181. 宇宙人王(ワン)さんとの遭遇
《ネタバレ》 制作費の殆どがイカじゃないかと思われるほどのチープな作品なのに、見事に惹き込まれました。 おそらくは正統派の社会派ヒューマンドラマなのではないかと信じ、真面目にコメントさせていただくのなら、「言語や文化や外見が異なっても心は通じ合える」ことへの警鐘を鳴らすふりをして、その実、やはり「愛」を唱えた作品と言いたいところですが、やはり信じてはいけないようで、そのまんまストレートに、風刺をたっぷり詰め込んだ某国批判誹謗中傷作品なのかなぁ… 政府関係者の興奮ぶりや拷問シーンなどから、「王さん」の言葉を信じないことへの確証があるやに思え、どうせ純粋な美人通訳が最後に裏切られると、若干斜に構えて観ていたら、案の定その通り。されど、意外性はイマイチなのに思いの外エンディングにがっくりさせられたのは、懸命な美人通訳にまんまと感情移入させられてしまった証。インディーズ作品とのことながら、各国の映画関係者等の注目を集めた作品だけのことはありますね。個人的にかなりハマったので1点おまけの8点献上です。 それにしても、エビ型宇宙人やらイカ型宇宙人やら、異星人に異形を求めたがる風潮は昔から変わりませんね。この流れを創り出した古のSF作家の皆さんの想像力に敬服。ま、人間型だとむやみやたらに攻撃しにくいってのもあるんでしょうけれどね。人間同士だと平気で攻撃し合ってるくせにね。 [DVD(字幕)] 8点(2013-10-27 01:54:59)(良:1票) |
182. 96時間 リベンジ
《ネタバレ》 映画とか観てて昔から思ってたんですけれど、やられ役のその他大勢にも家族がいたり恋人がいたりするんですよね。10人始末されりゃ10の葬式が営まれる。そして、そこには10以上の怨恨が生まれ出る。悪党が正義のヒーローにやられるんならまだしも、時代劇の悪代官の家臣達なんか最悪ですよ。仕事で命令されて戦ってる一般人なのに、正義のお侍に退治されちゃう。ついてないってレベルじゃないです。 と言う訳で、この作品のプロットは、映画的にはあまり取り上げられないその他大勢の復讐劇。加えて前回とばっちりを受けた主人公の愛娘のリベンジでもあるんですね。 ま、それはそれとして、物語としては至極単純。しかも、主人公は前作同様無敵で不死身。もうこの際何も考えずに楽しむしかないですよ。深読みすれば、アメリカの理屈への批判とか読み取れないことも無いけれど、この作品は単純にエンターテインメントとして楽しむのが正解なのでは?そういう意味での8点献上です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-09-24 00:53:00) |
183. ドライヴ(2011)
《ネタバレ》 冒頭の逃走シーンが激しいアクション作品を思わせながら、基本的には動と静を繰り返すことでストーリーを紡いで行く。純愛と暴力のコントラストも極端だ。色調、カメラアングル、台詞回し、どれを取ってもしっかりと作りこまれている感じですね。ストーリー自体は決して斬新ではないけれど、ここには確かな作品としての価値があります。 この手の作品にハッピーエンドは期待してはいけないんだろうけれど、少しだけ主人公に感情移入してしまった。 [DVD(字幕)] 8点(2013-09-23 23:44:23)(良:3票) |
184. エイリアン バスターズ
《ネタバレ》 ちょっとエロくて、そこそこグロい。けれどもどうにも憎めず笑ってしまう。アメリカンコメディの王道を行く1本です。 冒頭いきなりコストコが出てきて笑います。いや、コストコが可笑しいんじゃなくて、邦画だったら有り得ない設定でしょ?実在の店舗(作中のはセットらしいけど)が殺人現場になったりエイリアンの通信基地になったり。 そして、いきなりの警備員惨殺。ヒドイ殺され方だけど軽く描かれてたりして。少年の被害者に至っては、犯行発覚のシーンはカットされちゃってたりして。 謎の隣人も相当なもの。男3人が向かい合ってのシーンは、NG集も含めて大笑いですよ。 終盤の戦闘シーンもスゴイな。なんたってエイリアンの急所は「急所」なんですから。 数え上げればキリが無いほど小ネタ、大ネタのオンパレード。観る人は選ぶ作品だけれど、そこそこ良心的でもあるし、こういう作品もたまに観ないとね。 [DVD(字幕)] 8点(2013-09-23 22:39:43)(良:1票) |
185. PARKER/パーカー
《ネタバレ》 ジェイソン君の主演作はハズレませんね~。中身があるとか、心に残るとかじゃないけれど、とにかく観ている間の爽快感は素晴らしい。監督やスタッフが違っても変わらないところは只管彼の魅力の賜物でしょう。 と、ちょっと誉め過ぎかもしれませんけど、本作も多聞にもれず爽快な一作です。最初の生き残りはいささかラッキー過ぎるかもしれないけれど、そこはそれ無敵の主人公ですから御勘弁を。ジェニファーとのラブシーンも濃くなりすぎず、ただただハードボイルドな男の世界を描き切ったこの作品。尺の長さも丁度良い。素直に8点献上です。 ちなみに、最初のズラ、違和感あるけど似合ってます。でも、やっぱりいつもの髪型がいいな。 [DVD(字幕)] 8点(2013-09-23 10:36:16)(良:1票) |
