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自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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161.  ヅラ刑事
河崎実はバカ映画というジャンルすらも壊してしまったようだ。もはや『いかレスラー』の時の気負いすら捨てて、一切力むことのない自然体の最低映画(って何だソレ)を造ってしまった。 この映画を観ると確実に感性が死滅し、知能指数が下がる。ナチュラルに無設計の照明、巧いとか下手とかの次元とは違うヅラの操演、「脱構築」という言葉に疑念が生じるほどの義務感あふれるお約束コント、役者たちのまるで噛み合わない異次元間通信的演技、『太陽を盗んだ男』と『東京原発』の最大公約数以下まで省略されたシナリオ、とどめにブチ込まれる破壊的ムード演歌「悲しみはヅラで飛ばせ」の想定範囲外の挿入場所…エトセトラ、エトセトラ。 バカ映画の最底辺を掘り起こしたら何が現れるか、まだ世界の観客は誰も知らない。おそらく河崎実にだってわかってはいないだろう。その、開ける価値のないパンドラの箱を開けようとする「バカ以下」が、スコップの先に何かの感触を得た「カチン…」という瞬間、それがフィルムに焼き付けられていると思って相違あるまい。彼が掘り当てたモノの全貌は、まだどういうモノかはわからない。ここには、今までの脱力を超えた「何か」がある。今のところ、オイラにはそこまでしかわからない。  そんな映画の中で、一人だけ一所懸命演技している無名の俳優がいる。明らかにハリウッドのとあるバカ映画のとあるキャラクターを意識した演技で、その役には今までの河崎実ワールドにあり得ない、ベクトルの異なるバカ生命が吹き込まれている。 バカ以下の集団の中に、真摯な態度で一段高く浮くバカ。そんな『イシュタール』に通じるバカがオイラは大好きだ。そのキャラのために、9点を捧げようと思う。
[映画館(邦画)] 9点(2006-11-08 23:41:24)(良:1票)
162.  大誘拐 RAINBOW KIDS
キャストの演技の拙さを憂うコメントが多いですけど、「それは見る場所を間違ってるゾ!」と声を大にして叫びたい。オイラも映画を見てから原作に触れたんですが、そこで初めてキャスティングの素晴らしさ、役作りの完璧さがわかりました。とにかく、この映画で見るべきは「串田執事=天本英世」「女中くら=樹木希林」「四男大作=岸部一徳」「次男国二郎=神山繁」「和歌山TV重役=藤木悠×中谷一郎(刀自を見て嗚咽を漏らすシーンのみ)」だッ! まるで文字と一体化したかのように原作の持ち味そのままの演技。まさに《神が降りてきた》状態だと思いまっせ。他の柳川一族や村人たちももちろん素晴らしいす。そしてこの100%な脇役に囲まれて、北林谷栄と緒方拳の名演が光らないわけがない! 誘拐犯3人組が演技で勝てるわきゃないっすよ。むしろ彼らには、泥まみれで山林を駆け巡った頑張りに「お疲れ様」と言いたい。私的には9点。でも、もっと評価されていいと思う映画なので10点にしてみました。(我ながら久々に熱苦しーコメントだ…)●2004/12/3:サービス期間終了
9点(2004-04-17 18:22:38)(笑:1票)
163.  豪勇ロイド(1922)
ぐるぐるさんの指摘はかなり当たってると思います。本作のロイドはまだのび太としては未定形としても、本作の恋敵のコワモテ男は(『要心無用』では救急隊員、『活動狂』ではハリウッド俳優をやってるロイド映画常連なんだけど名前がわから~ん!)明らかにジャイアンのプロトタイプです。風貌や行動パターンがソックリ。ミルドレッド=しずかちゃん…うーん、ソコはどうかな。そして重要なのはやっぱりオバーチャン=ドラえもん、そして「ズーマのお守り」という怪しげな(ある意味時空を越えた)アイテムの存在ですね。もちろんこういう「打ち出の小槌」的民話アイテムは通常のロイド世界には似合ってないんだけど、今回のロイドは特例的に南部の超田舎が舞台なのでよかったのです。 