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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2385
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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81.  ジプシーのとき 《ネタバレ》 
エミール・クストリッツァにとっては『パパは、出張中!』と『アンダーグラウンド』の間で撮られた作品ですけど、本作以降に濃厚になってくるいわゆる“クストリッツァ印”が確立された映画です。まず動物、これについては七面鳥ということでまだ小粒です。クストリッツァ映画には欠かせない“宙づり”はなんと家が宙づりにされちゃいます。元祖宙づりは、対象が人間じゃなくてこんな大物だったんですね。そして忘れちゃいけないのがジプシーブラスと幻想シーンです。序盤にある川の中で繰り広げられるジプシーたちの祭りは凄く荘厳で心に響いてきます。ストーリーはひとりのジプシー青年の転落の軌跡という感じの物語となります。この俳優は『パパは出張中!』と『アンダーグラウンド』にも出演している当時のクストリッツァ映画の常連俳優ですけど、本作の10年後に29歳で亡くなってしまったそうです。 結婚式のシーンで始まり葬式で終わるというのはいかにもクストリッツァらしいストーリーテリングでしたが、長年観たかった作品でしたのでDVD化には感謝でございます。
[DVD(字幕)] 7点(2016-03-09 01:10:05)
82.  シリアル・ラヴァー 《ネタバレ》 
似た様なプロットの映画を観たことがある様な気がしたけど、これはこれでおフランスらしいぶっ飛びぶりが新鮮なブラックコメディです。とくに中盤、ヒロインの妹が仲間を引き連れて家に押し掛けてくるところからの超ハイテンションなバカ騒ぎは、かなり来てます。でもとにかく爆笑必至なのはあの“人間ジュークボックス”でして、冷静に考えると志村けんのコントみたいなんですが、そのバカバカしさは突き抜けています。なんせバックコーラスつきなんですから(笑) おバカ映画好きはツボが刺激されること必定な、愛すべき一品です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2016-02-28 23:16:05)
83.  ジャッジ! 《ネタバレ》 
あのキツネうどんのCMの破壊力、もう半端じゃないです(笑)コンコン、コシコシ♪っていうあのメロディが、まだ強烈に頭の中で共鳴してます。冒頭からの脱力系の展開は、なんか私にとってどストライクの剛速球でした。クライアント訪問するときまで膝小僧出した半ズボン姿のトヨエツが大傑作で、「無茶と書いてチャンスと読む」は私も使わせて頂きたい名セリフです。そう言えばかつて代理店のサラリーマンだった筒井康隆の小説に出てくる「士農工商・代理店」というフレーズを思い出してしまいました。それにしてもトヨタ・エースコック・丸井と実在企業の名を出してのパロディとは日本映画らしからぬ大胆さ、エースコックの宣伝室長なんて完全にコケにしている様な気がしますけど、怒られなかったんでしょうかね。でも鈴木京香が創ったトヨタのCMに関してはディスってる様な気がして、これがグランプリを獲るのは一種の皮肉なんでしょうかね。 監督も脚本家もCM業界の人たちなので、業界の内情はきっとリアルなんでしょう。パロっているけど広告祭の審査の内情も、実際あんなもんなんでしょうね。後半からラストに至るベタな展開はクサいんですが、コメディとしてはなかなか愉しめると思いますよ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-02-23 00:20:46)
84.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 
