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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2253
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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121.  自殺サークル 《ネタバレ》 
【ショッキングな画+そぐわない明るい音楽+意味深な台詞=混乱と戸惑い≒深い恐怖】という図式が成り立ちます。冒頭の集団自殺は凄まじいし、後味のモヤモヤ感は深い余韻に繋がっています。おそらく監督が撮りたかったのは、集団自殺や、自分の手を切り刻む奥さん等、キャッチーでインパクトある恐ろしい画。目指したのは“得体の知れない恐怖”と推測します。ですから“自殺”そのものに対しての主張はありません。この作品を通じて社会に問題提起する気など、そもそも監督には無い。デザートの最後のメッセージ「勝手に生きろ」は、そのままの意味。本作をキッカケに自殺なんかしてもらったら迷惑ですよ、ということ。「あなたとあなたの関係は?」等、一連の不可解な問いかけも、意味が判らなくて正解。この事は、唯一自殺クラブの核心にまでたどり着いた女子高生(蝶の刺青をしている娘)の印象的な表情に表れています。自殺を止めようとした永瀬に対して、最後に向けた表情“はぁ?”は、“見当違いですよ”ということ。それは一連の事象を合理的に理解しようとしている観客に向けたものでもある。そう言えば、子供たちも言っています。「自殺クラブは存在しない」と。石橋も「彼らは敵ではない」と言っている。(←死に行く人間の言葉に嘘が無いのはお約束です。)裏読みする必要はありません。言葉そのままに受け取ればいい。意味を求めようとするから判らなくなる。それが自分の解釈です。個人的には不条理作品が難解作品を装うのは好きじゃない。それらしい台詞を並べることに技術はいらないから。それに監督の思惑を超えて評価されるとしたら、ちょっとズルイ気もするし。もっとも、作品から何らかのメッセージを受け取るのは各人の自由です。出された料理の食し方は、食べる人に任されている。豚肉でも牛肉だと思って食べれば、ビーフの味がするもの。むしろちょっと得しているかもしれない。自分の映画の楽しみ方もそういう感じです。
[DVD(邦画)] 5点(2007-08-19 17:39:33)(良:1票)
122.  16ブロック 《ネタバレ》 
イーストウッド監督主演の某作品を髣髴とさせるプロット。ポイントになるアイテムまでソックリです。ただスケールが違う。某作が州をまたぐロードムービーであるのに対して、本作の移動距離は“たった”16ブロック。その“たった”が本作のセールスポイント。僅かな距離なのに途方も無く遠い。簡単な仕事のはずなのに困難極まりない。そこが魅力。でも、どの程度の距離なのか肌で分からないのがツライところ。雑踏はどれも同じ景色に見えてしまいます。せっかくの時間制限も活かされているとは言い難い。今置かれている状況を掴めなければ、絶望することも希望を持つことも出来ません。ただオチは好みでした。“人は変われる”というメッセージがいい。ただし、刑に服する過程を踏んでいる主人公に対し、エディの方は濡れ手で粟の大金でやり直しただけ。本来ならば感動が割引される要素です。しかし彼のキャラクターの良さがそれを補っています。それにゼロからのスタートで成功が手に入れられるほど、今の社会が万人に公平だとも思えません。多少のアドバンテージは許容範囲。主人公の名前を冠した店の名前にグっときます。
[DVD(字幕)] 6点(2007-07-31 19:51:34)(良:2票)
123.  修羅雪姫(2001)
