61. ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ
いい具合にミステリアスに進行していたのに、まさかと思っていたオチをそのままやられました。鑑賞中から、そのオチへの反証となる描写をいくつか確認できていたので、ちっとも騙された気がしない。反対に、裏切られた気分。作る側はこんなもんで良いと思ってるんですかね。いい具合だった前半を引っ張っていたのは紛れもなくダコタ・ファニングの無表情演技だったので、それを収穫にします。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2011-02-22 12:08:53) |
62. BANDAGE バンデイジ
インディーズからプロへの道を登り始めたバンドを描いた青春映画。バンドの面子は若者が中心だけど、音楽を売るためには業界のシステムや営業戦略が絡むわけで、そちらは大人の世界。その相克の中でギスギスして行くメンバーたち。監督の小林武史氏はミスチルのプロデューサーとして有名な方なので、おそらく本作が描いたバンドの姿が実像に近いのだろう。自分勝手な奴が多い。才能がある奴に限ってそう。この映画を見る限り、ロッカーにとって協調性なんかはFUCKらしい。モノを創る商売って、個人でやるのでなければそんな葛藤はつきものだけど、本作はそこに新人女性マネージャーを絡めて、バンドメンバーとの関係に多少の色を付けた映画でした。タイトルは「バンド時代」と「包帯」が掛けてあり、包帯の方は傷付けあって前に進むということらしい。それは分かりましたけど、どうも見応えがしない。映画として表現すべき核が希薄でテーマが不明瞭。北乃きいは時々、どきっとするくらいいい顔をしますね。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-02-21 00:06:42) |
63. バッドボーイズ(1995)
楽しみどころが分かりにくい作品でした。よく喋る割には手際よく進んでいると思えない捜査とか、証人を刑事の自宅で保護して危険に晒すとか。少しイラっとします。刑事の個性を楽しませようとしたのか? あんな程度でバッドボーイズなの? それならティア・レオーニを見ている方がまだ楽しめる。暫く前の作品ではあるけど、さらに10年くらいは時代を遡ったような作り方に思えました。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-02-07 21:55:36) |
64. パーフェクト ストーム
この監督の代表作である「Uボート」みたいに、悲惨な状況が報われずに終わる暗い映画。だけど嫌いじゃない。あのカジキ漁船の船員達がどのように遭難したか、実際のところは謎ですが、嵐の海を表現したかった作品と思えば、これは立派なドキュメンタリーですね。ストーリーはどうでも良いと思えるほどそちらに力点が置かれていて、私にはかなり見応えのある作品でした。壮大にうねった海は山が動いているようで、そこを上下に昇降する漁船が遊園地のアトラクションみたい。海って怖いなぁと思いました。劇場で観ていたらきっと船酔いしたことでしょう。 [DVD(字幕)] 6点(2011-02-03 14:57:05) |
65. ハドソン・ホーク
この面白くなさを表現するのは難しい。腹が立たない範囲で最大級に面白くない映画でした。出来の悪いルパンみたい。それも、ハードボイルド色が一切なくなって、馴れ合いだけに堕ちた後のルパンです。(わたくし、ルパンはTVの最初のシリーズのファンなもので…) [CS・衛星(字幕)] 2点(2011-02-02 18:31:11)(良:1票) |
66. 白痴(1951)
《ネタバレ》 原作未読、というかドストエフスキーは読んでいない、というか過去何度もチャレンジして挫折しています。そんな原作知らずの私から見ると、これはまるでSF映画でした。主人公の能力は、相手の目を見るとその人が幸福か不幸かが判ること。ニュータイプみたいだ。不幸な人を見つけると、その人の性別や富貧に関わらず感心を持つ。それは憐れみに近い感情のようだが、女性は愛情と勘違いする。それがいざこざの種になる。まるで一人の超能力者がその能力をひけらかして騒動を起こしているような風情だった。本来は、無垢な精神を持つ者が周囲の俗物から浮いてしまって不幸が起こるという話なのだろうが、先述のように観るほうがしっくりくる。主人公はタイトル通りの人には見えず、超能力者だと思ってしまうと、もううざったい奴以外の何者でもなくてイライラしました。原節子と久我美子はともに美しく、特に原節子は眼差しの迫力が怖いほどでした。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-01-05 21:13:54) |
