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Tolbieさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  七人の侍 《ネタバレ》 
 ちょっと長かったがその分、武士と百姓のそれぞれの事情や、いきさつなどの描写が十分で面白かった。実際の戦のシーンはちょっと長すぎる気もするが、侍たちが半分やられちゃうには、充分な時間をかけないと不自然だものな。意外だったのは、ポスターにも大きく描かれている菊千代が、大した手柄も立てずにやられちゃうことだが、これは重大な意味を持っていると、私は考えている。  ちょこっとだけ気になるのは、武士たちが村を守る事になってから、百姓たちが兵隊になるところが唐突に映る。結局は兵隊がいないと戦えないとか、自分たちで戦わなければ村は守れない、とか言うシーンはあって然るべきだと思う。   さてしかし、最後に志村喬が言ったように、本当の勝者は百姓たちだ、と言うのは興味深い。彼らは、自分たちでも少しは戦うが、戦いの主導と主戦を、侍たちに依頼している。  戦いを他人に頼んで安全を確保する。長老の知恵は、現在の日本の知恵だ。それは数百年先んじていた知恵だったのか、現在の政策が数百年遅れているのかは分からぬが、今日本は自ら侍になるべく動き出している。  菊千代の死の意味は重大と前述したが、百姓から武士になった彼のように、日本がならねばいいのだが……。
[DVD(邦画)] 8点(2013-05-21 15:00:53)
22.  ジャンゴ 繋がれざる者 《ネタバレ》 
 人種差別への批判を根底に持った、ウエスタン。と思っていたのだが、どうしても素直に頷けないのは、この映画がバイオレンスを娯楽として見せているという、基本姿勢だ。この監督は、そういう方面で特に評価が高いと聞いている。  派手な血しぶきを飛ばすな、とは言わない。しかし、これだけ見る者の破壊衝動を揺さぶっておいて、人種差別を声高に批判されても「そうですね」とは、言えないな。人間というのは、そんなに都合よくは、出来ていないものだ。特に、なーんにも悪いことしていない、採石会社の白人を殺したときには、本当に驚いた。
[映画館(字幕)] 5点(2013-03-11 05:10:03)(良:1票)
23.  上海バンスキング(1988) 《ネタバレ》 
 見るまで、かつてレーザーディスクで発売されていた、舞台収録版かと思っていた。そういえば、昔、『ぴあ』で深作版とは違う、と解説されていた版があったのを思い出す。  冒頭導入部の舞台スタッフや、楽器演奏・歌唱の描写を見ると、彼らの舞台人としての矜持を見る思いだ。劇中の演奏も完璧にうまいわけではなく、それがリアルな「ライブ感」で好感度高し。その一方で、始まってすぐあたりのカメラの動かなさ、カットの具合を見て、映画として大丈夫なのか?と、ちょっと心配したが、杞憂だった。もともと物語に面白さがあるから、そんな事はすぐに気にならなくなる。   四朗のアヘン中毒の描写は、原作舞台でも厳しいシーンだが、この映画版は万人向けにソフト。同時に深作版で描かれたような、自虐的反戦部分も無いので、反戦というよりは厭戦。微妙な事ではあるが、主題をバンスキングから戦争へ持っていってしまうような事はない。  私には不思議な事だったが、マドンナと四朗の(かなり一方的ではあるが)、愛の物語として、受け入れられた。うまく言えないが、「セントルイス」でのシーンがあまり華やかでない為に、ジャズメンの主役感が薄いためなのではないか、と感じている。  また同時に、だからこそ、エンドクレジット以降にでも、あの終演後のミニコンサートのような部分を入れて欲しかったとも思う
[ビデオ(邦画)] 5点(2013-02-03 22:42:25)
24.  幸福の黄色いハンカチ 《ネタバレ》 
