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プロフィール
コメント数 44
性別 男性
自己紹介 ただの学生
よかったら、ふぉろーみー

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1.  千と千尋の神隠し 《ネタバレ》 
ジブリの中では一番好き。ジブリの代名詞とも言える空を飛ぶという自由の象徴に突き進んでいくと思いきや、あわや軽々しくそれを放棄して、恐ろしい程、静かになってゆく。決して盛り下がっているというわけではなく、清められているというか、見終わった後、凛とした気持ちになっている。そういったところがたまらなく好きなのです。 母の腕にしがみつき、夢かうつつか定かではない世界に入り込む千尋。かつての心もとない千尋のようなカヲナシに付きまとわれるようにまでになった千尋が、帰り道、今までの出来事がまるで嘘だったかのように母の腕にしがみついて、歩いている。成長というものは同一の環境下で為されて初めて、形容される言葉なのかと思い知り、そのストイックさに驚きを隠せません。変わったのは千尋ではなく、環境の方であり、元々眠っていた力が引き出されていただけ。でも、必ず、経験、記憶、そういった類のものは然るべきときに然るべく発揮されてゆく。だからこそ、千尋の紫色の髪留めが静かに、しかし力強くキラキラと光っていることに心が震えて仕方ありません。
[ブルーレイ(邦画)] 9点(2016-05-04 01:25:11)
2.  トウキョウソナタ 《ネタバレ》 
ラスト、ピアノを弾く息子の姿を見守る香川照之が薄っすらと涙を浮かべる表情にはいたく感動しました。父として、サラリーマンとして、必死に背負い込んでいた体裁という肩の荷が降り、身も心も開放した男が、不意に幻想的で神々しいまでの美に邂逅した時、これ程美しく、生に執着した表情をするものなのかと。窓を閉めることから始まる映画であり、次男は窓が開いた開放的なピアノ教室に憧れ、母は屋根が開く車に心奪われ、父は窓から家にこっそり入る。ラスト、見事に窓が開け放たれて、カーテンがゆらゆら揺れている。窓の映画といっても差し支えないでしょうか。
[DVD(邦画)] 9点(2015-10-20 21:07:15)
3.  ミスティック・リバー 《ネタバレ》 
多くの痛み、犠牲の上に人は生きていることを極めて、引き延ばした映画ではなかろうか。自己肯定こそが人生だ。犠牲を忘れず、感謝するのが人の生きる道だ。そうだろう。別に、人殺しや、動物殺しを擁護する気はさらさらないが、下した決断にいかに自分に落とし前をつけるのか。反省するのか。なら、するなと言いたい。たとえ、捕まってブタ箱にぶち込まれて法で裁かれるのは然るべきことだが、自分の犯した罪に自分自身は胸を張るべきだと思う。 毎度のことですが、やはりイーストウッドの照明は末恐ろしいほど、神がかっていますね。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2015-08-12 12:51:31)
4.  真夏の方程式
傑作、堂々たる出来。 共に横に並んで座るというイメージがこれ程までに意味を持つとは驚きです。小さな探偵くんに対し、頑張れと一方的に投げかけるのではなく、共に考えよう、一人ではないと呟く湯川。冒頭の議論のように、向かい合い、人に教授する立場の存在であるにも関わらず、横に一緒に座る。そのイメージは本当に力強い。面会室のガラスに阻まれ、向かい合うことしか許されない杏と義親とも対比されているかと思うと一層、感動的。あの事件だけでなく、文明の発展に伴い未来に残され、未だ答えの見つからない遺物に対しての、物理学者という立場としての言葉にも聞こえました。行きは、一緒に電車で島にやって来た2人。帰りは、一人。父ちゃんはうたた寝。行きは、進行左方向、帰りは右方向。ここにも相当、示唆なものを感じざるを得ません。 事件の動機が弱いのは確かでありますが、夏休みにたまたま島にやって来て、たまたま事件に巻き込まれる形となったあの子をストーリー軸に据えるのであれば、脈絡がないほどストーリーの理にかなっている。
[地上波(邦画)] 9点(2014-09-13 21:28:25)
5.  東京公園
