1. がんばっていきまっしょい(1998)
興味なかった祭に参加してみたら意外に楽しめたし、ちょっと興奮しちゃった、て感じ。人生を感じますね。 こういった文芸は、始まりの動機の無さと祭の終わりを惜しむ(もしくは終わりを予感させる)描写が肝なんだ、と学習。あまりひとつの要素をクローズアップしないで、のっぺりと進行する感じがこの年代を表すのには適してるんですね。 この時期も、この命さえもいずれ終わる・・・諸行無常。 儚いからこそ何かを見付けようとするんだな~、としみじみ。 [ビデオ(邦画)] 10点(2007-09-06 08:57:31)(良:1票) |
2. 蒲田行進曲
《ネタバレ》 ノンストップでハイテンションなドラマ。 かなり独特でいいですね。 そして、もったいない。 カーテンコール的終焉は百歩譲って許せたとしても、「カット」の掛け声が入るということはメタフィクションになってしまう。 あれだけのドラマを描いておきながら、なかったことにしてしまうなんて・・・もったいない。 [DVD(邦画)] 8点(2007-11-21 11:57:18) |
3. がんばれ!ベアーズ
《ネタバレ》 コーチの内的ドラマ展開が実に巧妙。 最後はちゃんと負けるしね。 しかしながら、「勝利」の記憶は人間形成に多大な影響を及ぼすものだろうから勝つのも大切なことだな、としみじみ思う今日この頃(この設定では、この結末しかないと思いますが)。 [DVD(吹替)] 8点(2007-10-05 09:32:40) |
4. カメレオンマン
無意識に周囲へ溶け込んでしまう特殊能力のある男を追った偽ドキュメンタリー、て情報だけで観たくなる。 素晴らしく馬鹿々々しい。大いに楽しませてもらいました。 でも、ちょっと直球過ぎる気も・・・。もっと構成でテーマを打ち出すかたちがとられていれば良かったかな。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-09-22 02:06:12) |
5. カレの嘘と彼女のヒミツ
全体の構成はスマートにまとまっている良作。 取って付けただけのハッピーエンドで減点。結末の準備は本編でしっかりしておこう。 [DVD(吹替)] 8点(2007-07-19 02:42:55) |
6. 陰日向に咲く
原作本の出来はあんなに売れるほどの内容じゃないと思うものの、短編の教科書的な出来で好印象でしたが、映画化には全く向いていないだろうと思っていただけに、そのアレンジを案じるとともにどう調理されるのか楽しみでした。 そして、その結果としては・・・ 果たしてこの構成が正しかったのか微妙ですが、短編的内容で終わるのではなく、分かり易くドラマをみせるために追加・変更された設定は効果的で、心温まる余韻を残してくれます(何の繋がりもなく、毛色の違いからムードを壊すアイドルオタクのエピソードは捨てた方が良いと思いますが)。 個人的にはドラクエ4みたいにオムニバスとして章立てして、最終章で全てのキャラをフォローするようなみせ方がよかったと思ったりします(それでもアイドルオタクのエピソードは捨てたほうがいいと思いますが)。 それに、分かり易い人情噺をやたらに煽る演出故に冗長な印象となって、白けてしまう人も出てくるんじゃないかな。 [試写会(邦画)] 7点(2008-01-17 22:44:00) |
7. カンナさん大成功です!(2006)
《ネタバレ》 先ず、初期設定の匠に感心。 このアイデアやシチュエーションは反感を買いそうな要素を多分に含んでいそうなのに、ちゃんと主人公に感情移入できるよう諸々慎重な配慮が施されています。 ですから、前半は感心しきりだったのですが、友人を傷付け、父親を傷付ける(本人は気付いてませんが)という展開をさせながら、あまり相手にせずにメイン・ストーリーを進ませるので、中盤方向性を見失いかける。これらの展開はサンジュンにバレるあたりへ集中させるべき。 プロットは優れていますから、脚本の段階で変な負荷がかかったか、迷いが生まれちゃったんでしょうね。 それにあのライブで彼女が唄う姿をちゃんと見せないのが腑に落ちない。父親と抱きあって終わりは違うでしょう。「自分のために唄う」というのはこの話にとって重要な行動。後日談でカンナとして唄っている場面が少し添えられていますが、あのライブで堂々と唄って、その姿とともにエンドロールという方が美しいのでは。 あと、エンドロールに添えられた友人が整形に臨む後日談は蛇足。 せっかく美容整形の是非とか、見た目の美しい方が得か、という次元ではない話にもっていけてたのに・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2007-12-20 19:57:41)(良:1票) |
8. カナディアン・エクスプレス
ゲーム性だけで乗り切る内容にしてはちょっと物足りなかった。 証人となる人物を護送するというシチュエーションでは満点を投じているのが2作品あるほどなので期待しすぎたかも。 でも、楽しめた。 [地上波(吹替)] 6点(2007-10-02 18:18:06) |
9. 学校の怪談
