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141.  エリザベス:ゴールデン・エイジ 《ネタバレ》 
気高くて孤独で痛々しい女王でした。1人の女として生きるか、それともお国のためにわが身を捧げて生きるか、そういう葛藤が分かりやすく描かれていたと思います。「政治家エリザベス」を支える側近たちにもスポットライトが当てられており、とくにジェフリーラッシュが演じるフランシスが面白いキャラでした。陰気で忠実な男です。彼は女王の側近として秘密警察のようなことをやっている男で、今でいうとCIAの長官のような存在でしょうか。この男が色々な場面で暗躍するが、なぜか女王からは好かれない。たとえばメアリーの処刑。あれは明らかに権力争いです。エリザベスにとってメアリーは手強い政敵でしたので、側近たちに促されて処刑を実行します。こういう政争を通して、エリザベスを支える取りまきたちの実力も垣間見ることができます。彼女はフランシスのような謀略家を毛嫌いしていたと思いますが、権力者であり続けるためには、魑魅魍魎然とした人間たちもそばに置いておく必要があったのだと思います。エリザベスが「光」ならばフランシスは「闇」。政治とはその両方があってはじめて機能する。女王は良くも悪くも百戦錬磨の政治家でした。それなのに彼女は恋愛に関してはまるで子供なのです。彼女の孤独感がかなり痛々しい。女王であるがゆえに気軽に相談できる相手もいないので、1人でクヨクヨしたり、みっともなく取り乱したりして痛い女を演じている。女王はたしかにスペインの無敵艦隊には勝ちました。しかしたった1人の侍女に完膚なきまでに負けたのでした。エリザベスの人間としての強さと弱さ、政治家としての光の部分と影の部分、そういう対極の部分を本当にうまく表現したいい映画だと思います。これぞ人間劇。ラストシーンは切ない。恋敵の侍女の産んだ赤ん坊に祝福を与えるシーンです。女性にとって何が幸せなのかは分からない。しかし悟りを開いたような彼女の清清しい表情に少し安堵する。歴史なんて関係ありません。そんな知識がなくても楽しめます。これは1人の女性の決意の物語。  
[DVD(字幕)] 10点(2009-02-25 19:17:14)(良:1票)
142.  オペラ座の怪人(2004) 《ネタバレ》 
この映画は、不幸な人殺しのファントム様に感情移入できるかどうかで評価は分かれると思います。 このファントム様は、自分にとって都合の悪い人間を簡単に殺すオペラ座の逆ギレストーカーでした。 しかも無職のくせに、給料まで要求する図々しさは、オペラ座の怪人というよりは、オペラ座のニートです。 しかも地下にこもって、人形遊びをしている姿をみると、ただのひきこもり野郎にしか見えませんでした。いったいどういう女性がこのような気色の悪い男を好きになるのでしょうか? しかし、クリスティーヌは、まるで聖母のように、この陰険な悲劇のヒーロー気取りの男を哀れみました。私は彼女の神々しいまでの美しさに感動致しました。 彼女は、人殺しのファントム様の罪のすべてを受け入れて彼を癒したのでしょう! さて、ラストシーンでは、クリスティーヌの墓前に花と指輪が添えられていましたね。 この場面から、ファントム様がここにやってきたことが、瞬時に理解できました。 なんと、逆切れストーカー男は、クリスティーヌよりも長生きしていたのですね!! ファントム、てめーが真っ先に死ねや!と、素直に感じました。
[DVD(字幕)] 1点(2005-10-09 21:55:44)(良:1票)
143.  スネーク・フライト 《ネタバレ》 
ヘビを使って飛行機を墜落させようと考える犯人の美学がかっこいい。警察官のサミュエルはだんだんヘビを殺すのにも飽きてきて拳銃で飛行機に大穴をあけてしまう。ひどい警官だ。お前が墜落させる気か。座席にしがみついて、落ちるのを必死でふんばっていたおばさんはきっとサミュエルを訴えるだろう。「スネーク・フライト」の番組が終わった直後に今度はゾンビフライトがはじまった。WOWOWはやっぱりすごい。 
[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-02-06 20:03:17)(良:1票)
144.  交渉人(1998)
