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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2594
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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21.  ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
馬鹿馬鹿しいことを、しっかりとお金と労力をかけて覚悟をもって貫き通すこと。それが良いコメディ映画を生み出すための条件だと思う。 この作品の製作スタッフは、そういうことを誰よりも理解しているからこそ、世界中に受け入れられるコメディが作れるのだと思う。  エドガー・ライト監督&サイモン・ペッグ+ニック・フロストの主演コンビの「ショーン・オブ・ザ・デッド」、そして監督は異なるが同主演コンビの「宇宙人ポール」を既に観ていて、それぞれ映画ファンなら殊更に爆笑必至の素晴らしいコメディ映画の世界観を堪能していた。  前述の二作品がそれぞれ「ゾンビ映画」と「宇宙人映画」のパロディを存分に詰め込んだ作品だったのと同様に、今作の“対象”は、もちろん「刑事映画」。 「刑事映画」、その中でも特に“バディ映画”におけるベタと王道が、可笑しみと愛着をもって見事に散りばめられている。 中でも、「ハートブルー」をパロディの中心に据えていることが、非常に局地的なツボを突いていて良い。  この手の映画としては、120分という上映時間は正直「長い」と感じる。中盤において若干の中だるみ感を感じてしまったことは否めない。 しかし、ラストの怒濤のクライマックスは、そういうマイナス要素を吹き飛ばしてくれる。一見滅茶苦茶で何でもアリな展開に見えるけれど、それまでの人物描写が何気なくも人物それぞれの異質さを表しており、用意周到な伏線となっている。 だから、滅茶苦茶に見える展開にも妙に説得力があり、「娯楽」として見事に高まっている。  ついに最後にはモンスターパニック映画から東宝映画オマージュまで加わり、映画ファンのカタルシスを一気に高めてくれた。  充分満足できる映画であることは間違いない。が、"彼女”がケイト・ブランシェットだということに気がつけなかったことは、この大女優のファンとして情けない。
[DVD(字幕)] 7点(2012-09-17 22:35:09)
22.  ボルト
個人的に“犬好き”なので、涙腺が緩んだポイントなどは挙げればきりがない。 ブロックバスター映画顔負けの劇中映画を描いたオープニングで、主人公ボルトが飼い主の少女を綱で引いてハイウェイを激走するシーンはもとより、その前のプロローグ場面から涙腺は緩みっぱなしだった。  そんな“犬好き”を惹き付けることなんてことは、この映画にとっては朝飯前のことだったように思える。 今作において最も特徴的で素晴らしいことは、“犬を犬として描き切っていること”だと思う。 他の多くのディズニー映画と同様に、今作においても動物たちは生き生きと喋る。しかし、それはあくまで動物間でのやり取りに限られており、必要以上に擬人化はされていない。 主人公の飼い主の少女をはじめ、登場する人間からは犬は犬、猫は猫、ハムスターはハムスターとしか見えておらず、きちんとそういう描かれ方がされている。 今までもそういう設定のアニメ映画は多々あったろうが、この映画で描かれている世界観は、あくまで人間社会の中で生きる動物たちのお話であり、動物が動物らしく描かれていることが、紡ぎ出されるドラマ性をより効果的に高めている。 それは、クライマックスで主人公が愛する飼い主を救い出すシーンのちょっと驚くくらいの「地味さ」を観ても明らかだ。  娯楽映画として単純な見た目の盛り上がりの乏しさに対して不満を漏らす人もいるのかもしれないが、この映画におけるその徹底した「犬の犬らしさ」こそが、ディズニーの動物映画としては珍しいほどのリアリティ感を生んでいると思う。  