このほか本作について言いたい事は、サイレント末期の1922年という時点なのに、カメラワークが素晴らしくダイナミックである事。ラストの対決シーン、カメラが移動しながら退く、退く、どこまでも退きまくる(よく見ると地面に車輪の跡があるんだけど気にしな~い)。ズーマのお守りの力で攻勢に立ったロイドの迫力が伝わります。ロイド作品は同時期のチャップリン作品なんかに比べてずっとカメラワークと編集技術の探求に熱心だったと思います。そしてロイド映画が「都会的」と呼ばれて来た理由の大半は、こうした技術的な努力による「大胆な絵作りと無駄を排したスピーディな筋運び」にあったと思うんですね。 ストーリー的には、ロイド唯一の西部劇という事で銃撃戦とかカーチェイスとか派手目です。ミルドレッドと結ばれるずっこけラストショットは、現実に彼女との結婚を控えていたロイドの「照れ」が感じられて楽しい。健全志向でなければならなかったロイド映画がやれたギリギリの「濡れ場」、象徴的な性的表現なんでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2004-12-30 12:01:51)(良:1票)
164.  ケン・ラッセルの 白蛇伝説
おんや、いつの間にか登録されてる…いつも登録しようと思って後回しにしちゃってたんだよなあ。なんせへちょちょさんの仰る通り、思いっきり退きまくる映画ですからねー。でもでもケン・ラッセルといえばコレでしょう(超偏見)! ストーリー展開に従って、画面の構図が「通常モード」と「蛇SMモード」に分かれてるんですが、蛇SMモードに移行した時のパワーがとんでもない! 「はっはっはー俺様の世界によく来たなーッ!」とばかり、監督の脳からほとばしるギトギトの血まみれパンクロックが展開されます。ここだけ、60年代のドラッグ系ムービー+ゴア・ムービーの世界なんです。通常モードがあまりに地味だからギャップの凄さにひっくり返っちゃうんですよね。脳内皇帝ケン・ラッセルがリミッターを外し、事象の地平線までノリノリで突っ走って行く有様は、あの『鉄男』ですら勝てないと思う。『ザ・セル』? 『アイデンティティ』? メじゃないね。比べるなら『ポゼッション』だ(ちょっと違う気はするが)。イッちゃった人の脳内世界を覗いてみたいなら、迷わずこの作品を推します。あ、ストーリーとかアクションには期待しないで頂きたいですが。
7点(2004-12-13 23:51:22)(笑:1票)
165.  バックドラフト
個人的に、強烈な寒気が記憶に残った映画。公開時に立川の映画館で見たんだけど、何を考えてか知らんが異常に冷房を効かせやがって寒いの何の…おかげで雪山にでも登ったような気分で鑑賞したもんです。作品が作品なんだから冷房切れよ(プンプン)。で、美味しい役が満載された映画でした。主役の二人、特にカート・ラッセルは完全にハマってた。デ・ニーロの登場も心憎い。そして中盤に登場する収監中の放火魔の演技がまた…。 だが、特撮にILMが噛んでいる時点で、映画が妙なベクトルを持ってしまっている(ま、監督の考え方なのかもしれないけど)。話の全体が、騎士物語の文法で綴られているのだ。火事場の火炎を竜と見ると(実際、バックドラフト現象はドラゴンの炎的な演出)、消防士たちは洞窟へ竜退治に赴く騎士に、手にする斧は剣に、火の特性を熟知した調査官デ・ニーロは魔術師に、と奇妙なほど演出の符合がある。 現代でトマホークを商売道具にしている職業は消防士くらいのもんだから、これは狙ってやっているのかもしれない。しれないが、シナリオが描く社会派ミステリとのギャップがどうしても埋められない。火事場を美しくエンターテインメント化した功罪がここにあるだろう。 ユニバーサルは本作のアトラクションで儲けてるんで疑問にも思ってないだろうが…ちょっと減点。
8点(2004-06-13 01:02:16)(良:1票)
166.  エイリアン4
