Menu
 > レビュワー
 > タケノコ さんの口コミ一覧
タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 574
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

たまにポチっと「良」投票・・・

よろしくお願いいたします。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  バックマン家の人々 《ネタバレ》 
メンツすごいな。この、そうそうたる俳優たちが、そのオーラを消して全員でアメリカの中流家庭を演じているところがすごい。 特にラリー役のトム・ハルスが、モーツァルトのカリスマ性を微塵も感じさせないのがすごい (笑) 子役では、リーフ・フェニックス (ご存じ、後のホアキン・フェニックス) の、この頃から卑屈な感じの暗い目が印象的。こういう子がいずれ、ローマ帝国の暴君やら、ジョーカーになるんだ。 そうそう、私も「マグノリアの花たち」を思い出しました。本作の方がよりコメディっぽいけど、制作年がほぼ同時期だし、大家族が織りなすアットホームな雰囲気などはそっくりです。 映画の内容としては、見ての通りハッピーエンドなファミリードラマであり、一人一人コメントしていたらいくらでも書けそうだけど、一言で総括するなら、家族のほとんどが概ね長所と欠点があるのが良かったな。 あとやはり、冒頭でも書いたけど、これほどの俳優たちが一家族として一同に集う、、これこそが本作の本当の価値。有名人ばかりだし、ボリウッドや贅沢とはかけ離れたこういう平凡な庶民の役、みんな (で) やりたかったんじゃないかな。 なお、絵面的に弱いところは、スティーヴ・マーティンのカウボーイ姿でスパイスを効かせていると思えます。このエピソードを中盤あたりに配置するのも、気が利いてるね。 監督はロン・ハワードかぁ、、こんな昔に良い作品を撮っておりましたね。
[DVD(字幕)] 7点(2023-10-24 10:59:52)(良:1票)
2.  浜の朝日の嘘つきどもと 《ネタバレ》 
「朝日座」の、ひなびた映画館の佇まいは、昭和平成令和を駆け抜けた歴史 (の重み) を感じさせるものがあり、3.11の大震災やコロナ禍を生き抜いた静かな力強さもある。その雰囲気はシネコンの映画館では到底出せないもので、私としても昔に観た懐かしい映画 (の数々) を、しみじみと思い出させていただいた。 全体的に悪くはなかったが、どうしても腑に落ちない展開が一つある。それは、一度は土地開発業者に買収?された町内の人たちが、またどうして、身銭を寄付してまで映画館を助けようという気になったのか? その描写を完全スルーしたばかりに、せっかくの「素晴らしき哉、人生!」のごとく大団円 (の感動) が薄味になってしまった。彼らの「心変わり」こそ、私が見たかった感動だったように思えるのだが。 話変わって、田中センセイのお部屋に、「パリ、テキサス」のポスターが (置いて) ありました。きっと、そのポスターは、以前は部屋に貼ってあったのだろう。彼女はかつて、ジェーン (ナスターシャ・キンスキー) の生き方を夢見ていた。しかし、ジェーンのような生き方はできないことを知り (当然だ) 、彼女はポスターをそっと床に置いた・・。どうしても捨てられないのは、大切な思い出がつまっているから? こういう、意味深な小道具の使い方は好きだし、決してどうでも良くはなく、意外と心に引っかかってしまうね。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-03-28 22:14:27)(良:1票)
3.  春を背負って 《ネタバレ》 
評価難しいですね。良いところと悪いところがハッキリしています。 まず、私自身が登山愛好家なので、「山小屋」にまつわる物語、そこは理屈抜きに楽しめました。 立山連峰 (富山県) から望む絶景、その映像美もとてもよかったと思います。名カメラマンでもある木村大作監督の真骨頂であり、本作最大の見どころと言えるでしょう。 やはり難点は脚本や演出面かな、と思えます。 音楽は、センスがないと思います。(監督、スミマセン) と言うよりは、音楽の乱用が気になりますね、じゃんじゃん鳴らしすぎで山の (厳粛な) 雰囲気をぶち壊しています。 愛ちゃん (蒼井優) の「おいしいご飯」の画がない、といったご意見がありますが、そもそも山小屋の映画でありながら「山小屋ご飯」にスポットを当てないのは、残念でならないです。