この当たり前のように言っている「犬を犬らしく描き出す」というアニメ表現を、さも当然のように成し遂げているディズニー・ピクサーの圧倒的な技術力と表現力に、改めて舌を巻いた。 それぞれのキャラクターの立たせ方、伏線を生かした小気味良い展開力、脚本自体が巧いとしか言いようがなく、それがこの魔法のようなアニメーション技術によって形作られているわけだから、面白くないわけがない。  前述の通り“犬好き”で簡単に涙腺が緩んでしまうので、逆に「犬映画」は積極的に観ないし、あまり好きではなかったりもする。 だからこそ敢えて言いたい、この映画こそ史上最高の「犬映画」だと。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-02-29 16:12:52)(良:3票)
23.  ぼくのエリ/200歳の少女
北欧の凍てつくような空気感と澄んだ映像美の中で、少年の淡い恋心と憎悪が混じり合っている。 孤独な少年は、ヴァンパイアの少女と出会ってしまったことで、何を得て、何を失ったのか。それは決して明確には描かれないが、その両方が彼の人生にとってとてつもなく大きなものであったことは間違いない。 長い長い逃避行の始まりのようなラストシーンには、希望と絶望が混在していた。  あまり観たことがない異国の映画を観ると往々にして生じることだが、ふとした表情や言動の意図することが理解出来ないことがある。 この映画にもそういう場面が多々あり、感情移入の障害になってしまったことは否めない。 少年と少女の間に終始生じている距離感をどう捉えるべきかということを、最後まで消化出来なかった。  “ヴァンパイア”というモチーフを用いて真面目な映画を作るのは、実は難しいと思っている。 当然ながら、どこまでいっても空想の産物でしかないし、異形のものと人間との間で普通の心理描写が成立するものなのかと、疑問が産まれる。 この物語にしても、少女は12歳の姿形をしているけれども、その内容は人間とは全く別ものなのであって、そこのまともな精神構造が存在するとは思えない。つまるところ、普通の人間の少年と異形のものの少女との間で、心が通じ合えるわけがないと、つまらない思索をしてしまう。  そういうもうひとつ入り込めない要素は点在していたが、それらを覆い隠すだけの美的センスは溢れていたと思う。 遠い国の冷たい空気感の中に身を置き、静かに堪能すべき寓話だと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2011-07-23 09:51:15)
24.  ボーイズ・オン・ザ・ラン
無様な男と、無様な女、そのありのままの「無様さ」を“綺麗ごと”なんて完全無視して描きつけた“ヘン”な青春映画だった。  主人公は玩具メーカーのうだつが上がらない29歳の営業マン。援交相手の醜女に逆切れされ、憧れの同僚とはいい感じになりつつも、肝心なところで大失態を繰り返し、挙げ句ライバル営業マンに寝取られる始末……。 最初から最後まで汚れまくりで、良いことなんてほとんどない。  実は、自分自身29歳の営業マン。仕事の合間にネクタイを締めたままこの映画を観ていた。 “イタイ”主人公の姿に笑いつつ、キワドいリアリティが突き刺さってきた。  自分がものに出来なかった女の仇を討つため、軟弱な主人公は“ブチ切れ”、鍛え上げ、「タクシードライバー」のトラヴィスと化す。  普通の青春映画であれば、主人公の「達成」をもって爽快感を導き出すのだろうけれど、普通の青春映画ではない今作は、それすらも許さない。 主人公が終始「無様」なまま、この映画は終焉する。  映画を観終わり、再び仕事に戻るため、土砂降りの中を営業車で走った。 けれど、僕の心は何故か晴れ晴れとしていた。 それは、この映画が無様で阿呆でしょうもないけれど、確かな「勇気」に溢れているからだと思う。  主人公は何も達成しない。ただただ己の小さな自分の人生を走る。その様は決して格好良くないし、転びまくる。でもその目を背けたくなる程に痛々しい等身大の姿は、問答無用に胸に迫る。
[DVD(邦画)] 8点(2010-10-10 02:03:50)(良:3票)