く、苦しいタイトルだ・・。「交渉人」か! エディマーフィに、ネゴシエーターというタイトルを取られちゃったから、苦肉の策で、交渉人というタイトルをつけたんだね。
5点(2003-10-15 00:08:24)(笑:1票)
145.  THE 有頂天ホテル
率直に言わせてもらうと、綺麗すぎる。優雅すぎる、上品すぎる。「自分らしく生きよう」なんて映画のなかで説教されて、おもわず感動して涙が出そうになりましたが、笑えませんでしたよ。冗談じゃありません。ヒューマンドラマ系コメディなんて中途半端なことをやらずに、とことん笑わせてくれませんか?これが本当に「12人の優しい日本人」の監督さんなのでしょうか? 三谷監督は才能が枯れ果ててしまったのかもしれない。 ようするに毒が無さ過ぎるのです。余裕がありすぎるのです。 まるでチャップリンコメディのように、知的さと感動を売り物にしたコメディなど、笑いのみを期待している私のようなバカ観客にとって、怒り心頭なのです。 だんだん最後のほうになってきて、笑うどころか、しんみりしてきて、落ち込みそうになりましたよ。いいですか?感動したいなら、感動する映画を選んで見ますよ!だ、け、ど、ね・・笑いたいときに、笑わせてくれない知的で上品な映画など見せるな、と言いたい。
[地上波(邦画)] 1点(2006-12-31 20:47:04)(良:1票)
146.  アース
人間が感じる孤独などは北極の前では笑い話にすぎません。人間は生きることに意味を求めたがる。自分の存在価値を必死に求めて悩んでどうなる?生きるということは、ただそれだけでも立派なことではないのか?この映画は自殺大国日本には必見です。自殺の本質とは、生きることが当然の権利だと思い込んできた傲慢な人間の反動です。対照的に水を求めるゾウたちの姿をみて命の躍動を感じずにはいられません。もし社会が悪いから自殺が増えていると本気で思っている人間がいるならば、今すぐシロクマのホラ穴にホームスティに行ってこい。死に急ぐ若者にいたっては白クマのエサになって貢献しろ。それが本当のリサイクル精神だ。これは生きる意味の根源を問いかけた名作だ。生きるのが難しい時代こそ、本来の生物ならば生きたいという気持ちは強くなり、生命は輝きを増す!それができない人間は何かを失っている。本能の欠如した動物だと言われても仕方ない。本当の「命」とは、劣悪な環境であるほど燃え上がる。本作品の映像がそれを物語っています。じつにすばらしい・・改めて命の素晴らしさを感じました。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-16 00:02:40)(良:1票)
147.  穴(2001)
フランス映画で人気の高い「穴」と間違って観てしまいました。痛恨の失敗。 この映画も、たしかに「穴」でしたが、ストーリーに穴がありました。
[DVD(字幕)] 3点(2005-04-03 00:07:22)(笑:1票)
148.  チェイサー (2008) 《ネタバレ》 
身体上の理由から女性を愛せないと思い込んだバカ男が、女性を激しく憎む。このようなクズは韓国だけではなく世の中には必ずいるものだ。女性を、性欲の対象としか見えていないのだ、女性を心がない人形だと思い込んでいるのだ、セックスできないならば不要なゴミだと思い込んでいるのだ。おまえらは弱者でありながらさらに非力な弱者を見つけ出して痛めつけているクズだ。さっさとくたばれよ。映画は物語だ。どんなに残酷で、救いようがない実話であっても、一縷の望みというものが描かれていないならば、それは映画ではなく、事実をなぞるだけの新聞と同じだ。あのラストは醜悪だ。まるでダンサーインザダークだ。観客に対して、あと1歩で助かりますよと宣言しておきながら、「はい残念でした。くやしいですか(嘲笑)」という手法は、あたかも虚無主義に等しい。これが意表をつく衝撃のラストだって?そんな衝撃などクソ食らえだ。私は彼女が助からなくて悔しかった。怒りに震えた。監督よ、これで満足か?我々観客は、現実の厳しさは知っているつもりだ。しかしその現実の厳しさを、映画のなかで再確認するために映画館に足を運んでいるわけではない。欲しいのは救いだ。夢だ。希望だ。罪なき女性が何人も殺されたという事実、しかし殺人は100%成功するわけではなく、その中には未遂も当然含まれている。ニュースで報道されていなかっただけで、やはり生き延びた女性がいたはずだ。そんな女性の1人が、命を賭して逃げ出し、そして娘と抱き合って喜びを爆発させる─。これが映画なのだ。現実では救えなかった人を物語の中で救い、観客にカタルシスを与える─。私はこの映画を許さない。 