パスタを作り終えた小西真奈美は、部屋に入り込んで来る風を気にする素振りを見せて、窓をピシャリと閉め切ります。この瞬間、完全に俗世とは隔離された異空間が出来上がった、とも言えるでしょう。弟と姉ではなく、部屋の中に男一人に女一人。そうなることを刹那的に許された禁断の場と見て取れます。もし無人島に二人だけが‥のシチュエーションか。そうであるならば、その後の成り行きは必然と言えるでしょう。視線と視線が交錯し、互いに体を手繰り寄せ、唇と唇を重ね合わせる。三浦春馬のシャッター音は一枚一枚の服を剥ぎ取り、心の深層に侵入するエロさと危険性を感じました。ここで、車やバイクのエンジン音をわざわざ残すあたりは監督の意地の悪さか。そして、二度目の口ずけへと移る、このなんとも言えない程の焦れったい、間。これほど濃密な間は近年の邦画では類を見ないのは明らかではなかろうか。そして、時間は無常にも過ぎ去り、無邪気な子供の遊び声によって日常に連れ戻されたのであります。 ジッと被写体を捉え、シャッターを切る。写真を撮るという行為は視線と視線の交換ということには、ハッとした。ラスト、高橋洋が三浦春馬に見せる生の表情はとにかく感動的であるし、その後、流れる、再生を感じられるギターのBGMも素敵でした。喪に服す、榮倉奈々の黒のネイルが色づく日は近いのではなかろうか。
[DVD(邦画)] 8点(2015-11-21 00:20:17)
6.  ファイト・クラブ 《ネタバレ》 
傑作。キートンを彷彿とさせるコメディーです。 裸になって、殴り合い、九死に一生を得た末に、これでやっと変われるという言葉は中々に響ました。うんうんと頷きながら、俺は変われないなと絶望するのです。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-09-28 13:06:26)
7.  アカルイミライ
刑務所の面会室で、フラフラと歩き回る浅野忠信が看守によって、椅子に座り直されるシーンが二回程あったかと思います。看守が両手でトントンと肩を叩き、まるでお前の居場所はここだということを示しているようでした。彼はとにかく、正社員であり、兄であり、さらには兄貴分という役目になることさえも嫌っていて、ひたすら、自由を求めるその姿が前半部のストーリーテラーでした。ようするに、黒沢清が撮りたかったのは、クラゲが“水槽”に入れられているカットでありシーンであると思いました。決して、水にぷかぷか浮かんでいるだけの姿ではなく。さらには、人の心を和ますのではなく、人を刺す姿。そして、そんな水槽が浅野忠信の部屋という枠から存在しなくなるカットはストーリーの危機の予兆でもあったことは間違いありませんでした。ところで、ゲームセンターで彼の妹の彼女に負けた時、オダギリは茫然自失となるのだが、“Panic”とプリントされたTシャツを着た店員?がちょうどカメラの前を通り過ぎるだが、これは偶然とは思えませんでした。状況説明シャツっていうやつですよね。撮影クルーという、普通では画面の枠には映ってはいけないものが映り込んでしまうラストは今作にお誂え向きなラストだったと思います。奇抜さだけを求めた学生映画と一枚も二枚も上手の演出でした。“枠”を強烈に意識した映画でした。 僕が一番印象に残っているのは、おしぼり社長の娘でした。買い与えられた勉強机、という名の拘束椅子が運ばれているのを、あの少女がどんな顔で見つめていたかをちゃんと見ただろうか?どんな顔で夕食を食べていたかをちゃんと見ただろうか?少なくとも、あの親は気づいてはいないでしょう。偶然見たとしたとしても、“具合が悪いの?”と頓珍漢な言葉を投げかけ、そして、少女は“大丈夫だよ”と儚げな笑顔で返すのが関の山でしょうか。お前ら親が危険の温床である。浅野忠信はきっと気づいたに違いません。あの子は小さなクラゲだと。毒を以て毒を制するべしと。川に解き放つべきだと。浅野忠信やオダギリがあの親を殺さなければ、あの少女が殺していたかとも思います。だから、家族という檻から放たれ、トンネル?を一人で歩いていく、名も知らないし、その後、映画から飛び出したようにも思える少女に僕はいたく感動しました。
[DVD(邦画)] 8点(2015-09-26 08:45:11)
8.  そして父になる 《ネタバレ》 
本当の子供とは血の繋がった子なのかそれとも共に過ごした子なのか、そしてどちらを選ぶのかを問う映画では決してなく、まさしくタイトル通り「父になる」、父とは何かを問う映画だったと思います。福山雅治はどちらの子にも失格の烙印を押され、父親の責任、意義、そして素晴らしさを子供達から学んだように見えます。こんな僕が父になっていいのか?でも、父になりたいと切に願う僕にとって胸を打たれるような映画でした。結局父とは何かは分かりませんでしたが、もしいつか我が子を授かう日が来れば生涯をかけてちゃんと我が子を愛せているのか、ちゃんと父として務めているかを、そして父になるとは?ということを自分の心に常に問うて生きていかなければと気持ちを新たにさせられました。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2015-02-06 15:46:10)(良:1票)