昭和の社会派犯罪映画としては屈指の作品なんでしょうね。時代が時代だけにやけに全共闘の価値観みたいなものが鼻につくところは、今の感覚で行くと暑苦しくて堪らんものがあります。とくに高倉健一味の人間関係はちょっとクサくてヤリ過ぎ感は否めないところです。主犯の沖田という男はもう健さんそのものというキャラ設定で、事業に失敗して妻子に逃げられたからと言って健さんがこんな犯罪に走るかよ、と思ってしまいます。対する警察サイドも重厚な布陣ですけど、冷静に考えると捜査の進め方はなんか杜撰で無能さが目立ちます。空港で張るにしても、ふつう沖田の顔写真ぐらい持ってくるでしょう、元嫁と子供の面通しに頼るなんて、さすがにあり得ない話です。ふつうに考えても、爆弾が解除されてないのに身代金の受け渡し現場で逮捕しようとしまうかね?ここら辺も警察権力は横暴で無能だという団塊世代的な価値観なんでしょうね。この脚本では、警察は威信のためには新幹線の乗客の安全よりも、犯人確保を優先させる組織だと言いたかったみたいです。 そして最大のドラマが爆弾が無力化される前に二次災害を防ぐために新幹線を停車させようとするところで、これは9.11のときみたいなハイジャックされた旅客機を撃墜する命令を下す決断みたいなものです。ここでも国鉄の局長を非情の鬼官僚みたいに描いていますが、いくら国有鉄道だったとはいえこれはおかしい。その指令を下すのは政府じゃなきゃおかしいし、責任を負わねばならないのは当然総理大臣のはずです。劇中では官房長官が国鉄に決断させるような展開でしたが、いくらなんでもそれは酷というものですよ。事前に脚本を全部読んだのかは知りませんが、これじゃあ国鉄全面非協力という対応だったのは当然でしょう。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2016-02-16 00:57:48)
85.  シン・シティ 復讐の女神 《ネタバレ》 
ハーディガンは幽霊となって登場するのにマーヴはピンピンしているなんて、前作を観ているともう頭が混乱してしまいます。良く考えると、ブルース・ウィリスは有名な例の映画のパロディみたいでした。でもいちばん頭を抱えさせられたのはドワイトで、ジョシュ・ブローリンはどう観てもミス・キャストです。ドワイトは警察に追われて整形したという前作のキャラと繋がっていますが、整形前と後は髪の毛があるかないかだけのような気がするんですけど(笑)あとマヌート、彼に至っては二作とも出場しているのにどっちも殺されちゃって、もう実に不思議なフランク・ミラー・ワールドです。 まあスケール・ダウン感は否めませんが、ニヒルな世界観は前作以上にエッジが効いているかなと思いました。でもなんかイマイチ愉しめなかったんですよね、やっぱブルース・ウィリスが活躍しなかったからかな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-02-14 00:12:41)
86.  シャークトパス VS プテラクーダ 《ネタバレ》 
果たして人気があったのか、4年も経って製作された『シャークトパスSHARKTOPUS』の続編です。昭和ガメラの様なシリーズ化を狙ったのかどうかは知りませんが、今回は敵キャラとしてプテラクーダがデビュー!昔は怪獣やモンスターは放射能を浴びた突然変異が生誕の秘密というのが相場でしたが、近年はDNAをいじって自在に造っちゃうというのが定番です。今回マッド・サイエンティストが選んだのは太古の翼竜プテラノドンのDNAになぜか理解不能ですけど魚のバラクーダ(鬼カマス)のDNAをかけ合わせて誕生したプテラクーダ! はっきり言ってこのプテラくん、造形的にはインパクトには欠けています。だってどう見たって単なる翼竜で、どこがバラクーダだか判りにくいんです。まあシャークトパスと闘わせるために水中も自在に泳げるようにしたかっただけなのかもしれません。前作で死んだシャークトパスの体内にあった卵から出てきたシャークトパス二世が水族館で飼われていて、プテラくんと闘うというのがストーリーですけど、まあそんなのはどうでもよろしい。えげつないグロ描写は今回はてんこ盛りで、ここは監督が代わったからかな。でもCGのショボさは相変わらずで、両巨頭が闘っているなんか、これはひょっとしてCG使ったアニメ映画なのではないかと錯覚してしまうほどです。 おバカなストーリー展開の結果プテラくんに勝ったシャークトパスは生き残ったみたいですけど、果たしてさらなる続編はあるんでしょうか?
