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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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61.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 
「ヒズ・ガール・フライデー」「イヴの総て」に並ぶセリフ劇の傑作。 フランクリン・J・シャフナーが演出を手掛けたドラマが原作だが、映画版となったシドニー・ルメットのこの作品もモチロン面白いし、リメイクとなるウィリアム・フリードキン版やニキータ・ミハルコフ版もまた面白いんだよなコレが。 同時に、ハリウッドのアカデミー賞ってシステムがクソッたれだという事もよーく解る作品だ。 あの雨上がりのシーンを撮影した名カメラマンのボリス・カウフマン! ソ連出身、「これがロシアだ!(カメラを持った男)」を手掛けたジガ・ヴェルトフの弟、 「アタラント号」「波止場」「ベビイ・ドール」を撮ったカウフマンに撮影賞を与えないなんてアホなのか? そりゃあ、受賞した「波止場」に比べたらシーン数は少ないだろうよ。 だが、ラストシーンにおけるカウフマンの撮影が無かったら作品の評価そのものが割れるほどだと俺は断言したい。 何と言ってもヘンリー・フォンダが闘いを終えて外に出るシーン。 今まで降っていた雨が止み、法を巡る論戦からの、密室からの解放感。濡れたアスファルトから漂う蒸気の涼しげな様子。その場所でフォンダと御老公が互いの健闘を讃えてそれぞれの名前を聞くシーン。 このシーンの何ともいえない空気感というか、一仕事終えた後のあの達成感。 それがラストシーンに刻まれているのよ。 密室において繰り拡げられる12人の男たちの言葉をぶつけ、言葉による殴り合い。たった1人の少年の命のために。 無罪なら(人生を)延長、有罪なら即座に・・・無駄と解ったらブッ殺して(死刑)楽にしてやればいいのだから。 異を唱える1人の男がイカれているのか、 それとも何の疑問も抱かず問答無用で少年に死刑を下せる11人の男たちがイカれているのか。 セリフだけかと思いきや、証言を思い返す内に出てくるナイフ、現場再現、子供の写真、そして眼鏡。 フォンダの言葉だけが11人の男たちを動かすワケじゃない。 過ぎる時間、暑さ、降りしきる雨、雨、雨。心も身体も消耗、誰が最後まで粘り、誰が最後に折れるのか。 12人の、そして傍観者・伝達者として部屋に出入りする13人目の男。 欲を言えば例の女性や例の御老人の姿も一瞬でいいから見せて欲しかった。 ま、そこは小説のように想像に任せるとしましょう。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-15 18:32:14)
62.  シックス・センス 《ネタバレ》 
すげえ・・・666だ・・・マジかよorz 五感で感じられない幽霊。 霊を感じるのは「第六感」なのか。 主人公は子供を更生させる事を仕事にする男。 どんな不安や悩みも一身に受け止め、付きっきりで相談に乗ってくれる。 だが仕事熱心なあまり、妻をあまり構ってられない悩みも抱えている。 ある事件を境にそんな妻の夫への態度は冷たくなってしまう。しかしそれは・・・おっと。 そんな主人公はある日、不思議な少年に出会う。 彼は「霊が見える」という。 霊の見えない他の子供からはイジメられ、霊の見えない母親は、そんな息子に不安を抱く。 現実にいる体の病気が原因でイジメられたり、家族から冷たくされる子供もいるが、霊が見えるというだけで体は健康だ。 それだけに母親は辛い思いをしていた。 そんな時に主人公とその子は出会った。 最初疑っていた主人公も、親身に聴く内に徐々に霊の存在を意識はじめる・・・。 事件も無事に解決し、母親とも打ち解ける事ができた子供。 だが、主人公に訪れる「真実」とは・・・? 度肝を抜くラストが衝撃的すぎる。 だってあのブルース・ウィリスがだぜ? ダイ・ハードのマクレーン刑事がだぜ? まさかあんな事になるなんて・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-02 05:42:50)
63.  ジョン・カーペンターの要塞警察 《ネタバレ》 
