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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  シャイニング(1980) 《ネタバレ》 
人間の狂気を圧倒的な映像美で描き続けたキューブリック作品のなかでも、とりわけ大好きな作品。世間とは孤立した雪深い山頂のホテルで一冬を越すことになった家族に、しだいに忍び寄る人智を超えた者たち。そしてそれに捕らわれた父親は……。彼が妄想とも幻覚ともしれない社会を漂い始め、そこで見る圧倒的なイメージの奔流。誰も居ないはずのパーティー会場には居るはずのないバーテンダーが居て、そしてあるはずのない禁じていたはずの酒があり、踏み込んではいけない客室には謎の全裸の美女が居たかと思いきや……。他にも、エレベータから迸る大量の血液や殺された双子の少女など、一度見たら忘れられないイマジネーションの極地のような映像美と音楽。何度観てもおしっこ漏らしそうになるくらい、ぞくぞくさせてくれる大傑作!
[DVD(字幕)] 10点(2013-04-10 13:24:20)(良:1票)
2.  ジョジョ・ラビット 《ネタバレ》 
彼の名は、ジョジョ・ベッツラー。アドルフ・ヒトラーを心の底から信奉し、現在敗色濃厚なドイツの最終的な勝利を日々神に願い、そしてユダヤ人を劣等民族だと信じて疑わない、愛国主義の見本のような10歳の少年だ。だが、ドイツ少年団のキャンプに参加した際、彼はウサギを殺せという命令を実行できず、ジョジョ・ラビット(臆病者)と言う不名誉な渾名を付けられる。そればかりか、手榴弾の扱いを誤り、大怪我を負ってしまうのだった。周りの友達が皆、戦地へと駆り出される中、彼は母親とともに自宅療養を余儀なくされる。空想の中の友達である〝アドルフ・ヒトラー〟と空しい日々を過ごすジョジョ。ところがある日、彼は自宅の屋根裏に謎の少女が密かに暮らしていることを知るのだった。「間違いない、彼女はユダヤ人だ」――。すぐにでも秘密警察に知らせようとするジョジョだったが、この件には母親が深く関わってることが分かり、彼は苦しい板挟みに陥ってしまう…。第二次大戦末期、時代の空気によってナチスの信奉者となった少年とユダヤ人少女との密かな交流をコメディタッチで綴ったヒューマン・ドラマ。アカデミー作品賞にノミネートされ、世間の評判もすこぶる良かったので今回鑑賞してみました。いや、噂に違わぬ素晴らしい出来でしたね、これ。ナチスのホロコーストと言う非常に重いテーマを扱いながらも、最後までコメディタッチの軽いノリを貫き通したのは英断だったと思います。なにより笑いのセンスがすこぶる良い。ナチスの秘密警察が人に会うたびに一から「ハイル、ヒトラー」を繰り返すとこなんて思わず笑っちゃいました。飄々とネタを披露するサム・ロックウェルもナイスな仕事ぶり。ブラックな発言を繰り返すあの太った女性なんて、もはや吉本新喜劇のノリですね。悪趣味一歩手前のぎりぎりのラインを突くこのユーモアのセンスはなかなかのものがありました。もちろんそれだけではありません。時代の空気なので仕方ありませんが、このジョジョと言う少年があまりにもナチスを信じ切っていて最初は嫌悪感爆発。でもその後、このユダヤ人の少女に徐々に心を許してゆき、次第に洗脳が解けて、やがて彼女にほのかな恋心を抱くとこなんてホント巧い。彼女のためにジョジョが書く手紙も切なすぎます。スカーレット・ヨハンソン演じる彼の母親のエピソードなんて涙無くしては見れません。惜しいのは、彼の空想上の存在である〝アドルフ〟がいまいち巧く機能していないところぐらい。笑って泣けて最後は深く考えさせられる、素晴らしい作品でありました。
[DVD(字幕)] 9点(2020-08-28 00:00:26)
3.  ジョーカー 《ネタバレ》 