(そう、山小屋泊の最大の楽しみなんです、ご飯、、) あと、ゴロさん (豊川悦司) の世俗臭の全くしない存在感、そこは映画的で面白いのですが、彼がそこまで勇夫さん (小林薫) に心酔する理由、そこを知りたかった気はします。彼らが大学の先輩と後輩という関係はわかりましたが、二人の固い「絆」の理由を私たちは知りたいのです。 全体的に、山の厳しさ、ばかりを前面に押し出した内容であり、趣味や生きがいとしての「登山」とはかけ離れた内容でした。(仕事ですからアタリマエですが) どうしてこう、山を題材にした映画って、遭難とか滑落ばかり描くのでしょう?(笑) 山って、厳しいけど、楽しいものですよ、ホントはもっと。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-04-17 22:20:25)
4.  パワー・オブ・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 
舞台は1920年代のアメリカ・モンタナ州。 大牧場で家族を形成するのは、名うてのカウボーイであり同性愛者でもある荒くれ者と、マザコンのサイコパスと、人格者の金持ちに誰もが羨む美人という理想的な夫婦、、って、それは家庭円満になるはずがありません (笑) だから、何かしら悲劇を伴う結末なのは想定していたけど、それにしても表現力の高い演技者たちによる、重厚で観応えのあるサスペンスドラマではありました。個人的に、こういう奥行きが深い役をベネディクト・カンバーバッチがやれば、もう当然のように映画のクオリティが上がっていく、それはわかっていた。だから、本作をがぜん面白くしていたのは、コディ・スミット=マクフィーの存在ではないだろうか。彼がスクリーンに登場するだけで、私は不安になり、妙な胸騒ぎがして仕方がなかった。なぜなら、まるで現代社会の若者が荒々しい「西部劇」の時代に迷い込んだようで、彼一人だけが「異質」であり、この映画の世界観にそぐわないから。 それぞれの思惑が交錯する展開の中で、家族が州知事を招いた「ピアノ」のエピソードが特に印象に残ってる。ローズがピアノを拒絶したことにより、場がしらけて空気が悪くなるなかで、フィルが現れたことにより空気が一変した。私は、彼が追い討ちにきたのではなく、むしろローズを助けに来たように見えました。観終えてみれば、フィルは横暴ではあるけど、それは人に不器用な裏返しでもあり、実は我々が思うほど悪意に満ちた男ではなかった、と思えてきます。しかし、その心のうちはとうとう最後までわからない・・。 ・・そもそもですが、この映画は主人公であるフィルの「感情」を描かない、という実験的な手法を取ってます。この荒々しい時代に、彼は何を思って生きていたのか、彼は本当に殺されたのか、、全ては謎のままであり、むしろ彼以外の人間たちの異常性・残酷さが尾を引くように際立つばかりだ。 以下、個人的な宿題としての備忘録。 アメリカの西部劇に、英国人であるベネディクト・カンバーバッチ。なぜか。 夫婦役は、実生活でも夫婦であるお二人。しかし、本当にそれだけの理由によるキャスティングだろうか? そして、「ピアノ・レッスン」の巨匠は、なぜピアノを弾くことを拒んだのか? 映画に見え隠れする、監督の "隠しメッセージ" について、探究してみたいと思う。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-03-13 17:23:06)(良:1票)
5.  バトル・オブ・ザ・セクシーズ 《ネタバレ》 
予告編の、フライパンやコスプレ姿でテニスをするボビー・リッグス (S・カレル) の姿から、勝手にコメディ映画と思っていましたが、全然違いました。これは女性軽視や同性愛というデリケートなテーマを取り扱った、実に大真面目なドラマでした。 ビリー・ジーン・キング (E・ストーン) については、テニスプレーヤーとしての彼女よりは、同性愛に目覚めていく一人の女性、そこに力を入れて描いていた感じ。特に彼女がマリリンと接する場面は、実に官能的に撮られていたように思う。 また、本作はもう一人の主役と言えるだろう、ボビー・リッグスが面白い。彼はテニスプレーヤーである以前に、誰よりも目立ちたがり屋で生来のエンターテイナーであり、実に映画向けなキャラクター、と言える。そして、本心が読めないというか、、ちょっと得体の知れないところがある。