「リオ・ブラボー」の超絶進化版とも言うべき傑作。  ジョン・カーペンターは学生時代にジム・コロスと組んで「ブロンコ・ビリーの復活(The Resurrection of Broncho Billy)」という西部劇の世界に憧れる若者を描いた現代劇で編集と音楽を担当した(その年のアカデミー賞の短編部門で受賞した事は有名な話)。 今作もまた西部劇の雰囲気を持った現代劇だ。  文字通り警察署をまるごと要塞化し、「リオ・ブラボー」における冒頭の緊張が最初から最後まで持続する。 低予算をその並々ならぬ演出でカバーしてしまうカーペンターの凄さ。いや、低予算を逆手にとった閉鎖的空間に登場人物を閉じ込めてしまう見事さと言うべきか。 まるでホラー映画の、サイレント映画のように音も無く署内の物が破壊されていく恐怖。「遊星からの物体X」でも味わえるホラーテイストが、この映画でも遺憾なく発揮されているのだ。 ギャングたちの冷徹さ、アクション映画としても一級品の傑作です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-09-21 16:52:19)
64.  ショーシャンクの空に
スティーヴン・キングの小説「恐怖の四季」に収録された「刑務所のリタ・ヘイワース」が原作。 スティーヴン・キングらしい「人間賛歌」と「不気味な宝探し」に溢れる。 原作のタイトル通り、リタ・ヘイワースやマリリン・モンロー、ラクウェル・ウェルチのポスターの使い方の巧さ。 その時代時代を代表する女優であり、世間から断絶された刑務所の時間経過をより解りやすくしている。 彼女たちが隠す「秘密」も大きな伏線となってくる。 所々に散らばった伏線、人間賛歌のヒューマンドラマから巌窟王になっていく切り替えの面白さ。 憎悪を超えた「理解」と「反撃」の数々。 冤罪によって収監された主人公のアンディ。 博愛主義でも偽善で物を言う男でもない。 いつも他人のために悩み、怒り、戦った。 ただ単に安らぎを求めていたのだから。 どんな暴力にも屈せず、望みを捨てずに懸命に生きる姿、古株のレッドやブルックスといった個性豊かな囚人たちとの心の交流。 最後の最後まで生きる事に執着した人々の人間賛歌も心地良い。  ティム・ロビンスの野心が見え隠れする奇妙で魅力な人物像、 モーガン・フリーマンの温かみのある演技。  同時期に「フォレスト・ガンプ/一期一会」、「パルプ・フィクション」、「スピード」といったキワモノ映画(大賛辞)のオンパレードに飲まれた不遇。 その中でもこの映画は最もおとなしく、最もパワーを爆発させた映画では無かろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-26 19:17:32)(良:2票)
65.  シベールの日曜日 《ネタバレ》 
「レオン」、「グロリア」のルーツである傑作。俺はこの作品が一番好きだな。この映画は、本当の「失う事の痛み」を知る人間にこそ見て貰いたい。 戦争の後遺症に苦しみ男、そんな男に出会ったあどけない少女との交流。戦争の痛々しさと残酷さが、二人の交流からも感じられる。 ラストの幕引きは余りにも悲しすぎる。泣いた。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-19 21:01:15)
66.  次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家 《ネタバレ》 
何だか伊藤大輔の傑作「忠次旅日記」シリーズを思い出す。  勘助を倒し凶状旅の道を歩む次郎長一家。 凶状の楽烙印は次から次へと苦労を引き寄せる。  敵に追われる凶状旅の苦しさ、 そんな中で倒れるお蝶、 治したくても金が無い、 かくまってくれる場所も無い、 救った恩人から返される仇・・・とにかく涙なくしては見れない。  お蝶の代わりを務めると言わんばかりの女傑お園の登場。  いや、現にみんな泣きまくっているし。登場人物がうっとおしいくらい泣きまくる。  山道での逃走劇は圧巻だ。 石松もみんな一斉に泣きだす。 旅の辛さに泣いたのか。それとも死が迫るお蝶を想い泣いたのか。  これほど想像力をかきたてるほど男たちが泣く映画もそうそう無い。  笑いあり涙ありの第六部。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-15 22:20:43)
67.  新婚道中記 《ネタバレ》 
夫婦喧嘩は犬も食わないという。じゃあ誰が食うのか? 笑いに飢えている我々観客のお腹をいっぱいにしてくれるのだ。 新婚ホヤホヤの夫婦が繰り広げる壮絶な喧嘩。ケイリー・グラントはいつも受身のキャッチャー。毎回殺人的な剛速球や変化球をブン投げる淑女のお相手だ。 後の「Mr.&Ms.スミス」が銃による喧嘩なら、本作はマシンガントークによる破壊力で我々の腹筋を破壊してくれる。 同じマッケリーの「邂逅」でシリアスな役をやるヒロインを見た後だと、余計にギャップが凄まじい。 愛犬スミスの兄弟も愛らしい。どうしてスクリュー・ボール・コメディは動物が大活躍するのだろうか。 来るはずの無い人間がバツも悪く来てしまう「お約束」。大掃除で爆音が響くのは夫婦喧嘩と戦争(浄化という名の焦土作戦)だけです。 ドアのやり取りも最高!
