61. 記憶の旅人
なかなか魅力的な設定なのに、みんな無表情にボソボソ喋っているだけなので、せっかくの筋立てが完全に死んでいます。記憶がないならないなりの葛藤や表現があると思うが。 [DVD(字幕)] 4点(2017-03-12 03:28:09) |
62. キラー・スナイパー
《ネタバレ》 顔一面をアザだらけにしたまま、何と最後までそれで通すエミール・ハーシュ(普通は途中で適当に消しますよね)。それに輪をかけて乗っかってくるジーナ・ガーション。そんな風にビジュアル面でのタガを外す気合はあるのですが、肝心の中身自体が、保険金の受取をめぐるくだりと、マコノヒーのガーションへの追及くらいしか見所がなくて・・・(あ、ジュノー・テンプルの生着替えストリップは別カウント)。そうすると、演出の突っ走りが分かりやすく見えてしまい、かえって醒めるのです。あれだけ血糊まみれアザまみれにしなくても、それと同じくらいのインパクトと戦慄を黙って感じさせる、というところを、映画にはむしろ期待するのですが。 [DVD(字幕)] 3点(2017-01-06 00:32:45) |
63. きのうの夜は・・・
《ネタバレ》 エドワード・ズウィックが監督だったんですね・・・。筋からいって切なくほろ苦い青春ロマンスの予感がしてくるのに、主人公2人がそれぞれうじうじうじうじ考え込んでいるだけで、話が少しも前に進みません。その割に、くっつく過程も破綻する過程もえらくあっさりしているので、説得力に欠けています。ジョン・ウェイトの"If Anybody Had A Heart"に+1点。 [DVD(字幕)] 5点(2016-12-24 18:50:44) |
64. 奇蹟の輝き
結構期待できるストーリーだったのに、展開に一切何の工夫もなく進行するダラダラぶりにびっくり。天国と地獄に関する陳腐な想像力にもがっかりした。 [DVD(字幕)] 4点(2016-12-17 17:29:43) |
65. キャプテン・フィリップス
《ネタバレ》 これだけの堂々たる貨物船を海賊が襲うというから、どうするのかと思っていたら、とにかく小舟で横付けして、梯子をかけて、登る。ただそれだけ。いや、言われてみればそれ以外にはないんですけど、その一点に絞った攻防で一気に見せ切る序盤戦。確かに一艘の小舟でしかないんだけど、貨物船側が武装していない以上は、いったん梯子を登られたらもう終わりなんだね。中盤では乗組員の機転といった知能戦の部分もあるが、後半では一転して米海軍の物量作戦と情報作戦が展開される。その際にも、余計な背景や説明をごちゃごちゃ入れず、何かがあると間髪入れず指示→即実行、を貫いているのが、作品の緊張感を維持しています。この手際の良さは誰だろうと思って脚本家を見たら、「ニュースの天才」や「アメリカを売った男」でもそういった頭脳的ドライブ感(?)を満喫させてくれたビリー・レイ。なるほどね。あと、交渉担当の人が、答えているようで実は何も答えていない(適当に嘘も混じっている)絶妙なやりとりをびしびしと決めてくれていて、なるほど事件進行中の交渉というのはこうするのかと参考になりました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-10-14 01:06:11)(良:1票) |
66. 虚栄のかがり火
すでにたくさん指摘されているとおり、演出の方向性が全然一貫していません。本来、どうみてもコメディ向きの素材だと思うけどな・・・。それを抜きにしても、手垢のついたようなありがちな展開に説明的なシーンを積み重ねた面白くない作品です。今から見ればびっくりするようなキャスティングとスタッフの豪華さに免じて+1点。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2016-06-07 00:39:07) |
67. 桐島、部活やめるってよ
《ネタバレ》 前半の、時系列や視点を変えての同一場面の反復は、似た手法の先例(しかも舞台も同じ学校内)がすでにあるとはいえ、やはりこういうのには弱いのです。そして、そろそろ単調になってきたかな?というあたりで一気に話は時系列通りに進み、この辺の緩急の感覚もなかなか良い感じなのですが、最後に映画部に軸足が集中してしまったのが残念。女子四人組のドロドロはもっと見たかったと思うし、吹奏楽部の部長も、せっかく大後寿々花を投入したのなら、片想いだけの使い方ではなくて、もう少し何かひねってほしかった。とはいえ、ゾンビ逆襲のカタルシスはなかなかだし(顧問のいう「身近な青春」を体現するのがほかならぬゾンビだったという皮肉も込み)、それも所詮は妄想だったというのもほろ苦感満載だし、あと、若い俳優をたくさん起用していながら、演技に目立った穴がないという演出指導力も評価したい。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-04-06 02:07:35) |
68. 巨人と玩具
ひたすらみんながワーワー騒いでいるだけ、としか・・・。まるで前衛音楽のような散らかりっぷり。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2016-01-29 02:00:47) |
69. キャバレー(1972)
登場人物のやりとりはチマチマしていて、歌はストーリーと一体化しているわけでもなくて、どこが良いのか、実は見ていてもそんなに分からなかったのですが・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2015-10-17 00:16:08) |
70. きみがくれた未来
《ネタバレ》 導入のパートだけで、設定や描写の安直性が透けて窺える出来なのですが、やはりそのまんま底の浅い内容でした。弟を失ってどうのこうのとしている割には、出発点の兄弟の関係性がそれほど突っ込まれていないし、回復の過程にしても、着地点ありきなくらい安直です。適当にかぶせているだけの音楽がさらに輪をかけています。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-09-13 20:32:30) |
