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黒猫クックさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 791
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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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241.  サマーウォーズ 《ネタバレ》 
大変面白かった。  SNSという、一サービスに国が機能を完全に依存するかというところとか、ネットという一情報提供手段にすべての人が生活を依存しきってしまうかとか、そういうどう考えてもフィクションに過ぎない部分を作り手が設定として作り込むことに、全然躊躇していないところに腕力というか、推進力というか、そういう力を感じた。  冒頭は世界観の説明的な流れで始まるが、実在するものとウソを上手に混ぜて、現実っぽさを巧妙に演出している。そこからいきなり現実世界に戻すことで何も変わった表現のない部分に現実感の表現が相対的に発生する。それが最後まで続く。巧すぎる。  物語の始まり部分からは、結構昔気質の青春ものの話運びで物語は進んでいく。特に彼氏のふりして家族に会ってほしいと学校一の美女に頼まれてノコノコついて行くなんて、なんてうらやましい状況なんだ、と思わされてる時点でもう入り込んでいた。巧い。  話の中に新しい思いつきはほとんど無く、どこかで観たような設定で創られているけど、その組み合わせや絵的な完成度たるや驚きの高さ。作画も良くキャラクターも魅力的とくれば、今までにほとんど無い出来の良い映画になっている。アニメで作る意味を失わせかねない紙芝居状態や止め絵も最小限。  ただ、この映画の良いところは実はそこじゃなくて、「まだ負けてない!」っていうところ。台詞で具体的に表現されたこのテーマ。優秀な主人公が、常識の範囲内で優秀で、異能者と言うほどの能力はない。自分の力で引き起こしてしまった事件だと思っていたものが、実は後一歩のところで自分が起こしたことではなかったことに複雑な気持ちになってしまう。そういう少年にものっすごく感情移入してしまった。  異能者は主人公ではなく、その周りにいる先輩の一族。彼らがほぼすべてをかたづけてしまうわけだけど、その後の最後のがんばりとその演出たるや結構グッとくるものだった。消化不良の新しさよりも、練り込まれた話の満足度の高さの方がずっと大事だということがよくわかる。たまたまとは言え、公開初日に観た映画が、飛び道具的などんでん返しで完成をあきらめたような映画で無かったことが非常にうれしかった。
[映画館(邦画)] 9点(2009-08-06 01:22:13)(良:2票)
242.  スターシップ・トゥルーパーズ3 《ネタバレ》 
意外と面白くないのは、作り込みが甘いと言う以上の原因がありそう。  十年以上前の作品である1よりも映像的に退化しているのがかなりイタイ。風刺の対象も国、テロ、宗教とやや大きくしたのにちゃんと作り込まなかったためにただのばかげた連中にしかなっていなかった。特にキリスト教、最後感化されちゃったら何で解決したのかをどういうつもりで表現したのかさっぱり解らないじゃないか。テロリストのエピソードも、挿入してあると言うことは何らかの風刺なんだろうと言うことはどうしても考えてしまうが、ああいう扱い方がされていると言うことは、何らかの言い分があるという考えなんだろうか?作り手にそういう気がなくても何か宗教っぽい変な平和思想がになっちゃってるような気がする。  連邦のCMや男女が同時に全裸になって何も気にしないなど、前作の特徴的なエッセンスを入れてあるんだけど、ただ後から足しました感が強くて不自然なだけだった。また、出撃準備のセットアップシーンは画的に表現してボルテージを上げるしかない部分なのに、表現が特撮テレビドラマ位の完成度。これじゃどう考えてもロボットアニメにも勝てない。止め画をごまかすために技名を絶叫したり、口げんかで尺を稼いだりするアニメと違って、全画面動かすことが出来る実写でこれじゃダメダメ。最悪なのは実写でほぼ止め絵使ってやがる。これはもうアクションシーンとは言えません。  