[CS・衛星(字幕)] 3点(2016-01-30 23:09:01)(良:1票)
87.  シャークトパス SHARKTOPUS
サメ映画は『JAWS』以外はクズ映画というのは世間の共通認識ですけど、それ以上にクズ映画のかたまりなのが蛸映画、もっとも存在自体がマイナーで有名なのは『テンタクルズ』ぐらいしかありませんけど。そこは帝王ロジャー・コーマン、『JAWS』と『テンタクルズ』合体させるなんて凡人にはとうてい思いつかないアイデアです。コーマン御大がバカンスで行ったついでにメキシコで撮影しましたみたいな内容は語ってもしょうがないので、注目するところとしてはシャークトパスの造形になりますでしょう。それがサメの前半分とタコの下半身を繋げただけという脱力系のお姿で泣いてしまいます。もちろんお手軽CGですけど、水のしぶきまでヘッタクソなCGなのでもうマンガです。所々のアップショットではプロップを使用してますが、較べちゃ失礼かもしれないけどUSJのアトラクションのジョーズの足元にも及ばないトホホな出来でした。 布地の少ない衣装のギャルたちがそこそこでてきますがみんなシャークトパスに喰われてしまいます。まあそれは良いとしても、ヒロインがそのギャルを含めた全出演女優の中でどう見てもいちばん○○というのはちょっと許せませんでしたね。でも悪役エリック・ロバーツだけは妙に存在感がありました。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2016-01-28 19:59:40)
88.  ジャージー・ボーイズ 《ネタバレ》 
冒頭から俳優がいきなり画面に語りかけ、「うわぁ、イーストウッドが大林宣彦をパクってる!」と驚愕しましたが、これは原作のミュージカル舞台に忠実な撮り方みたいですね。イーストウッドにしては肩の力が抜けた様な軽い撮り方も珍しいところです。随所に彼の遊び心が感じられ、TVで流れるのは『ローハイド』の若き日の御大の登場シーンというのは笑うツボです。だいたいからして、クリストファー・ウォーケンを起用していること自体が、“Can't Take My Eyes Off You”をフューチャーした名シーンがある『ディア・ハンター』を想起させてくれて面白いところです。ラストのカーテン・コールよろしく登場人物総出で繰り広げられるミュージカル・シーンには、もう鳥肌が立ちました。 フォー・シーズンズとなるとビートルズ世代の自分よりひとつ前の時代の音楽という認識でしたが、さすがに使われている楽曲はほとんど全て聞いたことがあるものばかりというのにはちょっと驚きました。なんせ『タモリ倶楽部』のあの有名なオープニング・テーマまで出てくるんですからね。 それにしてもオリジナル舞台と同じジョン・ロイド・ヤングの歌唱力は驚愕ものです。てっきりフランキー・ヴァリのオリジナル音源を使っていると思ってましたから、わたくし。また知られざるフォー・シーズンズの秘話も知ることが出来て面白かったです。ボブ・ゴーディオをメンバーに紹介したのが若き日のジョー・ペシだったというのはびっくりです。そう言えばペシは歌手としてアルバムをリリースしているほどですから、音楽の世界との関わりは深かったみたいです。 ここまで来るとイーストウッドには、ぜひ本格的なミュージカル映画を撮って欲しいものです。でも監督したわけじゃないけどその昔『ペンチャー・ワゴン』で痛い目に遭っているから、ちょっと無理かな(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-29 22:09:44)
89.  女王陛下の戦士 《ネタバレ》 
ヴァーホーヴェン監督の初期オランダでのまあ大作と言える一篇です。ナチ占領下のオランダ・レジスタンス活動を描いていますが、当時の女王まで主要キャラの一人として登場させているので、ヴァーホーヴェンらしいエロや無茶はほとんど見られません。この映画を思いっきり黒くしたのが、後に撮った『ブラック・ブック』というわけです。レジスタンス活動と言っても華々しい活動とはあんまり見られず、仲間内も裏切り者だらけというけっこうお粗末な内情も赤裸々です。でもオランダ人にも親ナチがいっぱいいたという事実に眼をつぶらない姿勢は評価してあげたいです。 原作がある制約も有りますが、ルトガー・ハウアーが全然ヒーローらしさが無いのも印象悪くしている原因ですかね。近眼で射撃もど下手、唯一の作戦も任務を果たせず一人逃げ帰ってくるという情けなさです。まあリアルと言えばそうなんですけど、なんか観終わってフラストレーションが残ってしまいますよ。これも監督があのヴァーホーヴェンだからというからなんでしょうかね。
