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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2398
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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81.  勝手にしやがれ!! 黄金計画 《ネタバレ》 
シリーズ三作目にして、だいたいの基本プロットが見えてきました。➀謎の女・洞口依子が運営する闇の探偵社(何でも屋?)があり、喫茶店が事務所になっていてオーナーの大杉漣は共同パートナーみたいな位置付け。➁哀川翔と前田耕陽はそこの調査員というか請負人みたいな感じで、ふたりは兄弟分みたいな関係でとくに前田は哀川とホモだちなんじゃないかと思うぐらいべったりの間柄。ここまでは言うまでもなく『傷だらけの天使』と同じというかパクり。➂そこに毎回ぶっ飛んだ不思議ちゃん系の女の子が飛び込んで来て二人は振り回される。④そしてエンドロールでは哀川と前田がデュエットする『森のくまさん』がなぜか流れる(笑)。 今回の不思議ちゃんは藤谷美紀ですが、シリーズ前二作に比べると割とまともというか大人しめのキャラ。居候先の家具・備品を勝手に売り捌いちゃう性癖(?)が彼女の笑わしどころ。そういや哀川の棲み処が、前二作の廃業した魚屋みたいなところからガレージがついた元店舗みたいなところに代わってました。ストーリー展開としてはいつものVシネマらしい雑なグダグダかと思いきや、中盤から悪徳刑事が絡んで来て、とうとうシリーズ初の死人が出る展開。でもこの刑事の末路も含めてブラックなテイストは悪くないかなと思います。微妙な差かもしれませんが、暫定ですけどシリーズ中でいちばん面白かったかなと感じます。 さて、ここからはシリーズ折り返し、はたしてどういう展開になります事やら…
[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-03-04 22:47:46)
82.  八甲田山 《ネタバレ》 
近年では新資料の発掘により高倉健が演じた徳島大尉=福島大尉の傲慢ぶりやその雪中行軍での実像が明らかにされていますが、原作の『八甲田山 死の彷徨』はあくまで(当時判明していた)史実をもとにしたフィクションであり、割り切って観るのが正解です。それでもこの原作を映像化したプロジェクトは、日本映画界の偉業というか狂いっぷりとして永く語り継がれてゆくことでしょう。だいたい、真冬の八甲田山であの豪雪の中ロケを敢行するというムチャっぷりがぶっ飛んでます。これはヴェルナー・ヘルツォ―クの『アギーレ/神の怒り』や『フィツカラルド』に匹敵する映画的暴挙とも言えるんじゃないでしょうか。CGなんかもちろん存在していなかった時代、あの腰まで埋まる積雪や暴風雪、雪がこびりついた軍服や軍帽のひさしから垂れる氷柱まですべて本物なんですからねえ。特に息を飲むのは雪崩に巻き込まれるシーン、実際にダイナマイトを使って起こした雪崩は想定を超えた規模になり、撮影現場で見ていた橋本忍は「こりゃ死人がでたぞ、これでこの映画は終わりだ…」と戦いたそうです。俳優やエキストラたちも過酷な扱いになり、褌一丁で雪の中で転げまわさせられたりしてこれだけでも重病人が出そうな撮影です。神田隊の隊列を鳥瞰で見せるカットからはその人数は史実通り200人超の様であり、普通の映画よりはるかに少人数だとは言ってもエキストラの確保は苦労したでしょう。某角川映画にエキストラ参加した経験がある自分としては、エキストラの半分が逃げたというのは実感できます。でも屋外ロケはほとんどが雪原であり、照明が使えないうえに雪が光を乱反射してしまうからフードを被った俳優たちの顔は昼間でもほとんど識別不可能、声で判断するしかないってのは苦しいところです。もっとも加山雄三だけは、あの独特の太い声と大根なセリフ回しのおかげですぐ判りますけどね(笑)。有名な「天は我々を見放した~」というセリフは史実に基づいているそうですが、たしかに部下の前で隊長が言ってはいけませんね。それよりも、徳島大尉=高倉健が道案内してくれた秋吉久美子に「案内人どのに向かって、かしら右!」と号令をかけるところの方が心打たれました、もちろんフィクションですけど。あと忘れてはいけないのはこの映画のテーマソングにすら思える軍歌『雪の進軍』、名曲です。 印象に残ったのは、地元青森出身の兵士が言う「あいつらは宮城や岩手の人間だから雪の本当の怖さを知んねえ」という言葉、雪国育ちではない自分にとっては宮城も岩手も冬は雪が多いところというイメージですが、青森から見たら全然違うってことなんでしょうね。でも確かに地図を見てみれば青森周辺は本州の中でももっとも太平洋と日本海が近接している地域で、この地理的要因がもたらす自然の猛威は軽く見てはいけないんですね。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-02-13 22:48:57)(良:2票)