25.  ボーン・アルティメイタム
“ジェイソン・ボーン”シリーズ最終作(一応)。昨日、6年越しに第二作目を観て、いてもたってもいられなくなって、今作のレンタルに走った。  このスパイ・アクション映画シリーズの変わった特徴は、“ストーリーに面白味はそれほどない”ということだ。 記憶を無くした主人公が謎に包まれた自らの“アイデンティティ”を取り戻そうとするというのが、このシリーズの根本的なプロットで、この手の映画の場合、出来る限りストーリー展開に凝って、ドンデン返し的なラストを用意するというのが常だ。 が、この映画においては、そういうストーリー的に機知に富んだ工夫はほとんどない。  用意された一つの「謎」。即ち、「ジェイソン・ボーンとは何者なのか?」ということを、主人公自らがひたすらに追い求めるということが、この映画シリーズの揺るがないスタンスで、その中で生じる「逃亡」と「追走」それらのみで構成される。 それは、アクション映画として、非常に潔く、故にとても洗練された作品へと消化した要因だと思う。  仰々しい爆発シーンや、劇的なストーリーテリングに頼らず、生身の人間が体現出来得るリアリティを前提としたアクションシーンを繰り広げることにより、このシリーズは独特の緊迫感と疾走感を併せ持った迫力に溢れたアクション映画として確立することが出来たのだと思う。   ただし、もう続編は必要ない。それはこの三部作を評価するからこそ生まれる大多数の意見だろう。
[DVD(字幕)] 7点(2010-04-09 01:16:25)(良:1票)
26.  ボーン・スプレマシー
前作「ボーン・アイデンティティ」は、演技派のマット・デイモンがリアルなアクションシーンをこなし、ヨーロッパを舞台にしたスタイリッシュな映像が秀でたアクション映画だった。悪くない映画だったけど、スパイ映画としては“展開力”に今ひとつパンチがなくて、それほど印象が強い作品ではなかった。 なので、続けて製作された続編に対しても、興味は薄く、公開から6年が経過してようやく観た。ようやく観た理由は、ある雑誌の企画上のランキングで、このシリーズの続編2作品が揃ってランクインされていたからだ。  アクション映画において6年という年月は“劣化”を覚悟しなければならない期間だと思う。 しかし、今作にはそういった安直な劣化は微塵も感じなかった。むしろ作品の隅々までが洗練されていて、新しいと感じた。  主人公に対する追走劇が世界を股にかけて展開される様は、前作から引き継がれた魅力だが、その各国での各シーンがより研ぎすまされ、それぞれの場面が完成されている。 映画の展開によって変わっていく雰囲気が、各都市のシーンでマッチし、ロケーションそのものが主人公の心情を表しているかのようだった。 世界各国各都市での撮影を売りにしたアクション映画は多々あるが、各シーンにおいて、その都市で撮影を行う”意味”を持たせ、それを如実に表現する映画は少ない。  そういった映画作りに対するきめ細かさが、用意されたプロット以上にこの作品の面白味を高めていると思う。  すぐに続編が観たい。第三作目を一緒にレンタルしなかったことを悔やんだ。
[DVD(字幕)] 8点(2010-04-07 16:37:21)(良:1票)
27.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 
「映画」が好きな人間にとって、「映画を観るということ」の価値は計り知れない。 それは理屈ではなくて、ただただシンプルに「好き」ということになると思う。  レンタルビデオの中身が消えてしまった。じゃあ自分たちで勝手にリメイクしてしまおう。予想外に面白かったから、また観たい! ストーリーの設定自体は強引すぎるほど強引で、リアリティなんてまるでない。 でも、その根本的な願望は、とてもシンプルで理解できる。  映画が好きだから、街が好きだから、店が好きだから、そうして作られた映画を、みんなで観て、共に泣き笑う。  そのささやか「幸福感」に感動する。
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-29 11:09:27)(良:2票)