悪と狂気のカリスマ、ジョーカー。この稀代のアンチ・ヒーロー誕生の物語をダークかつ濃厚に描いた、ある意味昨年一番の話題作。ここまで反社会的な内容でありながら、あれだけ話題になるだけあって、確かにこの全体的な完成度の高さはピカイチでした。脚本、映像、構成とどれをとっても素晴らしい出来なのですが、やはりなんと言ってもジョーカーを演じたホアキン・フェニックスの鬼気迫る役作りには圧倒されました。「こ、こいつ、本当に狂ってる!」としか思えない聞きしに勝る迫力で、その存在感は往年のヒース・レジャーにも匹敵するほど。彼の存在無くしてはこの作品はあり得なかったかも知れないですね。肝心の内容の方も、善悪の彼岸を扱った非常に哲学的かつ深淵な物語でこれまた他に類を見ない唯一無二のもの。果たして、人間の本質とは悪なのか――。ロシアの文豪ドストエフスキーのいくつかの小説にも通ずるこの深甚なるテーマは、単なるエンタメ映画の枠を超えた普遍性さえ有していたと思います。世界から疎外され、多くの人々を妬み、ただ身近な人に愛されたかっただけなのに逆に傷つけられ、そして絶望のあまり社会の道徳や倫理を超越しようともがく一人の男。彼の狂気性や異常さを充分に理解していながら、それでもいつの間にか彼のことを応援してしまっている自分が居ました。最後のテレビ番組のシーンなんか、「やれ!早く、やっちまえ!ジョーカー!」と心の奥底で念じていた自分に思わずハッとしてしまった。世に現れたばかりのヒットラーを誰もが最初支持していたことを思うと、やはり人は狂気に惹き付けられる弱い生き物なのだと改めて自戒とともに思わされました。社会の常識と呼ばれるものを嘲笑うかのように、自らが生み出した“正装”で階段を降りてくるジョーカーの洗練された美しさがいつまでも頭から離れそうにありません。自分の中にも脈々と受け継がれているだろう「悪」と対峙する覚悟があるなら、この狂気の物語、多くの方に是非じっくりと味わってもらいたい。
[DVD(字幕)] 9点(2020-02-01 23:01:06)(良:1票)
4.  ジェーン・ドウの解剖 《ネタバレ》 
一家惨殺事件が起きた一軒家の地下から発見された一体の遺体。一糸まとわぬその美しい女性の遺体には身元の特定につながるものは一切なく、また外傷さえないため死因の特定すら難しかった――。事件を担当する保安官は、死体の正体を探るため、親子で検死官を務める古くからの友人の元へと送り届けることに。さっそく仕事に取り掛かった親子だが、その美しい〝ジェーン・ドゥ〟の身体を開いてみると驚愕の事実が次々と明らかとなるのだった…。いったい彼女の身に何が起こったのか?謎に満ちた彼女の本当の正体とは?そして、解剖を担当することになった検死官親子は無事に死因を特定することが出来るのか?一体の美しい死体を巡って、死体安置所で繰り広げられるそんな恐怖の一夜を描いた新感覚ミステリー・ホラー。いやー、久々にこんなにも怖くて、しかもちゃんと面白い映画を観てしまいましたわ~。もう最初からどんどんと惹き込まれ、あれよあれよといういう間の充実した80分。物凄く完成度が高いです、これ。何より、物語の重要な要となる〝ジェーン・ドゥ〟の死体が驚くほど美しい!この役を演じた女優さん、ずっと全裸で死体安置所に寝転がってるだけで一切台詞がないのに、この存在感は凄いですね。もう、このお方のフェティッシュかつグロテスクな魅力だけで1点追加ですわ。なんたってヌードどころか身体の中身まで晒しちゃってますからね(笑)。監督は過去に快作『トロール・ハンター』を撮った、アンドレ・ウーヴレダル。その前作もフェイク・ドキュメンタリーという体裁を取りながら、それを逆手に取ったユーモラスな作風でなかなかセンスを感じたけど、こちらもまた違うセンスをビシバシ感じました。うん、今から次作が楽しみな今後大注目の監督の一人となりました。
[DVD(字幕)] 9点(2018-07-21 22:11:51)(良:2票)
5.  シャンドライの恋 《ネタバレ》 
政情不安にゆれるアフリカの何処かの貧しい国。反政府活動を疑われた夫が理不尽にも投獄されて独りぼっちになってしまった若く美しい人妻シャンドライは、身の安全を図るため難民としてローマへと移り住むことに。親戚が遺した遺産で悠々自適の生活を送るピアニストのキンスキーのアパートで、投獄された夫のことを気遣いながらも、シャンドライは看護婦を目指して新たな生活を始めるのだった。そんなある日、突然大家のキンスキーから愛の告白をされる。あまりにも違うお互いの境遇に、最初は反発を覚えたシャンドライだったが、彼の無垢な心と優しさに触れて次第に気持ちが揺れ動いてゆく…。