 単純なストーリーと言ってしまえばそうだか、男を待っていたハンカチのシーンは心にしみる。  そして、この二人の経緯と成り行きを見届けた若い二人も、本当に心通わせるようになるのだろうと、思わせるラストシーンも素晴らしい。  DVD特典映像の監督インタビューで言われちゃったので、言うのためらわれるが、ラストの男と嫁のシーンで、抱き合ったりセずに、泣き崩れそうになる女を優しく抱きすくめて、家にいざなう男が、またカッコイイ!直前まで若者が女に抱きつこう抱きつこうとしていたから、ここは余計この方がいい。   『黄色いリボン』を観た時に知ったのだが、原作国のアメリカでは、女が出征する男に渡す黄色いリボンには、愛する男の無事な生還の祈りがこもっている、そういう思いを込めたものだという。リボンは日本でハンカチになったが、オツトメから戻ってくる男にこれ以上意義ある目印はないな。
[DVD(邦画)] 9点(2012-10-11 07:17:34)
25.  ジャンピング 《ネタバレ》 
 スゴイな、コレ。  アニメーションの原点であろう、動きの気持ちよさ、というようなものを感じる。浮遊感。空でくるくる回っちゃう飛び跳ね感。 アニメーションは、動いているもの、動いていることを楽しむものだが、その動きに観ている者を巻き込んでしまうのは見事。  只々ジャンプする、その視点だけで、作品になっちゃうスゴさ。もっと、色々なところへ跳ねてほしい、もっともっと観ていたくなる短編。  このアニメーションは、もちろん画面で描写されている、各場面を楽しむものだけど、同時にこの浮遊を「体感」するアニメーションだ。
[DVD(邦画)] 9点(2012-10-06 18:10:44)
26.  シェーン 《ネタバレ》 
 日本の昔が侍だけの世界でなかったように、アメリカの西部開拓史というのは、ガンマンだけの世界ではない。むしろ、農地開拓の歴史が、アメリカを西へ押し広げたのだという。この映画は、最後に悪漢をカッコよく倒して、颯爽と去ってゆくガンマンをヒーローとして描いているように言われるが、実はその大半が、自ら耕す農民の正義と、新旧の世代の戦いを描いている。  シェーンは自分が銃で物事を解決する時代の側の人間であることを自覚して、それから抜け出そうと農民の社会に生きようとするが、結局は辺境の治安維持の不備によって、力を行使せざるを得ない状況に陥る。  彼がカッコイイのは、自らを傷つけながらも、新世代を無垢のままに守ったからだ。スターレットを直接守ったのはもちろんだが、その目の前で人を殺してしまったジョーイ少年を、銃の世界に引き込まぬようにか、一家の前から去るその潔さ!  それにしてもライカー、インデアンから土地を守ったという、彼の言い分にも一理あると思ったが、やり方がダメすぎたな。  【追記】  何でもWikipediaによれば、ラストシーンに関して、シェーンの生死の議論があるそうで…。そう言われてみると、ラストのシェーン一人のカットは、モノクロかと思うほど色調も暗く、死を暗示させる。が、シェーンは馬を操っているし、何よりこれがシェーンの死を表現しているとしたら、わかりずら過ぎるし、悲しすぎる。
[DVD(字幕)] 8点(2012-08-19 05:43:23)
27.  ジョナ・ヘックス 《ネタバレ》 
 ウエスタンにちょっとだけサイエンス・フィクション的テクノロジーを融合した、近未来ウエスタン、でもそれだけじゃない。呪術的、霊的な世界観をも取り込んだ、サイエンス・ファンタジー・ウエスタン。  全体的に言うと、もっと面白く出来たはずだと思う、という意味で、残念。   物語中頃までは、魔術的なものも含めて、面白い復讐譚になるかと思ったが、せっかく死者と話ができるのに、ただの道案内で、設定が生きていないのが残念。それを物語の決着に重要な意味を持つくらいに活かすと良かった。  復讐の相手の若い右腕的な暗殺者が、あまり期待に応えた働きをしないのも残念。  最初に強奪した、鉄の質感の美しい巨大砲身と、最後に出来上がった連発大砲のスケール感がチグハグで、リアリティがなく、これも残念。  最後の船での決戦もちょっと物足りない感がある上、光る弾の給弾を止めてから、逃げ出す部分の描写(暴発が起こるのをジョナたちが知っていたのか?など含めて)が雑で、残念。   エンドロール最後に歌われる、「自分は反逆者。合衆国には愛情も興味も無い。負けたけど、悔いはない。自分の行いに悔いはない。」という歌が、とてもいい。いかにも兵隊が行軍中に歌いそうな雰囲気で、あるいは、兵隊崩れの戯れ歌のようで。ジョナの気持ちをよく表していると思う。それだけに、劇中最後の「困ったことがあったら、オレを探せ」というセリフのチグハグ感が、また残念。 
