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プロフィール
コメント数 327
性別 女性
年齢 37歳
自己紹介 知的障害を持つ23歳女性です。
1週間に40時間働いているから多分社会人だと思うけど
今は旦那や発達障害者仲間とルームシェア生活です。

知能指数は11歳ですが、
この映画レビューサイトでは
見よう見まねで大人びた文章で気取らせて貰っています。

ちなみに登録自体は旦那がやっていますので
■妻投稿■がついているのが私です。
あ、でもそうじゃないので一人称が「僕」なのも
実は私が投稿していたものもあったり
「ドラえもん」とか「A」とか(^_^;)

インターネットの書き込みは初めてに近く
インターネットルールは一通り勉強したつもりですが、
「場の空気を読む」などの高度な技術は難しいので
そんな時にはスルーしてください。

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81.  恐竜・怪鳥の伝説 《ネタバレ》 
妻投稿■これをタダで公式ユーチューブで見せてくれた東映さんに感謝! プレシオサウルスは怖かったな。ブラジャーの女の人が室内にいる状態で窓に顔が映り、そして屋根を突き破るシーンは「ギャオスに襲われたらああいう死に方するんだな」と思ったし、ボートの女の子が食い殺されるシークエンスは、シャチが大型のクジラやサメを仕留めるのと同じ、体当たりにして、振り回して獲物を弱らせて動けなくしてから食いちぎるというやり方と同じ! でも肝心の翼竜との戦いは国立科学博物館で15年前くらいまでやっていたロボットティラノサウルスとトリケラトプスの戦いの方がまだ迫力があるレベル。死後硬直した生き物をロープで吊るして遊んでいるような代物。モンスターは一匹でいいよお。■あと最後主人公は助かったの?
[インターネット(字幕)] 6点(2012-10-07 01:05:20)(良:1票)
82.  悪魔を見た 《ネタバレ》 
妻投稿■この映画を見て「私の心の中にも悪魔が潜んでいる」と感じるのは無理だと思う。仮に私が殺されたとしても、みんなで育てているチビが殺されたとしても、私の旦那は加害者への復讐に走らず、自分は何ができるかを考えて、残された人、それがいないなら社会福祉のために身をささげるだろう(ただし私の命を守るために他に方法がないなら、6人くらい殺しそうな一面はある)。殺人被害者家族や暴力被害者当人の方々も、その多くが憎悪に苛まれつつも、他者の権利を尊重する原則を固持し、激しい無力感の中で社会的義務を果たしていかなければいけないのが現実だ。犯罪被害者家族の気持ちの側に立って(・・たような気になって)加害者への死刑を連呼する人たちも、被害者家族が復讐のために社会に反逆したら、たちまち非難に転じるに違いない。■犯罪被害者家族が犯人を殺したいと思うことは、悪魔に魅入られているということなのだろうか。極自然な事なんじゃないのか。そして「悪魔に魅入られる」というキーワードの下に、犯人を憎むことと、周囲を巻き込んで犠牲にして復讐する事を同一リンクで扱っていいのだろうか。両者には大きな断絶があるはずで、その断絶とは何か、何と戦わないといけないかが提示されていることが、こういう種類の映画の価値だと思うが、この映画はそこを素通りし、さも「犯人に殺意を持つことが既に悪魔に魅入られている」という描き方をしている。■「私の心の中の悪魔の発露」はもっと思いもよらないところにあると思うんだけどなあ(特に「多数派」になったときは注意すべき)。
[インターネット(字幕)] 5点(2011-09-23 03:17:38)(良:1票)
83.  オトシモノ 《ネタバレ》 