釈由美子は不思議。まず目を惹かれるのが、そのキュートなルックス。でもよく見てみると、そう美形でもないことに気付きます。エビちゃんとか、伊東美咲には及ばない。顔、平べったいし。でもこの愛くるしさ何なのでしょう。本作ではほとんどムスッと顔だけ。だのに、胸がキュンとする。元ワンギャル。元祖天然キャラ。“釈お酌”って何だそりゃ。EPS●NのCMで「ぶ~ッ。正解♡」。気がつくと顔がほころんでいる自分がいます。彼女の初主演映画が本作でした。役どころは暗殺集団の女剣士。『あずみ』とほぼ同じです。やっぱり美少女には刃物がよく似合う。アクションはまずまず。吹替えがあからさまだったりもしますが、気になる程ではありません。世界観が薄っぺらいとか、台詞が聞き取れないとかも、この際問題なし!彼女の女優としての可能性が垣間見られただけでOK。(事実、今はイイ感じにキャリアを積んでいる気がします。)何よりもフェチ心をくすぐる釈のノースリーブ姿が拝めたことで、自分的には満足です。ちなみに、自分は彼女のファンではないですよ。ただ彼女を観ていると、顔がニヤけてしまう病気なのです。
[DVD(邦画)] 6点(2007-07-30 19:03:05)
124.  深紅 《ネタバレ》 
“幼子を含む一家惨殺”という事件は、現実に存在します。非常に重い。そしてデリケートな題材です。映画においても、それ相当の気配りと覚悟が必要だと考えます。それは製作サイドにも、観客側にも言えること。まず自分にその覚悟が足りなかったことが最初の躓き。内山理名+水川あさみ。彼女たちが主演と聞いて、軽く考えてしまったのがいけなかった。これは自分のミスです。ただ彼女たちが、この役に相応しかったとも思いません。彼女らでは力量不足だと感じます。ただし、もう一人のキーパーソン、緒形直人については文句なし。その狂気に心が震えました。彼の存在が本作の土台を支えています。物語は、加害者と被害者それぞれの娘を軸に進行します。復讐をする者、される者。どちらも心を痛めている。復讐によって傷は癒されない。結局、前を向いて生きて行くしかない。その方向性は自分も支持するところです。どちらも赦しを求めていた。だからあの結末なのでしょう。しかし、安易な結末である感は否めない。みんな救われたい。赦されたい。そんな事は百も承知です。でも出来ないから苦しんでいる。その葛藤を、心の奥を、本作が描けているとは思えません。象徴的なのが2人のキスシーン。360度ぐるぐるのカメラワーク。このセンスを疑います。何故こんなに安っぽくするのか分からない。その直前には、一家惨殺の真相が明かされ、観客はやるせない気持ちで一杯になっているはず。より一層このシーンの軽薄さが際立ちます。最後に希望を持たせれば、観客が満足すると思ったら大間違いです。そんなに簡単に答を出せる問題ではありません。覚悟の無い映画に、本当の希望が描けるとは自分には思えない。
[DVD(邦画)] 5点(2007-07-28 21:53:06)
125.  女子高生チェーンソー
気になるタイトルのDVDを見つけました。でもレンタル中。その1週間後もその次も。隠れた人気作のようです。自分と同じ“チェーンソー好き”が多いのでしょうか。ところが今日はありました。ラッキー!しかも料金は100円です。これも何かの縁。既に手にしていた『キューティーハニー』と共にレジへ。のっけから想像どおり、金髪ボイン&ミニスカの女子高生登場。でもティーンには見えません。成熟しきっています。きっとビーフを食べているから発育がいいのでしょう。さすがアメリカ。もっともそんな事に興味はありません。お目当てはチェーンソーですから。物語も中盤に差し掛かり、やっと待望のチェーンソーがお目見え。ヤッホー!でも目立った活用がなくてガッカリしました。ちなみにギャルが誰一人としてバストトップを見せませんでしたが、何とも思いませんでした。店へ返却に行くと、レジには若い娘さんが。「このDVDがホラーコーナーに置いてあるのは間違いですよ。コメディが正しいです。でもホラーコーナーはアダルトのすぐ横なので、AVを借りられないチキンが仕方なく借りるかもしれないので、このまま置いておくのも商売的にはアリだと思います。」と心の中でアドバイス。黙って返却しました。するとお姉さんは「ありがとうございました~」。何だかその言葉が心に沁みました。
[DVD(吹替)] 3点(2007-07-27 18:19:07)(笑:4票)
126.  ジョニー・イングリッシュ 《ネタバレ》 
