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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1161.  セックス・チェック 第二の性
緒形拳演じるコーチと安田道代演じるヒロインの特訓シーンがひたすら熱く、ここだけ見れば典型的なスポ根映画なのだが、実はヒロインが半陰陽の両性具有だったという設定がいかにも増村保造監督らしい話で、なかなか面白かった。まだ新国劇にいた頃の緒形拳が誰がどう見ても変人・変態の鬼コーチを演じていて、小川真由美をレイプするシーンは怖く安田道代とセックスをするシーンはかなりいやらしく、存在感のある濃い演技を見せていて、若い頃からいい俳優だったんだと感じ、あらためて先日亡くなってしまったことは本当に残念に思う。安田道代も個人的には山本薩夫監督「氷点」の陽子役のイメージが強く、清純派という印象があったが、この映画では増村監督の演出に応えて半陰陽という難しい役どころを清純派イメージとは全く違う体当たりの演技で見事に演じていて素晴らしく、増村監督の相変わらずの女優に対する演出のうまさを感じる。しかし、それにしても本当に変態的な映画だった。今まで見た増村監督の映画の中では自分も特に傑作とは思わないものの、これは増村監督だからこそできる増村監督ならではの映画だと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2008-10-22 21:04:35)
1162.  母べえ
山田洋次監督らしい丁寧な作品になっていてほろりとくるシーンもあれば笑えるシーンもあっていいのだが、やはり主演の吉永小百合がこの役を演じるのはミスキャストなのがかなりの致命傷になっていると言わざるを得ない映画で、どんなに主人公一家が慎ましい生活をしていても、吉永小百合が出ているとなんかうそ臭くなってしまい、リアリティーを感じない。志田未来ら子役をはじめとした脇の芝居がいいだけになぜ吉永小百合を使ってしまったのか理解に苦しむ。見ている間、田中絹代のほうがいいよなあとずっと思ってた。(既に現在は故人なんだけど。)海水浴で溺れた浅野忠信を助けるために海に飛び込むシーンとか最後の病院のシーンとかも主演の見せ場を作るためだけに入れたとしか思えない。このキャスティングが影響しているのか作品としての出来のほうも最初に書いたように丁寧な印象はあるものの、最近の山田監督の映画の中でははっきり言って凡作だと思う。「男はつらいよ」シリーズのマドンナにもう一度、吉永小百合を歌子役で起用する計画があったと聞いたことがあったので、ひょっとして山田監督が吉永小百合と仕事したかっただけの映画ではないのかと見る前に薄々思っていたが、実際その通りの映画のような気がした。
[DVD(邦画)] 5点(2008-10-14 22:41:25)(良:1票)
1163.  影の車
野村芳太郎監督による松本清張ものの一編。後の同じコンビによる「鬼畜」と同じように子供が話に絡んでいる映画だが、本作では「鬼畜」とは違い、愛人の幼い息子が自分に殺意を抱いているのではと思い込む男の心理が描かれていて「鬼畜」とは全く違う怖さがあってなかなか面白かった。特にガスの充満した家の中に閉じ込められるシーンはかなり怖い。脚本を書いているのが橋本忍で主人公を演じるのが加藤剛(好演。)なこともあってか、破滅していく主人公やタイトルバックとラストの回想の海のシーンはどことなく「砂の器」を思わせている。愛人を演じる岩下志麻は一人の男を愛する情念の女を熱演していてとても大人っぽく、反面普通の母親役だが既に「鬼畜」で演じた緒形拳の妻役の面影があり、少し怖かった。それでもこの映画では子役の無表情な演技がいちばん怖い。そういえば「鬼畜」では岩下志麻と小川真由美が本作と逆の立場の役柄で共演していたが、本作を意識してのキャスティングだったのだろうかとつい考えてしまう。
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-29 19:24:39)
1164.  バッテリー
