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1.  ジオストーム 《ネタバレ》 
マーケティングの都合がまる解りのロケ地選びに、親子愛・兄弟愛の類の官僚的配置。 ちょっとトレンディな宇宙空間無重力描写に、エメリッヒ風の天変地異スペクタクル。 シネコン映画の必需要素を適所適所に嵌め合わせて1丁上がり的な王道ぶり。 都市を襲う津波の図などは既視感が先に来るくらいの陳腐さだが、香港のビル群ドミノ倒しなどに新味を感じる。  黒幕確保シーンでの、赤と青の明滅などは如何にも政治絡みのカラーリングだが、鮮やかな光のドラマを為している。  シークレット・サービス役のヒロインの凛々しさ、アンディ・ガルシアの貫禄も光る。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2018-01-19 22:49:56)
2.  ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 《ネタバレ》 
ロボットみたいなのが出てきたり、軍隊のミニチュアみたいなのが出てきたり、何やらテレビのヒーロー物のような印象。 面白がり方がそもそも分からず仕舞いだが、別に映画スタッフのせいではない。  アクションを担うのがロボットもどきのCGなわけで、俳優の身体性に欠けるのも楽しめない要因の一つ。  独特なロケーションは見どころだし、入射光を効果的に使った古屋敷の美術なども力が入っていていい。
[映画館(邦画)] 4点(2017-09-23 05:15:39)
3.  忍びの国 《ネタバレ》 
本来なら100分前後のプログラムピクチャーが妥当な内容。 合戦を程よくスぺクタキュラーにして、主人公の生い立ちと成長を描いて、現代風刺を採り入れて シネコン仕様のA級に水増しボリュームアップ。 詰め込んだ分、今度はドラマの過不足が目立ってしまうのも皮肉だ。  一対一の決闘シーンのスピード感と力感あふれるアクションは活劇的でいい。
[映画館(邦画)] 4点(2017-09-10 07:06:30)
4.  ジョン・ウィック:チャプター2 《ネタバレ》 
危険な階段落ちや車両との接触、ミラールームの活用など、様々に工夫を凝らして 見せ場をつくっている。 単に発砲数やアクションの手数をインフレ化するのではなく、 静から動へ切り替わる瞬間に向けてのテンションの高まりが重視されていること(特にメトロでのモブ乗降シーン)や、 一貫して科白がごく短く切り詰めているのがいい。 中盤で標的として狙われ始めるシーンの時系列弄り等はただ混乱を招くだけで紛らわしい。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-08-31 00:02:09)
5.  SING/シング 《ネタバレ》 
上手い歌唱はあくまで巧い歌唱。どうも映画として感動させてはくれない。 その「優れた歌唱力」というものを表現するのに劇中の(第三者たる)聴き手の感嘆とか盛況とかのリアクションで説明するのは常套手段だが、 これが過ぎると逆効果になる。ましてや、これはアニメーション。劇中の観客もすべて描き手が創り出したキャラクターであるから、 クライマックスで彼らがもて囃せば囃すほど、自画自賛のサクラに見えてしまうという転倒が起こる。 趣向の違う歌が順繰りに発表されるたびに、公平なテンションで熱狂し続ける観客も大変そうだ。  そして、島田裕巳的「通過儀礼」の観点からしても弱い。 特にゴリラの息子などは音楽と強盗を両立させようとしたが失敗したというだけで、和解ではあっても親離れの描写にはなっていない。  本来なら、それらのパーソナルな思いを込めたステージが展開されれば、観衆や歌の巧拙など関係なく感動させられるはずなのだが、 劇場の再建というドラマも両立させねばならないのだから難しいところだ。  後半でシアターを全壊させてしまう大胆さ。その後の失意のシーンに洗車のギャグで笑いを採り入れるセンスなどがいい。
[映画館(吹替)] 5点(2017-04-22 22:51:14)
6.  ジャッキー ファーストレディ 最後の使命 《ネタバレ》 