イギリス名物といえば、『ビッグ・ベン』『クリケット』『レインコート』『マズいめし』。あと『ロビンマスク』に『英国ちょうちん』『英吉利に行ってきました饅頭』。学のない自分には、こんなところしか思い浮かびません。そうそう大事なのを忘れていました。『007』。スパイを忘れちゃいけません。本作はその本場のスパイコメディ。Mr.ビーンでお馴染のローワン・アトキンソンが、お間抜けエージェントを演じています。やはり女王陛下のいる国。下品だけれど、どことなく品がある。ケツ丸出しでもイヤらしくない。まるで沢尻エリカみたい。ただし、品がありすぎて物足りないです。ご指摘の方もおられるように「キミノムスメサンタチニ、チイサイチンチンガツイテイマスヨウニ」は紛れも無い名台詞。誰なのでしょう、こんな日本語を教えたのは?その人には10点差し上げたい。
[DVD(字幕)] 5点(2007-07-11 18:52:03)
127.  ジョゼと虎と魚たち(2003) 《ネタバレ》 
小洒落たタイトル、妻夫木くんが主演、池脇千鶴のヌードの話題先行など、個人的に食指が動かない作品でした。(すいません。嘘です。最後のセンテンスには興味津々です。)でも観てみるとコレが自分のツボ。もう大好き。ほんとに好き。妻夫木を初めて上手いと思いましたし、池脇も魅力的でした。ばあちゃん、板尾、「いてまうど」の兄ちゃん、荒川良々等の濃いキャラも旨味を発揮していました。重いテーマですが、物語と向き合わせる手法に長けていたと思います。死別や結婚という安易な結末に逃げなかったのも好印象。とくにジョゼの気持ちが心に沁みます。動物園で虎の見学。恐怖に対峙したときに、自分を守ってくれる人がいること。これほど心安らかなことはありません。でもこの幸せが長く続かないことも彼女は承知しています。いずれ彼は去っていく。だから車椅子を買おうとしなかった。少しでも長く彼の背中に触れていたいから。乳母車を新調しなかったのも、押してくれる人がいなくなるのを知っていたから。彼女が妻夫木に言う「私をおぶえ」という台詞。それは遠まわしなプロポーズでもあったと思います。頭では彼との別れを予期していたとしても、幸せな結婚生活を夢見ないはずがありません。しかし彼女の願いは叶わなかった。その直後のシーンもたまらない。トイレに入ったジョゼを覗く妻夫木。彼女は「あっち向いてて」と言います。「出て行って」ではなく。その想いに胸がつまります。水族館で見られなかったお魚たちをラブホテルの映写装置で見る彼女。自由に泳ぐ魚たちの中で、至福の時を過ごすジョゼ。貝殻ベットの中の彼女は、まるで人魚姫。幸せを知ってしまった彼女は、もう海の底へは戻れないと言います。彼と過ごした日々を受け止めようとする彼女。切ないほどに強い。いや、強くあろうとする姿に心打たれます。それに比べると男のほうは情けない。でも彼を責める気にはなれません。彼が怖気づいたのも分かる。彼は彼が思う幸せを求めて生きていくでしょう。でも心の傷はずっと残るはずです。それも仕方がない。悲しいこと、苦しいこと、切ないこと。人生には嫌なことの方が多いかもしれない。でもそれを知らずして、幸せを知ることもありません。ラストは料理をするジョゼの姿。食べることは生きること。海の底とは違う世界を、喜びも悲しみもある世界を、彼女はこれから生きていく。ジョゼは死を選ばなかった人魚姫です。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-06-18 18:02:04)(良:9票)
128.  シェルブールの雨傘
通常の芝居と歌のパートが別れているミュージカルの場合、感情の起伏に同調するように歌と踊りが挿入されます。ミュージカル最大の長所は、歌の力で喜怒哀楽を際立たせること。歌うことで世界が一変します。歌と踊りが“動”ならば、それ以外の芝居部分は“静”。このメリハリがミュージカルのリズムです。動を引き立てるには、静が大切です。本作は通常が“動”の状態。観ているうちに慣れてきます。動から盛り上げるには更なる動が必要。それがBGMの音量を上げること。情緒溢れる印象的な旋律が胸を揺さぶります。しかしこれはやり方として上手くないのでは。音の大きさで誤魔化している印象を与えかねません。結果的に大味な表現になっていると感じました。本作は大人の恋愛物語。揺れる想い、秘めたる胸の内。繊細な感情を表現するのに、本作の技法が適切であったかは疑問です。ひたすら甘く他愛の無い恋物語のほうが相応しかったかと。色彩感覚は素晴らしく、まさしく“鑑賞”に値する映画。オープニングを観ただけでも、並の作品でないのは鈍感な自分でも分かります。ただ、自分好み作品ではありませんでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-25 18:28:24)