[DVD(字幕)] 4点(2015-10-17 11:36:30)
90.  終身犯 《ネタバレ》 
今まで自分が観た中で最良の刑務所映画、『ショーシャンクの空に』なんてこの映画の足元にも及びません。また、主人公が脱獄しようとしない唯一の囚人映画でもあります。だからこの映画では一生を刑務所暮らしする人間とはどういう存在なのか、また更生とはいったい何なのかということを鋭く問題提起しています。 囚人が苦労してその道の達人にまでなったというのは日本人好みのいわゆるイイ話になっちゃいそうですが、そんな単純な撮り方をしてないところが監督フランケンハイマーの凄いところです。バート・ランカスターの演じるストラウドからしても、映画の前半では狂信的なまでに反抗精神が強いあまり共感を呼ばないキャラです。そんなランカスターが「お前には人に感謝する気持ちがない」と看守に指摘されてハッと気づき、「今まですまなかった」と謝り生まれ変わった様になるシーンには心を打たれました。ほんと人間には感謝の気持ちを他者に持つことが大事なんですね。彼は『真昼の暴動』でも囚人暴動のリーダー格でしたが、本作では非常に抑えた演技が光ってました。 このランカスターを取り巻く刑務所の人間たちがいい味出してます。初めは嫌っていたが生涯の友となる看守のネヴィル・ブランドや、粗暴ながらもカナリヤ飼育によって人間味が増してゆく囚人テリー・サヴァラスがいい演技を見せてくれます。主人公ストラウドにしても常に突き放した様な客観的な演出で通しており、決してハッピーエンドではない終わり方にも納得させられます。 「更生とは尊厳を取り戻すことだ」というランカスターのセリフは、キリスト教的な意味合いもあるんでしょうけど考えさせられます。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-08-01 18:11:29)
91.  白い家の少女 《ネタバレ》 
この年(76年)だけでジョディ・フォスターは5本もの主演・準主演作が公開されていて今で言うとクロエ・グレース・モレッツ状態、いやクロエちゃんをはるかに超える勢いだったんですね。実は彼女がトップにクレジットされるのは本作が初めてで、つまりジョディの初主演映画と言うわけです。『タクシー・ドライバー』の少女娼婦役が強烈過ぎてかすんじゃってますけど、この映画のリン・ジェイコブスはその後の彼女の映画人生に影響を与えたキャラだったんじゃないでしょうか。 面白い事にこの映画は、作家の親娘の話である『別れのこだま』と設定が酷似してるけど、まるで真逆の展開になるんです。『別れのこだま』ではジョディが心臓病を患う少女役ですが、本作では病魔に苦しむのは作家である父親で、しかもその娘は父の死後恐ろしい行動に出る。それまではハート・ウォーミングなキャラが持ち味だった彼女が、普通に見える少女の心の闇をここまで演じ切れば観客には強烈な印象を与えたことでしょうね(少女娼婦という存在はあまり普通じゃないですから)。少女なんだけど常に無表情で何を考えている測り知れない、だけど本質的なもろさはきちんと見せるという演技をこの歳で完璧にものにしているんだから恐ろしいことです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-28 21:59:00)(良:1票)
92.  女子ーズ 《ネタバレ》 
なんも期待せずに観始めましたけど、実は思わぬ掘り出し物でした。もう最初の30分のチャールズ司令官や怪人たちとのグダグダなガールズ・トークはもう爆笑です。考えてみれば、この映画は日本版『デス・プルーフ』みたいなもんなんですよね。ガールズ・トークと女子アクション(もっとも日本の方は迫力負けですけど)は共通じゃないですか、ちょっとムリありますけど(笑)。それにしてもこの監督の“戦隊もの愛”には頭が下がります。地球制服を企む怪人たちが、埼玉かどっかの砂利採掘場をいつも通って都心を目指していたとは不覚にも今まで気が付きませんでした(笑)。もう一つ伝わってくるのが、監督の強烈な韓流憎悪じゃないでしょうか。レッドの恋愛シークエンスはモロに韓流のパロディで、メチャクチャ韓流ドラマをコケにしてるような気がするんですけど。女子―ズに居酒屋で群がってくるチャラい男たち、もう雰囲気が韓流男優そのものって感じでした。 それにしても桐谷美玲や藤井美菜が「ウ●コ~ウ●コ~」なんて連呼する映像を眼にするとは、世の中何が起こるか判らないもんです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-06-19 20:49:02)(良:2票)