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-07 19:16:30)
68.  邪魔者は殺せ
リードによるサスペンスの佳作。 相変わらず白黒画面の美しさは抜群だが、やや哲学臭く説教臭い内容には辟易してしまう。 しかし、必死に逃げる逃亡犯に手を貸す者や拒む者等それぞれの思惑が交錯するストーリーは悪くない。 前半の逃走劇、後半の心理劇・・・見て損はしない作品だ。
[DVD(字幕)] 8点(2014-05-05 18:20:17)
69.  シルビアのいる街で
一体シルビアは“何者”だったのだろうか。やりすぎとも言える演出が暴き立てる彼女の虚構性。映画そのものもストーリーらしいものは無かったが、後に残る心地良い余韻は何なのだろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-11 00:01:12)
70.  シャロンの屠殺者
ヴィクター・マチュアが放つ野性的な雰囲気は、西部開拓者の“異文化”を拒むようなオーラに包まれている。 この作品のはインディアンたちの「野生」と西部開拓者たちの「近代」の衝突を戦争を通して描いた骨太の西部劇。 常にピリピリした空気が保たれる傑作だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-09 20:17:35)
71.  静かなる男
この映画はね、「脂ぎったオッサンたちが延々と殴り合う」という図式が好き(?)という人間のためにある映画です。 アイルランドの美しさとか、ギシアンでベッドがひしゃげているとか、そんな些細な事はどうでもええんです。 個人的には「鉄腕ジム」とか「赤い河」みたいなハードなド突き合いの方が好きだし、フォードにしても「果てなき航路」とか「我が谷は緑なりき」の方が好きだ。 ウェインにしたって脂ぎったワンマン中年より、若気の至りで拉致されて仲間に助け出される人間臭いウェインの方が好きだ。人間らしい弱みを見せる男気の方が惹かれるしさ。  だが、このお祭り騒ぎみたいなエネルギーの塊!こういう映画が好きな俺にはたまらん。 御託はいい、乾いた殴り合いもいいが、たまには湿り気のあるウェットな殴り合いも悪くない。 確かにノリはアイドル映画だな(笑) と言っても「狂った果実」じゃなくなり「黒部の太陽」になった石原裕次郎と三船敏郎が殴り合うような(違うか~)
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-27 15:45:16)
72.  女王陛下の007
文字通り“一発”の弾丸レーゼンビー。 007シリーズにおいて異色とされる本作だが、むしろ小説からして見ればコネリー版007が異色というか“異常”である(褒めてる)。 イアン・フレミングもビックリだろうぜ。まさかボンドが野獣みたいな(賛辞)ゲドゲドの悪党面(大絶賛)のショーン・コネリーになろうとは(だからコネリーはカッコ良いのだ)。 映画ファンにとってはコネリーが唯一絶対のボンドになってしまった。そしてアホ(褒めてる気がする)のテレンス・ヤングのせいでハードボイルド風ギャグ映画になってしまった(そこがボンドシリーズの良いところです)。  そんな007ファンにとって本作「女王陛下の007」と「カジノ・ロワイヤル(2006)」は異質に見えたのだろう。 だが俺はその異質と言われる誰よりも“普通の人間臭い”ジョージ・レーゼンビーの「007」が好きなのだ。 冒頭の曲の掛かり方が素晴らしいじゃないか。 スキーによる格闘戦なんか超カッコ良いじゃないか。 ラストシーンのレーゼンビーの演技はシリーズ屈指、いやレーゼンビーにとってもベストな演技だと思う。 そうだ、これは「007」じゃない。紛れもなく「007」だ(どっちだよ)。 誰でもショーン・コネリーのような野生やプロース・ビアスナンのような中年ダンディズムに達せられるワケじゃない。 かといって、ダニエル・クレイグのような屈強な戦士になれるワケでもない。みんながスーパーマンになれるワケないじゃないか。 コネリーやブロスナン、クレイグにできない事をレーゼンビーはやってくれたと思う。誰よりも普通で、誰よりも哀しみを背負ったリアルな「007」として。   え?ジュン・ヒューストンの「カジノ・ロワイヤル」?何ソレ?オーソン・ウェルズには美味しいの?