129.  首都消失 《ネタバレ》 
雲の内側の描写を一切排除することで不安を煽る。たった一羽の鳩の生還に、(雲の中の人たちの生存の)希望を見出すしかない。雲の中のパニック状況という分かり易い“見せ場”の描写の放棄には勇気が必要だったと思います。しかしそれは蛮勇だった気がします。物語の主軸は外部からのレスキュー。この部分でドラマを見せないといけません。ところが、著しくリアリティを欠きました。危険な雲という設定なのに、防護マスクを付けている人が一人もいないのは解せません。まさか役者の顔を映したいから?雲を排除するための作戦もその効果の説明も不十分です。緊張感を高めるのに最も有効な“時間の制約”を使わないのももったいない。申し訳ないけど、しょぼい。非常時における人間性の描写もこの手の作品の大きな魅力のはずです。しかしこちらも芳しくありません。人間の冷酷さを描くのはいいです。自分と関係ない不幸には、人はとことん鈍感になれるもの。無責任な野次馬の数々、災害を千載一遇の商機と捉える者。ただし主人公には、そうであって欲しくありません。渡瀬には、妻と息子がいます。家族を守るために命を賭けられるのが父親。仮にそれが離婚間際の妻とコミュニケーション不足の息子であっても。技術者としての誇りと2000万人の命を救いたい気持ちは分かります。でも一人の父親としての顔を見たかったです。もう一人の主役、名取裕子のほうも似た様なもの。挿入される恋愛要素がとても軽薄に思えました。名取裕子の手に触れて渡瀬恒彦が言う「ボクは今ひどく凶暴で危険な男になっています」でズッコケました。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2007-05-23 18:11:11)
130.  シャーク・テイル
本作は海中が舞台の物語。画面には常に青色があります。もちろん明るい青、深い青などバリエーションはありますが、青系の色が画面から消えることはありません。そのため、画にメリハリが出ません。どんなに派手な街並みを海底に再現しても、青色から受ける単調さを払拭するには至らない。それほどまでに“青”という色の持つ力は大きいと感じます。本作の場合、肝心の主人公がいけません。多分現実に存在する魚だと思うのですが、カラーリングが問題です。青を基調とした体色のため、背景に溶け込んで見栄えしません。また、黄色や白といった色も混じっているため、美しさはあるもののインパクトに欠けます。性格は際立っているのに、見た目で損をしているのはもったいない。そういう意味では、未見ですが『ファインディング・ニモ』のニモの色使いは正しいと思います。背景に溶け込まず、単純で覚えやすい色使い。子供向け作品であれば、尚更それが必要です。ストーリーについては特に言いたいことはありません。可もなく不可もなしといったところ。話は変わりますが、日本版ではアンジーの代わりに小池栄子が吹替えをしているんですね。“日本のアンジェリーナ・ジョリー”と言われる方は気分がいいでしょうが、その逆はどうなんだろうと思ってみたり。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-18 18:51:14)
131.  ジェーン・エア(1944) 《ネタバレ》 
少女期の物語から、主人公の“ひととなり”を伺い知ることが出来ます。彼女は人一倍“愛されたい”という強い想いを抱えています。育った環境を考えれば至極当然のこと。この“強すぎる想い”が、彼女の人生の指針となります。そして重要なのが、虐げられても立ち向かうだけの強さを、彼女が持っていること。主張できる強さ。“ヒロインは強い”という原則は、洋の東西を問いません。ただ、ハッキリと外観で分かる強さが西欧では求められるのかなと思いました。人格を否定され、親友を失いつつもなお、真っ直ぐに育ったのはほとんど奇跡。さらに、教育を十分に受けられたのも。いずれにしても、彼女に“強さ”があったればこそ。成人した彼女は、家庭教師となって、あるお屋敷に住み込みます。ここからがメイン。当主と使用人という関係を超えて、二人は惹かれあうようになる。しかし、2人の行く末を妨げる、ある重大な秘密を当主は隠し持っていた!サスペンスタッチで物語が進行するため、ちょっとドキドキ。結果的には、今どきの昼メロのようなストーリーでした。当時の時代背景を考慮すれば、十分シンデレラストーリーなのでしょう。ただ現在の価値基準を当てはめると微妙です。世界が狭いところで終始してしまっている。ジェーンにはもっと外の世界を知って欲しいと思ってしまいます。