妻投稿■これ絶対ホラーじゃなくて、グエムルみたいなモンスターアクションでやれば成功したと思うんですよ。首都圏の私鉄のさり気ない暗い所に潜んでいるという設定って結構斬新ではないかと思います(男の人の始末の付け方がモロ怪獣の倒し方)。■とはいうものの、うちのルームメイトに何人か、ロケ地の鉄道沿線に住んでいた面子がいて、「おっ、またまた出てきた矢切駅」とか「秋山駅だ」「印西牧の原じゃん」とか、沢尻そっちのけで盛り上がっていました(旦那は沢尻を見ていたので、上手く棲み分けが出来ていたような)。■で、レビュワー様が「よくわからない」とおっしゃる呪いの正体。それは私にはわかります。めちゃめちゃあの鉄道高いんですよ。隣の駅まで300円。各停で10分乗っていたら600円くらいは取られちゃいます。つまりこれは通勤客の呪いの結晶。それがトンネル内で増幅してあらぬ方向に飛び火しちゃった…という事でうちらは納得しています(笑)■今度成田空港まで開通するらしいので、ぜひ車窓を見てあげてください。「安くなれ~」「おかげでうちらは東京出るのに自転車使っていたんだ~」といううちらの呪いが漂っているかも…(^_^;)。
[インターネット(字幕)] 4点(2010-01-31 04:06:40)(笑:1票)
84.  光州5・18 《ネタバレ》 
妻投稿■よくツタ屋で「戦争の狂気」という題目で売られている映画。私はこういう分野の映画には2種類あると思っていて、1種類目は「ジョニー・マッドドッグ」や「ホテル・ルワンダ」みたいに、私が映画を見て、「遠い世界で行われる人間の狂気を知って恐怖を感じた気になって」、「まあああいう国に行かなければいいや」と夕食を続けるタイプの映画。もう1種類目は「狂気」というものを感じさせない割には「こういう事が目の前で起こったらどうしよう」という生理的恐怖を感じさせる映画。私にとってこの映画は後者のタイプだ。■突然軍隊がやってきて市民を無差別に殴り殺す。パンツ一丁でトラックに乗せられる。政治的にはいろいろあったけど経済的には日本と同じシークエンスを経ている(つまり風景がちょっと前の日本と似ている)世界でこういう事が本当にあると言うのが言いようのない暴力の恐怖をストレートに伝えて行く。この映画の上手いところは「何でそんな事が起こったのか」「人間の狂気」「戦争の狂気」なんて鼻から論じるつもりがない事。もう「何で?」なんて関係なく殴られ殺される。その点が「暴力の理由なんて後から理由づけされるもの」という歴然たる戦慄を上手くあらわしていると思う。■後半市民軍が結成され、解放区が作られてワイワイガヤガヤやっている風景や、そうした団結が軍隊の圧倒的力の前には脆くも潰されてしまうという無惨すぎるラストは、「暴力」「軍隊」と言うものの本質をストレートにぶつけていると思う。軍隊や自衛隊は主権国家なら必要かもしれない。でもその本質はああなんだから、ちゃんと国民は管理しなきゃね。
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-05 04:11:45)(良:1票)
85.  華氏911 《ネタバレ》 
マイケル・ムーアの映画に関しては「ボウリング」や「シッコ」も見たが、まあ確かに中立性を欠いているように見える。当たり前だ。この映画は「動物番組」みたいに「動物の営み」「自然の厳しさ」を伝える物ではなく、「何でこんな状況下を黙って我慢しているんだ」「当たり前だと思うんだ?」というメッセージ映画だからだ。マイケル・ムーアが本当にムカついているのはブッシュでも大企業ではなく、そういう奴らが好き勝手しているのを「仕方がない」とか「これが現実なんだ」というように許してしまう「常識」「空気」なんじゃないかと思う。戦場で死んでいくイラク人、戦場で壊れていく兵士、家族を失う悲しさを映像でバンバン流しているのはその証拠だし、華氏911という題名は、動物番組には見られない「怒り」が表現されているのではないかと思う。そう、この映画は視聴者や観客がこの映画を見て素晴らしい論理思考を組み立てていただく為に制作されたのではなく、ブッシュ大統領が嫌いになっていただくために作られたのでもなく、観客が今の現状に怒りを感じ、疑問を持っていただく為に生み出されたものなのだ。とはいうものの、僕ら人類は「怒り」という感情が負の側面を持っている事を歴史的に知っている。こうした怒りだけを提示するだけではなく、「この煮えたぎる怒りをどう希望に変えていくか」という事例を提供することで、彼のドキュメンタリーは完成すると思うのだが、ここまで洗練されるには次回作まで待たなくてはいけない。
[DVD(吹替)] 8点(2008-06-10 00:26:42)(良:1票)
86.  ツイスター 《ネタバレ》 
