81. ダーリンは外国人
他人同士が暮らしを共にするというのは人種関わらずギャップがあります。そこに文化の違いが加わる本作。肝心の異文化ギャップの部分でもっと楽しませてもらいたかったですね。家事にいそしむ以外に仕事しているトニーの姿も見たかったです。日本人にも今時なかなか見かけない穏やかな彼が醸し出す空気に、心穏やかに鑑賞できるこじんまりとした小品。 [DVD(邦画)] 5点(2011-11-05 14:56:05) |
82. 丹下左膳餘話 百萬兩の壺
完璧な脚本と演出と展開でもって、左膳、お藤、安吉、源三郎、萩野の味わい深い面々が織りなす人情時代劇に、爆笑し、苦笑し、ホロリとし、ハラハラし、これ以上ない心地良さに感動し通しでした。痛快無比の大傑作に出会えた事にも感激しています。 [DVD(邦画)] 10点(2011-10-25 20:41:43)(良:2票) |
83. ダーク・ブルー
戦闘シーンの際のハッとする美しい雲、空、大地、海。美しければ美しい程にそこで繰り広げられる行為の愚かさが浮き彫りになります。人を裏切り傷つけ、人と国家に裏切られ傷つく。そうやって授かった時を過ごしてゆく。静かな語り口が心に沁みる作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2011-08-15 21:51:56) |
84. 007/美しき獲物たち
《ネタバレ》 初見。ユア・アイズ・オンリーを超える私的 best of 007。一片の情を持たぬゾーリンと、持っていたメイデイ。悪役好きの私のツボをこれでもかと刺激してくれたシリーズ最上の悪役に惚れ惚れしました。見どころたっぷりのアクション(スタントであろうが何だろうが)シーナ・イーストンと甲乙つけ難い主題歌。ロジャー・ムーアのボンド引退の花道を飾ってあげたいという皆の思いが察せられた作品です。 [地上波(吹替)] 8点(2011-06-25 18:52:58) |
85. 007/死ぬのは奴らだ
シリーズならではの魅力を何一つ感じない愚作 [地上波(吹替)] 3点(2011-06-04 19:28:14) |
86. 007/ゴールドフィンガー
ハロルド坂田と金粉まみれの死体と主題歌が記憶に残る本作。観直してみて、つっこみどころ満載の展開ながら、後の作品でエスカレートしてゆく、白けてしまう人間離れした活躍を思うと、作品全体のまったり感もまた良しといったところです。そして、ハロルド坂田演ずるオッドジョブがシリーズ屈指の悪役である事を再認識しました。 [地上波(吹替)] 6点(2011-01-16 12:41:04) |
87. ターミネーター3
2>1>3。2で止めておくべきでした。 [DVD(字幕)] 4点(2010-11-08 22:10:29) |
88. 007/トゥモロー・ネバー・ダイ
線が細いながらも、偏執狂的な雰囲気が漂うジョナサン・プライスに3点。彼に揶揄されていたカンフー・お姉ちゃんのミシェル・ヨーは、何一つとして魅力を感じないボンドガールとして記憶に残っています。 [ビデオ(字幕)] 3点(2010-05-02 15:20:26) |
89. 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ
ロバート・カーライル演ずるレナードがしょぼい中年オヤジにしか見えないのが致命的であり、エレクトラ、Mも中途半端な役どころで物語が盛り上がりません。ただ、エレクトラを制裁するボンドの姿から、「慰めの報酬」「カジノロワイヤル」の駆け出し諜報員から積み重ねた年期を感じられたところに2点上乗せとします。 [DVD(字幕)] 5点(2009-12-21 21:25:54) |
90. 007/ムーンレイカー