83.  勝手にしやがれ!! 脱出計画 《ネタバレ》 
黒沢清の90年代Vシネマシリーズ第二弾です。もちろん哀川翔はじめ基本的なメンバーは変わっていませんが、それぞれのキャラ付けが少し濃くなってきました。哀川翔=藤田雄次は割とまともそうに見えるが実はいい加減なキャラ、前田耕陽=吉行耕作はほとんどバカだけど馬鹿正直なバカ。大杉漣や洞口依子といった常連との会話などは快調なノリで、一作目よりも黒沢清の脚本の腕が上がったかなと思います。しかしストーリー自体は相変わらずVシネマらしいいい加減さ、前回で二人を引っ掻き回したキャラを女から男に変えただけのようなストーリー。ヤクザの親分の娘に惚れられた予備校生とその娘の妹が騒動を引き起こすわけですけど、この予備校生が前作のキャバクラでバイトする保母よりもさらに上を行くいい加減な不思議男、しかも誰だか知らないけど演じる男優が大根役者(妹役の女優のひどさもかなりのレベルでしたけどね)。まあラストのオチは誰でも予想が付くもんでしょうけど、そこに持ってゆくまでの展開の雑さは第一作の再現みたいな感じでした。エンドタイトルで流れる哀川翔と前田耕陽が大真面目に歌っているのが『森のくまさん』、さすがにこのセンスは理解不能です(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-02-01 22:36:18)
84.  勝手にしやがれ!! 強奪計画 《ネタバレ》 
まあどっから観ても『傷だらけの天使』へのオマージュというか焼直しです。哀川翔と前田耕陽は言うまでもなく、洞口依子は『傷天』の岸田今日子で大杉漣は岸田森の役柄というわけでしょう。黒沢清は自分の趣味に合わない監督だけど、Vシネマでコメディということもあっていつもの臭みもなく安心して観れました。とは言え「可もなく不可もなく」というのが正直な感想。なんか主役二人が目立たないんだよな、その分疫病神・七瀬なつみが美味しいところを持って行ってしまった感が強いですね。真面目そうな風貌な保母さんなのに夜はキャバクラ・ホステス、ノミ屋で200万も馬券に突っ込んで踏み倒すという予想もつかないキャラ。けっきょくこのキャラに頼ったストーリーテリングで結末はいい加減というか出鱈目な終わり方です。まあ、深く考えなければそこそこは愉しめるし、お正月休みの暇つぶしにはちょうど良いかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-01-01 23:00:53)
85.  ポルノ時代劇 忘八武士道 《ネタバレ》 
忘八とは、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八つの徳目を全て失った人間を指し転じて郭がよいに精を出す男や妓楼の主に対する蔑称、ほとんど江戸時代の差別用語みたいなもんです。小池一夫原作の劇画の映画化で、吉原の廓名主に雇われる浪人者・丹波哲郎が主人公です。この丹波の役名が“明日死能”、これで文字通り“あしたしのう”と読ませるところがふざけているというか、ぶっ飛んでいるというか…でも長髪の中年ロッカーみたいな風貌でむかし使った丹下左膳のお古のような衣装、なんですけどムダにカッコよくてやたらに強い。冒頭の殺陣から血しぶきが凄いし首は飛ぶはですけど、石井輝男の持ち味のヘンな悪趣味は最小限に抑えられている思います。“ポルノ時代劇”と銘打って吉原が舞台なのでそりゃ遊女のハダカはゲップが出るほど見せられますが、さほどエロくはない。麻痺しちゃったのかもしれませんが、言ってみればヴァーホーベンの『ショーガール』に通じるところがあるのかもしれません。見どころというとひし美ゆり子が脱ぎまくっていることで、あのアンヌ隊員がと思うと感無量です。彼女が率いる“女忘八”なるくのいち軍団みたいな集団が登場し行き掛かり上みんな全裸になる展開、その女忘八軍団が内田良平演じる黒鍬者と全裸のまま斬り合うという珍シーンもあります。