[DVD(字幕)] 4点(2012-07-16 06:55:30)
28.  白雪姫 《ネタバレ》 
 世界初の長編カラーアニメーション映画。1970年代後半のアニメーションブームまっただ中に学童で、"映画ファンの前にアニメーションファン"だった自分には、もう聖典のような存在。実際には、監督として別の人がいるにもかかわらず、ウォルト・ディズニーの映画。彼の思いが込められた、彼の映画と感じる。恐らく世界中の人がそう認識しているだろう、アニメーションの神様の映画。  今見返してみても、白雪の動きは素晴らしく、「いつか王子様が」のメロディも美しい。また、この装束をまとえば、必ずそれと認知されるほど有名な、白雪のコスチュームも見事。実写の俳優の動きを転写した白雪の動きと、目一杯デフォルメした小人たちの動きが、ちゃんとひとつの世界観の中にまとまっているのは、さすが神様の映画だ。7人の小人たちの描写も、今時の感覚で笑うかというとそうではないが、ユーモラスで「ハイホー」の歌も楽しい。  物語的には、細かい設定を全部ぶっ飛ばしていて、女王が母または継母というのも描かれないし、何度も暗殺に失敗しているのも省略だし、Wikipediaによると住まわせてもらう条件だったという掃除洗濯も、白雪の優しさへと変更されている。でも、それがシンプルでいいし、なんだか受動的な感じを受ける従来のお話よりも、明るく愛らしい少女の個性になっている。  ディズニー映画の、童話をミュージカル仕立てで見せるというのは、この一作目からの伝統のようだ。ところが最後は、なんだかサイレント映画のようにセリフがない。しかし、この最後のキスから生き返るシーンの、絵と音楽だけで見せる手法が、この映画の魅力の一つだと、今見てみると思う。実際には、小人たちとわかれる部分で、「グッバーイ」とセリフがあるが、それだけ。王子のキスと目覚める所、重要な部分に説明的なセリフを排して、動きだけで見せる。さすがは、アニメーションの神様だ。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-07-11 14:57:31)
29.  シーラ号の謎 《ネタバレ》 
 ミステリというものをどのように楽しむか、もちろん人それぞれだが、私にはこのミステリは、全く楽しめなかった。  世の中には頭の良い人がいて、他人が考えた謎を言い当てて、勝負のように楽しむ人がいるのは判っている。そして、この映画の真相を言い当てた人もいるらしいことも。しかし、僅かな例外を除いて、私は殆どのミステリ(特に映画の場合は)を、「気持よく騙される」かどうか、という見方をしている。   この映画の何よりも気持ちよくない点は、6人を集めた目的が、犯人探しや復讐ではないらしい、という所である。それが大きなトリックとなっているなら、まあ許そう。例えば、これは、金田一探偵の某離島事件における、「そんな必要なかったのだ!」に相当するオチだが、事件の原因がそこに無いために、せっかくミスリードしているのに、その事が重要でなくなってしまっている。  それでも、観客は途中までそう思い込まされつつ、物語は別の方向へ進み、その興味を無理やり方向転換させられる。そこから怒涛の展開で、なし崩し的に第一段階の犯人が見つかり自殺。  前半の主催者中心の描写と、ここの所のバランスが極めて悪い。どんでん返しがカタルシスを持つ為の、ある程度の量のドラマが「終わったぁ!」という感じを抱かせない。そして、異常に根拠の希薄な推理が展開されて、真犯人が判明する。   最後の解決に関する「意外な展開」の部分は、個人的なことだが、私が中学生の頃に戯言で書いたミステリに使った手口で、あれを突き付けられたようで、まあこっ恥ずかしい。仮にもハリウッド映画で、あんな展開で観客をビックリさせようと思ったなんて、その事にビックリした。 
[DVD(字幕)] 4点(2012-06-10 14:22:44)
30.  シルバラード 《ネタバレ》 
