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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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21.  D坂の殺人事件(1998)
D坂の殺人事件、というタイトルながら、実際は後半を「心理試験」が占めていて、確かにストーリー上は繋がっているとは言え印象としては全く前後半の繋がりが感じられない、不思議な作品。ただのヘンタイ映画(?)だったはずなのに、犯人が何の前触れもなく唐突に知能犯に化けてしまいます。 劇中のセリフに「フェティシズム」という言葉が出てきますが、本作はまさにそれ、そのもの。緊縛シーン(私も自分自身、結構なヘンタイだと思ってるけど、緊縛の何がイイのかは未だにわからず、修行不足を痛感)に限らず、真田広之が贋作を作製してゆく細かい描写そのものが、いかにもフェティッシュなものを感じさせます。 音楽は作曲界のダジャレ帝王・イケベ先生。スケベではありません(←本人が言う前に手を打ってみました)。使用されている楽器は、オンド・マルトノでしょうか。妖しげな音色がこれまたヘンタイチックに映画を彩っていて。 エロいシーンがそんなに多い訳でもないはず、なんですが、作品のいびつさ自体にヘンタイ性が感じられる、実にヘンタイな映画でした。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-07-11 10:03:10)
22.  鉄砲玉の美学 《ネタバレ》 
とある関西の暴力団が九州進出を狙うにあたって、チャカと100万円を持たせた若造一匹、宮崎に送り込む。若造はどうせ現地の暴力団とトラブル起こして殺されるから、それを口実に組織として九州に乗り込もう、という寸法。そこで白羽の矢が立ったのが、テキ屋でインチキ商売している、渡瀬恒彦。 作中では、彼が宮崎でグダグダな生活を送る様が描かれていて、普通のヤクザ映画のような派手な抗争はありません。早口の関西弁をまくし立て、時に狂犬のような表情を顕わにしつつも、散財しながら気儘な日々を送る彼。 そんな彼の日常の裏で、組織は組織の論理で動いており、何も知らない彼は気がついたら追い詰められた存在となっていて。 せっかくの拳銃も出番がないまま、結局はロクな使い方をせず、自らの破滅への引き金を引く事になってしまう。 タイトルは「鉄砲玉の美学」ですが、これは一種の皮肉なのか、鉄砲玉は鉄砲玉として死んでみせて初めて存在価値が出る。鉄砲玉が帰ってくることなど許されない。 鉄砲玉になりきれなかった、しがないチンピラのお話でした。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-04 10:22:39)
23.  デス・ウィッシュ
ポール・カージーと言えば昔はヒゲオヤジだったけど、今作ではハゲオヤジ。まあこの際、どっちでもよろしい。 今だにこんな、銃こそが犯罪から身を守る一番の手段、みたいなノリで映画を作っちゃうのは、さすがに問題アリとは思うんですけどね。銃規制に賛成しないのはケシカラン、なんて言うつもりはない(つもり)ですけど、さすがにこの微妙さを孕むテーマがこの程度の扱いでは、あまりに浅すぎると言わざるを得ません。 しかし逆に、この浅さは、確信犯的なもののようにも思えます。私はその点で議論するつもりはありません、ただ、あのアホらしくも懐かしいデス・ウィッシュシリーズの世界を、そのまま今の語法で新たに蘇らせただけです、ってな感じ。 実際、映画の話をするのに過剰にモラルを持ち込むと、大体話がおかしくなるわけで。ここで描かれてるのは例えば、侵入し迫ってくる、敵の恐怖。こういったところは、ホラー映画の語法で、畳みかけてきます。あるいは迫力ある銃撃戦。よく映画で「一体何発撃たれたら死ぬんだよ」という場面を見かけますが、この映画ではちゃんと銃は破壊力を持って相手を打ち倒し、倒されなかったとしてもその威力は治療の細かい描写で示される。 コレ、もしシリーズごと順次リメイクしていったらそのうち間違いなくロクでもないことになりますが、この作品に関する限り、抑えるところは抑えつつ見どころもしっかり用意して、リメイクとして割と成功している部類なんじゃないかな、と。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-13 13:17:18)
