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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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41.  ジョン・F・ドノヴァンの死と生 《ネタバレ》 
彼の名は、ジョン・F・ドノヴァン。数々のテレビドラマや映画に出演し、多くのファンを得ていた人気俳優だ。だが、順風満帆だった彼の人生はある日、一つのスキャンダルから転落の道を歩み始める。出演予定だった映画は全て降板、酒に溺れた挙句暴行事件を引き起こし、やがて自宅の浴室で死体となって発見されるという最悪な結末を迎えてしまうのだった――。そんな彼は生前、英国に住むある無名の11歳の少年と文通をしていた。シングルマザーの母とともに貧しい生活を送る少年ルパートが何気なく書いたファンレターに、ドノヴァンが返事を書いたのが始まりだった。以来彼とルパートとの文通は100通以上に及び、お互いの何気ない日常や鬱屈した想いを赤裸々に書き綴っていた。それも彼の死で終わりを告げたはずだった――。時は流れ、彼と同じ新進俳優となったルパートはそんな彼とのやり取りを綴った本を出版する。それは各方面で話題となり、幾つものインタビューの依頼が舞い込むことに。取材の場となったプラハで、彼は語り始める。ジョン・F・ドノヴァンとの濃密な交流といじめられていた幼き日々、そして衝撃的な彼の死の真相を……。カナダの俊英グサヴィエ・ドラン監督が、少年時代に憧れの存在だったレオナルド・ディカプリオに手紙を書いたという思い出を基に描くミステリー・ドラマ。物語は、主人公であるルパートが彼と手紙のやり取りをしていた少年時代と、大人になり彼と同じ俳優となった現代、そして虚飾に塗れたハリウッド・スターの内幕を相互に行き交いながら進んでゆきます。そういう複雑な構成のお話なのに、分かりやすく整理された脚本と全編に散りばめられた幾つもの謎によって、最後までぐいぐい引き込ませるのは監督の高度な演出力によるもの。率直にこの監督の才能は確かなものだと思います。張られた伏線を最後に全て回収する鮮やかな手腕も知的でアイロニカルに満ちた会話も、そして気品のある美しい映像も…。でも、僕は個人的にいまいち嵌まれませんでした。なんだかこの監督って、自分の才能に凄く自信があるんでしょうね。例えば、少年時代の主人公が雨の降るロンドンで母親と再会を果たすシーン。急にスローモーションとなって抱き合う親子に流れる、女性ボーカルの「スタンド・バイ・ミー」。確かに凄くセンス溢れる美しいシーンだとは思うんですよ。でも、僕は素直に感動するより先になんだかこの監督の、「どうだい?俺の感性ってお洒落で新しいだろ」とでも言いたげなドヤ顔が透けて見える気がします。いわゆる、鼻につくってやつです。全編こんな感じで、僕は素直に楽しめませんでした。僕にとって、「その才能は充分に認めるけれど、いまいち好きになれない監督」がまた一人増えたようです。
[DVD(字幕)] 6点(2021-06-03 05:30:18)(良:1票)
42.  僕たちのラストステージ 《ネタバレ》 
1930年代、その飄々としたキャラクターとナンセンスなギャグの数々で人気を博したお笑いコンビ、ローレル&ハーディ。何本もの映画に出演し、舞台は軒並み大盛況、チャップリンやキートンと並び称された彼らも時代の流れには逆らえず、1950年代にはすっかり落ち目になっていた……。これは、そんな彼らの「ラスト・ステージ」を哀愁たっぷりに描いたヒューマン・ドラマ。実在した彼らを演じるのは、実力派のスティーブ・クーガンとジョン・C・ライリー。この二人の芸達者ぶりはさすがで、良い時も悪い時も含めてずっと一緒に頑張ってきたであろうこのコンビを伸び伸びと演じていて非常に好印象。ホテルの受付であろうが駅の雑踏であろうが常に人を笑かそうとするところなんて、もはやお笑い芸人の性なんでしょうね。この二人の相性がばっちり嵌まっていて、最後まで好ましく観ることが出来ました。ただ、お話の方は余りにもオーソドックス過ぎて、若干物足りなく感じたのも事実。実話を基にしたとは言え、もう少しドラマティックな見せ方をしても良かったのでは。最後まで安心して観ていられるけど、特に心に残るものはないという、なんだか良くも悪くも吉本新喜劇のような作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2020-09-07 23:10:42)
43.  ターボキッド 《ネタバレ》 
核戦争後の荒廃した近未来を舞台に、チャリンコで荒野を駆ける世紀末ヒーロー〝ターボキッド〟の活躍をやり過ぎゴア描写満載で送る低予算B級SFムービー。まあ一言で表すとチャリンコ版『マッドマックス』なんですが、さすがにいくら何でもチープすぎちゃいまっか、これ。セットや衣装や小道具なんか全て近所のリサイクルショップで揃えたんちゃうのってレベル。撮影場所も完全に近所の裏山と潰れた工場だし、主人公のコスチュームもガムテープで継ぎ接ぎしたような感じでデパートでよくやってるヒーローショーより劣ってます(笑)。ターボキッドの腕から出る必殺技のビームなんて、一昔前のテレビのバラエティレベルのCGで思わず失笑しちゃいました。その割には、グロ描写には過剰に力を入れております。まあノリと勢いだけで最後まで観れちゃいましたけど、チープ&馬鹿々々し過ぎてさすがに面白かったとは言えないかな~。ただ、ヒロインとなるロボットのアップルちゃんはけっこう可愛かったので、おまけの6点!!
