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301.  月光の囁き
なんというか、「良識」とか「モラル」めいたものを吹き飛ばすパワーを感じました。ほとんど予備知識なしに見たんですが、最後、スピッツの「運命の人」で、完全にやられてしまい、泣きそうになりました。ま、他人に薦められるかどうかは別問題ですが。
7点(2004-03-12 18:47:46)
302.  マトリックス
元ネタはいろいろあるんでしょうが、それが一つの世界となってるところは魅力。でも、最初、映画館で見たときには寝てしまい、あまり印象に残らなかった。あのころ、「いま現実だと思ってる世界が実は・・」的なネタはちょっと食傷気味だったんで、アクション描写以外には魅力を感じませんでした。ただ、2回目見てみたら(それもアメリカ滞在中、英語で)作り込まれた世界に引き込まれたから不思議。ただし、キアヌのカンフーはいただけない・・・。
7点(2004-03-12 18:36:48)
303.  ショーシャンクの空に
公開当時に映画館で見ましたが、普通にいい映画でした。正直いって、あんまり印象には残らなかった。どっちかっていうと、ケチつけにくいソツのなさが先行して、心を動かされるっていう感じではなかった。本サイトも含めて、10代・20代の方々が多く参加してそうな映画ランキングなんかでこの映画が、かなりの上位にあるのを見ると、なんか妙に自分の「歳」を感じてしまうという意味で悲しい映画です。
7点(2004-03-12 13:31:48)
304.  エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事
いい映画でした。あいかわらず完璧なダニエル・D・ルイスはともかく、ウィノナ・ライダーはすばらしかった。脇に回った彼女はホントに輝いてました。対照的に、ミシェル・ファイファーはやっぱりミスキャストでしょうか・・。コスチューム・プレイの役柄には似合ってなかった。「ギャング・オブ・ニューヨーク」のディカプリオもそう思ったけど、スコセッシ監督って、こういうミスキャストやらかしますよねえ。もったいない。
7点(2004-03-12 13:02:14)(笑:1票)
305.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
3部作のまんなかというのは難しいですね・・・。戦闘シーンがくどかったわりには、最後があっさりしてたのが気になりました。ただ、ゴラムのキャラは秀逸ですね。この作品では一番印象に残りました。
7点(2004-03-11 20:53:15)
306.  エリザベス
まさにケイト・ブランシェットを見るための映画。どんどん美しくなっていきます。政治ドラマのほうは普通。ただ、この映画をインド系の監督が撮っているというのが、なんとも不思議な感じがします。
7点(2004-03-08 17:37:39)
307.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
ノーマークだったんですが、面白かった。アラン・パーカーらしく、サスペンスと見せかけて直球の社会派ドラマ。ラストの展開も、単なる「どんでん返し」ではなく、そこにメッセージを持たせるあたり、その内容への賛否はあるでしょうが、こういう映画もアリなのでしょう。まあ、難をいえば、ケビン・スペイシーが出てる時点で観客はみんな「怪しい」と思ってしまうことでしょうか。
7点(2004-03-08 01:44:32)
308.  THE BATMAN-ザ・バットマン- 《ネタバレ》 
スター的な名前ではなく、映画ファンが「おっ」と思ってしまうキャスティングに唸る。ロバート・パティンソン、ポール・ダノ、アンディ・サーキスあたりはしっかりハマっているし、ほぼ声だけ出演のバリー・コーガンは次が楽しみ。一番有名どころかもしれないコリン・ファレルがすぐに誰かわからないメイクしてる役というのもナイス。バットマンというか、マスクにケープの異常者が醸し出す「哀しさ」を追求して展開していく物語も好みです。暗い映像は、ザック・スナイダー版よりも奥行きがあって「何やってるかわからない」暗さではなかった。音楽もよかったし、まさかのニルヴァーナ! 90年代グランジロックと当時流行ったサイコスリラー風味が重なって、見事に世界観を作り上げていたと思います。  