9.  ハリー・ポッターと賢者の石 《ネタバレ》 
小学一年生の時に母と姉と一緒に見に行きました。そりゃあ本当にワクワクしましたよ。魔法でレンガが動くシーン、箒で空を飛ぶシーン、巨大チェスのシーン。こんな世界があるのかと魅せられました。作品の完成度の不出来はあるけど、僕にとっては大人にとってのスタンドバイミーであったり宇宙戦艦ヤマトと同じです。幼い頃に感じた興奮は他には代え難いものです。
[映画館(吹替)] 8点(2014-03-24 22:16:52)(良:2票)
10.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
フラフラになりながらも、最後まで制服を着続けて、職務を全うし、さらにフラフラになりながらも、自分の判断を信じ続けた機長の物語なのですが、繰り広げられる言い争いが、人と人との争い事ではないことに注目すべきではないでしょうか。 これ程、溜飲が下がるのは、極限の状況下で人の下した判断が客観的なデータに基づいた判断を上回ったからだと思った。金メダルを獲得することは間違いないけれど、人類の限界を目指すボルトの走りに感動するのと同じようなもの。
[映画館(字幕)] 7点(2017-02-08 01:52:21)
11.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》 
君の名は。の面白いところは、記憶が薄れ、もはやその記憶が確かかさえも分からないが、運命的なものを感じる男と女が勇気を出して、振り返るというラストワンシーンを作るがために、体の入れ替わりや隕石やらのストーリーの大部分を一種のマクガフィンとして機能させていることだろう。正直、この大胆さには驚愕した。災害の風化という寓意は間違いなく存在するとは思うが、それよりも、秒速五センチメートルを意識したラストシーンだったと思う。  ピント合わせをしたかと思えば、引き戸の開閉を真横からローアングルで撮ったり、高速でカメラが移動したりと、実際かなり奇妙なことをしているのだが、リズムが生まれて悪くない。また、作画においては、モネっぽいと思ったのだが、光源あるいは光線そのものの使い方が印象的だった。例えば、三葉が消えるシーンで、光線を境とした、左右の立ち位置の徹底ぶりとかだろうか。隕石のシーンは、BGMや最早、お約束である女子高生の全力疾走の一押しもあって、本作の中で、素晴らしい出来には間違いないが、超越的な災害は残酷であり、また、美しいのだというクリエーターが抱える矛盾みたいなものも感じられて、ここら辺はジブリぽいと思った。
[映画館(邦画)] 7点(2017-02-08 01:36:00)
12.  ズートピア 《ネタバレ》 
思い込んではいけないよというメッセージ通り、目的がコロコロと遷移して、品の良い活劇といった感じで、評判通りの面白さ。 うさぎ警官ジュディが大きな動物を地を這うようなローアングルから見上げる視線。大きな動物がジュディを見下ろす視線。これがズートピアの二つの目線。うってかわり、記者を前に壇上に上がり、ジュディが皆を見下ろという視線の逆転のシーンからストーリーが予想外な展開を見せていくことは決定的でもあったともいえます。体格の差が如実に現れる様々な動物同士、目線を合わせることは不可能。同種同士でしか目線は合わせられない。その絶対的な視線の交錯という諦念から、ならば、視線を解放するという俯瞰で捉える大円団のラストシーンはやはり、この映画の見どころでもあって。えてして、逆にこの視線の欠如というものは相手を見ようともしない、よって思考の硬直化という逆説的かつ、最悪な帰結へと人間は自身を導いた皮肉ともいえるだろうか。 良くも悪くも、人というものは何かとカテゴライズをしたがり、理由であったり、意味付けして納得したい動物、つまり、視線の硬直、思考を硬直したがる動物ではありますが、だからこそナマケモノが怠けているというピッタリのイメージに可笑しくなり、逆にナマケモノが車を飛ばしているという真逆のイメージにも可笑しくもなる。にんじんの形をしたスピーカー内蔵のペンが伏線の一部として機能しているのも同様。 ズートピアを震撼させる事件が発生しまして、ジュディとニックが解決していくわけで‥これ以上は劇場でみてくださいとしか書けませんけど、最後のオチは多くのちびっこを楽しませる為にも、また、か弱きものが反撃する、窮鼠猫を噛むという一つのメッセージも込められているわけですが、そこにはそれ以上の思想は内包しているわけでなく、下らない帳尻合わせにしか僕には見えない。表向きは夢は叶うというもの。裏向きといっても、裏には見えないけど‥差別を取り扱う以上、やはり明確な敵が存在しては、だめじゃないか。