とは言え荒唐無稽なストーリーながらも吉原のセットなどはけっこう良くできていて、そう言うところはさすが東映です。ラストもアヘン中毒にされた丹波が捕り手に囲まれて壮絶な斬り合いを繰り広げる、まるで『雄呂血』みたいな余韻がありました。 今まで観た東映ポルノの中ではもっともハダカを見せられた気がしますが、ゲテモノではありますが言われているほど酷い映画じゃなかった気がします。まあ、人にはお奨めできませんけどね(笑)。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-12-30 22:55:02)
86.  タンポポ 《ネタバレ》 
『お葬式』に続く伊丹十三の監督第二作目ですけど、この初期二作はサブカル寄りの視点が濃厚で次作『マルサの女』からは社会派的な作風に変化します。でもこの『タンポポ』こそが伊丹の作家性がもっとも色濃く出ているんじゃないかと私は感じます、海外でも評価が高いというのは納得です。 世はあの『美味しんぼ』の連載が始まったころ、膨らみ続けるバブル景気の熱気の中で日本人の関心が食に向き始めてきます。その中であえて伊丹が今でいうB級グルメ的な位置づけだったラーメンをテーマに選んだところは秀逸な観点で、これこそまさに食のサブカルと言えるでしょう。設定やディティールは“ラーメン・ウェスタン”と称するだけあって西部劇のカリカチュアと捉えることができ、登場人物たちを漫画チックなキャラにマッチした撮り方だと思います。ストーリーと並行して挿入される食にまつわるエピソードというか小話がこれまた絶妙。駆け出しの頃だった役所広司を始め、豪華な大物たちがショートコントみたいな寸劇を見せてくれるとはなんと豪華なことでしょう!でもまだ無名だった役所の白服の男の存在感は大したもので、とくに洞口依子との牡蠣のエピソードはヤバいですね。初期の伊丹作品では劇中に一か所はフェティッシュなエロをぶち込んでくるのがお約束ですけど、その中でも直接的な脱ぎや表現はないこのエピソードがエロ度最高峰じゃないかと自分は思います。そして食の映画でもっとも大事なのは、その料理がいかに美味しく見せるかということです。その点では本作でのラーメンは、たとえ深夜に鑑賞していても食べたくてしょうがなくなるまさに“飯テロ”と言ってもいいんじゃないでしょうか。今や定番のネギラーメンは、本作がきっかけで全国に広まったという説があるそうです。あとあまり認識されていないようですけど伊丹十三は音楽のセンスが絶妙で、役所広司のエピソードでのマーラーの使い方は『ベニスに死す』に匹敵するんじゃないでしょうか。 製作から35年経ちましたが、いまだ本作を超える食がテーマの映画は日本映画界では撮られていないのが現実です。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-12-18 22:14:38)
87.  ドレミファ娘の血は騒ぐ
こりゃあ、にっかつから納品拒否くらったというのは当然かもしれません、ATGに持ち込んだ方が良かったんじゃない?というか、PFF(ぴあフィルム・フェスティバル)に当時エントリーされていた自主映画とどっこいどっこいです。スタッフは塩田明彦・万田邦敏といった黒沢清と同じ蓮實重彦門下生が終結しているし、プロと言える俳優は伊丹十三・洞口依子・麻生うさぎぐらいで、その他大勢の学生役にも黒沢と同じ界隈を集めて素人演技を見せてくれる。おまけにストーリーと表現方法は青臭くてなおかつ理解不能、まったくどこを褒めたら良いのか頭を抱えてしまいます。まあこの映画の果たした唯一の役割は、伊丹十三と洞口依子を結びつけたことしかないでしょう。『タンポポ』『マルサの女2』で彼女は鮮烈な爪あとを残してくれました、その後の黒沢清作品の常連にもなりましたけどね。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2021-12-15 21:16:23)
88.  鬼談百景 《ネタバレ》 