24.  デビッド・クローネンバーグのシーバース
寄生生物モノ。なんかブヨブヨした気持ち悪い生物が人間に寄生する。 で、普通なら寄生されて精神を乗っ取られるとか、体の中で増殖するとか、という展開になるところだろうけれど、そこはクローネンバーグ、一筋縄ではいかない。 強いて言うなら、寄生されると「ヘンタイになる」って感じですかね。いや俺は寄生されてないけどヘンタイだよ、という人も多数いらっしゃるとは思いますが、そんなアナタよりももう少しだけ、ヘンタイになってしまいます。 だからこの映画、パニック映画の語法とはちょっと違う。寄生が広がりヘンタイが広がる過程、というのは確かに、一応は押さえているのだけど、テイストはむしろ、後の『ヴィデオドローム』などを思い起こさせるような、キモチ悪さ。悪夢的世界。 低予算らしい安っぽさはあるとは言え、腹の中や口の中で寄生生物がうごめく描写は、なかなかのもの。 パニックが拡がるというより、もっと受け身のまま、キモチ悪さだけが拡がっていく。ああ、実にキモチ悪い。 とは言え、最もヘンタイ的でキモチ悪いのが、冒頭の少女殺害シーンであるという皮肉。結局、寄生生物がヘンタイなのか、人間そのものがヘンタイだから寄生されるのか。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-05-15 19:08:31)
25.  テキーラ・サンライズ
メル・ギブソンが小悪党でカート・ラッセルが麻薬捜査官、立場は逆なれど、友人同士。そこに小悪魔チックなミシェル・ファイファーが現れて、ちょっとした三角関係。 という、ほぼ、それ以上でもそれ以下でもない映画で、終盤を除くとあまり波乱もなく、そもそもこのマッタリした映画には、彼らの三角関係があれば充分、それ以上の波乱などない方がいいでしょ、という作品。 いや、もう少しくらいは事件を起こしてくれても、私は結構なんですけど。いずれにせよ、そのマッタリ感こそが本作の特徴。 その流れの流れで、三人とも瞳が青いんだなあ、などと妙なところが印象に残ったりします。 あと、ラウル・ジュリアが妙にデカいなあ、とか。 これまた、蚊帳の外での独り相撲みたいで妙に気の毒になってくるのが、J・T・ウォルシュ。 なにがどう、という訳ではないのですが、そういったちょっとした「妙な」引っかかりを残しながら、映画には独特の雰囲気が漂い続けます。 ちょっと炊き過ぎた感のあるスモークも、映画に漂いまくってます。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-11 22:31:19)
26.  天国は待ってくれる(1943)
金持ちの考えることはよくワカラン、というか。上流階級の好色オヤジの一代記。別にエロい作品ではありませんが。 さまざまな調度に彩られた大邸宅のセットが、お見事。物語自体は、何ちゅうこともないのですが、飄々と我が道を行く主人公と、なにかとワリを食う羽目になる従兄弟との関係が、オモシロい。 この主人公、色々と罪深いところもあるけれど、片っ端から女性に手を出している訳ではなく、基本には常に奥さんとの関係があって。そこが、地獄に落ちるドン・ジョヴァンニと違うところ。 冒頭、あの世に行った主人公が天国に行くのか地獄に行くのか、というところから始まって、そこにやってきた知り合いのオバチャンが、昔は脚線美を誇ったものよ、と現在の大根足を見せたとたん、床に穴が開いて地獄に突き落とされる。なんだ、これではまるでスペクターの基地ではないか(スペクターはこれをパクったのか?)と思っちゃうのだけど、床の穴が開いた途端に煙が噴き出す芸の細かさ。スペクターはこういう部分こそ、見倣って欲しいもの。 そこから物語は主人公の生前に移り、それなりにアホらしい人生が描かれるのだけど、最後はやっぱりシンミリしてしまう。ジジイになってもエロいことはエロいんだけど、その背景には、過ぎ去って二度と戻らぬ青春の日々、ってのがあって。人生最後まで笑って暮らし、でもそのどこかには、泣き笑いがある。 ところで、地獄に落ちたら、ベートーヴェン、バッハ、モーツァルトの音楽とはオサラバ、だそうですが、本当にこの3人は無事に天国に行けたのだろうか。三者三様、それぞれ脛に傷を持たない訳でもなく・・・