何となくですが、彼はゴリゴリの差別主義者を装っているだけで、群衆やマスコミを煽って注目させ、「テニス」という競技の知名度向上のために汚れ役を買って出た、と私は思っています。 1973年、バトル・オブ・ザ・セクシーズ (性差を超えた戦い) 。 もともと、身体的・体力的に異なる男女の試合結果など競技としては然したる意味はありません。だからこれは、スポーツという「力」を借りた、人類みな平等、という宣言です。 もちろん、女性として、やがては同性愛者として発言力 (影響力) を持つ偉大なテニスプレーヤーに、大きな使命感を与えた試合としてみるなら、これは決してテニスやスポーツという枠だけにはとどまらない、歴史上でも特に重要な戦い、と言えるでしょう。
[映画館(字幕)] 7点(2021-10-07 13:17:58)
6.  母よ、 《ネタバレ》 
「息子の部屋」のナンニ・モレッティ監督らしく、本作も「死」をテーマにして、淡々とした語り口で物語を描いていきます。監督の描く死には宗教観や倫理観は見えなくて、かと言って劇的な出来事でもなくて、まるでそれぞれの人にとっての人生を締めくくる通過儀礼のよう。 また、平坦なストーリーで退屈になりがちな映画でしたが、個性派ジョン・タトゥーロの何かしでかしそうな存在感がそこを救っていたように思う。 お分かりになるように、今回は象徴的に壁 (境界線) が多く登場します。 労働者と経営陣の間にある工場の壁。娘と母の間にある病院の窓。そして、生と死の境界線。 人は生きていく上で、知らず知らずのうちに多くの境界線を越えていくものだけど、生と死の境界線だけは母と子が正しく順番にその線を越えていけたら、それはお互いに幸せな人生を送った、と言えると思う。 とても感動した、泣けた、と言うよりは、観終えた後からじわじわと静かな感動が押し寄せて心が熱くなるような、そんな映画でした。 何気に邦題もいい。 母よ、に続く言葉、きっと観た人それぞれの心にありますね。
[映画館(字幕)] 7点(2020-11-20 21:09:15)
7.  ハッピーエンド(2017) 《ネタバレ》 
題名に嘘偽りなく。トランティニャン爺がこの結末を自ら望んだのだから、彼の主観的に見るならば、紛うことなきハッピーエンドなんでしょう。そして、誰もが羨む金持ち一家が迎えた終焉ということで、客観的には "他人の不幸は蜜の味" というハッピーエンドでもある。そこが、ハネケのイヤラシイところ。 しかし、これをSNSというフィルターを通して見れば、少女が見ず知らずの車椅子の老人を快楽的に海に突き落として動画撮影しているようにしか見えず、残念ながら当事者たち以外には「ハッピーエンド」には全く見えない。 要するに、世界中に溢れる芸術性のかけらもない稚拙な映像作品によって、意図的あるいは偶発的に真実が歪曲されて伝わること、そこをハネケは警告しているのだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2020-11-20 16:05:37)
8.  パターソン 《ネタバレ》 
アダム・ドライバーがパターソンの街でバス・ドライバーのパターソンって (笑) 遊び心がすぎるぞ、J・ジャームッシュ。 かつての彼の映画は、ビリビリとした個性を放っていて近寄りがたい空気があったものだが・・。今作はずっと優しく温かくて、監督ご自身が丸みを増したかのような印象を受けました。 家と通勤路、バスからの風景、BAR、滝を望む公園。陽光、行き交う人たち、色づく街路樹。さりげない日常の反復のようでいて、毎日違う顔を魅せる、いつもの風景。大きなドラマはないが、一画一画がとても洗練されていて、まるで写真集のページをめくっていくような味わい深い映画でした。 一つ、インパクトのある台詞があります。「詩の翻訳はレインコートを着てシャワーを浴びるようなもの」 これは、音や韻が持つ響きも含めて "オリジナル" を愛せよ、と解釈したい。 そして本当の個性とは、個性的なことではなく変わらないこと。 一見すると変化しているように見えて、変わらないその本質は、J・ジャームッシュのスタイルそのものです。
[映画館(字幕)] 7点(2020-08-10 12:18:58)(良:1票)
9.  俳優 亀岡拓次 《ネタバレ》 