映画監督としてノリにノッていたベルナルド・ベルトルッチが、ラスト・エンペラーやシェルタリング・スカイといった大作映画の後に、良い意味で肩の力を抜いて撮っただろう、小品ながらも愛すべき作品でした。まるで絵画のように美しいローマの街並みを背景に紡がれる、極端なまでに無駄を削ぎ落としたシンプルでありながら深いストーリー、全編を彩る情熱的なのにあくまで上品で静謐な音楽の数々…、もうベルトルッチの素晴らしい才気が画面の端々に漲っています。そして、何より魅力的なのは主人公のシャンドライ。きれいで可憐な容姿にもかかわらず、胸には熱い情熱を秘めた彼女の魅力に最後まで惹き付けられました(僕がいままで見てきた黒人女性の中では一番と言っても過言じゃないくらい、笑顔がかわいかったっす笑)。そんな彼女の心に芽生えた小さな恋心が徐々に高ぶり、最後は官能的でとても美しいラストシーンへと導かれていく、その丁寧でスリリングな心理描写はもうさすがの一言。最後、シャンドライがあのドアを開けるのかどうか、それを明示しないまま終わるのも印象的な良い余韻を残してくれます。小品ではあるけれど、久し振りに「ああ、良い映画観たなぁ…」と心から思える作品に出会えました。お薦めっす。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-17 18:41:25)
6.  シカゴ(2002) 《ネタバレ》 
もうゴージャスでエネルギッシュで猥雑で胡散臭くて下品で、そして最高に面白いミュージカル映画の傑作。もともとミュージカルがあんまり好きじゃないのだけど、これだけは別格です。もう女の武器をこれでもかと最大限に駆使して成り上がっていく二人の女の姿はそれだけで魅力的!下品な弁護士を演じたリチャード・ギアもそれっぽくて最高だ。最後まで、徹底的にアンモラルを貫いた、その製作姿勢にも素直に拍手!理屈抜きの生きるエネルギーに満ち溢れていて、本当に大好きな作品。
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-13 18:25:14)
7.  ショーシャンクの空に 《ネタバレ》 
これって撮影中に映画の神様が舞い降りて来たんじゃないのだろうか。っていうくらい完成度の高い名作。無駄なシーンが一切ないし、テーマも多くの人々の心を打つ〝希望を信じること〟という直球勝負な軸が一切ぶれていない。主演俳優の抑えた演技も完璧だ。オチの爽快感といったら他に類をみないほど。そして、何よりこんな完璧な映画のなかにあって、「結局、真犯人が捕まらず冤罪が晴れていない」という唯一の瑕疵すらも、さらなる物語の予感を感じさせてくれるという奇跡的な名作。
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-26 14:14:17)
8.  死霊のはらわた(1981) 《ネタバレ》 
人里離れたロッジに迷い込んだ若者たち。そこにあった伝説の魔道書に書かれてあった呪文を不用意にも唱えてしまったことから、彼らは想像を絶するホラー&スプラッタ&ギャグ描写が嵐のように巻き起こる死霊たちの宴へと引き摺り込まれてゆく――。今では大物となってしまったサム・ライミ監督の伝説のデビュー作は、いま観てもその魅力はなんら衰えていません。徹底的に怖い映画を撮ろうとして、恐らく監督自身も意識していなかったであろう〝笑い〟の要素が何故だか描出されてしまったところに若き日のサム・ライミの才気が光っています。死霊に取り憑かれ、いつゾンビと化すかも知れなくなってしまった愛する女性を電気のこぎりでバラバラにしようとするものの、長い煩悶の果てに結局出来なかった主人公が、次の瞬間には躊躇なくスコップで首チョンバしちゃうという、凡人の発想を遥かに超えた唯一無二のグログロ世界に僕たち観客を誘ってくれます。他にも、森で触手プレイされちゃうヒロインとか地下室に閉じ込められたゾンビがまるで「頑張れ~!」と仲間のゾンビを応援するかのように扉をガッチャンガッチャンするシーンだとか、その後に量産される似たようなスプラッタホラーには到底到達できないだろう、恐怖と笑いが絶妙にブレンドされた名シーンの数々にはあらためて最大級の賛辞を贈りたいと思います。うん、やっぱこれ、凄いっすよ!
