2241. ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人
《ネタバレ》 コレクターの姿を追ったドキュメンタリーなんだから、例えばこの作品は、こうやってこうやってこんなことまでして入手しました・・・とか、そういう側面からの突っ込みを期待していたんですが、その辺は全然ありませんでした。美術品それ自体の紹介が半分、集めたそれをどんな風に生かしているのかが半分といったウェイトでしょうか。しかし、コレクターのドキュメンタリーであって美術品のドキュメンタリーではないので、美術品そのものがどんなものであるかということは、実は本質ではないはずなのです(コレクターを浮き彫りにする要素という限度で言及する必要はあるにしても)。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-11-04 01:49:57) |
2242. スキャンダル(2003)
《ネタバレ》 ヨン様が最初から最後までスケベ面全開なのが笑う。わざとらしい独り言作戦の連発も笑う。グレン・クローズやマルコビッチやミシェル・ファイファーという強烈キャスト凝縮のハリウッド版には及びませんが、みんなそれなりによく頑張っていたと思います。終盤が妙に湿っぽくなっちゃったのが難点。 [DVD(字幕)] 5点(2015-11-02 00:24:26) |
2243. イエスマン "YES"は人生のパスワード
初期設定の面白さはさておき、そこからほとんど予想できるような展開だったのが、何だかなあ。あと、周辺人物をいろいろ配置している割に、ほとんど上手く機能していないのが気になりました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-10-31 00:42:40) |
2244. 華の乱
もう、びっくりするほど主演の皆様方のキャスティングが合っていない。辛うじて適合しているのは池上季実子ぐらいか。内容的にも、与謝野晶子と有島武郎の不倫もどきの中途半端なロマンスが延々と流されているだけであって、彼女の人生のドラマチックさなどまったく表現されていない。つまり、俳優陣のビッグネームの面々を、歴史上のビッグネームに適当にあてはめて作っただけのこと。ただし、大杉栄や伊藤野枝など、明治日本の黒歴史というべき部分についても、きちんと登場人物としての位置を与えてスポットを当てた点については評価したいので、そこに+1点。 [DVD(邦画)] 5点(2015-10-30 21:20:40) |
2245. 千利休 本覺坊遺文
映像や照明関係は、ロケ地の選定も含めてとても丁寧で、何か尋常ならざることが起こる不穏な雰囲気満載で期待させるのだが、役者の表現が意外なほどよくない。奥田瑛二は、各シーンの背景を表現し切れておらず一本調子な演技に陥っているし、錦之介さんも三船さんも芦田伸介も、珍しく消化不良気味。つまり、中身が背景負けしてしまっているということ。 [映画館(邦画)] 5点(2015-10-27 20:52:57) |
2246. ファニーゲーム
《ネタバレ》 どこまでも嫌な話でしかないことは明らかなのに、導入から終盤まで一気に見せきってしまう無駄な脚本の巧さに腹が立つ。肝心の部分は一瞬で済ませて結果だけを見せる、犯人逃走後の10分以上の定点長回し、など、演出がやたら冴えているのにも腹が立つ。それで最後は、観客を強制的に引きずり込むメタ構成によって、「この話を最後まで進めたのはアンタなんだよ」という強制宣告(ちなみに、例の巻き戻しの場面、見る側が犯人よりも先にコントローラーをつかんで素早く再生を終わらせれば、この作品はハッピーエンドで終了なのである。そういう意味だよね?)。単に悪意の形を提示するだけではなく、底板を外して見る側を落下させないと気が済まないというような、そういう作品。 [DVD(字幕)] 6点(2015-10-26 02:16:11)(良:1票) |
2247. モホークの太鼓
《ネタバレ》 例えば、砦を抜け出して援軍を要請しに走るシーン。平原を、川を、森を、ただ走る、走る、走る。途中で転んだりずり落ちたり絶壁に直面したりして目先の危機を煽ることはしない、純粋な肉体と肉体の対決。だからこそスリリングだし、こういう撮り方こそが現在の映画製作でも参考になるのである。全体のストーリーとしては、まあ、牧歌的というか楽天的で特筆すべきところはなく、ヘンリー・フォンダもまだ若くて芝居がフワフワしている。マクレナー夫人が登場すると一瞬で食われている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-10-25 02:58:16) |
2248. バグダッド・カフェ
最初の30分ほどは退屈すぎて死にそうになったが、人々の動きが出てきてからはなかなか良かった。テーマソングも素晴らしい。しかし、ヒロインの人選はもう少し考えた方が、ロマンティック度が増したと思うけど。 [映画館(字幕)] 6点(2015-10-17 20:35:12) |
2249. キャバレー(1972)
登場人物のやりとりはチマチマしていて、歌はストーリーと一体化しているわけでもなくて、どこが良いのか、実は見ていてもそんなに分からなかったのですが・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2015-10-17 00:16:08) |
2250. 第九軍団のワシ
そもそもこの2人にはどういう背景があって、何の理由でどうしようとしているのかが、さっぱり見えない。つまり、ストーリーを映像の形にするだけで精一杯であるという雰囲気がにじみ出てきてしまっているのです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-10-15 20:27:23) |
2251. ハイスクール白書/優等生ギャルに気をつけろ!
