121. 悪の花園
《ネタバレ》 南米に金鉱掘りに向かう船の故障で下船したメキシコで落盤事故に遭った男の救出に向かいあっさり救出した後に先住民と戦う。何じゃこりゃ? な物語。ゲイリー・クーパーは定番の優等生ぶりで見せ場無し。彼を引き立てつつ、おいしい所をさらっていったリチャード・ウィドマークが印象深い。人間扱いされていない先住民の描写が酷い。 [DVD(字幕)] 6点(2018-01-03 10:00:37) |
122. アルフィー(1966)
都合の良い女性と都合の良い関係のみを求めるアルフィー。シニカルで飄々とした言動の彼が時折見せる寂しさに胸が疼きます。シェリー・ウィンタースの妖艶さは女性陣の中では別格で流石の貫録。作品に溶け込んでいる音楽も素敵でした。 [DVD(字幕)] 7点(2017-12-23 23:16:55) |
123. 愛人ジュリエット
《ネタバレ》 冒頭にネタバレあらすじが示されますが面白味を損ねないところが監督の力量でしょう。夢の世界と現実世界の「愛」の対比が鮮やかに描かれています。 [DVD(字幕)] 7点(2017-12-21 16:17:06) |
124. 或る夜の出来事
「卒業」を思わせる結婚式シーンが絶品で父親の変貌ぶりは胸熱でした。二人の心模様が実に見応えがありましたが、ピーターのあまりの上から目線の物言いに-0.1点。元祖ラブコメ、オスカー主要五部門制覇も納得の至高の傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2017-12-18 14:02:48)(良:1票) |
125. 嵐の中で輝いて
《ネタバレ》 お目当てのジョン・ギールグッドは魅力を発揮できない役どころで肩すかしを食う。リンダのネットリとした口調が生理的に合わなかったせいなのか、その行動は我儘で無鉄砲にしか見えない。エドが彼女の窮地を救う姿にも都合の良さばかりが目について盛り上がらない。突っ込みどころ満載のつまんない作品のまま終わりそうなのをラストで登場するエドに救われる。はにかんだ笑顔に胸が熱くなった。 [DVD(字幕)] 6点(2017-11-13 11:21:28) |
126. 愛する人
自分の娘と息子に常々「子供はコウノトリが運んでくるのと違う、軽はずみなことをしたらアカン、もし授かって産むと決めたら成人するまで責任持って育てなアカン、『ダーウィンが来た』に出てくる動物たちも精いっぱい子育てしてるやろ」と話しています。カレン、エリザベス、ルーシーの物語が並行して示され、最後に繋がる脚本の見事さに唸らされる。カレンそのものではないかと感じさせられるアネット・ベニングの演技力が絶品。どういう特殊メークなのか不思議でしようがなかったナオミ・ワッツのおなかが正真正銘の妊婦さんだった事に仰天。添え物的な男性陣の描かれ方が物足りないものの見応えある良作。 [インターネット(字幕)] 7点(2017-10-28 11:07:12) |
127. 愛と喝采の日々
特筆すべきはアン・バンクロフトの美しさで一目惚れ分+1点。エマとディーディーのエミリアを巡る確執に、スターになった者となれなかった者、母親になった者となれなかった者が、それぞれ自分で選んで歩いてきた道を振り返り後悔と嫉妬で身悶える虚しさを見せられます。バレエのレッスンシーンや舞台シーンの格調高さと肉体美の極みに惚れ惚れしました。 [DVD(字幕)] 9点(2017-08-31 16:18:13)(良:1票) |
128. 愛と追憶の日々
《ネタバレ》 エマをペットの様に扱うオーロラ、同様に長男を扱うエマ。こんな二人が互いの不倫を報告し合うのに嫌悪が募り、物語を冷めた目で眺めていた。擦れてしまった長男の心の拠り所になってあげられそうなラストシーンのギャレット。本作のニコルソンは宇宙飛行士であった事をカケラも感じさせない色気の無いエロオヤジでガッカリだったので、最後の最後で我慢して鑑賞した甲斐を感じた。 [DVD(字幕)] 5点(2017-08-27 14:11:34)(良:1票) |
129. あの日の指輪を待つきみへ
「貞女二夫にまみえず」が思い浮かぶ。50年の歳月を経て尚皆を縛っている指輪の約束。その指輪をもたらしたのがエレノアの孫というところに因縁を感じる。「私の母を好きだったの?」と問われたジャックが「それだけは聞かないでくれ」と慟哭するのに、この人も胸の奥底に思いを封じ込めて生きてきた事に気づかされる。50年経って明らかになったテディの遺言「これからは自由に生きろ」が切ない。ラストショットに、これからは娘も愛してあげてほしいと思わされた。名優達の共演に感じ入る作品。 [DVD(字幕)] 8点(2017-08-13 12:42:04) |
130. アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
《ネタバレ》 会議室で起きている事件の中で決断に尻込みするリーダーの有り様が生々しく描かれており、手に汗握る展開に見入りました。80人を護る為に蔑にされた1人の命。事実を捻じ曲げた大佐の行為に正義と善の違いを痛感します。 [DVD(字幕)] 8点(2017-07-24 13:20:12) |
131. ある日どこかで