67. 母なる証明
《ネタバレ》 無実を晴らそうとするのが母の愛なら、無実の演出に人を殺すのも母の愛、そして無実の青年に罪を着せるのも母の愛。つまり、そこに正義や道徳はありません。そんなものは、母の愛の前には二の次の論理なのである。道徳観や倫理観は人が社会を形成する際に、必要に応じて後天的に作られた価値観。それに対して「母の愛」は人が子孫を残すために備わっている本能を、行動的に類似した部分が多い「愛」で代替形容したものだと本作を見ていて思う。どちらが強いかって言ったら、そりゃ後者ってことになる。ご丁寧に「バカな子ほど可愛い」というオプションまで付けてある。その母の愛に対照させるのが息子の感情。コメディ要素だったはずの「バカな子」が、後半になると心情にベールを掛ける役割を果たす。廃品回収じいさんの焼死の真相に気付いていることを匂わせ、さらに気付いても忘れそうな記憶力の無さはサスペンス&ミステリーとして機能するが、なにより母の想いを素通りさせているような不透明さが、母を不安にさせ、母の愛を孤立させて行く。一方通行の行き着く場の無い本能的な愛。それは誰も見ていない原っぱで一人で踊る虚しさに等しい。ありふれた日常に隣接する非日常を軽々と残酷に切り取る芸当はこの監督の確固としたオリジナリティ。本作でもそれを確認させてもらいました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-04 15:00:05)(良:2票) |
68. 遥かなる大地へ
《ネタバレ》 邦題からは、もう少し「開拓」という言葉の意義を実感させるようなストーリーを想像していたんだけど、馬の駆けっこの一発勝負でした。それで望むものが手に入るのなら、なぜボストンあたりで殴り合っていたのか理解に苦しむ展開です。「土地」を得ることを遺言にした父の想いに応える大河的な物語を装いながら、中身はメロドラマ。それは別に悪くないんだけど、原題も含めてタイトルには合ってませんな。遠く外側へ向かって広がるというより、心の内側に向かって収束して行くような話でした。あの人が最後に生き返るのはミエミエだったけど、死んだまま終わるよりは良かったかな。2大俳優が若かりし頃に、がむしゃらに頑張っていたことは伝わって来ました。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-01-03 20:33:31)(良:1票) |
69. バーレスク
《ネタバレ》 MTV系を観ない自分は動いているクリスティーナ・アギレラをほとんど見たことが無かったんだけど、先日ストーンズの「シャイン・ア・ライト」にゲストで登場する彼女を見て、そのパフォーマンスに惹き付けられた。柔らかくもパワフルな身のこなしと迫力の歌唱力。彼女と絡んだミック・ジャガーも褒めてましたな。いきなり余談でしたが、そのパフォーマンスを主演映画で観たくて劇場へ。なかなか歌うチャンスがやって来ず、ご本人と同様にヤキモキしているところでアクシデント的に始まるライブシーン。踊りが中心のバーレスクの演出に、ナマ声を入れることを提案していた彼女のアイデアがいきなり生きるカタチで、その地声の迫力に劇中の観客と一緒に圧倒される。期待通り。だけど、個人的にいちばん盛り上がったのがこのシーンで、映画として面白かったのも実はここまでだった。その後の歌唱シーンは様々に演出されているものの、彼女が嫌っていたはずの口パクに見えてしまって、最初のシーンのようなライブ的迫力が感じられなかったのが残念。また、彼女が歌うシーンが映画のストーリーにシンクロしていないことも残念。盛り上がりのない筋立ての合間にパフォーマンスが散在している印象かな。まぁ、音楽を聴かせる映画のストーリーなんてこんな程度で充分なのかも知れないが、だったら尚更、彼女の歌のおかげで大団円ってくらいにシンプルに盛り上げてくれた方がもっと楽しめたと思いますね。 [映画館(字幕)] 6点(2010-12-26 06:42:07)(良:2票) |
70. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