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-12-31 09:56:30)
27.  ディレイルド/暴走超特急
ヒドいヒドいとは聞いていましたが、しかしもうこれ以上、模型だからといってイジメてはいけないそうなので↓(笑)、とりあえずホメておくことにすると、最初っっっっから最後まで、ひたすらアタマ悪そうだったヴァンダムが、最後の最後に矛盾点を指摘して真相を喝破してみせる、これがスバラシイ。観てる我々だって、この時点では辻褄だの何だのはもう、どうでもよくなってる訳で、それをヴァンダムに指摘される、ってのがとても新鮮でした、ハイ。 出発前のブラチスラバの駅のシーン、ちゃんと駅らしい雰囲気が出ていて、良。ここだけは、K・ブラナーの『オリエント急行~』に勝ってると思いますよ。ここだけですけど。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2020-11-29 12:44:51)
28.  テキサス
このテの役を演じさせるんなら、アラン・ドロンじゃなくってやっぱりジュリアーノ・ジェンマだろう、と思っちゃうのですが、きっと、ジェンマはマカロニで忙しかったんでしょう。アラン・ドロンがヒマだった訳でもないとは思うけど。 でも、暇つぶしに出演したんじゃないか、と言いたくなるくらい(あるいは、これこそジェンマにうってつけの作品だと言いたくなるくらい)、テキトーな映画です。 だから、見始めてしばらくは、こらアカンのちゃうか、とか思ってたんですけどね。 それがもう、見てるうちに、すっかりハマってしまって。いや、面白いんだこれが(笑)。 なにせ、展開が早いというか展開がデタラメというか、5分後にはオハナシがどうなっているかわからない、5分前にはオハナシがどうだったか思い出せない、という状況。 エロいとまでは言わないけれど、多少はお色気も散りばめていて、先住民の娘の着ている先住民服が、もう完全に、太腿の横にスリットが入りまくったチャイナドレス状態。こんなの、アリかよ。もちろん、アリです!? ディーン・マーチンとの噛み合わないコンビぶり、本当にどうでもいい四角関係、我々も負けてはならぬとウケ狙いに走るコマンチ族。ここまでデタラメでホントにいいのか?と思ってたら、まさかまさかのズバリと決まるラストのオチに、意表を突かれて。 いや、参りました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-11-02 20:25:56)
29.  TENET テネット 《ネタバレ》 
「人が食事をしているシーン」を逆再生すると何だかグロテスクな光景になるけれど、それではすでに充分グロテスクな「人が排泄しているシーン」を逆再生すると逆にグロテスクではなくなるのか、というとそんな事はなくって、おそらく数倍グロテスクになっちゃうのであろう。これは大変不思議なコトだ。と一瞬思ったけど実はそんな事もなくって、要するにウンコとはそういうものなんだ。 ってな事はこの映画とは何の関係もないけれど、アクションシーンを単純に逆再生にしただけで、そこそこ面白いシーンに化ける、というのが意外な盲点で、それを大真面目に全面的に取り上げた、ありそうで無かったタイプの作品、と言えるかとは思います。 ただ、これはもう誰もが感じる通り、ストーリーの提示の仕方は、不必要なまでにゴチャゴチャしてます。最後まで観たら、正直、そんな大したオハナシではなかった、という気もするのですが。