71. 奇跡(2011)
肝心の子役の演技のつけ方や撮り方が、揃いも揃って作為的、官僚的。それだけ人工甘味料たっぷりのプラスチック画面を見せられた後で奇跡とか言われても、少しも奇跡に感じない。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2015-08-12 23:09:13) |
72. 黄色い星の子供たち
《ネタバレ》 クレジットはジャン・レノからなんだけど、主役はメラニー・ロランだったんですね。ヴィシー政権下でのホロコーストという重要な史実に立ち向かう志の高さを反映して、例えば競技場の再現などは、エキストラから美術からものすごく気合が入っています。ただ、肝心の医師と看護師が、ひたすら誠実に診察を行うというところでキャラクターづけが終わっていて、背景や内心の部分が深められていないので、全体として優秀な再現ドラマを見ているだけという気もします。それでも作品の意義は大きいのでこの点数。 [DVD(字幕)] 7点(2015-05-07 02:33:54) |
73. キツツキと雨
「気が弱い」と「そもそも中身がない」は全然違います。ともかくも映画監督という設定であの言動って、まったくありえないでしょう。したがって、主人公の木こりとの衝突も生じていないので、面白みが全然ありません。それから、「間」と「間延び」も全然違います。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2015-04-11 20:57:30) |
74. きっと忘れない
それっぽく作ってはあっても、実質的な中身はかなり薄い。この種の、「真面目なだけの若者が、変な人と出会って交流を深めた結果、視界を広げられる」という話は、優れた先例が多数あるのだから、この程度で人を感動させるのは無理があると思うが。あと、全然関係ありませんが、音楽のパトリック・レナードって、元トリリオンのキーボードであり、ロジャー・ウォーターズのソロアルバムのプロデューサーだった彼ですよね?フレットレス・ベースを効果的に使った、なかなかいい仕事をしています。 [DVD(字幕)] 5点(2015-04-03 00:24:13) |
75. 切られ与三郎
《ネタバレ》 与三郎という人が結局何をしたかったのかよく分からないし、そもそも話の軸足自体が短時間の中に次々に別の方向に移動してしまうので、ますます何を言わんとするのか分からなくなってしまいました。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-02-12 04:23:41) |
76. 96時間
《ネタバレ》 情報戦の側面がある前半(携帯越しの親子の会話とか、チンピラにからまれるふりをして盗聴するとか)は、そこそこ目を見張る部分もあったのですが、後半は特に目新しさのない銃撃戦+肉弾戦になってしまいましたね。それと、最初のところでもっともらしく96時間とか言っていながら、途中からまったく残り時間は関心がなくなっているようなのですが・・・。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-01-18 03:42:14) |
77. キャバレー(1986)
《ネタバレ》 これだけの豪華キャスト(といっても半分以上はカメオレベルですが)をばんばん無駄遣いして、しかもその中心に据える野村宏伸には何の演技指導もしていないというダメっぷりが、いかにも80's角川。内容は何もないんだけど、まったく雰囲気だけで100分押し切る強気ぶりは、それはそれで見事。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-12-27 01:08:31) |
78. 霧の中の風景
長回し、定点カメラ、ロングショットといった手法へのこだわりぶりがまず強力であるが、それにも増して凄いのは、そうやって構築された映像の数々が、見事に的確に内容表現になっていること。よほど構図や背景に自信がないと、こういう撮り方はできません。そしてその結果、あまりにも強烈な重量感と説得力のある画面を、すべての場面において完成させています。そして、それに飲み込まれない存在感を確立している各俳優の演技も特筆すべきです。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-08-31 03:32:09) |
79. キャット・バルー
《ネタバレ》 「若く可愛いアイドルのジェーン・フォンダ」が全編にわたって見られるのはありがたいのだが、それ以外の部分があまりにも雑すぎて・・・復讐譚のはずなのに、緊張感のない部分があまりにも多いので、物語の基盤が揺らいでしまうのです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-08-15 23:02:49) |
80. 鬼龍院花子の生涯
《ネタバレ》 俳優陣の巧演、美術関係の職人芸、明暗を駆使する映像の美しさといった点はいうまでもなく。後からじわじわ湧き上がってくる味わいは、なぜタイトルがこれなのかということ。花子の登場自体はほとんどないにもかかわらず、あくまでもこれは「花子の生涯」なのである。隆盛を極めた鬼龍院にたった一つ欠けていたもの、それは鬼政を継承すべき実子だった。花子の誕生は、誰も否定できない、全員から崇め奉られるものとして迎えられる。しかし、その画竜点睛が埋まった瞬間から、鬼龍院は着実に傾いていく。その象徴であり、もしかしたら裏からの原動力でさえあったかもしれないのが、花子の存在なのだ。だから、鬼政や松恵がいくら主役であっても、すべての登場人物は、花子の存在を前提とし、またそこに帰着するものとして位置づけられている。そんなあっと驚く構成を一言で象徴し、また拉致以降は一切描かれない花子のその後を存分に想像させるものとして、あまりにも見事な、これ以上はないタイトル。 [映画館(邦画)] 8点(2014-08-15 22:57:18)(良:1票) |