ただ、その見事な世界観をもってしても苦しい部分も。一番はみなさん言ってますが、やっぱり長い。マット・リーブス監督は、『猿の惑星』リブートでも小気味よかったルパート・ワイアット監督版からどんどん重苦しく長い方向に変えてしまったのですが、正直3時間が必要な内容だったのかは疑問です。それからヴィラン。ヴィランを狂言回しに主役であるバットマンその人(THE BATMAN)を描くというコンセプトはわかりますが、せっかくのポール・ダノはもうちょっと見たかったし、彼の「復讐」の物語のほうが正直ブルース・ウェインの話よりも面白そうに感じてしまった、というのも設定的には失敗なのでは。そっちに時間を割いての3時間なら、まだよかったかな。また、今回のリドラーにせよ、たぶん次回出てきそうなジョーカーにせよペンギンにせよ、メンタル系のヴィランが続いてしまう感じがするのもマンネリ感が。ゾーイ・クラヴィッツは歴代キャット・ウーマンと比べると残念ながらインパクト不足か。シリーズ作の常なのですが続編はさらに長くなる傾向がありますが、そこまで長いバットマンって、うーん見たいのかなあと微妙なところ。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-04-22 07:48:13)《新規》
309.  TAR/ター 《ネタバレ》 
これはまた強烈な一作でした。ケイト・ブランシェット様のためという感じの序盤のカリスマぶりも素敵ですが、彼女の本領はやっぱり後半の転落劇。あれだけの「強い」彼女であっても(いや、そうだからこそ)スキャンダルと罪悪感で「墜ちる」描写にも妙なリアリティを感じてしまいます。とくに、廃墟のようなアパートで自分で勝手に転んだだけの怪我を「暴漢に襲われた」と盛ってしまうところ、彼女がこれまでも虚勢でギリギリで自分を支えてきたことがにじみ出る見事な展開でした。ほかにも、「傲慢な白人男性」バッハを尊敬できないというジュリアードの今時な学生たち、セクハラ告発の風潮に不安げな師匠先生など、登場人物たちの微妙な立場性が、ターの強さと弱さを浮き彫りにしていく構成はなかなか見事です。終始、彼女を陥れようとする陰謀や襲撃者の実際の姿は見えず、実はそんな「陰謀」なんてない、ただの被害妄想にも思えるサイコな展開もうまい。  そして、そんな彼女が転んでもただでは起きないというラスト。あれを「ここまで落ちぶれたか・・」と見るか、「おお、新しい世界へ踏み出した!」と見るかは観客次第。最初、このラストを前者として解釈してしまった私もまた、転落前の彼女と同じ価値観を共有していたのでしょう。でも、その前のニューヨークの古いアパートでバーンスタインのビデオを見た彼女の表情を思い起こせば、あのラストもまた、十分に前向きな、彼女なりに音楽と向き合った結末と言えるのではないでしょうか。  ただ、そのバーンスタインもまた人間的にはいろいろやらかしていた人物だったのを、たまたま前日にNetflixで映画『マエストロ』で見てしまったので、ちょっとそのラストにうまく乗れなかったというのもたしか。いまさら「アジア」への逃亡で人間性を取り戻す的なオリエンタリズムもいかがなものかというのも含め、すんなり「いい映画だった」とも言えないのがなんとももどかしい。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-01-28 23:18:16)
310.  マエストロ:その音楽と愛と 《ネタバレ》 
偉大な指揮者で作曲家、『ウエスト・サイド・ストーリー』の音楽でも知られるレナード・バーンスタインとその妻フェリシアの関係を描いた伝記作品。バーンスタインの音楽での創造性や軌跡を描いた作品として見ると期待外れかも。基本的には夫婦ものとして見た方がいいのだろう。予備知識がないと驚くのは、バーンスタインは「バイセクシャル」らしく、フェリシアのほかに男性の恋人もいること。ただ、「三角関係」的な描き方でもなく、あくまで焦点は夫婦の関係にある。この夫婦を演じたブラッドリー・クーパーとキャリー・マリガンが見事な演技を披露している。「マエストロ」と称される音楽家で奔放かつ身勝手なバーンスタインも、ブラッドリー・クーパーのおかげで、嫌みにならないチャーミングな人として描かれていたし、フェリシアが俳優としてのキャリアと家族とそして何よりも夫との関係に振り回されるなかで見せる、一本芯が通った美しさはさすがのキャリー・マリガン。  