[映画館(吹替)] 7点(2016-05-10 01:52:00)
13.  CUT(2011) 《ネタバレ》 
西島秀俊演じる秀二にとって、映画とは自分そのものということか。彼は古き良き映画の亡霊というよりかは、もはや彼自身が映画なのだと思う。そんな彼は決してキレることなく地団駄を踏み、必死にサンドバッグの如く耐える。あれほど忌み嫌ったお金の為に、耐える。奇声を上げて、存在を強烈にアピールする。守り抜き、後世に伝えたいと切に願う映画の消費世界真っ只中の姿のようである。忘れ去られてしまった、かつての耐え忍ぶ日本人の在り方かもしれない。映画好き、ともかく、血の通う人間ならば、ボロボロになりながらも、それでも、思い描く未来を見据え、生に執着する姿に心が微塵も動かないということはないはずだ。そして、彼は死ぬことなく、逞しく生き残るのだ。 とりあえず、巷のクソ映画とは違うのだと謳うだけの真の映画らしき皮を被ったファッション映画とは一線を画す出来であることは間違いないと思う。それこそが断罪すべき真の消費映画そのものだと思う。 ただ、金は受け取るより、拾う方が絵的に良かった感じもするのだけどな。あと、フィルムの沐浴みたいなのは狙い過ぎで、白けたかな。
[DVD(邦画)] 7点(2015-10-16 19:30:39)
14.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 
アンジーが息子の死を知るちょっと前に、観客にはその悲劇的事実を示す。主観的に演出を出来るシーンをここであえて引いて描く。逆に生き残った子のエピソードのように感傷的に描くシーンは多い。システムが汚職を生み腐敗を呼んで引き起こされたあり得ないような事件を語るにはあまりにも主観でも客観では語れません。それほど怒りのやり場がない事件でした。だからこそイーストウッドは希望をそっと代わりに残します。怒りを希望に。悲しみを希望に取り替える。あくまでそっと。 システムこそが人を蝕み人と人を傷つけ合わせますが、人を救うのは人であると思います。しかしそれは頑張れ、前を向け、それを息子も願っているはずだという強烈な励ましの中に埋もれる、あくまで自分のペースでと気さくに食事に誘う同僚や上司のような励まし。希望なんてない事件に、あえてかつそっと、希望を残しエールを送る今作は声を大にして好きだと言えます。エンドロールは人が歩き、電車が通る平凡な街を画面いっぱいに映す出す。ただそんな平凡の日常であるが奇跡的な日常をアンジーを願っていたかと思うと言葉がありません。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-06-13 22:00:33)(良:1票)
15.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 
人生の主役はあなた自身だ、という言葉があります。まさにその通りで、その他大勢は皆脇役でした。唯一、瑛太が観客の役回りで私達の目線と重なります。よって主役は松子。シンデレラを演じるか、はたまた稀代な悪魔女を演じるかは松子の自由なわけです。しかし監督や脚本の全てを主演松子が担うわけではないのです。人生にストーリーの起伏を与えてくれるのはあくまで他人です。この思い通りにならない運命という歯がゆさこそが人生の難しさでもあり面白い所でもあるのです。しかし、何を演じるか、またどう感じるかは主役の主導権。それは一貫してファンタジー調に描かれる演出から容易に想像できます。煙がかったフィルター、ファンキーなフィルターは松子の感情にそのまま直結してゆきます。 裏切られた末に引きこもり、もう恋なんてしないと腹を決めたような松子は死に際、自身を姉と慕ってくれた妹に思いを馳せます。松子は決して愛を与えられていなかったわけではないと思うのです。ただ酸いを少々経験し過ぎて、自身を愛せなかったから、その自分を愛してくれる愛を素直に信じることが出来なかったのではないかと思います。 屈折した感情ですが、共感出来ます。 告白から始まり、中島哲也の映画はこれで4本目です。癖のある映画を撮られていますが、他の監督とは一線を画して、センスがあるのではないかと感じます。
[DVD(邦画)] 7点(2015-05-02 18:47:17)(良:1票)
16.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 