シリーズの中では一番好き。4作目ともなればエイリアンの正体はバレバレになっちゃってるワケで、ここはジュネ風の猟奇なユーモアセンスが活きたと思う。この4作目、大局的には所詮(軍人・科学者を含めて)ダメな奴らがドタバタと自滅していく光景をシニカルに描いているだけなのだよ。もう終わっちゃってる世界の、終わっちゃってる人々を描く冷めた視線が、いかにもジュネらしくてたまらんです。鉄錆を思わせる鈍い赤を基調にしたオンボロ宇宙船のプロダクト・デザインも、本作の世界観にベストマッチ。『デリカテッセン』風な人類世界の終焉を予想させる(元のラストシーンはエイリアンの地球占領で終わってるので、そこを加味しないといけないけど…)。 シリーズ最終作としてもう一本欲しいところだが、ジュネ以上の終末観を出せる新進監督はいるだろうか…。
[映画館(字幕)] 8点(2006-03-16 04:04:39)(良:1票)
167.  ディスクロージャー 《ネタバレ》 
大好きなレビンソン+クライトンだからオマケしておくか。でも原作で観たかったシーンをバサバサ切ってったのはちとイタイ(コリドーで出てくるノイズの川とかね)。マックス爺さんも出てこないし、マイクロソフトの社員から陰湿に野次られるシーンもない(ってコレは無理か)。携帯電話と留守録のくだりや、社内イントラを特権レベルで歩き回れるコリドーの凄さも、あのシナリオじゃ原作知らない人は理解できないよきっと(汗)。逆に映像化されてる部分は完璧。あの女弁護士の顔立ちなんか原作そのままでした。一番言って欲しかった科白:「製造とは訓練なのです」。これを口にできる現場たたき上げオヤジだったからクアラルンプール工場の製造仕様変更を暴けたんだけど、M・ダグラスだとその辺の感じがチョイ出てないなあ。たたき上げ感が乏しくて、漢のビジネスドラマにちょっと届かない。残念。
8点(2004-04-27 02:00:32)(良:1票)
168.  レッド・バロン(1971)
この評をコーマン様に届けてくれっ! こっ、この映画は良いものだ~っ! …と叫びたくなるほどガンダムの元ネタがいっぱいでした(リヒトホーフェンの機って、赤く塗ったから3倍速くなったんじゃなくって、複葉機から三葉機に乗り換えたからだったんですなー…当たり前か)。泥沼にはまっていく第1次世界大戦。この時代を題材にすると、どうしても汚くて陰気な「塹壕戦」が舞台になりがち(『西部戦線異常なし』『突撃』)なんだけど、優雅にも見える空中戦を、本物の複葉機をジャンジャン壊しながら撮ったおかげで最後まで見応えいっぱいの作品になっていました。開戦当時は騎士道精神というかノンビリムードがあったのは間違いないんでしょう。休戦日になったクリスマス、ドイツ兵とイギリス兵が交歓会を開いてサッカーで戦ったという逸話もありますね。後で両軍の参謀本部が怒りまくって交歓会禁止の通達を出したらしいが…。骨太で荒っぽいシナリオながら、そんな「現場と大本営の温度差」がうまく出ていたと思います。低予算映画では神級の傑作を作るのに大金持たせちゃうと全然ダメって監督がけっこういます(あんたの事だよカーペンター)が、監督コーマンは器の大きな「どっちも採り」だった事が伺える貴重な映画です。
[DVD(吹替)] 9点(2004-12-25 22:16:30)(良:1票)
169.  プリンセス・ブライド・ストーリー
原作から既に、語り部分とストーリー部分を色分けして2色刷りした、かなり確信犯的なホラ話でした。「こんなん映画にしたら普通になっちゃうよなー」とか思ってたら、まさか語り手役にピーター・フォークおじいちゃんを出してくるとは~!  この巧みな物語構造とキャスティングで原作の肝が救われた感じ。編集もうまくて、話がちょっとダレ気味になってきたり先が読めてきたりするとピーターじいちゃんが割り込んでくる。まさか映画で「語り」の重要性を認識させられるとは思わなんだですよ。派手な演出や金のかかった特撮もなく、ひたすら物語性だけで観る者を引っ張っていく作り方は「よくぞやってくれた」と拍手を送りたい気持ちにさせてくれます。そして愛あふれるラストの決めゼリフ! 最初見たとき、あまりの幸福感に思わず泣きました。「つまんねーなー。ゲームでもしようかなー」とかいう時に見るべし(笑)。
9点(2004-02-17 20:29:05)(良:1票)