各キャラの使い方も雑で、結局リコの立ち位置とか総司令官のサスペンス的な行動とか、全部上手く働いてなかった。設定を増やしてしまったせいでシークエンスに必要な時間が延びちゃったためか、一つ一つが長い。とくに砂漠を歩ってるだけのシーンとか退屈さがひどい。尺稼ぐくらいならなんか設定捨てて短くすればいいと思う。集中力が切れてしまうと、ローラが砂山を上っていくところで何故か靴音がコツコツいってるSEに気が行ってしまったり、いろんな所の雑さが目立った。  結局これもテレビシリーズ向けの番宣映画なのかな。普段30分のテレビアニメを観てる人がみて、テレビよりも豪華なことに感動して欲しいみたいな作りなんだろうか。とにかくがっかりした。最近のアメコミ物や原作物のように、何部作かちゃんと決めてしっかり作り込まれてないようだと次回作は観ないと思う。
[DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2009-08-02 19:26:45)(良:1票)
243.  いのちの食べかた
可もなく不可もなく。 と、言うのも映像のそのいくつもの風景を色々な機会ですでに知っていたり見たことのある物ばかりで、自分にとっての新味が無かったから。この映画が、衝撃の・・・ということにならないのは先進国で観られているだからだろう。  記録映画とすれば、高度なんじゃないかと思う。ストーリー物ではないので面白いかどうかは関係なく、それを求めているとすれば入場するか借りるかする段階で間抜けな間違いをしている。学校が笑えないと言っているのと同じ。  この映画に対するとらえ方という物の種類がそれほど多いというわけでもなくとらえ方には苦慮する。世界には、食べ物がおいしいかどうかに無関心な国もいっぱいある。先進国にもある。それは文化の低さを意味する事実ではなく、食べ物のとらえ方の違いということにすぎない。この映画を観て、食べ物の大切さや命の大切さだけをとらえるというのは非常に日本的だが、それを即残すことや味付け(出来る限りおいしくいただくという解釈で)に結びつけるのも少し変ではないかと思う。  高度化されたこのような産業や、その技術を映像で目の当たりにしてなお、そこに至る背景や歴史を思い出さずに即「命論」や「感謝」にのみフォーカスが行く世の中というのもなんだか発想の自動化のように感じてどうも居心地が悪い。食品の供給や社会への影響、その技術論に興味をそそられているレビューが多い海外と比べると、ネット中に違和感を感じる。食べ物が商業や投機に結びつき過ぎているだけのことに気づきにくい世の中なのかも知れない。実際は食料が溢れかえっているわけではなく、それほど安定してもいない。  で、そういう所を考えると、どうとらえて良いのかよくわからなくなる。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2009-08-01 17:06:04)
244.  プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 
予想外に大変おもしろかった。  予想していた業界の華やかさを虚実入り混ぜて紹介しちゃうような映画ではなくオーソドックスな成長モノで、題材をうまく使った話だった。やはり型というか土台のしっかりした話なら題材がどういうものでもうまくまとまるというのがよくわかる。というか、原作者がこんな特殊な職業の表現を軍隊もののようにオーソドックスにまとめてわかりやすく表現するという、こういう風に作れるというその技術に関する知識量や、うまく作る老練さがあるというところは凄いと思う。  それから恋人や友人たちの、やっかみにも似た微妙な心情の表現が良い。現実世界ではこんなに休みも自分自身も無くなるような働き方をしていると、その作業だけは長けていくけど肉体能力や基本的な能力はどんどん落ちていく。結局自分自身の消耗で出口が無くなってしまうが、ステータス性の高い職業ならそれで良いと思う。そうでない場合やその立場に興味がなかったら、という設定的縛りが上手い。  1年働いて職歴を作って、自分の望む業界に転職したいというベースを、最後までぶれずに使っていることが急に話が飛ぶようなことがなかったことに働いている。期限を区切っているからこそこの漫画的な活躍にちょっと説得力があるし、努力しているのは仕事だけじゃないんだというのが伝わってくる。