《ネタバレ》 徹夜明け、眠気覚ましに観ていると、殆どのシーンに、「そういえば、あったよ、あった、このシーン」と記憶が甦り、観終わった後に当時映画館で観た事を思い出しました。アクションは破壊っぷりがアッパレだったガラス博物館シーンを筆頭に楽しいものですがハラハラもワクワクもしない。このぬるさが作品全体としての記憶が残らなかった原因で、ジョーズが好々爺になっちゃったのがぬるさの決定的な要因となっています。 [DVD(字幕)] 4点(2009-11-26 11:16:48) |
91. 007/ダイ・アナザー・デイ
《ネタバレ》 長期間捕虜になったボンドがロン毛になっただけでピンピンしているのですから、ストーリーなどハナからどうでも良いのです。ドッカン・バッタンのアクションと数々のお笑いグッズを気楽に楽しめるのですが、少年のようなハル・ベリーには興醒め。ボンドガールは重要な部分なのでミスキャストは痛いです。 [DVD(字幕)] 5点(2009-11-18 00:12:12) |
92. 007/私を愛したスパイ
シリーズではユア・アイズ・オンリーに次いで好きな主題歌と作品です。当時憧れた要塞アトランティスは今観ても色褪せず、「男は黙って」「飄々として」任務に励み生き残るジョーズには当時以上に魅力を感じました。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-15 18:05:31) |
93. 大脱走
《ネタバレ》 冒頭のテーマ曲に家族3人でテレビ鑑賞した子供時分の光景が甦りました。 「腐った卵を集めている収容所」に不似合いに漂うヒューマンな空気の中、エンターテイメント性を前面に押し出した脱走劇に釘付けです。逃げ切れた者3名という厳しい現実にほろ苦さを味わい、ラストのヒルツと収容所長の会話に命があることのありがたみを感じ、独房のボールの響きに「自暴自棄になるんじゃない」との激励を聞きました。キラ星の如き男優陣の中で偽造屋を演ずるドナルド・プレザンスがマックィーンと共に一際輝いていました。 【2023.5.25追記】 午前十時の映画祭 ♪ターンタンタタタンターン タタン タカタカタタタン タンタンタカタカタン で早くも感無量。 クレジットの HANNES MESSEMER に「昨日観たばかりやないの、この人が所長やったんか~」 ドイツ空軍をナチスと一緒にするなと言わんばかりの姿にやはり惚れ惚れ。歴史的名作に相応しい名演でありました。+1点 トイレ休憩を挟んでのあっという間の3時間大満足のひとときでありました。 [映画館(字幕)] 9点(2009-11-03 23:48:47) |
94. タワーリング・インフェルノ
《ネタバレ》 子供時分に何度も観たのですが、マックィーンとニューマンの出演、非常階段の扉が開かない、娘婿がカゴもろとも落ちた、以外は忘れてしまっています。灼熱地獄の中で、筋金入りの仕事人のオーラが滲み出ているマックィーンに釘付けで、ニューマンは格下感が否めません。この生が保証されている両雄以外の面々の生還の成否に手に汗握りました。悲喜交々の中にあって、地位を振りかざさない市長同様、皆の為に尽くしたロバート・ボーン演ずる上院議員がよりにもよってあの馬鹿野郎と一緒に落下していったのには呆然となりました。一方、ちゃっかり生還したオーナーへの腹立たしさを針のムシロの日々を思い浮かべて紛らわせました。名前の分からない人々も含め個々の生死の紙一重の部分の見応えは年月を経ても色褪せないものでした。 2023.7.23 追記 午前十時の映画祭 にて鑑賞。 フレッド・アステア スクリーン初体験に感激。白髪シワシワでも一分の隙のない出で立ちに惚れ惚れ。+1点、 彼との淡い恋心を見せる貴婦人が私の嫌いなジェニファー・ジョーンズだったのに仰天。 数多の名優が集う中で今回MIPはリチャード・チェンバレン。鑑賞歴中屈指の胸糞キャラは何も喋らなくても邪悪さが滲む顔に血圧上がりまくり。 あっという間の2時間45分、名作を堪能させて貰えました。 [映画館(字幕)] 8点(2009-10-12 03:20:24) |