 西部劇復活の狼煙だったはずの本作が、あまりヒットせずにか、あるいは単に後続が無かっただけなのか、今となってはよく覚えていないが、とにかく残念な結果の割には、内容的には面白い。  物語的な整合が若干怪しいところもあるが、心許す友と出会う旅と、ジワジワと悪い奴らに苦しめられ、ついに反撃に至る展開は、西部劇の王道と言える。クライマックスの決闘が、ちょっとアッサリし過ぎな気もするが、すべてが終わった後の「また会おう」のセリフを聞いた時に、「うん、また彼らの活躍を見たい」と思わせる魅力があった。  それと、ケビン・コスナーのニッケルメッキの二丁拳銃が、まあ、カッコイイ。多分リアルとは言えないんだと思うけど、ウインチェスターの音が実に重厚なのもいい。 
[DVD(字幕)] 7点(2012-06-01 08:23:13)
31.  ジーザス・クライスト・スーパースター 《ネタバレ》 
 冒頭、バスに乗って若い役者たちが、芝居を打つために砂漠の廃墟にやって来る。観客はいない。見る者ではなく、演じる者のための芝居。「演」がいつしかそのまま「生」になっている感じ。この演劇感。オリジナルが有名な舞台ミュージカルなだけはある、面白い演出だ。お芝居という設定を生かして、舞台演劇にあるような、制約を逆手にとったようなセット、小道具、演出を効果的に使っている。それは、ユダを追い詰める、時代考証などぶっ飛ばした戦車だったり、異端者ユダをマイノリティの代表選手、黒人が演じている事だったり、まるで舞台装置のような、城壁だったり、血と青空の対比を強調する、ガラスのボウルだったり…。  当然のことながら、基本的には新約聖書のお話。その解釈は、宗教的ではなく、史実的。奇跡もなく、遠藤周作の描くイエス像に近いこのストーリーは、現代の普通の(無宗教、雑食宗教の)日本人には受け入れやすいと思う。ユダヤを治めるローマの総督による裁判のシーンは、運命に従うジーザスと、彼をなじる民衆と、この裁判に疑問を持つピラトの、三つ巴のせめぎ合いがサスペンスフルで、私の大好きなシーンだ。なんて言うと、不謹慎のそしりを免れないかもしれないが、これが、無宗教者の楽しみ方だ。  実は他作品のレビューで「何かに魂を売り渡さなければ演じられない、という価値観は嫌い」等と書いた事があるが、演じたことによって何かを得る、感じ取る、という感じは否定しない、というより、そういうの好きである。物語の中で、ユダだけが、ジーザスの進む道とその結果、覚悟を知る人間だったわけだが、最後に帰らないジーザス役を思うのが、やはりユダ役の黒人青年とマリア役の女だけという、同じ構造を畳み掛けるような手法が見事。「終演後」に、帰りのバスに乗らないジーザス役の若者は、一体何を感じ、何を得たのか。見る側の私の気持ちは、ユダの問いと同じなのかも知れない。   あ、最後に言っておかねば。やはり、ロイド・ウエバーの音楽は素晴らしい。ユダヤの神官たちの「黒い」感じ、「ジーザスクラーイスト、スーパスター♪」という部分の聖なる感じ、「私はイエスがわからない」の限りなく優しい感じ、どれも見事!25歳の青年の作とは思えない。
[レーザーディスク(字幕)] 9点(2012-05-21 03:56:18)
32.  情婦 《ネタバレ》 
 ラジオ番組で、戸田奈津子がオススメしていたので鑑賞しました。  弁護士が被告の無罪のために、妻を追い詰めていくのが、被告へのダメージになっている、という構図になっていて、皮肉で辛い裁判劇なのだな、なんて思っていた。その後の見事などんでん返し(しかも二重)で、気持良く騙されて、ミステリの醍醐味を味わった。戦時下に恋人を待つ歌で有名なデートリッヒが、ここで歌う歌のあまりの内容に苦笑。  そう言えば、妻を「名女優」と言っていたのに、回想シーンではタダの酒場の歌うたいだったのが、気にはなったのだが、それ以上の考えは及ばなかった、というのは、悔し紛れの言い訳か。  検察側の証人という題も、どんでん返しの後には、なんともひねりの効いたタイトルだと思った。そう考えると、もう一つ仕込まれたどんでん返しである「情婦」というタイトルもまた、見事な邦題だと思う。 
[DVD(字幕)] 8点(2012-05-19 12:58:20)
33.  女王蜂(1978) 《ネタバレ》 
 犬神家から、手毬唄、獄門島と、回を追うごとに残念になってきているので、この映画も覚悟して観たら、これ、意外に良い。  事件の終わりからの、「最後の謎解き」の部分に魅せられる仕掛けがあって、そこで明かされる物語に結構感動できました。  リアルタイム時は、横溝の本格推理に凝っていたため、事件自体のつまらなさと小物感を感じていたが、今見ると、神尾先生の切なさに涙が禁じえません。