妻投稿■アメリカで毎年多くの死者を出している竜巻を題材にした映画…といっても実は竜巻の面積当たりの発生率は日本(の平野部)もアメリカも大差はなくて、日本では毎年何十例どこかで発生し、特急電車を脱線させたり家を吹き飛ばしたりして多数の死者を出している災害でもあるんです(劇中のF2とかF5とかのF、つまりフジタ・スケールは日本人竜巻研究者の藤田哲也シカゴ大学先生の頭文字)。確かに、劇中描写は高頻度すぎる気はするけど、江戸川コナンや杉下右京、マクレーンだって高頻度で事件に巻き込まれているんだから無問題。■それよりこうした竜巻災害に対し、ハリウッドお得意の「ありえないくらいの巨大な竜巻が発生し、主人公カップル以外皆殺しになって云々」というような代物ではなく、「現実に存在する脅威に対し、人間はどう立ち向かうのか」という事に重点を置いた、濃厚ではないけど重厚ではある映画だと思います。実は私一回だけ竜巻を目撃したことがある(あと愛耕運機をありえないところにまで持って行かれた)のですが、その時の湿っぽい空気や天気の不安定な変化から、竜巻の渦に巻き込まれて吸い上げられるというよりは周辺の空気に引き上げられて持ち上げられるような破壊のシークエンス、データに観測されているのに目に見えないという緊張感などが物凄いリアルだったと思い、同時にこれってパニック映画というより技術者の映画なんだなと思いました。■実はドロシーのアイデアってオクラホマ大学研究チームががちでやっているものをネタにしているんですよね。恐慌状態になっていた主人公のフィアンセが単純な馬鹿で嫌な女ではなかったり、メグおばさんを助けるシーンで、竜巻予報を3分前から15分前にするというそれだけのことがいかに難しくて重要なことかをうまく描くことで、登場人物がなぜ危険にぶつかっていかないといけないかがストレートにぶつかってくる、良質な映画だと思いました。
[ビデオ(字幕)] 9点(2011-11-21 20:17:33)(良:1票)
87.  REX 恐竜物語 《ネタバレ》 
平均点ワーストランキングの映画を最近責めている僕だが、この作品は個人的にはなかなかよく出来た映画だと思う。確かに「子供が恐竜(その他宇宙人、河童、怪獣など)をひろい、恐竜と成長し、政府の黒服や悪の研究者の略奪を逃れ、最後に別れがやってくるというパターンはありきたりすぎる。しかしこの作品はその模倣とされている「のびたの恐竜」「ET」などと違い、恐竜を家族として迎え入れる子供の家は一戸建て住宅や団地といった日常世界そのものではない。そこにあるのは骨になった恐竜の展示場、鋼鉄の檻が林立する研究空間、舞台の北海道とも明らかに異質な雪原とそこに浮かぶ遊園地の幻想的な光、最後の鮮やかな気球・・・・・僕らが生きている日常とは明らかに違う世界だ。そう、この映画は「のびたと恐竜」のような「恐竜に出会った子供」からの視点ではなく、「異世界に連れてこられた恐竜」からの視点で撮られた映画なのだ。安達裕美がピーマンを食べるシーンを正面(つまりは恐竜の視点)から長々と撮影するのがその証拠だ。「感動」「友情」「成長」と子供からの視点で語られることの多いこの分野の映画だが、この映画が描きたかったのは「生まれてきて数日間に遭遇した夢のような・・何だかよく分からない、今では知りようのない世界」という恐竜の赤ちゃんから見た眼差しだったのかもしれない(ちなみに妻は「(監督が)大麻に汚染された眼差しじゃない?」と主張していました)。
[レーザーディスク(邦画)] 8点(2008-11-10 05:48:53)(良:1票)
88.  ホテル・ルワンダ 《ネタバレ》 
この映画を見ている日本人がルワンダ人に何も出来ない。そりゃそうだ。「怖いね」って夕食を続けられるくらいの鈍感力がなければ生きてはいけない。この映画を見て多数の人間が鬱状態になって何にも出来なくなるのは困るし、「何か出来る事はないか」と危険地域イラクに行った方々を、日本政府と日本人は「偽善」だ「迷惑」だと糾弾したではないか。つまり我々は夕食を続けていい(らしい)のである。でも、日本人が日本で生活していて、この映画と同じような場面に出くわさない可能性は皆無だろうか。