《ネタバレ》 ずっと昔から知っているタイトルだったけど、観たのはほんの数年前でした。率直に感じたことは、これを笑わせずにやったら「未知への飛行」になるってこと。だけど、こんなテーマを「未知への飛行」のようにシリアスに観せることと、笑わせながら観せることはどちらが難しいかと考えると、圧倒的に後者だと思う。これはもう、究極のブラック・コメディです。ピーター・セラーズは「ピンク・パンサー2」あたりから入ったので、本作の一人三役から窺える役者としての本質には時代を遡って敬意を表してしまいました。ラストのきのこ雲の連発にヤマトの波動砲発射のような破壊のカタルシスを覚える私は異常な愛情者? そうそう、この邦題はかなり高レベルですね。立派なクリエイティブです。■余談ですが「スタンリー・キューブリック ライフ・イン・ピクチャーズ」というドキュメンタリーがあります。このサイトにも登録されているけど、現時点でレビューしているのは私を入れて4名だけ。キューブリックの作品を少しでも面白いと思った方には絶対にオススメしたい映像です。その多岐に亘る作品と黒澤以上に独特の匂いを発するショットから、謎の変人っぽいイメージがあるキューブリックですが、分かり易くそれを証明しています(あくまで私の感想です)。そこにも書いたのですが、本作のピーター・セラーズの一人三役には、キューブリックも撮影中から腹を抱えて笑っていたというエピソードが紹介されています。私がキューブリックに「人間らしさ」を感じた唯一のエピソードです(あくまで私の感想です)。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-12-22 12:32:29) |
71. ハンター(1980)
この映画の撮影中に余命数ヶ月を宣告されていたマックィーン。遺作となった本作での彼はヒーローでもスーパーマンでもない。賞金稼ぎという、ちょっと風変わりな仕事はしているが、感覚的には普通の男を淡々と演じているように映る。現代の尺度ではテレビドラマ以下のアクションかもしれない。でも、スタントを使わずに自分で遣り遂げるという意思が感じられて、30年ほど前に初めて観たときも生き様を写し取っているような感慨があった。その感慨は今でも同じように感じられる。出世作となったテレビドラマは西部劇の賞金稼ぎ。本作は自分の役者人生を締めるべく意識して選らんだ役柄だったのではなかろうか。生業の危険を自覚して子供を持つことに懐疑的だった賞金稼ぎが赤ん坊を抱いて幸せ覚える様に、市井の男の虚飾ない姿が見える。映画俳優という、ちょっと風変わりな仕事を続けてきたマックィーンは、スターではなく一人の男の人生を見つめた作品を遺したかったのだと思う。 [地上波(吹替)] 6点(2010-12-15 22:47:23) |
72. パピヨン(1973)
《ネタバレ》 「ショーシャンク」のように冤罪で収監された訳ではなく、それなりに犯罪は犯している主人公。でも「ショーシャンク」なんて比べ物にならないくらい酷い獄中環境。実話が元になっている本作は、その監獄で生死の極限を見た男の記録であり、当時、名実ともにトップクラスの俳優だったスティーブ・マックィーンが自らの演技でどこまでその極限に迫れるかに挑戦した作品とも言える。冒頭、護送される船上でパピヨンがドガと初めて言葉を交わすシーンが象徴的だ。降雨の中、配給された食事を雨粒に晒しながら腰を下ろして話し込む。この無造作な非日常描写のリアルさに製作者達の尋常ではない意気込みを感じた。パピヨンの闘いは2つに大別できる。ひとつは友人を看守から守る闘い。その独房シーンは圧巻だ。常識的には獄死する扱いを凌ぐためにゴキブリやムカデを口にする。それは非人間的な扱いに対する「人格」の闘争とも映る。そしてもうひとつが自由獲得への闘い。逃げても逃げても、裏切られ、弄ばれ、連れ戻される。度重なる不運にも心を折ることなく挑み続ける様は、巨大な運命に抗うような悲愴を帯びる。ラストシーンで、波間に漂うヤシ袋の心許ない浮遊は自由に繋がる道程のか細さと困難そのものである。パピヨンは「人生を無駄にした罪」を償うために自由を目指したのだと思う。ジェリー・ゴールドスミスの印象的なメロディが、作品を優しく物悲しく包み込む。スティーブ・マックィーンの演技者としての挑戦は勝利していると思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-12-14 02:54:25) |
73. ハンサム★スーツ