映画は二人のやりとりが中心ですが、音楽映画としてもバーンスタインが5分あまり髪を振り乱し汗まみれで指揮棒を振るマーラーの演奏シーンは圧巻。これだけでも見る価値があるし、エンドクレジットのおまけで二度美味しい。ぜひよい音響の環境で楽しんでください。  一方でいくつか疑問点も。一つは、画面のアスペクト比。4:3くらいで昔のテレビ画面みたいなのはなぜ。演奏シーンなどはスクリーンいっぱいで見たいと思うのだけど、人物ドラマが中心だよというメッセージなのかな。それから、バーンスタインの男性の恋人との関係性。フェリシア視線のバーンスタイン像であるからしかたがないのだけれど、男性の恋人たちは存在感もなく、人間性もよくわからない。そのため、とくに後半はすでに有力者であるレナードが、気に入った若者に「手を出している」感じになってしまうのがなんとも。これ、異性だったら間違いなく感じ悪いし、同性だったらいいというわけでもない。この作品はバイセクシャルとしてのセクシュアリティに焦点を当てたわけではないのだろうけど、それにしても、恋人たちの考えてることとか(最初のデヴィッドくらいかな、丁寧だったのは)全然見えてこないのはちょっと・・・。最後に、バーンスタインの鼻のメイク。あれはやりすぎでは。本物に似せてるのだろうけど、ああいう特殊メイクなしでも、十分に「レナード・バーンスタイン」を表現できていたと思うのだけれど。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-01-27 23:29:10)
311.  ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り 《ネタバレ》 
ゲームブックに夢中になり、雑誌の『ウォーロック』とか読んで小中学生時代を過ごした自分としては、これはエンタメ成分とマニア成分が絶妙なブレンドだった一作。設定とかもうほとんど忘れてしまったけど、剣と魔法のファンタジーをかじったことがあれば、序盤のあいだに設定はつかめるし、仲間さがしのなかでそれぞれのキャラ立ちも把握でき、中盤あたりでもう自分で作ったパーティ感が持てる作劇。オーソドックスだけど、奇をてらわず、無駄にシリアスにもならず、これがちょうどいいのだ。今風だと思ったのは、主人公が盗賊で吟遊詩人という設定。これといった特殊能力もないけれども、この設定にクリス・パインの軽妙さは実にマッチしているし、だからこそ3人の仲間のそれぞれの能力が際立つ。これも、パーティ感を演出上する上でとてもよかった。テーブルトークRPGの肝は、アクションやらCGよりもパーティのなかでの会話にあることがよくわかってるキャスティング・脚本・演出で素晴らしい。  ただそれでも残念に感じてしまったのが、物語が「娘を取り戻す」を軸に進められること。「お姫様を救う」が物語として成立しにくい時代だからしょうがないし、かつてテーブルトークRPGに夢中になった人たちも今は親世代だろうから、そのねらいはわかるのだけれど、やっぱりファンタジーに求めてるのはそこではないんだよなあ。そこは「一攫千金」でもいいし「指輪を捨てる」でもいいんだけど、ミッションに小中学生くらいが夢中になれる設定がほしかった(まあ、子どもが感情移入しやすいキャラとしてサイモンがいるのでしょうが)。自分もいまはそれなりの大人であり父親ですが、この物語世界にそこは反映したくなかったなあ、というのが正直なところでした。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-12-25 08:18:30)
312.  Arc アーク 《ネタバレ》 
これはなんとも評価に困る作品。そもそも、題材というかテーマが難しすぎたのかもしれない。ケン・リュウ原作で不老不死を扱っているとはいえ石川慶監督の作品でもあるので主体は人間ドラマなのだろうなと思ってたのですが、ドラマ主体にするには時間が足りず、個々のエピソードがどうしても描き込み不足だったのかも。内容的には1時間×5話くらいのミニシリーズ向けだったのかもしれません。ストーリーも、石川監督の『愚行録』や『ある男』を思いおこせば、もっともっと不穏な話を予想しました(とくに序盤)が、思った以上にシンプルかつさわやか風味に仕上がってて、そっちはちょっと思ってたのと違ってたかな、という感じ。でも、考えようによっては、終盤の展開、とくに小林薫さんの最期は、実はめちゃくちゃ残酷な話でもあって、それをさらっとナレーションですましてしまう監督の非情さにちょっと感心しました(だって、あれってリナに言われたからでしょ。