『残穢 -住んではいけない部屋-』のことは全然知らずに観ましたが、まったく独立したホラー・アンソロジーとして予備知識が無くても愉しめるんじゃないでしょうか。十話も盛り込んだオムニバスだけど、一話あたり十分もない尺なのでサクサクと観れます。学校ネタ・JKネタが目立っているような気もしますが、なんと言っても怖いのはナレーターがあの竹内結子だということでしょうか。このナレーションは、彼女の演技力もさることながら五年後に訪れる悲劇が予感されてしまいます。 不条理怪談噺が好物な自分としては、ラスト三話がとくにツボでした。何かに憑りつかれたように墓場を駆けまわる子供たちが強烈な印象の『続きをしよう』、何も語らせないような幕の閉じ方が良かったです。そしてある意味で何も起こらなかったのにとてつもなくぶっ飛んでいる『どろぼう』、つぶされる路上に転がっている果実や水が流れる側溝、これらが何を暗喩しているのか、考えてみたけど腑に落ちる答えは得られませんでした。まあ第十話はオチからすれば完全にブラックジョークでしたけどね、あの元カレじゃ粗大ごみとして処理するのは正解でしょ(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-12-06 22:11:13)
89.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊
先にハリウッド実写版を観ていたので、背景とか展開は理解し易かったかと思います。この韜晦な世界観が、ハリウッドにかかるといかに通俗的なストーリーになってしまうことにも、気付かされてしまいました。押井守特有の決して難しい言葉遣いではないけど、難解な理論を登場人物たちがさりげなく語るストーリーテリングには好き嫌いが分かれるところでしょう。でもその造りこまれた世界は圧倒的な画力で、東京と香港とヴェニスを混ぜ合わせたような都市の細部には圧倒されます。26年前、まだWindows95が最新だった時代にここまでサイバー・ワールドを創造できたのは、まさに押井守おそるべしです。原作を読んでいない身としては「えっ、これで終わり?」という感は否めなかったですけど、続きというか続編はぜひ観たいという気にはなりました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-11-30 22:38:29)
90.  アルキメデスの大戦 《ネタバレ》 
これは誰もが認めるところでしょうが、冒頭の大和撃沈のシークエンスはまさに“和製プライベート・ライアン”的な壮絶な映像。攻撃する米軍機もとうぜんCGながらもそのマーキングや機動などは実感あふれています。大和自体や後に登場する長門も含めて緻密な再現は山崎貴の本領発揮、まさに“神は細部に宿る”です。 この大和沈没が鮮烈過ぎて出落ち感すらあるストーリー展開ですが、まあこれはフィクションですから良いでしょう。櫂直などフィクショナルなキャラはともかくとして、実在の人物やモデルにされた人物が明らかに判るキャラにはちょっと?となる部分が無きにしも非ずです。舘ひろしの山本五十六は、自分としては歴代五十六の中でもっともイメージが合った良いキャスティングだったと思います。平山造船中将は平賀譲、藤岡造船少将は藤本喜久雄という有名な造船官がモデルなのは明白です。でも実際の大和建造計画策定時には藤本は死去していたのですが、まあここはフィクションなので五月蠅く言わないことにします。でも違和感がどうしても拭えなかったのは(これを言っちゃうと原作コミック自体の否定に成りかねないですが)、超秘密主義だった帝国海軍にいくら山本五十六の後押しがあったといっても、帝大を中退したばかりの民間人を少佐として迎え入れるという設定自体が絶対あり得ない。あと、天才的な数学才能がどうして一晩で造艦設計図面を書き上げる能力に繋がるのかが、理解しにくい。使用鉄量から造艦経費を導き出す方程式を創出するのは確かに数学的才能ですが、設計自体はデザイン的な能力だと思うんですけどねえ、まったく“数学万能”かよ(笑)。 冒頭で大和が建造されることはいわばネタバレしているのでこの広げた大風呂敷をどういう風に閉じるのかと楽しみにしてましたが、櫂と平山のラストの対決はなかなか見応えがありました。けっきょく櫂は平山造船中将に負けたというか説き伏せられた感じですけど、演じているのが田中泯ですからその結末も納得です。やっぱ本作では彼がいちばん光ってましたね。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-11-13 22:34:19)
91.  キングコングの逆襲 《ネタバレ》 
