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奥州亭三景さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 826
性別
メールアドレス sankei_o@olive.freemail.ne.jp
自己紹介 あたしは見ている映画は数あれど、
思い出せずにREVIEWが出来ません(笑)
我が心の師である、淀川長治氏の”愛ある批評”を目指していますが
ストレスが溜まってるのか、最近は毒舌が多くなりました(笑)
そんな愉快な奴ですが、お見知り置きを

好きな映画ジャンル
 戦争映画、コメディ映画、ドキュメンタリー映画
 スポーツ映画、実話系映画、

苦手な映画
 スプラッタ系ホラー映画
 (子供の頃に失神して以来、トラウマなんです)
 最近のハリウッド系映画

”特に”好きな映画監督
 チャールズ・チャップリン、黒澤明
 80年代前半までのスピルバーグ、ジョン・ランディス
 マイケル・ムーア、井筒和幸、大林宣彦

好きな役者
 懐かしい名前しか出てこないので書きません(笑) 

好きな映画評論家
 淀川長治(本当に評論家の究極な方でした)
 荻 昌弘(視点と分析力、好きな映画への熱弁が素敵な方でした)


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121.  恋愛戯曲 -私と恋におちてください- 《ネタバレ》 
面白い脚本だとは思います。ただし鴻上尚史はやっぱり映画監督というよりも、舞台演出家って感じが強いですね。物語の中で物語を想像するという演出はある意味「インセプション」に近い感覚にあると思うのだけど、その想像が非常にベタな舞台という演出になっている所で、苦笑しか出てこなくなるんです。多分、舞台だと演じている場面と想像している場面が同一線上に置かれるから、そういう事は無いと思うのだけどね。実際の脚本を書いている機械にMacBookProを使って、その脚本内で脚本家が使っているのがMacBookなんていう小ネタをはさんでいる余裕があるのなら、もっと他にエネルギーが使えたんじゃないかな?出ている役者も、設定されている範囲内で非常にいい演技をしていると思うけど、それ以上が見えてこないという事を考えると、これはやっぱり舞台の方が映える脚本ではないでしょうか?映画にするうえでは、もう少しこうした部分に配慮が必要だった気がします。
[映画館(邦画)] 5点(2010-10-15 19:48:18)
122.  オカンの嫁入り 《ネタバレ》 
いわゆる、家族・人情物の映画なんだと思うのですが、基本的に泣かせに行かないのが良かったのではないかと思いますね。その意味で、個々の役者がみんな上手い具合に嵌るような演技をしているので、それがこの映画の妙なのかな。前々から注目してたのだけど、桐谷健太は本当にいい役者になりましたね。ある意味どんな役でも嵌ってしまう器なのかもしれないですね。大竹しのぶや宮崎あおいの演技を賞賛する人は多いと思うけど、桐谷がこの二人を引き立てるような演技をしっかりしているから演技が映えるんじゃないかな、と思う次第です。 残念なのは、脚本や演出が非常に雑なんじゃないかな、と思った事ですね。月子がPTSDになっているというのを見せるのに、障害の状況を映像で表現しながら回想に持っていく訳なんだけど、はっきりいって上手くいっているとは思えませんでした。それとやっぱり原因となった同僚に対しての会社の対応があまりにも不自然なんです。サラリーマンの経験があれば、こういうのはすぐに気が付くはずなんだけど、映画ではそのまま流されてしまっている訳です。こうした部分をもっと丁寧に作ってあげれば、映画の内容自体は至極まっとうな良い映画だと思うけど、そうなってなかったのが残念です。
[映画館(邦画)] 6点(2010-10-04 12:46:49)