少年野球を題材にした作品で、子役たちもいい(特に主人公の弟役の笑顔が最高。)のだが、もともと岡山に住んでいる設定の子をはじめとして方言がポジティブすぎで、中学生なのに一人称ワシだったり、なんか話し方が年寄り臭すぎでどうも若々しさというものが感じられず、また顧問の先生が生徒に話しかける際も方言であるなどということは絶対になくかなりの違和感を感じた。このおかげで(まあ、狙ったのかもしれないが。)相当に田舎臭い映画になってしまっているのが地元の人間としてひいてしまう。また、思ったとおりドラマが浅く、母親との関係などじっくりと描くべきところがあっさりとしていたり、その他いろんなエピソードを詰め込みすぎていて長い原作(未読)を無理矢理2時間におさめようとした感がある。終盤重体になった弟が瀕死の状態で兄に話しかけるシーンはいかにもここで泣けという感じで冷めてしまったし、ラストの母親の応援シーンは皆さん書かれているとおりやりすぎだと思う。見ていなかったが、これだと今年NHKで放送されていた連続ドラマの方がよさそうだ。
[DVD(邦画)] 3点(2008-09-27 23:13:29)(良:1票)
1165.  氾濫
別に悪くはない映画だが、増村保造監督の映画としては「巨人と玩具」のような圧倒的なテンポの良さが感じられず、「妻は告白する」や「清作の妻」のようなインパクトのある作品でもないのでなんだか普通すぎて物足りない。また若尾文子も可愛いのだが、「青空娘」や「妻は告白する」と比べてあまり魅力を感じられず正直言って残念。ただ、ドロドロした人間関係や男たちのダメさ、いい加減さを描いているところに若干の増村監督らしさを感じることはできるので増村作品としては発展途上の映画という感じもする。船越英二が沢村貞子に対して「確かに三度ほど女房を変えたけど、僕はその都度真剣だった。」とか言っててなんか怪しいと思ったらやっぱり女たらしな男の役。この俳優は「黒い十人の女」とかでもそうだけど、こういうダメな男の役とかやるとハマるなあ。
[DVD(邦画)] 6点(2008-09-22 20:00:47)
1166.  竜馬暗殺
坂本竜馬を描いた作品というと、まだ小学生だった15年くらい前にNHKで放送されていたアニメ「おーい!竜馬」の印象が未だに強く、竜馬本人のイメージも爽やかな青年という印象だが、そのイメージを覆すようにこの映画の竜馬はアブラギッシュで汗臭く、濃いキャラクターに描かれていてなおかつ演じる原田芳雄がそのキャラクターに非常にマッチしていて新鮮に感じた。相棒・中岡慎太郎を演じるのが石橋蓮司。この16年後に作られた同じ黒木和雄監督の「浪人街」を先に見ているものだからまたこの二人の濃いキャラクターが黒木監督の映画で見られたのが良かった。(時系列にいくと本作が先なのでこういう書き方は少し変なのだが。)70年代の映画にもかかわらず、それ以前に作られた映画のようなざらついた白黒の映像、そして時代劇にもかかわらず、70年代の時代の雰囲気が伝わってくるような演出も効果的だった。ラストの「ええじゃないか」の踊りの中に消えていく中川梨絵が印象的で見終わったあと余韻が残るのもいいし、テーマ音楽も良かった。しかし、少し時間が長く感じたのがちょっと残念だった。まあ、見ている時の自分が少し疲れていたせいもあったかもしれないが。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-20 20:08:41)(良:1票)
1167.  月形半平太(1961)
「月さま、雨が・・・。」「春雨じゃ、濡れて行こう。」というやりとりが有名な「月形半平太」の何度目かの映画化作品だけど、実際見てみるのは今回の本作が初めて。東映時代劇を見るのはかなり久しぶりだったが、半平太を演じる主演の橋蔵が実に魅力的でかっこよく、殺陣も華麗で美しく、役柄にもピッタリとはまっている。しかし、ストーリーがあまり面白くなく思ったよりはちょっと退屈してしまったのが残念。マキノ雅弘監督の映画はついこの間見た「決闘高田の馬場」に続いて2本目だったのだが、あの映画に比べるとかなりの物足りなさが残る。とはいえクライマックスの寺でのチャンバラシーンやそこでの橋蔵のそれまでとは違う鬼気迫るリアルな演技はとても良かった。以前、「この首一万石」を見た時も思ったが、橋蔵はこういうリアルな演技もうまいと思う。(あまり彼の出演作を見ているわけではないのだが。)それから、丘さとみらが演じる半平太を慕う女たちの使う京言葉がなんとも品があり美しく印象的だった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-09-10 21:38:29)