戦前では関東大震災の時の朝鮮人虐殺(人数は全く違うが)があったし、最近だって民兵のアジトのレイプ小屋レベルの狂気は障害者雇用企業や外国人雇用企業、カルト宗教施設なんかであった。あの時、行政、警察、そしてそれに気づいた周囲の人々はどうしたのか。何が出来たのか。新聞や本によると見て見ぬふりをした人たちが多かったのではないかと思う。理解しようともせずに認識の低い政治家の発言に同調して虐めた例もあったと思う。先進国の人間は「大虐殺」の前にポカンとしているが、主人公の友人の民兵のボスみたいに一人の人間に優しさと残酷さが同居していたり、政府軍大佐が「何でみんな俺の言う事を聞くのか、それは強いからさ」という台詞が本当なのは日本もルワンダも同じだ。この映画を見て、夕食を続けて、その後に僕らが出来る事は皆無ではない。皆無であってほしいが。・・・・・・・でもあの賄賂好きの政府軍の隊長、約束守ってもらえなかったのね。 まあ、ざまあみろだけど。
[DVD(吹替)] 9点(2008-10-27 01:08:30)(良:1票)
89.  モンスターズ・インク 《ネタバレ》 
妻投稿■ば、爆笑問題の田中とでぶやの石塚がそのまんま出演している錯覚が・・・・(^_^;)■それはともかく、「ドアの向こうに違う世界がある」というコンセプトが描かれたファンタジーはアニメでも絵本でも童話でもたくさんあるけど、そのほとんどが「現実世界の子供」を主人公にしてドアの向こうの異世界を「あちらの世界」というように描いている。しかしこの映画は(ピクサーの描く世界だから当然ともいえるが)、「あちらの世界」が主人公軸で、現実世界の子供の部屋は「異世界」という位置づけである。こういう逆説的なコンセプトのファンタジーは実は非常に少なく、そういう意味ではさり気なく凄い革新的な事をこの映画はやっている。■そういえばピクサーはどの作品でも徹底的に「異世界」を現実的な世界として、「現実世界」を異世界として描く作品が多い。アニメなのにNGシーンがあるのも、遊びの一環というよりも観客に対して「この映画はモンスター世界で作られた映画」というプロットを見せることで徹底的に現実と空想を逆にする試みの一環なのではと思えてくる。そうすることによって見えてくる独特の視点。その視点をどう生かすかについてピクサーは半端ではない追い込みをかけるから、ピクサーシリーズは「CGアニメ」を「CGで作られたアニメ」という意味以上のものに昇華させたのだと思うし、この作品はその象徴だと思う。■旦那も書いていたけど、最後ドアを開けた時、ブーが成長して美人なティーンエイジャーに成長しているというラストが良かったと思う。そういう技をさり気なくできるコンセプトを、この映画はたった2時間で完成させているのだ。
[地上波(吹替)] 9点(2009-01-22 03:29:21)(良:1票)
90.  サンダーバード(1967) 《ネタバレ》 
サンダードは何が面白いのか、それはこれを見れば一発で分かる。それは映画スタッフの自分の世界にとことん命を吹き込む志の高さだ。ゼロエックスの凝った発射シーン、ペネロープとヘリコプターの乱舞からはじけ飛ぶアランの妄想、ニョッキリ出てくる火星人には大喜びし、最後の墜落シーンには度肝を抜いた。ミニチュア世界で、玩具の世界で繰り広げられるスペクタクルは最早芸術の域まで昇華され、そこに新たな世界を創造した功績は大きい。「男の子の夢がこうした形で映画になった」・・・この映画に対してこれが僕の言える最大の賛辞だ。
[地上波(邦画)] 10点(2008-04-27 01:21:09)(良:1票)
91.  ブラック・レイン
妻投稿■この映画、黒いですね。でも一口に黒といっても微妙なカラーチャートの違いがあって、この映画の黒は昭和と平成の間の日本の渋いサラリーマン警官の色だと思います。この渋さは絶対にCGでは再現出来ないですよね。この黒さをそういう描写が得意なリドリー・スコットによってリアルタイムで残してくれたのはありがたいです。■松田優作を連行してくる松本警部補がめちゃめちゃ渋い。ドロドロのジャンパー姿で上司に一礼してから、スーツ姿で不動の姿勢で賞状を貰うシーンに切り替わるシーンはもう「私にもしお父さんがいたらこれで決定!!!」と思っちゃいました。■佐藤を殺さずに逮捕する設定も、「私ハ日本ワカッテイマスヨ」という最近のアメリカ人監督の映画主人公が日本でやっている「殺してやる―、殺してやる―」な演出と比べても、憎い犯罪者を一公務員として逮捕して上司に引き渡す「大人」が決まっていて、「はーどぼいるど」がさっぱり理解できない私を痺れさせました。