序盤、全く興味がないしまるでステータスを感じていない職場で、すればいいことをあっという間に見つけ出すシーンでは主人公の地力がどこにあるのかを説明している。  仮にそれに気づかなくても「さえない女性がおしゃれになって誉められる話」という風に観ることも可能で、受け手が一人も置いてけぼりにならないから実に上手い。映像的なところだけじゃなくて、話を作るこういう技術の固まりであることがハリウッドの強さだと思う。  それから、私には思想とか社会の有り様を強要する考えオチの映画より、明日すぐがんばれる気にさせてくれる映画の方が有り難い。頭がよくなった気にさせられることより、次の日気持ちよく過ごせることの方を大事にしたいからだ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-07-30 01:54:57)
245.  スターシップ・トゥルーパーズ2 《ネタバレ》 
面白くなかったな。  DVDはコントラストが低いと調整しないで暗いまま観ちゃう人が多いのに、なんでそこを工夫して作らないかな。暗部にビットレートを割きましたって言ったってわかんない人はただ暗いとしか感じないし、DVD自体が調整しないとちゃんとみられない不完全なものって言うのがそもそも周知徹底してないし。そういうこの映画と関係ないところでさらに品質落としてどうすんだろ。  それから、実は連邦が作った兵員募集ビデオでしたみたいなオチ?実在の英雄なのか連邦のフィクションなのか中途半端でユーモアになってない。まぁテレビシリーズに向けた番宣テレビムービー的な位置づけなんだと思うんだけど、ヒット映画みたいなくくりで売るのはどうにかならなかったのだろうか。  そういう物なのかと思ってボックス買いして凄く腹が立った。
[DVD(字幕なし「原語」)] 3点(2009-07-26 18:44:45)
246.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 
うん、10っ点。これは面白いもん。 テレビ版から観ていて、アホかと思うくらい中身がないけど器は大きく大変しっかりしているこの話にいつか中身を入れてやればいいのに。と思っていたら軽やかにやってくれました。  これまではどうもえげつないやり口で物語を支離滅裂にパラレルで展開していったあげくちゃんと完結してない(というかどうも収束へのプロットそのものを考えていない)という状態には閉口した。  今回ちゃんとした客が求めてるものを理解したのか新版では急に作りがプロっぽい。 これまでの、異常者のような大人が異常な大人になり始めた子供と傷をなめあう様は、グロテスクな戦闘描写と相まってサブカルチャー的なおもしろさを爆発させていた。とはいえひたすら見た人の未成熟さにつけ込む。観てる子供をキャラの台詞や攻撃性に共感させるだけでなく、空設定を理解している気にさせて引き込む技を繰り返して、中毒症状を起こさせる技術でしかない作りにはかなりイライラさせられた。  今作ではちゃんとした「話」としてちゃんと「造り」にきてる。嘘くさい狂ったような気持ちの悪さはちゃんと考え直されている。人の気持ち悪さは理由付けがあるPTSDのようなものに置き換えられて、世界観の嘘くさい気持ち悪さは妙なリアリティを造って抜けられなさという絶望感をきちんと造ってきている。これにより嘘くさい人間描写に煩わされずストーリーに集中できる。  相当練り込んであり、同じロボットアニメでも戦争中の口げんかでそうかもと思わせる技法に頼り切りのガンダムとは明らかにジャンルが違う。比べたら失礼か。出発点はほとんど同じだったはずだけど、「作品」であることを捨てて関係者を食わせ続ける道から外れないという責任を選んでいるガンダム業に対し、エヴァンゲリオンは映画という媒体で作品という形で自己完結することができそうだ。  でも一つ気になるのは性描写というかサービスカット。ものすごい勢いでパンツや胸がバンバン出てくるんだけど、子供が観るのは良くないような気がする。大人が観る分には全然かまわないしもっとやっていただいてもかまわない様な気もする。でも子供の裸は微妙に罪悪感のようなものもあったりする。
[映画館(邦画)] 10点(2009-07-20 04:07:04)(良:1票)
247.  ピンポン 《ネタバレ》 