[DVD(字幕)] 6点(2020-03-19 22:00:23)
44.  バグダッド・スキャンダル 《ネタバレ》 
『石油・食糧交換プログラム』――。それはイラク戦争開戦前夜、欧米の経済制裁によって苦しむイラク国民を救うために国連主導で行われた人道援助だ。当時まだ独裁者として同国に君臨していたサダム・フセインによる大量破壊兵器開発を防ぐため、国連が窓口となって豊富な石油資源を市場価格で売却し食料や医薬品と交換してイラクへと還元させる。多くの人命を救うための人道的プログラムのはずだった。だが実際は、フセイン政権による横領や横流しが相次ぎ、さらには先進国の大手企業がその利権を巡って多くの不正行為に手を染めていた。驚くべきことに、監視者であった国連職員にまで汚職が蔓延していたのだ。若き職員マイケル・サリバンはその事実に気付き、すぐさま上司に報告するも実態は公にされることなく握りつぶされてしまう。だが、様々な国の思惑が複雑に交錯する国際情勢の中、やがてそれは国連を大きく揺るがす一大スキャンダルへと繋がっていくのだった……。本作は、200億円にも及ぶ大金が闇に消えたという実話を基にして描かれた硬派なポリティカル・サスペンスだ。主演を務めるのは若手俳優テオ・ジェームズ、他に制作も務めたというベテラン、ベン・キングズレーが名を連ねている。確かな取材や時代考証に基づいたであろう骨太な物語はなかなか見応えがあった。ニューヨークの国連本部から当時混乱を極めたイラクの首都バグダッドにまで拡がるそのスケールの大きさにも圧倒されるものがある。何より、この弱者を救うためのプログラムを利用し甘い蜜を吸い続けた、欧米各国の行き過ぎた資本の論理には戦慄させられる。人間とは、かくも欲深き生き物なのか――。「民主主義に汚職はつきものだ」と言うベン・キングズレーの言葉が重い。そんな醜い国際情勢によって翻弄される、主人公の国連職員とクルド人女性通訳との儚い恋物語は強く印象に残った。丁寧な手腕が光る政治サスペンスの逸品と言っていいだろう。ただ、こういう作品なので仕方ないのだろうが、お話として地味すぎるのが自分には少々退屈に感じてしまった。もう少しドラマティックに脚色しても良かったのではないか。世界の実態を知るという点では充分観る価値はあったが、人間ドラマとしては幾分か物足りなさの残る作品であった。
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-17 23:10:59)
45.  サマー・オブ・84 《ネタバレ》 
連続殺人鬼も誰かの隣人だ――。1984年、6月。オレゴン州の小さな田舎町で暮らす15歳のデイビーは、何処にでも居るような平凡な男の子。仲の良いクラスメートとはくだらないエロ話で盛り上がってばかり、ジャーナリストの父との関係も普通、大した夢があるわけでもなく、憧れの幼馴染の女の子には声をかける勇気もない。そんな冴えない日々を過ごしていたある日、彼はとある重要な事実に気付いてしまうのだった。隣人で広い一軒家に一人暮らししている警察官。彼こそ、最近世間を騒がせている幼い少年ばかりを狙った連続殺人事件の真犯人なのではないか――。自分なりに観察すればするほど確信を深めていくデイビー。いてもたってもいられなくなった彼は、いつもつるんでいる仲間たちと本格的に調査を開始するのだった。果たして隣人は本当に連続殺人鬼なのか?デイビーたちの一生忘れられない夏が今、幕を開ける……。80年代を代表する数々の映画作品にオマージュを捧げた、そんなノスタルジックな雰囲気が横溢する青春スリラー。とまあ、ノリはもう完全に『スタンド・バイ・ミー』や『グーニーズ』で、他にも『グレムリン』や『E.T』などと言った有名映画への愛が溢れ出ている昔懐かしい雰囲気の作品でしたね、これ。主人公の仲間となる少年たちも、キザな不良、頭脳派の眼鏡、とろいおデブ、そして憧れの美少女と物凄くベタなんですけど、一周廻って逆に新鮮でした。それに全編を彩るテクノサウンドもホント懐かしい!肝心の隣人の警察官も最初は怪しさ爆発、でも中盤で実際は主人公の勘違いでしたと思わせといて、実は……、と言うのもベタながらアリ。警官宅に忍び込むシーンなど、不穏な音楽で「来るぞ、来るぞ」と観客の不安を煽っといて急に大きな音を出して驚かすという手法も懐かしい(若干腹立つけど!笑)。この古き良き80年代を懐かしむという点ではなかなか良かったと思います。ただちょっと残念だったのは、前半のストーリー展開が若干もたもたしてるうえにいまいち分かりづらいところかな。もう少し丁寧な演出を心掛けて欲しかったですね。そして、最後の驚きの展開は賛否が分かれるところ。でも僕はなんとなくスティーヴン・キングの『IT』っぽくてけっこう好きかも。ま、こういう作品なんで新しい部分は一切ありませんが、僕はぼちぼち楽しめました。