123.  君に届け 《ネタバレ》 
原作の9巻ぐらいまでの重要な部分を纏めたシナリオになっているという感じですが、役者は頑張っていたと思います。風早と吉田を除けばキャスティングも非常に原作の漫画のイメージに合っていたと思うし(三浦春馬よりも真田龍役の青山ハルの方が風早みたいな爽やかさがあったんじゃないかな? それに吉田役の蓮佛美沙子は可愛すぎ(笑)、もっと線の細い、目のキツメな感じの方が役としては良かったと思う・・・結果的には楽しんでたけど(爆))、多部に関しては演技の掴み方がちょっと危なっかしい感じはあったものの、要所で間の取り方とか表現力があって良かったね。ピン役のARATAも怪演していたし、雰囲気が原作とは全く違うのだけど、父親役の勝村政信とか富田靖子も非常に良かったです。 但し、シナリオは詰め込み過ぎって感じですね。約10ヶ月を2時間ちょっとでやるって言うのにはちょっとイベントが多くて、その結果としてひとつのエピソードが非常に希薄になってしまうという問題があります。 「君に届け」というタイトルは、最後の風早の言葉へのフックというだけでなくて、それぞれのエピソードに必ず入っているのだけど、丁寧に描かれていないから、折角の思いが希薄に見えてしまうんです。 個人的には原作で一番好きな爽子・千鶴・あやねの3人の仲が結実する話は3人が自発的に行動に出る事に大きな意味があって、爽子のピンチに風早が2人に声を掛けて・・・という流れは、話の意味が大きく変わってきてしまいます。時間の都合もあるだろうけど、このエピソードの流れに使った時間とカットを考えると、十分に表現できる時間はあったと思うので、何を丁寧に描くかが原作をキチンと汲み取っていないんじゃないかと思う訳です。 クライマックスのクリスマスから大晦日までの流れは時間的に仕方ないかなって気がします。でも折角の爽子の誕生日というフラグが立ててあったにも拘らず、完全に忘れられてる感じは残念でしたね。 それ以外にも、肝試しのシーンで両手を陰にかざしてみたいな演出とか、明らかに光量の多い場面を使ったというのがやっぱり変ですね。だって「リング」を知る世代な訳だし、爽子自身もどうやれば皆が怖がってくれるかを考えていた筈なんだから、あれは不自然過ぎなんです。どうも、脚本を作る事が優先されて、物語の扱いについて、キチンと考えたとはお世辞にも思えなかったようにしか見えないのが非常に残念ですね。
[映画館(邦画)] 6点(2010-09-30 12:45:54)(良:1票)
124.  私の優しくない先輩 《ネタバレ》 
あたしの個人的な感想としては「まだ、その域に達していない」かな。 (分かる人だけ笑ってくだされば結構です) ヤマカンのやりたいことを理解している訳ではないけど、彼自身が「”アイドル映画”として作った訳では無い」というのであれば、そうなんでしょう。でも、完全にそう見えてしまうんだよね。その時点で内容の如何に関わらず、監督の作為が伝えられていないのだから、それは失敗だよね。公の場でそれだけキチンと発言をするのだから、そうした意思を映画で見せることが出来ないという時点であたしは評価を下げました。内容的には面白いと思いますよ。一人称で高いテンションでの独白と、如何にも”低予算で作りましたよ”感たっぷりの荒さの残る映像やフレームワークは、非常にあたしの好みでもありますから。でもね、本人は意識していないかもしれないけど、大林宣彦、相米慎二とかいった監督のアイドルを起用した映画のオマージュとも取れるようなカットが随所に出てきて、自分の映画として昇華されてればまだしも、そうなっているとは思えない部分が多いんです。多分、その結果が”アイドル映画”に見られるという事なんだと思うんだよね。 役者に関してもみんな良くやっていると思いますが、金田の演出はあれで良かったのかなぁ?とちょっとだけ疑問でした。先輩の気持ち悪さを表現するのに、金田の芸人としての動きをそのまま使うって言うのは、演出として完全に敗北宣言してるって事じゃないかな?あの動きをしている事で、金田のファンは満足かもしれないけど、あたしはそういう動きは芸だけにして欲しかったですね。 ヤマカン自身は乗り気ではなかったらしいけど、エンディングの出来が一番良かったんじゃないかな?「鈴宮ハルヒの憂鬱」のエンディング、「らき☆すた」のオープニング、「かんなぎ」のオープニングと、ちゃんとここだけが演出として成立してる気がするんだよね。 まぁ、このエンディングが一番評価されるって所が、この映画の評価なんじゃないかな。