[DVD(字幕)] 6点(2007-05-15 18:04:52)
132.  少林寺木人拳
小学生くらいの時、よくテレビで観ました。勿論吹替え版を。大好きでした。懐かしくなって20年(以上!)ぶりにDVD鑑賞をすることに。吹替え版が入っていたのに石丸博也さんじゃありませんでした。激しく残念。各場面、ああなって、こうなってと克明に記憶していたのには、我ながら驚き。ただ、演出音楽がほとんど無いのにまたビックリ。記憶の中ではドラマチックな音楽が流れていたのに…。おそらく他作品と混同しているのでしょう。ジャッキーのカンフーアクションは練られた型の魅力。木人のギミックは漫画的。でもそれがたまりません。凝ったストーリーは要りません。ジャッキーのカンフーアクションが楽しめればもう満足なんです。
[DVD(吹替)] 8点(2007-03-29 18:54:08)
133.  昭和歌謡大全集 《ネタバレ》 
オバタリアンVS新人類(両方とも古い言い方ですね)。両者の違いは、単に年齢性別の問題ではありません。価値観が違えば、全く別の生き物。おばさん軍団にもチーム若者にも、“人殺し”の罪悪感がありません。人の姿をしていても別の生き物に見えるのに、“吹き飛ばされた腕だけ”を見ると人間だと思える。なんとも皮肉なものです。エスカレートする殺し合いはゲームのようだし、人物描写はステレオタイプ。世界観はファンタジーです。でも妙に神経を逆撫でするのは、核心部分にリアリティを感じるからだと思いました。かなりブラックなコメディ。ただ濃すぎて自分は笑えませんでしたが。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-03-11 11:00:37)
134.  ジャイアント・ピーチ 《ネタバレ》 
空飛ぶ巨大なピーチ、擬人化した虫たち、人形に変わった主人公。全て“魔法”で説明がつきます。機械の大魚も、ナイトメアのジャック登場にも違和感はありません。それは主人公の視点で物語が進んでいるから。実写→アニメへの移行は、世界が客観(現実)から主観(非現実)に移ったことも意味していると思います。主観の世界でなら、何が起こっても不思議ではありません。ニューヨークに到着して、主人公の魔法は解けます。実写に戻るのは、現実に戻るということ。アニメ世界の住人たちも、主人公同様に魔法が解けて、在るべき姿に戻るはず。蜘蛛女はクモに、天道虫おばさんはテントウムシに。それが暗黙のルールだと思っていました。しかしこの予想は外れます。擬人化した虫たちはそのまんま。意地悪おばさんに至っては、車で海底を走ってきたという。ということは、作品の世界全てが現実・非現実の区別のないファンタジーだったのか?いや、そうではありません。巨大な桃は見物料が取れるほど特別なものだった。虫たちもニュースになる存在。本作にも“非現実”の概念はあります。つまり、“非現実から現実に戻ること”よりも“非現実を現実に変えよう”。それが本作の主張です。アニメの世界を現実に変えよう。車は海底を走れないなんて誰が決めたの。“見方を変える”とは、こういうことだと思いました。もちろん不幸な境遇にだって当てはまります。前向きなメッセージだと思いました。なお、スタッフロール終了後、もうひとつ“見方を変える”サンプルがあります。少々悪趣味な遊び心が、ティム・バートンっぽいです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-07 17:52:45)
135.  シンデレラ(1950)