原作を絵的に再現するタイプの映画どうも苦手。 特に本作のように、原作を読んでしまっているものだとキャラクタ設定を上手に使った新作のような形でないと厳しく感じる。感情移入がしづらいからだ。  この映画が初見であれば結構楽しめるかもしれないが、原作を読んでしまっている場合は仮にハリウッドの金のかかった脚本でもきつい。 いかにコスプレ大会にならないかということを作り込んでくれないとしらけてしまう。  実写ではないが、そういう意味ではジブリ作品や押井作品はキャラ設定や世界観を作り手の味わいでうまく再構築してくるあたりのうまさには脱帽だ。そういう方向で判断すると、本作は原作ファン向け映像化という感じがよくも悪くも原作ものの昔気質なスタンダードという感じか。
[地上波(邦画)] 6点(2009-07-07 00:55:23)
248.  マシニスト 《ネタバレ》 
面白かった。 5,60年代の映画を意識したような雰囲気作りが昔気質のサスペンスをうまく作っていたように思う。 派手に伏線を張って最後の5分で回収するような作りではなく、最初から虚実入り交じっていてどう収束するかという直球勝負の映画だった。  クリスチャンベールの激痩せに話題がいっているようだが、相当に練られている一本であると思う。  一見幻想や幻覚という、サイコサスペンスもののように作られているが、実は主人公が全く寝ていないのではなく「居眠りをしている(ことに本人が全く気づいていない)」というところがよりリアルで秀逸ではないか。 本編で起きる事件すべてが居眠りをしているときみている夢で、罪悪感とその疲労が作り出した願望であったというプロットはよく考えられている。一見夢オチな訳だが、それまでの筋をなかったことにして見かけ上のどんでん返し感を出す手法として、手を変え品を変え使われる最悪の手法と同じ材料を使っている。しかし実際は夢を使ったオチであるが、夢オチとは明らかに違うという技法は幻覚や精神障害で物語を作るよりもかなり難易度が高いと思うしかなり挑戦的ともいえそう。  DVDのおまけに入っている削除シーンだけでも話が変わってくるが、全く筋も雰囲気も違う映画を何本も作れるような、切り貼りでいくらでも構成できるよう脚本に分岐があるように感じた。 確かに没シーンで作られるような筋の映画はよく12チャンの昼とか夜にやってる。 その分岐の中で最良のものが選ばれているんだと思う。  それから台詞やメモにも役割があるようなので、字幕より吹き替えの方がいい。 肝心なときに関係ない文字を読んでいると上の空になって雰囲気が元の作品からかなり離れてしまうと思う。 吹き替えの方が集中でき、雰囲気に大差は出ないのではないかとも思う。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-07-07 00:27:34)
249.  ターミネーター4 《ネタバレ》 
大変ストレス解消になる映画だった。 映像のすさまじさはハンパではなく、いやぁこれこそアクション映画という出来。 CGも各シーンで作画、モーションとも安定していてCGの良さが引き出されていた。下手なスタントでやるモッチャリ感はどうやっても抜けないから、CGであるというのは大成功でしょう。  前半の筋はいろいろな予感をさせるけど、ラストの次回作への引き延ばし工作のせいで後半のどきどき感が台無しになってしまった。ラスト数分でキャラの立ち位置を変えたのは残念きわまりなく、ジョナサンノーランとは思えない折れ方が不満。  こういう終わり方をしてしまえることを一度見せてしまうと、ほとんどの人は「あ、こりゃ駄作作って打ち切られるまで有名監督たらい回しで一生続くな」的ないやな予感をさせてしまうと思う。  とりあえず高品質に作っておいて、原作者の手から完全に離れてしまった前作をうまく無かったことにした。いわゆる「ターミネーター産業」というものの手応えというのをつかんだっぽい。いいのか悪いのかわからないけど、終わり(オチ)のない主人公武勇伝がずーっと見られるんだろうなぁなんて思ったりもする。 ただ、何作もこのクオリティで作り続けられるんだろうか。完全に続編ビジネス化してしまっただけに大好きな映画がこういう風な方向に行ってしまったのは残念でならない。  それから、テレビで宣伝がネタバラシしすぎ。広告屋、馬鹿なのかお前らは。
[映画館(字幕)] 7点(2009-06-14 01:18:51)(良:1票)
250.  ノーカントリー 《ネタバレ》 
