで逆効果。  それと劇場版「呪怨」でも思った事だけど、個人的にホラーというジャンルにメジャーな芸能人を使うのは止めて欲しい(その地点で「有名人が演技している」という事を意識してしまって、作品にのめり込めないから)。  ストーリーはよく出来ていたのに、ホラーとしての演出にセンスが無いのが致命的。邦画ホラーの傑作になれたかも知れないのに、もったいない。ストーリー8点、演出4点で、平均6点献上。
[DVD(邦画)] 6点(2006-10-14 14:31:12)(良:1票)
62.  感染 《ネタバレ》 
途中までは、単なる未知のウィルス感染による、ありがちなパニックホラーかと思っていたら、後半にかけて多少は捻りもあったし、全体的に丁寧な作りなので、それなりには楽しめた。  ただ、やはり「精神に感染するウィルス(?)」という設定が分かりにくく、ラストにかけて破綻しそうなところで「何となく分かるでしょ」と、説明不十分なまま雰囲気に逃げてしまった感がある。  「ジェイコブズラダー」のような、現実と非現実、妄想や幻覚が入り乱れる酩酊感と恐怖感を強調して欲しかった。  また中盤までのダラダラ感もマイナス。全体的にもう少しテンポアップ出来たはず。  邦画ホラーとしては良作の部類だけど、真面目に怖がるには恐怖演出に徹底感が無く、作品として今ひとつ詰めが甘い。  PS.全体の雰囲気や終わり方が「世にも奇妙な物語」みたいだなあ、と思っていたら、案の定、「急患」のリメイクだったw。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-09-12 03:31:56)
63.  下妻物語
CMディレクターだからと言う訳ではないが、場面ごとに独立した映像表現の仕方は映画と言うより、やはり数秒が勝負のCMの見せ方。  でも、それがこの映画にとっては良い方向に働いている。言い方は悪いが、キャラの見た目やその場の言動のインパクトで引っ張っているだけの作品ではあるが、二人のキャラクター性が完全に固定されているがゆえに、彼女たちが動くことでストーリーが着いて来るという、ある意味、理想的な展開が最初から出来上がっている。その断片的なシーンの連結がテンポの良さにも繋がっているし、独特な作品世界の味にもなっている。  深田恭子と土屋アンナの演技も意外なほどに良い。日常、あまり見かけないキャラだからという事もあるけど、あのオーバーな演技に嫌味や不自然さが無いのは、本人の才能か監督の演技指導の賜物か。  あえてテーマとか何とかは考えずに、そのノリを楽しめば良いんだけど、ラストに近づくにつれ、二人の言動や展開に意外性が無くなり、良くも悪くも分かりやすい「友情ドラマ」に落ちついてしまった終わり方には不満が残る。  もっと深く「外見と内面」とか「偏見」といったテーマを抉るか、もしくは不条理コメディとしてバカ映画に徹するか、どっちかにした方が良かったと思う。ちょっと中途半端になのが残念。  でも、この手の映像演出は、アクション漫画とかの表現にすごく向いていると思うので、今後は他の漫画原作の実写化にも期待したいところ。
[DVD(字幕)] 6点(2005-08-09 01:25:03)
64.  CUTIE HONEY キューティーハニー
何だかんだ言っても、さすがは庵野監督といったところ。「キューティー・ハニー」の実写化なんて、色々な意味で難しいはずだが、あの原作の持つ独特なテイストをうまく生かしたまま実写化している。まあ「キューティー・ハニー」と言うよりは、「サトエリ・ハニー」だが、そのバカっぷりや、「分かっている」アクション演出の上手さは「キル・ビル」などよりも上。  ただ惜しむらくは、やはり予算の無さ。「狙ったチープさ」ではなく、普通にチープな映像になっているのが残念な限り。もっと予算があれば…。  また、バカ映画とは言え、もう少し脚本的には真面目さとのメリハリをつけて欲しかった。ちょっと「おバカ寄り」になりすぎ。ハニーの性格も能天気すぎる。アクション面の演出も庵野監督にしてはイマイチ。もっと鳥肌の立つような、「漫画的にカッコ良い演出」を期待していただけに残念。低予算ゆえか、ちょっと手抜きしている印象。  例えばあの「♪パッパッパヤッパ、パヤッパ~」のBGMやOPテーマは連発せずに、「ここぞ」と言う時にこそかけて欲しかった。  でもまあ、限られた予算の中で健闘したことは評価したいところ。PS.ぜひ庵野監督には「デビルマン」を撮り直して欲しい。より「エヴァ」っぽい演出が似合う作品だし(w。