28.  ボルベール/帰郷
スペイン独特の「熱情」を礎に、ひたすらに密度の濃い人間模様を映画世界に吹き込んでいくペドロ・アルモドバル監督の最新作。 スペインの宝石であり、アルモドバル監督の秘蔵っ子でもあるペネロペ・クルスが、何をおいてもスゴイ。 円熟味を増した美貌と女優としての存在感が、強烈なまでに溢れ出し、ただ画面に映し出されるだけで、映画の世界と観客を支配してみせる。 彼女は、間違いなく今女優としての最盛期を迎えている。そのタイミングで主演した今作が彼女の代表作の一つになることも、間違いないだろう。  母親として、妻として、そして娘として、「女性」であるが故の本質的な苦悩と本能を、辛辣で際どいテーマをもってぐいぐいと物語っていく。 女としての弱さと強さ。生きることに対する強かさと儚さ。 そういう激動する感情を、ひとりの「女性」そのものの存在で伝えてくる。  ただ、ストーリーの展開に対してあまりにテーマ重々し過ぎるというか、バランスが悪い印象も受けた。 主人公らが背負う運命にあまり説得力がなく、重い十字架を無理矢理背負わされているという違和感が残る。 そういう部分が、もうひとつドラマとして入り込めなかった要因だろう。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-29 16:10:25)
29.  ボビー
恥ずかしい話だが、映画の終盤までこの作品に核心である“ケネディ”は“JFK”のことだと勘違いしていた。ほんとに無知さが情けない。 でも、その無知がこの映画の終着点までの道程における「深み」を、固定観念なく染み渡るように感じることが要因になったとも思う。  つまりは、スバラシイ映画である。  1968年、泥沼化したベトナム戦争、混迷を極めるアメリカ、残された最後の希望、アメリカ大統領候補ロバート・F・ケネディの暗殺。 アメリカ史上に残る血塗られた悲劇の日、現場となったアンバサダーホテルに集った人種もステータスもバラバラな22人の「視点」と「感情」をグランドホテルスタイルで巧みに切り取っていく。  この悲劇の事実を知らなかったので、描かれた「顛末」の衝撃は殊更に大きかった。 そして同時に、この映画を22という多種多様なアンサンブルによって描いたことの意味を知った。  それぞれが描いた「希望」がついえたその瞬間、彼らは何を見て、何を思ったのか。 きっとそれは22人の視点以上に複雑で、混沌と共に混ざり合う。  ついえた希望に反して、今なおついえることのない愚かしい悲劇の数々。 それは、アメリカという絶対的な大国に課された恒久的な「業」なんだと思う。 それは、凄まじく辛く、堪え難い。 が、しかし、諦めることは許されない。どこまでも続く悲劇を、どこまでも乗り越えていくしか、人類に未来はない。
[DVD(字幕)] 9点(2007-08-05 23:26:42)(良:1票)
30.  僕たちの戦争<TVM>
現代社会に生きる人間が、戦時中にタイムスリップしてしまい、戦渦に巻き込まれていくという設定はよくありがちだが、容姿が全く同じ人間が時代を越えて入れ替わってしまうという設定はちょっと新しい。  そして、その対象をそれぞれの時代を生きる「若者」にすることで、リアルで敏感な感情がダイレクトに伝わってくる。 まったく違う時代と環境を生きてきた二人が、突如として放り込まれた時間と場所の中で、混乱しつつも感情豊かに対応していき、それまでに見出す余地もなかった「意識」を生み出していく様は、実に胸に迫るものがある。  「戦争」というある種の固定概念が定着している題材の中で、決して暗く堅苦しくならず、「若者」を主題にするにふさわしい“瑞々しさ”で描き出した演出と演技はとても良かったと思う。  戦渦の中、特攻として最期を迎える寸前の主人公(現代人)は、猛々しく叫ぶ。  「正しい戦争なんかない」  この作品で描かれるのは、単なる戦争の愚かさではない。「戦争」という時間、「現代」という時間、それぞれに生きる人間たちの「普遍」である。 「戦争」を、そして「現代」を、新たな“世代”と“言葉”によって語られるべき時代がきていると思う。 