1168.  柳生一族の陰謀
深作欣二監督が最も脂の乗り切っていた頃に手がけた時代劇大作。時代劇でありながらテイストは完全にヤクザ映画である。(ってよく考えたら自分あまりヤクザ映画見てないけど・・・・。)出ている役者がみな若い。とくに真田広之が一瞬誰だか分からなかったほどだった。そしてやはり柳生十兵衛といえば千葉真一だろう。まさしくハマリ役。公家の成田三樹夫もすごい印象に残った。でもこの映画の見所はやはりラストシーンだろう。「夢じゃあ、これは夢でござある。」と生首を持って叫ぶ錦之介の姿が脳裏に焼きつく。アクション映画の傑作。
[ビデオ(邦画)] 10点(2008-08-31 18:34:18)(良:1票)
1169.  夜の流れ
川島雄三監督といえばエネルギッシュで勢いがよく、パワーにあふれている特異な映画が多いという印象が強い。一方、成瀬巳喜男監督といえば派手な動きはあまりない静かな映画が多いという印象。そんな作風の違う二人の共同監督作で、オムニバスではなく一本の長編映画である。果たしてどういう出来の映画なのかと思っていたが、司葉子、山田五十鈴親子と三橋達也の三角関係と元夫(北村和夫)にストーカーされる草笛光子など話の焦点がイマイチ定まっていない部分もあり、全体としては傑作ではないが、駄作でもないという感じ。二人の監督がそれぞれどのシーンを撮影したのかはよく分からないが、とにかく司葉子の魅力が際立っていて、今まであまり意識して司葉子を見たことがなかった(主演作見るのもこれが初めて。)のだが、こんなにきれいな女優だったとは今まで気がつかなかった。山田五十鈴が包丁を握り三橋達也に心中を迫るシーンはいかに山田五十鈴が三橋達也のことを愛しているかが伝わってきて印象に残る。やはりこの二人の監督の共通点は女性を描くのも女優を美しく撮るのもうまい監督であることだとあらためて感じた。司葉子の出演作(とくに主演作)ももっと見てみたいと思った。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-08-23 20:10:00)
1170.  あじさいの歌
裕次郎と芦川いづみのコンビ作はかなり久しぶりに見たが、やはり若い頃の裕次郎はアクション作品よりもこういう文芸作品で等身大の青年役のほうが個人的には好きだ。相手役の芦川いづみはこの映画でも抜群に可愛く、美しく、彼女を見ているだけでこちらの顔が自然とほころんできて、これだけでもこの映画を見てああ良かったなと思う。劇中、芦川いづみが裕次郎に自分は世間的に見て美しいのかとたずねるシーンでは思わず見ているこちらがうなずいてしまった。それくらい本当に可愛くて美人で素敵なのだ。そんな可愛くて美しい芦川いづみを何年も自宅の外に出さなかった東野英治郎がはっきり言ってすごく羨ましい。って何書いてんだ俺。脇役陣をみると轟夕起子や殿山泰司、北林谷栄なんか出てて「洲崎パラダイス 赤信号」や「わが町」を見てる身としてはつい川島雄三監督を思い浮かべてしまった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-23 11:40:10)(良:1票)
1171.  東海道四谷怪談