[DVD(字幕)] 9点(2012-09-23 15:54:59)
9.  シザーハンズ 《ネタバレ》 
思えば、ここからジョニー・デップとティム・バートンの名コンビが始まった記念碑的名作。絵本のようにカラフルな街並みやあり得ないストーリー設定ながら、現実的な社会的弱者への苛烈な差別、そして軋轢を寓意的に描いている。カフカの「変身」のように、両手がハサミという姿をある種の障害と捉えればこの映画は一気に深くなる。そしてそんな不条理な社会に背を向けて、ただ愛する女性のために雪を降らせ続けるエドワードの姿はあまりにも辛く切ない。
[DVD(字幕)] 9点(2012-05-07 07:14:59)(良:2票)
10.  シラノ 《ネタバレ》 
19世紀に初演されたフランスの名作戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』を元に、自らの外見にコンプレックスを持つある一人の剣士の長年にわたる片思いを美麗に描いたミュージカル。監督は、現代的な解釈で古典的名作を幾つも蘇らせてきた名匠、ジョー・ライト。このお話って確か、主人公は鼻が物凄く大きいことにコンプレックスを持っててそのせいで好きな人に告白できず何年も片思いに苦しめられるって設定だったよね。でも、本作でシラノを演じるのはピーター・ディンクレイジ。持って生まれたハンディを乗り越え、実力で今の地位を築いた個性派俳優。とにかく彼の自身の境遇を重ね合わせたかのような、周りの偏見や同情を圧倒的な力で捻じ伏せるかのような熱演が素晴らしかったです。心から愛する女性が自身の後輩に想いを寄せていると知った時に見せる彼の切なそうな表情には思わず感情移入してしまいました。それでも彼女の幸せを願って、後輩との仲を取り持とうとする主人公。自分の恋心を納得させたいがため、彼からの手紙だと偽って自らが書いた恋文を何通も彼女に渡すシーンには胸がぎゅうぎゅう締め付けられますね。監督、モテない男の気持ちをよく分かってらっしゃる。癒えたはずの僕の心の古傷がズキズキ疼いちゃいましたわ(笑)。肝心のミュージカルシーンはいかにもジョー・ライトらしい、煌びやかで華のある場面の連続でもはや抜群の安定感。中世フランスの宮廷を再現した、ゴージャスで美しい映像には思わず乙女のように見惚れてしまいました。殺伐とした戦場シーンも何処か気品を感じられて、この計算された統一感は素晴らしいですね。ヒロインを演じた、ヘイリー・ベネットのいかにも恋に恋する自由奔放な感じもグッド。男を振り回す典型的な小悪魔感が憎たらしいけど、でも悔しいけど魅力的でした。彼女と彼女が想いを寄せるイケメンとシラノがベランダ越しに会話するシーンは、それぞれの情熱と諦念が交錯する素晴らしい名場面。片想いの切なさに苦しんだことがある全ての人にぜひ観てもらいたい、なかなかの秀作でありました。
[DVD(字幕)] 8点(2023-03-10 10:01:48)
11.  17歳の瞳に映る世界 《ネタバレ》 
ペンシルバニアの田舎町で平凡な毎日を送る17歳の高校生オータムは、何処にでもいるような普通の女の子。保守的な両親の元、スーパーのレジ打ちのバイトをしながらただなんとなく日々を過ごしている。そんなある日、オータムはもう一か月以上も生理が来ていないことに気づく。密かに訪れた町の産婦人科で診察してもらった彼女に告げられたのは、妊娠10週目という事実。予想もしていなかったことに思わず動揺してしまうオータム。とてもじゃないが両親に話すことは出来ない。そもそも産んで育てる勇気もない。だが、彼女が暮らすペンシルバニアでは、未成年の妊娠中絶には両親の同意が必要だった。ここから遠く離れたニューヨークに行けば、お金さえ払えば手術を受けられる――。ネットで調べてそのことを知ったオータムは、唯一の親友でバイト仲間のスカイラーとともに夜行バスへと乗り込むのだった……。中絶手術を受けるためにニューヨークへと向かう17歳の2人の少女の旅路を終始淡々と見つめたガールズ・ロードムービー。そんななんともネガティブなお話なのに、あまり暗さを感じさせないのはこの監督のリリシズムに満ちた詩的センスによるところが大きい。それぞれに孤独を抱えたこの少女たちの旅路は終始不安定で今にも壊れてしまいそうな危うさが漂っているのに、非常に美しく洗練されている。この感性はなかなかのもの。親身になって相談に乗ってくれていると思っていた、地元の産科医のおばちゃんがゴリゴリの中絶反対派だというのもリアル。一日で終わると思っていた手術が、この産科医の誤診のせいで二日かかってしまうというはなんとも皮肉ですね。すぐにお金もなくなり、泊まるあてもなくなって次第に追い詰められてゆく2人。