[映画館(邦画)] 5点(2010-09-28 12:37:05)(良:1票)
125.  恋するナポリタン 〜世界で一番おいしい愛され方〜 《ネタバレ》 
内容的にどこかで見たな、という感じがたっぷりのファンタジーです(あえて名前は挙げないけど)。ひねりがあるのかと思ったら殆ど直球勝負でしたね。マキダイの演技は非常に微妙です。多分1人で2役という事で、声の高低と表情で演技を変えていたと思うのだけど、それが返ってうそ臭くなるんです。表情で変えるのでなくて、言葉の言い回しやイントネーションの置き方、間の取り方で十分それは伝わると思うのだけど、なんでそっちの方向で持っていかなかったのだろう?演出の意図なのかな?だとすれば演出のミスだし、そうでなければ役者の表現下手って事になります。どちらにしてもあまりいい事では無いと思います。あと、演出が非常に下手だと思いました。多分、分かりやすくする為なんだろうけど、見ていて物凄く不自然なので、ちょっとどうかと思います。 
[映画館(邦画)] 6点(2010-09-27 12:47:03)
126.  カラフル(2010)
予備知識全く無しで観ました。 シナリオ的に非常に判りやすいですね。判り易すぎて、先の展開が全部読めちゃったけど、逆に言うと、かなり先の展開に繋がる前振りが判り易くされていて、その意味では非常にテンポ良く、感情が移入しやすいって事なんだろうね。 多くの人が号泣していた《僕》の激白するシーンなんだけど、あたしはこれが全然泣けなかった。なんか、泣くっていうのは違う気がするんだよね。見栄えとして、あそこは確かに泣けるシーンなのかもしれないけど、実際にはあの場面は《僕》が何で死んでしまったのかというのが端的にわかる場面で、同時にそれは《僕》が真の体から離れなければならなくなるもしれないという場面である筈なのに、そうした気持ちは全く表現されないまま、ラストに向かって行くという事に気が付いてしまったので、中途半端な気がして泣く人が理解できなかったんだよね。 そういう理解をしてしまうと、本当の意味で感動しなくてはいけないのは、ラストだとしか思えなかったのだけど、感情の高ぶるシーンがあの激白のシーンでピークに達していたから、ラストのテンションは思いっきり低くて、そこそこの感動は得られたけど、泣くまでに至らなかった。その辺が非常に勿体無かった感じはします。 役者に関しては南明菜の評価が高いみたいだけど、あたしはあの一本調子の感情表現しか出来なかったのが非常に引っかかりました。もうちょっとまともな役者が居なかったかと。逆にかなりどもる役の宮崎あおいの方が良かったですね。こんな奴いねーよという声も多いかもしれないけど、実際にそういう子になかなか気が付かないというのが現実としてある訳で、実はこれが非常にリアルかな、なんて思って観ていました。あと狂言回しであるプラプラに関してはちょっと違和感を感じました。関西弁のイントネーションを使うのに、台詞の殆どが標準語表現なんだよね。これが意図的なのか、単に脚本の言語指導の不足が原因なのかが判らないんです。なんか狙っている風にも感じるし、そうでない感じもあるし。もしかして、こう悩ませるのが意図なのかな? 何れにせよ、同じ原作付きでも、いろんなものを盗んで生活する小人の話に比べれば遥かに良いです。
[映画館(邦画)] 7点(2010-09-27 12:30:49)