170.  薔薇の名前 《ネタバレ》 
バスカーヴィル(=コナン・ドイル)対ホルヘ(=ルイス・ボルヘス)という空前の構図を作ったのが当時、画期的でした。しかもクライマックスの舞台が『バベルの図書館』。これは中世版『名探偵登場』ですよ。他にも主要キャラクターは全て文学者が割り当たっているらしいんだけど、一度しか見なかったんでちょっとチェック漏れてますゴメン。ちなみに薀蓄。プラトンやアリストテレスは当時否定されていたわけではなく、「哲学者」と呼ばれ、異教徒の知識人の考えとして神学では研究対象になっていました。修道院の会派にもよるでしょうが、そんなに排他的じゃなかったんじゃないかな。何はともあれ、ロン・パールマンという性格俳優を発掘したのが本作最大の功績だと思ってます。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-29 14:08:06)(良:1票)
171.  ブルワース
ビーティーの大好きな点として、多重人格な多才さがある。役者としてはボケボケですべりまくりの人畜無害キャラ。一転、脚本家としてはアメリカにとっての危険思想である共産主義を題材にするのも躊躇わない爆弾野郎。そして監督としてはサイケデリックな色使いの原色ポップアーティスト。かたやエディターとしては気が狂いそうなくらいにフィルムを切り裂く、無駄の嫌いなカットバック魔。だがスターとしての彼は『アンディ・ウォーホル日記』ですっぱ抜かれた程の節操のないスケベ野郎で、競演女優とはすべからく寝てると言われている(70年代のハナシね)。そして映画人としては興行的な失敗作も多く、ビッグなスタジオからは信頼されていない…それがビーティというハリウッド若大将の姿だ。 そんな野郎がだよ、ばりんばりんの右寄りFOXと相性がいいわけないじゃん! …と思って今まで見なかったんだけど、意外と相性いいワケね。逃げずに政治をテーマに据えた点が、互いのベクトルを高め合ったってとこでしょうか。まあ正直、あんな上院議員に票が入るとは思わないんだけど、生中継でのラップなんか割とウルッと来るモノがあったんで、ハリウッド的にはあれでOKかもなあ(あ、弾けてるようで弾けてないラップは逆に狙ってるはずで、彼の主演映画に必ずある見所! 上流白人のマヌケっぷりを演じさせると彼は絶品です)。今回の映画は脇役がイマイチ玉石混交で、危なっかしい気がする。ハル・ベリーもあんまり評価したくはないな。逆に監督と編集の冴えは相変わらず素晴らしい。MTV並みに刻みまくるフィルムも、BGMにラップが流れるとスンナリ受け入れられる。時代が、やっと彼の編集スタイルに追いついたのかもしれない(ほら『バニラ・スカイ』とかね)。 彼でなければこの映画は成立しなかったと思うけど、ちょっぴりジョージ・C・スコットでも見てみたいって気がしたかな。アメリカ国旗をバックに、ラップで弾けまくるパットン将軍。(^_^;
[DVD(字幕)] 10点(2004-12-26 23:27:23)(良:1票)
172.  デイ・ウォッチ
こんばんわ。全力でベクマンベトフ監督を応援中のエスねこです。 今回のはいいよ~。前作よりもバカで。序盤で一度はアタマを抱えるんじゃないでしょうか。 ベクマンベトフは発想が幼児的なんだよ。直線的なんだよ。仕方ないじゃん、何撮ってもそういう作品になっちゃうんだから(まー、アントンがサイテーなのは認めます)。 でも一旦ソレを認めると、果てしなく濃密な画面が眼前に立ちはだかります。スクリーンは平面であって、二次元の世界で、ってな事が信じられなくなる。『ナイトウォッチ』シリーズの最大の特徴は、この「ありえない奥行き」にあると思いますね。おなじみの字幕遊びもそうだけど、スクリーン上に、今までの映画では気付かなかった、様々な層がある事に気付かされる。その空間は(いや色と光までもが)ネットリとした粘性を持っていて、空気は重厚で底の方に溜まってて、地面には不可解な因果を結ぶ赤い糸が這い回ってて、論理までが幼児的にねじまがっている。 この監督が見る光景は、普通の人が見る光景とは全く違うんじゃないかな。  いいかげん眠いので続きはまた今度!