東宝創立35周年記念大作!五年前の30周年は『キングコング対ゴジラ』、東宝特撮どんだけキングコングが好きなんでしょうか。 どうも本作は同年に放送されたアニメ版『キングコング』シリーズとコラボレーションなのか共通点が多く、アニメ版も実は日米合作で東映動画が製作しています。設定はもちろん違うけど、悪役はドクター・フーでヒロインはスーザンが名前というのも被ってます。そして今までのキングコングのイメージを一新するような人間の味方的なキャラ付けになっているのも両者の特徴。 コングの造形は、『キンゴジ』に比べれば体型がオリジナル・コングに近くなっているけど、よく見れば顔は相変わらず不細工です。特に眼つきがヘンで、視線がどこに向いているのか判りにくいのがなんかおかしい。でも敵役のメカニコングは東宝特撮に登場するロボット怪獣ではピカイチの造形美、コングの特徴を巧みにメタル化させた秀逸なデザインじゃないでしょうか。メカニコングは『地球防衛軍』のモゲラと同様の土木作業用ロボットという設定、本格的な敵役ロボット怪獣はメカゴジラまでいなかったんですね。モンド島のやられ役は、大ウミヘビは別にして、ゴロザウルスはCG登場以前の恐竜造形としては出色の出来栄え、ハリウッドのストップモーション恐竜も負けてるんじゃないかな。「怪獣の流血を見せたくない」という円谷英二の拘りで泡を吹くゴロザウルスの断末魔になったのは割と有名なエピソードですが、同時期のガメラ・シリーズが“怪獣スプラッター映画”化しているのと比べてみると東宝と大映の製作カラーの違いを感じさせられます。体長20メートルのコングに合わせた縮尺のミニチュアセットは東宝特撮の絶頂期だけあって完成度は高いですけど、一部に過去作の特撮カットが挿入されていたのはちょっと残念でした。 本編はこれまたユニークな脚本で、“南海の王者”のはずのコングを北極に連れてくるという発想には驚き。そしてドクター・フーの組織が巨額の資金を投じてメカニコングまで製作してシャカリキになっているのが鉱物採掘と言うのが、なんかぶっ飛んでますね。メカニが役立たないから本家コングを拉致してくるという発想ですが、これじゃブラック企業でこき使われる社員じゃないですか。だいいち、なんで北極に大地があるの?(アラスカかシベリアの北極圏というなら判らんでもないが) 本編での見せ場はやはり浜美枝のマダム・ピラニアということでしょうね。彼女は『キンゴジ』でもヒロインだったし、東宝には“浜美枝=キングコング”という方程式でもあるんでしょうかね(笑)。登場シーンの衣装はすべて違うし、北極アジトの中にラウンジ風自室を作らせてカクテルドレスを纏って色仕掛け、『二度死ぬ』なんかよりずっとボンド・ガールぽかったです。それにしても彼女、どこの国の工作員だったのでしょうか。「中国・タイ・ヴェトナム・ビルマ、そのどこの国でもないね」というドクター・フーのセリフがありましたが、まさか北朝鮮?
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-11-07 21:58:28)
92.  の・ようなもの 《ネタバレ》 
森田芳光は本作が商業映画デビュー、そして志ん魚=伊藤克信もこれが俳優デビュー作。初見の折は伊藤の強烈な栃木訛りと棒読み調セリフ回しには度肝を抜かれました。これが森田の演出なら特異な演技力の持ち主ということになりましょうが、彼はそもそも日光出身だしちょっと前までは素人だったんだから、たぶん素なんでしょう。森田芳光の演出も初期・森田の特徴であるシュール調が織り交ぜられています。銭湯のシークエンスに於いて、男湯でなぜか一人だけ女性が脱衣しているのに誰も反応を示さないというシーンは、何度観ても訳が判らん(笑)。女子高落研部員たちも、みなたどたどしいというか素人っぽい演技(この中にはなんと若き日のエド・はるみがいる)。でもそんな中でも、尾藤イサオと秋吉久美子が見せる演技はさすがでした。尾藤はオープニングとエンディングでは歌声まで聞かせてくれる大サービス、これは浜田省吾が作曲でこれまたいい雰囲気なんだなあ。秋吉はソープ嬢なのにお店ではビキニ姿、70年代はけっこう脱いでいた印象があるんですけど、もう出し惜しみですかね(苦笑)。また志ん魚はじめ若手噺家たちが、私生活はみんなアイヴィー・ルックなのもなんか80年代らしくて良かった。この映画の登場人物はみな善人でしかも裏表がないというのも、ある意味珍しい部類の映画と言えるでしょう。そして、付き合ったJKの父親から「お前の落語は下手くそ」と酷評されて隅田川ベリから浅草仲見世を抜けて歩いて帰るシークエンスは、やはり森田映画きっての名シーンでしょう。 心がささくれだった時こそ観るべき、森田芳光の落語への愛が迸る一編です。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-10-29 22:51:46)