まずキャラクターの設定が秀逸です。ヒロインの凛としたたたずまい、継母+姉妹の悪役ぶり、動物キャラも楽しい。演出もエンターテイメント性に溢れ、かつ丁寧な仕事ぶりが伺えます。そして映像が抜群に素晴らしい。鮮やかな色彩と緻密な作画。華やかさだけではない、“絵”の魅力がありました。うっとりして、ちょっと泣きそうになるくらい。名作と呼ばれるものの中には、“当時にしては”と注釈が付く場合があります。映像技術は日進月歩。この部分では、近年の作品にアドバンテージがあるのは明らかです。しかし本作はそのような気遣いを必要としません。完成度は驚くほど高い。誰もが知る有名な童話、馴染みのあるディズニーキャラクター。そのため自分のように、“何となく観たような”気になっている方もおられるかもしれません。でもご注意ください。本作を観ないのは本当にもったいないです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-06 18:06:35)
136.  忍 SHINOBI
「忍者が主役の時代劇」と思って観たらダメです。舞台は架空の世界。そう思い込めば、設定の不具合は気になりません。微妙に中国風な衣装も、各種サイキックも。割り切って観れば結構面白い。アクション性の高い対決は見応えがありましたし、その他特殊能力系も楽しめました。ただ肝心の物語はかなり薄口です。朧と弦之介の悲愛を主軸に据えるなら、序盤2人の繋がりをもっと丁寧に描く必要がありました。台詞は繰り返しが多く、語り過ぎ。安っぽく感じてしまいます。ドラマとしては物足りませんでした。あと気になったのが仲間由紀恵。相変わらず“らしい”演技。これが今求められている演技なのは分かります。ただ、このまま固まってしまいそうな危うさも感じました。今の人気は必ず落ちます。歳もとります。その時に必要とされるため、今のうちに身に付けなければならないものがある気がしました。これからの作品選びが重要かと。偉そうで本当に恐縮ですが、そんなことを感じました。
[地上波(邦画)] 5点(2007-01-23 18:36:56)
137.  死刑台のエレベーター(1958) 《ネタバレ》 
ひとつのミスから、殺人計画の筋書きが狂っていく。主人公の知らぬ間に事態は悪化。予想もしない方向へ進んでいく物語を興味深く観られました。ただ“完璧な計画”でも“僅かなミス”でもなかったのが残念。特に主人公がエレベーターに閉じ込められる“タイミング”が問題だったと思います。鉤爪付きロープ回収後ならまだしも、閉じ込められた挙句に肝心の証拠隠滅もままならないでは、どうしようもない。この時点で計画は破綻してしまっています。呑気に朝めしなんか食べている場合じゃありません。また、バカップルの所在が簡単に割れてしまうのももったいない。2人は展開を複雑にするキーパーソン。立ち回り方にもうひと工夫あっても良かったと思います。もっとスリリングに仕上がる要素を孕んでいただけに、惜しい気がしました。なお特筆すべきは、カララ夫人の心象描写の丁寧さ。音楽と相まって印象的なシーンを創り出していました。ここが通常のサスペンスで終わらない本作の良いところだと思います。結末は意外なほどあっさり。物足りなく感じました。自分には上品過ぎたかも。濃口に慣れると薄口に戻れないのは、料理の味付けも趣味の嗜好も一緒のようです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-18 18:34:13)(良:2票)
138.  深呼吸の必要 《ネタバレ》 
『ALWAYS・三丁目の夕日』と同じ匂いを感じました。疲れた現代人に対する清涼剤。『ALWAYS』はノスタルジーという名の、本作は実生活から離れた“楽園”という形での癒しです。癒しそのものを否定する気はありません。必要なことだと思います。でも、ただ浸るのは違う気がします。キーとなるのは田所の存在。彼の生き方を西村が非難する場面があります。結局お前も人生から逃げているだけではないかという指摘。彼は黙ります。つまり多少なりとも心当たりがあるということ。でも結局これに対する回答はなく、彼は同じ生き方を続けます。でも自分は答えを聞きたかった。どんな答えでも納得します。そもそも生き方に正解なんてありません。しかし答えないのでは、問いかけを肯定したことになってしまう。つまり人生から逃げ込む場所が楽園であると。