[映画館(字幕)] 8点(2008-03-04 01:45:33)(良:1票)
173.  RED SHADOW 赤影
どうしても好きな作品は世間の評価が低いなあ…。麻生久美子がポニーテールで黒装束! うんうんいいじゃん、って感じ。オリジナルみたく巨獣が出てくれればよかったんだけどなあ…チャチい合成で(笑)。この、寒いギャグ満載で観客無視、わが道を進んじゃう(しかも方向性は絶対間違ってる(^^;)投げやり度は好きです。ただ、あまりに低予算で横山光輝に申し訳ないので三点減点。
7点(2004-02-17 19:46:32)(笑:1票)
174.  スーパーマリオ/魔界帝国の女神
ひそかに大好きですこの映画。なんせマリオ役にボブ・ホプキンスですよ! 本作を遡ること10年前、彼が『未来世紀ブラジル』で《セントラルサービス》の配管工を演じてたのを見た瞬間「これ、まんまマリオやん!」ってひっくり返りましたからね(あれ自体、ギリアムはマリオをイメージしてたのかもしれない…日本文化が重要なファクターを占める作品ですから)。あのインパクトをそのまんま直球ストレートでブチ込んで来た頭の悪さに乾杯。ダークなセットも『ブラジル』にかぶっちゃうし、明らかにジャンプしてないし、本当に日本の客に見せる気があったのか甚だ疑問です。本作から下る事5年後、ハリウッドが『ゴジラ』を食い物にした時に、マリオはただの前奏曲でしかなかったのに気付くわけなんですが…いや本当、こういうブチ壊しにされる時の快感ってこたえられん。子供の心を無くした大人向けの秘宝。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-22 09:53:51)(良:1票)
175.  大魔神 《ネタバレ》 
なにわ君さんのレビューに釣られて見てしまいましたよ。結果は「うーん! 弁士が欲しい!」。時代劇というより伝奇物語の造りなんですよね。だからノリノリのナレがないのが寂しい。まあここまで絵ができてると、自然にナレが聞こえてきますがね…なぜか国枝史郎風の… 「嗚呼、いかに極悪非道の謀反人と云へど、あまりと云へばあまりの仕打ち! 地面に伏したる小笹は死中に居るのも忘れ、よよと泣き崩れたのであった」 「かくなる上は滝より落ちてこの身果てんと絶壁に駆け寄る小笹に、お姉やめてよと竹坊が追いすがる。ところが正にこの時だ。一陣の陰風がもつれ合う二人を諌めるように吹き抜けると…見よ! ガラガラと崩れ落ちた岩戸の奥に、魔神の像がすっくと立って二人を見下ろして居るではなゐか!」 「霊光一閃里へ降りた魔神の像には、花房忠文が十年親しんで来た穏やかな面持ちは微塵もない。その形相、もはや身も竦むような鬼神の顔だ! 般若の面だ! これぞ誰知らぬ者のない封じ込めの魔神、阿羅羯磨の現し身であった」 「これは殺生な、手前も城へ入れて下されい…と往生際も悪く御成門を叩く侍供を尻目に、ようよう追いついた魔神が門も人もまとめて叩き潰す。その上へ屋根の瓦をぶちまけた大魔神、正々堂々御成門からの入城と相成った」 …う。ちょっとノリ過ぎました(とか言いながら手を入れてたり)。
7点(2004-10-23 03:04:58)(笑:1票)
176.  ブラックマジック M-66〈OVA〉