93.  ジャッジ・ドレッド(2012) 《ネタバレ》 
スタローン版のせいでどうしてもイメージが悪くて可哀想なんだけど、最近のマーヴェル・コミック映画とは一線を画したダークな世界観が素晴らしい。主演のカール・アーバンはメットを被りっぱなしでとうとう最後まで素顔を見せずじまいでしたけど、これもある意味いい役者根性と言えるでしょう。ルーキー・ジャッジのオリヴィア・サールビーは 反対に被らないで通したけど、“ヘルメットの装着すると超能力が使えない”というのは実に上手い説明です。たしかにアーバンはどうでもいいけど、彼女のルックスを堪能できるのは眼福ですよね(笑)。 それにしても、ここまで顔面破壊に拘った映画には初めて出会った気がします。これはかなりエグくて痛そう。展開が気のせいか『ザ・レイド』にそっくりになっちゃってるのは、まあご愛敬と言うことで。でも8万人が居住している200階建てのビル、そして8億人がうごめくアメリカ東部全体ぐらいの規模を持つメガシティなんて、もうそのセンス・オブ・ワンダーには痺れてしまいますね。バルカン砲で撃ちまくられても無事だったり銃弾が命中してもまるでプレデターみたいに応急処置が出来たり、などご都合主義なところはありますがシンプルながらも見応えは十分でした。 カール・アーバン自身が署名活動しているそうですが、続編製作は難航しているみたいですね。私もドレッドとアンダーソンのコンビをもう一度観てみたいので、署名してみようかな。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-06-13 23:08:49)
94.  ジンギス・カン(1965) 《ネタバレ》 
オマー・シャリフがテムジン/チンギス・ハーン、その妻ボルテがフランソワーズ・ドルレアック、その他のキャストも米英の俳優でチンギス・ハーンの生涯を描くというキワモノ的な映画です。かつてジョン・ウェインがチンギス・ハーンを演じている『征服者』という珍品大作があって余りのひどさに笑いのネタにされていましたが、10年も経って懲りずに同じ様なコンセプトで撮るとはプロデューサーも大した度胸です。オマー・シャリフのテムジンはそりゃジョン・ウェインよりは格段にマシですが、やはりこの時代ならユル・ブリンナーにやらした方が様になってたような気がします。私の想像ですけどこの企画は最初はユル・ブリンナーにオファーがあったと思いますよ、でも彼はクレバーなので断ったというのが真相なんじゃないでしょうか。 ジャムカに父を殺されてとらわれの身となった族長の息子テムジンは、ある日脱走して自分の部族を再興する。勢力を増してきたテムジンは中華王朝の大使を助けた縁で都に行き、皇帝に信頼されてその将軍となって戦う… ちょっと待った、ええそうなんです、実はこの映画は韓流歴史映画の様な史実無視のファンタジーなんですよ。皇帝を殺して部族を統合して世界帝国を築きました、と最後の辻褄だけは合わせてますが、その最期もジャムカと決闘して負った傷がもとで死ぬという独自性に満ち溢れたストーリーです。ユーゴで撮影されたそうですが、自然や地勢がどう見たってモンゴルや中国には見えません。ちょっとチャチなところも有りますが都(北京のつもりか?)のセットや宮廷衣装はそれなりに造りこまれてはいます。合戦シークエンスも名手ジェフリー・アンスワースが撮影監督だけあって見せるべきところはキチンと見せてくれます。脇を固めるのも演技力ある名優を揃えており、中でもジェームズ・メイスンが印象的でした。西洋人が感じている東洋人感のカリカチュアなのか知りませんが、メイスンは薄ら笑いを浮かべた表情で全カットを押し通したんですからね。そしてフランソワーズ・ドルレアック、まさか彼女が金髪のモンゴル人だなんてなんか凄いものを見せられて得した気分です。 でもねえ、チンギス・ハーンが中華皇帝に仕えて「皇帝陛下!」なんて言ってるのを見せられると、もう見続けてゆく気力が無くなってしまいそうでした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-04-22 22:22:15)
95.  思春の泉 《ネタバレ》 