ナタリー・ポートマンの特に横顔を中心としたクロースアップが強調されるが、一本調子の印象。表情芝居に頼り過ぎか。  エイジング処理によるホワイトハウス案内番組の再現シーン、取材インタビュー、狙撃事件後の顛末などが交錯していく構成だが、 彼女の人物像が明瞭に浮かび上がるところまではいっていない。  ナイーヴな側面と、気丈な側面と、そして煙草をふかしながらの強かな表情と。一筋縄ではいかない彼女の多面性が表現されているからでもある。  彼女はこの後、ギリシャの富豪と再婚し、浪費の限りを尽くしたそうな。
[映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2017-03-31 23:57:21)
7.  疾風ロンド 《ネタバレ》 
疾風を感じさせるのは、かろうじて大島優子とムロツヨシのスキーチェイスのみ。 せめて話運びだけでもテンポ良くやって欲しいが、編集の間も悪く、タイトル倒れである。 レストラン家族の陳腐な人情噺など、小手先でパズル合わせしているのが露わで、 キャラクターはそのコマでしかない。柄本明の誇張芝居などは目を背けたくなる。  とぼけた味の阿部寛はなかなかいいが、もう少し主役らしい活躍の場が欲しい。
[映画館(邦画)] 3点(2016-12-01 23:59:18)
8.  ジャック・リーチャー NEVER GO BACK 《ネタバレ》 
収監されるもあっさりザル警備の隙をついて脱出してみせるトム・クルーズ。それはいいのだが、序盤からこうもタスクの難度が低いと その後の展開に不安を抱いてしまう。アナログなりの知略をもう少し披露して欲しいところである。  ハロウィン・パレードの混雑の中、パトリック・ヒューシンガーを見つけ出し追跡するシーンも同様に今一つ盛り上がりきらない。 壁を伝って階上へと追っていくトム・クルーズのアクロバティックなスタントをもっと見せてクライマックスへ向けてのテンションを高めて欲しい というのは酷な望みか。地味なアクションを指向しているのは承知だが。 派手な銃撃戦からは、コビー・スマルダーズとの連携プレーを見せていくわけだが、アップの多すぎが逆効果になっている。  ラスト、一旦は別れた娘が踵を返してトム・クルーズに駆け寄り、抱擁を交わすのだが、このショットも想定通りすぎてあまり巧いと思えない。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2016-11-18 23:54:21)
9.  少女(2016) 《ネタバレ》 
本田翼の左手甲の傷は、まず終盤のさる事件とも絡む物語的要請としてあるが、加えてその不自由によって彼女が右手を以て 一心に鉛筆を走らせるという映画アクション的要請から来るものでもある。 これがノートパソコンのキー打ちではサマにもならない。授業そっちのけで文字を綴り続ける手と鉛筆の動き、紙面上に生まれていく肉筆の文字、 その硬質な音響、そしてその彼女を横から見つめる山本美月の視線。それらの要素が映画を形成していく。 手書きの文字だからこそ、ドラマとしても映画としても献辞の言葉が重要な意味を持つこととなるだろう。  前々作に続いてのコンビ、月永雄太の撮影が曇天や夜景を見事にドラマに反映させている。 夕陽の映える海岸沿いの歩道を二人の少女が駆け抜けていくスローモーションショットの反復。 計四人の少女たちの表情と走りが素晴らしい。  「夜の終わり」がモチーフであるからには、二人を明るく照らし出す朝陽が欲しいところではあるが。  終盤はありがちなパズル合わせと化してしまう。そこから逆算したのだろうキャラクター造形が随所に見られるのが難点か。  『しあわせのパン』、『ぶどうのなみだ』で悪い先入観を持ってしまっていたが、これは悪くない。
[映画館(邦画)] 7点(2016-10-09 17:52:33)
10.  ジェイソン・ボーン 《ネタバレ》 
『ブラディ・サンデー』や『ユナイテッド93』などに続き、自身の得意とする群衆パニックシーンを冒頭、中盤、クライマックスにそれぞれ 配置し、画面を賑やかす。監視カメラ映像なども駆使しつつ、入り乱れるモブの間に見え隠れしながら行動していく主人公をハンディカメラが追う。 相変わらず、編集の映画だなと思う。 ドラマには時事的ネタを採り入れるなどしてアップデートを試みるものの、さすがにシリーズものの宿命としてのマンネリ感は否めず、 一方でとりあえずの景気付けみたいなラスベガス・カーチェイスの華々しさは作品のテイストから乖離している。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-10-07 21:29:42)