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-10 12:32:19)
46.  アンダー・ハー・マウス 《ネタバレ》 
屈強な男たちに囲まれ大工として働くダラスは、心と身体の性が一致しないいわゆるトランス・ジェンダー。昼間は大工として力仕事に従事し、夜は女性専門のバーでその日の相手を物色するという刹那的な生き方をしているダラス。その夜、いつものようにバーへと出向いた彼女はその人に出会ってしまうのだった――。雑誌の編集者としてバリバリと働く彼女の名は、ジャスミン。一目見た瞬間から互いに惹かれ合ってゆく二人。だが、ジャスミンにはもうすぐ結婚する婚約者がいた。彼が遠方へと出張する数日の間に、二人は秘密の逢瀬を重ね、次第に愛欲の海へと溺れていく。お互いに期間限定の恋だと分かっているはずだった。だが、ダラスとジャスミンの関係はどんどんと深みに嵌まってゆき、やがて悲劇が彼女たちを襲う……。女同士の燃えるような情熱的な愛を濃密な夜の空気の中に描き出すラブ・ストーリー。映像はとてもキレイだし、全編を覆う退廃的な雰囲気も味があって良かったと思います。何よりダラス役をやった女性の男前ぶりが半端ない!本職はモデルらしいですけど、いやー、彼女を見ているだけで目の保養になりますね。ただ、お話として単純すぎるのが本作の弱点。女と女が出会ってやりまくって、それが婚約者にバレていったん別れたものの、やはり最後は困難を乗り越えて縒りを戻しましたってだけでは、さすがに一本の映画としてちょっと弱すぎます。軸となるエピソードがもう一つか二つ、欲しかったですね。ストーリーがこれだけ単純だと、必然的に二人の性描写が増えるわけですけど、これもちょっとしつこい。最初は官能的で情感に溢れたいいシーンだなぁとほれぼれしながら観ていたのですが、ここまで全編に渡ってやられるとちょっとしんどいですわ。同じく女性同士の官能的な愛を描いた傑作『キャロル』は、その部分が抑制が効いていて非常にバランスが良かったことを再認識してしまいました。うーん、なんだか全体的にあと一歩足りない印象。この退廃的でジャジーな雰囲気は良かっただけに惜しい。あと、これは映画本編と関係がないのですが、日本の配給会社さん、ちょっと画面にぼかし入れすぎです!別にこれはエロを目的としたAVじゃないんですから。
[DVD(字幕)] 6点(2019-09-10 02:08:00)
47.  ローマンという名の男-信念の行方- 《ネタバレ》 
人づきあいが苦手で世間から変わり者と目されている弁護士、ローマン・J・イズラエル。だが、その人並外れた記憶力を武器に彼はこれまで常に社会的弱者のために働いてきた。そんなある日、恩師である事務所の共同経営者が急な病によってこの世を去ってしまう。それまでぎりぎりの経営で成り立っていた事務所は突如として閉鎖されてしまうことに。残務整理のためにやって来た大手法律事務所の重役ジョージからの再雇用の申し出も自分の信念から一度は断るものの、経済的困窮から仕方なく彼の事務所で働き始めるローマン。すると、ジョージから自分の恩師が長年不正を行っていたことを告げられるのだった。「もう恩知らずの連中に尽くすのは疲れた…」。正義のためだと信じてきたこれまでの仕事に限界を感じていたローマンは、やがてごく普通の弁護士――正義の追及も金儲けもどちらも同じように大事なものだという割り切った考えを持った弁護士へと生まれ変わってゆく。そんな時、絶対にバレない違法すれすれの金儲けのチャンスを目の前にしたローマンは……。たった一人、社会的弱者のための正義を貫いてきた孤独な弁護士に訪れたそんな信念の危機を描く社会派ドラマ。自閉症気味の変わり者弁護士ローマンを演じるのは、これまでのこわもてイメージを一切感じさせない渋い演技でアカデミー主演男優賞にノミネートされたベテラン、デンゼル・ワシントン。拝金主義的な典型的エリート弁護士を演じたのは人気俳優コリン・ファレル。監督は違法すれすれのスクープを狙うパパラッチを描いた前作『ナイトクローラー』で強烈な印象を残したダン・ギルロイ。いかにもこの監督らしい、社会からはみ出してしまった孤独な男の自らの信念を巡るドラマは見応え充分。地味なお話ながら徹底的なリサーチに基づいたストーリーテリングの巧みさもあり、最後まで惹き込まれて観ることが出来ました。特に、D・ワシントンのさすがの演技力が素晴らしい。この一見とても友達にはなりたくない偏屈弁護士をリアリティたっぷりに演じていて、途中からは彼の行く末が気になって思わず感情移入。それは正義なのか偽善なのか――。法律の限界に鋭く迫るそのテーマ性はなかなか深い。ただ、惜しいのは後半の展開。彼の意志を継いでジョージがある行動を起こす心変わりにいまいち説得力が感じられず、そこらへんちょっと詰めが甘いです。また、このお話が全て3週間の間に起こった出来事というのもだいぶ無理があるような。40年も信じてきた自分の信念が、たった3週間の間に揺らいでしまうというのはさすがに説得力が欠けます。前半がすこぶる良かっただけに、後半の展開があまりにも惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2019-06-25 23:36:27)