親友がお金を稼ぐために会ったばかりの男とキスをするシーンで、柱の陰で主人公と密かに手を繋ぐところはとても切ない余韻を残してくれます。この二人の友情が永遠に続けばいいと願わずにはいられない名シーンでした。他にも、中絶前にカウンセラーが幾つも質問する中で、最初は服用している薬だとか病歴だとかだったのが最後の方で男の暴力についての質問に変わってゆくシーン。最初は気丈に振る舞っていた主人公が次第に涙をこらえられなくなるところも、男の身勝手な欲望への女性たちの静かな怒りが感じられ色々と考えさせられます。全てが終わったあと、空虚な笑顔で会話する2人、虚しさと充実感が入り混じって何とも切ない。エンドロールで流れる歌がまた染みます。とにかく2人の等身大の魅力にやられました。シスターフッド映画の新たな地平を拓いた、なかなかの秀作と言っていいんじゃないでしょうか。この監督、これから要注目ですね。
[DVD(字幕)] 8点(2022-10-18 04:15:50)
12.  シカゴ7裁判 《ネタバレ》 
1968年、シカゴにおいて史上類を見ない裁判が始まった。被告となったのは、生い立ちも人種も所属団体も異なり、その思想信条も全く違う7人の男たち。罪状は、民主党大会の近くで行われた平和的なデモを組織的に煽り、過激で暴力的な行動に走らせたという、いわゆる共謀煽動罪。最高で懲役10年にもなるこの罪で起訴された彼らは、本当に有罪なのか?そして本当に彼らは事前に共謀したという事実があったのか?彼らの裁判を通して炙りだされるのは、当時のアメリカが抱えていた根深い病巣だった……。本作は、そんな実際にあった裁判をモデルにしたエキサイティングな法廷劇だ。監督は、事実を基にした社会派ドラマを幾つも手掛けてきたアーロン・ソーキン。主演には、エディ・レッドメインをはじめ、ジョセフ・ゴードン・レビットやジョン・キャロル・リンチといった新旧実力派の豪華な面々。この監督の前作『モリーズ・ゲーム』にはあまりいい印象は持てなかったのですが、なかなかどうして、本作は最後まで充分見応えのある良質の法廷劇に仕上がっておりました。とにかく脚本が素晴らしい!物語の芯となるのは、あくまでシカゴ・セブンと呼ばれた彼ら(最初はここにブラック・パンサー党の黒人幹部も含んだ8人でしたが)の公判なのですが、随所に事件当時の映像を差し挟むことでメリハリがつき、最後まで非常に観やすく、かつ考えさせられるというなかなか密度の濃い内容となっております。それまでほとんど面識のなかった立場も年代も違う被告人たちが、優秀な検事や偏見に塗れた判事によって徐々に追い詰められ、次第に疑心暗鬼から仲間割れへと発展してゆく過程も非常に丁寧。後半、次々と明らかになる、新たな証拠や新事実、そして決定打となる新証人の存在などの見せ方も充分にドラマティックで最後まで全く飽きさせません。主要キャストを務めた俳優陣もそれぞれいい仕事してます。特に後半、出番は短いもののかなり重要な役回りでマイケル・キートンが登場したのは嬉しいサプライズでした。果たして真実はどうだったのか――。個人の感情や思想など簡単に握り潰そうという国家権力、そして後先考えずただ己が正義のために暴走してしまう市民団体、その双方に改めて空恐ろしいものを感じます。最後は若干、過剰なまでの大団円へと導こうとするその手法に鼻白むものはありましたが、総じて満足度は高い。なかなか完成度の高い法廷劇の逸品でありました。8点!
[DVD(字幕)] 8点(2020-12-21 08:30:27)(良:1票)
13.  7月22日 《ネタバレ》 
2011年、7月22日。それはノルウェーの人々にとって、忘れられない悪夢の一日となった――。ネオナチに感化された一人の極右青年によって、凄惨極まりないテロが実行されたのだ。まず首相官邸の近くで車爆弾を爆発させた犯人は、現地の混乱を尻目にそのまま保養地として有名なウトヤ島に向かった。そこではちょうど労働党青年部によるキャンプが開催されており、多くの若者たちで賑わっていた。島に辿り着いた犯人は持っていた自動小銃を構えると何の躊躇いもなく、たまたまそこに居合わせただけの若者を次々と襲い始める。数十分にも及ぶ凶行の結果、77名もの何の罪もない市民が犠牲となるのだった…。本作は、そんな実際にあったテロ事件を背景にその日、その島でいったい何が起こったのか、犯人は何故そんな残虐な犯行を実行したのか、そして事件はノルウェーの人々にどのような影響を与えたのかを丹念に描いたものである。監督は臨場感あふれるリアルな作風で知られるポール・グリーングラス。