11.  四月は君の嘘 《ネタバレ》 
このような臆面の無い安手の病と死で泣けといわれても困る。勿論、病と死の利用が悪い訳ではないし、 症状に整合性を求める訳でもないが、少なくともイイカゲン過ぎとかデタラメ過ぎとか思わせては駄目ではないか。  風と楽器の音色から導かれていく広瀬すず登場シーンがなかなか良く、ヴァイオリン演奏シーンも 頻繁なカット割りながら彼女の表情と運指を出来る限り同時にみせる意気がみえる。  その登場シーンや海辺のシーン、橋からの飛び込みのシーンなど、彼女の素足へのこだわりが窺がえて、その足が動かなくなる絶望感が 演出されていくはずなのだが、ならば前半でもっと足のアクションを充実させて欲しいところだし、 そもそも音楽家を苦悩させるのなら、手を不自由にさせるべきではないかなどと思ってみたり、 とにかくドラマのチグハグ感が半端ではない。  演奏シーンの途中で、いちいち口に出される台詞もほとんど不要。説明病に侵されすぎである。演奏中はお静かに願いたい。
[映画館(邦画)] 2点(2016-09-13 23:57:50)
12.  ジャングル・ブック(2016) 《ネタバレ》 
公開が重なっている『ターザン:REBORN』で、ターザンと動物たち(確か、ライオンだったか)が身体をこすりあわせて再会を喜び合うシーンがある。 動物たちの身体言語に準じてのコミュニケーションであり、それを説明する脇役の台詞も入るのだが、そうした補足説明がなくともシーンの意味は 双方の仕草という主に視覚情報から十二分に伝わる。 例えばこの『ジャングル・ブック』で口語をある程度省略したとしても彼らの主たる感情は視覚の優位性を以て表現可能なのではないか。  勿論、一概にどちらが正しいという事ではないし、これが動物を擬人化するディズニー流の一貫したアプローチであり、ミュージカルという形式でもある以上 これはこれで一つのスタイルであろう。  確かに驚異的なリップシンクの技巧によって人語が表現されているのだが、どうしてもキャラクターデザインのリアル志向との違和感は拭えない。  3D仕様ということで、崖上のハチミツ採りや絶壁の登攀や樹上の決斗など、高低差を活かしたアクションは良好。 土石流のシーンの迫力とサスペンスはなかなかである。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-08-22 23:56:37)
13.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 
ドラマパートと特撮パートの比率、構成は確かに第一作を踏襲している感じで塩梅がいい。 官房や防衛省など、相当のリサーチが行われたのだろう。そうしたいわゆるリアリズムの対価として、しがらみや忖度が付随するのはこうした作品の宿命だが、 制約の中で軽やかかつ真摯に風刺を混ぜ込んだシナリオには唸る部分が多い。  当然批判は覚悟しているだろう会議シーンの多さもいわゆる喜八カッティング&アングルと怒涛のダイアログによって活劇化しようという試みか。 実際、颯爽とした石原さとみや市川実日子の台詞廻しなどは内容以上に語りのリズムでシーンを動態化している。 とは云うものの、肝心の凝固剤注入シーンまで台詞で全解説というのは残念だし、長谷川博己が檄を飛ばすスピーチシーンも冗長に感じる。 (語る長谷川は特権的なクロースアップ、聴く側の民間協力企業隊員らは背中か手元だけで表情を一切映さないあたり、徹底して意地が悪い。)  特撮シーンは快晴の昼間、夕暮れ、夜景とバランスよく、庵野的な工場群や電線越しにゴジラを捉えた仰角ショットがよく決まっている。 やはりこういう部分で作り手のフェティシズムがものをいう。 怪獣の歩みによって屋根瓦が細かく振動するなど前半の純日本特撮的な数ショットに心躍るが、後半のビル倒壊アクションなどはハリウッド大作に 先行されている分、分が悪い。 それでも旧作に囚われすぎることなく、火の海を背景に陽炎に滲む「巨神」のイメージを象ったセルフオマージュ等も盛り込んでしっかり己の映画に仕上げているのだから天晴れである。  第一作同様、海のショットで始まるこの最新作。ラストは海へ還すことなく、日本を睥睨させる。