やっぱり超常現象を扱う話は世界観の設定を冒頭から明確に示し、途上の追加や変更を許してはならないとしみじみ実感。 それでもこの作品はよくできてる方。ただ、荒唐無稽のアトラクションに費やす時間に尺をとりすぎで焦点がぼけちゃってる。何をどうすれば解決なんだという方向性をしっかりと打ち出し、もっとそちらに焦点を当てるべき。 しかしこの監督、力のある人だと思うのですが、ぱっとした仕事してませんね。 [ビデオ(邦画)] 6点(2007-08-27 22:01:52) |
10. COWBOY BEBOP カウボーイビバップ 天国の扉
肝であるスパイクとゲストキャラたちの境遇の類似性による双方の共感をうまく表現しきれていない。ここを説得力あるものにしないと、この内容は浮つくでしょうし、淡泊なサスペンスものにしかならない。 作画オタクは、多彩なアニメーターの面々の技を堪能できる逸品でしょう。 [映画館(邦画)] 6点(2007-06-25 11:16:33) |
11. カプリコン・1
作りたいシチュエーションは優秀だが、どうにも不自然。 せめてパイロットに土壇場で知らせるなんてのは一考願いたい。 材料は結構揃っているのに、薄いサスペンスものにしか昇華できていないのも残念。 [DVD(字幕)] 6点(2007-06-19 18:51:07) |
12. 隠し剣 鬼の爪
「たそがれ清兵衛」を観ていれば観なくてもいいような内容。逆もまた然り。 こういう丹念な作りには前作でも感心させられたのですが、似たような生活、展開ではやっぱり退屈。 今回は病に臥せっているところもあって、思わず「ずるいよ」とつっこんでしまいました。ただでさえ良い人たちなのに病気だなんて・・・同情せずにはいられない。 それに松たか子の役は結末に使うために用意したという気になるような、どうにも構成に片寄りがみられます。 [地上波(邦画)] 6点(2007-03-26 14:48:28) |
13. カラー・オブ・ハート
映像ならではの内容で単純に興味はひかれるものの、それ以外は単純な反応のみな印象ですし、あまり馴染もなく突飛過ぎる世界観故に現実にフィードバックして考えるところまでいかない。意外と企画を通すのも難しいそうな内容でしょうから希少価値がありますね。 [地上波(字幕)] 5点(2007-12-06 23:09:04) |
14. カウボーイ・ウェイ/荒野のヒーローN.Y.へ行く
何だか随分回りくどい展開がみられるもののちゃんと構成されてる。 終盤にやっと用いられるカウボーイの特性はB級だから許されるご愛嬌。 ただ、終盤の悪役は何をしようとしてたの? 放送用編集でカットされた部分にその説明があったのか、自分が聞き逃しちゃったのかわからない。 まあ、説明をつけようと思えばいくつか浮かぶのでいいか。 [地上波(吹替)] 5点(2007-11-06 12:13:13) |
15. 風の谷のナウシカ
王蟲の大群に轢かれても死なず、彼らによって治癒され、伝説の人は彼女だった、で突然締めくくる。 それまでの流れを超越した展開。 物語性ではなく、イベント性で山場を作ってしまう力技。 子供の頃は素直に感動していたことを考えると宮崎駿の演出って凄いんですね。でもストーリーテラーとしては・・・。 [地上波(吹替)] 5点(2007-01-03 22:33:56) |
16. カサブランカ
名作の代名詞的作品ですが、なんとも薄っぺらい内容ですよね。 最後にみせるリックの態度に憧憬でも抱かせるのでしょうか。 [ビデオ(字幕)] 4点(2007-12-05 06:27:12) |
17. かもめ食堂
自分ではない人がいる、というのは可能性の幅を教えてくれる何よりの希望。 関係が生まれていく過程は心地よく観れる。 表現としては随分と淡泊だし、芸は無い。 [地上波(邦画)] 4点(2007-09-23 03:34:09) |
18. 亀は意外と速く泳ぐ
三木聡ファン暦は長いけど、たまに小ネタだけの人になってしまうのには首を傾げてしまう。 [映画館(邦画)] 4点(2007-07-16 05:59:58) |
19. 隠された記憶
《ネタバレ》 確かに解釈はいかようにもとれるけれど、あの親子のどちらかが関わっていたのには違いないわけで、それ以上の構造を披露されても観客にとっては大した意味を成さないだろう。 過去の出来事を根に持ったのか、はたまた興味本位(こちらは息子の場合限定)だったのか知らないが、受け取った家族にドラマが発生しない(脅えている様子しかうつしていない)ので、曖昧に構造を披露しただけの代物でしかない。 ただ、ラストカットの様子が一連の出来事の後に初めて彼らが接触したという解釈であるのなら恨みの連鎖(父の敵討ちとしてあの息子に何か仕出かそうとしている)という悲劇の表現として多少は有意義な気もする。 [DVD(字幕)] 3点(2008-01-10 02:19:07) |
20. 学校の怪談3
相変わらずアトラクション効果しかない妖怪の多用はクライアントの要求を満たすためでしかないのが残念。もっとスマートに扱えないものだろうか。 [ビデオ(邦画)] 3点(2007-08-28 00:05:33) |