6点(2005-01-03 20:53:40)(良:2票)
65.  ほしのこえ 《ネタバレ》 
ほぼ「トップをねらえ!」の後半w。独自の着想はゼロ。特に基本的な舞台設定と演出全般は完全に模倣。いくらなんでもパクりすぎ。こういう元ネタの影響モロ分かりの劣化コピーを恥ずかしげも無くやってしまう感覚が、「オタク的」と酷評をされてしまう最大の原因だということをもう少し認識してもらいたい。ただ、ひとりでこれだけのものを作ったという事は十分スゴい(これをどこかのスタジオが集団作業で作ったのなら間違いなく駄作だけど)。ちゃんとしたスタッフと資金に恵まれれば、大化けする可能性はある。その点は正当に評価すべき。  今作はどちらかと言えば、SFアクションではなく、宇宙という広大な世界にお互いの仲を遮られてしまう少年少女の「遠距離恋愛ドラマ」がメイン。相対論的効果により、「もう同じ時間を生きることは出来ない」という切ない演出は、普通の単純な恋愛ドラマでは出せないだけに、よりドラマチックなものにしやすいという利点がある。短編である分、余計な説明や人間描写は省略し、始めからその辺のテーマを中心に持ってきている割り切った作り方は正解。  近未来の舞台や宇宙人との戦闘は、それを引き立てるための素材でしかないわけだから、その辺の突っ込みはヤボ。セーラー服での戦闘も同じ。リアリティよりロマンでしょ。「宇宙でセーラー服」なんてトンデモ設定だからこそ、戦いにファンタジーとロマンとノスタルジーが同時発生するんじゃないかな(笑)。  
[映画館(字幕)] 6点(2004-11-09 16:30:10)(良:1票)
66.  サル 《ネタバレ》 
新薬臨床試験にまつわる都市伝説をネタにして、ちょっとドキュメンタリー風に撮ってみました、というのは分かるけど、「新薬の副作用の恐さを元にしたサスペンス部分」と、「それに対する批判や警鐘というドキュメンタリー部分」、さらに「映画監督を目指す若者の挫折という青春ドラマ」の三つの軸がブレていて、全体として見ると何がメインテーマなのかはっきりしない内容。  特にラストの爽やかな終わり方なんて、完全に青春ドラマで、それまでのサスペンス部分とのギャップがあり過ぎる。また、病院を抜け出してバカ騒ぎしたり、居酒屋のオヤジに追いかけられるシーンなんかはコメディっぽいし、見ている間中、「いったい何が見せたいの?」という違和感が終始付きまとった。  ただ、こういう「治験のアルバイト」と言うシチュエーションは非常にリアルで、自分も一緒にアルバイトとして、その場にいるような臨場感があり、ダラダラとしている展開の割には、それほど飽きずに最後まで見られたのも確か。ちょっと出演者同士の掛け合いがサムいのと、前述の通り、テーマが分りにくいのが残念。  カメラワークや手ブレについての批判は的ハズレ。「素人が隠し撮りしている」というシチュエーションこそが肝であって、「ブレアウイッチ」同様、その場の臨場感を出すための演出。これをきちんと撮っていたら逆に不自然。
[DVD(字幕)] 6点(2004-08-21 03:22:17)
67.  秘密(1999) 《ネタバレ》 
<原作未読。映画のみの評価です>  「人格入れ替わりネタ」は、よくある設定だし、陳腐になりがちではあるものの、さすがは熟練の東野圭吾氏。そこに垣間見られる人間ドラマの描き方が手馴れてる。  男女付き合いだけに限らず、人間関係の構築が難しいのは、人間というものが常に「変わっていく」存在だからだろう。自分では変わっていないつもりでも、時と共に少しづつ内面が変化していくのは、誰でもむしろ自然なことかも知れないが、そこに生じた小さな「齟齬」が、相手に大きな違和感を植え付けてしまい、それが元で関係そのものが崩れてしまうことはよくあること。そして、その時になって始めて、人は自分の信じていた人間関係の脆弱さを思い知る。  変わっていく妻を見て苦悩する夫の姿は、そんな人生における普遍的な人間関係の難しさをよく表していると共に、円滑な関係構築には、相互理解という、相手に対する思いやりと感謝が不可欠であるという、これまた普遍的な教訓を見る者に訴えかけてくる。  とは言うものの、あのラストでのちょっとした「どんでん返し」は微妙なところ。結局、夫からの束縛を逃れるために、ひと芝居打ってまで、自分の人格を消したということなのかなあ?それ以前に、夫は変わっていく自分の生き方を認めてくれた訳だから、そんなことをする必要性があったのか甚だ疑問。夫に対する罪悪感や、傷つけないための芝居だとしたら、それこそ自分の変化を認めてくれた夫に対する裏切りだと思う。このラストが無ければ、もっと素直に感動できたのになあ。あえて女性の持つリアリズムに徹するという精神性を強調したかったとも取れるが…。