48.  IT イット “それ”が見えたら、終わり。 《ネタバレ》 
27年ごとに〝それ〟はやってくる。下水道の暗い闇の底から子供たちを狙って――。デリーの街で多発する子供の失踪事件、その陰に暗躍する〝それ〟の存在に気付いた7人の子供たちは、それぞれの家庭に問題を抱えながらも立ち向かおうとする。絆というたった一つの武器だけを頼りに…。スティーブン・キングの分厚い文庫本全四冊を読んだのはもう二十年以上前、その余りの面白さに夢中になり、最後まで一気呵成に読んだのを鮮明に覚えています。なので今回懐かしさを覚えながら鑑賞してみました。「あぁこのデブの男の子が女の子に贈るのは詩じゃなくて俳句だったよなぁ」「大人パートで、このユダヤ人の男が最初に〇〇しちゃうんだよな」「懐かしいーー!」なんて、終始ニヤニヤしながら観てました。原作では大人パートと子供パートが交互に展開されるのですが、それを子供パートだけにバッサリ絞ったのは正解だったんじゃないかな。確かに全体的に脚本がふわふわしすぎてて話に纏まりがないのが残念でしたが、ぼちぼち及第点だったんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2018-12-23 22:04:23)
49.  エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》 
SFホラーの金字塔『エイリアン』の前日譚をリドリー・スコット自らが描いたシリーズ第二弾。前作の内容をほぼ覚えていないまま今回鑑賞してみたのですが、まあだからと言って改めて観返すほどでもないかなぁというのが正直な感想。って言うか、スコット監督ってやっぱり根っからの映像作家なんだなって改めて思いました。粘着力のある映像美は他の追随を許さないほど素晴らしいのですが、その脚本によって作品の質は毎回大いに変わります。今回は正直微妙かな。その映像美に6点で。
[DVD(字幕)] 6点(2018-09-16 23:10:45)
50.  ラプチャー 破裂 《ネタバレ》 
謎の組織にさらわれた普通の主婦が、ひたすら拷問されるも隙を見て何とか逃げ出し、出口を求めて彷徨ううちに驚愕の真相が明らかになるというシュチュエーション・スリラー。目新しさはないものの(けっこう『マーターズ』の影響が大と思われる)まあぼちぼち面白かったですかね、これ。後半、突っ込みどころが山ほど満載なのはご愛敬ですけど。
[DVD(字幕)] 6点(2018-06-29 00:22:32)
51.  ルーム 《ネタバレ》 
舞台は、何処にあるか分からない、薄汚れた小さな〝部屋〟。狭苦しいその部屋には常に鍵が掛けられ、自由に外と出入りすることは出来ない。四方の壁に窓はなく、唯一あるのは天井に穿たれた小さな天窓のみ。キッチンやバスルーム、小さなトイレや古びたテレビがあり、一応はこの部屋だけで生活が完結するようになっている。週に一度、正体不明の中年男が必要最低限の生活物資をこの〝部屋〟へと届けてくれる。住民は、2人。1人はジョイという名の若い女性。なんと彼女は7年前に誘拐されこの部屋へと監禁されてから一度も外部と接触したことがない。そして、もう1人は今年で5歳になるジャック。5年前、ジョイが誰の助けも借りずたった一人で産み落とした男の子だ。そう、ジャックは生まれてからこの小さな部屋の中だけで過ごし、一度も外の世界へ出たこともなければ一度も外の世界の人と会ったこともないのだった――。彼女たちはこの特異な状況をどのように生き延びてきたのか?どうしてこんな境遇へと陥ってしまったのか?そして、彼ら親子はこの部屋を抜け出し無事に外の世界へと帰ることが出来るのか?本作は小さな納屋に何年にもわたって監禁されてきたそんな母子の過酷な運命と、だからこそ培われてきた強い絆を真正面から見つめたヒューマン・ドラマだ。物語の中盤まで舞台はこの小汚い一部屋のみ、登場人物もこの母親と息子である男の子のみというなかなか特異な設定なのだが、この外部と一切接触したことのない純粋培養された少年を語り部とすることで非常に見応えのあるドラマを構築することに成功している。