かつて911同時多発テロで唯一自爆攻撃を阻止した旅客機の乗客たちを描いたこの監督らしく、冒頭のリアルなテロ描写には目を見張るものがある。全く躊躇することなく、目に付いた若者たちをただ淡々と銃殺し続けるこの犯人の底なしの狂気には戦慄させられるほかない。いったい何があれば、ここまでの憎しみを心に宿すことが出来るのだろう。物語はその後、この犯人の裁判の過程と彼を弁護することになった弁護士の心の葛藤、そして事件によって瀕死の重傷を負い一生消えない後遺症を負わされた青年のドラマを丁寧に描いてゆく。そこで炙りだされるのは、犯人の思想の脆弱性である。大言壮語なだけで中身は空っぽ、自身の不幸な境遇を全て社会のせいにして、テロを実行した自身を英雄視する気持ちの悪いナルシズム。見れば見るほど反吐が出そうになるこの犯人の薄っぺらい実像とは対照的に、次第に明らかとなる弁護士と生存者である青年のその信念の強さには心揺さぶられるものがある。特に最後、犯人の前で自らの想いを力強く述べる被害青年の言葉には思わず涙してしまった。「僕は生き残った。だから、生きる。仲間や家族のため、そして殺された親友たちのために」――。世界に蔓延する憎しみの連鎖はこれからも続いてゆくのだろう。不寛容の精神は、これからも人々の心に壁を築き続けるのだろう。だが、彼のような言葉があればこの世界に絶望することなく生きていける。そう思わせずにはいられない、切実な希望に満ちた秀作であった。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-05-07 01:44:10)
14.  ショート・ターム 《ネタバレ》 
ショート・ターム12――。それは、短期滞在型の児童福祉施設だ。そこでは、家庭に問題を抱えた様々な子供たちが暮らしている。育児放棄や児童虐待、家庭内暴力や貧困などそれぞれに深刻な問題を背負った子供たち。彼らの世話や健康管理を担当する施設職員グレイスは、そんな子供たちが日々巻き起こす問題に忙殺されていた。彼らの切実な思いに満足に応えられないというジレンマに悩むグレイス。彼女の唯一の心の支えとなっているのは、同僚で一緒に暮らしている恋人メイソンの存在だった。そんなある日、グレイスに予期せぬ妊娠が発覚する。だがグレイスは、素直に喜ぶことが出来ない。何故なら彼女自身もまた、幼いころ実の父親に虐待を受けていたというトラウマを抱えていたから。そこに同じく父親から虐待を受けていると思しき女の子、ジェイデンがやってきて…。小さな児童福祉施設を舞台に、そこに暮らす様々な子供たちや職員たちの心の葛藤を描いたヒューマン・ドラマ。自傷行為やドラッグ、衝動的な暴力や精神疾患等々、ここで取り上げられる子供たちの実態はかなり深刻で、ともすれば非常に暗い作品になりそうなのだが、そうさせない魅力がこの作品にはある。きっとそれは、登場人物誰一人として希望を失っていないところだろう。親からの虐待やネグレクト、中には実の父親からの性的虐待などと言う心が挫けそうになる深刻な事態に陥りながらも、それでも彼らは明日を見つめることを止めない。それはグレイスをはじめとする施設職員も同じで、ここで暮らす誰もが時に反発しあいながらも絶えず前を向こうと努力している。そんな彼らを、この監督はまるでこの施設に一緒に暮らしている一員かのような目線で見つめている。物語の進行とともに、観客はいつしか彼らの仲間の一人となっているかのような感覚に陥ってくるのだ。この監督の豊かな才能のなせる技なのだろう。主人公を演じたブリー・ラーソンもそんなトラウマに悩む施設職員を等身大に演じていて、とても魅力的だった。彼女と父から虐待を受ける少女ジェイデンとの間に芽生える友情には心揺さぶられるものがある。特にジェイデンが創作した童話「友達のサメのために足を差し出すタコ」という哀しいお話に、彼女がじっと耳を傾けるシーンには思わず涙してしまった。この世は辛く悲惨なことばかりだけど、それでも前を向いて生きていこう。自分のことを理解してくれる仲間のために――。そう思わずにはいられない、とても優れた物語だった。
[DVD(字幕)] 8点(2020-04-23 00:01:10)
15.  シェイプ・オブ・ウォーター 《ネタバレ》 
社会の片隅でひっそりと暮らす口の利けない女性と、アマゾンの奥地で捕らわれた謎の半魚人との一風変わったラブストーリー。印象的なシーンも多く、テーマも分かりやすく深い。そしてギレルモ・デル・トロ監督らしい、細部にまで拘った独創的な映像美が素晴らしかったです。水没した部屋の中で二人でダンスを踊るシーンは、最近観た映画の中でも出色の名シーンでした。個人的には『パンズ・ラビリンス』の方が好みだけど、こちらも充分楽しめました。8点!