初めて士郎正宗という存在に出会った時は、非商業版のブラックマジック本が出た頃で、同人誌上では『黄金円柱祭』の連載が佳境に入っていました。本は買ったけど、いつも彼の話を読むのにすごい時間を食うオイラは、この映像化までにブラックマジックも黄金円柱祭も読み切れなかった…けど、結果としては正解だったかもしれません。OVA『ブラックマジック』は原作の機械的な消化を目的にしたワケじゃなくて、士郎ワールドのエッセンスの動画化にあったからです。とにかく動画。ロボットのこんなに凄い動きは初めて見たっすよ(今でもこれに匹敵する動きのロボットは映画/アニメ共々見たことないな)。自重と、それがもたらす移動時の慣性・ダメージを計算に入れて攻めてくるロボは、他のアニメみたいに人間には見えません。インテリジェントな「機械」そのまま。何かのテーマを追った作品ではなく、描写に関するコンセプト提示型の作品ですが、この点数をつけさせるインパクトは充分にあります。必然的にその後のオイラは、アクションシーンの動きを厳しく見るようになりました。『ターミネーター2』の評価も『マトリックス』の評価も超低いです(『アニマトリックス』も低いぞ)。「人間を描くべし」と言われる映画・アニメの世界で、士郎正宗は人間でないものを描破しようとしたんですね。しょーもない評論家や文化人たちとは別の世界に住んでいる彼の、アグレッシヴな第一作だったと思います。
8点(2004-03-20 20:40:05)(良:1票)
177.  ボーン・アイデンティティー
ごめんなさい…ちゃんとしたレビューはブログの方に入れます。ここでは、どうしても書かずにいられない、この大ヒットシリーズを15年近くも観ないで放置していた、その理由を書こうかと。  その昔、この映画のレンタルが始まった頃、よく行っていたバーで「面白いね」と話題に上がった。 「とにかくすごいんだ。主人公は記憶がないの」と、マスターが夢中になって話してたのを、今でも思い出す。 「海で漂流してるところを漁船に助けられて、記憶喪失になってて自分のことは何も覚えてないんだ。でも危機が迫ると身体が反応しちゃうんだよね。サメが襲って来ると撃退しちゃったりとか。そのうち漁船が無人島に座礁しちゃうんだけど、ひとりでイカダを組んで脱出するんだ。空腹とか、喉が乾くとか、極限状態にまでなって、それで生き延びちゃうんだよ! 実は彼の正体はCIAの特殊工作員で」  ここまで聞いた時点で、完全にスルー確定。 オイラの映画AIが、300円でも観ない映画に自動分類してしまった。 それからはや10年以上。Amazon ビデオで無料になり、「これを機にバカ映画感覚で観てやるか」…とダウンロードしたら。 なんじゃこりゃあああ! ほぼ口から出まかせだったのかよ!! いい加減にしてくれよ青山マスター! これほど愕然としながら楽しんだ映画はありません。 マット・デイモンは当然いいけど、フランカ・ポテンテ最高。この渋さ漂う二人がいなければ(そしてメインの舞台がパリでなければ)、本シリーズの色合いは大きく変わって、それこそホオジロザメでも出かねないトホホ作品になっていたでしょう。断言。  この映画の話をしたバーは数年前に閉店し、今はここにグチを書く事だけが唯一の怒りのはけ口となりました。 みなさん、レビューとは全く無関係な書き込みごめんなさいでした…。
[インターネット(字幕)] 7点(2016-07-25 22:53:14)(笑:1票)
178.  ガールズ&パンツァー 劇場版
半年ぶりに(まだやってるの!)、4DX版で観てきました。感想後日。 とりあえず、4DX環境では新キャ (詳細はブログにて)
[映画館(邦画)] 8点(2015-11-23 02:13:13)(良:1票)
179.  ジャンピング