情報の出し方も巧く、この少年の父親が誰なのかをぎりぎりまでぼかして描いているため、観客はそれが誰なのかはほぼ分かっていながらそれでも違っていてほしいと思わせる不安感の煽り方も抜群にいい。と、途中までこれは傑作になるかもとワクワクしながら観ていたのだが、まだ一時間を過ぎない辺りで少年が外の世界に脱出してしまってから僕は急速に冷めてしまった。自分の好みの問題なのかもしれないがちょっと脱出が早すぎたように思う。誘拐犯に監禁されていたこの親子が決死の脱出を図る前半部分がサスペンスとしてすこぶるよく出来ていただけに、後半のシリアスな展開とのチグハグ感が何とも勿体ない。誤解を恐れずに言えば、エンタメとして前半部分と自らの人生を破壊した憎むべき男の息子を宿してしまった女性の葛藤を描く後半部分がうまく繋がっていないような印象を持ってしまったのだ。本来2時間だったものを1時間に短縮した別々の映画を連続で見せられたような、そんな居心地の悪い印象を受けてしまった。2人の脱出劇をメインにして重くシリアスな後日談は問題提起をする程度で留める。そうすれば、はるかに人の心に残る良質の作品になったように思う。サスペンスフルな前半部と親子の絆を真正面から描いた後半部がそれぞれによく出来ていただけに、惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2017-08-25 00:10:47)
52.  セブンス・サン ~魔使いの弟子~ 《ネタバレ》 
血染めの赤い月が昇り、私の力はよみがえった。またこの世に地獄を目覚めさせてやる――。剣と魔法が秩序の全て、ここはそこかしこに恐ろしい魔物が跋扈する危険な世界。かりそめの平和が続くこの地に赤い月が昇るとき、再び動乱の気配が立ち込めはじめる。魔物退治を生業とする魔使いたちの偉大な師匠グレゴリーは、敏感にその予兆を察知するのだった。かつて自らの手で封印した恐ろしい魔女マルキンが復活し、世界を恐怖に陥れるためにかつての仲間たちを召集し始めたのだ。魔女の策略により唯一の弟子を失ったグレゴリーは、新たに七番目の息子のさらに七番目の息子を強引に弟子へと迎え入れると、再び彼女を封印するための危険な旅へと出発する…。魔法の腕は天下一品ながら酒浸りで飲んだくれの師匠と彼とは正反対の真面目なその弟子との大冒険を迫力満点の映像で描いたヒロイック・ファンタジー。自在にドラゴンへと変化する恐ろしい魔女を演じたのはジュリアン・ムーア、人間的にはダメダメ感満載の個性的な師匠を演じたのはジェフ・ブリッジス、この二大オスカー俳優が豪華共演ということで今回鑑賞してみました。率直な感想を述べると、まあなんというか、演出がしっちゃかめっちゃかな作品でしたね、これ。さまざまなキャラが次々登場し観客そっちのけでどんどんとストーリーが進行してゆくので、全体的にごちゃごちゃした印象が拭えません。原作となった小説があるみたいだけど、なんかそのお話をダイジェストで追ったのかな?って感じです。オーソドックスではあるもののお話自体はけっこう面白いだけに、もうちょっと緩急をつけた丁寧な演出が欲しかったところ。まあ二大オスカー俳優の熟練の演技のたまものか最後までそこそこ観ていられるのは確かなんですけどね。それにふんだんにお金をかけたCG映像は迫力満点!様々な魔物に変化する魔女の手下たちもそれぞれに個性が際立っていたし、暇潰しに観る分にはぼちぼち楽しめるんじゃないでしょうか。まあ世界を危機に陥れたことの発端が、じじいの不倫の後始末のせいだったのはどうかと思いますけど(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2017-06-28 20:52:20)
53.  ビッグ・アイズ 《ネタバレ》 
「ビッグ・アイズ」。世間からそう呼ばれる、飛びっきり大きな眼を持つ子供たちの絵ばかり描き一世を風靡した画家、ウォルター・キーン。だが、本当はそれらの絵は全て彼の妻であるマーガレットが描いたものだった――。横柄で目立ちたがりな夫のために、十年以上にわたって家に閉じこもり隠れて絵を描き続けていたそんな妻の物語を実話を基に描いたティム・バートン監督最新作。確かに興味深い題材ではあるし、バートン監督の円熟味を増した演出も冴えて(その御伽噺のようにカラフルな色彩感覚は、『シザーハンズ』のあの街並を髣髴させて凄く良かったです!)いたし、なかなか面白かったと思います。ただ、彼のそのイノセントな感性は、やはりファンタジーでこそ映えるのであって、本作のようなリアリズム作品にはいまいち合っていないような印象を僕は持ってしまいました。なんだか全体的に薄いんですよね~。