[地上波(邦画)] 7点(2006-10-02 23:41:03)
31.  僕の彼女を紹介します
「猟奇的な彼女」の作品的なテンションを意識しすぎて、展開されるストーリーが物凄くアンバランスになってしまっていると思う。ラブコメ調を通すのかと思ったら、妙にシリアスになったり、いかにも感動を誘う感じになったり、結局これでは映画自体に感情移入することはできない。ほとんど無意味に挿入される仰々しいアクション、思いっきり「ゴースト」なラストには、失笑も免れないだろう。 ただしかし、それでも最後までこの映画が見れるのは、一重に主演女優チョン・ジヒョンの魅力のおかげに他ならない。ストーリーが破綻しているにも関わらず、彼女が表現する感情のみで感動させる。それは凄いと思う。
[DVD(字幕)] 5点(2005-11-16 12:06:25)
32.  香港国際警察/NEW POLICE STORY
うーむ。なぜこんなに評価が高いのか…。 確かにジャッキー・チェンのアクションは歳を感じさせずキレがある。その他のシーンにおいてもアクション性の高さと質については、「流石だ」と思う。 しかし、ひとつの映画作品としては、ことごとく中途半端で稚拙な印象を拭い去れない。完成された、緻密なストーリーを用意しろというのではない。ジャッキー映画にそんなものを求めている人は、一人もいないと思う。ただ単に、作品のテンションを統一してほしい。シリアスで悲痛な描写を入れたいという思惑は重々分かるが、そういう要素がジャッキー・チェンのアクション性と合致するとは到底思えない。 結果的に、ストーリーの展開が非常にアンバランスで、キャラクターにまるで説得力がなく全体的に支離滅裂に映る。 往年の「ポリス・ストーリー」で表現されてきた絶大な“魅力”はこういうものではなかったハズだ。まだまだ“動ける”ジャッキー・チェンに安心感を覚えつつ、もう一度、彼のベースへの原点回帰を願わずにはいられない。
[DVD(字幕)] 3点(2005-09-30 01:30:35)(良:2票)
33.  亡国のイージス
「やってくれた」 最新鋭のイージス艦から、赤い爆炎と共に闇に放たれたミサイルの様を見た時、そう思った。 それは、今まで日本の映画ファンが押し潰してきた、ある思いいに対する“答え”を見たからだ。すなわち、「日本ではエンターテイメント大作は作れない」という失望と諦めに対する答えである。 この映画は、そういう長い間の負のイメージを払拭させる力を感じさせる作品だと思う。 ただし、その“答え”は、ただハリウッドのように派手に映像を描きつければいいということではない。もっとも重要なのは、「日本人が日本人を描く」という至極当たり前の要素である。 アクション性豊かなだけな日本映画であるならば、今までにもあっただろう。 しかし、そこに映画としての力強さは無かった。それは、日本人として“日本”という国を描いてこなかったからだと思う。 例えば、1999年の韓国映画「シュリ」にあったのは、まさにそういう要素ではなかったか。韓国という国が、朝鮮民族そのものを見つめ、描いたからこそ、あの映画は世界に興奮を与えたのだと思う。 そのことを、この映画に関わるすべての“表現者”たちは、理解し、見事に体現して見せた。 
[映画館(字幕)] 9点(2005-08-01 16:20:31)
34.  ホーンテッドマンション(2003)
我ながら地味だとは思うが、“ディズニーランドで好きなアトラクションは?”と聞かれれば僕は「カリブの海賊」と「ホーンテッド・マンション」と答える。「カリブの海賊」の映画版「パイレーツ・オブ・カリビアン」はジョニー・デップという巧者の主演とアトラクションそのままに描き出した世界観に、予想以上の満足感を得られることができた。そしてそのヒットを受けて~!という勢いがモロに感じ取れる今作の製作を聞いた時点で正直あまり良い予感はしていなかった。やはり最大のハンデは、目新しさとブームに巧い具合に乗った“海賊モノ”に対して、散々やり尽くされた感のある“幽霊モノ”というジャンル自体だったと思う。いくら最新CGで仕上げてみても、エディ・マーフィーが職人的にはしゃいでみても、そこに新しさは生まれず、ただただありきたり感が付きまとう。まあそれでも細かな演出まで頑張っていた部分はあったが、大筋のストーリーがチープそのものでは焼け石に水である。