最後まで最低の母親だったということでもある)。  外見は変わらないのにどんどん歳を取ってるはずのリナ役の芳根京子さんはがんばっていたのでは。もっと技巧的な俳優さんなら、老齢感みたいなのを入れてこようとすると思うけど、今作のように非現実的な浮遊感で表現するのもアリでしょう。むしろ難点は、そのほかのキャスティング。「怪しいスゴイ人」枠の寺島しのぶさんと岡田将生さん、「(過去になにかあるっぽい)いい人枠」に風吹ジュンさんと小林薫さんなどは、全員キャラがステレオタイプ過ぎてどれも掘り下げ不足。そして、ストーリーの肝になるリナの「過去」の話は、老人ホームの話が出てきた時点で先が読めてしまうので物語的なカタルシスも弱い。ドラマ的な見所も、芳根さんが浮遊する周りで、ステレオタイプなキャラたちがいつもの話を繰り返しているだけなので、どうしても物足りなさが残ってしまう。ただ、全体のパッケージとしては、石川監督らしい奥行きと質感のある映像(ただ90歳パートをモノクロにした意図はちょっとわかりにくかった)、終盤の瀬戸内と思われるロケーションの素晴らしさ、邪魔にならないけどちゃんとドラマをつくる音楽、オリジナリティのある美術など、ちゃんとワンランク上の映画を感じさせてくれる出来でした。結論としては、この話を2時間におさめるにはこのくらいが落とし所だったのかな、けどもう少し人間関係を描き込んだものも見たかったかな、というところ。
[インターネット(邦画)] 6点(2023-10-30 07:11:51)
313.  ザ・フラッシュ 《ネタバレ》 
うーん、事前の評判で期待しすぎたか・・・。冒頭のフラッシュの高速移動に入るカッコ悪いポーズは最高。そのあとの赤ちゃん救出エピソードも最高。「DC最高傑作の評も言い過ぎではないかも」と思ったものでした。お騒がせ俳優エズラ・ミラーの一人二役コメディ演技の自然さには驚きますし、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の配役ネタでマルチバース設定を観客に理解させる手腕にはスマートさも感じる。ところが、マイケル・キートンが出てきたあたりから、自分が冷めていくのがわかる・・・。どうやら昨今のリブートもの映画での過去作の登場人物大集合の流れにはやっぱり個人的には乗れないようで『ノーウェイホーム』ぐらいでは楽しんでいたけど、物語の本筋の外部にある業界裏話で(一部の)観客を喜ばそうとする戦略には食傷気味でした。しかも本作はメインストーリーがそれなりにしっかりしていただけに、業界裏話のノイズが大きい。マイケル・キートンは『バードマン』で一度スーパーヒーロー役の自己批評にも手をつけていただけに、ダニー・エルフマンのテーマ曲が流れても素直にテンションがあがるわけでもない。スーパーガールのエピソードは完全にオフビート業界ネタのノリから切り離されて浮いてしまっているし、ラストもジョージ・クルーニーの登場という、これまた微妙に映画見てる人たちにしか通じない感じでまとめてしまうのはどうなんだろうと思ってしまう。コメディのセンスや映像表現には魅力も多い作品だっただけに、往年の映画秘宝的な映画ファン向けの小ネタの数々には、喜びよりも違和感を感じました。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-09-04 22:54:24)
314.  モーリタニアン 黒塗りの記録 《ネタバレ》 
久々にジョディ・フォスターの「らしい」演技が見れて大満足。知性と信念の人をやらせたらやっぱり光るし、それが「嘘っぽく」「偽善っぽく」ならないのも彼女のキャスティングあってのことだと思う。この映画のわかりにくいのは、いわゆる巨悪を倒す系の物語構成にはなっておらず、ジョディ・フォスター演じるナンシーが法のもとの平等、そして「手続き的な正義」を守るために弁護していること。対するカンバーバッチ演じるステュは「反テロ」という正義のために戦っているものの、彼にとっての一線もまた正当なプロセスで集められた証拠だけが有効であるという「手続き的な正義」。だから、本作にとってスラヒが本当にテロリストだったのかどうかは実は裁判にとっても物語にとっても大事ではなく、彼の「自白」がどうやって導かれたのかという「手続き」のほうこそが焦点なのだ。