物語の収束点が予想以上にショボい。 ゴチャゴチャしてる中に、さらに謎の逆再生アクションシーンが挿入されると、もはや何が何やら、という事になりかねないけれど、後半、主人公自身が時間の逆行に身を投じることで、謎のシーンだったものの背景が解き明かされていく。というシステムなワケですが、過去の「?」なシーンに対する納得感とそれに伴うワクワク感、で言うなら、例えば『カメラを止めるな!』などの方がよほど成功していると思います。本作は、後半、いくらオハナシを単純化しても、最後までゴチャゴチャしてて野暮ったい。 「反物質は時間を逆行しており、物質とぶつかると対消滅する」などというブルーバックス的なネタも取り入れられているけれど、特にサスペンスにはつながらず、大した効果を上げていないし。 とは言え、まあ、逆再生というバカバカしくも魅力的な映像を武器にしつつ、こうやって多少イライラさせるようなものを我々にぶつけてくる、というのも、貴重と言えば貴重。しかも新型コロナウィルスの影響で大作の延期が続く中での公開。心意気だけは買いたいですね(←映画自体は買わくていいのか?) 冒頭のコンサート会場のシーンで、オーケストラがチューニングらしからぬ音を立てていて、不安を誘う一種のBGMのような効果を上げています。それ以外の音楽は、何だか、ヘンだったけど。
[映画館(字幕)] 6点(2020-09-20 04:55:11)
30.  鉄男 THE BULLET MAN
過去の2作品では、主演の田口トモロヲさんが平凡な小市民のイメージを漂わせて、その日常が非人間的な鉄のイメージに侵食されていく、といった印象がありましたが、今回は日本に住む外国人が主人公。その点では「平凡な日常」という前提はあまり明確ではなく、実際、鉄に侵食されるというよりは、もともと「鉄のイメージ」が主人公の中に潜んでいて、それがある事件をキッカケに、外部へと噴出してくる。3作品すべてが「破壊」というテーマに繋がっているけど、その意味では今回の作品がもっとも、「戦争」というものが意識されているような。ただ一方的に我々の日常を奪い去り、一方的に我々を巻き込む、というのではなく、我々自身が内部に抱え、キッカケがあればそれが一気に爆発しかねない破壊衝動としての「戦争」。今回の敵役もいわば、主人公に自分を斃すようにけしかけ、破壊へと導くためにこそ、存在していて。 自分から離れた子供と現れた謎の車を見やる主人公の視線・不穏な空気とか、素材のゴツゴツ感を活かしまくった異様なメーキャップとか、鉄男シリーズらしさが楽しめはするのですが、バトルシーンは、これはさすがにカメラの揺らし過ぎ、では。 とは言え、この悪夢のごとき映像の数々、やっぱり、クセになります。
[DVD(邦画)] 7点(2020-07-26 12:11:27)
31.  デッド・リミット(1999)
ピーター・ウェラーとトム・ベレンジャーなんて、なーんにも接点が無さそうですが、かつて、『新・明日に向って撃て!』で接点があったりなんかして。あれから20年、ふたりともすっかり大物になった、と言ってよいのかどうか、微妙な立ち位置で、こうやって安っぽい映画でバッタリ出会う気持ちってのは、どんなもんなんですかねえ。大きなお世話ですが。 大使館がテロリストに占拠され、主人公が単身、敵に立ち向かう、とくればいかにもダイ・ハードの劣化コピーっぽく、しかもその主人公がピーター・ウェラーと来れば、およそ劣化の進み具合も見当がつく、というものですが、そういう諦めの境地に立ってみると、これが意外に面白いんです。そもそも、あの「お便所エレベーター」のシーンのバカバカしさからして、なかなかセンスが光っておりますが、孤軍奮闘するはずの主人公はまるで奮闘せず、濡れ雑巾を被ってすまし顔。ダリル・ハンナの存在感にも押され気味です。これじゃあラチがアカンわい、と、映画盛り上げのために中盤からトム・ベレンジャーを投入して戦力補強。ってんだから、もはやダイ・ハードとは完全に別路線。劣化コピーと思わせたこと自体が意識的なミスディレクションだったのではないか、とすら思えてきます。 建物のアチコチには何ともアホらしい仕掛けが色々とあって、さすがは大使館だわい、などと誤った感心をしつつ、終盤にはちょびっとだけ意外な展開に、ちょびっとだけニヤリとさせられたりもして。 大勢の死者が出る悲惨な事件のハズなんですが、妙にほのぼのしています。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-05-12 21:31:10)