[DVD(字幕)] 0点(2011-09-19 10:21:43)(良:1票)
149.  カールじいさんの空飛ぶ家 《ネタバレ》 
なぜこの映画がつまらないのかといえば、主役の男2人が魅力に乏しいからです。楽天の元監督、野村のように陰気臭い老人と、中日落合の昔の息子のように生意気な子供を見せられて、あなたはどう思いますか?この2人の冒険を純粋に応援したいと思いますか?何よりも致命的なのはヒロインがいないことです。ピクサーよ、おまえたちは間違っているぞ。むさ苦しい男だけの人間劇など誰が観たがるというのだ。ナウシカしかり、魔女の宅急便しかり、偉大なアニメの基本は偉大な女性が輝きを放っているのだ。皮肉なことにこの映画が最高に輝きを放っていた瞬間は、エリーという女性が登場したほんの数分間だけでした。あとはメタボのデブと、むっつりジジイの冒険を長々と見せられる。バカ男2人に、敵もバカ男。窒息させる気か!本来は生意気なガキが冒険を通して、だんだん「良い子」に変わっていくのが物語の鉄則のはずだが、こいつは最後まで好感度ゼロのままだった。そもそもあんな大冒険をしておいて、こいつ、まったくやせていない。お前は唾液だけで太るのかよ。それから私は3D映画レビューの第一人者です。その私があえて言わせてもらうと、本作品の3Dは質が低い。本格的な3Dは高所恐怖症の人が観られないくらいリアルです。おそらくピクサーはストーリーを重視したのだと思う。ストーリー重視と、視覚重視は両立しない。ストーリーや、人間描写のために、視覚効果をそり落とすか、視覚効果のために、ストーリーを変更するかの、二者選択をしなくてはいけないからです。悪いことにこの作品をどっちつかずになっている。つまり一貫性がないのだ。3Dならば、視覚効果のために、物語の内容を犠牲にしても、王道を突き進むべきだ。いや、むしろ、それが3D映画の宿命だ。3Dは、究極の映像を見せる為に、あらゆる犠牲の上に成り立っているのだ。3Dとは、美術である。科学である。 そして未来である。  確実にいえることは1つ。これは「3D元年」を象徴する作品ではないということです。 
[映画館(吹替)] 2点(2009-12-23 21:19:48)(笑:1票)
150.  ウェディング・シンガー 《ネタバレ》 
結婚式で花嫁に逃げられたウェディングシンガーのロビーはやけになって他人の結婚式で乱闘騒ぎをおこす。  この不幸なロビーも最後にとうとう運命の女性と結ばれることになり、ラストは感動的な2人の結婚式がある。この幸せ絶頂の瞬間に、1人の男がやって来てロビーたちの結婚式を台無しにしたら彼はどう思うだろうか? たとえ、この男がロビーと同じく大きな失恋をして自暴自棄になっていたとしても同情はできないだろう。 八つ当たりは良くない。 ましてや彼はウェンディングシンガーという職業柄、そんなことは一番よく分かっているはず・・・と思うのだが、じつはぜんぜん分かっていない。その理由は自分の仕事に誇りを持っていないからだ。 この映画からは彼がどうしてウェンディングシンガーをやっているのかということがまったく見えてこない。他人の最高の幸せの瞬間を祝福するという仕事に名誉を感じているわけでもない。その気持ちがあったらあんな真似はしなかっただろう。 彼はたんに自分の生活を維持するための賃金を稼ぐためにたまたまウェンディングシンガーをやっているだけの普通の人間だ。 だから別に彼がムリにウェンディングシンガーである必要はなく、銀行員でも魚屋さんでも全然平気なのだ。それでも物語りは成り立つだろう。 しかしもし彼が銀行員をやったとして映画のタイトルを「銀行員」にしても受けは良くないだろうから言葉の響きのいいウェンディングシンガーにした。  けっきょく最後までウェディングシンガーという職業が意味を持つことはなかったと思う。  もし意味があったとするならば、あの飛行機の場面だ。自分の恋を祝福するためだけのウェンディングシンガー!   