[インターネット(字幕)] 9点(2009-02-15 16:32:19)(良:1票)
92.  めがね 《ネタバレ》 
妻投稿■この映画、私にはだめだ(-_-;)。いや、何も起こらない緩い展開は嫌いじゃないんですよ。むしろ、何かを起こすことばかり躍起になっている映画しか評価されない最近の風潮が結構嫌だし、○○でないから幸せではないという線引きが行われる風潮もいや。■でもこの映画「人間に必要なものはほんの少しで、あとは流しておけば幸せになれる」というメッセージなんです。でもその「ほんの少し」を手に入れるために、人間は命以外の全部を犠牲にするくらいの努力が必要な世の中になっているわけでして。これ、気を付けないと、踏みにじられている人や自分を犠牲にしている人を「商業資本主義の中で贅沢を求めた結果の自己責任」と決めつけるような、カルト宗教がやっている、すげーギロチンスティックな陶酔に走りかねないと思います。■いや、私の周りにも登場人物的なキャラは大量にいますよ。でも彼らは人権を蹂躙されても踏みにじられてもサバイバーとして生きる自己完結力と、自分の生存方法が万人に適応されるなんて思っていない謙虚さがあります。「何も起こらない映画」の名作って、そういう事実を踏まえたうえでどうするか…という提示をさりげなくしていますが、この映画はそれがないです。■でも風景や室内のカメラワーク(3メートル離れたところから撮る構図)が現実の人間の視線とリンクしていて、世界観の構築はさすがだなと思いました。
[DVD(邦画)] 5点(2011-09-05 16:01:15)(良:1票)
93.  チョコレート・ファイター 《ネタバレ》 
妻投稿■(大好きな俳優だけど^^)阿部寛のエピソードはいらない。畳部屋の戦いで彼が出てくる意味が分からない。この人の無駄なチャンバラのせいで死者の数が何倍にもなっている気がする。で、結局お母さんが助からないうえに「彼は愛を知った」なんてエピソードで占められても、この映画において全く活躍しない阿部寛の内面なんてどうだっていーっつうの。この映画はジージャーの映画なんだから■あと、痛い映画を見せたいのは分かるが、やたら人体に物が刺さる痛さは誰も期待していないと思うよ。■とは言うものの知る人は知っているプラッチャー・ビンゲーオとパンナー・リッドクライのコンビの凄さは健在です。今回戦うのは女の子という設定ですが、彼女は自閉症の当事者で、テレビの格闘シーン(マッハやトム・ヤム・クンのシーンが出てます^^)を見ただけでそれを実際にやってしまう身体能力と記憶力の持ち主という設定。その演技は同じ無口キャラのトニーと比べ迫力の桁が違います。特に彼女が健常者の理不尽な暴力を受けた時や自分の家族を酷い目にあわせた奴と戦う時に見せる目は、トニーのように火が燃えるだけの虚構に満ちたものではなく、困惑と恐怖と悲しみと怒りといった複雑な感情が目の前のものに力集中して出来るギラギラしたものになっており、健常者に対して純朴な障害者を描くことを求められる日本映画では絶対表現することが許されない、「健常者秩序に対する反抗心」が表現されていたと思います。■監督はその反抗心をマサシの孤独な心と共鳴させることでラストを美しく締めようと考えていたのだとも思えますが、残念ながらそれは失敗しています。それが中途半端になるくらいなら、「ジージャーがお母さんを取り戻す!!!!!マッハガール!!!!!!」でやってくれた方がよかったです。そっちの方が得意でしょ。
[映画館(字幕)] 7点(2009-06-02 23:00:10)(良:1票)
94.  日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 