186. エクスペンダブルズ2
文句なしに面白い!退屈ゼロ!まさに「お祭り」ですね。中身はないけどご愛嬌ご愛嬌!こういうのは年に1本、いやオリンピック的に4年に1本でもいいから、恒例行事にして欲しいもんです。なんだったらムキムキオヤジ編だけじゃなくて、セクシーおねえさん編とか趣向を変えてみても良いです。ハリウッド版オールスター戦。是非是非「3」もお願いします。 [DVD(字幕)] 8点(2013-09-08 01:28:44) |
187. TIME/タイム
《ネタバレ》 ラストのお約束的シーン。いいじゃないですか。そこで悲劇を描いたって大多数の観客は納得しませんて。古典的とも言えるアイディアながら、緊迫感のある演出で飽きさせられることなく描き切ってくれました。8点献上! [DVD(字幕)] 8点(2013-09-08 00:06:52) |
188. 崖っぷちの男
《ネタバレ》 超御都合主義が爽快な作品。娯楽作品として受け止めてる限り、非常に面白い。緊迫感も十分ですね。と言う訳で、きちんと合理性をもって辻褄を合わせなけりゃイカン!という御仁には極めて不向きです。私は娯楽作品として十分に楽しみましたから、キャラの違う2人の美女にも満足ですし、アホのようでアホでない弟もOK! おいおいって感じのハッピーエンド(?)も◎ですよ。てなわけで8点献上! あ、思いっきり邦題っぽい邦題かと思いきや、ほぼ直訳だったのが意外。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-15 11:45:15) |
189. リアル・スティール
《ネタバレ》 遅れ馳せながらのレビューです。 最早語り尽くされてますね。多くの皆さんのおっしゃるとおり、見事なまでに「親子愛もの」「スポ根もの」「勧善懲悪もの」などなどを具現化してます。キャスティングもお見事!ディズニーの本領発揮、ファミリーで安心して楽しめる傑作です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-06-04 02:09:59) |
190. アイアン・スカイ
《ネタバレ》 予告編で惹かれて鑑賞。中身は期待以上でした。 細かなネタから鋭い社会風刺、そしてパロディと、てんこ盛りの内容をウィットに富んだ演出とチープな仕上げと色調の画面できっちりと纏め上げた監督の力量は評価に値すると思います。 それにしても人の命の軽いこと。いきなり射殺される(にわか?)宇宙飛行士。総攻撃に逃げ惑う地球市民。反撃で無差別に攻撃される月面市民… そのあたりの描写に、作り手の怒りと悲しみを感じてしまうのは私だけ? [DVD(字幕)] 8点(2013-06-02 08:04:06)(良:1票) |
191. 息もできない
ほとんどの観客にとって、この世界は非日常でしょう。けれども距離感を感じさせられないのは何故なのか?それは主人公やヒロインのどうしようもない境遇が、多かれ少なかれ見るものすべての共感を得られる種類のものだからなのでしょう。はっきり言って大嫌いです、こういうチンピラ。もしかしたら単なる小心者の偽善者なのかもしれない。でも、受け入れてしまう。彼の中の「良い面」を見つけようとしてしまう。それは何故なのか?作り手の誠意が感じられるからかもしれない。心を動かされるエネルギーを内包した秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-03-30 21:43:25) |
192. 127時間
《ネタバレ》 生きる勇気を与えてくれる一本。決して「この主人公を反面教師として無難な人生を歩みなさい。」とは語りかけてこない。普通に考えれば主人公の窮地は自業自得。けれども、程度の大小はあるにせよ、誰にだって慢心や思い上がりはあるもの。問題は、その時に何を考えどう行動するか。この作品は、そのあたりを観る者に突き付けてくる。実話として単純に表現しようと思えば短編再現フィルムで済んでしまうものをここまで重厚にテーマ性を高めて創り上げた監督に脱帽です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-03-30 21:27:52) |
193. 4デイズ
《ネタバレ》 非常に重いテーマ。まさに「究極の選択」とはこのこと。一人の人間として、この選択を苦もなくなしうる者はいないでしょう。というか、いないと信じたい。大量破壊兵器の出現は、間違いなく人の心を極度に歪ませてしまった。連続する緊迫感に目を離せない一本。同時に重苦しく後味が悪い一本。秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-03-30 20:38:08) |
194. ブリッツ