[DVD(吹替)] 3点(2005-05-23 21:01:27)
35.  ボウリング・フォー・コロンバイン
飛び交う情報の中で、もはやぼくたちはどれを信用するべきか分からない。それが今現在の全世界中での混沌に直結すると思う。アメリカを愛し、アメリカを憎み、アメリカを軽蔑し、アメリカが大好きなこのひとりのアメリカ人が作り出したドキュメンタリーは、核心であると同時にそれすらもただひとつの「意見」に過ぎないのかもしれない。だから、この映画を観たことのみで「反銃社会!」、「反アメリカ!」と言うことは非常に安易で愚かであるし、作り手も決してそんなことを望んでいるわけではないと思う。必要なのは、ただ単に「まず知ること」だ。外国でどんなにショッキングな事件が起きても、所詮多くの人たちにとっては日々のニュースの一片にすぎない。もちろんその一つ一つを己の身をもって感じろというのは無理なことだ。しかし、もう少しぼくたちは、自分たちのまわりを覆い尽くしている混沌を見つめるべきではないか。そのためのひとつの術として、このドキュメンタリー映画は非常に有意義に存在すると思う。
[DVD(字幕)] 8点(2004-07-31 08:14:55)(良:1票)
36.  ほえる犬は噛まない
確かに所々で衝撃的で、不快感も存分に残る。ただどこか憎みきれないところがこの映画にはあるように思う。別にそれによって登場人物や観客が救われるってことではないのだけれど、強烈にシニカルな人間描写と共に存在する淡~い温かさみたいなものが全体を包んでいるように思えるのである。最終的にストーリーにいまひとつ膨らみがないので、何となく終わってしまったという印象が拭えず満足感は得られないが、変った種類のコメディドラマとして楽しめる……かもしれない。
[ビデオ(字幕)] 5点(2004-06-27 13:50:56)
37.  僕が僕であるために<TVM>
SMAP主演で描かれる青春群像ドラマ。たしか正月のドラマスペシャルだったと思うが、ストーリーは意外に悲劇的で個人的には好きになれない内容だった。主題歌として流れた尾崎豊の同名曲が印象的だった。
[地上波(邦画)] 3点(2004-03-12 02:39:13)
38.  ボーン・アイデンティティー
クライマックスにもうひとつストーリーの起伏がなく平淡に終わってしまったことは、スパイもののサスペンス映画としては致命的な欠点であることは否めない。しかし、ヨーロッパの街並みを舞台にした映画世界にはスタイリッシュな雰囲気が漂い、観ていて飽きることはない。秀麗な映像センスが見受けられるだけに、ストーリーにもう少し凝って欲しかったと思う。「ラン・ローラ・ラン」のフランカ・ポテンテがヒロインに扮しとても魅力的な雰囲気を出している。
6点(2004-02-05 18:35:12)
39.  北北西に進路を取れ
主人公が理解不能のままとにかく逃げ惑う中盤までの展開は斬新さと緊張感に溢れた優れたサスペンスを見せてくれるが、中盤以降、主人公が妙にスーパーマン化してしまいパフォーマンスが大げさになる分、リアリティが薄れた。予想以上に平凡なラストの顛末もやや拍子抜けする。サスペンス映画はやはり終盤こそ起伏に富んでほしい。
6点(2004-01-30 18:13:45)(良:1票)
40.  星降る夜のリストランテ
この手の群像劇に不可欠な個々の登場人物のキャラクター性としては印象高いものがあったが、大筋のストーリー展開が軟弱だったと思う。主人公ファニー・アルダンの人物像にもうひとつインパクトがないのも手痛い。イタリア独特の小気味良いノリの良さは感じたので、そのノリをもっと生かしてほしかった。
[ビデオ(字幕)] 4点(2004-01-26 18:28:40)
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