32.  デアデビル
有毒廃棄物を浴びただけで滅法強くなってしまう、という悪魔の毒々モンスターみたいなシステム。いや、一応トレーニングで強くなった、らしいんだけど、どうみても、主人公が苦労して強くなったような印象は皆無です。一方で視覚を失う、というハンディキャップを背負っている、らしいんだけど、いやコレ、「見えてる」でしょう。視覚を失ったハンディとか、その分、他の感覚が研ぎ澄まされて広がった新しい世界だとか、そういったものは、あくまで本人が言っているだけで、作品からは何も感じられません。 座頭市には周囲の人間とは異なる座頭市独特の動きがあって、独自の世界を作り上げている。特異なキャラであるはずの本作の主人公に対して、同じように奇抜な格好をして同じように格闘してみせる“エレクトラ”の登場は、マイナスでしかないと思うんですけどね。 ただ、そうは言っても、映画最初の方で、「デアデビルが高所から飛び降りる姿を、着地点の水たまりの反射で捉えた」シーンがあってこれが何ともカッチョよく、こういうシーンをじゃんじゃん連発してくれることを期待しちゃうんですけどね。だけどこれが、続かない。マトリックスみたいな顔でマトリックスみたいな動きをしてみせるのはご愛敬だとしても、やたら細切れで見にくい格闘シーンが続くばかりで、いささか面白味に欠けます。 敵役もコリン・ファレル演じるブルズアイは、何が売りのキャラなのかよくわからず、唯一目を引くのはマイケル・クラーク・ダンカンの超ムキムキぶり。これは確かにスゴイ(でも、これだけムキムキなら、もっと強いかと思ったけどナー)。 という訳で、無事、シリーズ化されることもなく、ベン・アフレックは後にバットマンとして生まれかわり、何だかそれって、覆面レスラーがライバル団体に移籍して別のマスク被ってリングに上がるみたいな不義理、のような気もしないではないですけど。ま、いいんですよね、きっと。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-04-30 20:39:21)
33.  デューン/砂の惑星(1984)
80年代のデヴィッド・リンチというと、イレイザーヘッドとは似ても似つかぬ「エレファント・マン」で誤って注目されてしまい、この「砂の惑星」で大コケしてホサれるも、「ブルーベルベット」でようやく本来の姿に戻って持ち直した、ってな印象だったんですけれど、ブルーベルベットは2年後ですから、別にホサれた訳でもなかったんですかね。 いずれにせよ、こんな企画を彼に、渡す方が悪いと思うんですけどね、とにかく、語り草になりうる珍品には仕上がりました。多額の製作費を湯水のようにバラ撒きながら、趣味の悪さとワケのわからなさで独自路線を突き進む、というか、我々を置いてきぼりにする、この作風。こういうのはテリー・ギリアムにしか許されないもんだと思うんですけどね(←別に誰も許してないって?)。 最初の方に出てくる睾丸のバケモノみたいなヤツからして、「悪趣味に作ってやるぜ!」という意気込みが大いに感じられますが、その一方で、主役のカイル・マクラクランは、なんとも王子様チックな雰囲気。対照的と言えば対照的、場違いと言えば場違い。 で、この作品、全体的にセリフが棒読み的で、基本的にあまり感情の起伏みたいなものが感じられないんですね。むやみに挿入される淡々とした独白が、さらにその起伏の乏しさに輪をかけます。 さらに、SF活劇とは大きく異なるのが、登場人物たちの動きの少なさ。例えばハン・ソロを演じるハリソン・フォードなんて、およそムダな動きばかりしている印象があるんですけどね(あくまで印象ですよ!)。