妻投稿■「目的が手段を正当化する」と言う言葉があるけれど、それよりももっと悲惨な事になる事が多いのが、「手段が目的を支配する」時。往々にして未来の事を考えるのが怖い人間はそういう状態になりやすい。■よく、戦争反対映画で「戦争の狂気」とか「戦争が人間を狂わせてしまった」という描き方で、「人間を免罪する」ような映画があるけど(私のなかではチャップリンの「独裁者」がその一例)、この岡本と言う監督は、そんな生易しいヒューマニズムは見せない。彼は映画のなかで徹底的に「手段が目的を支配している」状態の人間を描く事で、「悪いのは戦争ではなく人間」ときっぱり言い切ってしまっている。私はこの戦争を「大日本帝国が悪者で、連合国やアジアはイイモン」という風に単純にみる事は出来ないのだが、「悪いのは戦争ではなく人間」であるという事が本当ならば、改憲派も護憲派も右も左もとにかく日本国民なら共通する問題だと思う。■岡本監督アナドレン。ラストの皇居のシーンは本物の皇居を勝手に撮影したらしいが、どうしてそこに拘ったかと言うと、映画のなかの皇居と、1970年前後の当時の皇居と同じ映像にする事によって、それと同じ世界を生きている私たちに、映画のなかの狂気と言うものは私たち自身の心と隔絶されたものではない事を訴えているのだと思う。■映画とは関係ないけど、私は一度だけ国会図書館近くで(国会議事堂を見学しに東京に出ていたので)、半蔵門から出てきた天皇陛下の車に遭遇した事がある。見えたのは一瞬でお妃さまが手を振ってくれたのだけど、一体どうなったらここまで穏やか(すなわち意志が強い)人になれるんだろうというオーラがあった。この映画を見て何となくわかった気がした。
[レーザーディスク(邦画)] 9点(2010-09-28 00:23:06)(良:1票)
95.  A.I. 《ネタバレ》 
妻投稿。 母親に「いらない」宣告されたロボット少年が、その悲しい思い出から深い優しさを手にいれ、それを使って新しい愛を作り出す・・・という内容かと思いきや・・・。このラストはすごい「僕はどのようにして生まれてきたの」「愛されて生まれてきたんだよ」の「愛」がいかにはかないかをドカンと打ち出した内容になっている。宇宙人もどきがその「愛」をありがたがる様子は、まさに現代社会の「愛」という概念に対するスピルバーグの最高の皮肉だろう。やられました。8点。
[地上波(吹替)] 8点(2008-03-06 21:59:38)(良:1票)
96.  ハリー・ポッターと秘密の部屋
ハリポタシリーズは全部見たが、面白いのはこれだけ。原作が長くなかったのと、続編だったため世界観をいちいち説明する手間が省けたのがよいのだろう。さらにジニーをはじめ、ウィズリーちゃんたち面々が良いキャラクターであり、それをさらった蛇野郎のいかれっぷり、何だか某合衆国時代もの映画でも似たような役をやっていたマルフォイパパの悪っぷり、わけのわからんナルシスト作家野郎など、面白い要素が調和していた。地下室のシーンも結構ドキドキしたぜ。ダンブルドアの最後の締めなども爽快感があり、魔法世界とエンターテイメント性が結構いい感じで融合して、「魔法の世界って一度行ってみたい」と思えるくらい楽しめた。
[DVD(吹替)] 8点(2008-01-31 00:44:21)(良:1票)
97.  ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
とりあえず思ったこと。魔法省の世界は世界の民主主義国ランキングで言えば120位くらいだろう。特定の人種への虐待の黙認、政府に不都合な人間の勾留、「アズカバンに連れて行くぞ」といった脅迫、教育への干渉、政府エージェントの教育現場での虐待の黙認、受刑者に対する精神的虐待などなど・・・。うち、魔法世界に行きたくねえ。Ⅹファイルに出てきそうなのはうようよしているし。
[映画館(吹替)] 4点(2008-01-31 01:02:08)(良:1票)
98.  ヘイフラワーとキルトシュー
妻投稿■皆さんがおっしゃられているように、この映画はひたすかかわいく、ひたすらのどかで優しい映画だと思います。そして、ソ連によって国土の3分の1をぶんどられ、ノルディックバランスと国民皆兵でどうにか自由と民主主義を守り通し、政治的公平度や報道の自由度ランキングでは常に世界でも5本の指には入るガチンコ共和国で作られた映画です。■少なくとも映画の中の世界は日本で想像するような「愛」や「人情」みたいな抽象的なもので成立しているわけではないので、ヘイフラワーが神様に祈るシーンは、フィンランド人にとっては神様ではなく、自分たち大人への願いと感じるのではないでしょうか。私が思うに不必要に出てくる警官は観客自身なのだと思います。警官という物騒な存在がこういう映画に出てくるというのがその証明なのだと思います。この映画はフィンランドの「平和」をあらわしているのです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-07-15 03:01:35)(良:1票)