127.  悪人 《ネタバレ》 
なんだろう、面白く観られたのだけど、なんか腑に落ちない感じが残りました。多分、主題は「犯罪者だけが悪人なのか?」という事なんだと思うのだけど、結論は出さず仕舞いだよね。この手の映画はこうした問いかけであっても良いと思うのだけど、そうした場合、エンターテインメントとしては物凄く中途半端になるのも事実な訳で、これはまさにその意味では中途半端なんですよ。主人公に最後に言わせる言葉がまさにそれだと思うのだけど、そうなるとあのクライマックスの勢いって一体何なの?と疑問を感じざるを得ない訳で、物語全体で折角主題を盛り上げた所で台無しにしている感じが結構しました。物語上何の罪も負わされてないけど、被害者を山中に放置したボンボンだって、十分に障害や誘拐で引っ張ることも出来る筈だと思うのだけど、何もされてないしね。そう考える、脚本にちょっと問題があるのかもしれないですね。 演出面も残念だったね。ラストで沢山の警官が犯罪者の居る灯台に押しかけるときに、江戸時代の岡っ引きではないのだから、御用提灯よろしくあんなに目立つように押しかけちゃ駄目でしょ。そもそも、なんであの場所が急に判ったのかも理解できないし、この結末もそうなんだけど、容疑者捕まえるのは良いとして、一緒にいる人の保護がないがしろにされていたり、不自然な部分が結構多いです。 出演者については良かったですね。深津ばかりが今回スポット浴びちゃったけど妻夫木も悪くなかったし、細かい所で脇を良い演技していた人が多かったよね。バスの運転手がマスコミ怒鳴り散らす様と、その後、容疑者の祖母に励ましの声を掛ける部分は地味だけど、地味だからこそカタルシスになっていて、それを引き出せたのはやっぱり役者の力が大きいと思います。
[映画館(邦画)] 7点(2010-09-17 15:25:18)
128.  必死剣 鳥刺し 《ネタバレ》 
久々に重厚な時代劇を観た気がします。レビュアーの皆さんが驚いているように、池脇千鶴が妙に綺麗に見えるんだよね(物凄く失礼)。最近数本彼女の出演している映画を観ていて、そのギャップあるかもしれないけど、こういう演技が出来るんだ、と変な関心をしてしまいました。 トヨエツは本当に上手いと思う。こういう表現は変かもしれないけど、侍の姿にじわりにじみ出てくるような色気みたいなものを感じるんですよ。「七人の侍」の時の木村功みたいにね。今の若い役者ではこういうのがホント居ないんですよね。だから、多少ヘンなのだけど吉川が面白い具合に引き出されてくる。これはキャストの妙なのかもしれません。 あたしは原作読んだ事がないので内容は全く分からなかったのだけど、ちょっと演出とキャスティングの面で結構先読みが出来てしまう感じがあったので、ちょっとガッカリでした。岸辺一徳と小日向文世の役は逆転していた方が最後の最後まで緊張を維持できる良い映画になった気もします。
[映画館(邦画)] 8点(2010-09-15 12:34:14)
129.  東京島 《ネタバレ》 
面白い。けど、かなりシナリオというか、設定に大きな穴がある。いや、こういう映画でそうしたアラ探しをしてはいけないのかもしれないけど、やたらと気になっちゃったからね。ラストで東京島を脱出したときに、なんで東京島の探索をその後でしなかったのかとか、そもそも東京島って日本近郊の島であるのに、知られてない筈無いよなぁ、とか。折角面白い内容なのに、そうしたところには微塵もケアされていないっていうのがどうしてもわからないんだよね。 役者はそれぞれ個性的な演技が出来ていて良かったのだけど、窪塚のちょっとぶっ飛んだ感じの役って良い加減パターン化してきてる気がする。もうちょっと演技に幅がある役者だと思っていたのだけど、何かを踏み外してしまったような感じがあるんだよね。
[映画館(邦画)] 7点(2010-09-04 15:42:17)
130.  さんかく