そこそこ面白かったけど、なんだか最後までよくわからなかった。 恐ろしさ、という味わいはものすごかったんだけど、それがおもしろさではないような気がして結局この映画のツボがどこなのかわからないまま終わってしまった。  見終わった後も、結局何が主題なのか全くわからず調べまくってしまった。こういうことは滅多にしないんだけど、アメリカでの評価の異常な高さを考えると単純に私がわかっていないだけなのではないかという風に感じたからだ。  よく見かけるのは現代の象徴であるとか、アメリカの風刺であるとか言う文章だが、当のアメリカ人がそういう風に全く感じていないようでやっぱりなぁ・・・という感じ。多くの人に行き過ぎたフィクションであることには変わりないようだ。 どうも日本人はヒット映画が極端な話だと現代アメリカの象徴にしたがるような気がする。  それからNo country for old menというのは、イェイツの「ビザンチウムへの船出」という詩の冒頭からの引用だそう。もしかしてアメリカ人は義務教育で深いところまで解っているのかも。 私は知ってなおさっぱりわからない。けっしてたどり着くことができない理想郷やあの世というのは、若さと永遠にあふれ老人の居場所ではなく、生きておいていく人間はそれに近づきながら遠ざかることへの永遠のジレンマ、という詩なのか、よくわからない。  そうであるとすれば、この詩の国と作中の「常識的な片田舎であるはずが突発的に暴力にあふれた辺境」となった自分の郷、きちんと生きてこなかった人間にはどちらにもいられないのではないか、と言う主題だったのか。 ちょっとまともに見えない登場人物たちすべてが見事に皆(生死は別としていろんな意味で)いなくなるのは、いかにも学術的に作り込んでます感がビンビン伝わってきてものすごい置いてけぼり感だった。  でもよくよく考えればアカデミー賞の本旨からすると、これ以上ないくらいアカデミックだし受賞もごく自然なことだったのかなとも思う。 映画本編ではよくわからなかったことも、いろいろと調べると次々といろいろ解って、それでも解らないことだらけで調べたことを元にいつまでもアメリカ人のレビューを読みふけるとまだまだ発見がありそうな予感がする。  なるほど、大変に良い映画だ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-06-01 23:12:38)
251.  シン・シティ
思った以上にだいぶ面白かったと思う。 ストーリーがちゃんとしていたからこういう絵でもちゃんと面白かったんではないかと。  小説じゃなくて映画だからこそ、客の想像力やイメージ力に頼らずに画で直球勝負するというのは非常に効果的だったと思う。こういう絵作りで失敗している映画はたくさんあるが、もくろみが成功している映画ってのは本当に数えるほどなんじゃなかろうか。  全編で統一性もある、それでいて拒絶感が表れない独自の画調は固めるまでに相当な試行錯誤とそれまでの確認という作業をいやと言うほど繰り返したのではないかと思う。でないとここまでのものは作れないと思う。  絵と荒々しいストーリーがマッチして、入り込んだが最後集中が途切れることなく楽しい時間を十二分に過ごすことができた。 
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-06-01 22:12:46)
252.  ロード・キラー 《ネタバレ》 
意外と面白くて、そこにウケた。 もうふざけてるとしか思えない題名と番組予告がいかにもテレビ東京していて好印象だった。  いかにも激突とかぶっている筋がパチモンっぽくてこういうのは大好きだ。 ちっともオマージュっぽくないんだよなぁ、この匙加減が絶妙。さすがテレ東のチョイスであった。 どっから拾ってくるのやら。  こんな感じにもかかわらず最後まで息が抜けないから笑ってしまう。 2000年代の技術で80年代を再現したような、いい雰囲気。
[地上波(吹替)] 7点(2009-05-17 16:22:58)
253.  閉ざされた森 《ネタバレ》 