93.  蛇の道(1998)
正直言って、なんか訳わかんない映画を見せられたなってのが感想です。怖いって言うよりも不条理の不気味な世界という感じですかね。高等物理(?)を教える塾、そこの生徒の天才的な少女、ヤクザの情婦みたいな一言もセリフを発しない(口がきけない?)足が不自由な熟女、普通の作品なら明らかに何かの伏線のはずなんですけど、何の説明や展開もなし。この映画には普通の意味での伏線らしきものがそもそも皆無なんです。哀川翔はもちろんのこと、香川照之についてもそのキャラクターの背景は全くのことスルー、ほんらい説明過多にならないストーリーの映画が好みの自分ですけど、本作はダメでした。劇中で一度も声を荒らげなかった哀川翔の不気味さはやはり特筆すべきでしょうが、なんかこれは自分が求める哀川翔像ではなかった感じが残ります。やっぱ自分には黒沢清の映画は合わないんだと再認識させられました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-10-26 23:00:01)
94.  十三人の刺客(1963) 《ネタバレ》 
三池版リメイクを先に観ていますけど、やはりオリジナルは正統派時代劇という感じです。悪役殿様は明らかに三池版よりもまともというか迫力不足(リメイクの稲垣吾郎がぶっ飛びすぎとも言えるけど)、最期も単なるボンボン育ちらしい小物感が濃厚だったのが残念。こんなのが老中になっても大した影響なさそうな感もあるけど、逆に体面のためには妾腹といっても将軍の弟までも抹殺する幕府というか武家社会の非情さを強調する意図のストーリーテリングなのかもしれません、まあ考え過ぎでしょうけどね(笑)。十三人の刺客たちの半数は正直言って誰と特定できないような無個性なのがこの映画の欠点だけど、片岡千恵蔵・嵐寛寿郎・西村晃をキャラ立ちさせれば良いという脚本の割り切り方みたいですね。リメイクと違って里見浩太郎・山城新伍という若手キャラが目立たなかったのも残念、きっとまだ時代劇全盛時代のことですから、千恵蔵・アラカンといった大御所がメインで若手が活躍するような映画造りは難しい時代だったんじゃないでしょうか。出番はわずかでしたが月形龍之介=牧野靱負もさすがの存在感。リメイクでも松本幸四郎がキャスティングされていますが、「このチョイ役になんで幸四郎が起用されるんだろう?」という疑問がありましたが、オリジナル版へのリスペクトだったと納得しました。内田良平=鬼頭半兵衛も鬼気迫る演技、東宝製作だったら仲代達也が演じたんだろうなという感じもして、この二人の侍姿は雰囲気が似てますね。 クライマックスの大活劇はまさに“集団抗争”と呼ぶに相応しいごちゃごちゃぶり、これはこれでリアルなんでしょうけど好き嫌いは分かれるでしょうね。あんだけカッコよかった西村晃の無様な最期と逃げ延びてなぜか哄笑する明石藩士がラスト・カットというカタルシスのない幕の閉じ方、この辺りこそが工藤栄一らしいところなんでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-10-05 22:21:25)
95.  架空OL日記 《ネタバレ》 
バカリズムが制服を着てOL銀行員になっているとは一つ間違えばくだらないコントの映像化になってしまうところ、それが日記調でロー・テンションな語り口で通すことによってありふれたOLの日常を鮮やかに見せてくれます。セリフや仕事オフのときのカジュアルな私服からはもうバカリズムにしか見えないのですが、彼の意図があえて女装を意識させないところにあったので違和感はあまりなかったですね。同職の知り合い女性には「女性同士であんな人間関係がすっきりしてるわけないじゃん!」とダメ出しを喰らっていましたが、男性のバカリズムがここまで女性同士の機微をストーリーに落とし込めたのは、やはり彼の才能の賜物でしょう。彼はかつてアイドリング!!!という女性アイドルグループをプロデュースしたことがあったので、その経験が活かされているのかもしれません。考えてみると彼の演じるキャラはOLグループの中でも話題の中心となるよりは脇からツッコミを入れる空気っぽい存在で、それが夢オチ的なラストに上手く繋がっていると思います。それにしても、『天然コケッコー』のそよちゃんが10年後にこんな逞しいOLになっていたとは、おじさんは感無量です。あと韓国採用されたソヨンというキャラ、この物語に登場させる必然性があまり感じられないし、だいいちいくら日本語は上手だといっても窓口業務はさせないでしょ?