9.11直後は、この「手続き」よりも「テロ防止」「報復」が何より重視された時代で、それは「リベラル」と言われるオバマ政権期でも続いた(ビン・ラディンを裁判を通さずに襲撃して殺害したことが「政治的功績」になる時代だった)。だから、終盤に拷問の真実が明らかになったことで、物語は大きく動くことになる。この「ルールが大事」の感覚は、日本の裁判ミステリ系ではほとんど無視されていることが多い(何なら非合法に入手した証拠で一発逆転!みたいなのも多い)ので、この作品の肝を観客が理解するのは難しいかもしれない。ただ、そうした法的背景を理解していても、この映画がエンタメとして「面白い」かというとやっぱり疑問ではある。制度の複雑さもあって主人公たちがいま何をしているのかがわかりにくく、全体の構図が不透明なまま話が進んだ挙げ句に「拷問」シーンがクライマックスというのは、(事実をふまえたとしても)もう少し別の語りかたがあったのではないかと思える。ただ、ラストの判決の歓喜からの非情なテロップは出色。ああいうところはケヴィン・マクドナルド監督らしい骨太さを感じます。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-08-20 14:08:02)
315.  AIR/エア 《ネタバレ》 
少しでもNBAの選手を知っていれば、映画冒頭の新人選手の誰をスポンサーするかっていう会議でニヤニヤが止まらない(あー、そっちにいっちゃだめー!とか、そいつは意外とイケるよ、とか)。そんななかで二流スポーツブランドだったナイキ社員のソニーが「これだっ」と見出したのがドラフト3位のマイケル・ジョーダン。しかしジョーダンはすでに当時大手だったアディダスとの契約を希望しているらしい、さて、どうする? という話。  そもそも結末はみんな知っているので、「交渉」の緊張感にハラハラするよりも、バックに流れる80年代音楽とともに流れに身を任せる感じ。映画的な見所はそこで出会う人物たちのキャラとソニーとのやりとり。ナイキの幹部たち、オリンピック関係者、エージェント、そしてジョーダンの両親など、みんなキャラが立ってて主人公ソニーとのやりとりは本当に面白い。とくにエージェントのデヴィッド・フォークが興奮してまくし立てた言葉に思わず笑ってしまうマット・デイモンの表情など、(まるでコントの相方のやり過ぎに思わず笑ってしまった芸人のようで)俳優達も楽しんでる感じが伝わってて最高です。交渉のキーパーソンとなるジョーダン母役のヴァイオラ・ディヴィスの貫禄はさすがだし、軽妙なジョーダン父とのバランスもすばらしい。  あえてマイケル・ジョーダンその人はちゃんと出てこないという仕掛けも面白いけど、まだ「神」になる前の「青年」だったことを思えば、誰かに台詞つきで演じさせてもよかったのかなーとは思います。その(まだプロとしては何も成し遂げていない)「青年」の可能性にどこまで賭けられるのか、という話なので。あと、脚本的には契約の肝だったロイヤリティの話が突然出てきて、しかもあっさり解決してしまったのが少し残念。ここは交渉時からの伏線がほしかったし、フィル社長がそれを受け入れる過程をもう少しうまく描ければ、ナイキの歴史を変える決断の大きさがもっとエモーショナルに伝わったのではないかと思います。とはいえ、肩肘張らずに楽しめるビジネスものの快作。90年代にNBAやバスケットシューズに夢中になった人は必見。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-05-28 08:25:03)
316.  ほの蒼き瞳 《ネタバレ》 
19世紀のウェストポイント士官学校の雰囲気、荒涼とした冬のハドソン川、そしてエドガー・アラン・ポーが描いたようなゴシック・ホラーの趣きなど、雰囲気は十二分に楽しめます。作り込まれた世界はNetflixじゃなくて劇場だったらさらによかったかなという印象(ただ、この題材で劇場まで足を運ぶかと言われると微妙なところは辛い)。ただ、なかなか前に進まずテンポが遅い序盤、突然大展開して一気に解決まで持って行ってしまう中盤以降、そしてやけにあっさり解決したなと思ったら最後に待っていた(でもなんとなく予想していた)「意外な結末」まで、ストーリー展開が「惜しい〜」という感じ。真相にはやっぱりちょっと無理を感じる(都合がいい偶然が重なってる点もやや興ざめ)し、クリスチャン・ベール演じる元警官ランドーと士官候補生時代の変人エドガー・アラン・ポーのどっちが物語の語り手だったのかが判然としない感じも残念。