《ネタバレ》 現代人はその本質以外の記号にまみれて生活している。ファッション、ブランドアイテム、化粧行為、云々。替えが効かないのが容姿なんだけど、それを着脱可能にしたシミュレーション映画。自分を如何に見せるかと云うことは、演出の意義も含めて深い問題を孕んでいるはずだけど、お決まりの流れに乗せただけでした。結局、大したことは言ってない。「中身が大切」という本質論には賛成だから、本質を無きものにしかねないハンサムスーツはどうかと思う。しかし、本質だけで勝負するというブスーツはもっといただけない。いや、ブスーツじゃなくそれを使った北川景子の理屈かな。好きだと言ってる男に「自分の内面を見て欲しい」という返事はもの凄く傲慢で、容姿に過剰な自信がない限り言えない台詞です。ちょっと脱線するが、そもそも男はDNA的に奇麗な女性に惹かれるように出来ているんだから、もっと中身を見ろなんて大きなお世話だ。美人を愛でることを否定すんじゃねぇ。北川景子も「美人を鼻にかけない気立ての良い子」くらいにしとけよ。あんなのは自意識過剰ってんだ。ということで、私の本質は矮小だということは分かりました。青山にはいつもお世話になってます! あれ、AOKIだったかな? [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-11-29 23:29:13)(良:1票) |
74. パイレーツ・ロック
《ネタバレ》 音楽のジャンルを差別する風潮は日本にも70年代まではあった気がします。身内の話で恥ずかしいが、ちょっとボリュームを上げて聴いていると母親からはビートルズでさえ「こんな音楽、なにが良いの…」的に言われてました。法律は基本的には何かを「取締る」ためのものだけど、海賊局を取り締まった政策が事実なら、趣味や嗜好を取締る法律はいつの時代もクソみたいなものばかりだ。劇中の言葉を借りれば、FUCKである。「取締り」の対極にある概念が「自由」だけど、ロック&ポップスをオンエアし続けた局が「海賊」と呼ばれていたのは、自由の旗を掲げたキャプテン・ハーロックみたいで啓示的だ。本作はストーリー性は希薄だが、全編が当局の取締りに対する抗議精神でまとめられているところが爽快でした。それはマクロな視点に立つと、検閲に対する抵抗であり、言論の自由の主張でもある。DJたちは自由を体現している海賊船の乗組員でした。そのあたりもアルカディア号っぽいですな(笑)。60年代のブリティッシュ・ロックはビートルズとストーンズくらいしか知らないが、劇中にかかる曲は体に馴染んでいる印象でとても心地よく観られました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-11-28 10:56:08) |
75. ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1
《ネタバレ》 完全にPART2へつなぐ為のプロローグで、PART1としての盛り上がりを設定するようなサービスも無い作り方でした。お金を払って2時間半の助走をさせられたってことですね。それは予想していたので、特に不満ではありませんが。しかし、常に「駆け足」だったこのシリーズが、前後編に分かれた途端に「間延び」に転じるのはいかがなものか。そこは演出の手腕が問われても致し方ないだろう。あまり書くことが無いので恋愛模様に関して。本シリーズのヒロインは間違いなくハーマイオニー。10歳くらいからスタートして、少女から女性へ変貌して行く彼女を観ることが本シリーズの楽しみのひとつでした。彼女がシリーズを通して初めてハリーと二人きりで長時間を過ごします。ロンを交えた三角関係もクライマックスのはずで、あの時間はハリーに与えられたラストチャンスだったのに、あくまで友人であることを確認しただけでした。「二人でずっと隠れていよう」とハーマイオニーが言った時、ヴォルデモートのことは別にしてもハリーにはもっと呻吟して欲しかった。そこは原作も含めて不満の残るところだ。だって、ロンの妹より絶対にハーマイオニーだろう。ドロドロした痴話話はこのシリーズに似合わないけど、主人公とくっ付かない魅力的なヒロインを設定するなら、その理由を説得して欲しいところ。本作での二人の時間はそれに気を遣ってのことだろうけど、かなり物足りない。「ロンは親友なので譲りました」じゃ納得できない。 [映画館(字幕)] 4点(2010-11-25 22:08:45) |
76. ハナミズキ
その昔はアイドル映画の主役だった薬師丸ひろ子が母親役。新垣結衣にもそんな時がくるのかなぁ、などと思いながら、薄味のストーリーの隙間から淡々と彼女を眺めておりました。それ自体はさほど苦痛じゃなかったでのですが、いざレビューするとなると書くことが無い。進学を契機に故郷を後にする人はたくさんいます。遠距離恋愛では無くとも、誰もが少しは未練のある関係を故郷に残しているものでしょう。若い頃はそんな未練より目の前にある茫洋とした希望の方に意識を奪われるけれど、ある程度の年齢になると違った選択肢もあったのではと思えてくる。あえて言うなら、少しだけそんな感傷をもらいました。 [映画館(邦画)] 4点(2010-10-10 23:48:03)(良:1票) |