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-09-17 18:58:08)
96.  天然コケッコー 《ネタバレ》 
全校で小中学生が七人だけという過疎地の学校生活が、観ていてとても癒されます。小学校と中学校はいちおう教室が別ですけど、給食の時間になると小学生は机と椅子を持って中学教室に移動してきて、先生を含めてみんなでお昼ごはんとはなんか自分が思う理想の学校生活なんですね。こんなド僻地の学校にまでセンターから給食が毎日配達されるって、考えてみれば日本ってすごい国なのかもしれません。また中学生を教える唯一の男性教師がほんわかしていていいんだな、こういう先生に出会いたかったものです。そんな世界に舞い降りた鶴(?)のような美少女そよ、これが初主演である夏帆の透明感あふれる存在は新人賞を総舐めしたのが納得です。一人称が“わし”というのもなんか胸キュンです。「行って来ます」が「行って帰ります」になる石見弁も初めて聞いたので面白かった、なんか全体的に九州の方言と似ている気もします。そよがさっちゃんの家にお見舞いに行くシークエンス、「ごめんね」と謝るそよにさっちゃんが抱きついてくるシーンは、もう泣きますよ。原作漫画は大人びたタッチで描かれているんですけど本作は終始ほんわかムード、完全に山下敦弘ワールドに染め上がっていました。こういう自然が豊かな田舎で育つというのは子供にとっては最高の環境かもしれませんが、ミニマムな人間関係ですので大人にはけっこうキツいんじゃないでしょうか。そこら辺も、さりげなくですが見せてくれる脚本だったなと思います。 そよが通う学校は木村中、受験する高校が森高校でその近隣にあるのが草薙高、「ひょっとして」と調べたら原作設定では“S県香取郡木村稲垣”がそよの家がある村落で、隣町は“中居町”、なんと原作者くらもちふさこはSMAPオタでした(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-09-02 17:14:15)
97.  城取り 《ネタバレ》 
時は戦国、関ヶ原合戦に向けて徳川家康が策動を始めたころ。上杉征伐の軍勢が会津に迫ってきたのに呼応して北隣の伊達政宗は上杉家領内に多聞山城という出城を構築して会津征服を狙ってきた。憂慮を深める直江山城守兼続にたまたま侍大将・俵左内を訪ねてきていた名うての兵法者・車藤三は左内と五百両の軍資金があれば自分が城を落としてみせると豪語した。しかし多聞山城の城代は切れ者で知られた赤座刑部、果たして藤三の作戦は首尾よく事が運ぶのだろうか? 司馬遼太郎の『城をとる話』の映画化ですが、この日経新聞で連載された小説自体が主演である石原裕次郎に依頼されたもので、完結を待って石原プロが製作した映画です。裕次郎の相棒・左内には千秋実、これまた百戦錬磨の戦上手だけど銭を貯めることが生きがいというキャラが面白い。堺の白粉行商人役で芦屋雁之助と伊賀の抜け忍として若き日の石立鉄男が城取りチームに加わりますが、口八丁の雁之助が傑作なキャラでした。作戦としては城の建造現場に潜り込んで銭を使って使役されている村人たちを決起させるという割とオーソドックスなものですが、ストーリー展開はどこか『七人の侍』を意識している感が強かったですね。『七人の侍』とは大きく相違するところは悪役で、赤座刑部=近衛十四郎がこれでもかという存在感とキャラ立ちで、完全に裕次郎を喰っていました。裕次郎と十四郎のチャンバラ対決は当然のごとくラストで用意されていますが、互いに長太刀を使って太刀がぶつかり合う瞬間に激しく火花が散る夜間を活かした演出が印象的でした。ちょっと気になったのは裕次郎のセリフ回しで、彼だけはほとんどのセリフが現代調なんです。藤三が村人を集めて作戦説明するシークエンスでは、「こんばんは、皆さん」って裕次郎が挨拶するのにはズッコケました(笑)。 城取りチームの四人は誰も死ななかったけど、ヒロインの中村玉緒など死者が村人衆だけというところが『七人の侍』と大きく違ったところですかね。テンポも良く個々の役者もいい芝居してるんだけど、なんか物足りない、要は裕次郎のチャンバラを見せるための映画だったということかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-07-30 23:12:26)
98.  残酷・異常・虐待物語 元禄女系図 《ネタバレ》 