「高校の生徒会長選」という、常人なら映画の主題にすることなど考えもしないようなことをここまで真面目に仰々しく取り立てるセンスが素晴らしい。しかしその中にも、皮肉と示唆を織り交ぜ、人生をも考えさせるほろ苦い裏青春映画にまで作品を高めています。これであのしつこいナレーションを5分の1くらいに削って、邦題をきちんと考えておいてくれればねえ・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2015-10-14 21:02:55) |
2252. アザーズ
《ネタバレ》 オチばかりが注目されますけど、それ以外にも、いかにも「お屋敷」と表現したくなるじめっとした雰囲気、光を抑えた暗めの色調(設定から必然なのですが)はなかなか印象的です。結末を知っていても、2回目以降も十分楽しめます。 [DVD(字幕)] 7点(2015-10-14 20:49:08) |
2253. 光の旅人 K-PAX
《ネタバレ》 タイトルから勝手に大風呂敷系拡散SFを想像していたので、意外に上質の緊迫感ある心理サスペンスだったのにびっくり。結論をどれとも出さずに、いろいろな解釈を残しているラストが、清冽な余韻を残している。ただし、ケビン・スペイシーの神憑り的演技に対して、ジェフ・ブリッジズの「受け」の演技が弱いのがちょっと残念。 [DVD(字幕)] 7点(2015-10-14 20:48:00) |
2254. タイムマシン(2002)
確かに途中からまったく別の話になってしまって面食らうのですが、そういった中でも、段々と元に戻れなくなってしまうタイムトラベラーの悲哀みたいな雰囲気が漂っていて、なかなか悪くないのです。視覚効果関係と美術関係の頑張りもほめてあげたい。それと、エマ役の人って、ラブ・アクチュアリーでコリン・ファースの弟と浮気する彼女だったんですね・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2015-10-14 20:42:37) |
2255. ボウリング・フォー・コロンバイン
何が優れているかって、とにかく監督の毒々しいほどの執念と自己主張が最初から最後までみなぎっているということ。だからこそ、作品としてのインパクトがあり、見た人の間に議論を巻き起こす力がある。その初期衝動的パワーが、手法上の問題も編集のアラも吹き飛ばす。内容は正確でも小綺麗に無難に最大公約数的にまとまってしまった作品よりも、こちらの方が良いと思うし、見る価値もあると思う。 [DVD(字幕)] 6点(2015-10-14 20:40:42) |
2256. 就職戦線異状なし
バブリーな時代背景を反映しているのは決していけなくはない。しかし、肝心の作品としての中身自体が、小ネタをいろいろ積み重ねてはいるものの、登場人物の芯とか方向性というものが不明なので、物語として成立していない。何かを表現するためのフィルターとして世相(この場合は就職活動状況)があるのではなく、はじめから世相の映像化そのものが目的になってしまったということ。というわけで、俳優陣も力を発揮する余地があまり残っていない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-10-13 03:17:34) |
2257. ハンサム★スーツ
《ネタバレ》 昔のドラマは、「不細工であっても心の良さが花開いて最後にはいい目を見る」というのが、1つの定番であった。しかし、ある時期から、「そんなこと言ったって、実際には、見た目で全部決まっちゃうだろ。ありもしない話をするな」と見る側が変にスレてしまって、その王道パターンはいつしか廃れていった。この作品は、その失われた美徳を、おそらくは批判も嘲笑も覚悟の上で、見事なほどになぞっている。その制作姿勢そのものが、不細工の根性を最後には見せてくれる主人公の歩みそのものである。だから私はこの作品を支持する。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-10-13 02:35:03) |
2258. パッセンジャーズ
《ネタバレ》 オチ一発の作品と言えば言えるし、そのオチも先行作品の模倣と言えば言えるのだが、作品全体に漂う静謐感とか、つじつまが合うように頑張って持っていっている脚本とか、誰かが向こうにふっと登場するときの一瞬の映像の強力感とか、いろいろと努力と苦心の形跡があるので、一概に切り捨てられないのです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-10-13 02:34:14) |
2259. ダークナイト ライジング
《ネタバレ》 3時間の間片時も飽きさせない大風呂敷拡げ力は、やはり素直に凄いと思う。前作に比べると思索性という点では少し落ちるが、三部作の総括としては十分すぎるほどの内容。ただし、これだけのネタと素材を揃えておきながら、随所でカメラがいい加減なのが気になった。 [映画館(字幕)] 7点(2015-10-12 21:46:46) |
2260. インターステラー
クリストファー・ノーラン十八番の大風呂敷は、ついに全宇宙を包み込み、そして強引に作品として成り立たせる。その力技と豪腕ぶりに、ただただ唖然。細かい突っ込みがどうでもよくなってくるくらい、体力と脳の力を絞り取られる映画。ノーランはいったいどこまで行くのか? [映画館(字幕)] 7点(2015-10-12 21:40:55) |