6点(2004-07-03 20:51:42)
68.  木曜組曲 《ネタバレ》 
「ミステリー」として見ると、謎解きや動機に物足りない部分もあるが、女流作家の不審死を巡る「サスペンスドラマ」としてなら、まあそこそこ楽しめる。ただ、全体の雰囲気や女優陣のイマイチ不自然で硬い演技が舞台劇を思わせる点と、「女流作家たちの腹の探り合い」というドラマ設定が観客を置いてけぼりにしていて、ちょっと感情移入はしにくい。導入も唐突で、見知らぬ同窓会に紛れ込んでしまったような疎外感を終始感じる。「自分の人生に意味を持たせるための自作自演オチ」も結構よくあるパターン。中盤までのダラダラ感もマイナス。あと30分は短縮できる内容。
6点(2004-06-28 13:24:16)(良:1票)
69.  ドッペルゲンガー 《ネタバレ》 
内容的にはタイトルズバリの映画だけど、単にドッペルゲンガーが死を予兆するという、ホラー的な展開ではなく、その人間の内面に密かに息づく二面性が具現化し、本人との対話を果たすという、まさにフロイト的アプローチを試みた作品。そこにこれまたいかにも黒沢監督らしい、ホラーともサスペンスともコメディともつかない独特な世界観で味付けされた映画。  「自分にウソをつかずに生きること」を主題に据えつつ、思うがままに欲求をさらけ出す行為のリスクとリターン、また自分の内面を否定し、押さえ込もうとする行為の意味を見つめ、そのふたつのバランスの取り方を考えさせられる。大きなリスクを取らず、自分の内面を押さえ込んで終わる方が良いのか、リスクを取る代わりに自分に正直に生きた方が良いのか。もうひとりの自分も他ならぬ自分自身であり、自分から生じたものは、「正邪」含めて、すべて自分が受け入れるくらいの器と余裕が無いと、人間として危ういのかも知れない。  ただ作品の評価としては、「設定だけ考えて、あとは成るがままに撮った」といった印象が強く、少し散漫。展開に緩急が無く、これと言って意外性のあるオチも無し。ドッペルゲンガーに翻弄される人がもっといれば面白くなったかも。惜しい。
[ビデオ(邦画)] 6点(2004-06-25 21:37:27)(良:1票)
70.  Love Letter(1995)
これもここでの高評価に期待しましたが、個人的には普通です。指摘されているように、まず中山美穂が一人二役を演じる必然性が薄いと思います。序盤の展開が無駄に分かりにくくなっているだけで意味がありません。ちゃんと違う人物に演じさせた方が作品としてのリアリティも説得力も上がったのではないでしょうか。あと、作品自体がこの手の「ラブストーリーの作り方」のパターンにはまり過ぎている点と、人物や背景の初期設定が「設定のための設定」になってしまっているのが少し気になりました。必ず「最愛の人の死」から始まり、その死を受け入れ、立ち直り、新たな出会いと共に生きていく、という恋愛ドラマの黄金パターンに則った、ある意味「感動させる事が前提」の手堅くもあざとい作り。結局、「松田聖子の歌を歌っていた謎」はどうなったんだろう?これも何か過去と関係があると思ったけど、特にこれに関わるエピソードは出てこなかったような気が(恐らく、彼女との高校時代の思い出の曲なんでしょうが)。個人的には普通でしたが、この手のラブストーリーが好きな人には間違いなくおすすめ出来ます。
6点(2004-05-29 22:31:49)
71.  天国と地獄
これをリアルタイムで見ていたら、もっと評価は高かったと思うけど、今見るとさすがに普通。内容的にも高度経済成長期における資本主義社会に対する警鐘なのか、主役の偽善性と犯人の独善性を含めた人間の不可解な深層心理に対する洞察なのか、どちらにしてもあまり深い含蓄は受け取れなかった。ラストで犯人が「自分がどんなに不幸だったか」みたいな事を得々と述べるけど、医学生というエリートが何を言ってんの?という感じ。十分勝ち組だと思うけどなあ。何があったかは知らんけど、そんな人に訳の分からない自己弁護的な泣き言を言われても、こっちは感情移入は出来ませんよ。しかも捕まってからだから余計にたちが悪い。完全に逆恨みでしょう。まるで自分ひとりがこの世の不幸をすべて背負っているかのような勘違い野郎としか思えない。