そういう意味じゃ、本作に出てくるヒトたちは誰も活躍らしい活躍をせず、それが独特の雰囲気になってます。最後の対決シーンまで、いまいち動きが悪い・・・。 などといった辺りは、本作ならではのテイストにはなっているんですけどね。 ただ、本作のもっとも珍品らしいところはやっぱり、終盤の、いかにも収集がつかなくなったような、バラバラな感じ。続編映画の冒頭に「前作のあらすじ」が置かれるかのように、本作の場合は終わりの方が「作られなかった続編のあらすじ」みたいなダイジェストっぽい構成になってて、これはさすがにお粗末と言わざるを得ません。ってか、この状態の本作を、デヴィッド・リンチ本人だってあまり褒めて欲しくないのでは。 でもあの、サンドワームを颯爽と(?)乗りこなすシーンなんて、少しフラッシュゴードン魂が注入されてる気がして、これはこれで一種の見どころ、ですな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-18 12:45:31)
34.  デトロイト 《ネタバレ》 
デトロイトの暴動事件を描いた作品だと思いきや、物語の中心となっているのは、暴動の最中に発生した警官によるリンチ殺害事件。その恐怖の一夜が、これでもかとジワジワ描かれる、なかなかホラーな作品でした。 ただやっぱり、この、「ヘタクソ風に撮影された映像は、リアルなのである」という考え方は、ちょっと馴染めないものがあって。 まあ実際、確かに臨場感みたいなものはあって、しかもこの理不尽極まりない状況、目が離せないと言えば目が離せないのですが、でもこれって、「リンチにあっている人たちがどうなっちゃうのか、この先、心配だなあ」という意味の“目が離せない”であって、映画のシーン自体が我々の目を“離さない”ってのとは、ちょいと違う気がします。だから、最後まで観終わって顛末を把握しさえすれば、(その顛末がさらに理不尽なものであったとしても)ひとまずは、ある種の安心感に落ち着いてしまう。 後半の裁判シーンなんかも、「作品を観てる伝えておかないといけない事実なので、一応描いておかないと」といった感じで、何となく蛇足気味。せっかくの感動的なラストなのに、そこに至るまでが、ちょっと間延びしてしまう 結局、警官役のヒトがとてつもなく憎たらしくて、腹立つなあ、というその一点に収束してしまうのですが(笑)、その意味では、警官役を演じたウィル・ポールターさんに座布団一枚、いや、彼のこのあまりにもスバラシイ顔立ちに、座布団三枚を差し上げたいところです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-12-08 18:48:23)
35.  鉄道員(1956) 《ネタバレ》 
頑固で酒飲みの機関車運転士とその家族の物語。例によって例のごとく、長男や長女とは折り合いが悪く、いかにもといったホームドラマですが、それでもぐいぐい引き込まれるのはやはり、登場人物たちの表情が実にうまく捉えられているからでしょう。物語は幼い次男の視点を中心に描かれますが、彼の屈託のない表情はもちろんのこと、それぞれがそれぞれの表情で、絶妙に物語を彩っています。 ホームドラマながら、一応は「鉄道」ネタなので、鉄チャンが喜びそうな走行シーンもちゃんとあって、そこに不意に発生する人身事故が、なかなかに衝撃的です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-11-10 10:24:32)
36.  天気の子