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-13 17:57:36)(良:3票)
73.  ジョニーは戦場へ行った 《ネタバレ》 
ダルトン・トランボ自らの小説「ジョニーは銃を取った」の映画化。  オープニングのドラムの連打。  まるで機銃を掃射するように一つ一つ叩かれる音は、機銃に斃れていく兵士の叫びでもあるのかも知れない。  トランボの戦争に対するあらゆる怒りがこの映画には詰まっている。  戦争が起こる度に原作小説を発禁にしてきたアメリカ政府の傲慢。  「人間」として殺され、消耗品の「弾丸」という兵士にされていく人々。  戦争そのものに殺されていった人々の叫びをトランボは聞いたのかも知れない。  原作は第二次大戦が勃発した1939年。  まだ第一次大戦の暗い影を引きづっているような時代に続けざまの戦争。  第一次の頃に子供だった人間が、大人になった途端に戦場に出され殺されに行く。  何処にいたって戦場だ。子供も大人もみんな無差別に焼かれる。  戦争したけりゃてめえらだけでやれ。どうしてこんな争いのために我々が殺し殺されねばならんのだ。  顔を焼かれ四肢をもがれた「ジョニー」からはそんな激しい怒りが伝わって来る。  美しき過去の「幻想」、光の届かない闇の「現実」。  戦場に行けば二度と戻れないかもしれない。だったら死ぬ前に好きな人を思いっきり抱きしめてやりたい・・・。  叫びたくても叫べない、  触りたくても触れない、  泣きたくても泣けない、  眼をつぶりたくてもつぶる眼も無い。  こんな人間を誰が作った!  「ジョニーよ、銃を取れ」と無責任に叫んだ全ての人々だ。  自分の利益のために他人の死体を踏みつけにしてきた多くの人間だ。  トランボはそんな人間への怒りを命懸けで叫んだ。  何が赤狩りだ。  何がプロパガンダだ。  ジョニーの気持ちを否定できる奴なんざこの世にいない。  何故ならジョニーの苦しみはジョニーにしか解らないのだから。  我々はジョニーのありのままを受け止め考える事しかできないのだから。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-13 03:19:04)(良:1票)
74.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 
ジョン・フランケンハイマーの「影なき狙撃者」に次ぐ佳作。 ジンネマンだから見る気すら起こらなかったけど、「ジャッカル」とか言うクソリメイクを見てしまったのが間違いだ。ただジンネマンを少し見直せたという意味ではちょっぴり感謝していると言えよう。 「暴力行為」の一発屋という印象があったジンネマンだが、コレは中々面白かった。 いつものジンネマン特有と言えるピリピリした空気で緊張が保たれる。 「真昼の決闘」なんて勘違い西部劇は緊張が保たれるものの決闘が1回だけと解かってしまい極めて退屈な映画だったが、「ジャッカルの日」は殺し屋とフランス官憲たちの心理描写が面白い。 ドゴール将軍の暗殺を巡って繰り広げられる追走劇。 イギリス出身という事以外名前も解らず謎がジャッカル。彼の完璧と思われた計画がパリの習慣によって狂う瞬間は息を呑む。 キツネ(エドワード・フォックス)が“ジャッカル”というのも皮肉なものだ。 政治的に“黙殺”されていく暗殺者の孤独。ルベル警視はそれを悟っていたのかも知れない。 ジンネマンはやはり現代劇でこそ真価を発揮する男だ。「地上より永遠に」「ジュリア」も良い作品だと思う。 
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-06 14:08:27)