石井輝男・東映時代ポルノシリーズの一作ですけど、前作が悪名高き『徳川女刑罰史』なのでなんか大人しく感じてしまうのはヘンな感覚です。オムニバス三話構成で狂言回し的な役割で吉田輝雄が各話に登場しますが、まあぶっちゃけてしまえばあまり必要性がないキャラでした。 第一話の『おいとの巻』はありふれた感じの吉原を舞台にした廓悲劇といった感じで、『残酷・異常・虐待』の中で『虐待』パートという位置づけですかね。第二話の豪商の変態娘がヒロインの『おちせの巻』は『異常』パートになるんでしょうが、ストーリー自体は江戸川乱歩チックな趣きがあり、ラストの長吉がおちせを背負ってすすきの原っぱを彷徨うカットは、アンリ・ジョルジョ・クルーゾーの『情婦マノン』パクリというかオマージュでしたね。でもやはり強烈だったのは第三話『残酷』パートの『おみつの巻』でしょうね。まず小池朝雄の狂った殿様は怪演としか言いようがないです。側室の賀川雪絵はなんの脈絡も必然性もなく金粉塗り・ゴールドフィンガー状態にされちゃうところは、もうわけ判らん(笑)。そして『屋敷女』を四十年先駆ける妊婦腹裂き・胎児取り出しシーン、60年代の日本映画とは信じ難い映像です。とは言ってもよく観ればチャチな撮影ですけど、特殊メイクの妊婦の腹を刀で斬り開くところを正面から撮ってるのはちょっと酷い(血は全然出ません)。まあ取り出した胎児が大きめのキューピー人形みたいだったのは失笑ものでしたけどね。 当時の東映のラインナップを振り返ると任侠・実録ものとこういうポルノ路線でほとんどが占められていて、これじゃあ佐久間良子とかの大物女優が逃げ出したのは無理ないかなと思います。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2021-07-21 23:46:27)
99.  家族ゲーム 《ネタバレ》 
観直して何となく感じたところですが、ディティールがどこか川島雄三の『しとやかな獣』に似ている感じがするんです。団地の一室が主な舞台だし、戸外の生活音が強調されて観客の耳に入るような音響設計、そしてラストのヘリコプターの轟音を訝しんで窓を開けて外をうかがう由紀さおり、ここは『しとやかな獣』ではパトカーか救急車のサイレンでしたね。沼田一家が住む団地も渡し船で訪問しなければならないベイ・エリアで、この立地条件も『しとやかな獣』と一緒。森田芳光は後年に『椿三十郎』を全く同じ進行でリメイクしたりしてるから、昭和の邦画に思い入りが深かったのかもしれません。 食卓のシーンやラストのカオスに陥る会食のシークエンスはあまりに有名ですが、この映画は「おっ、日本のルイス・ブニュエルが登場か」と当時思わされたぐらいのシュールさです。もちろん原作小説があるのですが細かいところはかなり改変されており、まさに森田芳光ワールド全開といった感じです。他にもいろいろ気になるディティールが満載で、松田優作がいつも持っている子供むけ図鑑(?)のようなものはなんなんだろう?沼田家では在宅中は玄関をロックしないので外部の人間がスーッと家に上がり込んでくる、昭和三十・四十年代じゃあるまいしこの規模の集合住宅でそんな不用心あるかい!等々。いっさい音楽が効果音としても使われない演出、慎一が母親に聞かせる『マイ・フェア・レディ』のサントラ(多分曲は『I Could Have Danced All Night』)も無音(もっともこれは著作権の権利金が発生するからかも)、松田優作と阿木燿子がいちゃついているシーンで電話に出る阿木燿子のセリフも無音(意図不明)と徹底しています。 家族やコミュニティーに異分子の人間が入り込んで人間関係をグチャグチャにするというプロットの映画は珍しくはないですけど、本作では松田優作の大暴れで切れかかっていた一家の絆が逆に修復したハッピーエンドとして捉えるべきなのでしょう。キッチンで割れたお皿や散らばった料理を片付ける四人の姿がそれを象徴していましたね。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-07-13 00:22:14)
100.  一度死んでみた 《ネタバレ》 
全世界がコロナで苦しんでいるときに、“Death!Death!Death!”とはまあなんと不謹慎なことか(笑)。監督も脚本家も携帯のCMで名を売ったCMプランナーだけに、中身の無い頭を空っぽに出来るコメディです。出演陣はけっこう豪華で、これはフジテレビと電通の御利益かな。堤真一も最近はアホ演技がすっかり型に嵌ってきました。そして予想以上だったのは広瀬すずのコメディ演技力とデス・メタル・ヴォーカリストぶりで、あのウソ泣きシーンは思わず笑ってしまいました、チラッと目を開けて周りの大人の反応を窺うところなんか最高です。彼女が率いるメタルバンド“魂ズ”もあのヒャダインが音楽プロデュースしているだけあって曲も魅力的で、何より広瀬すずのこれまた予想以上の歌唱力にも驚きました。惜しむらくは告別式で魂ズの演奏をもっと前面に出してはっちゃけたシークエンスにしていたらもっと面白くなったのに、ここら辺は監督のセンスのなさですかね。そして劇中で各キャラが人差し指を立てて怒りのポーズを決めるけど、ほんとは中指じゃないの?日本人にはほとんどピンとこない仕草なんだから気にすることないのにねえ。TV局が絡むガチガチな製作体制の日本映画って、弾け具合が中途半端で終わるケースが多いんですよね。やっぱりこういうテイストのコメディは、宮藤官九郎じゃなきゃと改めて感じた次第です。 出演者がみなハイテンションな中で、ひとりリリー・フランキーだけが素の演技で押し通すのが目立ちました、まあこの人がハイテンションな演技をするってのは想像つかないですけどね。
[DVD(邦画)] 5点(2021-06-18 22:04:52)
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