そこで安住することを“よし”とすることを。しかしそれは違うと思います。楽園はあくまで一時の休憩所のはず。自分の在るべき場所に戻らなくてはならない。それが楽園に行く条件だと思います。(おじいとおばあにとっては、島が在るべき場所。楽園ではありません。)深呼吸は確かに必要です。でも深呼吸ばかりもしていられない。そのことを忘れてはいけないと思いました。それより心に残ったのは、おじいの言葉でした。「ダメになったらまたやり直せばいい」よく聞くフレーズです。でもおじいの言葉には説得力がある。丹精込めて育てた農作物がひとつの台風でダメになることを常とする生活。でも投げ出さず、また作り直す。経験を積んだ人間、痛みを知っている人間の言葉は心に響きます。「なんくるないさー」もそう。なんでもないような言葉でも、本当は凄いことなんだと思います。おじいの言葉にちょっと泣けてしまいました。
[DVD(邦画)] 6点(2006-12-14 18:30:43)
139.  親切なクムジャさん 《ネタバレ》 
自分は復讐そのものを否定する気はありません。人間が持つ、至極当然の感情だと思います。しかし“復讐しても死んだ人間は生き返らない”“虚しいだけだ”という声もあります。この意見も正しいと思う。いずれにしても“人間だから”どうすべきか悩むのです。本作の重要ポイントは、主人公が遺族を復讐に巻き込んだこと。いや正確にいうなら、遺族を巻き込む際に、主人公が“悩まなかった”ことです。普通は悩むはず。遺族にとって良いことなのか?知らずにいた方が幸せではないか?そういうことを考えるのが人間です。しかし彼女がそのことで、悩んだようには見えません。これはどういうことか。彼女は、自分の指を切って詫びるほど、他人の痛みを感じることが出来る人間です。遺族を巻き込むことに、ためらいが無いはずがない。彼女が“悩まない”のは、“人間であることを止めたから”だと思いました。遺族にしてもそう。いつもと変わらぬ(ように見える)振る舞い、事務的に制裁を加える姿が、とても恐ろしいと感じました。一線を越えたのだと思います。人間であることを放棄しなければ復讐は出来ない。一方、復讐をするのは人間であるがゆえ。哀しい矛盾がそこにあります。復讐の先にあったのは、“やすらぎ”か“苦しみ”か。いずれにしても、残された者はこれからも生きて行かなくてはなりません。本作のスタンスはニュートラルです。復讐を肯定しているとも、否定しているともとれます。この姿勢は良いと感じました。惜しむらくは、展開がやや平坦であったこと。物語的な面白さに欠けたことです。こと作品の求心力という点においては、前作『オールドボーイ』に及ばないと感じました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-12-11 18:24:02)(良:1票)
140.  シムソンズ
少なからず本作をなめていました。「カーリング娘」こと「チーム青森」人気にあやかったブーム便乗作品であると。美少女を主役に配し、彼女ら目当ての男性客を見込んだ作品であると。事実、そういう側面を持った作品だとは思います。しかしだからといって、作品の質が低いと決め付けるのは大きな間違いだと知りました。何といっても4人娘が素晴らしい!正直彼女たちが役者として上手いのかどうかは分かりません。でもハツラツとしています。表情も豊か。嫌味がありません。大泉洋をはじめ、脇を固める役者陣もみな味がある。ストーリーに意外性はありませんが、丁寧にドラマをつくっている印象。4人がちゃんと悩んで、自ら答えを出していきます。カーリングの描写も然り。地道な努力をしっかり見せること。スポーツ作品で一番大切なことが守られていました(最近、これが欠けている作品がホントに多い)。カーリングに対する愛情、地元北海道に対する敬意も感じます。作品に気負いがなく自然体。だから爽やか。元気が出ます。大いに笑えて素直に泣ける、上質なスポーツ青春ムービーでした。これから何度も観ることになるでしょう。本作に携わった全ての人に感謝したい、握手してまわりたい、そんな作品でした。
[DVD(邦画)] 10点(2006-12-04 17:52:22)(良:4票)
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