面白い。 人物同士のやりとりがスピーディで結構会話劇としても優秀な部類じゃないかと思う。 人物がわかりにくい場合は一時停止してメモをとればいいと思う。10秒の停止でテンポが止まることより90分わからないままよりずっといい。 人物が多いからと放り投げては、せっかく結構手の込んだ映画を作ってくれた人も無念に思うだろう。 それからそういうときは字幕ではなく吹き替えで見るのもおすすめ。 文字を読んでいたら顔が見えないので、おそらく字幕で鑑賞することが多いとこの映画だけではなく、日本で有名でない役者はどの映画でも全く顔を覚えられていないと思う。  オチはどうかと思うほどへ?っていう感じなので、普通に驚いた。くると思っていないコースに全く想定していない速度で球がきたっていう状態。 ユージュアルサスペクツ的な手法が技法として固定してきたのかも。素直に楽しめた。
[映画館(吹替)] 7点(2009-05-10 00:42:30)
254.  仄暗い水の底から 《ネタバレ》 
前半の気味の悪さは良かったんですが、いきなりラストまで一直線でテレビゲームの脚本みたいになってしまって、ショボショボです。 ウワァだれかに伝えたい。このショボ感を。 DVDを半額クーポンで借りてきてしまった!スッゴい損した。  何で日本の映画って空想オチとか夢オチとか、客に丸投げオチとかに逃げるんですか??? この負の連鎖はもはや伝統芸能の域に達しているのではないかと。 着信ありと並ぶ日本ショボ映画。 宮崎アニメがあるから良いけれど、日本映画は本当ならこんなもの作る余裕があるわけ無いと思います。 ジブリが徳間から独立後ポニョのムック本まで売ってます。節操ないですね角川書店って。
[DVD(邦画)] 3点(2009-05-03 16:30:37)
255.  ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
原作ものの悪いところを最大限に引き出してしまっている。 読んでいないが、あまりにも雰囲気が継ぎ接ぎで単なる映像化の一例になってしまった感じだ。 一巻でファンが悶えるポイントを、らしい映像化でつなげていったという感じではないかと思う。 おそらく中終盤が持つだろう原作の中核的な色ではなく、80年代風ファンタジー映画という個性でまとめられているのは疑問だった。 もしこの雰囲気が原作の雰囲気であればそれは原作が原作ものを売りにしているファンタジー映画に劣る可能性があるがそうではないと思う。  原作ものは、原作があるからベースの話はしっかりしているはず。という誤解を上手に使わなくちゃいけないと思う。 指輪物語でさえ序盤のフワフワ感から中盤以降後半に進むに従って急速に固まっていく感じ。  指輪物語が映画化されるとき、最終盤の味わいを基準に序盤の雰囲気を入れ替えて、開始からラストまで一貫した物語がどっしりと据わるというところに文字通り「重さ」があった。 正直、通常のシリーズものでは作ごとに同一のスタッフでも雰囲気や話作りが異なるのが普通。 だけど、ファンタジーものはそうはいかない。締まった雰囲気と筋の通り具合が一番重要だから。  指輪物語は原作ものがすでにして完成品であるという誤解をこの上なく上手に利用して、原作愛読者でさえ完全に映画化されたと一瞬でもそう思ってしまう筋を作って見せた。 原作で一番深く没入する、終盤の下りのあの雰囲気で全編をリフォームし、序盤からラストまでぶれずに紛れもなく指輪物語であるという認識を与えていた。  こういう良い作り方がすでに存在するにもかかわらず、素直にパクらずビジュアルに振った作りをやってしまったのが残念。そのビジュアルも、明らかに金がかかってないシーンが混ざっているせいでただの暇つぶしにもってこいのそこそこ面白い映画になってしまった。ファンタジーものの金字塔のはずなのに・・・。  とはいえ、ただの映画であれば、そうつまらないものではないからこれはこれで良いのかなと思う。 かわいそうなのはやはり、原作を擦りきれるまで読んでいる愛読者だ。 愛読書がこれじゃなくて良かった。
[DVD(吹替)] 6点(2009-04-26 19:52:18)
256.  リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い 《ネタバレ》 