主演が三役を演じるなんてふざけている。気づいて見ればタイトルからふざけてた。妄想から越権行為を行うリッパー将軍。抑止力の意味を成さない「皆殺し装置」。徒労な活動を続けるスパイ。選民議論に熱を帯びる首脳陣。そして冷ややかな視線の中、自身の手と戦う博士。青天の霹靂、博士が叫ぶと同時に、こっちもふざけんなと心の中で絶叫するとともに物の見事に世界滅亡の後、無事終幕。一見重厚感のある空気感と間の抜けた科白のギャップが最高でした。歴史を振り返ったら呆れれるような私利私欲に塗れたことから大事件が勃発することもしばしば。人間の理性はそれほど不確かなもの。「ウザい」や「キモい」などの言葉をLINEやTwitterで使おうとしたら一旦警告サインを促すだけで使用率がグッと下がるらしいです。この大発明は馬鹿になりません。論理立てて相手を非難しても誰の心には響きません。なら相手に悟らせるユーモアこそ唯一の手段かもしれません。冷戦で一触即発の中放り込まれた今作によって第三次世界大戦が踏み止まったと思うのは少々大袈裟ですが、行動する前に一旦冷静に立ち止まって考えることは人を正しい行いに導いてくれます。反戦映画というより根源的なテーマをユーモアで伝えてくれる馬鹿な人類に送る最高の教育映画でした。
[DVD(字幕)] 7点(2015-03-13 01:44:59)(良:1票)
17.  シュガー・ラッシュ 《ネタバレ》 
義務として悪役を演じ、数え切れないほどの窓を壊してきたラルフが、主体的にヴェネロペの大切な一台のゴーカートを壊し、悪役を演じる姿にウルっとくる。そして、今度はヴェネロペのヒーローになる為、世界を壊す姿にまたまたウルっとくる。行動にストーリ的意味が付与される楽しい映画に間違いなし。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-02-13 20:48:30)
18.  レ・ミゼラブル(2012)
泣いちゃいました。初めてです。俺も映画見て泣くようになったんだなって。驚きました。終始、セリフではなく、歌です。状況説明ではなく、溢れる想いを体で表現します。その声、それ以上に表情に感動しました。平穏の時代ではなく、革命期に生き抜いた彼等にしか歌えない歌、表現出来ない顔だったと思います。悩み、苦しみ、笑い、必死に生きた市民が良き未来を見据え、国家を憂い革命を起こす姿は鳥肌がたちます。そんなフランス革命期を感情を一面に押し出すミュージカルで演出するのはピッタリだと思います。この感動を言葉にするのは凄く難しいです。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-10-11 11:08:01)(良:1票)
19.  苦役列車
最後の最後に貫多はやっと変わることができた。それは月日が流れたからでもなく、殴られて裸で捨てられたからではない。同類だと思って憐れんでいた高橋が夢に向かっていたからだ。変わる機会はいくらでもあった。正二に「お前はいい奴だよ。」と言われた時。康子に振られた時。高橋が怪我した時。元彼女とあった時。正二に見放された時。そして父親が性犯罪をした時。僅かな気持ちの変化はあったけど、人生を諦めていた。三年後、映画の冒頭と同じで、ソープから出てくる。努力をするわけでも、父と同じように犯罪に手を染めるわけでも、自殺するわけでもなくただただ漫然と不満を抱えながら過ごしていた。でも、最後に変わることが出来た。パンツ一丁で本を書くシーンは原作にはありません。山下監督はどんなダメな奴でも、運が悪いやつでも変わることができる。人が変わることは本当に本当に難しいけど、変われる。変わっても99%無駄に終わるけど、成功するかもしれない。監督はそういう希望を表したかったのだと思います。原作を書いた西村賢太は映画のリメイクを厳しく非難しています。彼は人生の不条理さを徹底的に表しています。変われない人は一生変われない。負け組だと。辛いけど、原作の方が現実だと思います。人はそう簡単には変われない。でも、そんなのは嫌というか、真っ向から立ち向かってやりますよ。若いうちぐらい夢を見てやりますよ。そして、絶対、叶えてやるし。
[DVD(邦画)] 7点(2014-03-08 18:38:34)(良:1票)
20.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
左右のスピーカーから話し声が聞こえてくる。奥から宇宙船が近づいてくる。開始1分で魅了されました。凄すぎる。なんか顔がにやけてしまいました。本当に映画館で見れて幸運でした。 
[映画館(吹替)] 7点(2013-12-16 19:05:59)(良:1票)
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