面白いのだけど、なんか腑に落ちない。 メインの3人は物凄く良いのだけど、脇がグズグズで、もうちょっとこの辺を何とかしたら名作にもなり得たと思うのだけど、ちょっと中途半端かな。シナリオ的には最初の数十分を見てしまって後半が予想出来ちゃうほどのペラペラ感があります。まぁ、これが現代の若者の感覚や感情にマッチするって事なのかな?役者的には小野恵令奈って言うんですか?あの妹役の子は。演技は兎も角、中途半端な美人って感じがとても子供っぽくて良かったと思います。演技の面では高岡蒼甫と田畑智子がちょっと今まで観た事の無い様な演技で非常に良かったと思います。
[映画館(邦画)] 6点(2010-09-04 15:25:24)
131.  ハナミズキ
テレビ局が広告収入だけではやっていけなくて、作っちゃったという匂いのプンプンする映画ですね。歌ありき、役者ありきで作っているから、中身がカスカスになっちゃってるというのが痛々しくて、かなりツッコミどころが満載ですね。出会い、別れの繰り返しも、盛り上がりを見せる場所が皆無で、淡々と話が進行していくっていうのは2時間以上映画としてはある意味苦痛じゃないかな?物語も、進行していく傍から先の展開が読めてしまうという親切さなんだけども、その極め付けが主人公の先輩だよね。 木村祐一は西の方言以外はやらせてはいけないという事が良く判ったのが唯一の収穫かもしれないですね。 映画自身にはちょっと評価は付けられないですね。ガッキーの可愛さと、出演者の演技の頑張り分に得点かな。 本当に良い映画でした、どうでも。 
[映画館(邦画)] 2点(2010-09-04 14:59:48)
132.  SR サイタマノラッパー 《ネタバレ》 
長編自主制作映画としてはあたしの見た中では久々のヒットかなぁ。 最初はかなりだらだらとした進行で、心配したのだけど、TKDのサンプル曲が流れるあたりからグンと映画に引き込ました。ラストのライムバトルは本当に凄かった。ラップ自体あまり詳しくは無いのだけど、そんなあたしが素直に感動してるんだよね。やっぱり、日本語でラップをする方が言語的に素直に心に響くのだろうね。この感覚って同じラップを扱った映画「8マイル」では味わえなかったので、物凄く良いと思いました。  
[DVD(邦画)] 7点(2010-08-11 12:41:22)
133.  FLOWERS フラワーズ 《ネタバレ》 
全体的に良く纏まった映画になっていたと思います。4つの年代を跨いで3世代6人の女性を追うという作りは、面白いと思うし、全体の話で世代を繋いでいくという、大きなテーマ性を持たせたのも良いと思います。但し、難を言わせて貰えば、各年代を映像化する際に、いかにも当時のフィルム風を装う必要性が全くあたしには分からず、むしろそれが、非常に作り物感を産んでしまった気がしてなりませんでした。ああしたフィルム感って単に現代人がノスタルジックな感傷に浸る為の手法でしかなくて、その時代を生きた人の色が強く出てこないという気がするんです。 それと、昭和39年の3姉妹なんだけど、そこには姉妹以外の家族が出てこないのが引っ掛かりましたね。それと現代でその長女と次女が出てこないのも、ちょっと気になりました。映画的な配慮だとは思うのだけど、観てる側からすると気になるんですよね。 エンディングで5人の女性のその後を追っているから、その辺の配慮は要らないのかもしれないけど、それは映画的に綺麗に終えているだけで、物語的には単に希薄な部分をさらけ出している気がしてなりませんでした。
[映画館(邦画)] 5点(2010-07-26 12:43:36)
134.  春との旅 《ネタバレ》 