観てきました、亀岡拓次の酒場放浪記 (笑) 作風としてはシュールな人情劇、といったところでしょうか。適度にシュールでコテコテの人情劇でもない。横浜聡子監督のこの演出は新感覚であり、過去の作品も観てみたくなった。 居酒屋ムロタでの麻生久美子とのやり取りが面白い。しかし、とぼけた会話の中にも、お互いが相手を探り、値踏みしている様子が見て取れる。結局、女は最後まで心の奥底は表情には出さなかったし、男は恋に恋する自分を演じていた。"芝居" 以上に芝居らしい居酒屋の場面からわかるように、実はこの映画は「俳優亀岡拓次」と亀岡拓次の境界線はほとんどありません。 きっと人生なんて「自分」という人間を演じ続けるお芝居のようなものなのだ。
[映画館(邦画)] 7点(2020-06-18 18:00:21)(良:1票)
10.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 
もともと、犯罪を生業とするような家族だったのね。半地下の家族が苦しい貧乏生活のなかで、悩み悩んだあげくに、こういった犯罪行為に染まっていく物語、と勝手に思っていたので、楽しそうに金持ち一家に "寄生" していく様子を、半ば呆気に取られて観ておりました。前半の展開は (不謹慎な) 笑いを交えたコメディタッチ、でも後半は展開が激変して、期待通りのポン・ジュノ節が楽しめます。秘密の地下室に住む男とか、白昼の惨劇などはとにかく正気の沙汰じゃなくて、いかにもポン・ジュノらしい。そして、「殺人の追憶」や「母なる証明」あたりの重苦しい雰囲気はなくて、作りとしては血みどろのブラックコメディ。何となくですが、初期の園子温監督を思い出しました。映画全体としては、とにかく階段や坂が登場します。古今東西に映画においては、富裕層は高台で貧困層ほど低地という描写はセオリーであって、それを意図しただけの高低差かしら? と思っていましたが、もう一つとても重要な役割を担っておりました。それは雨です。アタリマエですが、降りしきる雨が下へ下へと流れていくんです。高台に住む金持ちや半地下の家族だろうが関係なく、彼らが流した血と汗と "臭い" も全て一緒くたに混ざり合って、汚物と一緒に側溝に洗い流していきます。それはまるで、都会 (という格差社会) にこびりついた垢を浄化するように。
[映画館(字幕)] 8点(2020-01-11 21:24:14)
11.  π(パイ) 《ネタバレ》 
これは、モノクロの終末的な映像のなか、無機質で閉鎖感が漂う街に住む、悲壮感漂う辛気臭い男が、意味不明な数字の謎に取り憑かれて、自らドリルで穴を開けて砕け散るという、とても救いのない物語です。雰囲気はまるで、リンチの「イレイザーヘッド」を彷彿させます。かなり影響受けてますよね。一見、とてもミステリアスなストーリーですが、要するには "中毒性あるもの" とその依存症 (中毒者) の恐怖を描いた物語と思います。この数学の謎を薬物やギャンブルの依存症に置き換えるとわかりやすいかな? だから本格的な数学の謎解きを期待しても肩透かしを食らうし、数学の描写もそこまでのリアリティはありません。(サスペンスの要素としての数学、なんです) そしてこの映画に夢や希望はいっさいありません。ただ、逆説的にそれを提示はしています。爺さんの台詞が全て意味深で、特にアルキメデスのエピソードが面白いです。彼は歴史の偉人に対して、その功績や閃きに触れることなく、「最も大切なのは妻の存在だ」と言いました。もちろんこれは、マックスに遠回しに提言しています。彼は隣人の女性の好意、つまり目の前にある幸せに目もくれず、答えのないもの (=叶わない夢) を追い求めて砕け散った。本作は極めて作家性が高くカルト映画のにおいが漂いますが、もっと身近な小さな幸せに目を向けよう、という等身大で普遍的なヒューマンドラマである、と断言します。
[DVD(字幕)] 6点(2019-12-12 22:55:20)
12.  パイレーツ・ロック 《ネタバレ》 
この人たち毎晩飲んだり食ったり騒いでいるけど、散らかった後片付けはしないの? みなさん、いつもお洋服キマッていますが、洗濯はいったいいつやってるの? ビル・ナイの高級スーツはいつクリーニング出してるの? まぁ家事全般はいいや。でも船なんだから舵取りしてる人を一回くらいは映そうよ。表面的な部分ばかりで船上の生活感が一つも感じられないと言うか、、序盤でそのへんが気になると最後までダメですね。設定上、頭の固い体制側の人は必要でしょうが、悪役ポジションの存在に対して和解するなり罰を与えるなり、オチがないのも気になりました。生命線である音楽すら、ロックだロックだと叫んでいるだけで、まるで心に響いてこないのはなぜだろう? 確かに曲はよかったですが、それは単なるBGMとしてです。自分には合わない映画でした。