どこかで視点の転換が起きているはずなのですが、そのあたりの工夫が乏しかった。とはいえ、ランドーとポーのバディ感はなかなかよかったし、厳寒のNY田舎の風景、士官学校の閉鎖的な雰囲気、鍵を握った医者一家のおどろおどろしさなど、「そういうの」を期待して見ていたので、十分に2時間楽しめました。こうゆう100点満点の大傑作じゃないけど、駄作とも言えず、ちゃんと見所もあってそれなりに楽しませてくれる映画(ふと深夜にテレビ放送してるのを見始めてつい最後までみちゃうタイプ。)、結構好きです。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-01-30 08:33:55)
317.  コーダ あいのうた 《ネタバレ》 
前評判どおり、気持ちのいい映画でした。予想外にぶち込まれる下ネタの数々もいいスパイスになっています。主人公のエミリア・ジョーンズは、歌唱力的には物足りないと感じる部分もありますが、たいへんな環境のなかでの嫌みにならない健気さは出色の出来でした。オスカー受賞のトロイ・コッツァーはもちろん、実力者マーリー・マトリンもそしてお兄ちゃんもとにかく「家族」の造形と描写が見事で、この人たちのやりとりをずっと見ていたい気持ちになります。北東部地方の漁村の風景も美しい。これだけで映画としては大成功だとは思うのですが、ストーリー、設定、演出の面では違和感も。コンサートの無音シーンはすばらしかったのですが、実はこのときふと「手話しながら歌えばいいんじゃね?」という考えが頭をよぎってしまいました。この思いつきが、この後に尾を引いてしまい、一番感動すべきラストの試験のシーンもやや興ざめに。あと、結局通訳問題は解決してないように見えるのだけれど、どうやって乗り切ったのかわからないところ。たとえば、お母さんがおばちゃんグループに入っていけないところなど、どうやって乗りこえたのか?「障害者(お母さん)の側が心を入れ替えさえすれば、世界は変わる」という話なんだとしたら、障害者の側に困難を乗り越えろと求めているようで、ちょっとそれは違うように思える。バーのお姉ちゃん以外では、筆談すらする気配がない町の人たちにも、心がざわつく。田舎町という設定だから、ということなのかもしれないけど、とにかくいろいろ不自然に見えてしまって、せっかくの物語に入っていけなかった。愛すべき佳作ではありますが、いろいろコンサバな部分も目に付く。それが、オスカー作品賞を導いたのかもしれませんが。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-09-25 14:58:58)
318.  トップガン マーヴェリック 《ネタバレ》 
デンジャーゾーンで始まるのであれば、マイティ・ウィングスで終わってほしかった・・・(ラスト・クレジットであのイントロがいつ来るかと身構えたけど、ガガとアンセムだけだった)。空中戦シーンの「リアル」さには感服するしかないのですが、1980年代の映画の続編を2020年代に作ることの意味ってなんだろう、ということも考えてしまったのでした。  60間近になってもやりたいことっていうのが、kawasakiで疾走、若造たちに格の違いを見せつけるドッグファイト、半裸でビーチ・フットボール、美魔女とのラブシーン・・・という1980年代の発想からほとんど抜けていないことにはむしろ驚いてしまいます。匿名性をやたら高めた「敵」の描き方なんて、前作でも批判されていたはずなのに、今作では何の工夫のなく同じことを繰り返すばかりか、アメリカ側の一方的都合による先制攻撃作戦をメインに置くという点では、前作以上に問題がある。そんなことをいうのは野暮だとわかっているけど、もう2020年代なんだし、そのあいだにアメリカが関わった酷い戦争が何度も起きてるわけだし、観客だって大人になってるどころか人生1周しちゃってるわけだし、少なくとも自分としては前作と同じようには喜べないだろ、それ、としか言いようがない。  「アクション・スター」として「挑戦」を続けるトム・クルーズに、そんな歳相応・時代相応を求めるのは大いなる筋違いだとは思う。でも、そう思ってしまった観客もいるよということは記録として残しておこうと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2022-06-19 08:32:27)(良:2票)
319.  騙し絵の牙 《ネタバレ》 