四谷怪談を題材にした映画と言えば深作欣二監督の「忠臣蔵外伝 四谷怪談」しか見たことがなく、ストーリーもあまりよく知らない状態だったので新鮮な気持ちで見ることが出来た。映画としては低予算なB級ホラー映画ではあるが、それでも歌舞伎のような音楽と演出がとても効果的に使われており、溝口健二監督の作品とためをはるぐらいの映像美にもあふれ、単なる怪談映画では収まりきらないような芸術的傑作になっていて正直驚いた。中川信夫監督の作品を見るのはこれが初めてだったのだが、これ一本でじゅうぶん巨匠のひとりだと感じた。出演している俳優陣も天知茂のニヒルな伊右衛門はハマリ役だし、名前は知らないがお岩役の女優もなかなか不気味で、とくに毒薬を飲んで顔が醜く変わった直後の演技はかなりインパクトがあり印象に残る。「忠臣蔵外伝 四谷怪談」で荻野目慶子が演じたお梅は高笑いだけが印象に残るだけの存在だったが、本作では若き池内淳子で清楚なお嬢様という感じで良かった。何はともあれ、いかにも日本的な怪談映画でありながらそれ以上に日本的な美しさ、様式美を感じさせてくれる、そんな映画だった。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-08-14 15:25:27)(良:1票)
1172.  新幹線大爆破
のちにスピードが80キロ以下になると爆発する爆弾が仕掛けられる設定だけキアヌ・リーブス主演の「スピード」にパクられた(?)東映の鉄道パニック映画。「スピード」もけっこう突っ込みどころのある映画だったけど、こちらはそれ以上に突っ込みどころがあり、とくに既に触れられている方もいるかもしれないが、川くだりのシーンで待機していた刑事が偶然通りかかったジョギング中の柔道部員に大声で「捕まえてくれ」と叫ぶシーンとか絶対に有り得んと思うし、ほかにも警察の無能さをさらけ出しているシーンとかけっこう多かった気がする。それに主犯である高倉健が爆弾の図面を残していった喫茶店が唐突に火事になるのは脚本のご都合主義を感じずにはいられない。それに肝心の新幹線が模型でときどきえらくしょぼいのにも唖然。でも、そういうところを突っ込みながらも映画としての勢いはすごく、高倉健の渋さもあって最後まで飽きることはなく楽しめたし、最初に見た映画が「北京原人」だった影響で個人的にブラックリスト監督となっている佐藤純弥監督の作品の今まで見た中ではいちばん退屈しなかった。でもやっぱり「スピード」の方が好き。宇津井健は映画作品ではあまり馴染みなかったが、もう一人の主人公といえる重要な役柄である運転指令長役をとてもうまく演じていてカッコイイし、新幹線に乗り合わせた女医を演じる藤田弓子も若い。そして高倉健の別れた妻・靖子(宇都宮雅代)の苗字が「富田」。藤田弓子に加えて新幹線の運転士役で小林稔待も出ているのでなんか大林宣彦監督の「さびしんぼう」を思い出してしまった。
[DVD(邦画)] 7点(2008-08-12 17:40:17)(良:3票)
1173.  無宿
アラン・ドロン主演の「冒険者たち」を焼き直した勝新太郎と高倉健の共演作で監督は勝新が「旅の重さ」に惚れ込んで抜擢したという斎藤耕一。「旅の重さ」が瑞々しい青春映画だったのでちょっと心配だったが、大物スターの共演作で感じがちな大味感や冗長さが感じられず、逆に「冒険者たち」にもひけをとらないなかなか完成度の高い作品になっていると思う。勝新と健さんは二人並ぶとなにか異様な迫力を感じてやっぱり二人とも存在感のあるいい俳優だと思ってしまうが、やはりこの監督は「旅の重さ」でも思ったけど、今回も海や砂浜の映像が美しく、風景描写のうまい監督だとあらためて感じた。ヒロイン役の梶芽衣子は本作で初めて見た。聞くところによると、アクション映画で主役を演じていたり、東映のヤクザ映画に何本か出てるみたいだけど、この映画ではそんな感じは全くなく、全編に渡ってどこか儚げな感じでラストのあのやりきれない悲しげな表情が印象的ですごく良かったと思う。これも「旅の重さ」で高橋洋子の瑞々しさを見事に引き出していた斎藤監督の腕だろう。映画の全体的な雰囲気も「旅の重さ」同様良かった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-11 02:39:18)(良:1票)
1174.  さくら隊散る