[映画館(邦画)] 8点(2016-07-30 22:55:06)
14.  植物図鑑 運命の恋、ひろいました 《ネタバレ》 
最近は「実は猫でした」みたいなファンタジーもゴロゴロあるわけだから、オハナシのあまりの非現実っぷりに当然こちらもその手のオチだろうと 高を括って惰性で眺めていたが、まさか人間だったとは、、。  映画開始から、主演男女のドアップづくしにうんざりし、観れば判る心情をご丁寧に説明する無駄なモノローグ(待ち人はこないとか、ショックだったとか)や劇伴に辟易し、そもそも味付けが濃い目なのは当然の居酒屋料理を引き合いに出して「味覚が変わった」みたいな台詞を言わせる作り手の食音痴ぶりに落胆させられたりするわけだが、根本的に恋愛の劇自体が悲しいほど薄っぺらいのである。有川という名詞がある時点で、推して知るべしだが。  ただ、ヒロイン高畑充希が大きく口を開けて美味しそうに杓文字についたご飯を頬張るショットはいい。食事を疎かにするアイドル映画が多いなかで、 ここでは料理をおいしく頂く表情の魅力が、かろうじて二人が抱く好意の裏付けということで説得力を持たせている。
[映画館(邦画)] 2点(2016-07-27 23:57:09)
15.  シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 《ネタバレ》 
中盤の空港での大乱戦を何と形容したものかと思案していたら、他所のサイトで適切な表現を見つけた。曰く、「単なるバカ騒ぎ」。 フルメンバーに拘らずに不要な常連キャラクターは潔く削り、さらにクライマックスも舞台とキャラを限定したのはいいが、 結局は新規キャラとのプラスマイナス。 オールスターということらしいが、そもそもそれほど有難味を感じるキャストか、という話である。  いわゆるハリウッドスター映画のシステムとはいえ、ドラマパートは当然の如くアップショットの連発、アクションパートも毎度お馴染み エフェクト過多の小刻み編集。相変わらずである。  この一連のコミック映画、一昔以上前の日本アニメのような愛とか正義とか世界の平和とかの所謂「大きな物語」を語るのにうってつけらしい。 程よく紛争情勢や現在的な課題なんかを織り込んでシリアスを気取るが、やはり「単なるバカ騒ぎ」である。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-05-17 00:02:52)
16.  SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁<TVM> 《ネタバレ》 
だまし絵『化粧台の前の女性』や剥製など、小道具・調度品の余計な解説を本編前に持ってきたりするお節介が苛立たしい。 監督だか何だかが得意げに自賛するだけあって、内装美術などは確かに凝っているけれど。 夜霧をかけ、雪を降らせ、ホームズの事務所内ではカーテンによる遮光を活用してクラシカルな雰囲気を出しているが、 落ち着きがなく、視点も定まらず、何かといえば顔面アップに頼るカメラが台無しにしている。  作中、それぞれの女性たちがそのカット尻で、曰くありげな表情をほんの一瞬間、見せる。それらの些細な「間」が小さな引っ掛かりとなりながら ドラマは進んでいくと、いきなりの種明かしが待っているわけだが、これがただの説明なのでまるで面白味がない。 尺伸ばしのメイキングは全く不要。興味なければ即退出してマイルの足しにだけして下さい、という意味では良心的である。
[映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2016-02-24 22:56:12)
17.  十字架 《ネタバレ》 