[DVD(邦画)] 7点(2012-04-23 18:00:49)
34.  地震列島 《ネタバレ》 
 この映画が撮られた頃は、大地震が大都市をどのように襲うのか、見た者はいなかったので、何やらそこらじゅう爆発が起きて、宇宙人でも来襲してきたかのような描写なのは、ご愛嬌というべきか。  それでも、地球物理学者の人間ドラマによって、結構見応えのある物語になっている。あまりにも無防備な都市設計に対して、若い学者が警鐘の意味で「30日以内に直下型地震が来る」などと言ってしまうのは、ちょっと無茶だが、「東海地震だけを見ておれば良いというものではないでしょう」という言葉は、今にしてみれば重い。この映画では津波は描かれていないが、近年公開された災害映画でも同様のシチュエーションがあった、地下鉄に水が入り込んでくる描写が怖い。  離婚寸前の妻と地下に閉じ込められた学者は、英雄的な行為で皆を救い命を落とす。でも、他に待たせてる人がいるし、結果的にそっち側も旨く解決しそうとは言え、死んでメデタシにして欲しくはなかったとも感じた。つまり、パニック部分によって、なし崩し的に物語が幕を閉じた感が否めない。学者のその後の生き方を見たかった。或いは、反対の事を言うようだが、この「待たせてる人」の設定を無くして、シンプルに夫婦の話にしてしまうのも一考かも。
[DVD(邦画)] 5点(2012-01-24 09:46:12)
35.  女囚701号 さそり 《ネタバレ》 
 有名な作品だし、梶芽衣子の代表的な作品ということで、見てみたが、まあメチャクチャ。刑務官が、一人ずつ軍用ライフル持ってるし、しかも直ぐ撃つし、懲罰内容は、タダの嫌がらせだし、何かというとすぐ女の服を切り裂くし。ナミは何故か、下着姿で男に復讐しようとするし。「抵抗すると公務執行妨害で射殺するぞ」とか言うし。  しかし、演出的には、多分大胆な実験的な表現だったのだろう、カラーライティングや、回り舞台など。特にガラス張りの床に転がされたナミの怒りのカットは凄い。  とうとう脱獄を果たしたナミは、自分を裏切った男と、それに関連したワルには復讐するのに、あれだけ理不尽なイジメをした刑務官には、何もしないのが、若干気になる。しかもその後逃げるでもなく再び刑務所に戻るとは。復讐時のナミはカッコイイんだが、実際に苛めた彼らをやっつけないと、観ている者のカタルシスは得られない。   数々の突っ込みどころには、目をつぶるとしても、評価できる点が、大胆な演出と梶芽衣子の魅力のみでは、2点がいいトコ。
[DVD(邦画)] 2点(2012-01-07 05:57:13)
36.  上海バンスキング(1984) 《ネタバレ》 
 蒲田行進曲の夢をもう一度、という感じ満載の、有名舞台の映画化作品。  映画版独自の場面、火薬をふんだんに使った戦闘場面・日本軍による中国人の虐殺シーンが重すぎて、フツーの反戦映画のように見えてしまう。元々ダークな物語だが、主題は戦争にあるのではなく、戦前のジャズメンたちの「バンスキング」な生き様だったと思う。この映画を見ると、何でもリアルに写実的に描けばいいってもんじゃない、というごくアタリマエのことが、よく分かる。  原作舞台では、このダークな物語とバランスするような、華やかなダンスホールでの演奏・歌唱が見所の一つなのだが、この映画は残念なことに、そのシーンに魅力を感じられない。演奏は失敗もなくまとまっているのだが、ライブ感にかけ、ボーカルもそのハーモニーも凡庸。 
[レーザーディスク(邦画)] 3点(2011-12-17 07:46:46)
37.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 