バンツマの「無法松の一生」で吉岡夫人役を演じていた園井恵子は清楚で美しく気品のある演技で本当に素晴らしく、そんな彼女が広島原爆の犠牲者であると知ったときには大きなショックを受けたことは今でも忘れられない。さて、本作は園井恵子が所属していた丸山定夫率いる移動劇団「さくら隊」のメンバー9人が広島で被爆し、即死を免れた丸山定夫、園井恵子、高山象三、仲みどりの4人がその後発症した原爆症によってどのように死んでいったかを生前の彼らを知る俳優仲間らの証言と再現ドラマによって淡々と描き出したドキュメンタリー作品で、ある程度覚悟はしていたものの、再現ドラマ部分での被爆した俳優たちが原爆症で悶え苦しむ姿はリアルすぎて見ているこちらにまでその苦しみが伝わってきて見ているのが本当に辛かった。いままで広島原爆を扱った話はいくつか見たり読んだりしているが、原爆症で苦しみ、死んでいく姿をこれほどまでにリアルに描写した作品は初めて見たような気がするし、これまで見た原爆を題材にした映画の中でいちばん怖さを感じた映画だった。明日は8月6日、あれから63年目の広島原爆の日、そして園井恵子の誕生日でもある。あらためて「さくら隊」のメンバーをはじめとして原爆の犠牲になった人々の冥福を心から祈りたいと思う。
[DVD(邦画)] 9点(2008-08-05 19:04:17)(良:1票)
1175.  ルパン三世 sweet lost night ~魔法のランプは悪夢の予感~<TVM>
いつも期待していないテレビスペシャルだが、今回は田中美里と萩原聖人の「冬のソナタ」日本語版コンビがゲストということで、個人的に「冬のソナタ」に全く興味がないせいかいつも以上に期待していなかったのだが、前回出番がほとんどなかった不二子がちゃんと活躍しているし、五右衛門が記憶を操作されて敵側に寝返ったりと見どころもおさえられていていつも通りに楽しめた。ただ、何年か前のスペシャルでも少し気になったけど、五右衛門が携帯電話を持っているのは違和感を覚えるし、レギュラー陣の声の衰えはいつもそんなに気にしていないのだが、やはり銭形を演じる納谷悟朗の声だけはどうしても気になる。とくに今回、弟である納谷六朗演じる医者との冒頭の絡みでは納谷六朗の声が若々しいだけによけいに兄・納谷悟朗の声に衰えを感じてしまった。そんなにこの兄弟、年離れてないと思うけどこんなにギャップが大きいのはなぜだろう。 
[地上波(邦画)] 5点(2008-08-03 12:31:11)
1176.  巨人と玩具
この異様なテンションの高さは何なんだろう。とにかく巻頭の強烈な歌詞の歌からしてもうテンションが高く、映画が始まっても冒頭の山茶花究のまくし立てるような台詞回しに始まり、出てくる俳優たちがやたらとテンションが高い演技をしていて圧倒されっぱなし。そのまま最後までいってしまうのだからちょっとすごい。とくに高松英郎のテンションの高さは凄まじく、後半になって過労で吐血しているにもかかわらず、それでもテンションの高さを保っているのがすごすぎ。増村保造監督の初期50年代の作品はこれまでデビュー作の「くちづけ」と若尾文子との初コンビ作となった「青空娘」を見ていて2本ともハイテンポな展開だったけど、ここまでのテンションの高さはなかった。そんなテンションの高さを維持しつつ、現代でもじゅうぶん通用するような社会風刺劇としての面白さがあり、増村監督のパワーを感じさせる作品になっている。普通の女の子から大スターになるヒロインを演じる野添ひとみも明るい元気娘という前半の感じから、後半のワールドキャラメルを離れた後の少しタカピーな感じまでうまく出していて素晴らしい。彼女がステージで歌い踊っているシーンがやや悪趣味なのが増村監督らしい。先週見た「妻は告白する」のような深みはない作品だが、これもなかなかの傑作だと思った。
[DVD(邦画)] 8点(2008-07-24 17:28:08)
1177.  青空娘
若尾文子といえば落ち着いた上品な大人の雰囲気が漂う女優、あるいはちょっと小悪魔的な魅力を持つ女優というイメージがあるのだが、増村保造監督との初コンビ作となる本作では、そのイメージとは違う明るく元気なヒロインを演じていて、川島雄三監督の「しとやかな獣」や「女は二度生まれる」でも印象的だった彼女だが、ここまで爽やかで清潔感溢れる魅力を感じるのは初めてだ。映画の面白さや完成度としては確かに「しとやかな獣」や「女は二度生まれる」、同じ増村・若尾コンビの作品なら「華岡青州の妻」のほうが上だと思うものの、この映画の若尾文子の明るい魅力にはとにかく「やられてしまった」という感じですごくかわいい。そして映画としても増村監督らしいハイテンポな演出も見ていて心地よく、軽い仕上がりになっていて、とても見やすく楽しいものになっている。脇のミヤコ蝶々や南都雄二もいい味を出していて楽しいが、とにかく本作「青空娘」は、何度も同じことをいうようだが、若尾文子、若尾文子の魅力に尽きる映画だ。