石坂洋二郎の小説『草を刈る娘』の映画化で、日活でも吉永小百合と浜田光夫が主演の同名映画がありますが、これは本作『思春の泉』のリメイクなんです。ややこしいことに新東宝版も再公開されたときに『草を刈る娘』に改題されていて、現在観れるバージョンはこのタイトルになっています。 さてこの作品ですがいかにも石坂洋二郎の原作という感じの農村喜劇なんですが、実は掘り出し物でかなり面白いんです。舞台は東北のどこかの山村で、年に一度秋になると近所の集落から集まって馬草用の草刈りが行われます。この草刈りが木の枝や草でテントを作って泊まり込みのキャンプみたいな感じなんです。どっちの集落も長老みたいな婆さんがリーダーで、毎年お互いのグループの男女をカップルにして縁結びするのが愉しみというわけです。この草刈り合宿が実に大らかで好いんです。今年の縁結び候補は宇津井健と左幸子、宇津井はこれが映画デビューでさすが早大馬術部にいただけあって、裸馬をらくらく乗りこなしての初登場シーンはさっそうとしてました。左も本格的な主演はこれが初めてだったそうですが、やはりこの人は天才女優ですね、瑞々しいながらも農村の娘を生き生きと演じきっています。また性に大らかな農村の風俗がまた良いんですよね。左幸子の演じる娘も男性経験はないにしてもヤル気は満々で、「おら一生懸命子ども創るだよ、そして枯れた婆さんになりたいだよ」なんてセリフもあり、よく聞いたらとても生臭いことをこれだけカラッと言える女優は滅多にいないいんじゃないでしょうか。 監督は中川信夫で、朝日新聞で本作が好評だったのを観た森岩雄から東宝復帰のお誘いがかかったそうです。新東宝と言えばレベルの低いエロ・グロというイメージですけど、大蔵貢が来る前はこういう良質な文芸的なエロも撮ってたんですね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-03-25 22:22:11)
96.  しびれくらげ 《ネタバレ》 
軟体動物シリーズのラストを飾る本作、メガホンをとったのはまたしても増村保造です。いやー来てますねー、増村作品らしくもうドロドロなお話です。『でんきくらげ』に続いて川津佑介が出ていますが、前作と違って渥美マリを出世の道具に利用するニヒルなサラリーマンです。ハードボイルドな男みたいな感じですが、単に大根の渥美マリにレベルを合わせて省エネ演技に徹しただけなのかもしれません。彼よりはるかに強烈だったのが渥美マリの父親役の玉川良一です。どうしようもないぐらいだらしなくて狡猾なキャラですが、いかにも昭和40年代のダメ親父という感じは良く出ていました。ぼろアパートなのにでかいベッドが鎮座してる渥美の部屋がいかにもアンバランスな彼女のキャラを象徴しているみたいでした。 ヤクザの食い物にされかけながらも逞しく反撃する女というヒロインは、増村映画としては珍しいパターンかもしれません。ストーリー自体は語るほどのものでも有りませんでしたが、ちょっと哀愁が漂うテーマ曲が妙に耳に残りました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2015-02-07 19:20:16)
97.  ジェイコブス・ラダー(1990) 《ネタバレ》 
この映画、オチはもろシャマラン監督のあれなんですけど、普通に観ていてこの主人公はベトナムで死んでいるんだなとかなり前半から判るように撮っています。その影響もあるんでしょうけど、ストーリーの展開がジェイコブの夢か麻薬摂取のバッドトリップなのかとも解釈できるところがこの映画の弱いところかと思います。でもその分かなり強烈なのはジェイコブの眼にする悪夢のような映像で、冒頭の亡者みたいな乗客が乗っている地下鉄が疾走するシーンはけっこうゾクっとしましたね。突然シェイクし始める亡霊なんか、後年に製作されたホラーで良く観たものですが、ルーツはこの映画だったんですね。ちょっととんでもない方向に暴走しそうだったところを上手くまとめました、と言う感じラストでしたね。たしかにエンターティメントとしてはこのラストしかあり得なかったでしょうけど、中盤のテイストでとことん突っ走っていたら映画史に残る様な傑作(というか怪作?)になっていた様で惜しい気がします。
[DVD(字幕)] 6点(2014-12-20 23:17:03)
98.  ジャッキー・コーガン 《ネタバレ》 