吉田大八監督×原作塩田武士×主演大泉洋なんて、そりゃ期待するなというのが無理な話で、映画館で観たかったけれどかなわなかったものが配信開始されたので、さっそく拝見しました。面白かった、のだけれど、期待が大きすぎたかもしれない。物語の終盤まで、敵味方というよりも登場人物の目的がよくわからず、宙ぶらりんな状態で進んでいくサスペンスは出色だったと思う。ネタについても、完全に隠し切ってラストにドカンではなく、(とくにイケメン作家をめぐるアレコレなどは)あえてネタばらしを小出しにしながら、物語への居心地を悪くするあたりは、とても巧いなあと感じた。  ただ、そこに絡んでくるオールスターなキャストが自分的にはマイナス。佐藤浩市、佐野史郎、木村佳乃、中村倫也、斎藤工あたりの皆さんは、それぞれワンパターンに得意そうなキャラクターを演じてるだけで、ぜんぜん「面白くない!」のだ。そして、「あて書き」だからしょうがないのかも知れないが、もはや日本映画の救世主と個人的には思ってる大泉洋すら、物語の中盤くらいには「もう、大泉洋成分にお腹いっぱい」になっていた。劇中の台詞にもあるように、類型的なキャラへの批評的な視線が欲しかった。とくに、佐藤浩市さんは物語上も重要な役だっただけに、「ザ・佐藤浩市」に批評的に突っ込むような演出や展開があったらよかったなあと感じます。まあ、このあたりは、吉田監督自身が「桐島」の時代とは違って、日本映画を代表する「次作を待望される」監督になってしまったがゆえに、作品づくりのうえで調整しなきゃいけないことが増えた結果だろうなあと余計な推測までしてしまいます。とはいえ、小気味よい展開と松岡茉優さんのキャラに感情移入させるつくりに、吉田大八監督らしい良品感を楽しむことはできました。そして、主題歌なしの音楽とか、TRINITY編集部の面々のアンサンブルとか、スター抜きでも(抜きだからこそ)楽しめる要素もあって、オールスター映画ゆえの食傷気味な感覚がもったいないなあ、と感じた次第です。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-11-28 17:44:46)
320.  響 HIBIKI 《ネタバレ》 
言葉を綴ることが仕事の小説家が、人が相手になると言葉より先に暴力っていう設定自体、「天才」の表現とはいえいかがなものかという気はするが、この映画でそれを言ってはおしまいだと思うので、それはそれとして受け入れれば、地味でドロドロした文学と文学賞の世界をこれだけエンターテインメントで見せてくれれば、ちゃんと面白い映画と言えるのではないか。主人公の響を演じる平手さんにはあまり興味はなく、いつもしんどそうな女の子だなあと思っていたくらいなので、そのパブリック・イメージを活かしつつ、ときどき笑顔を見せてファンを喜ばせるという意味では、なかなかよくできた「アイドル映画」ではあるけど、多くの人は彼女よりも彼女を取り巻く人たちのほうに感情移入して、その振り回されっぷりを楽しむのが楽しい鑑賞法なのだと思う。個人的には、響が小栗旬演じる山本の作品を読んでいる途中で買い物に出かけるシーン(もし山本の作品が受賞するほどのものであれば、響はあんな簡単に途中で読むのをやめないだろう)がとても切なくてよかった。キャラ推し映画のようでいて、そうゆう丁寧な描写が各所にあるのもこの作品の魅力だった。  ただ、自分もいちおう文章を生業の一部としている人間なのでどうしても気になったのは、響と彼女の作品『御伽の庭』を表現する語彙の乏しさ。冒頭の北川景子が表現する部分が唯一、具体的に「どうすごいのか」を説明した部分だと思うのだが、そういう表現だったら今時の作家さんの多くが志している部分だと思うし、自分もそういう作品も多く読んできたように思う。肝心の作品自体を表に見せる必要はないが、もっといろんな人がいろんな言葉で表現することは必要だったんじゃないかなーと思う。たくさんの違った角度、違った顔を持つ作品こそ、「傑作」と呼ぶにふさわしいと思うので。あと、芥川賞と直木賞の基準とかに全く触れないのも、「文学賞」を題材にした作品としてはやっぱり残念。ただ、終わらせ方はとてもよかったと思う。そして続編はないと思うけど、いらないと思います。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-08-09 08:42:38)(良:1票)
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