[DVD(邦画)] 8点(2008-07-08 20:38:26)(良:2票)
1178.  人間の條件 第六部 曠野の彷徨
泣いても笑ってもいよいよ今回で最後となる第六部。今まで第一部から第五部まで中たるみなく高い水準の完成度を維持していただけにここの評価を見てちょっと心配だったんだが、今回はクライマックスの梶が美千子のことを思いながら彷徨しているシーンは今まで辛かった分、よけいに梶に感情移入できて素直に感動した。梶に語りかけてくる美千子の声(幻聴)も涙を誘い、思わず、今までよく頑張ったなと梶に思わず声をかけたくなる。そしてこのシーンは今まで梶を演じてきた仲代達矢ももうこれ以上の芝居は出来ないのではないかという名演技で非常に素晴らしく、雪の降る中、梶が倒れるラストシーンでは鳥肌が立った。しかし、今回、不満がないわけでもない。2番の方が書かれているが、彷徨シーンの途中に出てくる饅頭屋のシーンはやや唐突に感じられるし、幻聴として梶に聞こえてくる美千子の笑い声がちょっと怖かった(さっき書いたように語りかけて来る声は涙を誘うのに。)のがちょっと残念。とはいえこの「人間の条件」という六部作にも及ぶ作品全体の感想としては、これを超える戦争映画は二度と出ないのではないかというほどのすごい名作だと思う。この第六部に対してというより、シリーズ全体に対しての評価としての9点。
[DVD(邦画)] 9点(2008-07-03 00:08:13)
1179.  人間の條件 第五部 死の脱出
いよいよ物語も大詰めの第五部。敗残兵となった梶たちが避難民である民間人たちとジャングルをさ迷い歩くシーンをはじめ、岸田今日子演じる竜子の無残な最期など壮絶な展開ばかりで見ていてかなり辛いものがあった。今回は梶はただ美千子の元へ生きて帰ることだけを考えていて、その気持ちはじゅうぶんに理解できるのだが、そのためには人殺しも厭わなくなっており、第一部からずっと見ていると別人のようである。こうなるとちょっと今回の梶の苦悩というのは理解しがたいものになってしまい、もし、梶と再会した美千子がこれを知ったらどう思うだろうなどと考えながら見ていたらまた辛くなってくる。下にも書かれている方がいらっしゃるが、戦争は人を変えてしまうということがこの「人間の条件」という作品の最大のテーマ、メッセージなのではなのかと思える。そんなこの回において唯一の救いと言えるのは中村玉緒演じる少女の健気な笑顔であるが、ラストの桐原の一言はその彼女に強姦をしたというのが、リアルに想像できて怖かった。次で最後だ。
[DVD(邦画)] 8点(2008-06-24 23:47:49)
1180.  娘・妻・母
オールスターキャストによる成瀬巳喜男監督のホームドラマ。原節子と高峰秀子の共演が見ものなのだが、原節子は「青い山脈」や「お嬢さん乾杯」に比べて少し老けたという印象があるものの、それでも美しさは感じられる。それに対して高峰秀子は精彩のない役で今作では夫婦役で共演している森雅之との「浮雲」コンビもなんだか見ていて物足りない。また映画全体の出来としてもオールスターということが影響しているのか平凡な印象が残るし、明らかに顔見世程度の出演者がいるなど不満も多いが、ラストの三益愛子と笠智衆の公園でのシーンが不思議な余韻を残していて良かったので甘めに7点。杉村春子がまたも嫌味たらしい姑役で出ているが、その嫌味ぶりがなんだか見ていて笑える。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-06-21 16:16:54)
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