1点(2004-12-03 20:20:41)(良:1票)
151.  わたしを離さないで 《ネタバレ》 
あえて舞台設定を未来にせず、過去に設定。つまりこれはSFではありません。クローンは、わずかしか生きられない人間のメタファーになっていることに気が付いてください。だから、「整形して逃げればいいじゃん」だとか「人権弁護士に助けを求めろよ」だとか、そんなことを言っても意味はないのです。テーマは「生」です。では「生きる」とはなんでしょうか?坂本竜馬はこう言った。「この世に生を得るは、事を為すにあり」つまり、生まれたからには、何かでかい事をやってみろよ、と言う意味です。さらに自意識の強い若者はこう言う。「僕は何のために生まれたの?生きる価値って何かなぁ?」 この映画で、限りある生のなかで、必死で生きている3人の姿をみてください。そして気が付いてください。生きているということは、ただそれだけで素晴らしいということを─。何も成し遂げなくてもいい、ただ生きているだけで嬉しい─、その実感こそが、幸せと呼べるのではないでしょうか?悲しいことに、人間は、死が目の前に迫らないと、生を実感できない。1つ説明したいことがあります。新任の女教師が、義憤から真実を子供に打ち明けるシーン。「あなたたちは臓器を提供するために生まれてきた」 校長は女を追放する。真実を隠そうとする悪そうな校長に見えますが、彼女は、クローンにも魂があることを証明したかった、ゆえに子供に絵を描かせていた。校長にとって、生きる、ということは、表現することだった。子供に真実を打ち明けることは、「あなたたちは人間ではなく、人間のために育てられている家畜なのです」と宣告することに等しかった。その時点で子供は、「ニンゲン」であり続けることに、挫折していただろう。ヘールシャム寄宿学校は、当初は悪魔の巣だと思った。だが、じつは人間と認められないクローンを、唯一人間として教育してきた場所だった。3人はそこで感受性豊かな人間として育てられ、恋をして、むしろ本当の人間より、生を実感していた。子ども時代のトミーはひどかった。しかし、大人になった彼は、自分を表現できるようになった。彼から絵を見せられた校長は辛くて嬉しかったに違いない。そしてこれがこの映画の最大のメッセージなのだ。トミーはまぎれもなく人間だった。いや人間以上に人間だった。かなしいくらいに素晴らしい映画です。
[DVD(字幕)] 10点(2012-10-23 22:35:55)(笑:1票)
152.  少女の髪どめ
仕事を奪った相手に逆ギレして、ひどい仕打ちを繰り返してきた男が、その相手が可愛い女の子と分かった途端に態度が豹変します。 最初は男のそういう態度を眉唾に思って眺めていました。 しかしその女の子に対する恐ろしいまでに不器用な、男の接し方を見ていると、思わず「おまえ、いい奴だったのか!」と微笑んでしまいます。これは紛れもなく初恋でしょう(苦笑) 「初恋のきた道」の男バージョンだと思いました。 男は夢中を通り越して、もう狂っています。男の壊れっぷりが実に見事でした。 最初に抱いていた男に対する不信感は吹き飛び、その行動に苦笑いの連続です、しかしさわやかな苦笑いという感じです。 基本的に映画とは、監督が自分の作る作品に「戦争と平和」など、何らかのメッセージを残したからといって、必ずしもそういう見方をしなくてはいけないとは限りません。 映画は公開されれば、すでに監督の手を離れ、1人1人の観客にすべての答えを委ねられるわけです。 映画とは学校の試験のように答えがあるわけではありません。 この映画は、1人の男の恋の物語。これが私の答えです。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-02 22:22:54)(良:1票)
153.  プリティ・ウーマン
最高の映画だ。こういう映画に求めるものは、夢と幸福のみだ。人間は時には理想を想像し、イメージできなければいけないと思う。
9点(2003-10-15 05:05:04)(良:1票)