この映画は予備知識やネタばれ情報を知った上で観ないといけませんね、自分はどちらもなかったので「フィルム・ノワールと謳う割にはプロットや登場人物がなんか妙な映画だな」としか思えなかったです(笑)。つまり本作は『マージン・コール』と同じテーマの映画だったわけですね。街の片隅の酒場で開かれている賭場を証券市場のメタファーにするなんてベタですけどなかなか秀逸なアイデアかもしれません。でも最近はやりのタランティーノ風グダグダ会話劇を真似て、これほど失敗している映画もちょっと珍しいんじゃないですか。とくにジャッキー・コーガンとミッキーの二度ある会話シークエンスは、ほんとあまりのひどさにイライラさせられました。 各登場キャラが金融市場のプレイヤーのメタファーになっているのは理解できますが、何を暗示しているのか良く判らないキャラもいますね。とくにブラッド・ピットは何なんでしょうか。個人的な考えでは彼は良心としてのネットメディアで、彼が法に許されない正義の鉄槌を下したんじゃないでしょうか。かつてはキレ者で通ってたNYから来たミッキーは既存のTVなどのメディアのカリカチュアで、社会の不正を糺すには結局なんの役にも立たないということが言いたいのかもしれません、たぶん。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-10-01 21:41:03)
99.  秦・始皇帝 《ネタバレ》 
「大蔵貢の新東宝が明治天皇なら大映は始皇帝じゃ!」という永田雅一の雄叫びが聞こえてくるような70ミリ超大作、そりゃ始皇帝の方がはるかに各が上ですからね。大映の70ミリ大作は『釈迦』に続いての二作目で、『スパルタカス』の機材の払い下げ品である220キロも目方のあるヴィスタ・カメラも良く動かせるようになっていて、『ベン・ハー』ばりの戦車が登場する戦闘シーンまで登場します。タイトルに“中華民国陸軍協力”と出ていますので台湾ロケもしたみたいで、そういや山並みなんかの風景がちょっと日本離れしていて良かったです。 始皇帝の生涯を単発映画で見せるというのはかなり無茶ですが、後半とくに万里の長城建設に焦点を合わせた脚本は良くまとまってるんじゃないでしょうか。新東宝と違って綺麗どころの質が高い大映ですから、若尾文子・山本富士子・中村玉緒と惜しげもなく投入しています。でもそれぞれが別々に登場するのがちょっと残念で、どうせフィクションを盛り込んでいるんだからこの三女優の絡みで展開させて欲しかったところです。まあそこはオールスター映画のつらいところで、雷蔵の刑軻なんてあっという間に退場ですから実にもったいない。その中でもっとも感じが出てたのは始皇帝の勝新は別にしたらやはり鴈治郎の徐福ですね。絶妙のキャスティングで、どう考えてもこいつは稀代のペテン師だなと納得させちゃうのが凄い。 始皇帝の死なんかはまるっきりフィクションですけど、これはこれで良かったんじゃないでしょうか。彼の業績というか暴政をこうやって見せられると、スターリンの独裁とそっくりだなと改めて感じました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-09-22 00:35:45)
100.  J・エドガー 《ネタバレ》 
アメリカ現代史の闇を暴く社会派ドラマだと思いきや、実は男同士のラブ・ストーリーでした。ディカプリオ、アーミー・ハマー、ナオミ・ワッツ、主なキャスト三人の老けメイク合戦ですけど、やはりディカプリオのフーバー激似ぶりは圧巻、あとの二人はまあこんなもんかなという感じでした。頭のおかしい人を演じさせたらやはりディカプリオは最高です。ハンカチで神経質そうに手をふくところなんかは、彼がかつて演じたハワード・ヒューズを思い出してしまいました。出番は少なめでしたけど、フーバーに40年以上も仕えたナオミ・ワッツも抑えたいい演技を見せてくれ、フーバーの陰の共犯者みたいな人生を送って最後に秘密ファイルをシュレッダーで闇に葬る、けっこう謎の女って感じがしました。しかしフーバーという人はやってたことの悪どさではベリヤやヒムラーと比べてもいい勝負で、この三人が20世紀が生んだ三大秘密警察長官なのかもしれません。 あまり見せ場もなく淡々とした作品ですが、ラストのフーバーの死のシーンでは泣かせてくれます。このフーバーとクライド・トルソンの関係を見てると、イーストウッドとモーガン・フリーマンを見てる様な錯覚しちゃいました(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-22 21:04:18)
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