いやー、完全にやられました。期待してなかった分、観た時の凄さがあります。 出ている役者は、ヒロインを除けばみんな名優で、役者の演技が全てという感じの映画でした。 仲代達也は勿論、それ以上に凄いなぁ、と思ったのが大滝秀治と香川照之の演技、 出てる時間なんて、二人とも10分も無いのだけど、仕草で演技をして見せるんだよね。 あれは凄いと思う。 引っかかったのは、ヒロインのガニマタの演技と撮り方と音楽かな? どうも監督の作意があったみたいなんだけど、作意以上に障害でも持っているとしか見えない様な演技で、でもそうした物を感じさせる描写や表現が全くされないので、変な演技だけが強調されて見えてしまった気がします。あれじゃ徳永えりが可哀想だったかな。 また、やたらと望遠レンズで撮っているのだけど、あれに何の意図があるのか分かりません。特に長男の家に行った時ね。カメラをパンして兄弟二人の会話から、兄の妻と弟の孫が別の部屋で、という撮り方なんだけど、変な間なんですよ。部屋を移動するとか、長回しの一発撮りという計算もあっての事なんだろうけど、無駄に間延びさせるだけで、そこにあまり効果があるとは思えないんですよね。 また、オープニングからかかる曲なんだけど、あれどう聴いても「Somewhere out there」(「アメリカ物語」の主題歌)の音を若干変えてるだけにしか聞こえない。 エンドクレジットにも無かった様なので、オリジナルというのであれば、非常に問題があると思います。この点が明確にクリアにならない限り、出来るだけ多くの人に見ていただきたいけど、ちょっと高い点はあげられません。(配給会社から連絡来ました。音楽は全くのオリジナルとの事。訴えられても文句は言えそうもないけど・・・) 
[映画館(邦画)] 5点(2010-07-26 12:39:30)
135.  借りぐらしのアリエッティ 《ネタバレ》 
まぁ、最近のジブリ作品の中ではかなりまともな部類ではないかと思います。昨今の映画はやたらとドラマチックに作ったり、展開を面白そうな方向に持って行きがちなんだけど、借りぐらし達の生活や掟がどんなものなのかというのを表現するだけで、十分にドラマチックだと思うし、余計なものを展開させなかったというのはあたしは正しかったと思います。終わりかたやアリエッティと翔の思想の違い、お手伝いさんの行動について、あたしはあの違和感、不快感、不一致さというのを見せる事が大切な気がしますし、そうあるべき物語ではないかと思いました。  スケール的なリアリティというのが、あまりこのアニメには無くて、人間の大きさのリアリティだったり、小人の大きさのリアリティだったりと、かなりちぐはぐで、更に言えば、昆虫やカラスといった動物達のデフォルメの具合もバラバラで、物語の比重をリアリティに置きたいのか、ファンタジーっぽくしたいのか、とにかく中途半端な印象しか受けませんでした。  多少こうしたものには嘘があっても、それは見ている者のフィルタリングで解消されるものだけど、さすがにあれだけ中途半端にされてしまうと、ちょっと反応にも困りますね。例えば、アリエッティが泣くと涙が表面張力で大粒になって落ちるのだけど、そもそも物理的にあれだけの涙が何処から生まれてくるのかが分からないし、あれだけ泣いたら、アリエッティは脱水起こすしますよね? 別にああいったシーンでは、泣くと言う姿を見せるだけ良くて、ヘンに拘ったりすると、感情の持って行き方も中途半端になってしまい、なんともいたたまれないので、返って内容自体の面白さを失わせる要因になっていないかな、とも感じました。   それと、あたしは非常に気になったのだけど、日本を舞台にしておきながら、古くから居る種族の筈なのにアリエッティというイタリア系の名前っていったい何故?という至極当然な疑問があったりします(笑)。名前だけの話でなく、借りぐらしの生活スタイルが、現代日本の生活様式や古式日本の生活スタイルでもなくて、欧州風であるのは間違いないし、この物語自体の内容を考えても、舞台設定を日本にする必要性が全くありません。脚本も演出も変なところしか見えなかったですね。あたしが好きな部類のドラマだからこそ、返って魅力以外のものが沢山、見えてしまった気がします。
[映画館(邦画)] 5点(2010-07-21 17:58:17)(良:2票)