 最初に事件について判っていることが、少年が父親をナイフで刺殺した。ということだけで、大事なことは、後から後から、出てくる。もし、この法廷を最初から見ていたら、随分この人達は議論が下手だな、と感じてしまうことだろう。まあ、そこがこの脚本のニクい所なんだろうが。  それはともかく。この人達は一体何に「怒」っているのか?移民者に、スラムに、暴力的な若者に、老人に。それらのはけ口が被告に向いてしまう、陪審員という制度の恐ろしさ。それらの怒りを抑え、冷静な議論による正しい結果をもたらすには、民主主義のシステムだけではダメで、それに誠実に向き合う気持ちが必要だという事が、よくわかった。途中、ぐちゃぐちゃの議論を象徴するように、土砂降りだった雨が、討論を尽くして結果が出た後に、すっかり上がっている様が何とも清々しい、良いラストシーンだった。   ところで、私の年代では、どうしても「優しい日本人」の方が先に接していて、舞台版を含めて馴染みがある。今回その元ネタを見てみて、正直、コメディにしたほうが、素材に合っていると思ってしまった。それは、議論している内容が実に机上の、「空論」とまでは言わないが、現実味に欠けること、論拠が実に弱いこと、あまりに非論理な主張をする人が、笑い話にピッタリだからだ。騒音がどんなものか、ドアまでの距離がどうなのか、実地調査すりゃ一発解決なのに、と思わざるをえない。ま、余計なことだけど。
[DVD(邦画)] 8点(2011-08-27 13:50:22)
38.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 
失礼ながら、こんなに面白いとは思わなかった。新幹線も必要最低限を除いて、極力本物の映像でリアリティがある。 共犯の若者たちと健さんの関係、彼らに対する理不尽な世の中というような状況には、多少の同情もできる。しかし健さん自身の事情については、それほどの説得力がないのが、玉に瑕か。でも、その部分をことさら強調するようなスーリーではなく、純粋なサスペンス部分が面白い。最後、別れた嫁と息子の首実検のベタな展開は、どうかな?と思う。もう、ここまで来たら、健さん逃げおおせるシナリオもアリだと思う。 
[DVD(邦画)] 7点(2011-08-14 09:25:14)
39.  十三人の刺客(1963) 《ネタバレ》 
リメイク版と比べると、何というか、半兵衛さんのキャラが薄い感じ。新左衛門との因縁・確執がちょっと迫って来ない。  でも、リメイク版より好きな部分が二点ある。 一つは、最後の砦での戦い。精鋭の13人とはいえ、随分とオタオタと戦っているリアリティ。あり得ないくらい、めっぽう強いってのは、シラケるから。 もう一つは、殿様が最後までヘタレだったこと。こういうのは、悪役に多少でも哲学めいた「理」があるより、この殿様みたいに最後まで将軍の弟とか、明石十万石の威光で虚勢を張るしかできない様が、最後やられる時に気持いいわけ。  基本のストーリーは単純でわかりやすいし、相手がどう出るか読み合う作戦の妙、殊に殿様の性格を読み抜いて、行列の道筋を推しはかるあたりも面白い。  ああ、そういえば、あれだけ精進し、実際に強かった西村晃、いくら刀持ってなかったとはいえ、最後なんで無様に死ぬかね? それと、最後に参加するやつの存在意義がよく分からない。最初から十三人ではいけなかったのかな? 
[DVD(邦画)] 6点(2011-07-11 18:59:25)
40.  シリウスの伝説 《ネタバレ》 
メインタイトルの炎の中に、海の水をたたえたタイトル文字、「火と水が一緒になると何でこんなに美しいのかしら」というマルタのセリフ通りの、この映画の始まりに相応しい美しさ。 また、古い世代には、日本のポピュラーソングの作曲者、今時の若者には、ドラクエの作曲者として有名だが、私にとっては断然、この『時よゆるやかに』『愛のカンタータ』の作曲者であるすぎやまこういち氏の音楽も、優しく幻想的で美しい。 海の中なのに、ウサギのような生き物、空を飛んでいるようなイマジネーション豊かな表現、何もかもが素晴らしい。物語は、ロミオとジュリエットをベースにした、悲恋。牧師と変な薬の代わりに、陽の光に当たると死んでしまう事を厭わないシリウスの気持ちと、水に触れると死んでしまうのに、彼と海に入るマルタの愛。 若い頃にこれを見られて、本当に幸せだったと思う。私の、オールタイムベスト1アニメーションである。 
[DVD(邦画)] 10点(2011-07-10 05:15:09)
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291.40%
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