[映画館(字幕)] 8点(2018-03-19 23:03:50)
16.  ジョニーは戦場へ行った 《ネタバレ》 
第一次大戦中、爆弾の直撃を受け、何年にもわたって寝たきり生活を余儀なくされたアメリカ人将校、ジョニー。しかもその顔面は砲撃で抉られ、目・耳・鼻・口はおろか両手両足さえ失ってしまい、もはや肉の塊と化していた。病院の人目のつかない一室に閉じ込められ、軍の実験目的で辛うじて生きながらえさせられていたジョニー。だが、周りの人間は誰一人として気づいていなかった。そんなもはや人間と呼ぶのさえ躊躇われるほどの哀れな姿となった彼にも、ちゃんと意思や記憶が残っており、一人ぼっちの暗闇の世界で必死になって助けを求めていたことを――。映画は、そんな芋虫のような姿となった現代の彼をおどろおどろしいモノクロ映像で描き、反対に彼の記憶の中や夢うつつの世界を鮮やかなカラー映像で交互に綴ってゆく。本作を観て、自分がまず真っ先に思い浮かべたのは江戸川乱歩の『芋虫』だった。乱歩が苦痛と快楽を極限までグロテスクに描きたかったと後に述懐する『芋虫』は、皮肉なことに左翼思想家に反戦小説と持ち上げられたことで発禁処分となったが、この作品は反対に反戦思想から出発しながら苦痛と快楽の極限をもっともグロテスクに描いた芸術作品として特異な価値を得ているのが面白い。あらためて言っておこう。これは純粋な意味での〝反戦映画〟ではない。この作品は乱歩の『芋虫』と同じく、極限状況での苦痛をマゾヒスティックに描きながら、そこに逆説的な生への賛歌を込めた極めて芸術性の高い変態映画である。最後、芋虫となった自分を見世物として多くの人の好奇の視線に晒してくれ、さもなくば殺せと懇願する彼の願いは究極のマゾヒズムの表明なのだ。どんな極限状況でも人は生きるために快楽を求めるという極めて〝まっとうな〟人間賛歌とも言えよう。ジョニーが夢の中で彷徨う幻想描写も細部までクオリティが高く、特異な芸術作品として未だその価値を一つも失っていない。映画史に残る傑作と言っていい。
[DVD(字幕)] 8点(2016-05-02 22:07:19)
17.  SHAME -シェイム- 《ネタバレ》 
皆さん、都会で生きていると、たまに疑問に思うことはありませんか?街のいたるところに存在するコンビニに入れば、その雑誌コーナーの片隅には必ずと言っていいほど、いかがわしい雑誌――敢えて下世話な言い方をすればエロ本の棚が存在しています。ビデオ屋さんの18禁コーナーに入れば夥しい数の他人のセックスを収めたDVDが並び、ネットを開けば簡単に過激な動画を見ることが出来ます。電話を掛ければ、そういう女の人がすぐにやって来てくれ、繁華街に行けばさらに過激な性的サービスを供給してくれるお店を利用することが出来ます。なのに社会では、電車に乗っていると日常的に人身事故に出くわし、理不尽な暴力事件はあとを絶たず、幼児虐待やストーカー殺人などといった悲惨な事件も一向になくなる気配はありません。そして世界の何処かでは今も戦争が続き、貧困や飢餓が貧しい人々を苦しめている。それでも僕たちは自分の性欲を満足させるためにエロ本を買い風俗店に足を運ぶ。人のことなどどうでもいいと言わんばかりに……。いったい人間とは何処まで愚かな恥ずべき生き物なのだろうって。本作の主人公であるサラリーマン、ブランドンもそんな都会の片隅で、まるで日々恥の上塗りをするかのような刹那的な日常を生きている。行きずりの女と愛のないセックスに溺れ、商売女を自宅のマンションに呼んで快楽を貪り、あまつさえ仕事中にトイレにこもっては自慰行為に耽る…。なのに少しも満たされない孤独な心を抱えた彼の元にある日、「何処にも行き場所がないの!お願い、ここに住まわせて…」と、同じく鬱屈した日々を送っていた妹のシシーが転がり込んでくる。お互いの孤独を敏感に感じ取った2人でしたが、少しも正直になれない彼らはすぐに互いの心を傷付け合い、ますますその閉塞感を強めてしまうのでした。そして彼らは自らが生きる理由すら次第に見失ってゆく……。そんな愚かな人間たちの姿を冷徹に見つめながらも、物語は最後、微かな――今にも消え入りそうな本当に微かな希望の残像のようなものを残して静かに幕を閉じます。正直、見れば見るほど気が滅入るような作品なのですが、美麗な映像と実力ある役者陣の熱演、そして何よりも悲哀に満ちた美しい音楽とによって、胸を打つ哀切な人間ドラマへと見事に昇華されている。素晴らしいとしか言いようがない。人間は誰もが“恥(シェイム)”を抱えた愚かしい生き物、それでも人は幸せを求めて必死に生きてゆく。そんな当たり前のことをあらためて教えてくれる、美しい作品でありました。
[DVD(字幕)] 8点(2015-01-09 00:51:18)
18.  白いリボン 《ネタバレ》 