公開開始時には何も言ってなかった小学生の息子が今頃になって「見たい」と言い出したので、一緒に見に行ったのですが(むしろ当初興味を示していた娘は欠席)、映画が始まってみると、劇中に、最近息子が興味津々のオカルト雑誌『ムー』が登場(ホント、血は争えませぬ・・・)。さてはコレが息子の目当てであったかと、映画が終わって彼を問い詰めると「いや、まさか『ムー』が出てくるなんて、知らんかってん」とのこと。それだけならまだしも、続けて彼が言うには「でも、『君の名は。』にもちょっとだけ『ムー』出てきたで」。ってオイオイ、オマエはいつからそんなムー的都市伝説を語るようになったんだ? ⇒でもこれは事実なんです、ハイ。『君の名は。』にも、床に伏せて置かれた『ムー』誌が、一瞬だけ登場します。息子曰く、「見てたらたまたま見つけた」とのこと。トホホ。 前置き長くなりましたスミマセン。それにしても、前作に続いてまた、心をチクチクと刺すような映画を作ってきますねえ。災害にあうことなく生き続ける者たちは、災害にあって死んいった人々に対し、何ができるのか、同情だけはしつつも結局は忘れ去って日常を送るだけじゃないのか、という問いを前作では突きつけられたように感じたのですが、本作ではさらにストレートに、我々の原罪を糾弾しているかのようです。「今の我々のぬるま湯のような生活は、不公平の上に成り立ってるんじゃないのか、誰かの犠牲の上になりたっているんじゃないのか、それをみんな分かっていながらノホホンと分かってないフリをしてるんじゃないか」という、痛烈な問い。突き刺さるなあ。 作品は例によってスピード感があり、これは、間を省略したような断片的なシーンを積み重ねる構成によるもので、「もうちょっと間をとってじっくり描くシーンも見たいなあ」と感じなくもないんですけどね。でも、このやや軽い語り口であっても、登場人物たちを印象的に描くことでちゃんと物語を盛り上げていくし、クライマックスの主人公が走るシーンへと繋がっていくのが、いいんですねえ。ここはあくまで、走り「続ける」。その姿の持つ魅力。 舞台となっているのが、雨が降り続く東京の街。異常気象ってのは、騒ぎすぎるのもどうかと思いつつもやはり、我々にとって昨今の大きな不安となっていることは事実。その中で、雨、水、といったものがアニメーションの中で巧みに取り入れられていて(「風」はあまり出てこない作品ですが)、印象に残ります。その雨の中のネオンサイン、あるいは雲が切れて太陽が顔を出す、光の描写もまた印象的。一方、日が差さない「暗さ」をアニメでどう描くか、ってのは、少し難しいところがありますねえ。
[映画館(邦画)] 9点(2019-09-28 00:25:51)(良:1票)
37.  デイズ・オブ・サンダー
トニー・スコットとトム・クルーズのコンビが『トップガン』の次に選んだ題材が、カーレース。飛行機からクルマに変えただけであとは大差なし、おいおい、ジャンボーグAの次はジャンボーグ9かよ、と言いたくなった方も多数おられたかと思いますが(私も当時そう思った)。 しかも「今回もやっぱり、バイクにも乗っておきたいよね」ってんだから、やりたい放題。でも確かにバイク姿がサマになってるのよね。 と、まあ二番煎じっぽい、ってのが第一印象としては当然あるのですが、しかし、トム・クルーズ映画には、ポール・ニューマンやダスティン・ホフマンというお目付け役がつく流れがあって(ブライアン・ブラウンもそこに入れていいか?)、本作はその流れも汲んでます。今回はロバート・デュヴァル、なので、オイシイところを持っていかれる心配は無い(笑)。後年、アウトローで再共演したのもそういう、演じる側・観る側ともに感じられる安心感ゆえ、かしらん。 だけど、そういう年長者が横につく役柄だもんで、トム・クルーズはあくまで「若造」に徹していて、現在のムダにオーラを出しまくっている壮年スターの姿と比べると、ああ、そういやカリスマ・トム・クルーズだって、昔はこういう頼りないところがあったんだよな、なんて思ったり。実際、トム・クルーズのカリスマ性って、「こんなに歳食ったのにここまで若々しいフリを貫いて見せる、なんかブキミだなあ」って感じさせるようになってから、本格的なものになったような気もいたします。 それはともかく、若々しいだけじゃなくって本当に実年齢も若いトム・クルーズが、その当時なりのスター性を映画の中で輝かせてみせ、物語の方はというとレースばかりなのであまりまとまったオハナシにはならないけれど、主人公のライバルには気の毒な目にあってもらうことで、物語の上でも主人公をスターとして輝かせてみせる。 トニー・スコットのチャカチャカした落ち着きのない映像も、本作のレースシーンなどでは良い方向に働いていて、このあたりも作品の魅力になってます。このスピード感、そしてこのメカニックな描写さえあれば、もうストーリーなんてあっても無くってもどっちでもいいてしょ、と。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-12-08 04:47:19)