136.  孤高のメス 《ネタバレ》 
最近の医療系ドラマってどうもドラマ性を強くしてるきらいがあって、あたしには少々抵抗感があったのだけど、この映画に関しては、かなりドラマ性をそぎ落としているという感じがしました。勿論、最小限のドラマ性を組み込んではいるのだけど、かなり淡々としていて、実録モノに近い雰囲気を出しているので、かなり引き込まれて観る事が出来たと思います。手術シーンの撮り方が面白かったですね。普通のドラマなんかだと、役者のアップが多く入るのだけど、この映画は全体的に引き気味で撮ってたり、手先を撮っていたりするので、その部分でも、目新しかったのかもしれません。残念なのは市長役の柄本明が前半ちょっとオーバーアクト気味だったかな?全体が結構重厚な作りになっているのに、彼の演技でちょっと作り自体が勿体無いことになった気がします。多分、ギャップを感じさせたいという製作の思惑で、意図的にさせた演技なんだろうけど、柄本ぐらいの役者であれば、もうちょっと自然な演技をさせても、ギャップを演じさせることが出来たんじゃないかと思うんですよね。
[映画館(邦画)] 9点(2010-07-12 01:55:22)
137.  告白(2010) 《ネタバレ》 
内容的にかなりハードな映画で、テレビCMみたいに気軽な感じで「なんてね」なんて絶対にいう事の出来ない内容だと思います。手法としては数幕ものの舞台を見ている感覚ですね。それはそれで悪くないと思います。原作を上手く映像に出来たんじゃないかと思えましたからね。 但し、若干の難点を言わせていただければ、かなり設定に内容に無理や甘さがあるのは否めません。あんな古典的な、おもちゃで賞なんて取れねぇよ!(あのくらいのおもちゃは、簡単な知識さえあれば、小学生にだって出来てしまう)とか、一度解除してしまった爆弾を再度利用するとか、あの規模の爆弾で建物があんなにはならないとか、ツッコミどころが非常に多かったりしてね。結構重要な部分であるだけにあれは無いよなぁ、と映画を観ているテンションを下げてしまうシーンでした。 あと、あのCGの使い方、あれは無いよなぁ。終盤のシーンで爆発のシーンを叙情的に表現したかったのかもしれないけど、あそこだけ、間延びしてるんだよね。時間の長さと感情がイコールであるというのを表現したかったのかもしれないけど、見てるあたしが"長い"と感じてしまったので、あれはもうちょっと抑えるべきだったかな、と。
[映画館(邦画)] 10点(2010-07-12 01:51:48)
138.  ヒーローショー 《ネタバレ》 
井筒監督がアメリカン・ニューシネマが好きなのは良く知ってたけど、これはその意味でよく出来た和製”アメリカン・ニューシネマ”ですね。 変な話なんだけど、見終わったときに「俺たちに明日はない」と「ダーティー・メリー・クレイジー・ラリー」を思い出したんですよ、なるほど、井筒監督作品に無くてはならないバイオレンス、セックス、アンチヒーロー、反社会性というのはアメリカン・ニューシネマが原点なんだな、と。そう考えると、井筒監督が興したと云われる、ヤンキーを扱った映画というのは昨今のヤンキー映画とは全く意趣が違うんです。単純に暴力を描いた映画ってのが昨今ではポンポンと出てくるけど、明らかに性質の違う映画であるというのを実感させられた想いがあります。  それと、いつも思うのだけど、井筒監督っていうのは、若い役者の使い方が本当に上手いです。多少オーバーアクトになってる所もあって、それがなんでもないシーンだと現実に引き戻されてしまうのですが、バイオレンスシーンで起きていることが多くて、その場合、狂気との相乗効果を生み出しているんだよね。あたしがバイオレンスシーンを苦手としているのはやたらと血が飛び散るとか、痛そうとかそういう部分にあるのだけど、この映画に関しては痛そうとかいうのもあるけど、それ以上に本当に怖いんだよね。