内容については触れない。一言でも発しようモノなら観た時に大きく興を殺ぐ結果になるだろう。  評価について。 アヌシー審査員の「100 年間の映画 100 選」リストでは、本作は 58 番目で日本作品としては2位だ(1位は言わずと知れた喜八郎の『道成寺』、100 番中 45 番)。つまり、この百年に世界中で製作された短編アートアニメ作品の中で、58 番目と位置付けられている。当然、非商業分野での手塚アニメの、一番の業績となる。 個人的にはもっと上位に食い込んでもいいと思っているが、手塚治虫のカトゥーンなタッチが相当な違和感を醸しているのは否定しようがない。日本はともかく、アヌシー的に見ればこれじゃランクを上げ辛いだろう。自分の業績を確立した後でも、かたくなにフライシャー/ディズニーの追従者でいようとする手塚の頑迷さは、愛しさまで生まれるほど。  製作時期が問題だ。 本作は 84 年。第二次SFブームのまっただ中で、彼一人が沈没していた時期。本格SFを狙った『プライム・ローズ』は物語が手塚史上最悪のクラッシュを起こし、『ドン・ドラキュラ』の放映は伝説的な4回打ち切り。SF界での手塚治虫は、過去のブランドとして葬り去られようとしていた。 そのドン底(金もなかった)の時期に、本作の企画を立ち上げて、金にもならないアニメの作画をガリガリ 4000 枚もやってたというのが、「やはり神だな」と思わせる。同時代のサンライズ+『ガンダム』や、すぐ後のマッドハウス+『アキラ』の狂乱ぶりを考えれば、この時代にアートアニメへ目を向けていたアニメ界の巨匠(笑)がいた事自体が、信じ難い。  狙いについて。 言葉を持たない、文字も登場しない、まあ他にもいろいろあるが、本作は「世界の子供に見てもらう」事しか考えていない。この選択は、世界のアニメ市場でゼロから実績を積み直す覚悟だったような感触がある。この人の創作欲はどこまで罪深いんだと恐れ入る。 この試み自体の評価は置くとして、本作から始まった手塚の 80 年代作品群は、広島アニメ映画祭を発信の場とした。この映画祭が現在のアートアニメ層の母体になっているのは言うまでもない。同祭の看板、そしてアヌシー常連の、ノルシュテインやグリモー(あとラルー)などに並んで手塚治虫が存在している。58 番目として存在している。 手塚は結局、この作品を生むために生きたんじゃないかと思う。  
[DVD(邦画)] 9点(2007-05-07 00:49:02)(良:1票)
180.  キャット・ピープル(1942)
リメイク版に比べりゃ地味~な作品だけど、簡単に割り切れない奥の深いストーリーが「ホントに40年代作品?」と思わせる。ストーカー的なサイコキラー(『サイコ』の20年前!)の物語であり、『女性』という性の物語であり、狼男のような変身談でもあり、またバルカン地方の「民族浄化」という残虐な習慣を匂わせる作品でもある。シンプルな展開・人物構成から、これほど色々なベクトルの要素が読み取れる映画はあまりない。派手な展開はないが、充分に練り込まれた人物の魅力、そしてモノクロームの光と影が織り成す美しい屋内プールシーンで、永遠に記憶されていい作品だと思います。 ●2009/3/7 追記:goo 映画のあらすじがすげえ! オチまで含めて全部イレーヌの視点で語っちゃってるよ! ある種の心意気を感じました(イレーヌ視点なのでファンタジー化してますが…)。いやぁ、本作もあらすじを書きにくい映画なんだよな…。
[DVD(字幕)] 8点(2004-03-05 03:05:38)(良:1票)

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