意外と面白くない。 発想は面白い。原作があって、これがそう言うちゃんとしたおもしろさを狙ってヒットしているんじゃないかと思う。 で、そうだとしてもなんでちゃんと作られなかったんだろうか。  ぱっと見それなりに金が掛かっているのに、ちゃんとしていない。 別に映画なんだから大人が子供っぽい話を観るのも全然楽しいことだと思う。 それがうまく良い方向に行くこともあるから話をうまく練りきっていないのは仕方ないとしても、アクションやキャラ設定も含めた登場人物の見せ方が変。 そう言う変さが決定的にCGの悪さで隠されている。CGの質感がもの凄く駄目。お金を掛けたモーションが手書きアニメのような雰囲気で浮きっぱなし。同じ労力でわざわざ不自然な映像を作ってしまったという感じ。 なんでだろう、アメコミのようなカット割りをCGで実現、というのを直球ど真ん中でやろうとしたんだろうか。 現実にない大げさな動きを独特の様式で表現するという手法を、勘違いしちゃったっぽい。  実際の所は分からないけど、何か映像がいろいろな事情が折り重なって駄目なモノになってしまったんじゃないかと邪推してみた。 しかし、この映画の出来があまり良くないことより、こういうCGが悪い方向に作られているモノが大げさにプロモーションされることによって、ハリウッドのCGは・・・とかCG臭いとかそう言う言われようで語られる事の方が問題ではないかと思う。 そうじゃなく、いろんな悪い不自然な部分があると最終的に絵が嘘くさい事になるけど、最終的な絵的嘘くささのために、悪さの素となる部分が隠れてしまうことが一番良くないと思う。 悪い部分も好意的に楽しんで観よう、と言うスイッチが絵の変さが気になりすぎてオフになってしまうからだ。
[DVD(吹替)] 5点(2009-04-26 07:28:40)
257.  ナチョ・リブレ/覆面の神様 《ネタバレ》 
割と面白かったと思う。 何も持たない人が、自分の中に僅かに残る憧れというか力というか、そう言うモノに何となく強く突き進んでしまうプロットは悪くないと思った。  登場人物らに疑念が無く、見ているこっちもあんなに綺麗なシスターがくっつくわけ無いじゃんと言う邪念を払ってみさせるバランスはなかなかにウマいんじゃなかろうか。 毎日がスッと過ぎていく人間には、この画面の中にすぎていく時間のゆっくりさにはなんというか憧れのような感覚が沸くのではないかと思う。そういう見せ方も何となくいいなぁって思った。  最後の決戦なんかも、素直に応援できた。何でだろう。 純粋な気持ちで見た方がどうやら面白いようだ。ジャックブラックが好きなので余計面白く観ることが出来た。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-04-25 20:48:40)(良:1票)
258.  レッドクリフ Part I 《ネタバレ》 
正直面白かった。 合戦シーンのボリュームも満足のいく尺だったし、ラブシーンとか入っていたので映画としても緩急ついていて○。 三国無双みたいな戦闘アクションなんてコーヒー吹きますよ。そのくせ迫力あってかなり○。   最小限に絞った武将の数で、きちんと物語が進行していくので感心した。 そもそも、実際の合戦で指揮官が一騎打ちなんかしてたわけがねえだろ。と、思いながらも楽しく読んだりみたりしてる多種多様な三国志もこういうバリエーションが増えて楽しいもの。  演技も正史も小説もマンガも、そんな訳ねえだろとつっこみながら楽しく読むもんです。三国志は。 正史だって文科省認可の英語の教科書みたいなものでしょう。確かに大筋で間違ったことは書いてないけど、現実のツールとしては嘘でしょう。 当時の現実なんて学者でもあんまり分からないのだから素直に楽しんだら2時間お得だと思う。
[地上波(吹替)] 7点(2009-04-19 23:56:45)
259.  東京ゾンビ
2005年であることを考えるとランドオブザデッドと絡めた番宣のような一品だったのかも。 単なるロメロ作品のオマージュとパロディなんだけど、意外と普通。もしかしたらイケるんじゃないのか?これ。と、思わせるところもあった。  うっかりテレビでやってたら不条理物らしい変な空気が受け入れられるかどうかなんじゃないかと。 原作もあるみたいだけど、それは良いや。そこまで面白くはない。
[地上波(邦画)] 4点(2009-04-19 20:12:16)
260.  LOVERS 《ネタバレ》 
テレ朝でやってたらとりあえず見とこうかなって感じ。 絵の豪華さは面白いけど、話も悪くないけど、なんか変。  余った時間をそれなりに楽しめる。そういう使い方を想定してるのかな。 意外とイケる。そういう感じでは。
[地上波(吹替)] 6点(2009-04-19 18:23:32)
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