99.  インデペンデンス・デイ 《ネタバレ》 
妻投稿■この映画が作られた1996年と言えば西側世界の最盛期。ソ連の崩壊や中国の改革開放、湾岸戦争の圧倒的連合軍の勝利。ユーゴスラビアで「人道」のために空爆するnato軍。少なくとも日本人の大半が「アメリカは嫌い」といいつつも、結局はアメリカによって総括されている「自由と正義」が世界を一つにする未来を信じていた時代だ。■だから映画の中のアメリカはああなのは仕方がないとして、実際に2001年にニューヨークで似たような事があって(吹っ飛んだのはエンパイアスティトビルではなくワールドトレイドツインタワーだったけど)、アメリカは映画の中と同じような(つまりは人間ではなく宇宙人をやっつけるような)ノリで同じような事をやってしまった。当時のアメリカが面くらったのは「世界の独立記念イベント」に全部の国や民族がノリノリではなかった事だろう。■この映画はアメリカ映画なのだからアメリカ万歳映画で当然だし、宇宙人相手の生存という国益のためならアメリカの旗の下に世界が集うのも現実的だと思う。さらにニューヨークの空を覆い尽くすたった一つの円盤という構図は、「侵略」の2文字を物凄く写実的に表しているし(これはある意味ドラクロワみたいな時代を表す絵画といってもいい)、これ以降エメリッヒの映画は戦争や破壊のスペクタクルを「一つの絵」として見せる方向性に目覚めたと思う。■しかしそういうものは妄想だからいいのであって、現実だと思っちゃダメ。これが映画の在り方なんだと思う。(←わざとらしい難しい言葉でいろいろ知ったかぶりしましたが、一番の妄想女は私です)
[地上波(吹替)] 7点(2009-12-20 23:41:45)(良:1票)
100.  ショーシャンクの空に 《ネタバレ》 
妻投稿■「娑婆は怖い」「刑務所なら生きられる」というシーンがあるんですけど、これ凄くリアルなんですよね。今の日本の刑務所って、所謂池沼さん(私もだ!!!)が多くて、世の中で生きていけないから刑務所で生きて行くしかない人が30円盗んだり火のついた雑誌を交番に持って行って、実刑判決を出してもらっている状況です。彼らにとって、暴力や強制労働や性的虐待で一方的にやられ放題な娑婆より、刑務所の中がよっぽど安全なんですよ(そういえば南米ベネズエラでも娑婆より安全な刑務所に看守に金払って家族を呼んでいる犯罪者がいるって話も聞きます)。■この問題は「当たり前」がよく理解出来ない障害者が「当たり前に保護されず酷い目にあう」というある意味当たり前の摂理の結果なんだと思いますし、私自身健常者さんの世界で生きて行く事に罪悪感が全くないわけではないですが、ただこれだけは言っておきたいのは「こういう問題がリアルに存在する中で、明らかに不自然に馬鹿な看守から金を奪って逃げるという結末はないのではないか」という事です。この結末を「道義的」だの「道徳的」だのという理由で非難するつもりは毛頭ありません。ただ「あり得ない」と言いたいわけです。それが同時代の「フォレスト・ガンプ」みたいなファンタジーだったり、「夜逃げ屋本舗」や「プリズン・ブレイク」みたいなノリだったりしたならわからなくはないのですが、これは「希望を持て」という映画なのでしょう。で、その「希望」がこれ…(--〆)これじゃあ、「希望を持て」ではなくて「妄想し続けろ」って事ですよね(笑)■この映画、所詮は冤罪で刑務所にぶち込まれる事がなくて、刑務所の外に温かい家族がいる人に「希望」が何かわかったような気にさせるだけの映画だと思います。
[DVD(吹替)] 1点(2010-03-22 02:15:48)(良:1票)

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