[DVD(字幕)] 3点(2019-07-14 21:48:59)
13.  パンとバスと2度目のハツコイ 《ネタバレ》 
そもそも、フランスパンで女を殴る女からすでに可笑しくて、この監督面白いなと。始まって数分にして、この映画当たり、と早くも確信しました。総じて、人物たちに対する視線は優しいのですが、主演のふみが少しだけピントがずれている、というのが本作最大の肝で、彼女を軸にクスッと笑える場面がワンシーンに一つ、必ずあるんですね。彼女の一挙一動にハラハラドキドキ、、でも大丈夫、そんな彼女も不思議と目薬のピントは外しません。 (言っちゃった) 次のシーンが楽しみだ早く観たいぞ、その心境のまま始めから最後まで楽しく観させていただきました。たもつはこの歳でバツイチ子持ち、車持ち。だから当然、洋服に散財できるはずもなく、毎度の上等じゃない服は納得で。ふみにいたっては、何度もナイキの同じスニーカーを履いて登場しましたね。こういったさり気ない気配り、重要ですね。付き合っていても、結婚していても、別れの予感はついてきます。だからその一歩手前の、これからそれを迎える期待感で胸いっぱいであること、ハツコイの心境であり続けること、それが何より幸せかも知れませんね。主演女優、ストーリー、音楽、ロケーション、そしてパン、バス、絵や洋服といった小道具 (美術) に至るまで、その全てが奇跡的に相性良くて、映画らしくない不思議な現実感 (空気感かな) がありました。(↓3737さまの) 全然大したお話じゃない、についても全くの同感です。ちなみに、わが行きつけの立川シネマシティ前の散策路が登場しましたね。(たぶん) よってプラス1点。
[DVD(邦画)] 9点(2019-02-22 20:21:09)(良:2票)
14.  晩春 《ネタバレ》 
結婚が本作の大きなテーマでありましたが、紀子に対するこの若さで既に嫁に行き遅れたような扱い方等々、公開から半世紀以上が経ち、世情の変化とともに結婚に対する考え方も大きく変わったのだなと感じました。父と娘の物語でもありましたが、周吉が再婚すると聞いた後の般若のような紀子の表情、紀子の周吉に対する執着心から察するに、彼女は無意識のうちに周吉を男性として意識していたような気がします。父と娘の間に垣間見える男と女の意識。それを小津監督が描きたかったかどうかは、私には判りません。話のテンポは小気味よく、おばさん杉村春子のがま口の嘘には笑わされました。周吉が紀子に仕掛けた一世一代の優しい嘘には泣かされました。自分がいつか親になったら、また観直してみたいと思います。
[DVD(邦画)] 9点(2016-09-20 21:21:28)(良:1票)
15.  バグダッド・カフェ 《ネタバレ》 
全くアングルの合わないカメラ、性格の悪いハゲ男、得体の知れないデブ女。冒頭から、視覚的にとても不快を感じる場面の連続で幕を開けます。それはさらに続きます。ヒステリックな黒人女、ヘッドホンの音漏れがイライラするその娘。ただ一人美しい女(彫り師)はもったいぶって毎回チラ見せ程度、やっとご登場、と思ったら何とそのまま映画からフェイドアウト。この女をもっと映せよ!これは確信犯的に観客を挑発して、感情を逆撫でする実に不愉快な映画。でも観客のご機嫌を直すように、途中からストーリーは癒し路線に変貌していきます。だが、"癒し路線"なのはあくまで見た目だけ。挑発はまだまだ続きます。最後のマジックショーの場違いなハイテンションは、「どうせこういう愉快な場面が観たかったのだろう?」といった当てつけとしか思えない。極め付けはラストのプロポーズの場面。この展開だと絶対に彼女はYESと思ったが、意外にも答えはNO。これは監督から観客への痛烈なメッセージだと感じました。彼女の"NO"はそのまま観客に向けたもの。つまり、女二人に外見や第一印象だけで嫌悪感を持った僕らを、彼女(この映画)は初めから許す気はなかった、ということ。始めから最後まですごく馬鹿にされたような、とても後味の悪い終わり方でした。
[DVD(字幕)] 4点(2016-09-09 22:29:40)
16.  八月のクリスマス(1998) 《ネタバレ》 