最初は愛し合っていた夫婦の擦れ違いも、次第に酒に溺れDVへと走る夫も、そんな夫から逃れ何もかもを捨ててハワイへと走る娘との逃避行も、何よりクライマックスで夫婦が直接対決する裁判のコミカルさも、実話を基にしている以上、そこにはもっと真に迫った切実さがないと駄目だと僕は思うのですが、本作には夫婦のそんな切実さがまったく足りない。お金やお酒のせいで揉めた夫婦の破綻劇なんてもっと深刻になるはずなのに、そこまで踏み込んで描けないところがティム・バートンという監督が持つ感性の――良くも悪くも――リアリズムとの相性の悪さなんでしょうね。うーん、題材が良いだけに惜しい。と、そこいらへんが残念ではありましたが、それでもエイミー・アダムス&クリストフ・ヴァルツの見ているだけで絵になる華やかなセレブ夫婦ぶりはなかなか楽しい。特に、口八丁でのし上がっていくテキトー男を飄々と演じたヴァルツの相変わらずの怪演はさすがでしたね。ティム・バートン監督、ちゅうわけで次はいつものように他の追随を許さない独創的なダーク・ファンタジーを撮ってくれることを期待して待ってますんで、よろしくです~☆
[DVD(字幕)] 6点(2016-04-23 12:48:28)
54.  複製された男 《ネタバレ》 
大学で教鞭をとる歴史学者アダム。素敵な恋人にも恵まれ、なんとなく物足りないものを感じながらもそれなりに幸せな日々を過ごしている。ところがある日、彼はある映画の端役に自分と瓜二つの男が主演しているのを発見するのだった。役者の名はアンソニー、妊娠中の妻と過ごす売れない三流俳優だった。なんとかしてそんなアンソニーとコンタクトを取ることに成功したアダム。恐る恐る彼と会ってみると信じられないくらい自分と瓜二つであることが分かるのだった。そう、まるで最新鋭の技術で複製されたかのように……。冒頭から、くすんだイエローを基調としたダークで美しい映像と不安感をひたすら煽る音楽とでそんなミステリアスな世界へと観客を惹き込んでゆきます。胸の古傷までそっくりの二人の男、「きっとこれは、そんな複製された男たちのアイデンティティを巡る戦いを描いた前衛的な芸術作品なんだろう」と、さすがノーベル賞作家の原作を映画化しただけのことはあるなあと、そんなデビット・リンチをも髣髴とさせる淫靡でダークな世界観に素直に酔いしれていました。ですが中盤辺りから、巨大蜘蛛やら裸のねーちゃんやら意味があるのかないのかさっっっぱり分からない映像が延々と差し挟まれ、挙句終盤に至ってはこの二人が互いの妻と恋人を交換してセックスしようと頑張っちゃうという下世話なスワッピング展開になってしまって、僕はどうにも肩透かし感が否めませんでした。まあ、いろいろと考えていけばちゃんと深い意味があるんでしょうけど、僕は本作にそこまでの価値があるとは思えません。なんだか、これって全体的に中途半端じゃありません?後半とか、もっと常人では到底考え付かないような徹底的にシュールな展開にしてくれんと目の肥えた観客のハードルは超えれないですよ。こういうのを観ると、やっぱりデビット・リンチは偉大だなぁとあらためて再確認させられますね。それでも、全体を覆う濃厚な雰囲気は良かったので6点で。
[DVD(字幕)] 6点(2015-05-01 22:56:43)
55.  オール・ユー・ニード・イズ・キル 《ネタバレ》 
謎の地球外生命体“ギタイ”の襲撃により、突如として滅亡の危機へと陥ってしまった未来の地球。入隊したばかりのケイジ二等兵は、上司の命令により、いきなり戦いの最前線へと送り込まれてしまう。戦場など初めての彼は当然、そんな凶悪な敵にあっという間に殺されてしまうのだった――。だが、次の瞬間、ケイジはその前日の朝へと舞い戻ってしまう。「これはいったいどういう事だ?」と当然のように戸惑うケイジ。そこから、同じ時間が延々と繰り返される地獄のような無限ループの日々が始まるのだった……。日本のライトノベルが原作ということで、そんないかにもな内容に、子供のころから「スーパーマリオ」や「悪魔城ドラキュラ」、最近だと「ダークソウル」系のいわゆる死にゲー、そんなアクションゲームにがっつり嵌ってきた僕としては、その死んだら最初からやり直し、もっと長く生き残りたかったらここでジャンプしてこの敵をかわしタイミングよくこのアイテムを使って…みたいな内容に否が応にもテンション上がっちゃいました。うん、やった、やった、こういうこと(笑)。超受身のヘタレ男だった主人公が、超活発で強いヒロインの女の子の強引な導きにより強くなって、いつしか立場が逆転してツンデレ状態に…な~んて、いかにも日本の男子中高生が好きそうなライトノベル的ストーリーがアメリカで、しかもトム・クルーズ主演で製作されたってのもなかなか感慨深いものがあります。ただ…、本作はそーゆーライトノベル、もしくは死にゲー的な内容のなさが最後まで付き纏うのが賛否が分かれるところかな。これで、ストーリーや映像に革新的なものがあれば傑作にもなりえただろうに、残念ながら本作は「プライベートライアン」や「スターシップ・トゥルーパーズ」「マトリックス」という有名映画の良いとこ取りをしているだけでそんな傑出した部分がほとんどありませんでした。という訳で、確かに娯楽映画としてはぼちぼち楽しめましたけど、僕の中では「宇宙戦争」や「オブリビオン」と言ったトム・クルーズ主演の過去のSF娯楽映画の一つとして一纏めにくくられそうな、そこそこレベルの作品でございました。でも、お酒のおともに最適ではあるよん。