95. ダーティハリー
「法で裁けぬなら俺が裁く」豪腕刑事ものではピカイチの作品。自らに課した一線を越えてしまった裁きに責任を取ってバッジを投げ捨てるラストにハリーの誇り高さを見ました。クールな彼の歯止めを効かなくさせたさそりは映画史上空前の悪人。「俺には弁護士を呼ぶ権利があるんだぁ・・」「漕げ漕げ漕げよボート漕げよ♪・・・」は忘れようにも忘れられません。 [地上波(吹替)] 7点(2009-09-26 17:32:18)(良:2票) |
96. ダイ・ハード4.0
むやみに町を混乱させているだけで恐ろしさのない小悪党な犯人グループ。全くの役立たずな当局。不死身のマクレーン。三者の絡みは、殺るか殺られるかの張り詰めた緊張感、殺られないために振り絞る知恵の感じられぬ、ただただ町や建物や人を破壊しまくるだけで怪獣映画を観ているようでした。同じ人物が演じているマクレーン。自身の風貌や成長した娘に時の流れを見ますが、それ以外で彼の年輪を見せて欲しかったです。固いこと抜きでアクションをお楽しみという点ではボスのあまりにも貧弱な最期がダメでした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-29 18:02:22)(良:1票) |
97. 太陽がいっぱい
《ネタバレ》 本作をたまたまテレビ鑑賞したことがきっかけで映画の世界に引き入れられ、アラン・ドロンに中学生になるまで夢中になりました。約40年を経ての鑑賞です。当時は理解できなかった「太陽がいっぱいだ」という一言から満ち足りた表情で電話の呼び出しに向かうラストシーン。夢と命の終焉を告げる音楽はやはり切ない響きがありますが、「願いが成就した時が終わりであること」の幸福さを感じました。陽の光を浴びたいという狂おしい程の一念を青い瞳に宿したアラン・ドロンは今観ても一世一代の名演技でした。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-10 23:57:07) |
98. 007/慰めの報酬
前作の終了直後の設定と言う事なので、駆け出しのままの007です。私怨を抱くなとのMの言葉が耳に入らないのは当然なのでしょう。派手なアクションは洗練されていない粗野な感じが良く出ていましたが、大掛かりな陰謀の幾つかで意味不明な点があり、今ひとつ面白さに欠けました。風貌からポランスキー監督が思い浮かんだグリーンは、今後の作品を考え、敢えて線が細い悪党としたような気がしました。 [映画館(字幕)] 6点(2009-02-01 22:49:33) |
99. 大河の一滴
「負けた事を何故喜ぶのですか」という印象深いニコライの言葉。敗北感、挫折感、喪失感をどのように受け止め、それらとどのように向き合って生きるのかを考えさせられます。父の言う「信念を持って生きよ」とは一つの負けにこだわって生涯という本質を見失ってはならない事だと私は受け止めます。もう一つ考えさせられたのが、父が娘に戦争時に感じたこと、文学の道を諦めた時の心境を語った事で、5年前に父を亡くした私は父の感じたこと、考えたことを何も知らぬ事に痛恨の思いがします。本作よりも良いと評される原作を読んでみます。 [DVD(邦画)] 6点(2008-04-05 22:49:40) |
100. 魂萌え!
肉体的に下り坂となる年齢にあっても精神まで転がり落ちまいとする主人公に共感は持てますが、胸に迫ってくる程ではありませんでした。夫を始めとする男性陣が、本性を徐々に顕わにする愛人やホテルの御婆さんに比べ、個性に乏しく情けないキャラクターだったせいでしょう。また「家具のようだ」と思う妻にかける「ありがとう」の一言に、一生かかってもパートナーの心の奥底までは解り得ない事を思い知らされます。 [DVD(邦画)] 5点(2008-01-05 15:01:42) |