《ネタバレ》 確かに、主人公のキャラクター設定からして、作りとしては結構雑な部分があるかもしれませんが、会話の端々にイギリス映画特有のウィットと言うかセンスと言うか、そんなものが散りばめられて、悲惨な展開なのにクスッと笑わせられたりして、なかなか好印象の1本でした。 犬猿の仲になっちゃうのかなぁという感じの2人の刑事が立場真逆に支えられ、結果「処刑人」かよっ!てなエンディングを迎えるあたりは、結構日本人好みの勧善懲悪のためなら何でもありみたいな作品で、個人的にはかなり好みです。 そして、ジェイソンはいつものジェイソン、お約束どおりの無敵ぶりに満足です。レビュー少ないのがちょっと寂しいかな? [DVD(字幕)] 8点(2012-11-11 15:35:12) |
195. 山猫は眠らない4 復活の銃弾
《ネタバレ》 大好きなシリーズのひさびさの続編と言うことで大喜びで観たのですが、とうとうトム・べレンジャーさんも引退したようで、主人公はその息子。しかも、とりあえずはスナイパーじゃあない! というところで、ややテンション下がり目でスタートしたのですが、社会派的要素を含んだストーリーはしっかりしてるし、登場人物もそれぞれ魅力的だし、銃撃シーンの緊迫感は流石のところがあるし、ご愛嬌的とは言えロマンス的要素も盛り込まれてるし、観終わってみれば十分及第点。どっちかって言うと無名のキャスティングだし、短めの尺に詰め込み過ぎかなと思いつつも、大いに惹き込まれました。 シリーズ全体へのリスペクトを込めて、おまけの8点献上です。 [DVD(字幕)] 8点(2012-10-09 00:45:54) |
196. メカニック(2011)
《ネタバレ》 まさに痛快娯楽アクション映画!ジェイソンのカッコよさが炸裂ですね。ディテールを熟視したらそりゃ当然の如く粗々ですけれど、この手の作品は視覚的にカッコよくて休む暇なく見せ場が連続していれば◎!とは言えキチンと登場人物たちの心の葛藤も滲み出ていたりして、これはアクションスター・ジェイソンの面目躍如足り得る佳作です。 [DVD(字幕)] 8点(2012-10-08 00:46:07) |
197. ぼくのエリ/200歳の少女
《ネタバレ》 北欧の美しい雪景色の中、ゆったりとした優しい時間の流れを感じさせる風景に反して繰り広げられる陰湿なイジメ。そして血まみれの殺人。そして、透き通るような美しい少年と、謎めいた少女の出逢い。陰惨でありながら、なんとも詩情溢れる美しい作品です。 ここに描かれているのは純粋な愛。種族を超え、時間をも越えた愛ですね。吸血シーンやラストの殺戮場面、エリの同居人の男性の爛れた顔相などのシーンが、作品全体の美しさの中に吸い込まれていきます。 観終わった後、全ての悲惨なシーンを忘れ、切ない気持ちだけが残る。こんなヴァンパイアものは初めてです。 [DVD(字幕)] 8点(2012-04-30 12:53:27) |
198. 戦場カメラマン 真実の証明
《ネタバレ》 一人の戦場カメラマンの苦悩を表すと同時に、戦火の中で究極の決断を迫られる医師の苦悩も表されていて、リアルな戦争映画として重いテーマ性を感じさせられます。 親友が帰国しないあたりでは、もしかしてありがちなアレ系(本人は気づいてない系)の作品?と思いましたけれども、決して単純に気付いていない、気付きたくない、みたいなことではなく、恐怖あるいは苦痛が限界を超えた時に、人の心は一体どのように耐えていくのか?どのように振舞わなければ壊れてしまうのか?PTSDには様々なパターンがあるのでしょうけれど、ひとつの典型を見せつけられた思いです。佳作ですね。 ただ、邦題はどうなのかなぁ?原題の方が作品のテーマに相応しいような気がします。 [DVD(字幕)] 8点(2012-01-08 19:17:39) |
199. 40
《ネタバレ》 ひとつのアイテムを軸に、見知らぬ他人の人生が絡み合っていくという内容の作品は数多かれど、この作品、絡み合い始めがかなり力技ではあるものの、きっちりと緻密にそのあたりの仕掛けが組み立てられていて、次第次第に惹き込まれていきます。3人の登場人物の人生も、決して詳し過ぎず、さりとて物足りないこともなく、丁寧に描かれていますね。小さなエピソードも良い感じに効いてます。何より、舞台となっているイスタンブールの荒んだ雰囲気が良い。この街だからこそ生きてくる物語と言えるのでは? トルコ映画は滅多にお目にかかれず、過去特に記憶に残る作品もないのだけれど、この監督さんの次回作には大いに期待したいですね。 [DVD(字幕)] 8点(2011-12-24 23:43:09) |
200. ソラニン
《ネタバレ》 日本映画は必要以上に大作を狙わず、やっぱりこういう感じの、観る者すべてではないけれど、必ず誰かの心に届くような作品が魅力なんじゃないかなぁ、そんなことを再認識。 ベタでいいじゃないですか。そこを期待して観る人だっているんですから。お約束と予定調和の嵐のような作品だけれど、だからこそいいんですよね、こういう作品。 原作は未読なので、この作品の本質は理解出来ていないかも知れないけれど、好きだな。 そして、宮崎あおいの歌声。この発声はいいです。話し声と同じ質感で歌う歌手は多々いますけれど、そこに通じるナチュラルな声がツボでした。 ちょっと甘目の8点献上です。 [DVD(邦画)] 8点(2011-12-24 20:39:33) |