[DVD(字幕)] 6点(2015-04-26 11:31:58)
56.  パッセンジャーズ 《ネタバレ》 
「生存者は5人、皆一様に憔悴しきっている。クレア、すぐに来てくれ。君には全員のカウンセリングをお願いしたい」――。アメリカ郊外の浜辺で大規模な旅客機墜落事故が発生。100人近い“乗客たち(パッセンジャーズ)”のほとんどが死亡する中、奇跡的に数名の生存者が発見されるのだった。彼らの心のケアをして欲しいと、すぐに現場へと呼ばれる精神分析医の卵、クレア。自暴自棄に陥る人、絶望の淵へと追い詰められる人、そして極度の躁状態からクレアを口説こうとしてくる男……。彼らの話を聴くうちに、次第に墜落原因に疑問が浮かび上がってくる。「何かがおかしい…」と独自に墜落の真相を探り始めるクレア。すると、航空会社の人間と思しき謎の男に尾行されるようになり、カウンセリングを受けていた生存者たちも一人また一人と消えていくのだった……。果たして事件の真相とは?そして、生存者たちは無事に社会復帰出来るのか?悲劇的な航空機墜落事故の背後に隠された、そんな巨大な陰謀を巡って展開されるサスペンス・スリラー。と、思わせといて、ストーリーが進行していくうちに何だかどんどんと怪しい感じになっていって、途中から「あぁ、きっとこれはアレ系映画なんやろねんな~」と思わせながらも、そのいかにも謎が謎を呼ぶ展開にどんどんと不安感が増していって、さらにはこの監督らしい美しい映像や音楽、丁寧に創られた怪しげな雰囲気なども相俟って、なかなか惹き込まれていきました。こういう自分を取り巻く世界の根幹がどんどんと揺らいでいくような作品、もろ自分の好みなんすけど!!特にこの出てくる登場人物の誰も彼も信用出来ない感じ、なかなか良いですね~。「これでオチがしっかりしていれば傑作になるぞ!」とワクワクしながら観ていたのですが、最後に明かされるこの真相はさすがにちょっと……。うーん、これやっちゃうと、もうなんでもありですやん(笑)。現実の世界を生きる人からの目線(「シッ〇〇・セ〇〇」におけるあの少年のような)が足りないせいで、なんだか世界観が幾分か曖昧になっちゃった感が否めないですね、これ。それまでの不穏な空気に支配されたミステリアスな雰囲気や華のある役者陣の熱演等々、最後のこの残念なオチ以外は普通に面白かっただけに惜しい作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2015-03-06 11:02:03)(良:1票)
57.  アップサイドダウン 重力の恋人 《ネタバレ》 
これから僕が語るのは、宇宙で唯一の〝二重引力〟が存在する太陽系での世界を変えることになったある愛の物語だ――。特殊な磁場が働き、上下双方の重力が存在する特異な双子惑星。上に位置する世界には何不自由なく暮らす富裕層が住み、下に位置する世界には貧しい人々が鬱屈した毎日を過ごし、そしてお互いの世界の交流はタブーとされていた。だが、二つの惑星を結ぶ賢者の山でエデンという女の子と運命的な出逢いを果たしたアダムは、そんな禁忌とお互いの重力を乗り越え愛を育んでいくのだった。しかし、世界を牛耳るトランス社によって引き離されてしまう2人。10年後、トランス社で働く彼女と再会を果たすため、アダムはそんな重力の壁を乗り越えうる画期的な発明品を手にとうとうトランス社に踏み込んでいくのだが、悲しいことに彼女は過去の記憶をすっかりなくしていたのだった…。上と下からの二つの重力に支配された特異な世界を独創的で美しい映像で創り込みながらも、ストーリー自体は超古典的な「ロミオとジュリエット」風純愛ラブストーリー。もう徹底的にアイデア勝負のこの独特の世界観は確かに秀逸だと思うのだけど、さすがにちょっとストーリーがおざなりに過ぎますね、これ。都合よく記憶をなくしたヒロインが物語の途中でこれまた都合よく記憶を取り戻したり、強大な権力を持っているはずのトランス社がかなり甘々なセキュリティだったり、そしてかなり投げっ放し感MAXな強引なオチだったり…。うーん、もうちょっと脚本を練って欲しかったっす。それでも、今までになかった斬新な映画を創ってやろうというこの監督の迸るような情熱は、その画面の端々にまで拘り抜いた出色の映像からビシバシ伝わってきました。