第一次大戦前夜、ドイツ郊外にある平凡な田舎町。地主である横柄で嫌味たらしい男爵のもと、村人たちは日夜野良仕事に従事していた。ある日、そんな彼らの一見平凡に見える日常を不穏な出来事が襲い始める。木の幹に巡らせた針金によって村唯一の医者が馬から滑落し、小作農の妻が事故死し、復讐心から彼女の息子がキャベツ畑を無茶苦茶にする。そして、とうとう男爵の幼い息子が暴行されて磔の状態で発見されるという大事件まで発生してしまうのだった。激怒する男爵やおののく村人たちの間に次第に相互不信や悪意が侵食しはじめ、やがて更なる悲劇が村を襲う――。誰もが目を背けたくなるような、人間の悪意や理不尽な現実を圧倒的な負のエネルギーで映像化してきたミヒャエル・ハネケ監督らしい、そんな村人たちの隠された悪意や暴力衝動を美しいモノクロ映像で淡々と描き出すカンヌ映画祭グランプリ受賞作。ずっと僕とは感性が合わないと敬遠してきたハネケ監督の代表作で、しかも2時間20分もあるモノクロ作品ということで、あんまり期待せずに観始めたのだけど、予想外に良い映画でしたね、これ。中盤までは、あまりにも淡々と続くストーリー展開と誰が誰だか分かりにくい登場人物が織り成す複雑な人間関係に辟易していたのですが、どんどんと平穏だった村を侵食しはじめるそんな不穏な空気がモノクロ映像とばっちり嵌ってきて、最後は「なんて深く美しい映画なんだろう」と素直に感動です。男爵も医師も村人たちも、そして無垢だと思われていた子供たちも、それぞれに鬱屈した心を抱え込み、そんな誰かの暴力衝動がやがて酷い悲劇に繋がってゆくのに、その真相は誰にも分からない…。そんな第一次大戦前夜のドイツを覆っていたであろう暗い雰囲気を小さな村の中に象徴的に描き出すことに成功しています。第一次大戦敗北→屈辱的な国家賠償→社会の不安定化→ナチズムの台頭→日独伊同盟→第二次大戦勃発→そして、悲劇的なホロコースト…。誰も全体像を把握できないまま、何かとても悲惨な出来事が起こっていることを誰も正面から認識せずにそんなかつてない悲劇へと突き進んでいったドイツの、萌芽と呼ぶべきものがここにはある。正直、もう一度観るにはかなりのエネルギーがいりますが、淫靡で不穏な美しさに満ちたなかなかの良作。
[DVD(字幕)] 8点(2014-04-15 19:48:44)
19.  ショーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
何をやってもうまくいかない冴えない男、ショーン。幼馴染みで同居人のこれまたどうしようもない駄目男エドのことが原因で彼女にフラれてしまった彼は、とことん大酒喰らって憂さ晴らしすることに。しかし、翌朝酷い二日酔いで目覚めてみると、いろいろあって街はゾンビで溢れ返っていた!未練たらたらのショーンは、すぐさま元カノを助けに行き近くに住む母親も救いみんなで行き付けのパブへと逃げ込んで襲いくるゾンビどもを撃退しビール飲みながら誰かが助けに来てくれるの待つという完璧な計画(?)を立てると、一緒に飲んでいたポンコツ人間エドと共に決死の覚悟で家を飛び出すのだった!いやー、良いですね、これ。久々におれの好みと見事に合致した、とことん馬鹿馬鹿しい映画と出合ってしまいました。ゾンビが次第に侵食して街がどんどん危機的状況に追い込まれていくのに、それに全く気付かないショーンの鈍感っぷりと、どこまでもお馬鹿なのだけどなんか憎めないエドとの呑気な遣り取りがめちゃツボでした。全編に散りばめられたくだらない(褒め言葉!)ギャグの数々もいちいち笑えます。大量のゾンビの群れのなかを、ゾンビのふりして遣り過ごしちゃうって、おい!そんな徹底的にコメディかと思いきや、後半、パブに辿り着いた登場人物たち各々に細やかな設定が創り込まれていて人間ドラマとしても意外に見応えありました。結局、パブに行かなければ全員助かってたじゃん!というブラックなオチ(ミストにも通じる?笑)とかもナイス!うん、面白かったっす!もっと早く観れば良かったなー。
[DVD(字幕)] 8点(2014-01-21 08:48:46)(良:1票)
20.  ジャンゴ 繋がれざる者 《ネタバレ》 
ジャンゴ!何処にでもいる黒人奴隷としてテキサスの荒野で野垂れ死にする運命にあった彼が、神のいたずらか謎の歯科医に拾われ、そして賞金稼ぎとして生まれ変わると、愛する女を取り戻すため、ひたすら悪人共をガンガン撃ち殺していくのだった!もういかにもタランティーノらしい、下品で猥雑で馬鹿馬鹿しいのだけど、それでも最高に面白くて最高に楽しいスーパークールなエンタメ映画でありました。前作の「イングロリアス・バスターズ」が個人的にあんまりハマらなかったのだけど、今回は見事にばっちりハマっちゃったよー、これ。2時間40分という長い作品で、しかもかなり単純明快なお話なのに最後までテンション下げることなく一気に見せ切るところはさすがっす!特にディカプリオとサミュエル・L・ジャクソンのもう余裕で楽しんで演じているだろうイカレキャラっぷりがツボでした。最後に満を持して(笑)出てきたタラちゃんが潔く爆死したトコなんかサイコーだぜ!もう一回、見ーよぉっと。
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-22 18:00:24)
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