77. PERFECT BLUE
今敏氏が逝去されて追悼番組で初めて観賞しました。面白かったです。公開当時、すでに「アイドル」の全盛は過去のもの。私の思春期が「アイドル」の隆盛と重なっているからか、廃れ行く偶像へのレクイエムのような印象を受けました。今氏は同世代人ですので、同じような思いがあったのかも。制作からさらに十数年後に観たことによって、社会学的にアイドル文化を振り返るような気分にもなりました。ショッピングセンターのアイドルショー、追っかけ、脱アイドルとヌード、それを飯のタネに群がる業界人たち、オタクとストーカー、などなど。それらの事象を散りばめながら、アイドルから女優への転進を目指す女性の現実と心象と出演ドラマがオーバーラップする構成は巧みで見応えがありました。「女優としての必然で脱ぐ」のではなく「脱ぐことで女優になる」人たちの時代は確かにありましたね。演技の質はそっちのけで、スキャンダル性を最終兵器にして生き残りへの賭けに出たアイドルたち。そんな一種の転落を覗き見るようなストーリーはまるでワイドショーを見ている感もあって、観賞側の視線も二重構造になっている気がします。それが複雑な見応えを醸しているのだと思いました。ちなみに、AKB48の騒ぎっぷりとかを見ていると、私が疎くなっているだけでアイドル事情って昔とあまり変わっていないのかもしれませんが、少なくとも「女優になる=ヌードになる」というレールは無くなったような。人気に応じて売り方を変える不経済を、AVとかグラビア・アイドルとか、「見られ方」の細分で合理化したような印象です。「女優としての必然があるのに脱がない」人を時々見かけますが、見習ってほしい映画です。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-09-26 10:02:31)(良:1票) |
78. BALLAD 名もなき恋のうた
大半の人はしんちゃんの後に本作を観ていると思いますが、まだ両方観ていない方には逆の順番で観ることを勧めます。絶対にその方が後味が良いです。同じ時間を費やすなら、得する方を選びましょう。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-09-18 04:51:33)(良:1票) |
79. パッセンジャーズ
《ネタバレ》 激しくネタバレです。「シックスセンス」や「アザーズ」を観る前だったらもう少し点数が上がったかも。どうしても、その辺りの作品とオチに至る伏線の張り方の比較になってしまう。本作に関しては海に飛び込んだりベッドインしたりと、死人のアクションとしては随分と無神経な部類だろう。死んでいる者同士なら何でも出来るってことなのね。でも、前半で臨床経験の少ない未熟なセラピスト役を丁寧に作り、そのもどかしさに航空会社の策謀を絡めるストーリーは、矛先を逸らす仕込みとしては上々。方向性の転換には素直に驚きました。そのオチを除くと、成仏できない人の心理を定義しているような作品で、考え方には好感を持ちました。心に大きなウェイトを占めていた人が役柄を変えて出て来るって、自分も夢の中で体験したことがあるので妙に納得してしまった。エリックが躁状態だったのはあの飛行機の中で恋愛が始まったから。その相手との関係が現世の心残りで、恋を実らせることが成仏になる。そりゃ、積極的になる。理想的な死際だね。飛行機の席は美人の隣がいい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-08 08:19:44)(笑:1票) (良:2票) |
80. 花より男子(1995)
《ネタバレ》 録画観賞ではあるが、観始めてしまったことを5分で後悔した。なんとか最後まで辿り着いたが、若い頃の内田有紀を眺めるだけの映画でした。マンガの実写化だとしても、あまりに安っぽい。ひたすらバカな直情男を演じる谷原章介が、途中から少しかわいらしく思えたのが救いかな。予備知識は無いが、原作がこの通りならマンガだから許される世界だろう。実写ではなくアニメ化だったらもう少しは観られたかも知れない。それにしても、ボーイッシュって言葉は内田有紀のためにあると思いましたね。ヒラヒラした服が哀しくなるほど似合わん。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2010-08-03 04:30:38) |