絶対にあんな目には遭いたくないと思わせる部分が強いんです。観ていてそういう気持ちになれば多分、監督の思惑通りの反応なんだと思います。  起承転結がきっちりと決まっている映画に慣れていると、この映画っていうのは表情に衝撃が走る(というか、辛い)かもしれないです。とにかく最後の最後まで救いの無い映画だから、ジャルジャルが主演という理由だけでこの映画を観に来たジャルジャルのファンは、多分、とんでもない映画を見せられた(騙された)と思うだろうね(笑)。 色々な意味で物凄く好き嫌いが分かれる映画だと思います。でも、この映画に関して言えば、それでいい映画ではないでしょうか? あたしはバイオレンスものは苦手としてるのだけど、それでも見てよかったと思える様な映画でした。 アメリカン・ニューシネマファンなら絶対にオススメします。
[映画館(邦画)] 10点(2010-07-12 01:48:12)(良:1票)
139.  書道ガールズ!! -わたしたちの甲子園- 《ネタバレ》 
 どうも、こういう学校をネタしたクラブ活動青春モノが増えているのだけど、うーん面白いとは思うのだけど、ちょっとパターン化してしまって、飽きがきてる感じがします。シナリオも、強引な所やツッコミを入れたくなるような所が随所にあります。  役者的には成海璃子が注目されてたみたいだけど、成海璃子は現代風の美人ではなくて、ちょっと骨格がしっかりした昔風の美人の趣きがあり(松たか子が同じ雰囲気を持ってますね)、役自体があまり可愛げの無い役なので、仕方が無いと思いながらも、十分に彼女の可愛さを生かす様な事が何処にもされてなくて、勿体無い気がしました。こういう役の場合、何処かで一瞬でも可愛さを見せるカットを加えてれば、もっと良かった筈なんだけどね。あたしとしては高畑充希のややオーバー気味ながらも、自然な感じの演技と、金子ノブアキの物凄く肩の力が抜けたような演技が非常に良かったと思いますね。  一番問題かな、と思ったのは、書道部の男子3人の扱いかな。終始ボケ役で扱われていて、可哀想とか思う以前に、映画のキャラとしての希薄さがあまりにも強くて、物語上の必要性を感じないんですよ。敢えて言えば
[映画館(邦画)] 7点(2010-07-12 01:46:09)
140.  てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~ 《ネタバレ》 
実話を基にした映画って事で、どんなもんかな?と思いながら観ました。 物語としては、10年間くらいの話なんだろうけど、それにしては主人公の二人が 歳相応には見えなかったし、見せる努力もしてない気がしました。 だから、実話なのに、あまり説得力を感じないんですよ。 それと、ステロタイプで登場する銀行員とか投資家、大学教授なども 物凄く胡散臭くなってしまっている。短い時間で分かりやすく表現するという意味では 間違ってないと思うけど、その為に説得力が無くなってしまっては本末転倒のような気もします。 役者的には岡村も経験はあるとは言え、慣れない主役という事で、 仕方ない部分があるにせよ、そこそこしっかりとした演技をしてますね。 脇を固める役者も面白い演技が出来ていて悪くなかったと思います。 物凄く惜しいと思ったのは、要所でギャグを入れてたことかな。 こうした実話ものでクスっと笑うような笑いはあっても、物語の間になるので、物語を邪魔する事は少ないと思うのですが、この映画の場合は、フリがあってボケるという完全なギャグが結構使われているのですけど、こうしたギャグって、物語を断ち切ってしまう印象が強くあります。 折角のいい話なのに、変な笑いで流れを壊してしまうようなギャグはこういった実話を扱う映画ではちょっと向かない気がします。 
[映画館(邦画)] 6点(2010-07-12 01:44:03)
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