まあそこら辺が、「誰でも加害者にも被害者にもなり得る」という現代的犯罪の開幕を看破した上での意図的な人物設定なのかも知れないが。 誘拐ミステリーとしてはきちんと纏まっているものの、これも今見ると「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」レベルで、取り立てて特筆するような部分も無い。むしろ犯人の計算高さの割に、何をしでかすか分からない麻薬中毒患者を仲間にしたり、盗難車を普通に乗り捨てたり(完全犯罪を目指すなら、海に沈めるか、燃やすかすると思うけど)、子供を目隠しせずに連れ回したり、そのまま生きて帰したりと、妙に杜撰な部分が多いのが気になる。登場人物の妙に大げさな演技や、ラスト30分辺りのダラダラ感もマイナス。
6点(2004-05-26 10:12:19)(良:1票)
72.  スワロウテイル 《ネタバレ》 
悪くはないけど「隠れた名作」と言わせるには、今一歩、何かが足りてない。  日本語、中国語、英語を混在させて作り上げた「円都」という雑多で多国籍な街に存在感は感じるものの、物語の展開上、あまり架空の世界である必然性を感じないし、それほど個性的な世界でもない(と言うか「ブレードランナー」のような、終末観+オリエンタルテイストという世界観はありがち)。  また、一歩外へ出た都心とのギャップがあまりにも大きく、都心と円都との「中間地点」が存在しないような違和感がある。せっかくの架空の世界も、そうした作り込みの甘さが目立っているように思う。  時折見られる詩的で繊細な表現には、監督の感受性の鋭さが見て取れるが、穿った見方をすれば、その「計算されたあざとさ」が鼻につく時がある(胸元のイモ虫とか、夢の象徴として魔都に翻るアゲハ蝶とか、ゴミ捨て場を楽園のように表現するとか)。ただ「何となく象徴的でカッコ良さげなセリフや雰囲気を用意した」という感覚でしかなく、いまいち底が浅い。  また登場人物が少し多すぎるせいか、テーマにピントが合わなかったりと、展開にまとまりが無いのも難点。主役は登場人物全員であり、その生き様こそが作品の核心だと思うが、「テープを巡る経緯」と「グリコのサクセスストーリーと挫折」の二大イベントに収束し過ぎで、しかもストーリー展開上お互いがうまくリンクしていないため、全体として見るとイマイチ何が言いたいのか分からない作品になってしまっている。  ラストも中途半端で後味が悪い。結局、アゲハはグリコと娼婦としてやっていくってこと?だからどんな店をやっているか言えなかった?さらに、テープがどういうもので、またどうして他人の腹の中に入れておかなければならないのかも不明のまま(しかも「生」で入れてたらテープがおかしくなるぞw)。だいたい大事なものならそんな保存の仕方をせず、金庫にでもしまっておくはず。消化不良。ランがどういう組織の人間かも説明無し。あっても無くてもいいイベントやキャラが多すぎる。  Charaを始め、僅かしか登場しないキャラも含めて、各役者さんの魅力を最大限に引き出す監督の能力や美的センスには素晴らしいものを感じるだけに、作品として荒削りな所が惜しい。
[ビデオ(邦画)] 6点(2004-05-16 22:18:39)
73.  カリスマ
「CURE」で衝撃を受けたので、この作品も期待していたのですが、少々難解過ぎて、「商品」というよりは、「作品」といった趣になっているのが残念。黒沢監督は、ホラーやサスペンスを撮らせたら日本で一番センスがあると思いますが、エンターティメントを意識するのが恥ずかしいのか、どうしても小難しい哲学的勘考と共に「何となく不気味な雰囲気」を提起するだけに終始して、解釈を曖昧にしてまうクセがあるのが欠点だと思います。それは特にこの映画で顕著です。解釈に足るだけの暗喩には満ちてはいるものの、それを拾い上げて再構成するには、作品全体にイマイチ魅力が足りないように思いました。まあ自分なりの解釈としては、「自己保存のために他者を犠牲にすることは正当化されるのか、否か」というところでしょうか。根底に多分監督なりの「戦争批判」と、それに対してどうにも出来ないニヒリズムのような感覚があるのだと思います。
6点(2004-05-08 17:38:34)
74.  たそがれ清兵衛
幕末の不安定な時代を、同じく先行き不透明な現代とシンクロさせ、平侍の生き様を通して、平凡な日常と向き合う生き方や本当の幸福とは何かを問い掛ける。ただ、テーマが地味なだけに、どうしても展開も地味にならざるを得ない。「平凡に生きることは悪い事ではない」とする、いわば「癒し系」映画。