154.  ラブリーボーン 《ネタバレ》 
ピータージャクソンの映像美は満足できるレベルです。本作品の舞台である「あの世」とは現世と天国の境目。つまり少女は三途の川を渡ろうかどうかってところで行ったり来たりしている。こういう不思議な空間をこの監督に与えたらとんでもない映像を作り出せる才能がある。「乙女の祈り」で少女たちが空想で作り上げた第3の世界しかり。「キングコング」のドクロ島しかり。「ロードオブザリング」の魔法の世界しかり。見所は家族愛でもなければサスペンスもない、彼の作り出すイマジネーションあふれる世界観なのです。少女ばかり殺している殺人犯の死に方について。あれはないと思いました。犯人に己の罪に対する罰を自覚させることなく死なせるなんて。これは悔しかった。だけど監督は犯人の罪と罰には興味がなかったのでしょう。彼は無念にも殺されてしまった少女たちを、自分のつくる物語の中で幸せにしたかった、ただそれだけの自己満足のためにこの映画を作ろうと決意した。私はそう信じます。世の中は男女平等と言いながら腐りきった男社会だ。動物界と同じようにしょせん力の強い男が、非力な女性や子供を虐げている。痴漢、レイプ、DV、幼女監禁、いいですか?法律が一度でも女性たちを救ってくれたことがありますか?この世に神などいるはずがない。しかし映画監督は自分のつくる作品のなかでいつだって神になれる。あのラストシーン。犯人が死んだことによって、「あの世」の女性たちはみんな笑顔になる。監督は現実では救えなかった弱者たちを物語のなかで救ったのである。じゃあこれからみんなでそろって天国でも行きましょか。女性たちのそんな会話が聞こえてきそうだ。厳しい弱肉強食の現実とは大きくかけ離れた物語。しかしある意味でこれこそ究極のファンタジー。 
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-13 19:20:44)(良:1票)
155.  レオン(1994)
映画の素晴らしさは、一つの作品を観るごとにエンディングを観ることができることだと思う。 ある意味で最後を観るために映画は存在するのではないだろうか。 最近ではTVドラマと変わらないような映画が多い中で一つの作品として起承転結が明確なこの映画はやっぱり素晴らしい。 
9点(2003-10-14 21:12:41)(笑:1票)
156.  東京島 《ネタバレ》 
十五少年漂流記のように、みんなで助け合って危機を乗り越えていくという涙ぐましい美談は1つもありません。エゴイズムの極致を追求したあらゆる描写が収斂されています。その象徴的な人間が清子とワタナベですね。ワタナベの変人ぶりは目に余るものがありますが、彼の他人に対する嘲笑や激しい復讐心の源泉は、他者との齟齬の自覚にあります。つまり過剰な自意識の裏返しなのです。だから彼は無人島で自意識が解放され、光り輝いたのです。清子は完全無敵のエゴイスト。生き抜くためにはどんな卑劣な手段を用いることも逡巡しない強さが秘められている。非力だがザバイバル能力はランボーすら凌駕する。清子とワタナベはまさにトウキョウ島の申し子であり、2人は水を得た魚のごとく一瀉千里の勢いで活き活きと島をかけめぐる。その描写はじつに素晴らしいものがある。人が秘める本能を「食欲」と「性欲」の描写を執拗に描くことによって炙り出すこと成功した。人間にとって「社会」とは摩擦相克の場だということも分かるかと思います。ちなみに東京島のオトコ連中は、この世の男尊女卑の思想を代表する愚か者たちなのである。現実問題としても、この世は男女平等を謳いながら男尊女卑がまかり通っている。罵るときは「バカ」だけでいいのに、わざわざ「バカ女」と言ったり、女性の弁護士にわざわざ「女弁護士」とつける。その根底には女性差別が含まれているのだ。「東京島」が痛快なのは男尊主義者たちが怒りで失神しそうな内容の物語だからだ。清子は女性軽視のバカな男たちを踏み台にして、ついに自分だけ無人島を脱出する。こんなに痛快な小説はあるだろうか?清子バンザイ!桐野の小説は、男をのこぎりで切ったことにより、男をばかにしていると批判されて直木賞を逃したこともあるが本当にばかな中年男たちは、人間の本質がわかっていないのだ。ハリウッドのリメイクではぜひ女優レニー・ゼルウィガーが清子役をしてもらいたい、第二候補は杉田かおるでよろしく頼む。