75.  死の谷 《ネタバレ》 
ラオール・ウォルシュが描く西部劇の傑作の一つ。  ウォルシュ監督の「ハイ・シェラ」を西部劇としてより洗練させてリメイクした。  現代的な様相、何処か虚無的な雰囲気、ファムファタール(悪女)の誕生・・・フィルム・ノワールとしても面白い西部劇だ。   ガンファイトは物足りないと感じる時もあるが、冒頭から脱獄、駅馬車の襲撃など要所要所でアクションが程よく入り人間ドラマもかなり面白いのでダレが無い。  ラストの警備隊の追撃や二人の最期はガンファイトとしても素晴らしい&壮絶なシーンを見せてくれた。   本編は白人とインディの哀しき運命を描くストーリーだが、この映画は「生」と「死」が強調されている。 白黒の画面だからこそそれを色濃く感じられる。  主人公は犯罪を犯した“罪人”であったが、一度牢獄から出て「カタギの人間」としてやり直そうとした。  旅を続ける傍ら様々な事件に巻き込まれ、インディアンの混血の娘に惹かれる。  二人は次第に強い絆で結ばれていく。  祝福する者は誰もいない教会での結婚式・・・社会からはみ出した者同士にしか解らない痛みと温もり。 しかし運命は主人公を元の犯罪者という逃れられない「死」へと追い込んでいく。  一度犯罪を犯せばその烙印を一生背負う。  一度人を殺せばもっと重い烙印を背負い続ける。  そんな事を言われているような胸に響く映画だった。   この映画は90分だが、「たった90分」と思うほど時間が早く感じられる。  もう30分この二人のやり取りが見たいくらい切なくなってしまう幕切れだった。  握った手・・・二人は一緒にあの場所へ行けたのだろうか・・・。 「暗黒街の弾痕」といい、「ボニー&クライド/俺たちに明日はない」といい、どうしてこんなにも切ない映画が多いのか。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-30 10:10:01)(良:2票)
76.  十三人の刺客(1963)
再評価です。 前見たときは戦闘まで淡々としすぎていて退屈でしたが、今回は「太秦ライムライト」を気に色々と見直す事にしました。 そしたら退屈どころかその丁寧なドラマ作りに見入ってしまいます。 それに戦前の時代劇を幾つか見たおかげで俳優陣の豪華さに今更ながら驚いています。「鴛鴦歌合戦」や「赤西蠣太」の名演を見た後だと、片岡千恵蔵の重きを置いた演技の良さがようやく解りますし、その補佐役として「鞍馬天狗」の嵐寛寿郎や月形龍之介など時代劇を支えてきた骨太の名優たち。どうしてこんな面々の凄さに今まで気付けなかったのか。戦前日本映画の凄さを知った今の自分には、老いて尚も重厚で重い時代劇を作ろうとした野心が伝わってきます。「十三人の刺客」は今でいう「太秦ライムライト」。 黒澤映画や小林正樹の「切腹」などは、今だと最新鋭の技術の粋とも言える「驚異的な存在」だったのでしょう。時代劇の人気が続く嬉しさの反面、サイレント時代から培われた「剣劇」というカタの衰退・・・それを残すべく千恵蔵を始めとする古参の強者、里見浩太朗や丹波哲郎をといった新進気鋭、西村晃など名バイプレイヤーたち・・・今考えると恐ろしい顔ぶれです。 終盤まで戦闘が無いのも往年の時代劇のようなドラマに重きを置いた作風であるし、数十分にわたる戦闘も阪東妻三郎の「雄呂血」や伊藤大輔の「忠次旅日記」えのオマージュにも似たこだわりが感じられます。 この映画の神髄はサイレント時代の「呼吸」を理解しないと中々味わえないものなのかも知れません。
[DVD(字幕)] 8点(2014-01-10 09:54:30)
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