6点(2004-03-21 16:47:49)
75.  人狼 JIN-ROH
非常にリアルな脚本ですが、あまりにも重いと言うか、展開も淡々としていてエンターティメント性には欠ける内容です。「アニメでここまで表現出来る」という評価も分かりますが、逆に言えば、あえてアニメでやる内容とも思えませんでした。
6点(2004-03-02 04:27:31)
76.  マジンガーZ対デビルマン
ファンとしては、こんな夢の共演が見られるだけでも感涙ものですが、皆さんの言う通り、デビルマン側(敵含む)が弱すぎるのが残念。もう少し、お互いの弱点を補佐し合う形で戦って欲しかったですね。
6点(2004-01-12 18:35:42)(良:1票)
77.  破線のマリス 《ネタバレ》 
<原作未読・映画のみの評価>  言いたい事は分かる。「情報化社会の危険性」とか、「マスメディアの偽善」など、テーマ自体は深いものがあるけれど、サスペンスとして何をメインにすべきかの方向性が定まらないまま、オチまで行っちゃった感じ。  作中、あれだけ重大な情報を、その信憑性をまったく確認する事も無く独断で放送したり、麻生がテレビ局側を名誉毀損で訴える事もせず、編集局員である遠藤瑶子ひとりをストーキングしたり、彼女の子供が気持ちの悪い盗撮ビデオを無名で送りつけてきたりと、ちょっとサスペンス性を優先しすぎて、設定や展開に無理が出ている。  結局、事件の核心であった白井については、「情報化社会の恐怖」というテーマを描くための「材料」であるがゆえなのか、途中から完全に放置され、こちらの事件の真相は分からないまま。  ただ、低評価の要因であるラストのオチについては、肯定的に見ると「情報に踊らされる事の愚かしさ」を強調するためには、これ以上無いくらいに最適なものとも言える。その辺が理解されにくかったのが残念。  
[ビデオ(吹替)] 6点(2003-10-25 01:11:12)(良:1票)
78.  打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)<TVM>
青春前夜の小学生時代って、人生の中で一番、思い出深い出来事が多い時期なんですよね。友達との他愛のないケンカ、実るはずのない初恋、隣町へのちょっとした冒険…。もう二度と戻れないけれど、当たり前のように傍らにあった、少年の頃の夏の日を思い出させてくれる佳作。ただ、後半のメイン部分のほとんどが想像(妄想?)というのが、いまいち意味不明です。「せつない」と言うより、「むなしい」と言う印象。しかもそのまま終わってしまうというのも…。
6点(2003-10-23 14:26:11)
79.  金田一少年の事件簿 上海魚人伝説
やたら酷評が多いけど、客観的に見れば、アニメなどの原作の実写化としては金も手間も掛けているようで、かなり健闘している作品と言える。  確かに実写化する必然性は疑問だし、ミスキャストも多いが、これはこれとして割り切って見れば、ミステリーやサスペンスとして、それなりに見られるレベルには達している。慣れれば堂本剛の一も悪くない。
[ビデオ(邦画)] 6点(2003-10-20 11:41:50)
80.  めぞん一刻 完結篇
映画を見る上で常に問題になるのは、「原作を知っていた方がいいか」という点ですが、これは微妙な問題です。ただ、個人的には「原作を知った上で見ること」が原則だと思っています(もちろん単発ものは別)。特に、この「めぞん」や「エヴァ」のように、長期シリーズの劇場版などはなおさらです。もちろん、原作を知らない一見さんでも楽しめるように作るのがベターではありますが、キャラの基本設定や今までの経緯すら知らずに見る事もまた原作に対して失礼な見方でしょう。より深く作品を楽しむための「見る側の礼儀」もあると思います。  確かにこの作品は、一見さんでは楽しめない不親切な作りですが、「原作らしさ」を考慮した作りで、「最終回に関わるオリジナルエピソード」という難しい位置付けの作品でありながら、ほとんど違和感の無い仕上がりになっている点を評価したいです。何でもない話ではあるものの、ラストに相応しいほのぼのとした雰囲気が良い。  従って、私個人の評価感覚では、「主観7、客観5」で、平均して6点という所です。
[ビデオ(字幕)] 6点(2003-10-16 20:19:40)
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