[DVD(字幕)] 7点(2012-02-25 21:25:21)(良:1票)
157.  西遊記(2007) 《ネタバレ》 
もしこれが中国に対するあてつけだとするならばとても高度な政治的な嫌がらせだと思いましたが、悲しいことに真面目にやっているつもりらしいです。わが国の大作映画は、芸能人を大動員をして、そして大宣伝をして、あとは知らんぷり、広告戦略にすべてのエネルギーをつぎ込み、観客があとで期待はずれだったと文句を言っても、お金を払わせたほうが勝ちだと思い込んでいる。いわゆる「作り逃げ」というものが蔓延しています。しかも芸能事務所との馴れ合いがますます顕在化し、どんな映画にも必ずといっていいほどスマップがオマケのようについてくる。今では邦画はすっかりTVの二軍に定着してしまいました。もはや作り手にとって「孫悟空」という人物イメージなどはどうでもよくて、孫悟空を演じるスマップのディナーショーを、映画という形に置き換えて利益を上げようとしているのが明白です。当然のことながら今この国では本当の映画俳優は育たない事実がある。本当の俳優とは自分の「個性」や「性格」を人目にさらしてはいけないと思います。常に自分をさらけ出しているTVタレントの俳優化は最悪の選択だと言わなくてはいけません。観客はですね、これを孫悟空が大騒ぎしている映画とは見ないのですよ、スマップが大騒ぎしている映画と思うだけなのです。つまり観客に固定概念をすでに与えてしまっている時点で役者はできないのです。スマップがやかましく騒ぐたびに、なんで貴様のくだらないディナーショーなど拝まなきゃいけないんだよと毒づきながらも日本映画の荒んだ現状を憂えずにはいられなくなり、気がついたら涙が出てきました。もし映画を愛する中国人がこんな笑えない西遊記をみたら、怒るよりむしろ私たち日本人に同情してくれでしょう。 
[地上波(邦画)] 3点(2008-10-24 21:47:15)(良:1票)
158.  マグダレンの祈り 《ネタバレ》 
激しい怒りが・・・。 レイプされた女性の「罪」は、男を誘惑させるような態度をとったからだとさっ! だから長くて美しい髪の女性は、娼婦扱いされ、修道女に、はさみでばっさり切られる。まるで悪夢。 美しいというだけで、 「あなたが、わざと男を誘っているのです」と言われてしまう。 レイプされた少女、恋人と交際中に、気が付いたら妊娠していた女性、また父親に犯された娘などが、娼婦と認定されて、修道院に監禁されてしまう異常さに目のくらむ怒りを覚えます。 彼女達は、そこで洗濯をさせられます。 「娼婦は己の汚れきった心を、自分で洗濯しなさい」という意味があるようです。 修道女は、修道服に身を包んだ虐待者の集団でしょう。 正義を信じて実行する人間の恐さは、過ちを犯した人に対する冷酷さだと思います。弱さに対する哀れみはまったく見られませんでした。 しかし、この修道女よりも、アイルランドの「社会」そのものに問題があることがこの映画から分かりました。カトリックの教えでは、避妊が許されないので、恋人とつきあっていて妊娠するケースが多かった。そのせいで未婚の母親となると、町の噂になる。それを嫌った家族が、修道院に自分の娘を捨てるのです。 「預ける」のではなく、「捨てる」のですよ! この映画では、1人の女性が施設を脱走して実家に帰ったとき、父親が娘を血が出るまで殴りつけて、「一生戻ってくるな」と追い返すという場面がそれを実証しています。 自立こそが支配から逃れる手段だということを、痛切に感じました。 孤児院で育ったバーナデットも幼くて自立できず、支配され続けた女性でした。しかし脱走し、自分で仕事をもち、見事に自立しました。あの雨の印象的なラストシーン。 彼女の強い目が「もう私は、誰にも支配されていないから逃げる必要がない」と言っているようでした。女性の経済的自立が、支配の壁を打ち破った瞬間だと思います。 まさに女たちのジハード! 怒りの10点です。