《ネタバレ》 自己暗示がタイムスリップの方法というのは、人を愛するのは一途な思いを振りかざすことを思い起こさせてくれます。映像と音楽の効果もあいまってクリストファー・リーブとジェーン・シーモアは神々しいまでの美しさでした。敵役のクリストファー・プラマーは二人の前にはさすがに霞んでいましたが、しっかりと二人を引き立てていました。結末は悲しいですね。彼には彼女のように長く生きてもらいたかった。珠玉の逸品。酔わされました。 [DVD(字幕)] 8点(2017-06-26 00:08:37)(良:1票) |
132. 愛、アムール
冒頭に示される結末に至る過程。じりじりと衰えて行く誇り高いアンヌ、じわじわと追い詰められて行く慈愛深いジョルジュと演ずるすっかり老いてしまったジャン・ルイ・トランティニャン。直視が辛く苦しい思いに耐えに耐えながらの鑑賞でした。この夫婦にしてこの結末に「介護は他人に、愛情は家族が」を痛感させられる作品。 [DVD(字幕)] 6点(2017-06-11 23:07:26) |
133. アイ・アム・ニューマン 新しい人生の見つけ方
《ネタバレ》 現実逃避の男女のロードムービー。何に嫌気がさしたのか解らん男と身の上話が何の言い訳にもならない単に手癖の悪い女の行く先々での下衆な行いはコメディタッチのようでそうでもなく、コリン・ファースでなければ鑑賞リタイアだった。ラストでどのツラ下げて息子に会いに行ったのだろうか。安易な邦題にアホらしさが募る。 [DVD(字幕)] 3点(2017-05-06 22:44:11) |
134. ある天文学者の恋文
《ネタバレ》 齢68歳にして両手から色気が滲み出るファーストショットのジェレミー・アイアンズに見惚れただけの作品。早々に亡くなった以降、都合よく届くメール等に喪失感でいっぱいのエイミーのクローズアップの繰り返し。くど過ぎてウンザリする。そもそもが老教授と学生の不倫話なのでロマンティックに飾り立てたところで白けるばかり。「EDED・・・」「AMYAMY・・・」に「馬鹿馬鹿・・・」を投げつけてやりたい。 [DVD(字幕)] 3点(2017-04-29 18:23:21) |
135. アルジェの戦い
《ネタバレ》 アルジェリア戦争が描かれた本作。 戦争や革命に勝利するのに必要なのは暴力ではなく民衆の行動。 テロが有効なのは最初のうちだけ。 本当に困難なのは戦いに勝利したあと。 FLN幹部ベン・ムヒディの言葉そのままの作品で、独立後3年のカスバを舞台に卑劣なやり口での殺戮の泥仕合や現地エキストラ8万人と言われる民衆蜂起模様の迫力が作り物とは思えない物凄さで始終圧倒されました。 [DVD(字幕)] 9点(2017-04-11 16:37:12) |
136. アメリカン・ハッスル
《ネタバレ》 絵に描いたような善人の市長を騙す事に心痛めるアーヴィンの詐欺師らしからぬ葛藤が興味深い。詫びを入れに行った際の修羅場は「裏切るくらいなら裏切られるほうがマシだよなぁ」と言った人の事が思い浮かび、司法取引の一端である他人を売って自身の罪をチャラにしてもらう制度の胸糞悪さが際立っていた。特筆すべきはデ・ニーロでワンシーンのみの登場ながら、小賢しい詐欺師どもを瞬時に抜き差しならぬ状況に追い込んだ存在感は流石。 [DVD(字幕)] 8点(2017-04-04 16:21:57) |
137. あなたに降る夢
実話をもとにしたお伽噺の物語。人を愛する男女とカネを愛する男女がはっきりと色分けされて、それぞれの結末も想定通り。好演の4人のなかで登場した時から胡散臭さ漂うシーモア・カッセルが絶品。なかなかの良作。 [DVD(字幕)] 7点(2017-02-28 16:39:07) |
138. あやしい彼女(2016)
親が子の為に自分の事は二の次にして歯を食いしばって頑張る。当たり前の事を恩着せがましく苦労の押し売りをするカツさんには虫唾が走る。コメディ・ファンタジーだとしても設定に白けるばかり。一途な次郎のいじらしさに加点。 [DVD(邦画)] 4点(2016-12-25 23:20:46) |
139. 暗黒街の対決
《ネタバレ》 組長と妻の仇討を目論む鶴田浩二が示すウェットと暴力団撲滅の責を担う三船敏郎が醸し出すドライが適度に混ざり合い、その上にユーモアが加味されたテンポの良い対決模様が楽しい快作。安定の悪玉河津清三郎の手下である中丸忠雄、平田昭彦の小憎たらしさや、大笑いした ♪♪♪ 消しちゃえ、消しちゃえ、消しちゃえ ♪♪♪ ギャー!!! の四人組など忘れられない強烈さ。それにも増して特筆すべきは三船敏郎の白トレンチコート姿。アラン・ドロンにも勝る着こなしの男っぷりの良さに惚れ惚れし、左程齢が違わない鶴田浩二が若造に見えてしまいました。 [DVD(邦画)] 8点(2016-12-21 15:55:48) |
140. ある殺し屋
阿婆擦れを描かせたらピカイチの増村保造の名に恥じぬ圭子(野川由美子)、野心ギラギラの三下前田(成田三樹夫)、善良そうな小料理屋の店主/凄腕殺し屋塩沢(市川雷蔵)。それぞれ際立った個性に惹かれるものの、三人が絡んで進んでゆくストーリーが拙くて盛り上がれないの歯痒かった。 [DVD(邦画)] 6点(2016-06-20 14:43:13) |