ようやく相思相愛になれた2人が空中をクルクル廻りながら抱き合ったりとか、こんな変てこなラブシーン初めて見たし(笑)。そんなわけで、この設定は斬新なのにストーリー自体は青臭い恋物語、突っ込みどころ満載ですけどけっこう楽しめました。文字通り、身体がホントに燃え上がりそうになりながらそれでも彼女の前ではスマートなデートの終わり方をしたかったアダムの童貞っぽい感じとかも、素直に共感出来たしね。どんな世界でも男ってやっぱりアホだなあ~(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-28 00:18:03)
58.  ポゼッション(2012) 《ネタバレ》 
妻と離婚し、愛する二人の娘と離れ離れに暮らすことになってしまった大学のバスケットコーチ、クライド。それでもそんな娘たちと共に過ごせる毎週末を楽しみに、それなりに充実した日々を送っていた。次女、エミリーがフリマで謎の箱を手に入れてしまうまでは――。夜な夜なその怪しげな箱へと語りかけるエミリー、心配するクライドをよそに、次第に彼女の周りでは不穏な出来事が起こり始める。突然寝室の中に乱れ飛ぶ蛾の大群、冷蔵庫の食べ物を漁る謎の生き物、そしてエミリーの喉の奥にはいつの間にか〝それ〟が潜んでいた…。という、極めてオーソドックスでベタベタなエクソシスト作品。うーん、もうちょっと新しい切り口が欲しかったですね。確かに、奇をてらうことなく正統派なホラー映画を創ろうと頑張ってるのは分かるのだけど、あまりにもこちらの予想通りの展開が続くため、現代の映画としてみれば少々古臭いという印象が否めない作品でありました。最後のオチも、後味の良さを優先したのか、次に誰がその箱を拾い悪魔へと取り憑かれてしまうのかも分からずじまいで、ちょっと物足りなかったです。ただ、悪魔に取り憑かれる次女エミリーを演じた女の子がびっくりするくらい美少女で、そんな彼女が身体をはって、蛾を呑み込んだり白目むいたり絶叫したり、果てはパンチラまで見せてくれると言う、体当たりな演技で頑張っていたので、彼女の努力に免じて+1点っす(え、誰がロリコンだって?笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-03 21:55:18)
59.  トールマン 《ネタバレ》 
炭鉱が閉鎖され、すっかり寂れてしまった田舎町。謎の犯人・トールマンによる幼児誘拐事件が多発していた。幼い息子と共に平凡な日々を送る、看護師ジュリアの家庭にもトールマンの魔の手が忍び込む。すんでのところで息子を連れ去ろうとするトールマンを発見したジュリアは、決死の思いで追跡を開始するのだった。そこまで、てっきりよくあるスーパーナチュラルなホラーだと思って観ていたら、途中から「?」な展開が続き、おかしいなと思っていると、中盤「あちゃー」な逆転劇が起こっちゃいました。びっくり!確かに見事に騙されましたけど、でも観終わってじっくり考えてみたら、なんだか設定にとっても無理があるような気が…。子供が、自分をさらってきただろう女にこんな簡単に懐くもんかしら。それにこの〝貧困家庭の子供を幸せにしよう計画〟は速攻で破綻するだろうし。とか何だかんだ文句を言いながらも、あの前半のあっと驚く展開には小気味よく騙されちゃったので合格点かなー。もっとホラーしてても良かったかなとも思うけども。
[DVD(字幕)] 6点(2013-11-01 10:51:32)
60.  トータル・リコール(2012) 《ネタバレ》 
戦争によってほとんどの地平が居住不可能になってしまった未来の地球。鬱屈した毎日をただぼんやりと遣り過ごしていた主人公は、ストレス発散のためにとあるバーチャルリアリティを提供する会社へと足を向ける。そこで彼は、隠されていた本当の自分を知り、そして世界を揺るがす巨大な陰謀へと巻き込まれていく。バーホーベンが作り出した濃ゆ~い前作とは打って変わって、今作はワイズマンらしい薄味へといい感じにリメイクされていて、前半(エレベーターチェイスまで)は結構楽しめました。確かに、後半になるにしたがって、これってもろ『インセプション』じゃん!ここはもろ『スターウォーズ』やし!えぇー、これってもう『マイノリティリポート』やんけ!ってところが出てきて、さらに明らかにストーリーとして破綻しているけれど、個人的に好きな設定と俳優陣だったのでぎりぎり及第点かなー。ワイズマン、次はもっとオリジナリティのある作品を作ってね。
[DVD(字幕)] 6点(2013-08-29 14:31:25)
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