38.  テレフォン
『影なき狙撃者』と同工異曲、と云やあそうかもしれなけれど、コチラは自分でもソ連のスパイだと自覚の無い連中がアメリカ国内のあちこちにいて、あるメッセージを電話で聞かされると催眠状態になり破壊活動に走る、というワケで、ドン・シーゲル監督にしてはスペクタクルな要素をもった作品になってます、とは言ってもどこか安く見えるのは、偏見かな。 いや、別に破壊シーン自体が多少安っぽく見えたって、結構。普通の母親に見えた女性が(いまいちこんなところを爆破してもしょうがなさそうな気もするのですがそれはともかく)爆破テロにいたる、その過程を克明に描いて見せる、それがまさに見どころ。爆破しちゃったらそれでオシマイなんだから、そこまでの過程をこうやってじっくりみせてこそ、スリルもサスペンスもあるってもんです。 それに本作の場合、あくまでドナルド・プレザンスという、主人公にとって倒すべき敵がちゃんといるのであって、テロに手を染めるスパイたちは消耗品に過ぎないんですね。その非情さ。 非情でタフな主人公を演じるのは我らがブロンソン。しかもものすごーい記憶力の持ち主らしいけど、ちょっとそうは見えませんね、この顔ですから(笑)。と、ちゃんと覚えてられるのか若干の不安を感じさせるのですが、そんな不安をかき消すのがブロンソンの魅力。非情でありながらユーモアをも感じさせ、相棒たる女性との関係も見逃せないものとなってきます。 そういやダーティハリー3のお姉さんも出てきてましたが、こういう脇役の皆さんも存在を主張していて、映画を彩ってます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-06 12:27:08)
39.  デンジャラス・ラン
デンゼル・ワシントンとライアン・レイノルズとのバディ・ムービーみたいな作品かと思ったら、なかなかコンビらしい関係にならないまま、それぞれ(というよりデンゼル・ワシントンが)勝手に動き回って、こういうどこにも落ち着かないまま映画が走っていく、ってのは、結構、好きな展開なんですけれども。ただ、ホントに最後まで物語が収束せず、どこにも落ち着かなかったなあ、と(最後に至って唐突に「感動的な」ラストになる、これ、いささか安直)。 あと、格闘シーンが、これ、きっと「痛みの伝わる格闘」みたいなのを目指してるんだろうなあ、と、気持ちはわかるのですが、結果的に画ヅラがゴチャゴチャしてしまう。 それなりに楽しめるんですけどねー。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2018-09-20 19:51:35)
40.  デッドコースター
世の中あちらもこちらも、殺人ピタゴラ装置だらけやね。 というワケで、危険がいっぱいの日常の中、提示される数々の「危険」のうち一体どれが致命的となるかが見どころ。ただ、これを、ちょっとやり過ぎ。後半失速して、我々もあまり驚かなければ、主人公すらもあまり驚かなくなっちゃってます。 せめて、こういう映画における「派手な死」というものは、みんなで驚いてあげてこそ、供養にもなるというもの。 とは言っても、アイデア満載の、この楽しさ。ときにバカバカしくても残酷描写とセットにすることで、アイデアが活きてきます。カメラもワンカットでスイスイ滑ってみせて、映画のスピード感を盛り上げるし、冒頭の事故シーンをコケ脅し気味に我々に叩きつけたあとで遠景にそれを再現してみせるのもウマい。 前半が良すぎたかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-13 12:15:18)
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