[DVD(字幕)] 10点(2005-09-24 20:18:41)(良:1票)
159.  サラの鍵 《ネタバレ》 
サラは悲しみを乗り越えることができなかったようです。まさかの自殺。心の苦しみは、時間だけが解決すると言われますが、何十年たっても、乗り越えることができない心の痛みがあるのだと分かりました。いやむしろ、結婚して、幸せになればなるほど、幸せである自分が、弟に対して、申し訳ないという思いが募っていったのでしょう。主人公の一歳の娘がムチャクチャかわいい。名前はサラと同じ名です。ではなぜ、サラの息子ウィリアムは、娘の名を聞いて泣いたか分かりますか?勘違いしている人もいるので、是非説明したい。人間というのは、本能的に、死んでからも、周りから忘れてほしくないという思いを持っている。愛する者も、死んだ人を忘れたくない気持ちがある。息子のウィリアムは、母親のサラを愛していた。しかし母親は悲しい女性だった。正体を隠して自殺した哀れなユダヤ人だった。誰も彼女を救えなかった。誰も彼女を知らなかった。誰も死後の彼女を思い出すこともなかった。息子の涙は、そんな自分の母親のことを、一生忘れない、一生覚えていたい、と思っている主人公の、その気持ちに対する涙だったのです。これほど迫害を受けたのに、なおも幸せになる自分が許せないと思い込んで、命を絶った孤独な母親のことを、忘れないでくれる人がいた、その事実が息子の心を動かし、涙となったのです。主人公は決してサラの人生を掘り返したのではない。サラの人生を、自分の人生に刻んだのです。その象徴が一歳の娘でした。もし主人公がサラを知らなかったら、中絶していた。だから娘は生まれてこなかったのです。サラは生き続ける。主人公と息子の中で。ずっとサラがかわいそうだと思い続けてきました。しかし最後に母親に対する息子の無限の愛情が伝わってきて涙が止まりませんでした。映画ってすごい。涙の10点です。  
[DVD(字幕)] 10点(2012-11-25 20:09:16)(良:1票)
160.  ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 《ネタバレ》 
く、く、く・・・・くだらない・・。話があまりにも幼稚っぽいと思います。「悪者から核兵器の発射を阻止しましたとさ、めでたし、めでたし」というありきたりなストーリーは、恐らハリウッドには山の数ほどあると思います。マンネリ過ぎます。ラスボスもインテリ老人が、トムと殴り合いっこ。しかもトムは大苦戦。やはり年のせいかと思う。スパイ映画よりエクスペンダブルズに出た方が良いのでは・・。それに銭形警部みたいなロシア人も必要ないと思います。彼の存在はコメディのためですよね。今回は特にコメディ要素が強すぎてイーサン以外の仲間がスペシャリストに見えない。単なる雑魚。ラストは奥さんが生きていて感動はできる。しかしそれじゃあ、なぜセルビア人の人たちを6人も殺す必要があったのか?刑務所に入るという目的のため?それで平気で6人も殺すのがスパイなのか?殺し屋よりも簡単に人を殺しすぎます。最後は仕事を終えて、満面の笑みでお酒を飲むメンバーたち。君ら、長官が殺されたことをすっかり忘れているよね?あまりにも命が軽すぎる。まるでテレビゲームだ。しかし最後の指令は誰からなのか?もう新しい長官が赴任したのか?最後のスマートフォン?も、指令を受けた後、「なおこのメッセージは5秒後に消滅する」と言って爆破するのだろうか?そもそもスパイと言っても公僕じゃないのか?いずれにせよ国民の税金でやりたい放題すぎます。
[DVD(字幕)] 1点(2012-11-04 23:10:26)(良:1票)

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