蜃気楼の浮かぶ田舎道を神妙な面持ちで歩む礼服の教師と学生達の列。そのどこか異様な風情の望遠ショットがまず印象深い。  いじめを受けている少年が登校するのを背後からカメラが縦移動で追う。通学路から学校玄関、廊下を通って教室へ。 その間、無視され、忌避され、罵られる彼に同化したカメラが我々に疎外感と痛みを直截に伝えてくる。  幾度も登場する、藤井家の仏壇の置かれた居間の空間。仏壇を前にした小出恵介と木村文乃の複雑な表情。 隣の卓袱台で精神的な危うさを見せる富田靖子と葉山奨之。 そして庭の見える窓際に座りこんでいる寡黙な永瀬正敏。その五人が一つのショット内に配置された縦構図と時間がただならぬ緊張をもたらしている。  時を経て小出と永瀬が佇むその窓際に突然降りだす夕立と稲妻に、わけもなく心を揺さぶられる。  10代から30代までを演じることを主演二人に課したことで、時間の経過とそれぞれのキャラクターの成長が鮮明となった。作り手の英断である。 時間のコントロールこそ、映画の要なのだから。それに応えた二人の芝居も素晴らしい。
[映画館(邦画)] 7点(2016-02-10 05:06:34)
18.  シーズンズ 2万年の地球旅行 《ネタバレ》 
追う動物と追われる動物、狙う動物と狙われる動物のショットが180度切返し編集で繋がれたりと、あからさまな劇映画である。 何台のカメラで撮っているのか知らないが、一連のチェイスシーンが極端な低位置での高速横移動や縦移動を織り交ぜながら マルチ・カムのごとく巧妙にモンタージュされていて見やすい事この上ない。 だが、そもそも野生動物同士の驚異的な知覚や鋭敏なアクション-リアクションを人間レベルのモンタージュに置き換えることには傲慢しか感じない。  ヒグマ同士の格闘や渡り鳥との並走など、ドキュメンタルな非モンタージュでこそ生き物の躍動を存分に伝えているだろう。  グローバルな戦争の世紀を経て、ヒトは再び自然との共存意識に目覚めました的な玉虫色の総括もやはり傲慢である。
[映画館(吹替)] 3点(2016-01-22 22:52:26)
19.  人生の約束 《ネタバレ》 
何やら薄暗い詰所らしき場所で江口洋介らが力み切った絶叫芝居を繰り広げる冒頭からして、駄作臭が漂う。 劇場予告でも散々聴かされた西田敏行の「失って、(中略)、、人生は。」とかいう手垢のついた人生談義も鼻持ちならない。  テレビサイズの表情芝居とダイアログ、そして案の定、クライマックスには西田の泣き顔で釣ろうという辺りがやはりさもしい。  竹野内豊と高橋ひかるが携帯電話で語り合う背景に、それぞれ東京タワーと夜景、灯台と海が対応し合うのだが、だから何?と思う。 彼女が聞かせる波音が全く効果を発揮しない。  ホテルの一室でキーボードを叩く竹野内と、江口らの漁のカットバック。感動を要請しているようにも見えるが、だから何?。 絆とか繋がりがテーマの割に、画面はまるで相乗していかない。  祭りの最中、頻繁に入るスロー処理。だから何?。 思わせぶりではあるのだが、映画の感情はうねらない。  途中思い出したように、木漏れ日が人物に落ちたり、緑の丘に風が渡ったりするのだが、ドラマが付いていかない。
[映画館(邦画)] 3点(2016-01-12 23:58:11)
20.  ジョン・ウィック 《ネタバレ》 
結末部一歩手前を巻頭に持ってくるのも、キアヌ・リーヴスの顔半分に影を落として二面化する照明設計もノワールスタイルの証。 全般に照度を落とした心象情景の中、主として人工の光が彼の相貌を染める。 摩天楼の夜景空撮に稲光、白銀に輝く雨の反射にネオンサインと、光と影を意識してドラマに組み込んでいる。  雨の波止場で決着を付けた彼が画面手前に歩み来ると同時に、その顔面を次第にシルエット化させて死を仄めかす。 そこで冒頭のショットへと回帰するが、瀕死の彼を生に呼び戻すのは亡き妻の声と、彼女を映した携帯端末の光であると。  打撃系と関節系を組み合わせた連続技のアクションを出来うる限り持続的な引きのフィクスショットで撮る。 桟敷部分からの垂直落下を、多人数掛けの銃撃とそのリアクションをワンショットで収める。  そうした意欲的なアクション演出も随所に光る。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-10-17 22:06:38)
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