この映画は、"死"はいつかは誰にでも訪れるものとして、あまりにも淡々と描いている。彼の落ち着いた様子に、死ぬことは怖くない、とあやうく騙されそうになる。だがそれは大きな間違い。"死"が怖くないはずがない。彼だって本当は毎日泣きたいくらい怖いのだ。死への恐怖に立ち向かう勇気を与えてくれたのが彼女であり、そしてその愛の力に他ならない。二人は結ばれなかったけど、これは珠玉のラブストーリー。愛して愛される歓びは死の恐怖にも勝ることを教えてくれたから。きっとこの出会いは、誠実に生きてきた彼のために神様が特別に与えてくれたプレゼントだったと思いたい。もう誕生日を迎えることのない彼の最後の夏の物語、八月のクリスマス。
[DVD(字幕)] 8点(2016-07-25 20:23:20)
17.  母なる証明 《ネタバレ》 
鑑賞中にすごく感じたことなのだが、知的障害の息子トジュンが記憶を断片的に思い出す場面、毎回タイミングが良すぎるのだ。何も知らない母をまっすぐに真実へと誘うかのように。そもそも、トジュンは本当に知的障害者なのでしょうか?あくまで個人的な仮説ですが、これはその昔に農薬で母に殺されかけた少年が、知的障害を演じて復讐の機会を窺い、それを達成した話ではないだろうか。実は彼が少女を殺した場面は過失にも故意にも見えます。自分が自ら人殺しになり、あんたの息子にも人殺しの血が流れていますよ、と"母だけ"に復讐するつもりが予想外にも本当に捕まることになり、目撃者もいて事態が予期せぬ方向へ向かった。老人が殺されたり、無実の知的障害児が捕まったのは、母性が惹起した悲しき二次災害です。最後、火事場に忘れてあった鍼道具をトジュンが母に渡す場面がある。僕は全てを知っているよと言わんばかりに。お互い多くを語らぬも母子の以心伝心で、母はこのおぞましい真実を全て悟ったのではないのか。ここで何より恐ろしいのは、長きにわたり知的障害児と信じて布団を供にしていた息子が実はそうではなかったとわかった時の母の衝撃です。これはもう狂うしかない。"Mother"とは母性ではなく、復讐の対象を指していた。そう考えるとこの映画は根本からくつがえり、情念と怨念を以て迫る恐ろしい姿に変貌をするのです。
[DVD(字幕)] 8点(2015-07-20 00:06:44)(良:2票)
18.  ハンニバル(2001) 《ネタバレ》 
原作読後に観ました。原作はトマス・ハリスお得意のグロい描写がてんこ盛りでしたが、それらをほぼ忠実に映像化しております。映画の出来としては、至高のサイコサスペンス映画であった前作が凡庸なホラー映画に成り下がった印象です。ちなみに、レクターよりもクラリスよりもメイスンよりも、豚が一番存在感あります。画面に登場するたびに恐るべき存在感でメインキャスト陣を完全に食っています。メイスンは本当に食われてしまいましたが・・。
[映画館(字幕)] 6点(2015-07-11 12:16:50)
19.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
バットマン あるいは(顛落がもたらす予期せぬ脚光)
[映画館(字幕)] 8点(2015-05-09 16:48:05)
20.  はじまりのうた 《ネタバレ》 
"once ダブリンの街角で"のヒットも記憶に新しいジョン・カーニー監督の新作。今回も音楽の魅力が満載。音楽とシチュエーションが強力にタッグを組んで、この力が1+1が2ではなく、3にも4にも、、無限大にも広がる映画。そのタッグの中でも、明るく前向きな"Tell Me If You Wanna Go Home"と、演奏する仲間の輪にバイオレットが加わる屋上の場面がお気に入り。やはり音楽は才能ありきではなく、愛する者全てに門戸は開かれていると思いたい、願いたい。皆様はどの場面がお気に入りでしたか?ただ歌うことが好きなグレタとその歌で有名になりたいデイヴ、音楽を真に愛するダンと売上至上主義のソール。歌が売れれば否が応でも付きまとう金としがらみ、音楽とビジネスの切っても切れない関係を二組の生き方を描いて切り込むことにより、音楽とはあなたにとってなんぞや?と問いかけているようにも思えます。本作のもう一つの主役、ニューヨークのロケーションも大いに楽しめましたが、私はそれよりもキーラ・ナイトレイの着こなしが可愛くて登場カットごとに心躍りました(笑)。
[映画館(字幕)] 8点(2015-05-02 23:28:15)(良:1票)
010.17%
120.35%
230.52%
3203.48%
4345.92%
5508.71%
614825.78%
716829.27%
811920.73%
9234.01%
1061.05%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS